JP2008055264A - 有用物噴霧システム - Google Patents

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Abstract

【課題】加湿空気を対象物に供給する有用物噴霧システムにおいて、対象物を効率良く加湿する。
【解決手段】有用物が含まれる水溶液を霧化させ且つ帯電させた状態で放出する静電噴霧装置(2)と、人(P)を接地させる導電性マット(3)とを備える。静電噴霧装置(2)から放出された、帯電した液滴が接地された人(P)に接近すると、電気影像力によって、該液滴が人(P)に引き寄せられる。こうして、霧状の水溶液に含まれる有用物を、対象物(P)に効率良く吸収又は付着させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有用物を対象物へ付与する有用物噴霧システムに関するものである。
従来より、薬剤等の有用物を人等の対象物へ付与すべく、該有用物を空気中に噴霧する有用物噴霧システムが知られている。
例えば、特許文献1には、木酢液、竹酢液やハーブ液等の有用物を空間中に噴霧して、該空間内に存在する人に該有用物を無意識のうちに体内に取り込ませる有用物噴霧システムが開示されている。
特開2000−281585号公報
しかしながら、前記特許文献1,2に開示された有用物噴霧システムでは、空気中に噴霧された有用物の人への沈着は、拡散していく有用物の成り行きに任せていたため、沈着損失が大きく、不経済であった。
また、噴霧される有用物の指向性を向上させるためには、噴霧装置を対象物へ近接させ、噴霧の方向と噴霧量とを調節して、有用物を人へ勢いよく噴霧する必要があった。かかる構成では、有用物が供給される人に強い拘束感を与え、就寝時などの使用には適さないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、有用物を対象物へ効率良く付与することにある。
本発明は、有用物が含まれる霧状の溶液と、対象物(P)との間に電位差を生じさせることによって、電気的な力を利用して、有用物を対象物(P)に効率良く吸収又は付着させるようにしたものである。ここで、「有用物」とは、対象物との関係で有用な物質を意味する。
第1の発明は、有用物を対象物(P)に付与する有用物噴霧システムが対象である。そして、有用物が含まれる溶液を霧化させ且つ帯電させた状態で放出する帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)と、前記対象物(P)を接地させる対象物接地手段(3)とを備えるものとする。
前記の構成の場合、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)から有用物が含まれる霧状の溶液、即ち、有用物が含まれる微細な液滴が帯電した状態で放出される。一方、前記対象物接地手段(3)によって、前記対象物(P)が接地される。その結果、帯電した液滴が接地された対象物(P)に接近すると、該液滴は電気影像力(該液滴の電荷により作られた電界によって該対象物(P)に液滴と逆電位の電荷が誘起されることで、液滴と対象物(P)との間に働く静電気力)によって対象物(P)に引き寄せられる。こうして、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)から放出される霧状の溶液に含まれる有用物を、対象物(P)に効率良く吸収又は付着させることができる。
尚、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)は、溶液を霧化した後に帯電させるものであっても、溶液を帯電させた後に霧化するものであっても、溶液を帯電させながら霧化するものであってもよく、帯電と霧化との順序は問わない。
第2の発明は、有用物を対象物(P)に付与する有用物噴霧システムが対象である。そして、有用物が含まれる溶液を霧化させ且つ帯電させた状態で放出する帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)と、前記対象物(P)を、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)で帯電させた溶液の電位と逆電位に帯電させる対象物帯電手段(203)とを備えるものとする。
前記の構成の場合、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)から有用物が含まれる霧状の溶液、即ち、有用物が含まれる微細な液滴が帯電した状態で放出される。一方、前記対象物帯電手段(203)によって、前記対象物(P)が該帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)で帯電された液滴の電位と逆電位に帯電される。その結果、帯電した液滴が該液滴と逆電位に帯電した対象物(P)に接近すると、該液滴はクーロン力によって対象物(P)に引き寄せられる。こうして、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)から放出される霧状の溶液に含まれる有用物を、対象物(P)に効率良く吸収又は付着させることができる。
尚、第1の発明と同様に、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)は、溶液を霧化した後に帯電させるものであっても、溶液を帯電させた後に霧化するものであっても、溶液を帯電させながら霧化するものであってもよく、帯電と霧化との順序は問わない。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記帯電霧化手段(2)は、有用物が含まれる溶液を放出する放出口(51a)を有する放出部(51)と該放出口(51a)の近傍に電界を形成する電界形成手段(22,50,60)とを有し、該放出口(51a)近傍に位置する前記溶液に電界を作用させることで該溶液を帯電させた状態で霧化させる静電噴霧手段(2)であるものとする。
前記の構成の場合、前記帯電霧化手段(2)は、いわゆる静電噴霧によって帯電した微細な液滴を放出する。かかる静電噴霧によれば、前記放出部(51)の放出口(51a)に位置する溶液がクーロン力によって霧化されるため、溶液の帯電と霧化とを同時に行うことができる。その結果、帯電霧化手段(2)の構成を簡略化することができ、部品点数を削減することができる。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、前記帯電霧化手段(2A,2B,2C)は、有用物が含まれる溶液を霧化させる霧化手段(7A,8,10)と有用物が含まれる溶液を帯電させる帯電手段(7B,9)とを有するものとする。
前記の構成の場合、帯電霧化手段(2A,2B,2C)を霧化手段(7A,8,10)と帯電手段(7B,9)とで構成することによって、霧化と帯電とにそれぞれ特化して設計することができるため、設計自由度を向上させることができる。
第5の発明は、第4の発明において、前記帯電手段(9)は、前記霧化手段(8,10)で霧化された溶液をコロナ放電を利用して帯電させるものとする。
前記の構成の場合、前記霧化手段(8,10)にコロナ放電を利用した帯電手段(9)を組み合わせることによって、前記帯電霧化手段(2A,2B,2C)を簡易に実現することができる。
第6の発明は、第4の発明において、前記帯電手段(7B)は、溶液に電界を作用させて該溶液を分極させ、前記霧化手段(7A)は、前記帯電手段(7B)で分極させた溶液を霧化させるものとする。
前記の構成の場合、溶液を分極させて霧化させることで、帯電し且つ霧化した状態の溶液を放出することができるため、前述のコロナ放電を利用する構成と比較しても、前記帯電霧化手段(2A,2B,2C)を簡易に実現することができる。
本発明によれば、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)から有用物が含まれる帯電した微細な液滴を放出する一方、前記対象物接地手段(3)により対象物(P)を接地させることによって、帯電した液滴を電気影像力を利用して対象物(P)に効率良く吸収又は付着させることができる。その結果、霧状の溶液に含まれる有用物を対象物(P)に効率良く付与することができ、有用物噴霧システム(1)の消費電力を抑制することができる。
また、別の本発明によれば、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)から有用物が含まれる帯電した微細な液滴を放出する一方、前記対象物帯電手段(203)により対象物(P)を該液滴と逆電位に帯電させることによって、帯電した液滴をクーロン力を利用して対象物(P)に効率良く吸収又は付着させることができる。その結果、霧状の溶液に含まれる有用物を対象物(P)に効率良く付与することができ、有用物噴霧システム(1)の消費電力を抑制することができる。また、前記対象物接地手段(3)によって対象物(P)を接地させる構成と比較すると、電気影像力よりも相対的に強いクーロン力を利用しているため、より効率良く、霧状の溶液を対象物(P)へ付与することができる。
第3の発明によれば、前記帯電霧化手段(2)として静電噴霧手段を採用することによって、溶液の帯電と霧化とを同時に行うことができ、帯電霧化手段(2)の構成を簡略化することができる。
第4の発明によれば、前記帯電霧化手段(2A,2B,2C)を前記霧化手段(7A,8,10)と帯電手段(7B,9)とで構成することによって、帯電霧化手段(2A,2B,2C)の設計自由度を向上させることができ、霧化能力と帯電能力とを別々に向上させることができる。
第5の発明によれば、前記霧化手段(8,10)にコロナ放電を利用した帯電手段(9)を組み合わせることによって、前記帯電霧化手段(2A,2B,2C)を簡易に実現することができる。
第6の発明によれば、溶液を分極させて霧化させることで、帯電し且つ霧化した状態の溶液を放出することができるため、前述のコロナ放電を利用する構成と比較しても、前記帯電霧化手段(2A,2B,2C)を簡易に実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1に、本発明の実施形態1に係る有用物噴霧システム(1)を示す。有用物噴霧システム(1)は、有用物が含まれる帯電した霧状の溶液を放出する静電噴霧装置(2)と、対象物としての人(P)を接地(アース)させる導電性マット(3)とを備えている。
前記導電性マット(3)は、接地面(G)にアースされていて、デスク(31)の天板上に設置されている。つまり、このデスク(31)の使用者(P)が導電性マット(3)に触れることよって、該使用者(P)は接地されることになる。この導電性マット(3)が対象物接地手段を構成する。尚、図1は、導電性マット(3)の端子等を省略したものであり、便宜的に導電性マット(3)と接地面(G)とを接続した図となっている。
前記静電噴霧装置(2)は、図2に示すように、噴霧カートリッジ(21)と電源(22)と制御器(23)とを備えている。この静電噴霧装置(2)が帯電霧化手段を構成する。
図3,4に示すように、噴霧カートリッジ(21)は、溶液タンク(40)と、ノズルユニット(50)と、電極ホルダー(60)と、棒状電極(63)とを備えている。
前記溶液タンク(40)は、タンク本体(41)を備えている。タンク本体(41)は、やや扁平な直方体形状に形成された中空の容器である。タンク本体(41)の天板には、空気抜き孔(45)が形成されている。タンク本体(41)の底面(42)は、タンク本体(41)の背面(図2における左側面、図3における奥側の側面)からタンク本体(41)の前面(図2における右側面、図3における手前側の側面)へ向かって傾斜した傾斜面となっている。そして、タンク本体(41)では、その背面側よりも前面側の方が深くなっている。また、タンク本体(41)の側面は、概ね鉛直面となっている。
前記タンク本体(41)の前面には、管部(43)が設けられている。この管部(43)は、比較的短い円管状に形成されており、タンク本体(41)の前面から概ね水平方向へ突出している。タンク本体(41)の前面において、管部(43)は、該前面の下端寄りで、且つ該前面の幅方向の概ね中央に配置されている。また、タンク本体(41)の前面を形成する壁には貫通孔(44)が形成されており、この貫通孔(44)を介してタンク本体(41)の内部空間と管部(43)とが連通する。貫通孔(44)の下端は、タンク本体(41)の底面(42)よりも僅かに上方に位置している(図2を参照)。
図3,4に示すように、前記ノズルユニット(50)は、噴霧ノズル(51)とノズルホルダー(52)とを備えている。
前記噴霧ノズル(51)は、ステンレス製の円管である。一方、前記ノズルホルダー(52)は、円筒型で有底のキャップ状に形成されている。ノズルホルダー(52)は、その内径が管部(43)の外径と概ね等しくなっており、該管部(43)へ被せられている。つまり、ノズルホルダー(52)には、溶液タンク(40)の管部(43)が挿入されている。ノズルホルダー(52)では、図5に示すように、その底部(図3における手前側の端部)の中央に噴霧ノズル(51)の基端部が挿入されている。噴霧ノズル(51)の基端部は、ノズルホルダー(52)の底部を貫通している。溶液タンク(40)にノズルユニット(50)を取り付けると、噴霧ノズル(51)がタンク本体(41)の前面から概ね水平方向へ突出した状態となり、更には、噴霧ノズル(51)が管部(43)及び貫通孔(44)を介してタンク本体(41)の内部空間に連通した状態となる。この噴霧ノズル(51)が放出部を、該噴霧ノズル(51)の先端開口(51a)が放出口を構成している。
前記ノズルホルダー(52)には、端子部(53)が設けられている。この端子部(53)は、ノズルホルダー(52)の外周面から突出しており、ノズルホルダー(52)の開口端側(図3における奥側)に配置されている。ノズルホルダー(52)は、端子部(53)を含む全体が導電性樹脂によって構成されている。そして、ノズルホルダー(52)の底部に挿入された噴霧ノズル(51)は、ノズルホルダー(52)と電気的に接続されており、第1電極を構成している。
前記電極ホルダー(60)は、内筒部(61)と外筒部(62)とを備えている。内筒部(61)と外筒部(62)とは、共に円筒状に形成されている。外筒部(62)の内径は、内筒部(61)の外径よりも大きくなっている。内筒部(61)と外筒部(62)とは、互いに同軸に配置されており、それぞれの基端側で互いに連結されて一体化されている。内筒部(61)の内径は、ノズルホルダー(52)の外径と概ね等しくなっている。電極ホルダー(60)は、内筒部(61)及び外筒部(62)の基端側が溶液タンク(40)のタンク本体(41)側を向く姿勢で、その内筒部(61)がノズルホルダー(52)と嵌合することによって、該ノズルホルダー(52)に取り付けられている。この電極ホルダー(60)は、その全体が非導電性の樹脂で構成されている。
前記棒状電極(63)は、断面が円形の棒状に形成された部材であって、第2電極を構成している。棒状電極(63)の材質は、金属等の導電性材料である。この棒状電極(63)は、電極ホルダー(60)の外筒部(62)の先端面(図2,図4における右端面)に突設されている。外筒部(62)から突出した棒状電極(63)の先端部分は、突端部(64)を構成している。棒状電極(63)の突端部(64)は、噴霧ノズル(51)の先端よりも溶液タンク(40)側へ後退した位置に設けられている。また、棒状電極(63)の突端部(64)は、噴霧ノズル(51)の側方に位置している。この棒状電極(63)は、電源(22)の負極端子と電気的に接続されている。上述したように、電極ホルダー(60)は、その材質が非導電性の樹脂となっている。従って、棒状電極(63)は、噴霧ノズル(51)から電気的に絶縁されている。
なお、上述した噴霧ノズル(51)及び棒状電極(63)の材質は、単なる一例である。つまり、噴霧ノズル(51)の材質は、ステンレス以外の導電性材料(例えば導電性樹脂など)であってもよい。また、棒状電極(63)の材質は、導電性樹脂以外の導電性材料(例えば金属など)であってもよい。
前記溶液タンク(40)のタンク本体(41)内には、噴霧用液体が貯留されている。タンク本体(41)内における液面(46)の位置は、タンク本体(41)の下部から水平方向へ延びる噴霧ノズル(51)の先端よりも高くなっている。タンク本体(41)内の液面(46)と噴霧ノズル(51)の先端との間にはヘッド差があり、このヘッド差によってタンク本体(41)内の液体が噴霧ノズル(51)の先端へ供給される。
溶液タンク(40)に貯留されている噴霧用液体は、人体に有益な物質の水溶液、例えばアミノ酸の一種であるGABA(γ−アミノ酪酸)の水溶液である。GABAは、神経伝達物質の一種であり、精神安定作用があると言われている。この噴霧用液体には、調整剤としてエタノールと乳化剤の一種であるショ糖脂肪酸エステルとが添加されている。これらの調整剤を添加することによって、噴霧用液体の表面張力と粘度と導電率のそれぞれが所定の範囲内の値に設定される。例えば、噴霧用液体におけるGABAの濃度が5質量%の場合には、エタノールを20質量%添加し、ショ糖脂肪酸エステルを0.1%質量%添加すればよい。
この噴霧カートリッジ(21)では、噴霧ノズル(51)の先端から液滴化された噴霧用液体が放出されてゆく。このため、噴霧ノズル(51)内へ噴霧用液体が補給されなければ、噴霧ノズル(51)内の噴霧用液体の量が減少してしまって噴霧を継続できなくなる。一方、この噴霧カートリッジ(21)では、噴霧ノズル(51)の先端が溶液タンク(40)内の液面(46)よりも低い位置に設けられており、溶液タンク(40)内の液面(46)と噴霧ノズル(51)の先端との間にヘッド差がある。そのため、このヘッド差によって噴霧ノズル(51)内へ溶液タンク(40)内の噴霧用液体が噴霧ノズル(51)へ補給され、噴霧ノズル(51)からの噴霧が継続的に行われる。つまり、本実施形態の静電噴霧装置(2)において、溶液タンク(40)内の噴霧用液体を噴霧ノズル(51)へ供給するためのポンプ等の部材は不要である。
前記電源(22)は、直流高電圧電源である。この電源(22)は、その正極端子がノズルホルダー(52)の端子部(53)を介して噴霧ノズル(51)に電気的に接続され、その負極端子が棒状電極(63)に電気的に接続されている。また、電源(22)の負極端子は、接地(アース)されている。この電源(22)をオンすると、噴霧ノズル(51)に6kV程度の電圧が印加される。前記電源(22)、ノズルユニット(50)及び電極ホルダー(60)が電界形成手段を構成する。なお、図2は、ノズルホルダー(52)の端子部(53)の図示を省略したものであり、便宜的に電源(22)を噴霧ノズル(51)に接続した図となっている。
前記制御器(23)は、電源(22)のスイッチングを行うものであって、制御手段を構成している。具体的に、この制御器(23)は、電源(22)のオン/オフを交互に繰り返すように構成されている。また、制御器(23)は、電源(22)をオンしている時間(オン時間)と電源(22)をオフしている時間(オフ時間)の比率、すなわちデューティー比を、溶液タンク(40)内の液面(46)の高さに応じて調節するように構成されている。
−運転動作−
前記有用物噴霧システム(1)の運転動作について説明する。
前記静電噴霧装置(2)は、いわゆるコーンジェットモードのEHD噴霧を行う。
前述したように、噴霧カートリッジ(21)では、溶液タンク(40)内の液面(46)が噴霧ノズル(51)の先端よりも上に位置しており、溶液タンク(40)内の液面(46)と噴霧ノズル(51)の先端との間にヘッド差がある状態となっている。このため、噴霧ノズル(51)の先端開口(51a)に形成される気液界面(47)には、ヘッド差に起因する液圧が作用している。
電源(22)がオフになった状態(即ち噴霧ノズル(51)と棒状電極(63)とが同電位である状態)において、噴霧ノズル(51)の先端開口(51a)に形成された気液界面(47)では、図6(B)に示すように、表面張力とヘッド差に起因する液圧とが均衡した状態となっている。このため、電源(22)をオフした状態でも、噴霧ノズル(51)の先端開口(51a)から噴霧用液体が流出することはない。
電源(22)がオンになった状態(即ち噴霧ノズル(51)と棒状電極(63)との間に電位差が付与された状態)では、噴霧ノズル(51)の先端開口(51a)近傍に電界が形成される。また、噴霧ノズル(51)内の噴霧用液体が分極し、噴霧ノズル(51)の先端開口(51a)の気液界面(47)近傍に正(+)の電荷が集まる。そして、噴霧ノズル(51)の先端開口(51a)に存在する噴霧用液体には、それを噴霧ノズル(51)から引っ張り出す方向のクーロン力が作用する。その結果、噴霧ノズル(51)の先端では、図6(A)に示すように、気液界面(47)が引き延ばされて円錐状となり、この円錐状となった気液界面(47)の頂部から一部の噴霧用液体が引きちぎられるようにして液滴化する。
噴霧ノズル(51)の先端開口(51a)からは、噴霧用液体の微細な液滴が放出され、この液滴が室内の空気中へ供給される。この液滴は正に帯電している。
一方、デスク(31)の使用者(P)は、デスク(31)上の導電性マット(3)に接触することによって接地された状態となっている。ここへ、正に帯電した液滴が飛散してくると、図7に示すように、使用者(P)の表面に負電荷が誘起され、液滴と使用者(P)との間に電気影像力が発生する。その結果、液滴が使用者(P)に引き寄せられ、使用者(P)に付着し又は使用者(P)の口や鼻から吸収される。こうして、使用者(P)の近傍まで飛散してきた液滴が使用者(P)に効率良く付着し又は吸収される。
−実施形態1の効果−
したがって、前記実施形態1によれば、前記静電噴霧装置(2)によって溶液タンク(40)内の水溶液を帯電し且つ霧化した状態で放出すると共に、前記導電性マット(3)によって使用者(P)を接地させることによって、帯電した液滴を電気影像力の作用により使用者(P)に積極的に吸収又は付着させることができる。その結果、静電噴霧装置(2)から放出される液滴に対して、対象物(P)に付与される液滴の量を増大させることができ、有用物噴霧システム(1)の消費電力を抑制することができる。
また、前記有用物噴霧システム(1)は、人等の対象物(P)を接地させることによって帯電した液滴の付与効率を向上させているため、後述する実施形態2のように対象物を帯電させる必要がなく、対象物(P)を接地させればよいので、オフィス等の既存の空間に採用し易い。すなわち、有用物噴霧システム(1)は、導電性マット(3)により対象物(P)を接地させる構成とすることによって、有用物噴霧システム(1)の汎用性を向上させることができる。
尚、前記実施形態では、導電性マット(3)で対象物接地手段を構成しているが、これに限られるものではない。例えば、チェア(32)を、導電性ビニールレザーや導電性キャスター等で構成される導電性チェアで構成してもよい。また、対象物である人(P)が接地面(G)にアースされた静電ストラップを装着することによって該人(P)を接地するように構成してもよく、対象物である人(P)が静電服及び静電靴を着用し、フロア面に静電マットを設置する等して、該人(P)を接地するように構成してもよい。さらには、マウスやキーボードを接地面(G)に接地させる構成であってもよい。すなわち、人等の対象物(P)を接地できる構成であれば任意の接地手段を採用することができる。
また、前記実施形態1では、静電噴霧装置(2)から放出される液滴を正に帯電させているが、該液滴を負に帯電させる構成であってもよい。
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2に係る有用物噴霧システム(201)について説明する。この有用物噴霧システム(201)は、人等の対象物を帯電させる点で、対象物を接地させる前記実施形態1とは異なる。尚、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
この実施形態2に係る有用物噴霧システム(201)の帯電霧化装置は、図8に示すように、静電噴霧装置(2)と、対象物としての人を帯電させる帯電マット(203)とを備える。
前記静電噴霧装置(2)は、前記実施形態1と同様の構成である。
前記帯電マット(203)は、電源(233)を有していて、デスク(231)の天板上に設置される。この電源(233)の負極端子が帯電マット(203)に電気的に接続される一方、電源(233)の正極端子が接地されており、帯電マット(203)に所定の負の電圧が印加されるように構成されている。こうして、帯電マット(203)は、前記静電噴霧装置(2)から供給される液滴とは逆電位である負に帯電している。こうすることで、デスク(231)を使用する使用者(P)は、帯電マット(203)に触れることによって負に帯電することになる。この帯電マット(203)が対象物帯電手段を構成する。尚、帯電マット(203)に印加する電圧は、使用者(P)に痛みを与えない程度の電圧に設定されている。
−運転動作−
このように構成された帯電マット(203)を備えた有用物噴霧システム(201)の運転動作について説明する。
前記静電噴霧装置(2)の運転動作は、前記実施形態1と同様である。つまり、静電噴霧装置(2)からは、図9に示すように、水溶液の微細な液滴が正に帯電した状態で放出され、この液滴が室内の空気中へ供給される。
一方、デスク(231)を使用する使用者(P)は、負に帯電した状態となっている。そのため、室内の空気中を浮遊する液滴は、クーロン力によって使用者(P)に引き寄せられ、使用者(P)に付着し又は使用者(P)の口や鼻から吸収される。こうして、室内の空気中を浮遊する液滴が使用者(P)に効率良く付着し又は吸収される。
−実施形態2の効果−
したがって、前記実施形態2によれば、前記静電噴霧装置(2)によって溶液タンク(40)内の水溶液を帯電し且つ霧化した状態で放出すると共に、前記帯電マット(203)によって使用者(P)を該帯電した液滴と逆電位に帯電させることによって、液滴をクーロン力の作用により使用者(P)に積極的に吸収又は付着させることができる。その結果、静電噴霧装置(2)から供給される液滴に対して、対象物(P)に付与される液滴の量を増大させることができ、有用物噴霧システム(201)の消費電力を抑制することができる。
また、クーロン力は前述の電気影像力よりは強いため、前記有用物噴霧システム(201)は、対象物(P)を(液滴とは逆電位に)帯電させることによって実施形態1よりもさらに効率的に液滴を対象物に付与することができる。
尚、前記実施形態2では、帯電マット(203)で対象物帯電手段を構成しているが、これに限られるものではない。例えば、チェア(232)を帯電させて構成してもよい。また、対象物である人(P)が帯電したストラップを装着することによって該人(P)を帯電させるように構成してもよい。さらには、マウスやキーボードを帯電させる構成であってもよい。すなわち、人等の対象物(P)を帯電させる構成であれば任意の帯電手段を採用することができる。
また、静電噴霧装置(2)から供給される液滴を正に帯電させているが、該液滴を負に帯電させる構成であってもよい。ただし、その場合には、帯電マット(203)を正に帯電させる必要がある。
《実施形態1及び2の変形例1》
次に、実施形態1及び2の変形例1について説明する。この変形例1は、帯電霧化手段の構成が実施形態1及び2と異なる。
詳しくは、変形例1に係る帯電霧化装置(2A)は、超音波霧化装置(7)で構成されている。
この超音波霧化装置(7)は、図10に示すように、超音波霧化部(7A)と分極部(7B)と制御器(73)とを備えている。
前記超音波霧化部(7A)は、噴霧カートリッジ(71)とアンプ(76)とを有している。
前記噴霧カートリッジ(71)は、溶液タンク(74)と振動子(75)とを含んでいる。
前記溶液タンク(74)は、上方に噴口(74a)を有する中空の容器であり、この溶液タンク(74)内に噴霧用液体が貯留される。
前記振動子(75)は、前記溶液タンク(74)の底面に設置されると共に、アンプ(76)に接続されている。つまり、振動子(75)はアンプ(76)から電力供給されることによって超音波帯域の振動数で振動し、溶液タンク(74)内の液体に超音波の振動エネルギーを与える。こうすることで、溶液タンク(74)内の液体が微細な液滴となって空気中に供給、即ち、噴霧が行われる。
前記アンプ(76)には、制御器(73)が接続されている。つまり、制御器(73)の制御によってアンプ(76)から振動子(75)へ電力が供給されて、噴霧が行われる。
前記分極部(7B)は、放電電極(77)と対向電極(78)とこれら放電電極(77)及び対向電極(78)に接続された電源(72)とを有している。
前記放電電極(77)は、導電性樹脂等の導電性材料からなる棒状の電極であって、溶液タンク(74)に設置されている。詳しくは、放電電極(77)は、溶液タンク(74)の下方位置において、溶液タンク(74)の壁部を貫通して該溶液タンク(74)の内外に突出するように設けられている。
前記対向電極(78)は、金属等の導電性材料からなる環状の電極であって、溶液タンク(74)の噴口(74a)の近傍に設置されている。この対向電極(78)と放電電極(77)とは電気的に絶縁されている。
また、前記電源(72)は、直流高電圧電源である。この電源(72)は、その正極端子が放電電極(77)の溶液タンク(74)外側に突出した部分に電気的に接続される一方、その負極端子が対向電極(78)に電気的に接続される。この電源(72)は制御器(73)に接続されている。
−運転動作−
前記超音波霧化装置(7)の運転動作について説明する。
前述したように、噴霧カートリッジ(71)は、制御器(73)がアンプ(76)をオン状態にすることによって、振動子(75)に電力が供給され、該振動子(75)の振動により、溶液タンク(74)内の水溶液が微細な液滴となって空気中に供給される。このとき、制御器(73)が電源(72)もオン状態(即ち、溶液タンク(74)内の水溶液と対向電極(78)との間に電位差が付与された状態)に制御している。この状態においては、溶液タンク(74)内の水溶液は、水面付近に正の電荷が集まった分極状態となっている。つまり、溶液タンク(74)内の水溶液は、このように分極した状態で振動子(75)により加振されるため、正に帯電した液滴として空気中に供給される。
こうして、超音波霧化装置(7)によって、帯電した液滴が室内の空気中へ放出される。
室内の空気中へ供給された液滴は、帯電した液滴に作用する電気影像力(実施形態1)又はクーロン力(実施形態2)によって、対象物としての人(P)に効率良く付着又は吸収される。
この変形例1によれば、水溶液の霧化を前記超音波霧化部(7A)で行う一方、水溶液の帯電を前記分極部(7B)で行うことによって、霧化性能は超音波霧化部(7A)で、帯電性能は分極部(7B)で追求することができるため、設計自由度を向上させることができ、超音波霧化装置(7)全体としての性能を向上させることができる。
また、前記超音波霧化部(7A)を採用することによって、静電噴霧と比較して、より大量に噴霧を行うことができる。
さらに、分極部(7B)を採用することによって、後述するコロナ放電を利用する構成と比較して、帯電霧化手段を簡易に実現することができる。
《実施形態1及び2の変形例2》
続いて、実施形態1及び2の変形例2について説明する。この変形例2は、帯電霧化手段の構成が実施形態1及び2と異なる。
詳しくは、変形例2に係る帯電霧化装置(2B)は、図11に示すように、遠心式噴霧部(8)とコロナ放電部(9)とこれら遠心式噴霧部(8)及びコロナ放電部(9)を制御する制御器(11)とで構成されている。
前記遠心式噴霧部(8)は、ハウジング(81)と該ハウジング(81)内に設けられた遠心部(82)とを備えている。
前記ハウジング(81)には、噴霧用液体としての水溶液を貯留するためのタンク部(83)と、該ハウジング(81)内に空気を導入する空気導入部(84)と、該ハウジング(81)内に導入された空気を噴出するための空気噴出部(85)とが設けられている。
前記遠心部(82)は、回転盤(821)と、該回転盤(821)を回転駆動する回転駆動部(822)とを有する。この回転盤(821)は、漏斗状の回転盤本体(823)と回転盤本体(823)の回転中心からその回転軸に沿って下方に延びる吸入管(824)とを備えている。そして、この回転盤(821)は、前記ハウジング(81)内において、吸入管(824)の先端が前記タンク部(83)内の水溶液に浸漬した状態で回転可能に支承されている。また、回転駆動部(822)には制御器(11)が接続されており、回転駆動部(822)は制御器(11)によって制御されている。
前記コロナ放電部(9)は、放電電極(91)と対向電極(92)と該放電電極(91)及び該対向電極(92)に接続される電源(93)とを有する。
これら放電電極(91)及び対向電極(92)とは、前記遠心式噴霧部(8)の空気噴出部(85)の出口近傍において、該空気噴出部(85)から噴出される空気を挟むようにして互いに対向した状態で設置されている。
前記電源(93)は、直流高電圧電源であって、その正極端子が放電電極(91)に電気的に接続される一方、その負極端子が対向電極(92)に電気的に接続されている。この電源(93)には制御器(11)が接続されており、電源(93)は制御器(11)によって制御される。そして、電源(93)をオン状態とすることによって、放電電極(91)と対向電極(92)との間に高電圧を印加されコロナ放電が発生する。
−運転動作−
このように構成された変形例2に係る帯電霧化装置(2B)の運転動作について説明する。
前記制御器(11)が遠心式噴霧部(8)の回転駆動部(822)を作動させると共に、コロナ放電部(9)の電源(93)をオン状態にさせることによって、帯電霧化装置が運転状態となる。
前記遠心式噴霧部(8)の回転駆動部(822)を作動させることによって回転盤(821)が回転する。回転盤(821)が回転すると、該回転盤(821)の遠心力によりタンク部(83)内の水溶液が吸入管(824)を介して回転盤本体(823)内に吸い上げられる。回転盤本体(823)内に吸い上げられた水溶液は、高速回転する回転盤本体(823)内で薄い水膜状に形成され、その後、微細な液滴となってハウジング(81)内の空気中に放出される。
一方、ハウジング(81)内には、前記空気導入部(84)からポンプ等によって空気が導入されており、この空気導入部(84)から導入された空気に前記遠心部(82)で霧化された液滴が混入して加湿空気が生成される。この加湿空気はハウジング(81)の空気噴出部(85)から噴出される。
この空気噴出部(85)の出口近傍には前記コロナ放電部(9)が配置されており、空気噴出部(85)から噴出された加湿空気は、コロナ放電部(9)の放電電極(91)と対向電極(92)との間に形成された放電場を通過していくことになる。このとき、加湿空気中の液滴は帯電することになる。
こうして、遠心式噴霧部(8)及びコロナ放電部(9)によって、帯電した液滴が室内の空気中へ供給される。
室内の空気中へ供給された液滴は、帯電した液滴に作用する電気影像力(実施形態1)又はクーロン力(実施形態2)によって、対象物としての人(P)に効率良く付着又は吸収される。
この変形例2によれば、水溶液の霧化を前記遠心式噴霧部(8)で行う一方、水溶液の帯電を前記コロナ放電部(9)で行うことによって、霧化性能は遠心式噴霧部(8)で、帯電性能はコロナ放電部(9)で追求することができるため、設計自由度を向上させることができ、帯電噴霧装置(2B)全体としての性能を向上させることができる。
また、前記遠心式噴霧部(8)を採用することによって、静電噴霧と比較して、より大量に噴霧を行うことができる。
《実施形態1及び2の変形例3》
続いて、実施形態1及び2の変形例3について説明する。この変形例3は、帯電霧化手段の構成が実施形態1及び2と異なる。
詳しくは、変形例3に係る帯電霧化装置(2C)は、図12に示すように、スプレー式噴霧部(10)とコロナ放電部(9)とこれらスプレー式噴霧部(10)及びコロナ放電部(9)とを制御する制御器(11)とで構成されている。尚、この変形例3に係る帯電霧化装置(2C)は、前記変形例2に係る帯電霧化装置(2B)と、噴霧方式において異なる。そこで、スプレー式噴霧部(10)の構成について主に説明し、変形例2と同様の構成については同様の符号を付して、その説明を省略する。
前記スプレー式噴霧部(10)は、噴霧用液体が貯留された溶液タンク(101)と、該溶液タンク(101)から延びる吸水管(102)と、該吸水管(102)の先端部に設けられたノズル(103)と、吸水管(102)の途中に設けられ、溶液タンク(101)内の水溶液を吸い上げて、ノズル(103)へ圧送するポンプ(104)とを備えている。このポンプ(104)には制御器(11)が接続されており、該制御器(11)によってポンプ(104)が制御される。
また、前記コロナ放電部(9)は、放電電極(91)及び対向電極(92)とが、ノズル(103)近傍において、該ノズル(103)から噴霧される液滴を挟むようにして互いに対向した状態で設置されている。コロナ放電部(9)の電源(93)には制御器(11)が接続されており、電源(93)は制御器(11)によって制御される。
−運転動作−
このように構成された変形例3に係る帯電霧化装置(2C)の運転動作について説明する。
前記制御器(11)がスプレー式噴霧部(10)のポンプ(104)を作動させると共に、コロナ放電部(9)の電源(93)をオン状態にさせることによって、帯電霧化装置(2C)が運転状態となる。
前記ポンプ(104)を作動させることによって、溶液タンク(101)内の水溶液が吸水管(102)を介してノズル(103)まで吸い上げられ、このノズル(103)から微細な液滴となって空気中に噴霧される。
一方、ノズル(103)の近傍には前記コロナ放電部(9)が配置されており、ノズル(103)から噴霧された液滴は、コロナ放電部(9)の放電電極(91)と対向電極(92)との間に形成された放電場を通過していくことになる。このとき、液滴は帯電する。
こうして、スプレー式噴霧部(10)及びコロナ放電部(9)によって、帯電した液滴が室内の空気中へ供給される。
室内の空気中へ供給された液滴は、帯電した液滴に作用する電気影像力(実施形態1)又はクーロン力(実施形態2)によって、対象物としての人(P)に効率良く付着又は吸収される。
この変形例3によれば、水溶液の霧化を前記スプレー式噴霧部(10)で行う一方、水溶液の帯電を前記コロナ放電部(9)で行うことによって、霧化性能はスプレー式噴霧部(10)で、帯電性能はコロナ放電部(9)で追求することができるため、設計自由度を向上させることができ、帯電噴霧装置(2C)全体としての性能を向上させることができる。
また、前記スプレー式噴霧部(10)を採用することによって、静電噴霧と比較して、より大量に噴霧を行うことができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、前記実施形態では、対象物を人としているが、これに限られるものではない。人以外の物を対象物としてもよい。その場合、対象物を任意の手段によって接地(実施形態1)又は帯電(実施形態2)すればよい。
また、前記実施形態では、噴霧する液体として様々なものを用いることができる。例えば、噴霧する液体として、アミノ酸の一種であるテアニンの水溶液を用いてもよい。テアニンには、興奮を抑えてリラックスさせる作用があるといわれている。また、カテキンやプロアントシアニジン等の抗酸化剤の水溶液を用いてもよい。また、微生物の繁殖を抑制したり微生物を死滅させる機能の有る物質を含んだ溶液を用いてもよい。また、各種の香料や害虫の忌避剤等をを含んだ溶液を用いてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、霧状の水溶液に含まれる有用物(例えば、GABA)を対象物に効率良く付与することができるため、霧状の溶液を対象物に付与する有用物噴霧システムに有用である。
本発明の実施形態1に係る有用物噴霧システムを示す模式図である。 静電噴霧装置の概略構成図である。 噴霧カートリッジの斜視図である。 噴霧カートリッジの要部を示す断面図である。 噴霧ノズルと棒状電極の位置関係を示すカートリッジの要部の概略正面図である。 噴霧ノズルの先端を示す断面図であり、(A)は噴霧中における噴霧ノズルを、(B)は噴霧停止中における噴霧ノズルを示す。 液滴が対象物に引きつけられる様子を示す説明図である。 本発明の実施形態2に係る有用物噴霧システムを示す模式図である。 液滴が対象物に引きつけられる様子を示す説明図である。 変形例1に係る帯電霧化装置を示す模式図である。 変形例2に係る帯電霧化装置を示す模式図である。 変形例3に係る帯電霧化装置を示す模式図である。
符号の説明
P 人(対象物)
1,201 有用物噴霧システム
2,2A,2B,2C 静電噴霧装置(帯電霧化手段)
22 電源(電界形成手段)
3 導電性マット(対象物接地手段)
50 ノズルユニット(電界形成手段)
51 噴霧ノズル(放出部)
60 電極ホルダー(電界形成手段)
7A 超音波霧化部(霧化手段)
7B 分極部(帯電手段)
8 遠心式噴霧部(霧化手段)
9 コロナ放電部(帯電手段)
10 スプレー式噴霧部(霧化手段)
203 帯電マット(対象物帯電手段)

Claims (6)

  1. 有用物を対象物(P)に付与する有用物噴霧システムであって、
    有用物が含まれる溶液を霧化させ且つ帯電させた状態で放出する帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)と、
    前記対象物(P)を接地させる対象物接地手段(3)とを備えることを特徴とする有用物噴霧システム。
  2. 有用物を対象物(P)に付与する有用物噴霧システムであって、
    有用物が含まれる溶液を霧化させ且つ帯電させた状態で放出する帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)と、
    前記対象物(P)を、前記帯電霧化手段(2,2A,2B,2C)で帯電させた溶液の電位と逆電位に帯電させる対象物帯電手段(203)とを備えることを特徴とする有用物噴霧システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記帯電霧化手段(2)は、有用物が含まれる溶液を放出する放出口(51a)を有する放出部(51)と該放出口(51a)の近傍に電界を形成する電界形成手段(22,50,60)とを有し、該放出口(51a)近傍に位置する前記溶液に電界を作用させることで該溶液を帯電させた状態で霧化させる静電噴霧手段(2)であることを特徴とする有用物噴霧システム。
  4. 請求項1又は2において、
    前記帯電霧化手段(2A,2B,2C)は、有用物が含まれる溶液を霧化させる霧化手段(7A,8,10)と有用物が含まれる溶液を帯電させる帯電手段(7B,9)とを有することを特徴とする有用物噴霧システム。
  5. 請求項4において、
    前記帯電手段(9)は、前記霧化手段(8,10)で霧化された溶液をコロナ放電を利用して帯電させることを特徴とする有用物噴霧システム。
  6. 請求項4において、
    前記帯電手段(7B)は、溶液に電界を作用させて該溶液を分極させ、
    前記霧化手段(7A)は、前記帯電手段(7B)で分極させた溶液を霧化させることを特徴とする有用物噴霧システム。
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