以下、図面を参照して本発明の空調システムの実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態の空調システムの構成例>
図1は第1の実施の形態の空調システムの一例を示す構成図である。第1の実施の形態の空調システム1Aは、洗面脱衣所等と称される洗面所101の壁面等に設置される洗面所空調機2と、洗面所101に隣接した浴室102の天井等に設置される浴室換気空調機3Aとを備える。
そして、洗面所空調機2の運転に応じて浴室換気空調機3Aの換気運転を行うことで、洗面所空調機2が換気機能を備えていない場合でも、洗面所空調機2の運転に合わせて洗面所101内の湿気を排出できるようにしたものである。
洗面所空調機2及び浴室換気空調機3Aの構成の詳細は後述するが、洗面所空調機2は、洗面所101内の空気を吸込口4から吸い込み、吸い込んだ空気の温度制御等を行って吹出口5から洗面所101へ吹き出す構成を備え、吸い込んだ空気を室温に応じた涼風として吹き出す運転モード、及び吸い込んだ空気を加熱して温風として吹き出す運転モード等が実行される。
浴室換気空調機3Aは、浴室102内の空気を吸込口6から吸い込み、吸い込んだ空気の温度制御等を行って吹出口7から浴室102へ吹き出す構成を備える。
また、浴室換気空調機3Aは、吸気ダクト8と排気ダクト9が接続され、吸気ダクト8には、洗面所101の天井に設置された吸気グリル8aが接続され、排気ダクト9には、図示しない建物の外壁103に取り付けられた排気グリル9aが接続される。
そして、浴室換気空調機3Aは、浴室102内の空気を吸込口6から吸い込むと共に、洗面所101内の空気を吸気ダクト8を介して吸気グリル8aから吸い込み、排気ダクト9を介して排気グリル9aから排出する構成を備える。
これにより、浴室換気空調機3Aは、吸い込んだ空気を室温に応じた涼風として吹き出しながら換気を行う運転モード、及び吸い込んだ空気を加熱して温風として吹き出す運転モードや温風として吹き出しながら換気を行う運転モード、更には浴室102及び洗面所101等の換気を行う運転モード等が実行される。
洗面所空調機2は、洗面所101に設置された洗面所空調機操作部10と接続され、洗面所空調機操作部10での操作に応じた運転モードで運転される。また、浴室換気空調機3Aは、洗面所101に設置された浴室換気空調機操作部11と接続され、浴室換気空調機操作部11での操作に応じた運転モードで運転される。
更に、浴室換気空調機操作部11は洗面所空調機操作部10に接続され、洗面所空調機2及び浴室換気空調機3Aは、洗面所空調機操作部10での操作に応じて連動して運転される。
本例の空調システム1Aが設置される洗面所101及び浴室102の一般的な構成について説明すると、洗面所101には洗面台101aを備え、浴室102には浴槽102aを備える。また、浴室102の入口には浴室ドア104を備える。浴室ドア104は空気取入口(ガラリ)104aを備え、浴室102に隣接した洗面所101等の空気を浴室102内に取り入れられるようになっている。
<洗面所空調機の構成例>
図2は本実施の形態の洗面所空調機2の内部構成の一例を示す正面図、図3は本実施の形態の洗面所空調機2の構成の一例を示す分解斜視図、図4は本実施の形態の洗面所空調機2の構成の一例を示す外観斜視図、図5は図2のA−A線断面図、図6は図2のB−B線断面図であり、次に、図1に示す空調システム1Aを構成する洗面所空調機2の構成の詳細を説明する。
洗面所空調機2は洗面所暖房機等と称され、涼風(送風)及び温風を吹き出す空調ユニット12を備える。空調ユニット12は、イオン発生器13とファン部14とヒータ部15とルーバー16を備える。ファン部14はシロッコファンで送風手段を構成し、ファンモータ14aに回転駆動される多翼の羽根車(ファン)17と、風路を形成するファンケース18を備える。ファンケース18は、羽根車17の軸方向に沿った面を開口して形成される吸込口18aと、羽根車17の接線方向に沿った部位を開口して形成される吹出口18bとを備える。
イオン発生器13はイオン発生手段を構成し、ファン部14のファンケース18に取り付けられる。イオン発生器13は、イオンを発生する図示しない放電面がファンケース18の内部に露出するように取り付けられ、ファン部14によって形成される風路中にイオンが供給される。
イオン発生器13は、正イオンと負イオンの両方あるいは負イオンを発生する。正イオンと負イオンの発生の原理は、誘電体が介在するように対向させた一対の電極間に家庭用交流電源等から取った交流電圧を昇圧して印加することにより、コロナ放電を起こし、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)と、O2 -(H2O)n(nは任意の自然数)が主体のイオンを放出するものである。
これらH+(H2O)m及びO2 -(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
これにより、略同数の正イオンと負イオンを発生させる正負イオン発生モードを備えて、略同数の正イオンと負イオンを含む空気を送風することで、空気中の浮遊細菌を不活化して、カビの発生を抑えることができる。
また、負イオンのみもしくは負イオンを正イオンより多く発生させるような負イオン発生モードを備えて、負イオンを含む空気を送風すると、精神を安定させ、呼吸器の機能を高める等のリラックス効果があると言われている。
ヒータ部15は加熱手段を構成し、ファンケース18の吹出口18bに取り付けられ、本例では、図5に示すように、第1のPTCヒータ15aと第2のPTCヒータ15bを左右に並べて構成される。
第1のPTCヒータ15aは、ファンケース18の吹出口18bに接続された第1の風路19aに備えられ、第2のPTCヒータ15bは、吹出口18bに接続された第2の風路19bに備えられる。
ここで、第1のPTCヒータ15aと第2のPTCヒータ15bは、正極性のサーミスター特性を有するヒータで、温度が上昇すると抵抗値が上昇し、これにより消費する電流が制御されると共に温度上昇が緩やかになり、その後、消費電流及び発熱部の温度が、飽和領域に達して安定していくものであり、自己温度制御を行う。
このように、PTCヒータでは、ヒータの温度が上昇すると消費電流が低くなり、その後一定温度の飽和領域に達すると、消費電流が低い値で安定する特性があるために、これを用いることにより、消費電力の節約ができるとともに、発熱体の温度の異常上昇を防止可能であるという利点がある。
ルーバー16は風向可変手段を構成し、ヒータ部15を介してファンケース18の吹出口18bに取り付けられる。ルーバー16は、図6に示すように、ヒータ部15を介してファンケース18の吹出口18bと接続されるハウジング20aと、ハウジング20aに軸支され、上下方向に回動して空気の吹き出し方向を切り換える吹出口20bと、吹出口20bの内側に回転可能に取り付けられ、左右方向に空気の吹き出し方向を切り換える複数の風向板20cを備える。
また、ルーバー16は、図2に示すように、吹出口20bを回転駆動するルーバモータ20dを備える。ルーバモータ20dはステッピングモータで、図示しない軸を支点に、吹出口20bを図6に示す矢印a1,a2方向に往復動作させる。また、吹出口20bを所定の位置で停止させる。
洗面所空調機2は、図3に示すように本体ケース21に空調ユニット12が取り付けられ、本体ケース21の前面にフロントパネル22が取り付けられる。そして、本体ケース21の側面を覆う化粧パネル23を着脱自在に備えて、化粧パネル23の装着の有無で、1種類の洗面所空調機1を、図6(a)に示すように壁面105に掛ける取付形態と、図6(b)に示すように壁面105に埋め込む取付形態の双方に使用できるようになっている。
本体ケース21は、例えば金属板で構成され、背面板21aと4枚の側面板21bを備えた箱状で、前面に開口部24が形成される。また、本体ケース21は開口部24の外周に側面板21bから連続してフランジ部25が形成される。
フランジ部25は複数の取付穴25aを備える。取付穴25aは、洗面所空調機2を壁面105に埋め込む取付形態では本体取付部として機能し、洗面所空調機2を壁面105に掛ける取付形態ではパネル取付部として機能する。
すなわち、図6(a)に示すように、洗面所空調機2を壁面105に掛ける取付形態では、フランジ部25の取付穴25aを使用して、ネジ26aにより化粧パネル23がフランジ部25に固定される。また、図6(b)に示すように、洗面所空調機2を壁面105に埋め込む取付形態では、化粧パネル23を非装着とし、フランジ部25の取付穴25aを使用して、ネジ26bにより洗面所空調機2が壁面105の開口部に固定される。
本体ケース21は、背面板21aにシャーシ27が取り付けられる。シャーシ27は例えばプラスチック材で構成され、図6に示すように、背面板21aまで貫通した本体取付穴27aを備える。本体取付穴27aは本体取付部を構成し、図6(a)に示すように、洗面所空調機2を壁面105に掛ける取付形態では、本体取付穴27aを使用して、ネジ28により洗面所空調機2が壁面105に固定される。
シャーシ27は、本体ケース21にフロントパネル22を固定するフロントパネル取付部27bを備える。また、シャーシ27は回路基板29の取付部を備える。更に、シャーシ27には空調ユニット12が取り付けられる。
フロントパネル22は、本体ケース21の開口部24に取り付けられる。フロントパネル22は、空調ユニット12のルーバー16が露出する開口部31aと、ファン部14の吸込口18aと対向する部位に形成される吸込口31bと、吸込口31bの裏面側にフィルタ22aを着脱自在に取り付けるフィルタ取付部31cと、本体ケース21のフロントパネル取付部27bにフロントパネル22を取り付けるためのフロントパネル取付穴31dを備える。
化粧パネル23は、本体ケース21が嵌る開口部23aを有して、本体ケース21の周囲四側面を覆う枠状で、化粧パネル23の外形は、フロントパネル22の外形と略同形に構成される。
また、化粧パネル23は前面にフランジ受け面32を備え、フランジ受け面32にネジ穴32aと位置決め突起32bを備える。更に、化粧パネル23は裏面に補強リブ33を備える。
ネジ穴32aは、本体ケース21のフランジ部25の取付穴25aに対応した箇所に形成される。位置決め突起32bは、例えばフランジ受け面32の辺部に沿った直線状のリブが、フランジ受け面32に突出形成される。
本体ケース21に化粧パネル23を取り付けるため、フランジ受け面32に本体ケース21のフランジ部25が載置されると、位置決め突起32bの内周側にフランジ部25の外周側が当接して、本体ケース21に対する化粧パネル23の位置決めが行われる。
また、化粧パネル23が取り付けられた本体ケース21にフロントパネル22を取り付けると、位置決め突起32bの外周側にフロントパネル22の内周面が当接して、化粧パネル23に対するフロントパネル22の位置決めが行われる。
このように、本体ケース21のフランジ部25の外形は、フロントパネル22及び化粧パネル23の外形より小さく、本体ケース21にフロントパネル22を取り付けると、フランジ部25はフロントパネル22の内側に入り、フロントパネル22の側面には露出しない。
なお、フロントパネル22は、ネジ34をフロントパネル取付穴31dに通してフロントパネル取付部27bに締結することで、本体ケース21に固定される。そして、フロントパネル22が本体ケース21に固定されると、図4に示すようにルーバー16がフロントパネル22の開口部31aから露出して吹出口5が形成される。また、図5に示すようにファン部14の吸込口18aとフロントパネル22の吸込口31bが対向して、吸込口4が形成される。
補強リブ33は、化粧パネル23の内面から内向きに突出する板状部材を複数箇所に形成したもので、補強リブ33が本体ケース21の側面板21bに当接して、化粧パネル23の変形を防ぐ。
<洗面所空調機の制御機能例>
図7は本実施の形態の洗面所空調機2の制御系の一例を示す機能ブロック図であり、次に、本実施の形態の洗面所空調機1の制御系の構成について説明する。洗面所空調機2は、CPU等で構成される制御部35を図2等に示す回路基板29に備え、制御部35に、図1で説明した洗面所空調機操作部10と、図2等で説明したファンモータ14aと、第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bと、イオン発生器13と、ルーバモータ20d等が接続される。
制御部35は制御手段を構成し、洗面所空調機2の運転モードとして、涼風(送風)を吹き出す涼風モードと、温風を吹き出す暖房モードを備える。また、イオンを発生するイオン発生モードを備え、イオン発生モードとして、正イオンと負イオンの双方を発生する正負イオン発生モードと、負イオンを発生する負イオン発生モードを備える。なお、正負イオン発生モードは除菌イオンモードとも称され、負イオン発生モードはマイナスイオンモードとも称される。
更に、制御部35は、洗面所空調機2の運転モードとして、図1に示す浴室換気空調機3Aとの連動で換気を行いながら涼風を吹き出す除湿モードと、浴室換気空調機3Aとの連動で換気を行いながら温風を吹き出す乾燥モードを備える。
洗面所空調機操作部10は操作手段を構成し、例えば洗面所空調機2本体と独立したリモートコントロール装置で、図1に示すように、洗面所空調機2が設置される洗面所101の壁面105に取り付けられる。
洗面所空調機2で実行される運転モードは、利用者が洗面所空調機操作部10を操作することで選択され、制御部35は、洗面所空調機操作部10での操作に応じてファンモータ14a、第1のPTCヒータ15a、第2のPTCヒータ15b、イオン発生器13及びルーバモータ20d等を制御する。
また、洗面所空調機操作部10は、図1に示す浴室換気空調機3Aの浴室換気空調機操作部11と接続され、洗面所空調機操作部10での操作に応じた制御信号が浴室換気空調機11に送出される。
図8は洗面所空調機操作部10の一例を示す構成図である。洗面所空調機操作部10は表示部36と、各種操作ボタン等を備える。洗面所空調機操作部10は、操作ボタンとして、涼風モードを選択する涼風モードボタン37と、暖房モードを選択する暖房モードボタン38を備える。
また、イオン発生モードとして、正負イオン発生モードと負イオン発生モードを選択するイオンモード選択ボタン39を備える。更に、正負イオン発生モードと負イオン発生モードの何れが選択されているか示すランプ39aを備える。
また、除湿モードを選択する除湿モードボタン40と、乾燥モードを選択する乾燥モードボタン41を備える。
更に、洗面所空調機操作部10は、涼風モード、暖房モード、除湿モード及び乾燥モードと、イオン発生モードを連動させるイオンモード連動ボタン42を備える。
イオンモード連動ボタン42を選択せずに、暖房モードボタン38、涼風モードボタン37、除湿モードボタン40あるいは乾燥モードボタン41を押した場合においては、イオンを発生させずに、各運転モードで運転を行うようになっており、イオンモード連動ボタン42が各運転モードでイオンを発生するか否かの選択ボタンとなっている。
また、運転モードがイオン連動かどうかを表示するランプ(表示灯)42aが設けられている。ランプ42aは例えばLED(発光ダイオード)であり、連動させるイオン発生モードが正負イオンを発生する除菌モードでは例えば赤色に点灯し、負イオンを発生するマイナスイオンモードでは青色に点灯するようになっており、発生しているイオンの種類が判るようになっている。
更に、イオン連動運転モード中にイオンの発生を停止したい場合においては、再度イオンモード連動ボタン42を選択し、イオン発生を解除できるようになっている。
なお、洗面所空調機操作部10には、更に、所定の時間に運転を開始する等の設定を行うタイマボタン43等を備える。
<第1の実施の形態の浴室換気空調機の構成例>
図9は第1の実施の形態の浴室換気空調機3Aの一例を示す分解斜視図、図10は第1の実施の形態の浴室換気空調機3Aの一例を示す平面図、図11は第1の実施の形態の浴室換気空調機3Aの一例を示す内部構成図であり、次に、図1に示す空調システム1Aを構成する浴室換気空調機3Aの構成の詳細を説明する。
ここで、図11(a)は図10のA−A断面図、図11(b)は図10のB−B断面図である。なお、各断面図では浴室換気空調機3Aの構成を概略的に示している。
第1の実施の形態の浴室換気空調機3Aは浴室換気暖房乾燥機等と称され、涼風(送風)及び温風を吹き出す循環空調ユニット51と、換気ユニット52を備える。循環空調ユニット51は、循環ファン部53とヒータ部54を備える。循環ファン部53はシロッコファンで循環手段を構成し、循環ファンモータ53aに回転駆動される多翼の羽根車(ファン)55と、風路を形成する循環ファンケース56を備える。
循環ファンケース56は、羽根車55の軸方向に沿った面を開口して形成される吸込口57aと、羽根車55の接線方向に沿って形成される風路56aと連通した吹出口57bとを備える。
ヒータ部54は加熱手段を構成し、循環ファンケース56の吹出口57b近傍の風路56aにPTCヒータ58を備える。
換気ユニット52は、換気ファン部59を備える。換気ファン部59はシロッコファンで換気手段を構成し、換気ファンモータ59aに回転駆動される多翼の羽根車(ファン)60と、風路を形成する換気ファンケース61を備える。
換気ファンケース61は、羽根車60の軸方向に沿った面を開口して形成される吸込口62aと、羽根車60の接線方向に沿って形成される風路61aと連通した吹出口62bとを備える。
循環空調ユニット51と換気ユニット52は本体ケース63に取り付けられる。本体ケース63は、換気ユニット52の吹出口62bと連通する排気ダクト接続部64を一の側面に備える。また、本体ケース63は、排気ダクト接続部64を備えた側面と異なる側面に吸気ダクト接続部65を備える。
浴室換気空調機3Aは、排気ダクト接続部64に図1に示す排気ダクト9が接続され、吸気ダクト接続部65に吸気ダクト8が接続される。
換気ユニット52は、本体ケース63の吸気ダクト接続部65と換気ファン部59の吸込口62aが連通して第1の換気風路66aが形成される。
また、本体ケース63は換気ファン部59の吸込口62aの下側に換気風路形成部67が取り付けられ、第2の吸気風路66bを介して吸込口62aと連通する吸気口68が形成される。
浴室換気空調機3Aは、本体ケース63の下面にフロントパネル69が着脱できるように取り付けられる。フロントパネル69は、循環空調ユニット51の吹出口57bと対向して吹出口7を備える。また、フロントパネル69は、循環空調ユニット51の吸込口57a及び換気ユニット52の吸気口68と対向して吸込口6を備える。更に、フロントパネル69は、吸込口6の裏側に図示しないフィルタが交換可能に取り付けられる。
<第1の実施の形態の浴室換気空調機の制御機能例>
図12は第1の実施の形態の浴室換気空調機3Aの制御系の一例を示す機能ブロック図であり、次に、第1の実施の形態の浴室換気空調機3Aの制御系の構成について説明する。
浴室換気空調機3Aは、CPU等で構成される制御部70を備え、制御部70に、図1で説明した浴室換気空調機操作部11と、図11等で説明した循環ファンモータ53aと、換気ファンモータ59aとPTCヒータ58等が接続される。
制御部70は制御手段を構成し、浴室換気空調機3Aの運転モードとして、涼風(送風)を吹き出しながら換気を行う涼風モードと、温風を吹き出す暖房モードと、換気モードと、温風を吹き出しながら換気を行う乾燥モードを備える。
浴室換気空調機操作部11は操作手段を構成し、浴室換気空調機3A本体と独立したリモートコントロール装置で、図1に示すように、浴室102に隣接した洗面所101の壁面105に取り付けられる。
浴室換気空調機3Aで実行される運転モードは、利用者が浴室換気空調機操作部11を操作することで選択され、制御部70は、浴室換気空調機操作部11での操作に応じて循環ファンモータ53a、換気ファンモータ59a及びPTCヒータ58等を制御する。
また、浴室換気空調機操作部11は、図1に示す洗面所空調機2の洗面所空調機操作部10と接続され、洗面所空調機操作部10での操作に応じた制御信号を受信する。
図13は浴室換気空調機操作部11の一例を示す構成図である。浴室換気空調機操作部11は表示部71と、各種操作ボタン等を備える。浴室換気空調機操作部11は、操作ボタンとして、暖房モードを選択する暖房モードボタン72と、涼風モードを選択する涼風モードボタン73と、換気モードを選択する換気モードボタン74と、乾燥モードを選択する乾燥モードボタン75を備える。
また、浴室換気空調機操作部11には、所定の時間に運転を開始する等の設定を行うタイマボタン76等を備える。
<洗面所空調機の動作例>
次に、洗面所空調機2の動作について説明する。図14は洗面所空調機2の運転モードと各部の動作の組み合わせのパターンを示す。なお、洗面所空調機2の運転モードとして図14に記載のものは一例である。
この表に記載のファン風量については、各運転モード毎にファンモータ14aの回転数が、強、標準等から選択可能に設定されており、選択された運転モードに応じた風量になるようになっている。
イオン発生については、各運転モード毎にマイナスイオン(負)、除菌イオン(正負)、イオン発生無(無)から選択可能に設定されている。なお、運転モードによって、選択できるイオンの種類(正負、負、無)は異なって設定されている。
また、第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bについても、各運転モード毎に作動と非作動の選択及び温度選択が可能に設定され、ルーバー16についても、運転モードに応じて、固定する場合と上下に往復作動(スイング)する場合とに設定されている。
図8に示す洗面所空調機操作部10で暖房モードボタン38が押されると、制御部35は暖房モードが選択されたと判断して、ファンモータ14aと第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bを駆動する。
ファンモータ14aが駆動されると、図5に示す羽根車17が回転することで、図4等に示すフロントパネル22の吸込口4を通して、ファン部14の吸込口18aから室内の空気が吸い込まれ、ファンケース18によってルーバー16へと空気が流れる。
第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bが駆動され通電されると、ファン部14から吹き出した空気が加温され、ルーバー16から温風が吹き出される。これにより、暖房モードでは冬場等に洗面所101を暖めることができる。
図8に示す洗面所空調機操作部10で暖房モードボタン38とイオンモード連動ボタン42が押されると、制御部35は、上述した暖房モードの制御に加えて、イオン発生器13を駆動して、例えば負イオンを発生させる。これにより、負イオンがファンケース18内に放出され、ファン部14による空気の流れによって、ルーバー16から負イオンを含む温風が吹き出される。
従って、暖房モードと負イオン発生モードを連動させることで、洗面所101内の温度が快適な温度に上がり、リラックス効果が得られる。なお、負イオン発生モードでは、負イオンのみを発生させても良いし、正イオンに対して負イオンを多く発生させても良い。
図8に示す洗面所空調機操作部10で涼風モードボタン37が押されると、制御部35は涼風モードが選択されたと判断して、ファンモータ14aとルーバモータ20dを駆動する。ファンモータ14aが駆動されると、羽根車17が回転することで、フロントパネル22の吸込口4を通して、ファン部14の吸込口18aから室内の空気が吸い込まれ、ファンケース18によってルーバー16へと空気が流れる。
ルーバモータ20dが駆動されると、図6に示す吹出口20bが上下方向に往復回転動作する。これにより、ルーバー16から洗面所101全体に送風が吹き出される。
涼風モードでは、第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bに通電を行わないことで、ファン部14から吹き出した空気は加温されず、室内の温度に応じた送風がルーバー16から吹き出される。従って、涼風モードでは夏場等に洗面所空調機2を扇風機として使用できる。
図8に示す洗面所空調機操作部10で涼風モードボタン37とイオンモード連動ボタン42が押されると、制御部35は、上述した涼風モードの制御に加えて、イオン発生器13を駆動して、例えば負イオンを発生させる。これにより、負イオンがファンケース18内に放出され、ファン部14による空気の流れによって、ルーバー16から負イオンを含む送風が吹き出される。
従って、涼風モードと負イオン発生モードを連動させることで、負イオンによるリラックス効果が得られる。なお、涼風モードと正負イオン発生モードを連動させても良い。
図8に示す洗面所空調機操作部10でイオンモード選択ボタン39が押され、除菌イオンモードが選択されると、制御部35はファンモータ14aとルーバモータ20dとイオン発生器13を駆動する。ファンモータ14aが駆動されると、羽根車17が回転することで、フロントパネル22の吸込口4を通して、ファン部14の吸込口18aから室内の空気が吸い込まれ、ファンケース18によってルーバー16へと空気が流れる。なお、除菌イオンモードでは、第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bに通電を行わない。
ルーバモータ20dが駆動されると、図6に示す吹出口20bが上下方向に往復回転動作する。また、イオン発生器13が駆動されると、ここでは略同数の正イオンと負イオンの双方がファンケース8内に放出される。図15はイオン発生モード時の空気の流れを示す説明図で、除菌イオンモードでは、ファン部14による空気の流れによって、図15(a)に示すように、ルーバー16から正イオンと負イオンの双方を含む送風が洗面所101全体に吹き出される。
従って、除菌イオンモードでは、部屋全体に正イオン及び負イオンの双方を含む空気が送風されるので、空気中の浮遊細菌を不活化して、カビの発生を抑えることができる。また、除菌イオンモードでは送風を吹き出すことで、室内の湿度が下がり、カビの防止により効果的である。
なお、本例のルーバー16は左右の空気の吹き出し方向は手動で変更する構成であるが、左右方向の風向も電動で変更できる構成としても良い。そして、除菌イオンモードで上下左右に送風を行うことで、より広範囲に正イオン及び負イオンの双方を含む送風を行うことができる。
図8に示す洗面所空調機操作部10でイオンモード選択ボタン39が押され、マイナスイオンモードが選択されると、制御部35はファンモータ14aとイオン発生器13を駆動する。ファンモータ14aが駆動されると、羽根車17が回転することで、フロントパネル22の吸込口4を通して、ファン部14の吸込口18aから室内の空気が吸い込まれ、ファンケース18によってルーバー16へと空気が流れる。
なお、マイナスイオンモードでは、第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bに通電を行わない。また、マイナスイオンモードでは、ルーバモータ20dの駆動は行わず、風向を一定に保持する。
イオン発生器13が駆動されると、ここでは負イオンがファンケース18内に放出される。これにより、マイナスイオン発生モードでは、ファン部14による空気の流れによって、図15(b)に示すように、ルーバー16から負イオンを含む送風が一定の向きで吹き出される。従って、マイナスイオンモードでは、夏場等は送風により体を冷やすと共に、負イオンによるリラックス効果が得られる。
また、洗面所空調機単体での運転モードとしては、例えばドライヤモードを備えても良い。ドライヤモードでは、制御部35は、例えばマイナスイオンモードでファンモータ14aの回転数を上げ、マイナスイオンモード時より風量を多くする。また、ルーバー16は、送風が人の頭に当たるような一定の向きで固定される。更に、送風か温風かを選択できるようにしても良い。これにより、負イオンを含む送風あるいは温風で、短時間で髪を乾かすことができる。
さて、図8に示す洗面所空調機操作部10で除湿モードボタン40が押されると、制御部35は除湿モードが選択されたと判断して、上述した涼風モードの制御を行うと共に、洗面所空調機操作部10から浴室換気空調機操作部11に、所定の換気モードを実行させる制御信号を送信する。
また、図8に示す洗面所空調機操作部10で乾燥モードボタン41が押されると、制御部35は乾燥モードが選択されたと判断して、上述した暖房モードの制御を行うと共に、洗面所空調機操作部10から浴室換気空調機操作部11に、所定の換気モードを実行させる制御信号を送信する。
なお、洗面所空調機2と浴室換気空調機3Aの連動した動作については後述する。
<第1の実施の形態の浴室換気空調機の動作例>
次に、浴室換気空調機3Aの動作について説明する。図16は浴室換気空調機3Aの運転モードと各部の動作の組み合わせのパターンを示す。なお、浴室換気空調機3Aの運転モードとして図16に記載のものは一例である。
この表に記載のファン風量については、各運転モード毎に循環ファンモータ53a及び換気ファンモータ59aの回転数が、強、標準等から選択可能に設定されており、選択された運転モードに応じた風量になるようになっている。
また、PTCヒータ58についても、各運転モード毎に作動と非作動の選択及び温度選択が可能に設定されている。
図13に示す浴室換気空調機操作部11で暖房モードボタン72が押されると、制御部70は暖房モードが選択されたと判断して、循環ファンモータ53aとPTCヒータ58を駆動する。
循環ファンモータ53aが駆動されると、図11に示す羽根車55が回転することで、フロントパネル69の吸込口6を通して、循環ファン部53の吸込口57aから室内の空気が吸い込まれ、循環ファンケース56によって吹出口57bへと空気が流れる。
PTCヒータ58が駆動され通電されると、風路56aを通る空気が加温され、フロントパネル69の吹出口7から温風が吹き出される。これにより、暖房モードでは冬場等に浴室102を暖めることができる。
なお、暖房モードでは、換気ファンモータ59aは駆動されず、換気は行われないので、暖房モードで暖められた浴室102内の空気が排出されることはない。
図13に示す浴室換気空調機操作部11で涼風モードボタン73が押されると、制御部70は涼風モードが選択されたと判断して、循環ファンモータ53aを駆動する。
循環ファンモータ53aが駆動されると、図11に示す羽根車55が回転することで、フロントパネル69の吸込口6を通して、循環ファン部53の吸込口57aから室内の空気が吸い込まれ、循環ファンケース56によって吹出口57bへと空気が流れる。
涼風モードでは、PTCヒータ58に通電を行わないことで、風路56aを通る空気は加温されず、室内の温度に応じた送風がフロントパネル69の吹出口7から温風が吹き出される。これにより、涼風モードでは夏場等に浴室換気空調機3Aを扇風機として使用できる。なお、涼風モードでも、換気ファンモータ59aは駆動されず、換気は行われない。
図13に示す浴室換気空調機操作部11で換気モードボタン74が押されると、制御部70は換気モードが選択されたと判断して、換気ファンモータ59aを駆動する。
換気ファンモータ59aが駆動されると、図11に示す羽根車60が回転することで、フロントパネル69の吸込口6から第2の換気風路66b及び換気ファン部59の吸込口62aを通り、図1に示す浴室102内の空気が吸い込まれる。
また、図11に示す羽根車60が回転することで、図1に示す吸気グリル8aから、吸気ダクト8、図11に示す第1の換気風路66a及び換気ファン部59の吸込口62aを通り、図1に示す洗面所101内の空気が吸い込まれる。
換気ファン部59の吸込口62aから吸い込まれた空気は、換気ファンケース61によって吹出口62bへと流れ、図1に示す排気ダクト9を通り排気グリル9aから屋外へ排出される。
これにより、換気モードでは、浴室102及び吸気グリル8aが設置された洗面所101内の空気を屋外に排出することができる。なお、浴室102と洗面所101の間では、図1に示す空気取入口104aからも洗面所101の空気が浴室102に取り込まれ、浴室換気空調機3Aにより屋外に排出される。
図13に示す浴室換気空調機操作部11で乾燥モードボタン75が押されると、制御部70は乾燥モードが選択されたと判断して、循環ファンモータ53a、換気ファンモータ59a及びPTCヒータ58を駆動する。
循環ファンモータ53aが駆動されると、図11に示す羽根車55が回転することで、フロントパネル69の吸込口6を通して、循環ファン部53の吸込口57aから室内の空気が吸い込まれ、循環ファンケース56によって吹出口57bへと空気が流れる。
PTCヒータ58が駆動され通電されると、風路56aを通る空気が加温され、フロントパネル69の吹出口7から温風が吹き出される。
換気ファンモータ59aが駆動されると、図11に示す羽根車60が回転することで、フロントパネル69の吸込口6から第2の換気風路66b及び換気ファン部59の吸込口62aを通り、図1に示す浴室102内の空気が吸い込まれる。
また、図11に示す羽根車60が回転することで、図1に示す吸気グリル8aから、吸気ダクト8、図11に示す第1の換気風路66a及び換気ファン部59の吸込口62aを通り、図1に示す洗面所101内の空気が吸い込まれる。
換気ファン部59の吸込口62aから吸い込まれた空気は、換気ファンケース61によって吹出口62bへと流れ、図1に示す排気ダクト9を通り排気グリル9aから屋外へ排出される。
これにより、乾燥モードでは、浴室102に温風を吹き出すと共に、浴室102及び吸気グリル8aが設置された洗面所101内の空気を屋外に排出することで、浴室102内の干した衣類の洗濯物等を乾燥させることができる。
ここで、浴室換気空調機3Aは、24時間換気システムを構成することも可能である。すなわち、浴室換気空調機3Aは、浴室102及び吸気グリル8aが設置された洗面所101内の空気を屋外に排出することで、洗面所101の図示しないドアのアンダーカット部等から、各部屋の空気が吸気される。
これにより、所定の部屋に備えた空気の取り入れ口から、新鮮な外気が取り込まれる。そして、必要換気風量が得られるように換気ファン部59の風量を設定することで、所定換気回数を満たすことができる。一例として、所定換気回数を満たす換気ファン部59の風量を標準と設定する。
なお、浴室換気空調機3Aにカーボンランプやハロゲンヒータ等の輻射ヒータを備えている場合は、上述した暖房モードを入浴前に浴室102を暖める予備暖房モードとし、輻射ヒータを利用した暖房を入浴中暖房モードとすることもできる。入浴中暖房モードでは、循環ファン部53のファン風量を例えば弱にすることで、入浴者に風が当たった場合に寒さを感じることを抑える。
<第1の実施の形態の空調システムの動作例>
上述したように、図8に示す洗面所空調機操作部10で除湿モードボタン40あるいは乾燥モードボタン41が押されると、洗面所空調機操作部10から浴室換気空調機操作部11に所定の換気モードを実行させる制御信号が送信される。
これにより、図1に示す空調システム1Aでは、洗面所空調機2と浴室換気空調機3Aの運転を連動させることができる。
次に、この空調システム1Aの動作について説明する。図17は洗面所空調機2及び浴室換気空調機3Aの連動時の運転モードと各部の動作の組み合わせのパターンを示す。なお、洗面所空調機2及び浴室換気空調機3Aの連動時の運転モードとして図17に記載のものは一例である。
図17では、図14で説明した洗面所空調機2の運転モードと、図16で説明した浴室換気空調機3Aの運転モードの中で、洗面所空調機2と浴室換気空調機3Aの連動時のファン風量等の関係を対応付けて表している。
なお、図17では、浴室換気空調機3A単体での24時間換気時のファン風量を比較として表している。
図8に示す洗面所空調機操作部10で除湿モードボタン40が押されると、制御部35は除湿モードが選択されたと判断して、上述した涼風モードの制御を行うと共に、洗面所空調機操作部10から浴室換気空調機操作部11に、所定の換気モードを実行させる制御信号を送信する。
すなわち、洗面所空調機2では、ファンモータ14aとルーバモータ20dと必要に応じてイオン発生器13を駆動する。ファンモータ14aが駆動されると、図5等に示す羽根車17が回転することで、フロントパネル22の吸込口4を通して、ファン部14の吸込口18aから室内の空気が吸い込まれ、ファンケース18によってルーバー16へと空気が流れる。
ルーバモータ20dが駆動されると、図6に示す吹出口20bが上下方向に往復回転動作する。また、イオン発生器13が駆動されると、例えば略同数の正イオンと負イオンの双方がファンケース8内に放出される。これにより、ファン部14による空気の流れによって、ルーバー16から正イオンと負イオンの双方を含む送風が洗面所101全体に吹き出される。
なお、除湿モードでは、第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bに通電を行わないことで、ファン部14から吹き出した空気は加温されず、室内の温度に応じた送風がルーバー16から吹き出される。
浴室換気空調機3Aでは、洗面所空調機操作部10からの制御信号により、制御部70は換気ファンモータ59aを風量が強となるように駆動する。ここで、浴室換気空調機3Aが24時間換気を行っている場合は、風量を切り換えるような制御が行われることになる。また、浴室換気空調機3Aが停止している場合は、換気運転を実行するような制御が行われることになる。この場合も、風量は通常の換気運転時より大きくなるようにする。
換気ファンモータ59aが駆動されると、図11に示す羽根車60が回転することで、フロントパネル69の吸込口6から第2の換気風路66b及び換気ファン部59の吸込口62aを通り、図1に示す浴室102内の空気が吸い込まれる。
また、図11に示す羽根車60が回転することで、図1に示す吸気グリル8aから、吸気ダクト8、図11に示す第1の換気風路66a及び換気ファン部59の吸込口62aを通り、図1に示す洗面所101内の空気が吸い込まれる。
換気ファン部59の吸込口62aから吸い込まれた空気は、換気ファンケース61によって吹出口62bへと流れ、図1に示す排気ダクト9を通り排気グリル9aから屋外へ排出される。
これにより、除湿モードでは、洗面所空調機2で洗面所101内に送風を行いながら、浴室換気空調機3Aで洗面所101内の空気を屋外に排出することができる。よって、洗面所101内の湿気を排出することで、洗面所101の除湿を行うことができる。また、浴室換気空調機3Aの換気風量を大きくすることで、短時間で湿気を排出することができる。
なお、除湿モードで正イオン及び負イオンの双方を含む空気を洗面所101内に送風することで、空気中の浮遊細菌を不活化して、カビの発生を抑えることができる。また、除湿モードでは送風を吹き出すことで、室内の湿度が下がり、カビの防止により効果的である。
更に、除湿モードで負イオンを含む空気を洗面所101内に送風することで、洗面所101の湿度が下がり快適性が向上すると共に、リラックス効果を得ることができる。
図8に示す洗面所空調機操作部10で乾燥モードボタン40が押されると、制御部35は乾燥モードが選択されたと判断して、上述した暖房モードの制御を行うと共に、洗面所空調機操作部10から浴室換気空調機操作部11に、所定の換気モードを実行させる制御信号を送信する。
すなわち、洗面所空調機2では、ファンモータ14aと第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bと、必要に応じてイオン発生器13を駆動する。
ファンモータ14aが駆動されると、図5に示す羽根車17が回転することで、フロントパネル22の吸込口4を通して、ファン部14の吸込口18aから室内の空気が吸い込まれ、ファンケース18によってルーバー16へと空気が流れる。
第1のPTCヒータ15a及び第2のPTCヒータ15bが駆動され通電されると、ファン部14から吹き出した空気が加温される。また、イオン発生器13が駆動されると、例えば略同数の正イオンと負イオンの双方がファンケース8内に放出される。これにより、ファン部14による空気の流れによって、ルーバー16から正イオンと負イオンの双方を含む温風が洗面所101に吹き出される。
浴室換気空調機3Aでは、洗面所空調機操作部10からの制御信号により、制御部70は換気ファンモータ59aを風量が強となるように駆動する。
換気ファンモータ59aが駆動されると、図11に示す羽根車60が回転することで、フロントパネル69の吸込口6から第2の換気風路66b及び換気ファン部59の吸込口62aを通り、図1に示す浴室102内の空気が吸い込まれる。
また、図11に示す羽根車60が回転することで、図1に示す吸気グリル8aから、吸気ダクト8、図11に示す第1の換気風路66a及び換気ファン部59の吸込口62aを通り、図1に示す洗面所101内の空気が吸い込まれる。
換気ファン部59の吸込口62aから吸い込まれた空気は、換気ファンケース61によって吹出口62bへと流れ、図1に示す排気ダクト9を通り排気グリル9aから屋外へ排出される。
これにより、乾燥モードでは、洗面所空調機2で洗面所101内に温風を吹き出しながら、浴室換気空調機3Aで洗面所101内の空気を屋外に排出することができる。よって、洗面所101内の湿気を排出することで、洗面所101の除湿を行い、洗面所101内で衣類等を乾燥させることができる。また、浴室換気空調機3Aの換気風量を大きくすることで、短時間で湿気を排出することができる。
なお、乾燥モードで正イオン及び負イオンの双方を含む空気を洗面所101内に送風することで、空気中の浮遊細菌を不活化して除菌を行うことができる。
<第2の実施の形態の空調システムの構成例>
図18は第2の実施の形態の空調システムの一例を示す構成図である。以下の説明で、第1の実施の形態の空調システム1Aと同じ構成については同じ番号を付して説明する。
第2の実施の形態の空調システム1Bは、洗面所101と浴室102の間で浴室ドア104の空気取入口104aを通る空気の流れを利用することで、他室からの吸気ダクトを接続していない浴室換気空調機3Bと洗面所空調機2を連動させ、洗面所空調機2の運転に合わせて洗面所101内の湿気を排出できるようにしたものである。
<第2の実施の形態の浴室換気空調機の構成例>
図19は第2の実施の形態の浴室換気空調機3Bの一例を示す内部構成図、図20は第2の実施の形態の浴室換気空調機3Bの一例を示す分解斜視図であり、次に、図18に示す空調システム1Bを構成する浴室換気空調機3Bの構成の詳細を説明する。
第2の実施の形態の浴室換気空調機3Bは、ファンユニット82とヒータ部83を備える。浴室換気空調機3Bは、本体ケース84にファンユニット82が取り付けられる。ファンユニット82は送風手段を構成し、回転駆動される多翼の羽根車(ファン}85と、羽根車85を回転駆動するファンモータ86と、ファンモータ86が取り付けられると共に、風路を形成するファンケース87を備える。
ファンユニット82は、羽根車85が縦向きに配置され、ファンケース87は、羽根車85の軸方向に沿った下面が開口して吸込口88が形成される。また、ファンケース87は羽根車85の接線方向に沿った一の側面が開口して、風路切換部89を備える。
風路切換部89は風路を切り換えるダンパ90を備える。ダンパ90は後述するダンパモータの駆動力がカム90aを介して伝達され、軸90bを支点に回転して開閉動作を行う。ファンケース87は、風路切換部89と連通して下面に吹出口91を備えると共に、風路切換部89と連通して一の側面に排気口92を備え、ダンパ90の位置によって、吸込口88から吹出口91へ連通した風路か、排気口92へ連通した風路が形成される。
図19では、ダンパ90を全閉した状態を示す。ダンパ90を全閉にすると、排気口92への風路が遮断され、吸込口88から吹出口91へ連通した循環風路93aが形成される。このため、ダンパ90が全閉となる位置をダンパ90の循環位置と称す。
後述するが、ダンパ90を全開にすると、吹出口91への風路が遮断され、吸込口88から排気口92へ連通した換気風路93bが形成される。このため、ダンパ90が全開となる位置をダンパ90の換気位置と称す。また、ダンパ90を循環位置と換気位置の中間位置にすると、吸気口88から吹出口91へ連通した循環風路93aと、吸気口88から排気口92へ連通した換気風路93bの双方が形成される。この中間位置を循環換気位置と称す。
ヒータ部83は加熱手段を構成し、上述した吹出口91に備えられる。図19に示すように、ダンパ90の位置を全閉にし、ファンモータ86により羽根車85を回転駆動すると、空気が吸込口88から吸い込まれ、循環風路93aを通り吹出口91から吹き出す。ヒータ部83に通電すると、ヒータ部83が加熱することで吹出口91を通る空気が温められ、温風が吹出口91から吹き出す。ここで、ヒータ部83としては例えばPTCヒータを備える。
本体ケース84は、図20に示すように、下面が開口しファンユニット82の吸込口88と吹出口91が露出する。そして、本体ケース84は、下面開口部にフロントパネル94を備える。フロントパネル94は本体ケース84に着脱できるように取り付けられ、ファンユニット82の吸込口88と対向して吸込口6を備えると共に、ファンユニット82の吹出口91と対向して吹出口7を備える。また、フロントパネル94は、吸込口95の裏側にフィルタ97が交換可能に取り付けられる。
更に、本体ケース84は、ファンユニット82の排気口92と連通する排気ダクト接続部98を一の側面に備える。浴室換気空調機3Bは、排気ダクト接続部98に図19に示す排気ダクト9が接続される。
<第2の実施の形態の浴室換気空調機の制御機能例>
図21は第2の実施の形態の浴室換気空調機3Bの制御系の一例を示す機能ブロック図であり、次に、第2の実施の形態の浴室換気空調機3Bの制御系の構成について説明する。
浴室換気空調機3Bは、CPU等で構成される制御部99を備え、制御部99に、図18で説明した浴室換気空調機操作部11と、図19等で説明したファンモータ86と、ヒータ部(PTCヒータ)3と、ダンパ90を駆動するダンパモータ100等が接続される。
制御部99は制御手段を構成し、浴室換気空調機3Bの運転モードとして、涼風(送風)を吹き出しながら換気を行う涼風モードと、温風を吹き出す暖房モードと、換気モードと、温風を吹き出しながら換気を行う乾燥モードを備える。
浴室換気空調機操作部11は、図13で説明したものと同じで良い。浴室換気空調機3Bで実行される運転モードは、利用者が浴室換気空調機操作部11を操作することで選択され、制御部99は、浴室換気空調機操作部11での操作に応じてファンモータ86、ヒータ部3及びダンパモータ100等を制御する。
また、浴室換気空調機操作部11は、図18に示す洗面所空調機2の洗面所空調機操作部10と接続され、洗面所空調機操作部10での操作に応じた制御信号を受信する。
<第2の実施の形態の浴室換気空調機の動作例>
次に、浴室換気空調機3Bの単体での動作について説明する。図22は浴室換気空調機3Bの運転モードと各部の動作の組み合わせのパターンを示す。なお、浴室換気空調機3Bの運転モードとして図22に記載のものは一例である。
この表に記載のファン風量については、各運転モード毎にファンモータ86の回転数が、強、標準等から選択可能に設定されており、選択された運転モードに応じた風量になるようになっている。
また、ダンパ90の位置が、各動作モード毎に設定されている。更に、ヒータ部3についても、各運転モード毎に作動と非作動の選択及び温度選択が可能に設定されている。
図13に示す浴室換気空調機操作部11で暖房モードボタン72が押されると、制御部99は暖房モードが選択されたと判断して、ファンモータ86とヒータ部83とダンパモータ100を駆動する。
暖房モードでは、ダンパ90の位置が図19に示す循環位置となるように、ダンパモータ100が制御される。
また、ファンモータ86により羽根車85が回転駆動されると、フロントパネル94の吸込口6を介してファンユニット82の吸込口88から浴室102の空気が吸い込まれる。
ダンパ90の位置が循環位置であると、ファンユニット82において吸込口88から吹出口91への循環風路93aが形成されるので、吸込口88から吸い込まれた空気は、循環風路93aを通り吹出口91からフロントパネル94の吹出口7を介して浴室102内に吹き出される。
そして、ヒータ部83は循環風路93aの吹出口91に配置されるので、ヒータ部83がオンされてヒータ部83が加熱されると、循環風路93aを通る空気が温められて吹出口7から吹き出す。
これにより、浴室102内の空気を循環させながら浴室102内を暖房することができる。
図13に示す浴室換気空調機操作部11で涼風モードボタン73が押されると、制御部99は涼風モードが選択されたと判断して、ファンモータ86とダンパモータ100を駆動する。涼風モードでは、ダンパ90の位置が図24に示す循環換気位置となるように、ダンパモータ100が制御される。
また、ファンモータ86により羽根車85が回転駆動されると、フロントパネル94の吸込口6を介してファンユニット82の吸込口88から浴室102の空気が吸い込まれる。ダンパ90の位置が循環位置であると、ファンユニット82において吸込口88から吹出口91への循環風路93aが形成されるので、吸込口88から吸い込まれた空気は、循環風路93aを通り吹出口91からフロントパネル94の吹出口7を介して浴室102内に吹き出される。
これにより、涼風モードを実行することで、浴室102内の空気を循環させながら、浴室102内の温度に応じた涼風が吹き出され、浴室換気空調機3Bを夏場等に扇風機として使用することができる。
図13に示す浴室換気空調機操作部11で換気モードボタン74が押されると、制御部99は換気モードが選択されたと判断して、ファンモータ86とダンパモータ100を駆動する。
図23は換気モード時の浴室換気空調機3Bの状態を示す構成図である。換気モードでは、ダンパ90の位置が図23に示す換気位置となるように、ダンパモータ100が制御される。
また、ファンモータ86により羽根車85が回転駆動されると、フロントパネル94の吸込口6を介してファンユニット82の吸込口88から浴室102の空気が吸い込まれる。ダンパ90の位置が換気位置であると、ファンユニット82において吸込口88から排気口92への換気風路93bが形成されるので、吸込口88から吸い込まれた空気は、換気風路93b及び排気口92を通り、更に、図18に示す排気ダクト9を通って排気グリル9aから屋外へ排気される。
また、浴室102内の空気を屋外に排気することで、浴室ドア104に設けた空気取入口104aから、洗面所101の空気が吸い込まれる。
これにより、換気モードを実行することで、浴室102内の湯気や湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
図13に示す浴室換気空調機操作部11で乾燥モードボタン75が押されると、制御部99は乾燥モードが選択されたと判断して、ファンモータ86とヒータ部83とダンパモータ100を駆動する。
図24は乾燥モード時の浴室換気空調機3Bの状態を示す構成図である。乾燥モードでは、ダンパ90の位置が図24に示す循環換気位置となるように、ダンパモータ100が制御される。
また、ファンモータ86により羽根車85が回転駆動されると、フロントパネル94の吸込口6を介してファンユニット82の吸込口88から浴室102の空気が吸い込まれる。ダンパ90の位置が循環換気位置であると、ファンユニット82において吸込口88から吹出口91への循環風路93aと、吸込口88から排気口92への換気風路93bの双方が形成されるので、吸込口88から吸い込まれた空気は、一部は循環風路93aを通り吹出口91からフロントパネル94の吹出口7を介して浴室102内に吹き出される。そして、ヒータ部83がオンされてヒータ部83が加熱されることで、循環風路93aを通る空気が温められて吹出口7から温風が吹き出す。
また、吸込口88から吸い込まれた空気の一部は、換気風路93b及び排気口92を通り、更に、図18に示す排気ダクト9を通って排気グリル9aから屋外へ排気される。
また、浴室102内の空気を屋外に排気することで、浴室ドア104の空気取入口104aから、洗面所101の空気が吸い込まれる。
これにより、乾燥モードを実行することで、浴室102内に温風を吹き出して、衣類等を乾燥させることができる。また、浴室102内の空気の一部は屋外に排気され、空気取入口104aから洗面所101の空気を取り込むことで、浴室102内の換気が行われるので、湿気等を排出して、衣類の乾燥を促進することができる。
なお、浴室換気空調機3Bにカーボンランプやハロゲンヒータ等の輻射ヒータを備えている場合は、上述した暖房モードを入浴前に浴室102を暖める予備暖房モードとし、輻射ヒータを利用した暖房を入浴中暖房モードとすることもできる。入浴中暖房モードでは、ファン風量を例えば弱にすることで、入浴者に風が当たった場合に寒さを感じることを抑える。
<第2の実施の形態の空調システムの動作例>
第1の実施の形態の空調システム1Aと同様に、図8に示す洗面所空調機操作部10で除湿モードボタン40あるいは乾燥モードボタン41が押されると、洗面所空調機操作部10から浴室換気空調機操作部11に所定の換気モードを実行させる制御信号が送信される。
これにより、図18に示す空調システム1Bでは、洗面所空調機2と浴室換気空調機3Bの運転を連動させることができる。
次に、この空調システム1Bの動作について説明する。ここで、洗面所空調機2及び浴室換気空調機3Bの連動時の運転モードと各部の動作の組み合わせのパターンは、図17で説明したパターンと同じである。
図8に示す洗面所空調機操作部10で除湿モードボタン40が押されると、図7に示す洗面所空調機2の制御部35は除湿モードが選択されたと判断して、上述した涼風モードの制御を行うと共に、洗面所空調機操作部10から浴室換気空調機操作部11に、所定の換気モードを実行させる制御信号を送信する。
洗面所空調機2側の動作は上述した通りで、ルーバー16から例えば正イオンと負イオンの双方を含む送風が洗面所101全体に吹き出される。
浴室換気空調機3Bでは、洗面所空調機操作部10からの制御信号により、制御部99はファンモータ86を風量が強となるように駆動して、換気モードを実行する。
すなわち、ファンモータ86により羽根車85が回転駆動されると、フロントパネル94の吸込口6を介してファンユニット82の吸込口88から浴室102の空気が吸い込まれる。ダンパ90の位置が換気位置であるので、ファンユニット82において吸込口88から排気口92への換気風路93bが形成され、吸込口88から吸い込まれた空気は、換気風路93b及び排気口92を通り、更に、図18に示す排気ダクト9を通って排気グリル9aから屋外へ排気される。
また、浴室102内の空気を屋外に排気することで、浴室ドア104に設けた空気取入口104aから、洗面所101の空気が浴室102に吸い込まれ、浴室換気空調機3Bにより屋外へ排出される。
これにより、除湿モードでは、洗面所空調機2で洗面所101内に送風を行いながら、浴室換気空調機3Bで洗面所101内の空気を屋外に排出することができる。よって、洗面所101内の湿気を排出することで、洗面所101の除湿を行って、湿度を下げることができる。また、浴室換気空調機3Bの換気風量を大きくすることで、短時間で湿気を排出することができる。
図8に示す洗面所空調機操作部10で乾燥モードボタン40が押されると、制御部35は乾燥モードが選択されたと判断して、上述した暖房モードの制御を行うと共に、洗面所空調機操作部10から浴室換気空調機操作部11に、所定の換気モードを実行させる制御信号を送信する。
洗面所空調機2側の動作は上述した通りで、ルーバー16から例えば正イオンと負イオンの双方を含む温風が洗面所101に吹き出される。
浴室換気空調機3Bでは、洗面所空調機操作部10からの制御信号により、制御部99はファンモータ86を風量が強となるように駆動して、換気モードを実行する。
ファンモータ86により羽根車85が回転駆動されると、フロントパネル94の吸込口6を介してファンユニット82の吸込口88から浴室102の空気が吸い込まれる。ダンパ90の位置が換気位置であるので、ファンユニット82において吸込口88から排気口92への換気風路93bが形成され、吸込口88から吸い込まれた空気は、換気風路93b及び排気口92を通り、更に、図18に示す排気ダクト9を通って排気グリル9aから屋外へ排気される。
また、浴室102内の空気を屋外に排気することで、浴室ドア104に設けた空気取入口104aから、洗面所101の空気が吸い込まれる。
これにより、乾燥モードでは、洗面所空調機2で洗面所101内に温風を吹き出しながら、浴室換気空調機3Bで洗面所101内の空気を屋外に排出することができる。よって、洗面所101内の湿気を排出することで、洗面所101の除湿を行い、洗面所101内で衣類等を乾燥させることができる。また、浴室換気空調機3Aの換気風量を大きくすることで、短時間で湿気を排出することができる。
なお、以上の各実施の形態において、浴室換気空調機とは、換気のみを行う空調機であっても良い。また、洗面所52とは、脱衣所と同様であり、これを含むものである。
1・・・空調システム、2・・・洗面所空調機、3・・・浴室換気空調機、4・・・吸込口、5・・・吹出口、6・・・吸込口、7・・・吹出口、8・・・吸気ダクト、8a・・・吸気グリル、9・・・排気ダクト、9a・・・排気グリル、10・・・洗面所空調機操作部、11・・・浴室換気空調機操作部、35・・・制御部、70・・・制御部、101・・・洗面所、102・・・浴室、104・・・浴室ドア、104a・・・空気取入口