JP2006228509A - 非水電解質二次電池用負極活物質の再利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】充放電サイクルを繰り返した使用済みの非水電解質二次電池における負極活物質に関して、省資源、環境保全などの点で好ましい再利用方法を提供する。
【解決手段】充放電サイクルを繰り返した使用済みの非水電解質二次電池において、使用済みの非水電解質二次電池から負極板を取り出す工程と、負極板を水を含有する液体で洗浄する工程と、負極活物質と結着剤とを含む負極合材と集電基板とを分離する工程と、結着剤を溶解または分散できる溶媒に負極合材を混合して負極ペーストを作製した後に負極集電体上に塗布して負極板を再利用する工程とを実施する。
【選択図】図1
【解決手段】充放電サイクルを繰り返した使用済みの非水電解質二次電池において、使用済みの非水電解質二次電池から負極板を取り出す工程と、負極板を水を含有する液体で洗浄する工程と、負極活物質と結着剤とを含む負極合材と集電基板とを分離する工程と、結着剤を溶解または分散できる溶媒に負極合材を混合して負極ペーストを作製した後に負極集電体上に塗布して負極板を再利用する工程とを実施する。
【選択図】図1
Description
本発明は使用済みの非水電解質二次電池における負極活物質の再利用方法に関する。
近年、民生用の携帯電話、ポータブル機器や携帯情報端末などの急速な小型軽量化・多様化に伴い、その電源である電池に対して、小型で軽量かつ高エネルギー密度で、さらに長期間繰り返し充放電が実現できる二次電池の開発が強く要求されている。なかでも、水液体系電解液を使用する鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して、これらの欲求を満たす二次電池としてリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池が最も有望であり、活発な研究がおこなわれている。
非水電解質二次電池の正極活物質には、二硫化チタン、五酸化バナジウムおよび三酸化モリブデンをはじめとしてリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物およびスピネル型マンガン酸化物等の一般式LixMO2(ただし、Mは一種以上の遷移金属)で表される種々の化合物が検討されている。なかでも、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物およびスピネル型リチウムマンガン酸化物などは、4V(vs Li/Li+)以上の極めて貴な電位で充放電をおこなうため、正極として用いることで高い放電電圧を有する電池を実現できる。
非水電解質二次電池の負極活物質には、金属リチウム、リチウム合金、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料など種々のものが検討されているが、なかでも炭素材料を使用すると、サイクル寿命の長い電池が得られ、かつ安全性が高いという利点がある。
非水電解質二次電池の電解質には、一般にエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの高誘電率溶媒とジメチルカーボネートやジエチルカーボネートなどの低粘度溶媒との混合系溶媒にLiPF6やLiBF4等のリチウム塩を溶解させた電解液が使用されている。
正極活物質にリチウム遷移金属酸化物を、負極活物質に炭素材料を用いた電池に代表される充放電時に活物質の溶解析出を伴わないロッキングチェア型の非水電解質二次電池は、電池構成や電池の使用方法によっては10年以上の長寿命化も可能であるが、通常使用される炭素材料の電池は負極の電位が非常に卑であるため、次第に負極上での非水電解液の還元分解が起こり、この分解生成物が炭素材料の表面に皮膜として生成して、放電容量が低下するという問題がある。
また、充放電サイクルを繰り返した非水電解質二次電池は、セパレータの空孔閉塞、活物質の反応抵抗の増大などによっても劣化し、最終的には電池を交換することになる。近年、環境保全に関する意識が高くなり、使用済み電池の回収や構成部材のリサイクルがより重要な課題となってきており、さらには、より簡便な方法でリサイクルを実施できることが望まれている。
この問題に対して、現在、リチウムイオン二次電池に含まれる材料の再利用方法が注目されており、特開平6−338353号公報、特開平8−22846号公報、特開平10−158751ないし特開平10−255862号公報では、リチウムイオン二次電池の正極に含まれるニッケルやコバルトや、負極の集電体として使用される銅の分離方法が記載されている。しかしながら、負極活物質に関しては、正極とともに焙焼して正極活物質の還元剤として用いる方法などが記載されているにとどまり、その場合、リチウムイオン二次電池用に製造された高価な材料が燃焼する際に多量のCO2を発生して環境への負荷に寄与することとなり、経済的にも十分洗練されたものではなかった。
この問題に対して、現在、リチウムイオン二次電池に含まれる材料の再利用方法が注目されており、特開平6−338353号公報、特開平8−22846号公報、特開平10−158751ないし特開平10−255862号公報では、リチウムイオン二次電池の正極に含まれるニッケルやコバルトや、負極の集電体として使用される銅の分離方法が記載されている。しかしながら、負極活物質に関しては、正極とともに焙焼して正極活物質の還元剤として用いる方法などが記載されているにとどまり、その場合、リチウムイオン二次電池用に製造された高価な材料が燃焼する際に多量のCO2を発生して環境への負荷に寄与することとなり、経済的にも十分洗練されたものではなかった。
このように、リチウムイオン二次電池の正極活物質や集電体などの有価金属については様々な再利用方法が検討され、実施されているが、負極活物質については付加価値の高い材料として再利用されていなかった。
本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、炭素材料を負極活物質とした使用済みの非水電解質二次電池から取り出した負極活物質を、最適な方法で処理することで、非水電解質二次電池の負極活物質として再利用することが可能であることを見出した。
請求項1の発明は、非水電解質二次電池から負極板を取り出す工程と、前記負極板を水を含有する液体で洗浄する工程と、洗浄済みの前記負極板を負極活物質と結着剤とを含む負極合材と集電基板とに分離する工程と、結着剤を溶解または分散できる溶媒に前記負極合材を混合して負極ペーストを作製した後に負極集電体上に塗布する工程とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の再利用方法で得られた負極板を備えたことを特徴とする非水電解質二次電池に関するものである。
請求項1の発明によれば、非水電解質二次電池から負極板を取り出す工程と、前記負極板を水を含有する液体で洗浄する工程と、洗浄済みの前記負極板を負極活物質と結着剤とを含む負極合材と集電基板とに分離する工程と、結着剤を溶解または分散できる溶媒に前記負極合材を混合して負極ペーストを作製した後に負極集電体上に塗布することで、使用済みの負極活物質を非水電解質二次電池用負極活物質として再利用することが可能となった。
請求項2の発明によれば、請求項1記載の再利用方法で得られた再利用負極活物質を非水電解質二次電池の負極活物質に用いることで、再利用負極活物質を使用した環境負荷の小さい非水電解質二次電池を提供することが可能となった。
本発明に記載した使用済みの負極活物質の再利用方法は、使用済みの非水電解質二次電池から負極板を取り出す工程と、負極板を水を含有する液体で洗浄する工程と、負極活物質と結着剤とを含む負極合材と集電基板とを分離する工程と、結着剤を溶解または分散できる溶媒に負極合材を混合して負極ペーストを作製した後に負極集電体上に塗布して負極板を再利用する工程とを実施するものである。なお、負極板を水を含有する液体で洗浄する工程と、負極活物質と結着剤とを含む負極合材と集電基板とを分離する工程とでは、負極板を水を含有する液体で洗浄する工程を先におこなってもよいし、負極活物質と結着剤とを含む負極合材と集電基板とを分離する工程を先におこなってもよい。使用済みの負極板を洗浄する方法として、水を含有した液体を用いることが好適なのは、水が、使用済みの電池から取り出した負極活物質である炭素材料の表面に生成したアルコキシドやグリコールなどの有機化合物や無機リチウム塩類をすくなからず溶解除去させることが可能であるためであり、また、安価で取り扱いが容易であるためである。水を含有した液体としてはイオン交換水や蒸留水をそのまま用いてもよいし、必要に応じてpHを調製した水溶液を用いてもよい。また、水とアルコキシドなどの反応や局部的に生成したLi金属との急激な反応による発火などの危険性を防ぐために、水分を含有させた有機溶媒をもちいることができ、これにより反応速度を遅くすることができる。有機溶媒としては、より速やかに洗浄するためには水と同程度かそれ以下の低粘度溶媒が好ましいが、負極板を洗浄する際に化学反応をおこして不溶性、不揮発性の高分子量化合物を生成しないものであれば特に問題はなく、エステル系溶媒やエーテル系溶媒など任意に使用可能である。洗浄後の負極合材に混合する溶媒としては、結着剤を溶解または分散できる任意の溶媒を用いてもよいし、結着剤を含む溶媒を用いてもよい。水溶性の結着剤を使用する場合は、水を含有する液体で洗浄する際に結着剤が溶解除去されることが考えられるため、その場合は、結着剤が溶解または分散した量に応じて結着剤を付加混合すればよい。なお、使用済みの電池から取り出した負極の電位は、負極炭素材料のLi吸蔵・放出電位よりも貴であることが望ましい。これは、負極炭素材料のLi吸蔵・放出電位よりも卑な場合は、洗浄時に急激なガス発生を起こして、発火などの危険性が生じたりするためである。
本発明を適用する非水電解質二次電池の正極活物質としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、二酸化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金属化合物や、硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属カルコゲン化合物、さらにはこれらの遷移金属とリチウムの複合酸化物LixMO2−δ(ただし、Mは、Co、NiまたはMnを表し、0.4≦x≦1.2、0≦δ≦0.5である複合酸化物)、またはこれらの複合酸化物にAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、Znから選ばれる少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素を含有した化合物を使用することができる。さらに、リチウムとニッケルの複合酸化物、すなわちLixNipM1qM2rO2−δで表される正極活物質(ただし、M1、M2はAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、Znから選ばれる少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素でもよい。さらに0.4≦x≦1.2、0.8≦p+q+r≦1.2、0≦δ≦0.5である)などを用いることができる。また、有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
本発明を適用する非水電解質二次電池の正極活物質としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、二酸化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金属化合物や、硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属カルコゲン化合物、さらにはこれらの遷移金属とリチウムの複合酸化物LixMO2−δ(ただし、Mは、Co、NiまたはMnを表し、0.4≦x≦1.2、0≦δ≦0.5である複合酸化物)、またはこれらの複合酸化物にAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、Znから選ばれる少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素を含有した化合物を使用することができる。さらに、リチウムとニッケルの複合酸化物、すなわちLixNipM1qM2rO2−δで表される正極活物質(ただし、M1、M2はAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、Znから選ばれる少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素でもよい。さらに0.4≦x≦1.2、0.8≦p+q+r≦1.2、0≦δ≦0.5である)などを用いることができる。また、有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
さらに、負極材料たる化合物としては、水洗浄によって構造が破壊されず、充放電による活物質自体の放電容量の低下が小さいものであればかまわないが、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等のコークス類、黒鉛類等の炭素材料からなることが好ましい。
負極板の集電体としては、鉄、銅、ステンレス、ニッケル、カーボンファイバーを用いることができる。また、その形状としては、シート、発泡体、焼結多孔体、エキスパンド格子が例示される。さらに、前記集電体に任意の形状で穴を開けたものを用いてもよい。
また、本発明に係る非水電解質電池の隔離体としては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用いることができ、特に、合成樹脂微多孔膜を好適に用いることができる。なかでもポリエチレン及びポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好適に用いられ、特に充放電サイクルによる空孔率の低下や透気度の変化が小さいものが好ましい。
非水電解質としては、電解液または固体電解質のいずれも使用することができる。電解液を用いる場合には、電解液溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1、3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ビニレンカーボネート、N−メチルオキサゾリジノン、N−エチルオキサゾリジノン等の非水溶媒を、単独でまたはこれらの混合溶媒を使用することができる。
非水電解質は、これらの非水溶媒に支持塩を溶解して使用する。支持塩としては、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3CO2、LiCF3SO3、LiCF3CF2SO3、LiCF3CF2CF2SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2CF2CF3)2、LiN(COCF3)2、LiN(COCF2CF3)2およびLiPF3(CF2CF3)3などの塩もしくはこれらの混合物を使用することができる。
また、電池の形状は特に限定されるものではなく、角形、長円筒形、コイン形、ボタン形、シート形、円筒型電池等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能であるが、再利用するという観点からは、大型の電池において特に本発明の効果は大きくなる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本発明は本実施例により何ら限定されるものではなく、その主旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(使用済み電池の一例)
図1は、本実施例を適用するために用いた使用済みの角形非水電解質二次電池の概略断面図である。この角形非水電解質二次電池1は、アルミニウム集電体に正極合材を塗布してなる正極4と、銅集電体に負極合材を塗布してなる負極3とがセパレータ5を介して巻回された扁平巻状電極群2と、非水電解液とを電池ケース6に収納してなる、幅34mm×高さ67mm×厚さ6.2mmのものである。
図1は、本実施例を適用するために用いた使用済みの角形非水電解質二次電池の概略断面図である。この角形非水電解質二次電池1は、アルミニウム集電体に正極合材を塗布してなる正極4と、銅集電体に負極合材を塗布してなる負極3とがセパレータ5を介して巻回された扁平巻状電極群2と、非水電解液とを電池ケース6に収納してなる、幅34mm×高さ67mm×厚さ6.2mmのものである。
電池ケース6には、安全弁8を設けた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、正極端子9は正極リード10を介して正極4と接続され、負極3は電池ケース6と直接接触している。
正極板は、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10重量%と導電剤であるアセチレンブラック5重量%とスピネル型リチウムマンガン複合酸化物である正極活物質85重量%とを混合してなる正極合材に、N−メチルピロリドン(NMP)を加えてペースト状に調製した後、これを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体に塗布し、つぎに、130℃で乾燥することにより、NMPを蒸発させた。以上の操作をアルミニウム箔の両面におこない、さらに、両面をロールプレスで圧縮成型した。このようにして、両面に正極合材層を備えた正極板を製作した。
負極板は、グラファイト(黒鉛)90重量%とポリフッ化ビニリデン10重量%とを混合してなる負極合材に、NMPを加えてペースト状に調製した後、これを厚さ10μmの銅箔集電体に塗布し、つぎに、120℃で乾燥することにより、NMPを蒸発させた。以上の操作を銅箔の両面におこない、さらに、両面をロールプレスで圧縮成型した。このようにして、両面に負極合材層を備えた負極板を製作した。
セパレータには、ポリエチレン微多孔膜を用い、また、電解液には、エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)の混合溶媒に、LiPF6の濃度が調製後に1mol/Lとなるように溶解した非水電解液を用いた。
以上の構成・手順で非水電解質二次電池を製作した。製作した非水電解質二次電池について、初期放電容量と高率放電特性とを確認した。
放電容量は、25℃において、充電電流900mA、充電電圧4.20Vの定電流−定電圧充電で3時間充電した後、放電電流900mA、終止電圧2.75Vの条件で定電流放電することにより測定した。
高率放電特性は,25℃において、充電電流900mA、充電電圧4.20Vの定電流−定電圧充電で3時間充電した後、放電を2700mAと大きい放電電流で終止電圧2.75Vまで定電流放電、得られた値を用いて、放電電流900mAでの放電容量に対する2700mAでの放電容量比を高率放電特性として算出した。
その結果、製作した非水電解質二次電池の初期放電容量は903mAhであり、高率放電特性は91%であった。
上記の製法により製作した非水電解質二次電池について、初期放電容量に対する900mA放電時の放電容量の保持率が50%となるまで、45℃の高温にて充放電を繰り返した。この操作によって、本発明を実施するための使用済みの非水電解質二次電池を得た。
使用済みの非水電解質二次電池の放電容量と高率放電特性とを確認した結果、放電容量は460mAhであり、高率放電特性は45%であった。
その後、放電電流90mA、終止電圧2.75Vの条件で定電流−定電圧放電を10時間おこない、完全放電状態の使用済みの非水電解質二次電池を得た。
[実施例1]
完全放電状態の使用済みの非水電解質二次電池の電池から、正極板、セパレータおよび負極板から構成される電極群を取り出した。つぎに、電極群から使用済みの負極板を分別して、蒸留水に浸漬することにより洗浄した。その後、負極板を取り出し、60℃にて24時間減圧乾燥した後、負極集電体から負極合材を剥離して、得られた負極合材を25℃にて24時間減圧乾燥した。得られた負極合材をNMPに浸漬し、攪拌しながら60℃にて3日間放置した後、負極合材とNMPとの混合溶媒がスラリー化するまで60℃にて乾燥して負極ペーストを得た。これを厚さ10μmの銅箔集電体に塗布し、120℃で乾燥した。以上の操作を銅箔の両面におこない、さらに、ロールプレスで圧縮成型して、負極板を製作した。
放電容量は、25℃において、充電電流900mA、充電電圧4.20Vの定電流−定電圧充電で3時間充電した後、放電電流900mA、終止電圧2.75Vの条件で定電流放電することにより測定した。
高率放電特性は,25℃において、充電電流900mA、充電電圧4.20Vの定電流−定電圧充電で3時間充電した後、放電を2700mAと大きい放電電流で終止電圧2.75Vまで定電流放電、得られた値を用いて、放電電流900mAでの放電容量に対する2700mAでの放電容量比を高率放電特性として算出した。
その結果、製作した非水電解質二次電池の初期放電容量は903mAhであり、高率放電特性は91%であった。
上記の製法により製作した非水電解質二次電池について、初期放電容量に対する900mA放電時の放電容量の保持率が50%となるまで、45℃の高温にて充放電を繰り返した。この操作によって、本発明を実施するための使用済みの非水電解質二次電池を得た。
使用済みの非水電解質二次電池の放電容量と高率放電特性とを確認した結果、放電容量は460mAhであり、高率放電特性は45%であった。
その後、放電電流90mA、終止電圧2.75Vの条件で定電流−定電圧放電を10時間おこない、完全放電状態の使用済みの非水電解質二次電池を得た。
[実施例1]
完全放電状態の使用済みの非水電解質二次電池の電池から、正極板、セパレータおよび負極板から構成される電極群を取り出した。つぎに、電極群から使用済みの負極板を分別して、蒸留水に浸漬することにより洗浄した。その後、負極板を取り出し、60℃にて24時間減圧乾燥した後、負極集電体から負極合材を剥離して、得られた負極合材を25℃にて24時間減圧乾燥した。得られた負極合材をNMPに浸漬し、攪拌しながら60℃にて3日間放置した後、負極合材とNMPとの混合溶媒がスラリー化するまで60℃にて乾燥して負極ペーストを得た。これを厚さ10μmの銅箔集電体に塗布し、120℃で乾燥した。以上の操作を銅箔の両面におこない、さらに、ロールプレスで圧縮成型して、負極板を製作した。
得られた負極板と、前記の方法により新たに製作した正極板と、セパレータと、電解液とを用いて、前記と同様の方法で非水電解質二次電池を製作した。
[比較例1]
使用済みの負極板をDMCのみを用いて洗浄した以外は実施例1と同様にして洗浄済みの負極板および非水電解質二次電池を製作し、これを比較例1とした。
使用済みの負極板をDMCのみを用いて洗浄した以外は実施例1と同様にして洗浄済みの負極板および非水電解質二次電池を製作し、これを比較例1とした。
[比較例2]
使用済みの負極板を水で洗浄しない以外は実施例1と同様にして負極板および非水電解質二次電池を製作し、これを比較例2とした。
使用済みの負極板を水で洗浄しない以外は実施例1と同様にして負極板および非水電解質二次電池を製作し、これを比較例2とした。
各電池について、前記の操作によって放電容量と高率放電特性とを確認した。表1に実施例1および比較例1、2の非水電解質二次電池の内容と、使用前の電池の初期放電容量に対する初期放電容量の相対値と、高率放電特性とを示す。
表1の結果から、つぎのようなことが明らかとなった。実施例1と比較例1〜2とをくらべると、使用済みの負極板を蒸留水で洗浄して得た負極合材を再利用した実施例1では、使用前の電池の初期放電容量の95%の初期放電容量が得られ、また、高率放電特性が85%まで向上した。これに対して、使用済みの負極板をDMCで洗浄して得た負極合材を再利用した比較例1や、使用済みの負極板を洗浄しないまま負極合材を再利用した比較例2では、初期放電容量と高率放電特性とが著しく低下した。
このように、使用済みの負極板を水を含有した液体で洗浄して得た負極合材を再利用することによって、使用前の電池に近い放電容量と高率放電特性とを持つ電池が得られることがわかった。これは、水を含有した液体で洗浄することで、活物質に残存しているリチウムや負極表面を覆っている高抵抗な皮膜成分が除去され、新たなリチウムの挿入および脱離が可能となったことが原因であると考えられる。また、結着剤を溶解または分散できる溶媒に洗浄後の負極合材を混合することで、負極活物質どうしの集電性や負極合材と集電体との集電性が向上したことが原因であると考えられる。
このように、使用済みの負極板を水を含有した液体で洗浄して得た負極合材を再利用することによって、使用前の電池に近い放電容量と高率放電特性とを持つ電池が得られることがわかった。これは、水を含有した液体で洗浄することで、活物質に残存しているリチウムや負極表面を覆っている高抵抗な皮膜成分が除去され、新たなリチウムの挿入および脱離が可能となったことが原因であると考えられる。また、結着剤を溶解または分散できる溶媒に洗浄後の負極合材を混合することで、負極活物質どうしの集電性や負極合材と集電体との集電性が向上したことが原因であると考えられる。
1 角型非水電解質二次電池
2 巻回型電極群
3 負極
4 正極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 電池蓋
8 安全弁
9 正極端子
10 正極リード
2 巻回型電極群
3 負極
4 正極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 電池蓋
8 安全弁
9 正極端子
10 正極リード
Claims (2)
- 非水電解質二次電池から負極板を取り出す工程と、前記負極板を水を含有する液体で洗浄する工程と、洗浄済みの前記負極板を負極活物質と結着剤とを含む負極合材と集電基板とに分離する工程と、結着剤を溶解または分散できる溶媒に前記負極合材を混合して負極ペーストを作製した後に負極集電体上に塗布する工程とを備えたことを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の再利用方法。
- 請求項1記載の再利用方法で得られた負極板を備えたことを特徴とする非水電解質二次電池。
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JP2005039107A JP2006228509A (ja) | 2005-02-16 | 2005-02-16 | 非水電解質二次電池用負極活物質の再利用方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005039107A Pending JP2006228509A (ja) | 2005-02-16 | 2005-02-16 | 非水電解質二次電池用負極活物質の再利用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006228509A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021044249A (ja) * | 2016-07-07 | 2021-03-18 | ジーアールエスティー・インターナショナル・リミテッド | リチウムイオン電池のリサイクル方法 |
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2005
- 2005-02-16 JP JP2005039107A patent/JP2006228509A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021044249A (ja) * | 2016-07-07 | 2021-03-18 | ジーアールエスティー・インターナショナル・リミテッド | リチウムイオン電池のリサイクル方法 |
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