JPH10298764A - プラズマcvd装置 - Google Patents
プラズマcvd装置Info
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- JPH10298764A JPH10298764A JP9221593A JP22159397A JPH10298764A JP H10298764 A JPH10298764 A JP H10298764A JP 9221593 A JP9221593 A JP 9221593A JP 22159397 A JP22159397 A JP 22159397A JP H10298764 A JPH10298764 A JP H10298764A
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Abstract
連続的に成膜が可能な連続プラズマCVD装置を提供す
る。 【解決手段】 高周波バイアスの周波数を50KHz〜
900KHzの範囲とし、高周波電源と導電性を有する
薄膜の間に、静電容量Cと高周波周波数fの積C・fが
0.02(F・Hz)以上になるようなブロッキングコ
ンデンサを介在させ、基体搬送系の高周波絶縁性として
基体供給ローラから回転ドラムに至る経路の全てのロー
ラのインピーダンスの合計を少なくとも10kΩ以上、
回転ドラムから巻取ローラに至る経路の全てのローラの
インピーダンスの合計を少なくとも10kΩ以上とする
ことを特徴とする。
Description
体や他の各種機能性薄膜の製造などに使用される連続プ
ラズマCVD装置に係り、さらに詳しくは、損傷のない
高品質のCVD薄膜を広幅で均一に高速度で成膜するの
に好適な連続プラズマCVD装置に関するものである。
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアラミド、ポリイミドなどの絶縁性を有するフィルム
を用いた薄膜磁気記録媒体や各種の機能性媒体の広範な
分野において、これらの長尺基体上にさらに保護膜、潤
滑膜、防湿膜などのプラズマCVD膜を設ける試みがな
されている。
VD成膜を行なえば、多量生産が可能となり、大幅なコ
スト低減が見込まれる。そしてより生産性を向上させる
には高速、広幅成膜の技術が重要となる。
ズマに多量のエネルギーを供給して活性なイオンやラジ
カルなどの分子種を高密度に生成し、これらを有効に基
体に入射させることである。また、高品質な膜を得るた
めには基体に入射するイオンに所定の運動エネルギーを
与える必要があり、このためプラズマ励起部および(ま
たは)基体側にバイアス電圧を印加してイオンの加速が
行なわれる。
多くのエネルギーを加えれば必然的にプラズマのエネル
ギーが基体に移動し、基体が加熱される。基体が加熱さ
れれば、成膜速度が大幅に減少し、膜質が低下するとと
もに基体の変形、破壊が生じる。
どの導電性を有する基体の場合、導電膜にイオン電流が
流れるためジュール熱による加熱が加わる。特に、成膜
速度の高速度化のためイオン入射量を増し、また膜質向
上のためイオン加速電圧を上げると著しい基体損傷を引
き起こすことは広く知られている。
もに基体の広幅化を図る必要がある。成膜幅を左右する
重要な要件は、プラズマ密度とイオン加速バイアス電圧
の均一性である。プラズマ密度ならびにバイアス電圧が
不均一だと膜厚、膜質が幅方向において大きくばらつ
く。
このように非常に難しい技術であり、特に基体の少なく
とも一部が導電性を有し、電流を流すとジュール熱を発
生するような基体を用いたとき、プラズマCVD膜の高
速成膜、広幅成膜はより一層困難となり、ブレークスル
ーが必要となっている。
れるが、主な要因は基体に入射する加速イオンの衝撃エ
ネルギーによる発熱とイオン電流のジュール熱による発
熱である。この中で、衝撃エネルギーによる発熱は衝撃
エネルギーが高品質な膜を得るため必要なものであり、
避けることができない。一方、イオン電流によるジュー
ル熱は不要なものであり、イオンを加速するバイアス印
加法に依存する。このイオン電流による加熱を如何に抑
制するかが、安定な高速プロセスを実現する上で最も重
要なポイントとなる。
図37に、従来例の一つとして直流バイアスによるイオ
ン加速法を用いたプラズマCVD装置の概略構成を示
す。
樹脂フィルムなどからなる基体、132はその基体13
1を連続的に繰り出す供給ローラ、133はその供給ロ
ーラ132に接続された直流電源、134は基体131
をガイドする中間ローラ、135は回転ドラム、136
はプラズマ管、137はそのプラズマ管136に巻装さ
れた高周波コイル、138はその高周波コイル137に
高周波を印加する高周波電源、139は前記プラズマ管
136内に配置されたアノード電極、140はそのアノ
ード電極139に接続された直流電源、141は前記プ
ラズマ管136に形成されたガス導入口、142は成膜
された基体131を巻き取る巻取ローラである。
高周波コイル137でプラズマを励起し、導電性を有す
る基体131に直流電源133を用いてバイアス電圧を
印加する方法では、基体131の導電性部分に矢印14
3に示すようにイオン電流が流れてしまう。
ズマを挟んで基体131と反対側のアノード電極139
から印加する方法でも、基体131のイオンによる帯電
を防ぐために基体131からイオンを逃がす経路を設け
る必要があり、同じように矢印143方向にイオン電流
が流れる。
流が流れると、基体の電気抵抗が極めて小さいか反対に
極めて大きい場合を除き、イオン電流により多量のジュ
ール熱が発生し、そのために成膜速度の低下と基体の損
傷が起こる。
るため、図38に示すように冷却された回転ドラム上の
フィルムに単数または複数の電位ローラを設けて、イオ
ン電流を冷却された回転ドラム上のみに局限し、また電
流の分流を図る手段が提案されている(特公平7−10
5037号公報参照)。
などからなる基体、152は基体151を連続的に繰り
出す供給ローラ、153はその基体151をガイドする
中間ローラ、154は回転ドラム、155は複数のプラ
ズマ管、156は各プラズマ管155に巻装された高周
波コイル、157は各プラズマ管155内に配置された
アノード電極、158はそのアノード電極157に接続
された直流電源、159は各プラズマ管155に接続さ
れたガス導入管、160は成膜された基体151を巻き
取る巻取ローラ、161はバイアス電圧を印加するため
の電位ローラである。
化しておらず、基体151に流れ込む熱量の大幅な減少
にはつながらない。このように直流電源を用いてバイア
ス電圧を印加する方法(交流であってもプラズマ的に直
流と見なせる低周波数バイアス印加法でも同様)では、
イオン入射量の多い成膜法において、イオン電流によっ
て成膜速度が制限されるという欠点はまだ解消できな
い。
らに基体と回転ドラム間に高電圧の直流電圧を印加し静
電吸着を利用して密着性を上げる手段などが提案されて
いる。
1が移動しているため電位ローラ161の電圧はスリッ
プリングやロータリージョイントなどを介して電気導通
をとって調整する必要があるが、スリップリングなどの
接触面が汚れたり、スティックスリップが生じたりする
と電圧が変動し、生成した膜の膜質が不均質になりやす
い。
電位になるとプラズマ電位が高くなり、異常放電が起こ
り易くなる。さらにイオン加速を広い面積にわたって均
等に行うことが難しい。また、基体の帯電により塵埃が
基体に付着して、基体が汚染されやすい問題がある。
を印加する方法は、広幅ならびに高速成膜という観点か
らみて技術的難度が高いと言わざるを得ない。
3.56MHzの高周波を基体に印加して、いわゆる自
己バイアス電圧によるイオン加速を行う高周波自己バイ
アス法を用いればほとんど避けることができる。これは
イオン電流が基体の厚さ方向に向かい、さらに絶縁性フ
ィルムの静電容量を介して変位電流として回転ドラム側
に流れ込むためである。また、この方法は基体全体に均
一なバイアス電圧を発生させることができるため広幅成
膜が容易である利点がある。
しプラズマを励起するとともに自己バイアス電圧を発生
させるプラズマCVD装置の概略構成図である(特開平
8−41645号公報,特開平8−49076号公報参
照)。同図において171は例えばフレキシブルな合成
樹脂フィルムなどからなる基体、172はその基体17
1を連続的に繰り出す供給ローラ、173は基体171
をガイドする中間ローラ、174は回転ドラム、175
は回転ドラム174に高周波を印加する高周波電源、1
76はガス導入口、177は成膜された基体171を巻
き取る巻取ローラである。
熱はほとんど発生しないが、高周波電力による電流が基
体の導電膜を通じて、基体搬送系や真空槽壁を介してア
ース側に流れて多量のジュール熱が発生する。この高周
波電流を防止するためには徹底した高周波絶縁を行う必
要があるが、周波数が高いため極めて困難である。薄膜
とアース電位間に僅かな静電気容量があっても静電気的
につながってしまい、同図に矢印178で示す如く薄膜
中に高周波電流が流れ、多量のジュール熱が発生する。
また、この際に発生する過電流によって基体の導電膜破
壊が起こる。
結果、仮に高周波的に絶縁がとれたとしても、バイアス
電圧を上げると、回転ドラムに基体が接触しはじめる近
傍およびドラムから離れ始める近傍で過電流が流れたり
異常放電が発生し、導電膜が破壊したり基体が切れると
いうトラブルが頻発することが分かった。この原因は、
その近傍で静電容量の変化量が大きいためと考えられ
る。また、さらに高周波バイアスによる絶縁性ベースフ
ィルムの誘電加熱も無視できない。
加するとともに基体側に数100kHzのパルス状の高
周波バイアスを印加する方法が提案されている(特開平
8−69622号公報参照)。この方法も直流的にバイ
アス電圧を印加するので、基体に流入するイオンをアー
スして逃がさなければならない。もし逃がさなければ、
基体が帯電してすぐにバイアス電圧が印加できなくな
る。また、基体側の接地型パルス高周波によるバイアス
印加はプラズマ密度を高める効果が認められたが、ほと
んどバイアス電圧に対する寄与は認められなかった。従
ってパルス状の高周波はバイアス的には副次的な役割し
か果たしていないものと思われる。
術の欠点を解消し、基体に損傷もしくは変質などが生じ
ることなく、連続的に品質の良好な成膜が可能なプラズ
マCVD装置を提供することにある。
膜厚にばらつきのない均一な成膜が可能なプラズマCV
D装置を提供することにある。
発塵の少ないプラズマCVD装置を提供することにあ
る。
傷されることのないプラズマCVD装置を提供すること
にある。
るため、第1の本発明は、ローラ系を介して回転ドラム
上を移動する導電性を有する基体表面にプラズマにより
連続的に成膜するプラズマCVD装置において、前記基
体の供給ローラから回転ドラムに至る経路の全てのロー
ラのローラ表面とアース電位の間のインピーダンスの合
計を10kΩ以上、かつ回転ドラムから巻取ローラに至
る経路の全てのローラのローラ表面とアース電位の間の
インピーダンスの合計を10kΩ以上とし、前記基体と
その基体に高周波を印加する高周波電源の間にブロッキ
ングコンデンサを介在させたことを特徴とするものであ
る。
発明は、マイクロ波によってプラズマを発生させて基体
上に成膜するプラズマCVD装置において、マイクロ波
を導入するための窓を、真空を保持するための窓とプラ
ズマを封じ込めるための窓の2重構造にしたことを特徴
とするものである。
発明は、プラズマを発生させて基体上に成膜するプラズ
マCVD装置において、前記プラズマの発生領域を制限
するフードが設けられ、そのフードのプラズマと接する
表面温度が150℃以上に加熱されていることを特徴と
するものである。
発明は、ローラ系を介して回転ドラム上を移動する少な
くともその一部が導電性を有する基体に高周波自己バイ
アス電圧を印加して成膜を行うプラズマCVD装置にお
いて、前記回転ドラムと基体の導電性部分の電位差が2
0〜1000Vの範囲にあることを特徴とするものであ
る。
発明は、基体表面の近くでプラズマを発生させて、基体
上に成膜するプラズマCVD装置において、前記プラズ
マの発生領域に前記基体以外の長尺状の膜担持フィルム
を設け、プラズマCVD膜が付着した膜担持フィルムを
順次巻き取るように構成されていることを特徴とするも
のである。
た合成樹脂フィルム、導電性微粉末を混入した合成樹脂
フィルムなどの導電性を有する基体表面に、プラズマに
より連続的に例えばカーボン薄膜などを成膜する連続プ
ラズマCVD装置において、本発明は前述のように従来
より大幅に低い周波数を用いた高周波自己バイアス発生
機構および前記基体とアース電位間のインピーダンスを
大幅に上げた基体搬送系を有することを特徴とする連続
プラズマCVD装置である。
第1にイオン電流によるジュール熱を避けることが必要
である。そこで本発明者らは、従来の高周波自己バイア
ス法における基体の損傷発生状況を詳細に検討した。こ
の結果、基体搬送系の高周波絶縁をかなり徹底した後で
も、損傷が起こることが分かった。特に、冷却された回
転ドラムとこれに近い中間ロールの間で損傷を受けやす
く、損傷は一般に直流バイアス法の場合よりも著しい。
た瞬間に導電膜が破断する場合がある。また、低バイア
ス電力で損傷がほぼ認められない場合でも回転ドラム上
でしわが発生し、成膜時にしわ部分の熱負けが生じる。
討した結果、中間ロール間の基体における高周波電流に
よる単位面積当たりの発熱量を150mW/cm2 以
下、好ましくは50mW/cm2 以下に抑制しなければ
ならないことが分かった。また、この条件を満たすため
には、バイアスの周波数を大幅に下げるとともに基体搬
送系の高周波絶縁性(インピーダンス)を所定の値以上
に高めなければならないことが分かった。
した。通常、高周波が1MHz以下になると、基体に帯
電が生じて自己バイアス電圧が有効にかからなくなるこ
とが知られている(Diamond and Diamond-Like Films a
nd Coatings Edited by R.E.Ciausing et al.,Plenum P
ress,New York,1991,p247 参照) 。
討したが、損傷の発生しない十分な条件を見い出すこと
ができなかった。また、回転ドラムに基体が接触しはじ
める近傍および基体が回転ドラムから離れ始める近傍で
過電流が流れたり異常放電が発生するトラブルも周波数
を下げることによって減少することが判明したが、完全
に抑制することができなかった。従って損傷を避けるた
めにはさらに周波数を下げなければならないことが分か
った。
構を実験的に、また理論的にさらに詳細に検討した。こ
の結果、この周波数領域における自己バイアス電圧は、
イオン電流、高周波電源のブロッキングコンデンサの静
電容量、基体の厚み、基体の誘電率、プラズマ密度、高
周波入力電圧などの関数であることが判明した。
デンサの容量が小さく、かつ基体の厚みが厚い場合など
には、基体の帯電によると見られるバイアス波形の歪み
およびバイアス電圧の低下が顕著に認められた。しか
し、以下に述べる適切な条件を選択すれば十分なバイア
ス電圧を得ることができることを見出した。また異常放
電も確実に抑制できることが分かった。
の周波数を50KHz〜900KHzの範囲、好ましく
は150kHz〜600kHzの範囲とし、高周波電源
と導電性を有する薄膜の間に、静電容量Cと高周波周波
数fの積C・fが0.02〔F・Hz〕以上、好ましく
は0.3〔F・Hz〕以上になるようなブロッキングコ
ンデンサを介在させる。そして基体搬送系の高周波絶縁
として、基体供給ローラから回転ドラムに至る経路の全
てのローラのインピーダンスの合計を少なくとも10k
Ω以上、好ましくは20kΩ以上とし、また同様に回転
ドラムから巻取ローラに至る経路の全てのローラのイン
ピーダンスの合計を少なくとも10kΩ以上、好ましく
は20kΩ以上とすることによって所期の目的を達した
ものである。
が印加されるから、直流電圧を必要としない。そのため
直流的に自己バイアス電圧を印加した場合に発生する問
題点、すなわちイオン電流によるジュール熱、バイアス
電圧の不均等性、不安定性、異常放電、基体の帯電によ
る塵埃の付着の問題を解消できる。
体走行面の全幅にわたって1〜2周、アルミホイルを巻
き付け、このアルミホイルとアース電位とのインピーダ
ンスをインピーダンスメータで測定した値である。
ス電圧の安定性および均一性は前記の手段により解消さ
れるが、膜の均一性を確保するにはプラズマ密度の分布
を均一にする必要がある。このためには、プラズマの主
たる生成源としてマイクロ波を用いることが有効であ
る。マイクロ波の電界は、アンテナ形状を調整すること
により容易に均一にすることができる。
ローラ、巻取ローラ、中間ローラなど)の本体またはそ
の一部をセラミックや合成樹脂などの電気絶縁性の材料
で構成するか、ローラの芯材に電気絶縁材を用いるか、
あるいは導電性を有する芯材を持たない中空状のローラ
を使用する手段が有効である。
ズマを発生させて基体上に成膜するプラズマCVD装置
において、マイクロ波を導入するための窓を、真空を保
持するための窓とプラズマを封じ込めるための窓の2重
構造にしたことを特徴とするものである。このように構
成することにより、長時間成膜を行なっても膜厚のばら
つきが小さく、均一な成膜が可能である。
体上に成膜するプラズマCVD装置において、前記プラ
ズマの発生領域を制限するフードが設けられ、そのフー
ドのプラズマと接する表面温度が150℃以上に加熱さ
れていることを特徴とするものである。このように構成
することにより、長時間成膜してもプラズマCVD膜の
付着による基体の汚染が有効に防止できる。
ラム上を移動する少なくともその一部が導電性を有する
基体に高周波自己バイアス電圧を印加して成膜を行うプ
ラズマCVD装置において、前記回転ドラムと基体の導
電性部分の電位差を20〜1000Vの範囲に規制する
ことにより、成膜時の基体の損傷を有効に防止すること
ができる。
マを発生させて、基体上に成膜するプラズマCVD装置
において、前記プラズマの発生領域に前記基体以外の長
尺状の膜担持フィルムを設け、プラズマCVD膜が付着
した膜担持フィルムを順次巻き取るように構成すること
により、基体への塵埃類の付着を有効に防止することが
できる。
ラズマ成膜装置の概略構成図、図2はそのプラズマ成膜
装置に用いられる供給ローラならびに巻取ローラの構成
を説明するための図、図3はそのプラズマ成膜装置によ
って保護膜を形成した磁気記録媒体の拡大断面図であ
る。
る。長尺状で導電性を有する幅広の基体1を供給ローラ
2から連続的に繰り出し、所定の速度で回転する冷却状
態の回転ドラム3の周面を通して成膜を行い、巻取ロー
ラ4に順次巻き取る。
回転軸(芯材)及びローラ本体をセラミックス、合成樹
脂、ガラス繊維及びそれらの複合物などで形成するか、
あるいは図2に示すように、円筒状のコア14と、その
両端を支持するセラミックス製のテーパコーン15から
主に構成され、ローラ内部に回転軸を持たない中空構造
にしてもよい。同図において16はエアシリンダ、17
はモータ、18はベアリング、19はシール部材であ
る。
タン,エタン,エチレン,アセチレン,ブタン,ベンゼ
ン,ヘキサンなどの炭化水素ガスからなるモノマーガ
ス、アルゴン,ヘリウム,ネオン,クリプトン,キセノ
ン,ラドンなどの不活性なキャリヤガス、窒素,水素,
二酸化炭素,一酸化炭素,酸素などの活性なキャリヤガ
スなどが必要に応じて同時にまたは異なるガス導入口か
ら所定の割合で供給される。プラズマの安定上キャリヤ
ガスをマイクロ波導入窓近辺のガス導入口6,8から、
モノマーガスを基体の近傍にあるガス導入口5,7から
導入することが望ましい。このように導入すると、膜付
着による周囲の汚染が抑制される。
ケータ9から印加されるマイクロ波(MW)によりプラ
ズマ状態に保たれ、搬送される基体1の外表面にプラズ
マCVD膜が連続的に形成される。
12を介して高周波電源10によって自己バイアス電圧
が加えられ、基体1上に連続して幅広で均質なプラズマ
CVD膜が形成される。高周波電源の周波数は50KH
z〜900KHz、好ましくは150kHz〜600k
Hzとする。11は回転ドラム3の周面に沿って設けら
れてプラズマ発生領域を制限する隔壁、13はセラミッ
クス、合成樹脂、ガラス繊維及びそれらの複合物などで
形成したガイド用の中間ローラである。
ス、合成樹脂、ガラス繊維及びそれらの複合物などで形
成するか、前記供給ローラ2、巻取ローラ4と同様に回
転軸を持たない中空構造にする。なお、ローラ本体と回
転軸が一体になった構造でも何ら問題ない。
行なう成膜室21の真空度は独立に制御が可能であり、
搬送室20はプラズマの発生しない高真空に保たれる。
録媒体を製造する場合、図3に示すように前記基体1と
しては例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリア
ミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリベンゾオキサ
ゾールなど各種の合成樹脂フィルムが使用される。その
上に例えばCo−O、Co−Ni、Co−Cr、Co−
Fe、Co−Ni−Cr、Co−Ni−O、Co−Pt
−Crなどからなる磁性層22が、例えば蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、イオン化蒸着
法などの手段により形成され、この磁性層22により基
体1に導電性が付与されている。
前記供給ローラ2から繰り出され、プラズマCVD法に
より磁性層22上に所定膜厚のプラズマCVD保護膜2
3が形成される。
厚さ0.15μmのCo−O膜を形成した基体を用い
て、マイクロ波の周波数を2.45GHz、投入電力3
kW、導入ガスとしてメタンとアルゴンを用い、メタン
とアルゴンの導入割合を3:1、搬送室20の真空度を
5×10-5Torr、成膜室21の真空度を0.07T
orrとして、Co−O膜の上に厚さ10nmのダイヤ
モンドライクカーボン膜を形成した。
ッキングコンデンサ12の静電容量C、ブロッキングコ
ンデンサ12の静電容量Cと高周波電源10の周波数f
の積C・f、供給ローラから回転ドラムに至る経路の全
てのローラのインピーダンスの合計と回転ドラムから巻
取ローラに至る経路の全てのローラのインピーダンスの
合計のうち小さい方の値、中間ローラ13の材質、回転
軸(芯材)の有無と材質、供給ローラ2ならびに巻取ロ
ーラ4の材質、回転軸の有無、薄膜の体積抵抗率(Co
−O斜め蒸着膜中のO2 含有率の抵抗値を調整)、磁気
テープを製造してそれの耐久性を評価したスチル試験結
果(40℃、80%RHの環境下において、磁気テープ
をデッキにかけて走行し、RF出力が−5dBになるま
でのスチル時間)、基体の損傷の有無などについてテス
トした結果をまとめた表である。なお、スチル試験の欄
に示している−印のものは、測定が不可能なものを示し
ている。
0KHzと低いから、膜質劣化があり、そのためスチル
試験の結果が悪い。
の周波数は50KHzであるが、ブロッキングコンデン
サ12の静電容量Cが0.3μFと小さく、従ってC・
fの値が0.015であるから、帯電によりバイアス電
圧が十分に印加されないため、スチル試験の結果がまだ
不十分である。
は、高周波電源10の周波数は50KHz〜900KH
zで、C・fの値が0.02以上(0.02〜1の範
囲)であることから、薄膜形成時に十分な自己バイアス
電圧が印加され、その結果、薄膜の損傷がなく、均質な
ダイヤモンドライクカーボン膜が形成されるため、スチ
ル試験の結果が120分以上で耐磨耗性に優れている。
0.02であるが、高周波電源10の周波数が1000
KHzと高いから、高周波電流の低減が不十分で、その
ため高周波電流で基体が加熱されて損傷を生じ、スチル
試験が不可能であった。
電源10の周波数は600KHz,900KHzである
が、ブロッキングコンデンサ12の静電容量Cが0.0
25μF,0.015μFと小さく、従ってC・fの値
が0.015以下となり、帯電によりバイアス電圧が十
分に印加されないため、スチル試験の結果がまだ不十分
である。
0.9であるが、高周波電源10の周波数が1000K
Hzと高いから、高周波電流の低減が不十分で、そのた
め高周波電流で基体が加熱されて損傷を生じ、スチル試
験が不可能であった。
o.13と同様に高周波電源10の周波数が1000K
Hzと高いが、薄膜の体積抵抗率が、No.14は大き
いために、No.15は小さいために高周波電流による
基体の加熱が生じなかった。しかし、体積抵抗率を変え
るためにCo−O斜め蒸着膜中のO2 含有率 を調整し
たため、磁気特性が劣化しており、スチル試験は不可能
であった。
の値が0.9であるが、ローラ系のインピーダンスが1
0kΩ以下と小さいため、高周波電流の低減が不十分
で、そのため高周波電流で基体が加熱されて損傷を生
じ、スチル試験の結果がまだ不十分である。
ラから回転ドラムに至る経路の全てのローラのローラ表
面とアース電位の間のインピーダンスの合計を10kΩ
以上、また同様に回転ドラムから巻取ローラに至る経路
の全てのローラのローラ表面とアース電位の間のインピ
ーダンスの合計を10kΩ以上とし、基体と高周波電源
の間にブロッキングコンデンサを介在させ、C・fの値
が0.02以上として、高周波電源の周波数を50kH
z〜900kHzとすることにより、成膜時における基
体の損傷がなく、しかも全幅にわたって目的にかなった
緻密で均質なプラズマCVD膜が得られる。
プラズマ源の一つにマイクロ波(MW)プラズマがあ
る。MWは電極を放電管内に設ける必要がなく、電力を
局所的に集中することができるため、高密度のプラズマ
の生成が可能である。磁界を印加してECR条件(elec
tron cyclotron resonance)を付与すれば、高真空度で
の成膜も可能となる。高真空度での成膜は不純物の混入
が減少するため、膜質も改善される。
て、MWを導入する石英などのMW透過性材料で構成し
たMW導入窓の表面もプラズマに曝されるから、プラズ
マCVD膜が導入窓に付着することが多々ある。その成
膜された膜がMWの透過する膜であればよいが、MWを
吸収したり、反射する膜であると時間と共にプラズマ状
態が変化し、そのため長時間の安定した成膜が難しくな
るという新たな問題点がある。これを解消するために頻
繁に導入窓の清掃を行わなければならず、生産性を低下
させる原因となる。
るための第2ならびに第3の実施の形態に係るプラズマ
成膜装置の概略構成図である。図5に示すように長尺の
フレキシブルな基体1が供給ロール2から連続的にある
いは間欠的に繰り出され、回転ドラム3の周面を通して
成膜を行い、巻取ロール4に巻き取られる。
ス電圧が印加さる。ガス導入口5からは、原料ガス及び
キャリアガスとしてヘキサメチルジシロキサンと酸素の
混合ガス(混合比3:7)を導入する。
ラズマ制限用MW導入窓26を通してプラズマ発生領域
27に導入される。この真空維持用MW導入窓25は真
空を維持するための窓で、プラズマ制限用MW導入窓2
6はプラズマを封じ込めるための窓で、両方の窓により
2重構造になっており、真空維持用MW導入窓25はプ
ラズマ制限用MW導入窓26の外側に配置され、プラズ
マに曝されないようになっている。真空維持用MW導入
窓25とプラズマ制限用MW導入窓26の間は高真空に
するか、あるいは両者間の間隔をプラズマのシースの厚
み以下にしてプラズマが発生しないようにする。
厚さ50μmのポリテトラフルオロエチレンなどのフッ
素樹脂、あるいはそれにガラス繊維などのフィラーを混
入したもの、またはポリプロピレンなどの長尺のMW透
過性でかつ耐熱性のフレキシブル材料でできており、時
間の経過とともに徐々に巻き取られていく。
のプラズマ発生領域27と対向した表面に付着したプラ
ズマCVD膜も窓26と一緒に移動し、プラズマ発生領
域27には常に綺麗な窓26の部分が供給されるから、
プラズマ状態が長期間安定に保たれる。
入窓26にフレキシブルな材料を用いたが、板状の材料
を用いて横方向に移動させてもよい。プラズマ制限用M
W導入窓としてはMWを透明するもの(反射、吸収の少
ない材料、もしくは反射、吸収が大きくてもその厚さが
薄くて実質的にMWを透明するもの)が使用され。
ク状の基体にMWによる成膜を行う装置を示す。ガラス
製のディスク状基体28は基体供給装置29から1枚ず
つ供給され、基体ホルダー30に支持されて循環式の搬
送系31によりプラズマ発生領域27を通過することに
よりディスク状基体28の表面にプラズマCVD膜が形
成され、その後に基体収納装置32へ運ばれる。
ってバイアス電圧が印加される。ガス導入口5から原料
ガス及びキャリアガスとしてそれぞれメタンガスとアル
ゴンガスを1:2の割合で導入する。
ラズマ制限用MW導入窓26を通してプラズマ発生領域
27に導入される。真空維持用MW導入窓25とプラズ
マ制限用MW導入窓26の間は、高真空にするかあるい
は両者の間隔をプラズマのシースの厚み以下にしてプラ
ズマが発生しないようにする。プラズマ制限用MW導入
窓26は長尺の石英ガラス板でできており、時間の経過
とともに連続的にあるいは間欠的に横方向に移動する。
(PET)フィルム上に厚さ0.15μmのCo−O膜
を蒸着したシート状の磁気記録媒体を基体として用い、
その表面に図5のプラズマCVD装置を使用して厚さ1
5nmのSiOx膜(x=1.7)を形成したNo.3
0の試料と、プラズマ制限用MW導入窓を用いない他は
図5と同じ構成の装置を用いて厚さ15nmのSiOx
膜(x=1.7)を形成したNo.31の試料の時間経
過に伴う膜厚の変化を図7に示す。
r薄膜と厚さ20nmのCo−Cr薄膜を積層スパッタ
リングしたディスク状の磁気記録媒体を基体として用
い、その表面に図6のプラズマCVD装置を使用して厚
さ10nmのダイヤモンドライクカーボン膜を形成した
No.32の試料と、プラズマ制限用MW導入窓を用い
ない他は図6と同じ構成の装置を用いて厚さ10nmの
ダイヤモンドライクカーボン膜を形成したNo.33の
試料の時間経過に伴う膜厚の変化を図8に示す。
に、プラズマ制限用MW導入窓を用いないで製作した試
料No.31,33のものはある時間以上成膜を行うと
膜厚のばらつきが大きくなる。これに対して図5ならび
に図6の装置を用いて成膜を行うと長時間にわたって均
一な膜厚が得られる。
は成膜しようとしている基体上ばかりでなく、その周辺
のプラズマに曝された部分にもプラズマCVD膜が付着
する。このプラズマCVD膜はある程度厚くなると、膜
中の内部応力によって剥離を生じる。この剥離片は塵埃
となり、基体等を汚染するという問題がある。
を制限するフードを設けることにより、高密度プラズマ
を一定領域内で制御することが可能となる。さらにその
フードのプラズマと接する表面温度を150℃以上に維
持することにより、成膜部分以外のプラズマに曝された
部分への膜の付着を防止することができる。プラズマ中
で原料ガス成分は基体との付着、解離を繰り返してお
り、この平衡状態が付着側に傾いたときに膜形成がなさ
れる。150℃以上の加熱によりこの平衡状態が解離側
に傾くために膜がフードに付着しなくなったものと思わ
れる。
導入すると、膜付着防止効果がより高くなる。この加熱
による膜付着防止効果は、前述のMW導入窓に対しても
有効であり、MW導入窓を150℃以上に加熱すること
によって、前述の二重窓構造を用いずに長時間安定な成
膜が可能となる。
曝されていない部分も加熱してしまう。この結果、加熱
に要する消費電力が大となり、耐熱性が劣る部分に熱損
傷を与えるなどの問題が生じる場合がある。この問題に
ついては加熱部分の固定を非常に小さな面積で、熱伝導
率の低い材料を用いて行い、更に熱を遮蔽する遮蔽板を
基体の成膜領域を遮らないように、フードの加熱部分と
回転ドラム等の非加熱部分の間に入れることにより解決
することができる。
0W/m・K以下の材料を用い、熱を遮蔽する遮蔽板を
加熱部分と非加熱部分の間に入れることにより、容易に
周囲の加熱を低減することができる。更に、フードと支
持部材の接触面積をフードの加熱部分の表面積に対し
て、1/100以下の面積比に設定することにより、周
囲の加熱を低減する効果が増す。
い。しかし、前述のように冷却した部分がプラズマに曝
されるとそこに膜が付着する。そこで冷却した遮蔽板に
膜が付着しないように、遮蔽板とフードとの間隔をプラ
ズマのシース厚さ程度に保たれるように設計する。
場合、単純にフードで成膜領域を覆うと十分な自己バイ
アス電圧がかからなくなる場合が生じる。この解決手段
として、フード内部に表面積の大きな構造物を設置し、
プラズマに暴露されたアース電位部分の面積がプラズマ
に暴露され基体表面の面積の6倍以上、好ましくは9倍
以上にすることによって、自己バイアス電圧が安定して
印加されるようにした。
ラズマCVD装置の概略構成図、図10は図9のA部の
拡大概略構成図、図11ならびに図12はそのプラズマ
CVD装置に用いられる隔壁の拡大断面図である。
する。基体1の搬送経路などは図1に示したものと同様
であるので、それらの説明は省略する。図10に示すガ
ス導入口5,7からは炭化水素ガスからなるモノマーガ
スが、またガス導入口6,8からはキャリヤガスが所定
の割合で供給される。これらのガスは、マイクロ波リニ
アアプリケータ10から印加されるマイクロ波によりプ
ラズマ状態に保たれ、搬送される基体1の外表面にプラ
ズマCVD膜が連続的に形成される。
よって発生領域が制限される。このフード33は加熱ヒ
ータ34によりプラズマと接する表面温度が150℃以
上に維持される。フード33はセラミックスなどの熱伝
導率50W/m・K以下の材料でできた支持部材35に
よって非常に小さな接触面積で真空槽壁などのアース電
位構造材に固定され、熱伝導による熱の流出を最小限に
抑える。
の間に熱の遮蔽板を兼ねた隔壁11を配置して熱放射に
よる基体1の損傷を防止する。隔壁11は図11に示す
ように連続した中空部36を有し、その中を冷却水が流
通するか、あるいは図12に示すように冷却水が流通す
る冷却管37が付設されており、これらの冷却手段によ
り隔壁11は100℃以下に維持されている。
の薄板状のフィン38が配置される。この実施の形態で
は薄板状のフィン38を用いたが、これに限定されず、
例えばピンフィンやコルゲートフィンなと他のフィンを
用いることもできる。
チングボックス39を介して高周波電源10によって自
己バイアス電圧が加えられ、基体1上に連続して幅広で
均質なプラズマCVD膜が形成される。
厚さ0.15μmのCo−O膜を形成した基体を用い
て、下記の条件で厚さ10nmのダイヤモンドライクカ
ーボン膜を形成したときの、フードの有無ならびにフー
ドのプラズマと接する表面温度とプラズマCVD膜の付
着状態との関係をテストした結果をまとめた表である。
体にプラズマが広がり、広範囲な面積にプラズマCVD
膜が付着した。
てプラズマをフード内に閉じ込めているが、フードを加
熱していないためにフード内面に多量のプラズマCVD
膜が付着した。
しているが加熱が十分でないためにフード内面に少量の
プラズマCVD膜が付着した。
を十分に加熱しているのでフード内にほとんどプラズマ
CVD膜が付着しなかった。
制限するフードを設け、フードのプラズマと接する表面
温度を150℃以上に維持することにより、フードへの
膜の付着を防止することができる。
ズマを発生させていない時に熱電対で測定した値であ
る。プラズマ発生時にはプラズマの熱により、更に高温
に加熱されているものと思われる。
度を160℃に維持するように加熱するとき、フードを
支持する支持部材の熱熱伝導率(材質)を種々変えた場
合のヒータ電力との関係をテストした表である。なお、
他の条件は前述と同じにした。
に支持部材の熱伝導率が大きいと、余分にヒータ電力が
消費され、ランニングコストが高くつく。これに対して
試料No.46,47のように支持部材の熱伝導率が5
0W/m・K以下であると、装置外への熱の放出が抑制
され、少ないヒータ電力でプラズマCVD膜が有効に形
成されて、ランニングコストの低減を図ることができ
る。
される面積に対するフード内のアース電位部分の面積
(フィンの表面積)の比率を種々変えた場合のバイアス
電圧との関係をテストした表である。なお、他の条件は
前述と同じにした。
にプラズマに暴露される基体の表面積に対するアース電
位部分の面積が5倍程度であれば、面積比が十分でない
ためバイアス電圧が40Vと低く、基体への自己バイア
ス電圧を十分に印加することができず、成膜状態に悪影
響を及ぼす。
にアース面積比を6倍以上、好ましくは9倍以上にする
ことにより、基体に対して自己バイアス電圧が安定して
印加され、品質ならびに効率の良い成膜が可能となる。
質に影響を与える大きな要因として、基体のバイアス電
圧がある。このバイアス電圧を印加する方法として、前
述の高周波プラズマの自己バイアス電圧を利用する高周
波バイアス法があり、この方法は異常放電が起こりにく
く、安定しており、この安定性から長時間の成膜に適し
ている。
熱が少なく、基体損傷はDCバイアス法よりも少ない
が、それでも成膜時にプラズマから受ける熱(加速イオ
ンによる衝撃エネルギー、中性粒子の運ぶ熱など)、あ
るいは基体に高周波電力を印加したときに基体からアー
スに向かって流れる高周波電流で発生するジュール熱に
よる基体損傷を完全に防止することは難しい。特に耐熱
性の弱い基体を用いた場合、しわ、エンボス、熱変形、
熱融解、破断などの熱損傷が発生する。また耐熱性の他
に、ローラの表面性が基体に影響を及ぼす。ローラの表
面性が悪いと、基体に変形や損傷を与える。
しただけでは基体走行中に回転ドラムから基体が浮き上
がり、やはり熱損傷が生じる。そこで本発明者らは、基
体の浮き上がり防止のため、回転ドラムと基体に電位差
を設けて、回転ドラムと基体を静電吸着させることによ
ってこの問題を解消できることを見い出した。
脂フィルムなどの導電性を有する基体に高周波自己バイ
アス電圧を印加しつつ、プラズマにより連続的に成膜す
る連続プラズマCVD装置において、回転ドラムと基体
の導電性部分に電位差が存在し、その平均電位差を20
〜1000V、好ましくは40〜600Vとすることに
より、基体と回転ドラムが静電吸着で密着して、基体の
熱による損傷が防止できることが判明した。
る自己バイアス電圧を利用する方法、それに加えて回転
ドラムに直流電圧を印加する方法が有効である。なお、
基体と回転ドラム(ローラ系)間は電気絶縁されていな
ければならない。当然、基体と回転ドラムの間でプラズ
マが発生してはならない。
シースの厚さよりも薄いアースシールドを設けることに
よって防ぐ。しかし高成膜速度で、プラズマ密度を高く
するほどプラズマのシース厚さが薄くなり、間隔が1〜
2mmの非常に狭い空間でもプラズマが発生し、こうな
るとアース膜担持での絶縁は困難となる。そこで回転ド
ラムの少なくともプラズマと接触する部分を電気絶縁物
で覆うことにより、基体と回転ドラム間の電気絶縁を確
実なものとした。もちろんプラズマ密度が小さくプラズ
マのシース厚さが十分に厚い部分ではアースシールドで
絶縁しても何ら問題ない。
保つために必要である。前述のように各ローラの表面性
が悪いと、基体に微少な変形を与える。そこで本発明者
等は、基体とアース間に十分なインピーダンスを保持す
るため、ローラの回転軸(芯材)を電気絶縁物(アルミ
ナ、ジルコニアなどのセラミックス、硬質ガラス等)で
構成し、ローラ表面がビッカース硬度500以上、表面
粗度が0.2S以下の部材で覆うことにより、ローラ表
面による、基体の損傷を殆ど抑えられることを見出し
た。
は、成膜時における基体との摺接によって、次第にその
表面性が損なわれ、基体に微少な変形、損傷が生じる。
そこで、ローラ表面の硬度を強くする必要がある。
可能な材質で構成するか、ローラ本体を鏡面研磨できな
い電気絶縁物で構成し、その上を鏡面研磨可能な材質で
覆うなどの手段を施した後、この表面を研磨することで
表面性を確保し、前記鏡面研磨可能な材料をビッカース
硬度500以上のものから選択することにより、前記問
題点を解決した。
に、ローラ本体表面にビッカース硬度500以上の耐摺
動用の保護膜(硬質クロムメッキ、プラズマCVD膜、
スパッタリング膜、イオンプレーティング膜、蒸着膜
等)を設けても同様な効果が得られる。
プラズマCVD装置の概略構成図、図17はそのプラズ
マCVD装置に使用する回転ドラムの側面図、図18は
図17B−B線上の断面略図、図19はそのプラズマC
VD装置に使用する中間ローラの斜視図である。
する幅広の基体1を電気的にアース電位と絶縁された供
給ローラ2から連続的に繰り出し、所定の速度で回転す
る冷却状態の回転ドラム3の周面を通して成膜を行い、
同じく電気的にアース電位と絶縁された巻取ローラ4に
順次巻き取る。供給ローラ2、回転ドラム3、巻取ロー
ラ4の間には、アース電位と電気絶縁された数本の中間
ロール13が設けられている。
なるモノマーガスが、ガス導入口6,8からはキャリヤ
ガスが所定の割合で供給される。これらのガスは、マイ
クロ波リニアアプリケータ9から印加されるマイクロ波
によりプラズマ状態に保たれ、搬送される基体1の外表
面にプラズマCVD膜が連続的に形成される。
ングボックスを介して高周波電源によって自己バイアス
電圧が加えられ、基体1上に連続して幅広で均質なプラ
ズマCVD膜が形成される。また回転ドラム3には直流
電源によって直流電圧が印加され、回転ドラム3と基体
1に電位差が設けられる。自己バイアス電圧のみで電位
差を設ける場合、この直流電源は必要ない。
はポリテトラフルオロエチレン(商品名 テフロン)な
どのフッ素樹脂膜40で、フィルム走行面の両端はアル
ミナプラズマ溶射膜41で覆われている。ここでは絶縁
材料としてフッ素樹脂膜40とアルミナプラズマ溶射膜
膜41を用いたが、特にこれに限定されることはなく、
電気絶縁材料なら何ら問題ない。また、フィルム走行面
は本実施の形態では両端のみを覆っているが、走行面全
体を覆っても何ら問題ない。
ンスを保持するために中間ローラ13は図19に示すよ
うに、アルミナなどのセラミックス材料、ガラス、高分
子材料もしくはそれらの複合材料を主体とする電気絶縁
材からなるローラ芯材42と、ステンレス鋼(SUS)
などからなるローラ本体43と、ローラ本体43の表面
を覆う硬質Crメッキ、セラミックス材料、硬質ガラ
ス、カーボン膜、ボロン膜、金属炭化膜、金属酸化膜、
金属窒化膜などからなるローラ表層44とから構成され
ている。
5μmのCo−O膜を形成した基体を用いて、下記の条
件で厚さ10nmのダイヤモンドライクカーボン膜を形
成したときの、ベースフィルムの構成、回転ドラム側面
の構成、フィルム走行面の構成、基体と回転ドラムの電
位差と基体損傷の有無との関係をテストした結果をまと
めた表である。
端部にプラズマが回り込み、基体と回転ドラムの絶縁が
とれず、電位差が設けられないために、基体が浮き上が
り、耐熱性の高いアラミドフィルムでも熱損傷が生じ
た。
行面端部にプラズマが回り込み、基体と回転ドラムの絶
縁が十分にとれず、電位差が不十分なために、基体が浮
き上がり、耐熱性の高いアラミドフィルムでも損傷生じ
た。
面にプラズマが回り込み、基体と回転ドラムの絶縁が十
分にとれず、電位差が不十分なために、基体が浮き上が
ってしまい、耐熱性の高いアラミドフィルムでも損傷が
生じる。
回転ドラム側面にテフロン膜を形成し、フィルム走行面
端部にアルミナのプラズマ溶着膜を設ければ、回転ドラ
ム側面及び走行面端部にプラズマが回り込むことがな
く、基体と回転ドラムの絶縁が十分にとれ、しかも基体
と回転ドラムの間に20〜1000Vの電位差が存在す
ると、基体の熱損傷が生じない。
ラムに十分な電位差が存在するものの、電位差が大きす
ぎてフィルムの絶縁破壊強度を越えてしまい、異常放電
が起こり、そのために基体に損傷が生じる。
中間ローラのローラ芯材の材質(軸材質)、ローラ本体
の材質(ローラ材質)、ローラ表層の材質(ローラ表
面)、ローラの表面粗度、ローラ表面とアースのインピ
ーダンス、及び同電位板の有無と基体の損傷の有無との
関係についてテストした結果を、図21に示す。
きているため、ローラとアースの間のインピーダンスが
0に近く、高周波電流が流れ、そのジュール熱によって
基体の損傷が生じる。
スの間のインピーダンスが800Ωと小さいため、この
場合も高周波電流が流れ、そのジュール熱によって基体
の損傷が生じる。
スの間のインピーダンスは大きいが、ローラの表面性が
粗いため(表面粗度0.3S)、基体に若干の変形、損
傷が生じる。
スの間のインピーダンスは大きく、ローラの表面粗度も
0.15Sと小さいが、ローラ硬度が低いため、基体と
の摺接により次第にその表面性が損なわれ、基体に微少
の変形、損傷が生じる。
とアースの間のインピーダンスが十分に大きく、ローラ
表面性、硬度も十分であるため、基体の損傷を生じな
い。
かなように、回転ドラムと基体の導電性部分に電位差が
存在し、その平均電位差が20〜1000V、好ましく
は40〜600Vの範囲、更にガイドローラ表面とアー
ス間のインピーダンスを1KΩ以上、ガイドローラ表面
の表面粗度を0.2S以下、ビッカース硬度を500以
上にすることにより、成膜時における基体の損傷がな
い、目的に適った薄膜が得られる。
中間ローラの拡大断面図、図23はその中間ローラのロ
ーラ本体の拡大平面図である。この実施の形態に係る中
間ローラ13のローラ芯材42は例えばアルミナやSU
Sなどの硬質材料からなり、ローラ本体43はゴムや軟
質の合成樹脂など比較的弾性のある電気絶縁材料からな
る。
すように、ローラ本体43の中央部から両側端部に向け
て開くように延びた山形の傾斜溝46が多数平行に形成
され、かつこの傾斜溝46は図22に示すようにその溝
の底部がローラ本体43の中央部に向けて傾斜している
とともに、中央部の傾斜溝46よりも両側端部の傾斜溝
46の方が溝が徐々に深くなっている。
6の後述する機能を損なわないような柔らかくて比較的
薄いゴムまたは合成樹脂からなるローラ表層44が被着
されている。なお、この実施の形態ではローラ表層44
を用いたが、必ずしも必要ではない。
る中間ローラの拡大断面図である。この実施の形態に係
る中間ローラ13の場合、ローラ本体43は硬質ゴムや
硬質合成樹脂など比較的硬い電気絶縁材料からなり、前
記第6の実施の形態と同様に傾斜溝46が多数形成さ
れ、その傾斜溝46には軟質ゴムなどからなる軟質材料
47が充填されている。
中間ローラの拡大側面図で、この中間ローラ13はロー
ラの中央部から両端部側にかけてローラの径が徐々に小
さくなっており、中脹らみのローラ(クラウンローラ)
になっている。
中間ローラの拡大側面図で、この中間ローラ13はロー
ラの中央部から両端部側にかけて湾曲してバナナ状をし
ている。
中間ローラ13を基体1の搬送系に使用することによ
り、基体1の高速搬送時にも基体1が搬送経路の中心か
らずれることなく、しかも基体1の幅方向に適度の緊張
を与えて、しわの発生を有効に防止することができる。
よび第11の実施の形態に係る供給ローラならびに(ま
たは)巻取ローラの拡大断面図である。図27に示す第
10の実施の形態の場合、供給ローラ2ならびに(また
は)巻取ローラ4は、円筒状の絶縁コア14aと、その
両端を支持するセラミック製のテーパーコーン15a,
15bとから主に構成されている。そしてテーパーコー
ン15の一方または両方(本実施の形態では一方)が点
線の位置まで後退可能になっており、それにより絶縁コ
ア14aの交換を容易にしている。同図に示すように絶
縁コア14aの両端面には、テーパーコーン15a,1
5bと同じ角度のテーパが付けられ、絶縁コア14aが
安定して支持されるようになっている。
絶縁コア14aの外周にそれよりも軸方向の長さが短い
円筒状の金属コア14bが一体に設けられ、金属コア1
4bの基体1と接する表面は鏡面加工されて高い表面性
を確保している。他の構成は前記第10の実施の形態と
同様である。
係る供給ローラならびに(または)巻取ローラの拡大断
面図である。この例の場合、絶縁コア14aの両端部近
くの周面にネジ47が形成され、そのネジ47に2つの
コア固定リング48a,48bが螺合されている。この
コア固定リング48aとコア固定リング48bの対向す
る側に傾斜面が設けられ、コア固定リング48aとコア
固定リング48bの間に金属コア14bが介在されて、
コア固定リング48a,48bを回して金属コア14b
を固定している。
長時間成膜を行うと、基体以外の周辺部にも大量のプラ
ズマCVD膜が形成される。この膜は非常にもろく、成
膜中に剥離し、その一部が基体などに付着して汚染等の
種々の不利益を生み出す。例えば、付着物がそのまま巻
き取られると、付着物上に巻き取られたフレキシブルな
フィルムなどからなる基体は図30に示すように変形し
てしまう。
らなる基体、4は巻取ローラ、51は基体1に付着して
巻き取られた付着物、52はその付着物51によって変
形した基体1の変形部である。
性薄膜の場合、その機能の信頼性が低下することにな
る。また、付着物が付着したまま出荷されると、これを
食品用包装フィルムに用いた場合、内部の食品が付着物
によって汚染されるなどの問題を有している。
染は基体以外の部分で成膜されたプラズマCVD膜があ
る程度以上の膜厚になると、内部応力によって剥離し、
これが基体に付着することが原因と判明した。そこでこ
れを防止するためには、基体近傍以外での成膜を少なく
するか、成膜されたとしてもこれが基体に被着しないよ
うにすることが必要である。
原料ガスや不活性ガスなどの導入ガスを基体表面に沿っ
て流すことにより、塵埃が基体表面に付着するのを防止
したものである。
係るプラズマCVD装置の概略構成図である。厚さ6μ
mのPETフィルム上に厚さ0.15μmのCo−O斜
め蒸着膜を設けたフィルム状の基体1は、供給ロール2
から回転ドラム3を通して巻取ローラ4に巻き取られ
る。ガス導入口53からメタン10体積%、水素9体積
%の混合ガスを140sccmプラズマ管54中に導入
し、回転ドラム3の周面近くに設けられたガス導入口5
5からはメタン100%ガスを基体1の表面に沿って流
れるように40sccm吹き付けて、成膜と基体表面の
清掃を行なう。反応に寄与しなかった余剰のガスは、ガ
ス導入口55と対向する位置に設けられたガス排出口6
0から装置外に排出される。
56に高周波電源57で13.56MHz、800Wの
高周波を印加することにより、前記導入ガスがプラズマ
状態に保たれる。加速電極58に定電圧電源59で+3
000Vの電圧を印加することによりバイアスが与えら
れ、基体1上にダイヤモンドライクカーボン膜が形成さ
れる。
う実施の形態は、例えば図1、図16に示すようなプラ
ズマCVD装置でも可能である。この図1のプラズマC
VD装置を使用し、ガス導入口5,7からヘキサメチル
ジシロキサン30体積%、酸素70体積%の混合ガスを
基体(厚さ10μmのポリエステルフィルム)1の表面
に沿って流れるように120sccm吹き付け、ガス導
入口6,8からヘリウム100%ガスを基体1に向けて
60sccm吹き付ける。
ータ9から印加される2.45GHz、1500Wのマ
イクロ波によってプラズマ状態に保たれる。回転ドラム
3には高周波電源10によって300Vの自己バイアス
が加えられ、基体1上にSiOx膜(x=1.7)が形
成される。
ドライクカーボン膜付きの磁気記録媒体〔実施例
(1)〕と比較例(1)のスチル耐久テストを行なった
結果を示す表である。なお、比較例(1)は、図30に
おいてガス導入口53からメタン30体積%、水素70
体積%の混合ガスを170sccmプラズマ管54中に
導入し、ガス導入口55からのガス吹き付けは行わない
他は実施例(1)と同様にして製造したダイヤモンドラ
イクカーボン膜付きの磁気記録媒体である。
気テープで、それぞれ10本製造して(試料No.81
〜90)、全数についてスチル耐久テストを行なった。
このテスト結果、本実施の形態に係る磁気テープは、全
て60分以上のスチル耐久性があるのに対して、比較例
(1)の磁気テープは塵埃の付着によってスチル耐久性
が大きくばらついていることが分かる。
きフィルム〔実施例(2)〕と比較例(2)のフィルム
で30cm×30cmの袋をそれぞれ10000枚作成
し、袋の中への塵埃の混入状況を調べた表である。な
お、比較例(2)は、図1においてガス導入口5、7か
らガス吹き付けは行わず、ガス導入口6,8からヘキサ
メチルジシロキサン25体積%、酸素50体積%、ヘリ
ウム25体積%の混合ガスを基体1に向けて1800s
ccm吹き付けた他は実施例(2)と同様にしてポリエ
ステルフィルム上にSiOx(x=1.7)膜を形成し
たものである。このテスト結果から明らかなように、本
実施の形態に係る袋への塵埃の混入が比較例より極端に
減少していることが分かる。
示すプラズマCVD装置の概略構成図である。この実施
の形態の場合、プラズマ管54における回転ドラム3側
の開口部付近の両側に、例えば厚さ30μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムからなるフレキシブルな膜
担持フィルム61と、それを供給する供給ローラ62
と、 膜担持フィルム61を巻取る巻取ローラ63が配
置され、膜担持フィルム61の一部が供給ローラ62と
巻取ローラ63の間において露呈している。
ム61の表面にもプラズマCVD膜が付着するが、膜が
剥離を生じる厚さになる前に、すなわち成膜して所定時
間が経過すると、膜担持フィルム61は巻取ローラ63
に自動的に巻き取られ、塵埃の発生を防止している。
示すプラズマCVD装置の概略構成図である。この実施
の形態の場合、供給ローラ62と巻取ローラ63の間で
かつ回転ドラム3の近傍に中間ローラ64が配置され、
供給ローラ62から繰り出された膜担持フィルム61は
膜の剥離を生じる厚さになる前に中間ローラ64を経て
巻取ローラ63に自動的に巻き取ることによって、塵埃
の発生を防止している。
付きフィルム〔実施例(3)〕と比較例(3)のフィル
ムで30cm×30cmの袋をそれぞれ10000枚作
成し、袋の中への塵埃の混入状況を調べた表である。な
お、比較例(3)は、図35において膜担持フィルム6
1、供給ローラ62、巻取ローラ63、中間ローラ64
を設けない他は実施例(3)と同様にして基体1上にS
iOx(x=1.7)膜を形成したものである。このテ
スト結果から明らかなように、本実施の形態に係る袋へ
の塵埃の混入が比較例より極端に減少していることが分
かる。
磁気記録媒体の場合について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、例えば基体上にMn−Zn
フェライト膜など各種の機能膜を形成する場合にも適用
可能である。前記実施の形態では回転ドラムを介して基
体に高周波電圧を印加したが、基体に直接高周波電圧を
印加することも可能である。
給ローラから回転ドラムに至る経路の全てのローラのロ
ーラ表面とアース電位の間のインピーダンスの合計を1
0kΩ以上、かつ回転ドラムから巻取ローラに至る経路
の全てのローラのローラ表面とアース電位の間のインピ
ーダンスの合計を10kΩ以上とし、導電性を有する前
記基体とその基体に高周波を印加する高周波電源の間に
ブロッキングコンデンサを介在させることにより、十分
な自己バイアス電圧が印加されるから、直流電圧を必要
としない。そのため直流的に自己バイアス電圧を印加し
た場合に発生する問題点、すなわちイオン電流によるジ
ュール熱、バイアス電圧の不均等性、不安定性、異常放
電、基体の帯電による塵埃の付着などがすべて解消でき
る。
50KHz〜900KHzの範囲、好ましくは150K
Hz〜600KHzの範囲とし、高周波電源と導電性を
有する基体の間に、静電容量Cと高周波電源の周波数f
の積C・fが0.02〔F・Hz〕以上、好ましくは
0.3〔F・Hz〕以上になるようなブロッキングコン
デンサを介在させることにより、さらに確実に発揮する
ことができる。
密度の分布を均一にする必要があり、このためには、プ
ラズマの主たる生成源としてマイクロ波を用いることが
有効である。マイクロ波の電界は、アンテナ形状を調整
することにより容易に均一にすることができる。
給ローラ、巻取ローラ、ガイドローラなど)またはその
一部をセラミックや合成樹脂などの電気絶縁性の材料で
構成するか、ローラの芯材に電気絶縁材を用いるか、あ
るいは導電性を有する芯材を持たない中空状のローラを
使用する手段が有効である。
ズマを発生させて基体上に成膜するプラズマCVD装置
において、マイクロ波を導入するための窓を、真空を保
持するための窓とプラズマを封じ込めるための窓の2重
構造にしたことを特徴とするものである。このように構
成することにより、長時間成膜を行なっても膜厚のばら
つきが小さく、均一な成膜が可能である。
体上に成膜するプラズマCVD装置において、前記プラ
ズマの発生領域を制限するフードが設けられ、そのフー
ドのプラズマと接する表面温度が150℃以上に加熱さ
れていることを特徴とするものである。このように構成
することにより、長時間成膜してもプラズマCVD膜の
付着による基体の汚染が有効に防止できる。
ラム上を移動する少なくともその一部が導電性を有する
基体に高周波自己バイアス電圧を印加して成膜を行うプ
ラズマCVD装置において、前記回転ドラムと基体の導
電性部分の電位差を20〜1000Vの範囲に規制する
ことにより、成膜時の基体の損傷を有効に防止すること
ができる。
マを発生させて、基体上に成膜するプラズマCVD装置
において、前記プラズマの発生領域に前記基体以外の長
尺状の膜担持フィルムを設け、プラズマCVD膜が付着
した膜担持フィルムを順次巻き取るように構成すること
により、基体への塵埃類の付着を有効に防止することが
できる。
CVD装置の概略構成図である。
ローラ、巻取ローラの構成図である。
記録媒体の拡大断面図である。
た図表である。
CVD装置の概略構成図である。
CVD装置の概略構成図である。
係を示す特性図である。
係を示す特性図である。
CVD装置の概略構成図である。
拡大断面図である。
拡大断面図である。
無ならびにその表面温度とプラズマCVD膜の付着状態
との関係を示す図表である。
部材の熱伝導率とヒータの消費電力との関係を示す図表
である。
体に対するアース電位部分の面積比と基体への自己バイ
アス電圧との関係を示す図表である。
VD装置の概略構成図である。
ムの側面図である。
ラの斜視図である。
らびに基体走行面の状態、基体と回転ドラムの電位差と
基体の損傷の有無との関係を示す図表である。
ーダンス、同電位板の有無と基体の損傷の有無との関係
を示す図表である。
の断面図である。
る。
の断面図である。
の平面図である。
の平面図である。
ラ(巻取ローラ)の断面図である。
ラ(巻取ローラ)の断面図である。
ラ(巻取ローラ)の断面図である。
図である。
CVD装置の概略構成図である。
VTR用磁気テープと比較例のスチル耐久性テストの結
果を示す図表である。
較例の塵埃混入状況の結果を示す図表である。
CVD装置の概略構成図である。
CVD装置の概略構成図である。
比較例の塵埃混入状況の結果を示す図表である。
る。
である。
構成図である。
Claims (22)
- 【請求項1】 ローラ系を介して回転ドラム上を移動す
る導電性を有する基体表面にプラズマにより連続的に成
膜するプラズマCVD装置において、 前記基体の供給ローラから回転ドラムに至る経路の全て
のローラのローラ表面とアース電位の間のインピーダン
スの合計を10kΩ以上、かつ回転ドラムから巻取ロー
ラに至る経路の全てのローラのローラ表面とアース電位
の間のインピーダンスの合計を10kΩ以上とし、 前記基体とその基体に高周波を印加する高周波電源の間
にブロッキングコンデンサを介在させたことを特徴とす
るプラズマCVD装置。 - 【請求項2】 請求項1記載において、前記高周波電源
の周波数が50KHz〜900KHzの範囲に規制され
ていることを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項3】 請求項1または2記載において、前記ブ
ロッキングコンデンサの静電容量Cと高周波電源の周波
数fの積C・fが0.02〔F・Hz〕以上に規制され
ていることを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの記載にお
いて、前記プラズマを励起する主たる励起源がマイクロ
波であることを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの記載にお
いて、前記基体の搬送系が前記供給ローラと、巻取ロー
ラと、その供給ローラと巻取ローラの間に配置された中
間ローラを備え、それらローラの本体の主体が電気絶縁
材で構成されていることを特徴とするプラズマCVD装
置。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかの記載にお
いて、前記基体の搬送系が前記供給ローラと、巻取ロー
ラと、前記供給ローラと巻取ローラの間に配置された中
間ローラを備え、少なくともそれらのうちの1本のロー
ラの芯体の主体が電気絶縁材で構成されていることを特
徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかの記載にお
いて、前記基体の搬送系が前記供給ローラと、巻取ロー
ラと、前記供給ローラと巻取ローラの間に配置された中
間ローラを備え、少なくともそれらのうちの1本のロー
ラが導電性の芯体を持たない中空体で構成されているこ
とを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項8】 マイクロ波によってプラズマを発生させ
て基体上に成膜するプラズマCVD装置において、マイ
クロ波を導入するための窓を、真空を保持するための窓
とプラズマを封じ込めるための窓の2重構造にしたこと
を特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項9】 請求項8記載において、前記プラズマを
封じ込めるための窓が移動可能な長尺物からなることを
特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項10】 請求項8記載において、前記真空を保
持するための窓がプラズマに曝されないように配置され
ていることを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項11】 請求項8記載において、前記真空を保
持するための窓とプラズマを封じ込めるための窓の間を
高真空にするか、あるいは前記両窓の間隔をプラズマの
シースの厚み以下にしたことを特徴とするプラズマCV
D装置。 - 【請求項12】 プラズマを発生させて基体上に成膜す
るプラズマCVD装置において、前記プラズマの発生領
域を制限するフードが設けられ、そのフードのプラズマ
と接する表面温度が150℃以上に加熱されていること
を特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項13】 請求項12記載において、前記フード
の加熱部分が熱伝導率50W/m・K以下の部材を介し
て非加熱部分に固定されていることを特徴とするプラズ
マCVD装置。 - 【請求項14】 請求項12記載において、前記基体と
フードの間の少なくとも一部にフードから基体へ伝わる
熱を抑止するための熱遮蔽部材が設けられていることを
特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項15】 請求項12記載において、前記基体に
高周波プラズマによる自己バイアス電圧が印加され、前
記フード内のプラズマに暴露されたアース電位部分の面
積がプラズマに暴露された基体表面の面積の6倍以上で
あり、かつ前記フードがアース電位に保持されているこ
とを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項16】 請求項15記載において、前記フード
内にアース電位部分の面積を拡大するための部材が設け
られていることを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項17】 ローラ系を介して回転ドラム上を移動
する少なくともその一部が導電性を有する基体に高周波
自己バイアス電圧を印加して成膜を行うプラズマCVD
装置において、前記回転ドラムと基体の導電性部分の電
位差が20〜1000Vの範囲にあることを特徴とする
プラズマCVD装置。 - 【請求項18】 請求項17記載において、前記回転ド
ラムの少なくともプラズマと接触する部分が電気絶縁物
で覆われていることを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項19】 請求項17記載において、前記基体の
走行系に設けられた中間ローラの前記基体と直接接触す
る部分の表面粗度が0.2S以下、ビッカース硬度が5
00以上であることを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項20】 請求項17記載において、前記基体と
アース電位の間に基体とほぼ同電位の導電性部材を介在
させたことを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項21】 基体表面の近くでプラズマを発生させ
て、基体上に成膜するプラズマCVD装置において、前
記プラズマの発生領域に前記基体以外の長尺状の膜担持
フィルムを設け、プラズマCVD膜が付着した膜担持フ
ィルムを順次巻き取るように構成されていることを特徴
とするプラズマCVD装置。 - 【請求項22】 請求項1ないし21のいずれかの記載
において、前記基体が表面に磁性膜を有し、その基体上
にプラズマにより保護膜が形成されることを特徴とする
プラズマCVD装置。
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JP3743097 | 1997-02-21 | ||
JP9-37430 | 1997-02-21 | ||
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JP2000283834A Division JP2001131755A (ja) | 1996-09-10 | 2000-09-19 | プラズマcvd装置 |
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JP2006316299A (ja) * | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Dainippon Printing Co Ltd | 成膜装置及び成膜方法 |
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-
1997
- 1997-08-18 JP JP22159397A patent/JP3518977B2/ja not_active Expired - Fee Related
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