JP2008021538A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質にマンガンを含む複合酸化物を用いた非水電解質二次電池において、電解液中へのマンガンイオンの溶出を防止することで、高温保存特性に優れた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、前記正極はマンガンを含む複合酸化物を備え、前記正極または負極の少なくとも一方に、遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物を含むことを特徴とする。さらに、非水電解質中に、イオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、正極にマンガンを含む複合酸化物を備えた非水電解質二次電池に関するものである。
最近の携帯用電子機器の飛躍的な発展に伴い、その電源としての電池に対し、小型で軽量かつ高エネルギー密度、更に繰り返し充放電が可能な二次電池開発への要求が高まっている。これらの要求を満たす二次電池として、鉛蓄電池やアルカリ蓄電池に代わる二次電池として非水電解質二次電池が実用化されている。非水電解質二次電池は従来の水溶性電解液を使用した電池の数倍のエネルギー密度を有している。
非水電解質二次電池において、正極活物質としてはコバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムなど、負極活物質としてはリチウムが吸蔵・放出可能なグラファイ等の炭素材料、スズやケイ素およびその化合物、金属リチウムやリチウム合金など、電解質としては有機溶媒にリチウム塩を溶解した有機電解液や、ポリマーと電解質塩とを組み合わせたポリマー電解質などが用いられてきた。
最近では、大気汚染や二酸化炭素の増加等の環境問題により、電気自動車の早期実用化が望まれており、高効率、高出力、高エネルギー密度、軽量等の特徴を有する、優れた二次電池の開発が要望されている。
電気自動車用などの大容量の非水電解質二次電池を開発するため、正極活物質としてはコバルト酸リチウムに代えて、安価なマンガン系複合酸化物を使用することが検討されている。
正極活物質にマンガン系複合酸化物を使用した場合、特許文献1に記載のように、充放電を繰り返すことによって放電容量や出力の低下などの問題があることがわかっている。これらの放電容量や出力の低下は、40℃以上の高温での使用時に顕著に現れる。
主な原因としては、充放電の繰り返しによるリチウムマンガン複合酸化物の体積変化やヤーンテーラー歪みによる相転移、高温下ではリチウムマンガン複合酸化物から電解液中へのマンガンイオンの溶解などがある。
正極活物質にマンガン系複合酸化物を使用した場合の、充放電サイクルに伴う放電容量の低下および高温特性を改善するために、各種対策がとられているが、その中では電極に添加剤を加える方法が検討されてきた。
特許文献2には、正極活物質にマンガン主体の複合酸化物を用いた非水電解液二次電池の自己放電特性を向上させるため、正極合剤にアルカリ金属水酸化物を添加して、有機電解液の分解を抑制する技術が開示されている。
また、特許文献3には、正極活物質にコバルト酸リチウムのコバルトの一部をマンガンで置換した複合酸化物を用いた非水電解液二次電池の自己放電特性を向上させるため、正極合剤にアルカリ金属水酸化物を添加する技術が開示されている。
さらに、特許文献4には、正極活物質にニッケル酸リチウムのニッケルの一部をコバルトなどで置換したリチウム遷移金属複合酸化物を用いた非水電解液二次電池の高温保持性能を改善するため、正極活物質に金属塩や金属の水酸化物を添加することにより、電解液の分解を抑制する技術が開示されている。
また、リチウム電池において、オキシ水酸化ニッケルとニッケル酸リチウムとを含有した正極を用いる技術が特許文献5で開示され、正極活物質のオキシ水酸化ニッケルにオキシ水酸化コバルトを添加する技術が特許文献6で開示されている。
一方、特許文献7には、負極活物質に炭素材料を用いた非水電解質二次電池の自己放電率を改善するため、電解液にプロパンスルトンやブタンスルトンを添加する技術が開示され、特許文献8には、低温特性とサイクル特性に優れた高エネルギー非水系二次電池を得るため、電解液にジメチルサルファイトやスルファランなどのS−O結合を有する化合物を添加する技術が開示されている。
また、特許文献9には、サイクル特性に優れ、電気容量や充電状態での保存特性に優れたリチウム二次電池を得るため、電解液にプロパンスルトンやジビニルスルホンなどを添加する技術が開示され、特許文献10には、負極に黒鉛などの高結晶性炭素材料を用いた非水電解液二次電池の高温保存特性や電池寿命を改善するため、電解液にジビニルスルホンを添加する技術が開示されている。
特開2003−272620号公報 特公平7−70329号公報 特許第2558957号公報 特許第3197763号公報 特開平10−162810号公報 特開平10−172560号公報 特開平10−050342号公報 特開平11−162511号公報 特開2001−043895号公報 特開2001−057234号公報
正極活物質にマンガン系複合酸化物を使用した非水電解質二次電池の高温特性を改善するため、特許文献2や特許文献3で開示された、正極や負極にアルカリ金属の水酸化物を添加する場合、アルカリ金属の水酸化物はきわめて強アルカリ性であるため、電極合剤ペーストがゲル化するという問題、アルカリ金属の水酸化物が正極集電体であるアルミニウム箔を腐食するという問題、アルカリ金属の水酸化物は吸水性や潮解性が強いために、電池内に水が持ち込まれるという問題などがあった。
特許文献4では、一般式LiNi1−yで表される正極活物質を用い、置換元素Mはコバルトまたはコバルトを含む2種以上の遷移金属とされているが、Mにマンガンを用いた例は記載されておらず、正極活物質にマンガンを含む場合の効果は不明であった。また、特許文献5および特許文献6では、正極にオキシ水酸化物を添加しているが、いずれも正極活物質はマンガンを含むものではなく、オキシ水酸化物とマンガンイオンとの関係は不明であった。
さらに、特許文献7〜10に開示された、電解液にプロパンスルトン等を添加した非水系二次電池では、高温特性の改善に一定の効果が認められるものの、マンガンを含む正極活物質を用いた場合の電解液中へのマンガンイオンの溶出と添加剤との関係は明らかにされていなかった。
以上の特許文献で開示された技術では、40℃以上の高温下での、正極活物質であるリチウムマンガン複合酸化物から電解液中へのマンガンイオンの溶解を防止することが不十分で、高温保存時の容量低下を避けることができなかった。
そこで、本発明の目的は、正極にマンガンを含む複合酸化物を備えた非水電解質二次電池において、電極へ水酸化物やオキシ水酸化物を添加し、同時に電解液にも添加剤を加えることで、高温下における電解液中へのマンガンイオンの溶出を防止することで、高温保存特性に優れた非水電解質二次電池を提供することにある。
請求項1の発明は、正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、前記正極はマンガンを含む複合酸化物を備え、前記正極または負極の少なくとも一方に、遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物を含むことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の非水電解質二次電池において、非水電解質中に、イオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を含むことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2の非水電解質二次電池において、正極中における、正極活物質と水酸化物またはオキシ水酸化物の合計に対する水酸化物またはオキシ水酸化物の割合が0.1〜10.0質量%であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3の非水電解質二次電池において、電解質に対するイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物の割合が0.1〜5.0質量%であることを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池では、電極に含まれる遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物が、溶出したマンガンイオンをトラップする。また、電解質中に含まれる、イオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物が、正極活物質の表面で分解して被膜を形成し、この被膜が正極活物質と電解質との接触面積を低減することにより、正極活物質に含まれるマンガンイオンの電解質中への溶出を制限することができる。
このように、本願発明においては、遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物が、正極に含まれる場合には、正極活物質からのマンガンイオンの溶出を抑制し、一方、負極に含まれる場合は、電解液中に溶出したマンガンイオンをトラップする。また、電解質中にイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物が含まれる場合に、両者の効果が相乗的となり、その結果、マンガンが負極表面上に析出するのを防止でき、高温保存時の容量減少を抑制し、容量保持率を向上させることができる。
本発明は、正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、前記正極はマンガンを含む複合酸化物を備え、前記正極または負極の少なくとも一方に、遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物を含むことを特徴とする。また、非水電解質中に、イオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を含むことを特徴とする。
電極に含まれる遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物は、正極活物質から溶出したマンガンイオンをトラップするため、電解質中へのマンガンイオンの溶解を妨げるか、または低減する。
また、電解質中に含まれる、イオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物は、電池の充放電中に正極活物質の表面で分解し、正極活物質の表面を覆う被膜を形成する。この被膜が正極活物質と電解質との接触を妨げるか、または接触面積を低減することにより、正極活物質に含まれるマンガンイオンの電解質中への溶出を制限することができる。
その結果、電極に含まれる遷移金属の水酸化物またはオキシ水酸化物と、電解質中に含まれるイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物との相乗効果により、マンガンが負極表面上に析出するのを防止でき、高温保存時の容量減少を抑制し、容量保持率を向上させることができる。
なお、遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物を電極合剤に含ませた場合には、アルカリ金属の水酸化物の場合に見られた合剤ペーストのゲル化がおこらず、また、正極集電体であるアルミニウム箔の腐食も起こらない。
電極に含まれる遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物としては、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、銅、錫、鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物を用いることができる。その例として、水酸化物としてはMg(OH)、Al(OH)、Zn(OH)、Fe(OH)、Ni(OH)、Co(OH)、Mn(OH)、Cr(OH)、Cu(OH)、Sn(OH)、Pb(OH)、Ni0.5Co0.5(OH)、オキシ水酸化物としてはAlO(OH)、FeO(OH)、NiO(OH)、CoO(OH)、MnO(OH)などを、単独で、または2種類以上を混合して、用いることができる。
また、本発明において、電解質中に添加する、イオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物としては、例えば、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブテンスルトン、1,3−ブテンスルトン、1,3−ペンテンスルトン、1,4−ペンテンスルトン、2,4−ペンテンスルトンなどのスルトン類、ジビニルスルホン、ジアリルスルホン、アリルビニルスルホン、アリルフェニルスルホン、ビニルフェニルスルホンなどのスルホン類、ジビニルサルフェート、ジアリルサルフェート、ビニレンサルフェートなどのサルフェート類、ジビニルサルファイト、ジアリルサルファイト、アリルビニルサルファイト、ビニレンサルファイトなどのサルファイト類などを用いることができる。
なお、本発明の非水電解質二次電池において、正極中において、正極活物質と遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物の合計に対する水酸化物またはオキシ水酸化物の割合を0.1〜10.0質量%とすることが好ましい。この割合が0.1質量%より小さい場合には、トラップできるマンガンイオンの量が少なくなるためマンガンが負極表面上に析出するのを防ぐことができなくなり、十分な効果を得ることができない。また、10.0質量%を越える場合には、電池容量の低下が大きくなる。
また、本発明の非水電解質二次電池において、電解質に対するイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物の割合を0.1〜5.0質量%とすることが好ましい。この割合が0.1質量%より小さい場合には、正極活物質の表面に十分に被膜が形成できないためマンガンの溶出を抑制する効果が小さくなる。また、5.0質量%を越える場合には、被膜量が大きくなりすぎるために抵抗が大きくなり、放電特性がやや低下する。
本発明の非水電解質二次電池の正極活物質には、スピネル型LiMn、LiMnO、LiMnOなどのリチウムマンガン複合酸化物、またはLi(Li0.1Mn1.9)OやLiMn1.5Ni0.5などの、これらの複合酸化物のマンガン原子の占める格子位置の一部を他の金属で置換した複合酸化物を用いることができる。また、一般式LiMO(ただし、MはMnを含む2種以上の遷移金属)で表わされる複合酸化物、例えばLiCo0.8Mn0.2、LiMn1/3Ni1/3Co1/3などを用いることができる。
さらに、負極材料たる化合物としては、グラファイト、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)等の炭素質材料、スズ、スズの酸化物、ケイ素、ケイ素の酸化物などが好適である。また、これらの炭素材料と共にAl、Si、Snなどの合金系化合物や金属Liを含んでいてもよいが、安全性や寿命性能の面から難黒鉛化性炭素や易黒鉛化性炭素を主体とすることが特に好ましい。
非水電解質としては、電解液または固体電解質のいずれも使用することができる。電解液を用いる場合には、電解液溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネートなどの環状炭酸エステルを含んでいてもよく、その他溶媒としてγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソランやハロゲン化ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、アセトニトリル、ハロゲン化アセトニトリルや、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンなどのアルコキシおよびハロゲン置換環状ホスファゼン類および鎖状ホスファゼン類、また、リン酸トリエチルやリン酸トリメチルなどのリン酸エステル類、N−メチルオキサゾリジノン、N−エチルオキサゾリジノン等の非水溶媒を含んでいてもよく、単独でまたはこれらを混合して使用することができる。
好ましくは、環状炭酸エステルとしてエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートを単独または混合したものを用い、鎖状炭酸エステルとしてジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを単独または混合したものを用いることが好ましい。また、非水電解液の溶媒中の環状炭酸エステルは体積比で10〜60%が好ましく、20〜50%であることがより好ましい。鎖状炭酸エステルの含有量は40〜90%が好ましく、50〜80%であることがより好ましい。
また、環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの他に、メチルアセテート、エチルアセテート、エチルモノフルオロアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、メチルブチレート、エチルブチレート、プロピルブチレートなどに代表される鎖状カルボン酸エステルを含んでいてもよく、その非水電解液の溶媒に対する割合は0%〜80%まで適宜決定すればよい。
非水電解質は、これらの非水溶媒に支持塩を溶解して使用する。一般に、リチウムビス(オキサラト)ボレートは支持塩として知られているが、本発明におけるリチウムビス(オキサラト)ボレートは負極表面上への皮膜形成剤として使用されるため、支持塩とはならない。支持塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFCO、LiCFSO、LiCFCFSO、LiCFCFCFSO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF、LiN(COCFCF、LiBF、LiPF(CおよびLiPF(CFCFなどの塩もしくはこれらの混合物を使用することができ、より好ましくはLiPFを用いるか、あるいはLiPFを主体とし、前記電解質を少量混合して用いることが好ましい。
固体電解質を用いる場合は、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を用い、高分子固体電解質にさらに環状炭酸エステルと鎖状炭酸酸エステルとを含む非水電解液を含有させることで良い。
また、本発明に係る非水電解質電池の隔離体としては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用いることができ、特に、合成樹脂微多孔膜を好適に用いることができる。なかでもポリエチレン及びポリプロピレン製微多孔膜や、アラミドなどを加工した耐熱性樹脂またはこれらを複合した微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好適に用いられる。
さらに、高分子固体電解質等の固体電解質を用いることで、セパレータを兼ねさせることもできる。さらに、合成樹脂微多孔膜と高分子固体電解質等を組み合わせて使用してもよい。この場合、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を用い、高分子固体電解質にさらに電解液を含有させる。
また、電池の形状は特に限定されるものではなく、角形、長円筒形、コイン形、ボタン形、シート形、円筒型電池等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能である。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本発明は本実施例により何ら限定されるものではなく、その主旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
[実施例1〜6および比較例1、2]
[実施例1]
実施例1で用いた角形非水電解質二次電池の概略断面構造を図1に示す。図1において、1は角形非水電解質二次電池、2は発電要素、3は正極板、4は負極板、5はセパレータ、6は電池ケース、7は電池蓋、8は安全弁、9は負極端子、10は正極リード、11は負極リードである。
この角形非水電解質二次電池1は、アルミニウム集電体に正極合剤を塗布してなる正極3と、銅集電体に負極合剤を塗布してなる負極4とがセパレータ5を介して巻回された扁平巻状電極群2と、非水電解液とを電池ケース6に収納してなる幅34mm、高さ50mm、厚み5mmのものである。
電池ケース6には、安全弁8を設けた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、負極端子9は負極リード11を介して負極4と接続され、正極3は正極リード10を介して電池蓋と接続されている。
正極板3は、結着剤であるポリフッ化ビニリデン7重量部と、導電剤であるアセチレンブラック4重量部と、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(Li1.1Mn1.9)である正極活物質と水酸化アルミニウム(Al(OH))とを合計で87重量部とを混合したものに、N−メチル−2−ピロリドンを加えて分散させ、スラリーを調製し、このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム集電体の両面にドクターブレードで均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレスで厚み130μm(集電体を含む)になるように圧縮成型して、長さ640mm、幅30mmの正極板を作製した。なお、合剤の非塗布部には、正極端子を超音波溶着によって備え付けた。なお、正極活物質と水酸化アルミニウムとの割合は質量比で98:2とした。
負極板4は、難黒鉛化性炭素90重量部と結着剤であるポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合したものに、N−メチルピロリドンに加え分散させ、スラリーを調製し、このスラリーを厚さ10μmの銅箔集電の両面にドクターブレードで均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレスで厚み140μm(集電体を含む)になるように圧縮成型して、長さ600mm、幅31mmの負極板を作製した。なお、合剤の非塗布部には、負極端子を超音波溶着によって備え付けた。
セパレータ5には、長さ1300mm、幅34mm、厚み25μmのポリエチレン微多孔膜を用いた。非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=25:35:40(体積比)の混合溶媒にLiPFを1mol/L溶解した溶液を用い、この電解質に、イオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物として1,3−プロパンスルトンを1質量%添加した。
以上のようにして作製した正極板と負極板とを、図1に示したようにセパレータを介して、負極、セパレータ、正極、セパレータの順に積層してから、多数回巻回し、巻回型発電要素とした。
この巻回型発電要素2を角形アルミニウム製電池ケース6に収納した。巻回型発電要素のアルミニウム製正極リード10を正極集電体から導出して電池蓋7に、ニッケル製負極リード11を負極集電体から導出して負極端子9に溶接した。そして、この電池ケースの中に電解液を注入した。次いで、電池蓋7と電池ケースとをレーザー溶接し、電池内の気密性を保持させて、公称容量450mAhの、実施例1の角形非水電解質二次電池Aを作製した。
[実施例2]
電解質に添加するイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物として、1,3−プロパンスルトンに代えて1,4−ブテンスルトンを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の角形非水電解質二次電池Bを作製した。
[実施例3]
電解質に添加するイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物として、1,3−プロパンスルトンに代えてジビニルスルホンを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の角形非水電解質二次電池Cを作製した。
[実施例4]
電解質に添加するイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物として、1,3−プロパンスルトンに代えてジビニルサルフェートを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の角形非水電解質二次電池Dを作製した。
[実施例5]
電解質に添加するイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物として、1,3−プロパンスルトンに代えてジビニルサルファイトを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の角形非水電解質二次電池Eを作製した。
[実施例6]
電解質にイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の角形非水電解質二次電池Fを作製した。
[比較例1]
正極合剤に水酸化アルミニウムを添加せず、また、電解質にイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の角形非水電解質二次電池BAを作製した。
[比較例2]
正極合剤に水酸化アルミニウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の角形非水電解質二次電池BBを作製した。
実施例1〜6で作製した電池A〜Fおよび比較例1、2で作製した電池BA、BBの内容を表1にまとめた。なお、表1において、正極添加剤の「添加量、質量%」は、正極活物質と水酸化アルミニウムの合計に対する水酸化アルミニウムの割合を示すものとする。
Figure 2008021538
[高温保存試験]
実施例1〜6および比較例1、2の電池A〜FおよびBA、BB各5個について、室温で、450mA定電流で4.2Vまで、さらに4.2V定電圧で、合計3時間充電し、つぎに450mA定電流で2.5Vまで放電し、これを1サイクルとする充放電を5サイクル繰り返した。その後、450mA定電流で30分間充電し、50%の充電状態にした。その後、電池を70℃の恒温槽中で7日間保持し、その後電池温度を室温に戻し、450mA定電流で2.5Vまで放電した。さらに、再度、室温で、450mA定電流で4.2Vまで、さらに4.2V定電圧で、合計3時間充電し、つぎに450mA定電流で2.5Vまで放電し,保存試験後の放電容量を求めた。保存試験前の5サイクル目の放電容量に対する、70℃、7日間保存後の放電容量の比を回復容量維持率(%)とした。測定結果を表2にまとめた。なお、表2のデータはすべて5セルの平均値を示す。
Figure 2008021538
表1および表2から、正極合剤に水酸化アルミニウムを添加した実施例6の電池Fでは、正極合剤に水酸化アルミニウムを添加せず、かつ、電解質中にイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を添加しなかった比較例1の電池BAおよび電解質中にイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を添加した比較例2の電池BBに比べ、容量保持率は改善されることがわかった。
また、正極合剤に水酸化アルミニウムを添加し、かつ、電解質中にイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を添加した実施例1〜5の電池A〜Eの容量保持率は、正極合剤に水酸化アルミニウムを添加した実施例6の電池BBに比べ、改善されることがわかった。
[実施例7〜20]
[実施例7]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化マグネシウム(Mg(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の角形非水電解質二次電池Gを作製した。
[実施例8]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化亜鉛(Zn(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の角形非水電解質二次電池Hを作製した。
[実施例9]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化鉄(Fe(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例9の角形非水電解質二次電池Iを作製した。
[実施例10]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化ニッケル(Ni(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例10の角形非水電解質二次電池Jを作製した。
[実施例11]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化コバルト(Co(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例11の角形非水電解質二次電池Kを作製した。
[実施例12]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化マンガン(Mn(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例12の角形非水電解質二次電池Lを作製した。
[実施例13]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化クロム(Cr(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例13の角形非水電解質二次電池Mを作製した。
[実施例14]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化銅(Cu(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例14の角形非水電解質二次電池Nを作製した。
[実施例15]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化錫(Sn(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例15の角形非水電解質二次電池Oを作製した。
[実施例16]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えて水酸化鉛(Pb(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例16の角形非水電解質二次電池Pを作製した。
[実施例17]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えてオキシ水酸化鉄(FeO(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例17の角形非水電解質二次電池Qを作製した。
[実施例18]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えてオキシ水酸化ニッケル(NiO(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例18の角形非水電解質二次電池Rを作製した。
[実施例19]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えてオキシ水酸化コバルト(CoO(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例19の角形非水電解質二次電池Sを作製した。
[実施例20]
正極合剤に添加する化合物として、水酸化アルミニウムに代えてオキシ水酸化マンガン(MnO(OH))を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例20の角形非水電解質二次電池Tを作製した。
実施例7〜20の電池G〜T各5個について、実施例1と同じ条件で高温保存試験を行ない、容量保持率を求めた。測定結果を表3にまとめた。なお、表3のデータはすべて5セルの平均値を示す。
Figure 2008021538
表3の結果から、正極合剤に水酸化物やオキシ水酸化物を添加し、かつ、電解質中にイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を添加した実施例7〜20の電池G〜Tの容量保持率は、実施例6の電池Fよりも改善され、また比較例2の電池BBに比べ、大きく改善されることがわかった。
[実施例21〜27]
[実施例21]
正極活物質に対する水酸化アルミニウムの割合を0.05質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例21の角形非水電解質二次電池Uを作製した。
[実施例22]
正極活物質に対する水酸化アルミニウムの割合を0.1質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例22の角形非水電解質二次電池Vを作製した。
[実施例23]
正極活物質に対する水酸化アルミニウムの割合を1.0質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例23の角形非水電解質二次電池Wを作製した。
[実施例24]
正極活物質に対する水酸化アルミニウムの割合を5.0質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例24の角形非水電解質二次電池Xを作製した。
[実施例25]
正極活物質に対する水酸化アルミニウムの割合を7.0質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例25の角形非水電解質二次電池Yを作製した。
[実施例26]
正極活物質に対する水酸化アルミニウムの割合を10.0質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例26の角形非水電解質二次電池Zを作製した。
[実施例27]
正極活物質に対する水酸化アルミニウムの割合を15.0質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例27の角形非水電解質二次電池AAを作製した。
実施例21〜27の電池U〜AA各5個について、実施例1と同じ条件で高温保存試験を行ない、容量保持率を求めた。測定結果を表4にまとめた。なお、表4のデータはすべて5セルの平均値を示す。また、比較のため、表4には実施例1の結果も示した。
Figure 2008021538
表4の結果から、正極活物質に対する水酸化アルミニウムの割合が大きいほど容量保持率に優れることがわかった。しかし、水酸化アルミニウムの割合が10.0%を超えると放電容量が低下することがわかった。したがって、0.1〜10.0質量%の範囲の場合に、特に放電容量が大きく、かつ優れた容量保持率が得られることがわかった。
[実施例28〜32]
[実施例28]
電解質に対する1,3−プロパンスルトンの割合を0.05質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例28の角形非水電解質二次電池ABを作製した。
[実施例29]
電解質に対する1,3−プロパンスルトンの割合を0.1質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例29の角形非水電解質二次電池ACを作製した。
[実施例30]
電解質に対する1,3−プロパンスルトンの割合を1.0質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例30の角形非水電解質二次電池ADを作製した。
[実施例31]
電解質に対する1,3−プロパンスルトンの割合を5.0質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例31の角形非水電解質二次電池AEを作製した。
[実施例32]
電解質に対する1,3−プロパンスルトンの割合を7.0質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例32の角形非水電解質二次電池AFを作製した。
実施例28〜32の電池AB〜AF各5個について、実施例1と同じ条件で高温保存試験を行ない、容量保持率を求めた。測定結果を表5にまとめた。なお、表5のデータはすべて5セルの平均値を示す。また、比較のため、表5には実施例1の結果も示した。
Figure 2008021538
表5の結果から、電解質に対する1,3−プロパンスルトンの割合が大きいほど容量保持率に優れることがわかった。しかし、1,3−プロパンスルトンの割合が5.0%を超えると放電容量が低下することがわかった。したがって、0.1〜5.0質量%の範囲の場合に、特に放電容量が大きく、かつ優れた容量保持率が得られることがわかった。
[実施例33〜36と比較例4〜7]
[実施例33]
スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(Li1.1Mn1.9)に代えて、正極活物質として、マンガンの一部をアルミニウムで置換したスピネル型リチウムマンガン複合酸化物(LiMn1.8Al0.2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例33の角形非水電解質二次電池AGを作製した。
[実施例34]
スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(Li1.1Mn1.9)に代えて、正極活物質として、ジグザグ層構造をしたリチウムマンガン複合酸化物(LiMnO)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例34の角形非水電解質二次電池AHを作製した。
[実施例35]
スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)に代えて、正極活物質として、マンガンの一部をニッケルで置換したスピネル型リチウムマンガン複合酸化物(LiMn1.5Ni0.5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例35の角形非水電解質二次電池AIを作製した。
[実施例36]
スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)に代えて、正極活物質として、コバルト酸リチウムのコバルトの一部をマンガンとニッケルで置換した複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3MnO)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例36の角形非水電解質二次電池AJを作製した。
[比較例4〜7]
正極合剤に水酸化アルミニウムを添加せず、また、電解質にイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を添加しなかったこと以外は実施例33〜36と同様にして、比較例4〜7の角形非水電解質二次電池BC〜BFを作製した。
実施例33〜36の電池AG〜AJと比較例4〜7の電池BC〜BF各5個について、実施例1と同じ条件で高温保存試験を行ない、容量保持率を求めた。電池の内容を表6に、また、測定結果を表7にまとめた。なお、表7のデータはすべて5セルの平均値を示す。また、比較のため、表6、7には実施例1の結果も示した。なお、実施例35と比較例6は充電電圧を4.8Vとして同様の試験をおこなった。
Figure 2008021538
Figure 2008021538
表6および表7の結果から、正極活物質に各種リチウム含有複合酸化物を用いた場合でも、優れた容量保持率が得られ、本発明の効果が得られることがわかった。
なお、以上の実施例では、遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物を、すべて正極合剤に添加した場合について述べたが、負極合剤に添加した場合についても、同様の効果が得られることを確認している。
角形非水電解質二次電池の概略断面構造を示す図。
符号の説明
1 角形非水電解質二次電池
2 発電要素
3 正極板
4 負極板
5 セパレータ

Claims (4)

  1. 正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、前記正極はマンガンを含む複合酸化物を備え、前記正極または負極の少なくとも一方に、遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属およびマグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の水酸化物またはオキシ水酸化物を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 非水電解質中に、イオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物を含むことを特徴とする請求請1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 正極中における、正極活物質と水酸化物またはオキシ水酸化物の合計に対する水酸化物またはオキシ水酸の割合が0.1〜10.0質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 非水電解質に対するイオウを含み炭素−炭素不飽和結合をもつ化合物の割合が0.1〜5.0重量%であることを特徴とする請求項2または3に記載の非水電解質二次電池。
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