JP2006231133A - 静電噴霧装置 - Google Patents

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衛 奥本
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Abstract

【課題】 長期の噴霧停止に起因するノズル先端の目詰まりを回避し、ひいては静電噴霧装置の噴霧性状の安定化を図る。
【解決手段】 静電噴霧装置(10)のベース(50)には、キャップ(56)と、保持機構(60)と、バネ(65)とが設けられる。噴霧動作時には、キャップ(56)がノズル(31)の先端を開放する位置で保持機構(60)によって保持される。一方、噴霧停止時には、保持機構(60)がキャップ(56)の保持を解除すると、キャップ(56)がノズル(31)の先端を遮閉する位置に変位する。その結果、ノズル(31)の先端における液体の蒸発が防止される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電気流体力学により液体を霧化して噴霧する静電噴霧装置に関し、特に液体を噴霧するノズル先端の乾燥防止対策に係るものである。
従来より、電気流体力学(EHD:Electro Hydrodynamics)により液体を霧化して噴霧する静電噴霧装置が知られている。この静電噴霧装置は、例えば細径管の開口端の近傍に電界を形成し、その電界の不平等性を用いて細径管内の液体を霧化して噴霧するものである。
例えば、特許文献1や特許文献2には、静電噴霧装置で構成された吸入器が開示されている。この吸入器は、例えば喘息や気管支炎等の治療薬を霧化し、微細な液滴状になった薬剤を鼻から吸入させるために用いられる。また、特許文献3には、静電噴霧装置で構成された手持ち式のスプレー装置が開示されている。このスプレー装置は、液状ファンデーションや香水等の化粧品を霧化し、微細な液滴状になった化粧品を肌に付着させるために用いられる。これらの特許文献に開示された吸入器やスプレー装置では、ノズルの先端近傍に電界が形成され、ノズルの先端に存在する液体が霧化されて放出される。
特開昭62−197071号公報 特表2002−532163号公報 特表2003−507166号公報
上述のように、上記特許文献に開示されている従来の静電噴霧装置では、噴霧する液体として種々の薬剤等を含む溶液、乳濁液、懸濁液等を用いるようにしている。ところで、静電噴霧装置を使用した後には、これらの噴霧液がノズルの先端開口部に滞ることがある。このため、その後長時間に亘って静電噴霧装置を使用しない場合、ノズルの先端に滞った液体が蒸発し、ノズルの先端で固化してしまう恐れがあった。この場合、ノズルの先端で目詰まりが生じてしまうため、その後の噴霧動作時における噴霧性状の悪化を招くという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、長期の噴霧停止に起因するノズル先端の目詰まりを回避することにある。
第1の発明は、液体を貯留する容器(20)と、該容器(20)の内部に連通するノズル(31)と、該容器(20)内の液体をノズル(31)の先端から噴霧させるための電界を生起する一対の電極(31,35)とを備えた静電噴霧装置を前提としている。そして、この静電噴霧装置は、停止中におけるノズル(31)の先端の液体の蒸発を防止する蒸発防止手段(53,70,31a)を備えていることを特徴とするものである。ここで、上記「停止中」とは、静電噴霧装置による噴霧動作を行う運転がなされていない時点を意味するものであり、例えば噴霧動作の運転中であるにも拘わらず、噴霧量の調整などを行うために電源のオンオフを周期的に行う運転制御により、瞬時的に液体の噴霧が停止してしまう時点などを含む意味ではない。
第1の発明では、容器(20)内の液体がノズル(31)へ流入する。一対の電極(31,35)に電位差を与えると、ノズル(31)の先端近傍で電界が生起する。その結果、ノズル(31)の先端で液体が霧化され、微細な液滴となった液体がノズル(31)の先端から噴霧される。本発明では、静電噴霧装置が停止して長時間に亘って液体の噴霧が行われない状態のいて、蒸発防止手段(53,70,31a)がノズル(31)の先端における液体の蒸発を防止する。その結果、ノズル(31)の先端における液体の固化が回避される。
第2の発明は、第1の発明において、上記蒸発防止手段(53)は、噴霧動作時にノズル(31)の先端を開放する第1位置に変位し、噴霧停止時に該ノズル(31)の先端を遮閉する第2位置に変位する開閉蓋(56)を備えていることを特徴とするものである。
第2の発明では、ノズル(31)の先端に蒸発防止手段(53)として開閉蓋(56)が設けられる。この開閉蓋(56)は、液体の噴霧動作の有無に応じて第1位置と第2位置とに変位する。具体的に、噴霧動作時には開閉蓋(56)がノズル(31)の先端を開放する第1位置に変位し、ノズル(31)の先端から液体が噴霧される。一方、噴霧停止時には開閉蓋(56)がノズル(31)の先端を遮閉する第2位置に変位し、ノズル(31)の先端における液体の蒸発が防止される。
第3の発明は、第2の発明において、上記蒸発防止手段(53)が、通電状態となると上記開閉蓋(56)を第1位置で保持する一方、非通電状態となると該開閉蓋(56)の保持を解除する保持機構(60)と、開閉蓋(56)を第1位置から第2位置へ変位させる付勢力を有する弾性体(65)とを備えていることを特徴とするものである。
第3の発明では、蒸発防止手段(53)として、開閉蓋(56)、保持機構(60)、及び弾性体(65)が設けられる。噴霧動作時において保持機構(60)が通電状態となると、この保持機構(60)は開閉蓋(56)を第1位置で保持する。その結果、開閉蓋(56)がノズル(31)を開放した状態となり、ノズル(31)の先端から液体が噴霧される。一方、噴霧停止時において保持機構(60)が非通電状態となると、保持機構(60)による開閉蓋(56)の保持が解除される。その後、開閉蓋(56)は弾性体(65)に付勢され、第1位置から第2位置に変位する。その結果、開閉蓋(56)がノズル(31)を遮閉した状態となり、ノズル(31)の先端における液体の蒸発が防止される。
第4の発明は、第1の発明において、上記蒸発防止手段が、ノズル(31)の先端に形成されるとともに印加電圧に応じて変形する変形蓋(70)で構成され、上記変形蓋(70)は、噴霧動作時にノズル(31)の先端を開放する第1状態に変形し、噴霧停止時に該ノズル(31)の先端を遮閉する第2状態に変形するように構成されていることを特徴とするものである。
第4の発明では、ノズル(31)の先端に蒸発防止手段としての変形蓋(70)が設けられる。この変形蓋(70)は、印加電圧に応じて伸縮、拡縮、撓み、屈曲変形等を行う例えば圧電素子や高分子アクチュエータなどで構成される。噴霧動作時には変形蓋(70)がノズル(31)の先端を開放する第1状態に変形し、ノズル(31)の先端から液体が噴霧される。一方、噴霧停止時には変形蓋(70)がノズル(31)の先端を遮閉する第2状態に変形し、ノズル(31)の先端における液体の蒸発が防止される。
第5の発明は、第1の発明において、上記蒸発防止手段は、ノズル(31)の先端が上方に屈曲して形成される屈曲部(31a)で構成され、上記屈曲部(31a)は、噴霧停止時にノズル(31)の先端の液体を該ノズル(31)の内方に引き戻すように構成されていることを特徴とするものである。
第5の発明では、蒸発防止手段としてノズル(31)の先端が上方に屈曲される。この構成により、噴霧停止時には、ノズル(31)の先端に溜まった液体をヘッド差によってノズル(31)の内方へ引き戻すことができる。このように液体をノズル(31)の内方へ引き戻すと、例えば液体がノズル(31)の最先端に溜まる場合と比較して、液体の蒸散を防ぐことができる。したがって、ノズル(31)の先端における液体の固化を回避することができる。
第6の発明は、液体を貯留する容器(20)と、該容器(20)の内部に連通するノズル(31)と、該容器(20)内の液体をノズル(31)の先端から噴霧させるための電界を生起する一対の電極(31,35)とを備えた静電噴霧装置を前提としている。そして、この静電噴霧装置は、停止中であっても一時的にノズル(31)の先端から液体を噴霧させるように制御する噴霧制御手段(18)を備えていることを特徴とするものである。ここで、上記「停止中」とは、第1の発明と同様、静電噴霧装置による噴霧動作を行う運転がなされていない時点を意味するものである。
第6の発明では、噴霧制御手段(18)によってノズル(31)の先端から間欠的な噴霧が自動的に行われる。つまり、噴霧動作の運転の有無に拘わらず、ノズル(31)の先端から液体が定期的に噴霧される。したがって、ノズル(31)の先端の乾燥、つまりノズル(31)の先端における液体の固化が抑制される。
第1の発明では、蒸発防止手段(53,70,31a)を設けることで、噴霧停止時におけるノズル(31)の先端の液体の蒸発を防止するようにしている。このため、ノズル(31)の先端の液体の固化を防止でき、さらにはノズル(31)の先端の目詰まりを回避できる。したがって、本発明の静電噴霧装置の噴霧性状が損なわれることを抑制でき、この静電噴霧装置で微細な液滴を安定的に噴霧することができる。また、ノズル(31)の目詰まりを解消するためのノズル(31)のメンテナンス、あるいはノズル(31)の交換なども不要となり、この静電噴霧装置を簡便に取り扱うことができる。
第2の発明では、噴霧動作の有無に応じて開閉蓋(56)を変位させるようにしている。そして、噴霧動作時にはノズル(31)の先端を開放して所定の噴霧動作を行う一方、噴霧停止時にはノズル(31)の先端を開閉蓋(56)で遮閉するようにしている。このため、本発明によれば、噴霧停止時にノズル(31)の先端の液体の蒸発を容易かつ確実に防止することができる。
第3の発明では、噴霧動作の有無に応じて保持機構(60)の通電をオン/オフさせることで、噴霧動作時にはノズル(31)の先端を開放し、噴霧停止時にはノズル(31)の先端を遮閉するようにしている。したがって、第2の発明の効果を奏することができる。特に、本発明では、保持機構(60)が非通電状態となると、開閉蓋(56)が弾性体(65)によって第2位置に変位され、ノズル(31)の先端を遮閉するようにしている。このようにすると、例えば静電噴霧装置の主電源が停電した場合にも、保持機構(60)を非通電状態としてノズル(31)の先端を確実に遮閉することができる。したがって、本発明によれば、ノズル(31)の先端の液体の蒸発を一層確実に防止することができる。
第4の発明では、噴霧動作に併せてノズル(31)の先端の変形蓋(70)を変形させてノズル(31)の先端を開放/遮閉するようにしている。このため、比較的コンパクトな構造で蒸発防止手段を構成することができる。また、変形蓋(70)に印加する電圧を調整することで、ノズル(31)の開口面積を調整することもできる。このため、変形蓋(70)に印加する電圧を調整して液体の噴霧性状を変更することも可能となる。
第5の発明では、ノズル(31)の先端を上方に屈曲させることで、ノズル(31)の先端の液体をノズル(31)の内方に引き戻すようにしている。このため、比較的シンプルな構造でノズル(31)の先端の液体の蒸発を防止することができ、第1の発明と同様の効果を奏することができる。
第6の発明では、噴霧動作の有無に拘わらず、所定時間置きに液体を自動的に噴霧するようにしている。このため、本発明によれば、特段の構成部品を付加することなく、噴霧制御のみでノズル(31)の先端における液体の固化を効果的に防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。図1に示すように、本実施形態の静電噴霧装置(10)は、噴霧カートリッジ(15)と電源(16)と制御器(17)とを備えている。また、本実施形態の静電噴霧装置(10)は、上記噴霧カートリッジ(15)を着脱自在とするベース(50)を備えている(図4参照、詳細は後述する)。
<噴霧カートリッジの構造>
図2及び図3に示すように、噴霧カートリッジ(15)は、溶液タンク(20)と、ノズルユニット(30)と、電極ホルダー(40)と、リング電極(35)とを備えている。
上記溶液タンク(20)は、やや扁平な直方体形状に形成された中空の容器である。溶液タンク(20)の天板には、空気抜き孔(25)が形成されている。溶液タンク(20)の底面は、溶液タンク(20)の背面(図2における奥側の側面)から溶液タンク(20)の前面(図2における手前側の側面)へ向かって傾斜した傾斜面となっている。そして、溶液タンク(20)では、その背面側よりも前面側の方が深くなっている。また、溶液タンク(20)の側面は、概ね鉛直面となっている。
図3に示すように、上記溶液タンク(20)の前面には、管部(23)が設けられている。この管部(23)は、比較的短い円管状に形成されており、溶液タンク(20)の前面から概ね水平方向へ突出している。溶液タンク(20)の前面において、管部(23)は、該前面の下端寄りで、且つ該前面の幅方向の概ね中央に配置されている。また、図1に示すように、溶液タンク(20)の前面を形成する壁には貫通孔(24)が形成されており、この貫通孔(24)を介して溶液タンク(20)の内部と管部(23)とが連通する。貫通孔(24)の下端は、溶液タンク(20)の底面よりも僅かに上方に位置している。
図3に示すように、上記ノズルユニット(30)は、ノズル(31)とノズルホルダー(32)とを備えている。
上記ノズル(31)は、ステンレス製の円管で構成されている。一方、上記ノズルホルダー(32)は、円筒型で有底のキャップ状に形成されている。ノズルホルダー(32)は、その内径が管部(23)の外径と概ね等しくなっており、該管部(23)へ被せられている。つまり、ノズルホルダー(32)には、溶液タンク(20)の管部(23)が挿入されている。ノズルホルダー(32)では、その底部(図3における手前側の端部)の中央にノズル(31)の基端部が挿入されている。ノズル(31)の基端部は、ノズルホルダー(32)の底部を貫通している。溶液タンク(20)にノズルユニット(30)を取り付けると、ノズル(31)が溶液タンク(20)の前面から概ね水平方向へ突出した状態となり、更には、ノズル(31)が管部(23)及び貫通孔(24)を介して溶液タンク(20)の内部に連通した状態となる。
上記ノズルホルダー(32)には、端子部(33)が設けられている。この端子部(33)は、ノズルホルダー(32)の外周面から突出しており、ノズルホルダー(32)の開口端側(図3における奥側)に配置されている。ノズルホルダー(32)は、端子部(33)を含む全体が導電性樹脂によって構成されている。そして、ノズルホルダー(32)の底部に挿入されたノズル(31)は、ノズルホルダー(32)と電気的に接続されており、第1電極を構成している。
上記電極ホルダー(40)は、内筒部(41)と外筒部(42)とを備えている。内筒部(41)と外筒部(42)とは、共に円筒状に形成されている。外筒部(42)の内径は、内筒部(41)の外径よりも大きくなっている。内筒部(41)と外筒部(42)とは、互いに同軸に配置されており、それぞれの基端側で互いに連結されて一体化されている。内筒部(41)の内径は、ノズルホルダー(32)の外径と概ね等しくなっている。電極ホルダー(40)は、内筒部(41)及び外筒部(42)の基端側が溶液タンク(20)の溶液タンク(20)側を向く姿勢で、その内筒部(41)がノズルホルダー(32)と嵌合することによって、該ノズルホルダー(32)に取り付けられている。この電極ホルダー(40)は、その全体が非導電性の樹脂で構成されている。
上記リング電極(35)は、円環状に形成されている。リング電極(35)には、端子部(36)が設けられている。この端子部(36)は、リング電極(35)の外周からその径方向の外側へ突出している。リング電極(35)は、端子部(36)を含む全体が導電性樹脂によって構成されており、第2電極を構成している。このリング電極(35)は、電極ホルダー(40)の外筒部(42)に取り付けられている。具体的には、外筒部(42)の先端外周側には、円形溝が形成されており、リング電極(35)はこの円形溝に嵌め込まれている。上述したように、電極ホルダー(40)は、その材質が非導電性の樹脂となっている。従って、リング電極(35)は、ノズル(31)から電気的に絶縁されている。
なお、上述したノズル(31)及びリング電極(35)の材質は、単なる一例である。つまり、ノズル(31)及びリング電極(35)は、ステンレス、チタン、ニッケル、銅、タングステン、プラチナ等の金属材料であってもよいし、導電性樹脂材料であってもよい。
上記溶液タンク(20)の内部には、人体に有益な物質の水溶液、例えばアミノ酸の一種であるテアニンの水溶液が貯留されている。溶液タンク(20)内における液面(12)の位置は、溶液タンク(20)の下部から水平方向へ延びるノズル(31)の先端よりも高くなっている。溶液タンク(20)内の液面(12)とノズル(31)の先端との間にはヘッド差があり、このヘッド差によって溶液タンク(20)内の水溶液がノズル(31)の先端へ供給される。
<ベースの構成>
図4に示すように、静電噴霧装置(10)は、上記噴霧カートリッジ(15)が着脱自在なベース(50)を備えている。このベース(50)は、上部板(51)及び下部板(52)を備えている。
上記上部板(51)の上面には、一対のストッパ(54)が敷設されている(図5参照)。このストッパ(54)は、前後方向(図4における手前側から奥側への方向)が長寸の板状に形成されている。両ストッパ(54)のピッチは、噴霧カートリッジ(15)の溶液タンク(20)の左右の幅寸法と概ね等しくなっている。したがって、噴霧カートリッジ(15)は、溶液タンク(20)が両ストッパ(54)に狭持されるようにしてベース(50)に着脱自在となっている。なお、各ストッパ(54)には、溶液タンク(20)を確実に保持するための、例えばスプリングなどが内蔵されている。
上記下部板(52)は、上部板(51)の下面側に配置されている。この下部板(52)は、上部板(51)と略平行な姿勢で一定の間隔を介して該上部板(51)に取り付けられている。
ベース(50)は、一対のキャップ(56)、保持機構(60)、及び一対のスプリング(65)で構成される蒸発防止手段(53)を備えている。
上記キャップ(56)は、ホルダーキャップ部(56a)と、ノズルキャップ部(56b)とから成る開閉蓋を構成している。各ホルダーキャップ部(56a)は、電極ホルダー(40)の手前側略半分のうち更に左右略半分の外縁に沿うように形成されている。具体的に、各ホルダーキャップ部(56a)は、前側が有底となる半円筒状に形成されている。これらホルダーキャップ部(56a)の内径は、電極ホルダー(40)の外径と概ね等しくなっている。また、ホルダーキャップ(56a)の前面で、かつホルダーキャップ部(56a)の外周の中心位置には半円孔(56c)が形成されている。
各ノズルキャップ部(56b)は、円筒を左右に分割したような形状で、ノズル(31)の左右略半分の外縁に沿って形成されている。具体的に、各ノズルキャップ部(56b)は、細長で前側が有底となる半円筒状に形成されている。これらノズルキャップ部(56b)の内径は、ノズル(31)の外径と概ね等しくなっている。そして、各ノズルキャップ部(56b)は、対応するノズルキャップ部(56b)の半円溝(56c)の縁部を基端としてそれぞれ前方に突出している。
保持機構(60)は、静電噴霧装置(10)を下方から視た図5(下部板(52)の図示は省略)に示すように、一対のアーム(57)、電磁石(61)、ロッド(62)、及びプレート(63)を備えている。
上記一対のアーム(57)は、上記上部板(51)と下部板(52)との間に介設されている。各アーム(57)は、主アーム板(57a)と、屈曲板(57b)とを備えている。主アーム板(57a)は、その前端(図5における右端)が上記ホルダーキャップ部(56a)と連結されている。一方、主アーム板(57a)の後端には、該主アーム部(57a)から直交するようにして上記屈曲板(57b)が形成されている。これら屈曲板(57a)は、先端が鋭角となる三角形状に形成され、両屈曲板(57b)の先端同士が隣接するように配置されている。以上のような構成の各アーム(57)は、主アーム板(57a)の後側寄りに設けられる軸(58)を介してベース(50)に回動自在に支持されている。
上記電磁石(61)は、上部板(51)の下面における上記アーム(57)の後側に締結されている。この電磁石(61)の前面には、ロッド(62)が取り付けられている。このロッド(62)は、電磁石(61)の通電状態に併せて前後方向に進退自在に構成されている。また、ロッド(62)の前端には、上記プレート(63)が支持されている。このプレート(63)の前面は、上記アーム(57)の両屈曲板(57b)と当接している。
また、両アーム(57)に挟まれる位置には、上述した一対のスプリング(弾性体)(65)が設けられている。各スプリング(65)は、一端が上部板(51)の底面略中央に締結されており、他端が各アーム(57)の主アーム板(57a)に締結されている。
<電源及び制御器の構成>
図6に示すように、上記電源(16)は、第1電源(16a)及び第2電源(16b)を備えている。上記第1電源(16a)は、直流高電圧電源で構成されている。この第1電源(16a)は、その正極端子がノズルホルダー(32)の端子部(33)を介してノズル(31)に電気的に接続され、その負極端子がリング電極(35)の端子部(36)に電気的に接続されている。第1電源(16a)の負極端子は、接地(アース)されている(図1参照)。この第1電源(16a)をオンすると、ノズル(31)に6kV程度の電圧が印加される。なお、図1は、ノズルホルダー(32)の端子部(33)の図示を省略したものであり、便宜的に第1電源(16a)をノズル(31)に接続した図となっている。一方、上記第2電源(16b)は、例えば交流低電圧電源で構成されている。この第2電源(16b)は、上記電磁石(61)と電気的に接続されている。
上記制御器(17)は、スイッチ(17a)と、オンオフ制御部(17b)とを備えている。スイッチ(17a)は、使用者が噴霧動作の運転のオンとオフとを手動で切り換えるものである。したがって、使用者が噴霧動作を開始する際、スイッチ(17a)をオンにすると、第1電源(16a)と第2電源(16b)との双方への信号が発信される。第2電源(16b)への信号は直接的に第2電源(16b)に受信される。その結果、第2電源(16b)がオンされる。一方、第1電源(16a)への信号は、まずオンオフ制御部(17b)に受信される。信号を受信したオンオフ制御部(17b)は、所定のデューティー比で第1電源(16a)のオンとオフとを切り換える。このオンオフ制御手段(17b)は、上記デューティー比を、溶液タンク(20)内の液面(12)の高さに応じて調節するように構成されている。
また、使用者が噴霧動作を停止する際、スイッチ(17a)をオフにすると、第1電源(16a)と第2電源(16b)との双方へ直接的に信号が受信される。その結果、第1電源(16a)及び第2電源(16b)は同時にオフされる。
−噴霧動作−
まず、本実施形態の静電噴霧装置(10)の噴霧動作について説明する。この静電噴霧装置(10)では、いわゆるコーンジェットモードのEHD噴霧が行われる。
上述したように、噴霧カートリッジ(15)では、溶液タンク(20)内の液面(12)がノズル(31)の先端よりも上に位置しており、溶液タンク(20)内の液面(12)とノズル(31)の先端との間にヘッド差がある状態となっている。このため、ノズル(31)の先端に形成される気液界面(11)には、ヘッド差に起因する液圧が作用している。
第1電源(16)がオフになった状態(即ちノズル(31)とリング電極(35)とが同電位である状態)において、ノズル(31)の先端に形成された気液界面(11)では、図7(B)に示すように、表面張力とヘッド差に起因する液圧とが均衡した状態となっている。このため、第1電源(16)がオフになった状態でも、ノズル(31)の先端から水溶液が流出することはない。内径が0.4mmのノズル(31)を用いる本実施形態の静電噴霧装置(10)において、テアニン水溶液の濃度が10質量%である場合は、ノズル(31)の先端の気液界面(11)に20mmH2Oの液圧が作用しても、ノズル(31)の先端からの水溶液の漏洩が阻止される。
第1電源(16)がオンになった状態(即ちノズル(31)とリング電極(35)との間に電位差が付与された状態)では、ノズル(31)の先端近傍に電界が形成される。また、ノズル(31)内の水溶液が分極し、ノズル(31)の先端の気液界面(11)近傍に+(プラス)の電荷が集まる。そして、ノズル(31)の先端では、図7(A)に示すように、気液界面(11)が引き延ばされて円錐状となり、この円錐状となった気液界面(52)の頂部から一部の水溶液が引きちぎられるようにして液滴化する。
ノズル(31)の先端からは、テアニン水溶液の微細な液滴が放出され、この液滴が室内の空気中へ供給される。在室者は、呼吸する際に空気中の液滴を空気と共に吸い込む。在室者に吸い込まれた液滴は、肺胞の粘膜に付着する。液滴に含まれるテアニンは、肺胞の粘膜を通って在室者の体内に取り込まれる。なお、テアニンは、興奮を抑えてリラックスさせる作用があるといわれている。
ここで、吸気中に含まれる液滴を在室者の肺胞へ到達させるには、液滴の直径を所定の範囲内にすることが必要である。つまり、液滴の直径が大きすぎると、在室者に吸い込まれた液滴は、気道の粘膜に捕捉されてしまって肺胞まで到達しない。逆に、液滴の直径が小さすぎると、在室者に吸い込まれた液滴は、肺胞の粘膜に補足されずに呼気と共に排出されてしまう。これらの事情を考慮すると、上記静電噴霧装置(10)から噴霧される液滴の直径は、10nm以上5μm以下であるのが望ましく、更には50nm以上2μm以下であるのが一層望ましい。
上述したように、噴霧カートリッジ(15)では、ノズル(31)の先端から液滴化された水溶液が放出されてゆく。このため、ノズル(31)内へ水溶液が補給されなければ、ノズル(31)内の水溶液の量が減少してしまって噴霧を継続できなくなる。一方、この噴霧カートリッジ(15)では、ノズル(31)の先端が溶液タンク(20)内の液面(12)よりも低い位置に設けられており、溶液タンク(20)内の液面(12)とノズル(31)の先端との間にヘッド差がある。そのため、このヘッド差によってノズル(31)内へ溶液タンク(20)内の水溶液がノズル(31)へ補給され、ノズル(31)からの噴霧が継続的に行われる。つまり、本実施形態の静電噴霧装置(10)において、溶液タンク(20)内の水溶液をノズル(31)へ供給するためのポンプ等の部材は不要である。
−オンオフ制御動作−
図6に示すスイッチ(17a)がオンに切り換えられるとオンオフ制御部(17b)は、第1電源(16a)のオン/オフを一定の周期で交互に繰り返し行う。このオンオフ制御部(17b)の制御動作について、図8を参照しながら説明する。
上記オンオフ制御部(17b)は、第1電源(16a)をオンした時刻から時間TONが経過すると第1電源(16a)をオフし、その後は第1電源(16a)をオフ状態に保持し、第1電源(16a)をオフした時刻から時間TOFFが経過すると第1電源(16a)を再びオンする。オンオフ制御部(17b)は、この動作を周期的に繰り返す。このようなオンオフ制御部(17b)が行う動作の周期、即ち第1電源(16a)のオン時間TONとオフ時間TOFFとの和T(=TON+TOFF)は、一定である。
ここで、噴霧カートリッジ(15)において噴霧を続けると、溶液タンク(20)内での液面(12)が低下してゆく。そして、噴霧カートリッジ(15)では、溶液タンク(20)内における液面(12)の高さが変化すると、ノズル(31)の先端と溶液タンク(20)内の液面(12)との間のヘッド差が変化する。このため、何の対策も講じなければ、溶液タンク(20)からノズル(31)へ向かう水溶液の流量が変化し、それに伴ってノズル(31)からの噴霧量も変化してしまう。
そこで、上記オンオフ制御部(17b)は、第1電源(16a)のオン時間とオフ時間に関するデューティー比r(=TON/T)を、溶液タンク(20)内の液面(12)の高さの変化に応じて調節する。具体的に、このオンオフ制御部(17b)は、溶液タンク(20)内の液面(12)が低下するのにつれて、デューティー比rを増大させてゆく。つまり、オンオフ制御部(17b)は、オンオフ制御部(17b)による第1電源(16a)のオン/オフの周期Tに対する第1電源(16a)のオン時間TONの比を次第に大きくしてゆき、第1電源(16a)がオン状態となってノズル(31)から液滴が放出されている時間を延長してゆく。
このように、上記オンオフ制御部(17b)は、溶液タンク(20)内の液面(12)の低下に伴って溶液タンク(20)からノズル(31)へ向かう水溶液の流量が減少すると、それに応じてデューティー比rを増大させ、噴霧カートリッジ(15)で噴霧が行われている時間を延ばしている。その際、このオンオフ制御部(17b)は、溶液タンク(20)内の液面(12)が低下してもノズル(31)からの噴霧量が一定に保たれるように、デューティー比rを調節する。
上記オンオフ制御部(17b)がデューティー比rを調節するためには、溶液タンク(20)内の液面(12)高さに関する情報が必要である。一方、ノズル(31)からの噴霧量が一定に保たれているとすれば、溶液タンク(20)内の液面(12)が低下する速度も一定となる。つまり、溶液タンク(20)内における液面(12)の高さは、噴霧カートリッジ(15)で噴霧が行われている時間(噴霧時間)の積算値に比例することとなる。このような噴霧時間の積算値と液面(12)の高さとの関係を利用し、オンオフ制御部(17b)は、噴霧カートリッジ(15)における噴霧時間の積算値に応じてデューティー比rを調節する。
−ノズルの開閉動作−
ところで、上述のような静電噴霧装置(10)の噴霧動作を長期間行わない場合には、例えば図7(B)に示すように、ノズル(31)の先端に液体が溜まった状態で放置されることになる。このため、ノズル(31)の先端に溜まった液体が次第に蒸発してしまうと、液体が固化してノズル(31)の内部に固着してしまう。その結果、ノズル(31)の先端で目詰まりが生じてしまう。そのため、本実施形態では、上記蒸発防止手段(53)が噴霧動作の有無に応じてノズル(31)の先端を開放/遮閉するようにしている。
具体的に、スイッチ(17a)がオフに設定されている状態では、第2電源(16b)もオフとなり、キャップ(56)は、図5(A)に示すような第1位置の状態となる。すなわち、噴霧停止時には、一対のキャップ(56)が、電極ホルダー(40)及びノズル(31)を挟み込むように覆っており、ノズル(31)の先端が遮閉されている。
この状態からスイッチ(17a)をオンに切り換えると、第2電源(16b)がオンの状態となる。また、第1電源(16a)は、上述したオンオフ制御部(17b)によって細かい周期でオンオフされる。つまり、静電噴霧装置(10)は、オンオフ制御による噴霧動作が行われる。
ここで、第2電源(16b)がオンされると、電磁石(61)が通電状態となる。電磁石(61)が通電状態となると、電磁石(61)の電磁力によってロッド(62)が前進し、プレート(63)が屈曲板(57b)の先端を押圧する。その結果、図5(B)に示すように、両アーム(57)は、各軸(58)を支点として左右外側方向に回動する。このようなアーム(57)の回動に伴い、両キャップ(56)は、ノズル(31)の先端を開放する第2位置に変位して保持される。以上のようにして、ノズル(31)の先端が開放されると、上述のようにしてノズル(31)の先端から液滴が噴霧される。
一方、この状態からスイッチ(17a)をオフに切り換えると、第1電源(16a)及び第2電源(16b)がオフの状態となる。第1電源(16a)がオフされると、液体の噴霧動作が停止される。同時に第2電源(16b)がオフされると、電磁石(61)が非通電状態となる。電磁石(61)が非通電状態となると、電磁石(61)の電磁力が発生しなくなる。したがって、保持機構(60)によるキャップ(56)の保持が解除される。その結果、図5(A)に示すように、両アーム(57)は、各軸(58)を支点としながらスプリング(65)の付勢力によって左右内側に回動する。同時に、ロッド(62)及びプレート(63)が電磁石(61)側に後退する。このような両アーム(57)の回動に伴い、両キャップ(56)は、再びノズル(31)の先端を遮閉する第1位置に変位する。このため、静電噴霧装置(10)を長期間に亘って使用しない場合にも、ノズル(31)の先端における液体の蒸発が防止される。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1では、噴霧停止時において、キャップ(56)でノズル(31)の先端を遮閉するようにしている。そして、噴霧停止時におけるノズル(31)の先端についての液体の蒸発を防止するようにしている。このため、ノズル(31)の先端の液体の固化を防止でき、さらにはノズル(31)の先端の目詰まりを回避できる。したがって、静電噴霧装置(10)の噴霧性状が損なわれることを抑制し、この静電噴霧装置(10)で微細な液滴を安定的に噴霧することができる。また、ノズル(31)の目詰まりを解消するためのメンテナンス、あるいはノズル(31)の交換なども不要となり、この静電噴霧装置(10)を簡便に取り扱うことができる。
また、上記実施形態1では、噴霧動作の有無に応じて電磁石(61)の通電をオン/オフさせることで、噴霧動作時にはノズル(31)の先端を開放し、噴霧停止時にはノズル(31)の先端を遮閉するようにしている。したがって、噴霧停止時において、確実にノズル(31)の先端を遮閉し、液体の蒸発を防止することができる。特に、上記実施形態1では、電磁石(61)が非通電状態となるとノズル(31)の先端が遮閉される。このようにすると、例えば電源(16)の停電時などにおいても、ノズル(31)の先端を確実に遮閉することができる。
<実施形態1の変形例>
上記実施形態1では、電磁石(61)の電磁力を利用してノズル(31)の先端を開閉するようにしている。しかしながら、上記電磁石(61)以外に、例えばモータの回転力や、圧電素子、高分子アクチュエータなどの変形に伴う応力、さらには小型ファンなどの風力を利用してキャップ(56)を変位させるようにしてもよい。この場合にも、ノズル(31)の先端を開閉することで、噴霧動作時には、ノズル(31)を開放して液体を噴霧できる一方、噴霧停止時には、ノズル(31)を遮閉して液体の蒸発を防止することができる。
また、上記実施形態1では、キャップ(56)及びアーム(57)をベース(50)側に取り付けている。しかしながら、これらキャップ(56)及びアーム(57)を噴霧カートリッジ(15)側に取り付けるようにしてもよい。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。実施形態2の静電噴霧装置(10)は、実施形態1と蒸発防止手段の構成が異なるものである。以下には、実施形態1と異なる点について図9を参照しながら説明する。
実施形態2のノズル(31)の先端には、蒸発防止手段としての変形蓋(70)が取り付けられている。変形蓋(70)は、円筒状の圧電素子で構成されており、電気的に第2電源(16b)と接続されている。この変形蓋(70)は、第2電源(16b)から印加される電圧に応じて図9(A)に示す第1状態と、図9(B)に示す第2状態とに変形するように構成されている。
スイッチ(17a)がオンされると、第2電源(16b)もオンされ、変形蓋(70)に所定の電圧が印加される。その結果、変形蓋(70)は図9(A)の第1状態に変形し、ノズル(31)の先端が開放される。そして、この静電噴霧装置(10)では、実施形態1と同様の噴霧動作が行われる。
スイッチ(17a)がオフされると、第2電源(16b)もオフされ、変形蓋(70)への電圧の印加が停止する。その結果、変形蓋(70)は図9(B)の第2状態に変形し、ノズル(31)の先端が遮閉される。このため、ノズル(31)の先端における液体の蒸発が防止される。
実施形態2では、蒸発防止手段を比較的コンパクトに設計しながら、ノズル(31)の先端の目詰まりを回避できる。したがって、この静電噴霧装置(10)の省スペース化を図りながら、この静電噴霧装置(10)で微細な液滴を安定的に噴霧することができる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。実施形態3の静電噴霧装置(10)は、上述した実施形態とノズル(31)の先端の構造が異なるものである。また、実施形態3の電源(16)には、第1電源(16a)のみが設けられている。
実施形態3のノズル(31)の先端には、図10に示すように上方に屈曲した屈曲部(31a)が形成されている。スイッチ(17a)がオンされると、図10(A)に示すように屈曲部(31a)の先端から液体が噴霧される。一方、スイッチ(17a)がオフされると、図10(B)に示すように液体の噴霧が停止される。この際、ノズル(31)の最先端に位置する液体はヘッド差によってノズル(31)の先端の内方に引き戻される。その結果、噴霧停止時における液体の気液界面(11)は、ノズル(31)の内部寄りに位置することになる。したがって、例えばノズル(31)の最先端に液体が溜まる場合と比較して、液体の蒸発を抑制することができ、液体の固化に伴うノズル(31)の目詰まりを防ぐことができる。
《発明の実施形態4》
本発明の実施形態4について説明する。実施形態4の静電噴霧装置(10)は、上述した実施形態と制御器(17)の構成が異なるものである。図11に示すように、実施形態4の制御器(17)には、上述した実施形態1の制御器(17)に間欠自動タイマ(18)が設けられている。
上記間欠自動タイマ(18)は、静電噴霧装置(10)の停止中であっても一時的にノズル(31)の先端から液体を噴霧させるように制御する噴霧制御手段を構成している。具体的に、間欠自動タイマ(18)には、休止時間と自動噴霧時間とが設定されている。そして、実施形態4の静電噴霧装置(10)では、静電噴霧装置(10)の噴霧動作の有無に拘わらず、所定の休止時間(例えば24時間)に対して所定の自動噴霧時間(例えば1分間)の噴霧動作が繰り返し行われる。このため、ノズル(31)の先端の乾燥を確実に防止することができ、液体の固化に伴うノズル(31)の目詰まりを効果的に防ぐことができる。ここで、実施形態4によれば、上述の実施形態のような構成部品の付加や改良を施す必要がないため、静電噴霧装置(10)をシンプルに構成することができる。
また、上記間欠自動タイマ(18)には、噴霧動作を終了した時点からの休止時間を設定することもできる。この場合、噴霧動作が終了して所定の休止時間が経過すると、静電噴霧装置(10)での強制的な噴霧が行われる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態の静電噴霧装置(10)は、例えば空気清浄機や空調機などに取り付けて利用することができる。
また、上記実施形態の静電噴霧装置(10)では、噴霧する液体として様々なものを用いることができる。例えば、噴霧する液体として、アミノ酸の一種であるγ−アミノ酪酸(GABA)の水溶液を用いてもよい。γ−アミノ酪酸は、神経伝達物質の一種であり、精神安定作用があると言われている。また、カテキンやプロアントシアニジン等の抗酸化剤の水溶液を用いてもよい。また、微生物の繁殖を抑制したり微生物を死滅させる機能の有る物質を含んだ液体を用いてもよい。また、空気中の臭気分子を中和などによる化学変化で無臭化する物質を含んだ液体を用いてもよい。また、アレルゲンとなるタンパク質の抗原部位を化学的に変化させる物質を含んだ液体を用いてもよい。また、空気中の有害成分を化学変化によって無害化する物質を含んだ液体を用いてもよい。また、各種の香料や害虫の忌避剤等を含んだ液体を用いてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、電気流体力学により液体を霧化して噴霧する静電噴霧装置について有用である。
実施形態1における噴霧カートリッジの概略構成図である。 実施形態1における噴霧カートリッジの斜視図である。 実施形態1における噴霧カートリッジの分解斜視図である。 実施形態1における静電噴霧装置の斜視図である。 (A)は、実施形態1における静電噴霧装置の噴霧動作時の概略底面図であり、(B)は、噴霧停止時の概略底面図である。 実施形態1における電源及び制御器のブロック図である。 (A)は、実施形態1におけるノズル先端の噴霧動作時の断面図であり、(B)は、噴霧停止時の断面図である。 実施形態1におけるオンオフ制御部の制御を示すタイムチャートである。 (A)は、実施形態3におけるノズル先端の噴霧動作時の断面図であり、(B)は、噴霧停止時の断面図である。 (A)は、実施形態3におけるノズル先端の噴霧動作時の断面図であり、(B)は、噴霧停止時の断面図である。 実施形態4における電源及び制御器のブロック図である。
符号の説明
10 静電噴霧装置
16 電源
18 噴霧制御手段(間欠自動タイマ)
20 溶液タンク(容器)
31 ノズル(第1電極)
31a 屈曲部(蒸発防止手段)
35 リング電極(第2電極)
53 蒸発防止手段
56 キャップ(開閉蓋)
60 保持機構
65 弾性体(スプリング)
70 変形蓋(蒸発防止手段)

Claims (6)

  1. 液体を貯留する容器(20)と、該容器(20)の内部に連通するノズル(31)と、該容器(20)内の液体をノズル(31)の先端から噴霧させるための電界を生起する一対の電極(31,35)とを備えた静電噴霧装置であって、
    停止中におけるノズル(31)の先端の液体の蒸発を防止する蒸発防止手段(53,70,31a)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  2. 請求項1において、
    上記蒸発防止手段(53)は、噴霧動作時にノズル(31)の先端を開放する第1位置に変位し、噴霧停止時に該ノズル(31)の先端を遮閉する第2位置に変位する開閉蓋(56)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  3. 請求項2において、
    上記蒸発防止手段(53)は、通電状態となると上記開閉蓋(56)を第1位置で保持する一方、非通電状態となると該開閉蓋(56)の保持を解除する保持機構(60)と、
    開閉蓋(56)を第1位置から第2位置へ変位させる付勢力を有する弾性体(65)とを備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  4. 請求項1において、
    上記蒸発防止手段は、ノズル(31)の先端に形成されるとともに印加電圧に応じて変形する変形蓋(70)で構成され、
    上記変形蓋(70)は、噴霧動作時にノズル(31)の先端を開放する第1状態に変形し、噴霧停止時に該ノズル(31)の先端を遮閉する第2状態に変形するように構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
  5. 請求項1において、
    上記蒸発防止手段は、ノズル(31)の先端が上方に屈曲して形成される屈曲部(31a)で構成され、
    上記屈曲部(31a)は、噴霧停止時にノズル(31)の先端の液体を該ノズル(31)の内方に引き戻すように構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
  6. 液体を貯留する容器(20)と、該容器(20)の内部に連通するノズル(31)と、該容器(20)内の液体をノズル(31)の先端から噴霧させるための電界を生起する一対の電極(31,35)とを備えた静電噴霧装置であって、
    停止中であっても一時的にノズル(31)の先端から液体を噴霧させるように制御する噴霧制御手段(18)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
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