JP2003123724A - リチウム二次電池用セパレータおよびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用セパレータおよびそれを用いたリチウム二次電池

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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気化学的に安定であり、自己放電量および
不可逆容量の小さいリチウム二次電池を構成し得るセパ
レータを提供する。 【解決手段】 リチウム二次電池用セパレータを、セル
ロースの水酸基の少なくとも一部がエステル化されたエ
ステル化セルロースを主成分とする微多孔膜を含んでな
るものとする。セルロースの水酸基の少なくとも一部を
エステル化して不活性なものとすることにより、セルロ
ースを電気化学的に安定化させる。このようなエステル
化セルロースを主成分とする微多孔膜を含んだセパレー
タを用いることにより、自己放電量および不可逆容量の
小さいリチウム二次電池を構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオンの
吸蔵・脱離現象を利用したリチウム二次電池を構成する
セパレータ、およびそれを用いたリチウム二次電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】リチウムの吸蔵・脱離現象を利用したリ
チウム二次電池は、高エネルギー密度であることから、
携帯電話、パソコン等の小型化に伴い、通信機器、情報
関連機器の分野で広く普及するに至っている。また、自
動車の分野においても、資源問題、環境問題から電気自
動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源と
しても、リチウム二次電池が検討されている。現在実用
化されているリチウム二次電池は、一般に、リチウム遷
移金属複合酸化物を正極活物質とした正極と、炭素材料
等を負極活物質とした負極と、その正極と負極との間に
挟装されたセパレータと、リチウム塩を有機溶媒に溶解
した非水系電解液とから構成されており、4V級の高い
電圧を有するものが主流をなしている。ここで、構成要
素の一つであるセパレータは、正極と負極とを分離し、
それらの間に電解液を保持させる役割を果たすものであ
る。そして、セパレータには、正極、負極および電解液
に対して化学的に安定であること、電解質やイオンの透
過性が良好であること等が要求される。このような特性
を備えたセパレータとして、セルロース紙や、それとポ
リオレフィンからなる薄い微多孔膜とを積層したもの等
が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記セ
ルロース紙を含むセパレータを用いたリチウム二次電池
は、初回の充電時、あるいは過充電に至った場合に、水
素や一酸化炭素等のガスの発生量が多い。ガスの発生量
が多いと、電池内部の圧力が上昇するため、安全上好ま
しくない。ガスが発生するメカニズムは明らかではない
が、初回の充電時や過充電時には、電解液が分解するこ
とに加え、上記セパレータ自体も反応してガスを生成す
ると考えられる。また、上記セルロース紙を含むセパレ
ータを用いたリチウム二次電池は、自己放電量が大き
く、特に充電状態で高温下に長時間放置した場合にはそ
の程度が大きい。
【0004】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、電気化学的に安定であり、自己放電量
の小さいリチウム二次電池を構成し得るセパレータを提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池用セパレータは、セルロースの水酸基の少なくとも一
部がエステル化されたエステル化セルロースを主成分と
する微多孔膜を含んでなることを特徴とする。
【0006】本発明のセパレータは、エステル化セルロ
ースを主成分とする微多孔膜を含んでなるため、初期充
電時等におけるガスの発生量が少ない。すなわち、セル
ロースは水酸基(−OH)を有するため電気化学的に安
定ではなく、充電時の電位の変化に伴って酸化反応ある
いは還元反応を生じる。このセルロースの酸化還元反応
が水素等のガスを発生させる要因と考えられる。したが
って、セルロースの水酸基の少なくとも一部をエステル
化して不活性なものとすることにより、セルロースを電
気化学的に安定化させ、その結果、酸化還元反応を抑制
することができると考えられる。また、セルロースの酸
化還元反応が抑制されると、電池の自己放電量も小さく
なる。つまり、自己放電の多くは、セルロースの酸化還
元反応により生じた生成物等が、正極および負極におい
て還元剤または酸化剤となることで生じると考えられ
る。したがって、セルロースを電気化学的に安定化さ
せ、酸化還元反応を抑制することで、電池の自己放電も
抑制することができる。さらに、セルロースの反応は、
本来の電池反応以外の不可逆的な副反応であるため、そ
の副反応が抑制されることにより、可逆的な電池反応に
寄与する電荷が増加して、いわゆる不可逆容量が減少す
ることになる。このように、本発明のリチウム二次電池
用セパレータは、電気化学的に安定であり、充電時にお
けるガスの発生量が少なく、自己放電量および不可逆容
量の小さい二次電池を構成することができる。
【0007】また、本発明のリチウム二次電池用セパレ
ータは、上記エステル化セルロースを主成分とする微多
孔膜とポリオレフィン製微多孔膜とを含み、エステル化
セルロースを主成分とする微多孔膜とポリオレフィン製
微多孔膜とが積層してなるように構成することができ
る。
【0008】一般に、リチウム二次電池が過充電に至っ
た場合には、正極活物質の結晶の崩壊や電解液の分解反
応等様々な反応を生じる。特に、電解液の分解反応はガ
スの発生を伴うものであり、電池の内部圧力は上昇す
る。さらに、これらの過充電反応の殆どは発熱反応であ
るため、電池内部の温度は上昇することになる。セパレ
ータとしてポリオレフィンからなる微多孔膜を用いる
と、電池内部の温度上昇に伴ってポリオレフィンの微多
孔膜は軟化して、その微多孔が閉塞し、それ以上の過充
電反応をシャットダウンする。つまり、ポリオレフィン
の微多孔膜は過充電反応を自己抑制するように作用す
る。しかし、ポリオレフィンは融点が125℃〜180
℃程度と比較的低いため、例えば、温度上昇が急激な場
合には、セパレータが溶融してその形状を保持できず、
正極と負極とが直接接触する、いわゆる内部短絡を引き
起こすおそれがある。よって、リチウム二次電池の過充
電時における安全性を向上するためには、セパレータの
高温における強度の向上を図ることが必要となる。ここ
で、セルロース系の膜は、熱分解開始温度が300℃前
後であり、ポリオレフィンからなる膜が溶融する温度範
囲であっても形状を保持することができる。したがっ
て、エステル化セルロースを主成分とする微多孔膜と、
シャットダウン作用を有するポリオレフィン製微多孔膜
とを積層させることで、高温下において形状を維持しつ
つ、過充電反応を充分に沈静化することができる。すな
わち、積層化した本発明のセパレータを用いたリチウム
二次電池は、上記電池特性に優れるだけでなく、過充電
時における安全性も高いものとなる。
【0009】本発明のリチウム二次電池は、リチウムイ
オンを吸蔵・脱離できる物質を正極活物質とする正極
と、負極と、該正極と負極との間に挟装されたセパレー
タと、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解液とを
備えてなるリチウム二次電池であって、前記セパレータ
は、セルロースの水酸基の少なくとも一部がエステル化
されたエステル化セルロースを主成分とする微多孔膜を
含むことを特徴とする。すなわち、本発明のリチウム二
次電池は、上記本発明のセパレータを用いた電池であ
り、充電時におけるガスの発生量が少なく、自己放電量
および不可逆容量の小さい二次電池となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のリチウム二次電
池用セパレータおよびそれを用いたリチウム二次電池の
実施形態について説明する。なお、説明する実施形態は
一実施形態にすぎず、本発明のリチウム二次電池用セパ
レータおよびリチウム二次電池が、下記の実施形態に限
定されるものではない。下記実施形態を始めとして、当
業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実
施することができる。
【0011】〈セパレータ〉本発明のセパレータは、セ
ルロースの水酸基の少なくとも一部がエステル化された
エステル化セルロースを主成分とする微多孔膜を含むも
のである。エステル化セルロースは、セルロースのすべ
ての水酸基がエステル化されているものの他、一部の水
酸基のみをエステル化したものでもよい。セルロースの
エステル化は、その方法が特に限定されるものではな
く、通常エステル化に用いられる方法に従えばよい。エ
ステル化の方法としては、例えば、セルロースを硫酸と
無水酢酸との混合溶液に浸漬する方法、高温下で無水酢
酸の蒸気により処理する方法、酢酸ナトリウムを触媒と
して無水酢酸水溶液に浸漬する、あるいは無水酢酸の蒸
気により処理する方法等が挙げられる。特に、エステル
化の程度を制御し易いという理由から、酢酸ナトリウム
を触媒として無水酢酸の蒸気により処理する方法を採用
することが望ましい。なお、エステル化が進行しすぎる
と、膜を形成した場合にその強度がやや低下するため、
処理時間や処理温度等を適宜調整して、エステル化の度
合いを適当なものとすることが望ましい。例えば、セル
ロースを酢酸ナトリウムを触媒として無水酢酸の蒸気に
より処理する方法を採用した場合には、10wt%程度
の酢酸ナトリウム水溶液を触媒として用い、処理温度を
20〜80℃、処理時間を1〜10時間として行えばよ
い。そして、エステル化処理の後、水やアルコール等の
溶媒で洗浄し、乾燥して用いることができる。なお、水
洗した場合には、エステル化した水酸基が加水分解する
こともある。したがって、セパレータとして要求される
膜の強度や電解液との反応性等をも考慮して、エステル
化の度合いが適当となるよう水洗すればよい。また、エ
ステル化処理により、用いた無水酢酸が加水分解されて
酢酸が生成し、その酢酸が、形成された膜中に若干残存
することもある。電解液中の微量の酢酸の存在により放
電容量が増加することが知られており、残存した酢酸は
電池反応に有利に作用すると考えられる。
【0012】エステル化セルロースを主成分とする微多
孔膜は、いわゆる抄紙法により、上記エステル化したセ
ルロースの繊維をすいて形成すればよい。また、エステ
ル化セルロースの繊維を織物にして形成したものでもよ
い。なお、微多孔膜は、エステル化セルロースを主成分
とするものであるが、それ以外にも、例えば、強度を向
上させるためのアラミドや、上述したシャットダウン作
用を有するポリオレフィン等の他の成分を含むものでも
よい。また、従来からセパレータとして用いられている
セルロース紙自体を上記エステル化処理して用いてもよ
い。この場合、セルロース紙を製造する際に用いられて
いるポリエチレンイミン、アルギン酸ナトリウム、ポリ
アクリルアミド等のバインダーは、セルロース紙をエス
テル化処理する際に除去される。これらのバインダーの
存在は、自己放電量を増加させる一因と考えられるた
め、エステル化処理により除去されることで、より自己
放電量の小さな二次電池を構成することができる。
【0013】微多孔膜は、その厚さが特に限定されるも
のではないが、セパレータとして微多孔膜1枚を単独で
用いる場合には、その厚さを10μm以上50μm以下
とすることが望ましい。10μm未満の場合には、強
度、特に膜厚方向における突刺し強度が充分ではなく、
内部短絡の発生率が高くなるからである。さらに強度を
向上させるためには20μm以上とすることがより望ま
しい。一方、50μmを超えると、内部抵抗が増加した
り放電容量が減少する等、電池性能の低下を招くおそれ
がある。電池性能を考慮すると40μm以下とすること
がより望ましい。なお、後述するように、他の微多孔膜
と積層してセパレータとする場合には、積層して形成さ
れた膜の全体の厚さを考慮して、それぞれの微多孔膜の
厚さを適宜決定すればよい。
【0014】エステル化セルロースを主成分とする微多
孔膜の孔径は、特に限定されるものではないが、平均孔
径が0.1μm以上1μm以下であることが望ましい。
平均孔径が0.1μm未満であると、膜の抵抗が増加
し、電池性能が低下するからであり、1μmを超えると
内部短絡し易くなるからである。平均孔径は、例えば、
微多孔膜を走査型電子顕微鏡で観察し、その写真を統計
的に処理することにより求めればよい。また、空隙率
は、20%以上60%以下とすることが望ましい。平均
孔径の場合と同様、20%未満の場合には膜の抵抗が増
加し、電池性能が低下するからであり、60%を超える
と内部短絡し易くなるからである。空隙率は、例えば、
微多孔膜の原料となる材料の真密度、微多孔膜の重量お
よび体積とから求ることができる。さらに、内部短絡の
発生を抑制するという観点から、膜厚方向における突刺
し強度がある程度以上の値であることが望ましい。突刺
し強度は、例えば、テクスチャーアナライザー等の強度
試験機を用いて、測定対象となる微多孔膜に金属針(直
径1〜2mm、先端部r=0.5mm)を一定速度で突
き刺した際の荷重で評価することができる。
【0015】本発明のセパレータは、上記エステル化セ
ルロースを主成分とする微多孔膜の他、さらにポリオレ
フィン製微多孔膜を含み、エステル化セルロースを主成
分とする微多孔膜とポリオレフィン製微多孔膜とが積層
してなる態様を採用することができる。エステル化セル
ロースを主成分とする微多孔膜とポリオレフィン製微多
孔膜とをそれぞれ1枚ずつ積層した態様でもよく、2枚
のポリオレフィン製微多孔膜の間にエステル化セルロー
スを主成分とする微多孔膜を挟んだサンドイッチ構造と
することもできる。さらに、両微多孔膜を複数枚使用し
てそれぞれ交互に積層した態様としてもよい。積層方法
は、特に限定されるものではなく、例えば、使用する微
多孔膜を重ね合わせて積層すればよい。また、それぞれ
の微多孔膜を圧接あるいは熱圧接等して積層してもよ
い。なお、本発明のセパレータは、正極と負極との間に
挟装される。その際、セパレータを構成するポリオレフ
ィン製微多孔膜が負極と接するように挟装されることが
望ましい。例えば、負極活物質として炭素物質を用いた
場合、過充電時には最初に負極と電解液との発熱反応が
生じると考えられる。したがって、過充電時の初期の発
熱に応じて早期にポリオレフィン製微多孔膜によるシャ
ットダウンが生ずれば、その後の電池温度の上昇をより
抑制することができ、内部短絡等の危険を回避すること
ができる。
【0016】ポリオレフィン製微多孔膜は、特に限定さ
れるものではなく、例えば、ポリエチレン製微多孔膜、
ポリプロピレン製微多孔膜等をそれぞれ単独で、あるい
はそれらを積層して用いることができる。特に、融点が
約125〜140℃と低いため、シャットダウンがより
速く生じ、微多孔の閉塞後の電池温度の上昇をより抑制
することができるという理由から、ポリエチレン製微多
孔膜を用いることが望ましい。なお、ポリオレフィン製
微多孔膜は、通常用いられる方法で製造すればよく、例
えば、原料となるポリオレフィンを溶融してシート状に
成形したものを延伸等して微多孔膜とすればよい。
【0017】ポリオレフィン製微多孔膜は、その厚さが
特に限定されるものではなく、供に用いられる上記エス
テル化セルロースを主成分とする微多孔膜の厚さを考慮
して、適宜選択すればよい。エステル化セルロースを主
成分とする微多孔膜と同様、膜の強度と電池性能とを勘
案し、ポリオレフィン製微多孔膜の厚さは10μm以上
50μm以下とすることが望ましい。特に、強度を向上
させるためには20μm以上とすることがより望まし
く、電池性能を向上させるためには40μm以下とする
ことがより望ましい。ポリオレフィン製微多孔膜の孔径
は、特に限定されるものではないが、平均孔径が0.1
μm以上1μm以下であることが望ましい。平均孔径が
0.1μm未満であると、膜の抵抗が増加し、電池性能
が低下するからであり、1μmを超えると内部短絡し易
くなるからである。また、空隙率は、20%以上60%
以下とすることが望ましい。平均孔径の場合と同様、2
0%未満の場合には膜の抵抗が増加し、電池性能が低下
するからであり、60%を超えると内部短絡し易くなる
からである。なお、平均孔径および空隙率は、上記同様
の方法で求めればよい。
【0018】〈リチウム二次電池〉本発明のリチウム二
次電池は、上記本発明のセパレータを備えた二次電池で
あり、セパレータを除いて他の構成要素は特に限定する
ものではなく、既に存在する通常のリチウム二次電池に
従えばよい。以下、各構成要素ごとに説明する。
【0019】正極は、リチウムイオンを吸蔵・脱離でき
る正極活物質に導電材および結着剤を混合し、適当な溶
剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、アルミ
ニウム等の金属箔製の集電体表面に塗布乾燥し、必要に
応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することがで
きる。この場合の塗布、乾燥、プレス等は通常の方法に
従えばよい。
【0020】正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・脱
離できる物質であれば特に限定されるものではなく、例
えば、リチウム遷移金属複合酸化物を用いることができ
る。リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、4
V級の二次電池を構成できるという観点から、基本組成
をLiCoO2、LiNiO2とする層状岩塩構造のリチ
ウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複合酸化
物、あるいは基本組成をLiMn24とするスピネル構
造のリチウムマンガン複合酸化物等を用いることが望ま
しい。特に、基本組成をLiNiO2とする層状岩塩構
造リチウムニッケル複合酸化物は、Coを中心金属とし
たリチウム遷移金属複合酸化物に比較して、安価であり
また容量のより大きな二次電池を構成できる点で優れて
いる。なお、「基本組成をLiNiO2とする」とは、
組成式LiNiO2で表される正規組成のものの他、N
iサイトの一部をCo、Mn等で置換したものや、ま
た、熱的安定性を高めるためAl等で置換したもの、L
iで置換したもの等、他元素置換タイプのものをも含む
ことを意味する。さらに、必ずしも化学量論組成のもの
に限定されるわけではなく、例えば、製造上不可避的に
生じるリチウムや遷移金属等の陽イオン原子が欠損し
た、あるいは酸素原子が欠損した非化学量論組成のもの
等をも含む。また、上記リチウム遷移金属複合酸化物の
うち1種類のものを単独で用いてもよく、また、2種類
以上のものを混合して用いることも可能である。2種類
以上を混合して用いる場合は、例えば、過充電反応が生
じる電位の異なるものを用いることにより、過充電反応
を分散させて行わせることができる。つまり、より低い
電位で過充電反応を生じる正極活物質が優先的に過充電
され、早期に発熱反応を生じるため、セパレータによる
シャットダウンの時期を早めることができ、急激な温度
上昇を回避することができる。この場合、より低い電位
で過充電反応を生じるリチウム遷移金属化合物は、過充
電反応を分散して行わせるという効果を充分に発揮させ
るような割合で混合すればよい。具体的には、その混合
割合を10wt%以上90wt%以下とすることが望ま
しい。
【0021】導電材は、正極の電気伝導性を確保するた
めのものであり、例えば、カーボンブラック、アセチレ
ンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種又は2種以
上を混合したものを用いることができる。結着剤は、活
物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすも
ので、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ
化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることが
できる。これら活物質、導電材、結着剤を分散させる溶
剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤
を用いることができる。
【0022】正極に対向させる負極は、負極活物質であ
る金属リチウムを、シート状にして、あるいはシート状
にしたものをニッケル、ステンレス等の集電体網に圧着
して形成することができる。負極活物質には金属リチウ
ムに代え、リチウム合金、またはリチウム化合物をも用
いることができる。ただし、金属リチウム等はデンドラ
イトの析出という問題があるため、これらに代えて、正
極同様、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質
に結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にし
た負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布乾燥
し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成す
ることができる。この場合、負極活物質として、例え
ば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合
物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体を用いること
ができる。負極結着剤としては、正極同様、ポリフッ化
ビニリデン等の含フッ素樹脂等を、溶剤としてはN−メ
チル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができ
る。
【0023】非水電解液は、有機溶媒に電解質を溶解さ
せたもので、有機溶媒としては、非プロトン性有機溶
媒、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン
等の1種またはこれらの2種以上の溶媒を用いることが
できる。また、溶解させる電解質としては、溶解させる
ことによりリチウムイオンを生じるLiBF4、LiP
6、LiClO4、LiAsF6等を用いることができ
る。なお、非水電解液は、さらにラジカル補足剤、界面
活性剤や難燃剤などを含んでいてもよい。上記電解質
は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上のも
のを併用することもできる。特に、LiPF6は、比較
的電気伝導率が高く、内部抵抗の小さな電池を構成する
ことができるため好適である。さらに、LiClO4
も併用することが望ましい。LiClO4を併用するこ
とで、過充電状態の初期に発熱させることができ、セパ
レータによるシャットダウンの時期を早め、リチウム二
次電池の安全性を高めることができる。
【0024】以上の構成要素によって構成されるリチウ
ム二次電池であるが、その形状は円筒型、積層型、コイ
ン型等、種々のものとすることができる。いずれの形状
を採る場合であっても、正極と負極との間にセパレータ
を挟装させ電極体とする。そして正極集電体および負極
集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの
間を集電用リード等を用いて接続し、この電極体に上記
電解液を含浸させ電池ケースに密閉し、リチウム二次電
池を完成する。
【0025】
【実施例】以下、上記実施形態に基づいて、本発明のセ
パレータを備えたリチウム二次電池を種々作製した。ま
た、比較のため、従来のセパレータを用いてリチウム二
次電池を作製した。これら作製したリチウム二次電池に
ついて、初回充電時の圧力および放電容量を測定し、さ
らに保存試験、過充電試験を行った。以下、これらにつ
いて詳しく説明する。
【0026】〈第1シリーズのリチウム二次電池〉 (1)リチウム二次電池の作製 (a)実施例の二次電池 セルロース紙をエステル化処理した微多孔膜を用いてセ
パレータとし、実施例の二次電池を作製した。エステル
化処理は、セルロース紙に10wt%の酢酸ナトリウム
水溶液をスプレーコートした後、無水酢酸蒸気を作用さ
せながら50℃の温度で5時間保持することにより行っ
た。そして、エステル化処理後にイオン交換水で洗浄
し、80℃で24時間真空乾燥してエステル化セルロー
スを主成分とする微多孔膜とした。本微多孔膜の膜厚は
25μm、平均孔径は0.2μm、空隙率は38%であ
る。以下、本微多孔膜を「エステル化セルロース製微多
孔膜」と表す。
【0027】正極は、まず、正極活物質となるLiNi
0.8Co0.15Al0.052の90重量部に、導電材として
のカーボンブラックを5重量部、結着剤としてのポリフ
ッ化ビニリデンを5重量部混合し、溶剤として適量のN
−メチル−2−ピロリドンを添加し、ペースト状の正極
合材を調製した。次いで、このペースト状の正極合材
を、ロールコータを用いて、厚さ15μmのアルミニウ
ム箔集電体の両面に塗布、乾燥し、ロールプレスにて圧
縮し、シート状の正極を作製した。なお、このシート状
の正極は54mm×100mmの大きさに裁断して用い
た。
【0028】対向させる負極は、負極活物質に黒鉛化メ
ソフェーズ小球体(MCMB)を採用した。まず、この
MCMBの95重量部に対して、結着剤としてポリフッ
化ビニリデンを5重量部混合し、溶剤として適量のN−
メチル−2−ピロリドンを添加し、これらを充分に混練
してペースト状の負極合材を調製した。次いで、この負
極合材を厚さ10μmの銅箔集電体の両面に塗布、乾燥
し、ロールプレスにて圧縮し、シート状の負極を作製し
た。なお、このシート状の負極は56mm×120mm
の大きさに裁断して用いた。
【0029】上記正極と負極との間に、上記エステル化
セルロース製微多孔膜を含んだ種々のセパレータ(詳細
は後述)を挟んで捲回し、ロール状の電極体を形成し
た。そして、その電極体をSUS304製の電池ケース
に挿設し、非水電解液を注入した後、電池ケースを密閉
してリチウム二次電池を作製した。なお、非水電解液
は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを
体積比で3:7に混合した混合溶媒に、LiPF6を1
Mの濃度で溶解したものを用いた。非水電解液の注液量
は、1ccとした。なお、電池ケースには、内部圧力が
0.8MPaを超えると開弁する安全弁を正極および負
極蓋板にそれぞれ設け、さらに、初回充電時における内
部圧力を測定するための圧力計を取り付けた。
【0030】セパレータとして、上記エステル化セルロ
ース製微多孔膜のみを用いた二次電池を実施例1−1の
二次電池とした。また、セパレータとして、上記エステ
ル化セルロース製微多孔膜と膜厚25μmのポリエチレ
ン製微多孔膜とを1枚ずつ積層したものを用いた二次電
池を実施例1−2の二次電池とした。なお、実施例1−
2の二次電池では、エステル化セルロース製微多孔膜が
正極と、ポリエチレン製微多孔膜が負極とそれぞれ接す
るようにセパレータを挟装した。さらに、セパレータと
して、2枚の上記ポリエチレン製微多孔膜の間に上記エ
ステル化セルロース製微多孔膜を1枚挟んでサンドイッ
チ構造としたものを用いた二次電池を実施例1−3の二
次電池とした。 (b)比較例の二次電池 従来から使用されているセルロース紙やポリエチレン製
微多孔膜からなるセパレータを用い、比較例の二次電池
を作製した。セパレータ以外は上記実施例の二次電池と
同様に作製した。セパレータとして、実施例1−2、3
の二次電池で使用したポリエチレン製微多孔膜のみを用
いた二次電池を比較例1−1の二次電池とした。また、
セパレータとして、同様のポリエチレン製微多孔膜の間
に膜厚25μmのセルロース紙を挟んでサンドイッチ構
造としたものを用いた二次電池を比較例1−2の二次電
池とした。さらに、セパレータとして、上記セルロース
紙のみを用いた二次電池を比較例1−3の二次電池とし
た。
【0031】(2)リチウム二次電池の放電容量および
初回充電時の圧力測定 作製した実施例および比較例の各リチウム二次電池を、
初回充放電として、温度25℃下にて、電流密度1.0
mA/cm2の定電流で4.1Vまで充電した後、電流
密度1.0mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電を
行った。そして、放電容量を測定し、充電前後の電池内
部の圧力を測定することにより充電による圧力増加を求
めた。これらの測定結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示すように、エステル化セルロース
製微多孔膜を含むセパレータを用いた実施例の各二次電
池は、従来のセルロース紙を含むセパレータを用いた比
較例1−2、3の二次電池と比較して放電容量が大き
い。これは、エステル化することによりセルロースの酸
化還元反応が抑制され、電池の不可逆容量が減少したた
めと考えられる。また、実施例の各二次電池は、充電に
よる圧力増加が小さい。このことは、上記同様にセルロ
ースの酸化還元反応が抑制されたため、ガスの発生が減
少したことを示すものである。これより、エステル化セ
ルロースを主成分とする微多孔膜を含むセパレータを用
いることで、充電時におけるガスの発生量が少なく、不
可逆容量の小さいリチウム二次電池を構成できることが
確認できた。
【0034】(3)リチウム二次電池の保存試験および
自己放電量の測定 次に、実施例および比較例の各リチウム二次電池につい
て保存試験を行った。保存試験は、電流密度1.0mA
/cm2の定電流で電圧が3.75Vに到達するまで充
電を行うことにより各二次電池をSOC60%の状態と
した後、25℃の恒温槽に1週間保存することとした。
そして、保存試験の前後で各二次電池の放電容量を測定
し、それらの値から、式[{1−(保存後放電容量/保
存前放電容量)}×100(%)]を用いて自己放電率
(%)を計算した。各二次電池の自己放電率の値を先の
表1にまとめて示す。なお、表1には、求めた各二次電
池の自己放電率の値を4倍して1ヶ月間の保存における
自己放電率とした値を示す。
【0035】表1より、エステル化セルロース製微多孔
膜を含むセパレータを用いた実施例の各二次電池は、従
来のセルロース紙を含むセパレータを用いた比較例1−
2、3の二次電池と比較して自己放電率が小さい。これ
は、エステル化することによりセルロースの酸化還元反
応が抑制され、その反応による生成物が減少したため、
電池の自己放電が抑制されたものと考えられる。
【0036】(4)リチウム二次電池の過充電試験およ
び安全性の評価 実施例および比較例の各リチウム二次電池に対して過充
電試験を行い、電池の安全性を評価した。各二次電池を
種類ごとにそれぞれ2本ずつ準備し、それぞれの二次電
池を1Cに相当する電流で電池電圧4.1Vまで定電流
充電し、さらにその電池電圧で定電圧充電し、満充電と
した(充電総時間2.5時間)。なお、電池の基準容量
を1時間で放電する際の電流値(1時間率放電における
電流値)を1Cとした。その後、さらに10Cに相当す
る電流で上限電圧22Vとなるまで定電流充電し、各二
次電池の変化を観察した。電池の安全性は、電流遮断の
有無および電池ケースの変形の有無によって評価した。
これらの評価結果を上記表1にまとめて示す。
【0037】表1より、エステル化セルロース製微多孔
膜のみからなるセパレータを用いた実施例1−1の二次
電池は、電池内部の温度が上昇した場合でもセパレータ
によるシャットダウンが生じないため、電流遮断が見ら
れず、電池ケースの変形に至った。この現象は、従来の
セルロース紙のみからなるセパレータを用いた比較例1
−3の二次電池でも同様に見られ、より大きく電池ケー
スが変形した。一方、エステル化セルロース製微多孔膜
とポリエチレン製微多孔膜とを積層したセパレータを用
いた実施例1−2、3の各二次電池では、充電の途中で
セパレータによるシャットダウンが生じ、電流が遮断さ
れた。その結果、電池ケースの変形は認められなかっ
た。同様に、セルロース紙とポリエチレン製微多孔膜と
を積層したセパレータを用いた比較例1−2の二次電池
も電池ケースは変形しなかった。しかし、ポリエチレン
製微多孔膜のみからなるセパレータを用いた比較例1−
1の二次電池は、電流遮断が途中で解消され、電池ケー
スの変形に至った。これは、温度の上昇に伴いセパレー
タによるシャットダウンが生じ、電流は一旦遮断された
ものの、その後も温度、圧力が上昇を続け、セパレータ
が溶融して部分的な内部短絡の状態に至ったものと考え
られる。
【0038】以上より、エステル化セルロース製微多孔
膜を含む本発明のセパレータを備えたリチウム二次電池
は、初回充電時の圧力増加、自己放電量がともに小さ
く、また不可逆容量が小さいため放電容量が大きいこと
が確認できた。さらに、エステル化セルロース製微多孔
膜とポリオレフィン製微多孔膜とを積層させたセパレー
タとすることで、過充電時の安全性が大幅に向上するこ
とが確認できた。
【0039】〈第2シリーズのリチウム二次電池〉 (1)リチウム二次電池の作製 上記実施例のリチウム二次電池と同様にして、3種類の
リチウム二次電池を作製した。セパレータとして、上記
エステル化セルロース製微多孔膜と上記ポリエチレン製
微多孔膜とを1枚ずつ積層したものを用いた二次電池を
実施例2−1の二次電池とした。なお、実施例2−1の
二次電池では、上記実施例1−2の二次電池と同様、エ
ステル化セルロース製微多孔膜が正極と、ポリエチレン
製微多孔膜が負極とそれぞれ接するようにセパレータを
挟装した。また、セパレータとして、上記ポリエチレン
製微多孔膜のみを用いた二次電池を比較例2−1の二次
電池とした。さらに、セパレータとして、上記セルロー
ス紙のみを用いた二次電池を比較例2−2の二次電池と
した。
【0040】(2)リチウム二次電池の過充電試験およ
び安全性の評価 上記実施例および比較例の各リチウム二次電池に対して
過充電試験を行い、電池の温度や内部圧力、電流および
電圧の変化を測定した。過充電試験は、第1シリーズの
二次電池に対して行ったものと同様、満充電状態とした
各二次電池に、10Cに相当する電流で定電流充電を行
うものとした。過充電試験における各二次電池の温度、
圧力、電流および電圧の経時変化を図1〜3に示す。図
1は実施例2−1の二次電池の温度等の経時変化を、図
2は比較例2−1の二次電池の温度等の経時変化を、図
3は比較例2−2の二次電池の温度等の経時変化を示
す。
【0041】図1から、実施例2−1の二次電池は、充
電とともに電池の温度、内部圧力は上昇するが、7分程
度経過したところで、その熱によりセパレータを構成す
るポリエチレン製微多孔膜の微多孔が閉塞し、シャット
ダウンが生じたことがわかる。そして、シャットダウン
により電流は遮断され、電池温度は下降し、内部圧力の
上昇もなく過充電反応は沈静化した。一方、図2に示す
ように、セパレータとしてポリエチレン製微多孔膜のみ
を用いた比較例2−1の二次電池では、シャットダウン
が生じたものの電流の遮断が不完全であり、その後も温
度と圧力は上昇した。その結果、セパレータが部分的に
破膜し内部短絡が生じ、電圧は不安定となった。また、
図3に示すように、セパレータとしてセルロース紙のみ
を用いた比較例2−2の二次電池では、セパレータによ
るシャットダウンが生じないため、電池の温度および内
部圧力は急激に上昇を続け、内部短絡に至った。そし
て、さらなる電池温度および圧力の増加により、最終的
に安全弁が作動した。
【0042】以上の結果から、エステル化セルロース製
微多孔膜とポリエチレン製微多孔膜とを積層したセパレ
ータを用いると、過充電時における安全性が高いことが
確認できた。特に、実施例2−1の二次電池のように、
ポリエチレン製微多孔膜が負極と接するようにセパレー
タを挟装すると、初期の発熱に応じて早期にシャットダ
ウンが生じ、その後の電池温度の上昇を有効に抑制する
ことができる。
【0043】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池用セパレータ
は、エステル化セルロースを主成分とする微多孔膜を含
むものである。セルロースの水酸基の少なくとも一部を
エステル化して不活性なものとすることにより、セルロ
ースを電気化学的に安定化させ、副反応を抑制すること
ができる。したがって、本発明のセパレータを用いるこ
とにより、自己放電量および不可逆容量の小さいリチウ
ム二次電池を構成することができる。さらに、本発明の
セパレータをエステル化セルロースを主成分とする微多
孔膜とポリオレフィン製微多孔膜とを積層させた態様と
することで、過充電時における安全性の高いリチウム二
次電池を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 過充電試験における実施例2−1の二次電池
の温度、圧力、電流および電圧の経時変化を示す。
【図2】 過充電試験における比較例2−1の二次電池
の温度、圧力、電流および電圧の経時変化を示す。
【図3】 過充電試験における比較例2−2の二次電池
の温度、圧力、電流および電圧の経時変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01M 10/40 Z (72)発明者 佐伯 徹 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 犬飼 博史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5H021 AA06 BB01 BB05 BB09 BB11 CC02 CC04 EE04 EE11 5H029 AJ04 AJ12 AK03 AK18 AL06 AL07 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ12 CJ02 CJ03 CJ05 CJ06 CJ11 DJ04 DJ15 EJ12 5H050 AA10 AA15 BA15 CA08 CA09 CA29 CB07 CB08 CB12 DA19 EA23 EA30 FA02 FA16 GA02 GA03 GA07 GA08 GA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースの水酸基の少なくとも一部が
    エステル化されたエステル化セルロースを主成分とする
    微多孔膜を含んでなるリチウム二次電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 さらにポリオレフィン製微多孔膜を含
    み、前記エステル化セルロースを主成分とする微多孔膜
    と該ポリオレフィン製微多孔膜とが積層してなる請求項
    1に記載のリチウム二次電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィン製微多孔膜は、ポリ
    エチレン製微多孔膜である請求項2に記載のリチウム二
    次電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 リチウムイオンを吸蔵・脱離できる物質
    を正極活物質とする正極と、負極と、該正極と負極との
    間に挟装されたセパレータと、リチウム塩を有機溶媒に
    溶解した非水電解液とを備えてなるリチウム二次電池で
    あって、 前記セパレータは、セルロースの水酸基の少なくとも一
    部がエステル化されたエステル化セルロースを主成分と
    する微多孔膜を含むことを特徴とするリチウム二次電
    池。
  5. 【請求項5】 前記セパレータは、さらにポリオレフィ
    ン製微多孔膜を含み、前記エステル化セルロースを主成
    分とする微多孔膜と該ポリオレフィン製微多孔膜とが積
    層したものである請求項4に記載のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 前記セパレータは、前記ポリオレフィン
    製微多孔膜が負極と接するように挟装された請求項5に
    記載のリチウム二次電池。
  7. 【請求項7】 前記正極活物質はリチウム遷移金属複合
    酸化物である請求項4ないし請求項6のいずれかに記載
    のリチウム二次電池。
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