JP2017219258A - 除湿装置、除湿方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】浴室に隣接する空間を除湿する。【解決手段】除湿装置100は、取得部101と、風路10dと、送風部10bと、加熱部103と、除湿部104と、制御部102と、を備える。取得部101は、浴室の使用の有無と浴室の扉の開閉とを示す情報を取得する。風路10dは、扉を介して浴室に隣接する空間に配置される吸込口と吹出口とを有する。送風部10bは、風路10dに空気を送風する。加熱部103は、風路10dに流入した空気を加熱する。除湿部104は、風路10dにおいて加熱部103と吹出口との間に配置され、空気に含まれる水分を吸着することで除湿する。制御部102は、取得部101によって、浴室が使用されて扉が開けられたことを示す情報が取得されると、送風部10bを制御して、送風部10bに空気を送風させる。【選択図】図2

Description

本発明は、除湿装置、除湿方法及びプログラムに関する。
近年、冬期におけるユーザの快適性を向上させるために、浴室に隣接する脱衣所、洗面所、サニタリエリア等の空間に暖房装置が設置されるケースが増えている。この空間では、浴室からの湯気の流入に代表されるように、湿気が発生する要因が多い。このため、住宅の断熱性能が一般に高くなってはいるものの、浴室に隣接する空間では、特に冬期において、低温の壁面に結露が生じたり結露によるカビが発生したりすることがある。
そこで、エアカーテンに類する風によって、浴室内の空気が浴室に隣接する空間に侵入することを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−155227号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、浴室内から浴室外へ空気がまったく流出しないようにすることが困難である。また、入浴後に洗面台で使用される湯、及び、入浴を終えて浴室から出た人体からも、湿気は発生し得る。結果として、浴室に隣接する空間における空気の湿度が高くなるおそれがある。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、浴室に隣接する空間を除湿することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の除湿装置は、浴室の使用の有無と浴室の扉の開閉とを示す情報を取得する取得手段と、扉を介して浴室に隣接する空間に配置される吸込口と吹出口とを有する風路と、風路に空気を送風する送風手段と、風路に流入した空気を加熱する加熱手段と、風路において加熱手段と吹出口との間に配置され、空気に含まれる水分を吸着することで除湿する除湿手段と、取得手段によって、浴室が使用されて扉が開けられたことを示す情報が取得されると、送風手段を制御して、送風手段に空気を送風させる制御手段と、を備える。
本発明によれば、浴室に隣接する空間を除湿することができる。
除湿システムの構成を示す模式図である。 除湿装置の構成を示すブロック図である。 除湿装置によって冬期に実行される一連の処理を示すフロー図である。 暖房モードの運転において実行される処理を示すフロー図である。 除湿モードの運転において実行される処理を示すフロー図である。 脱着モードの運転において実行される処理を示すフロー図である。 除湿装置によって中間期に実行される一連の処理を示すフロー図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
図1には、除湿システム1000の概略が示されている。除湿システム1000は、浴室200に扉40を介して隣接する空間300における空気を除湿するシステムである。なお、図1において、太い実線は壁を示し、破線は信号線を示し、白抜きの矢印は風が流れる向きを示す。
浴室200は、住宅又は宿泊施設等の建物に設けられた入浴のための空間である。浴室200には、排気装置20bの吸込口20iと、浴室200内を明るくするための照明装置21a,21bと、が設置されている。
排気装置20bは、多翼送風機、又はターボファン等の送風機である。排気装置20bは、制御部102から信号線を介して受信した制御信号に従って、吸込口20iから浴室200内の空気を吸い込んで、吸い込んだ空気を、排気ダクト20dを介して屋外に排出する。排気装置20bは、浴室200に生じた高温高湿の空気を排気するために用いられる。
照明装置21a,21bは、浴室200の天井又は壁に配置される。照明装置21a,21bは、信号線に接続され、この信号線を介して制御部102から受信した制御信号に従って点灯又は消灯する。なお、以下では、照明装置21a,21bを総称して照明装置21と表記する(図2参照)。
また、浴室200には、給湯機から給湯配管22を介して湯が供給される。給湯配管22には、給湯量を測定するセンサ51が取り付けられている。センサ51による測定結果は、浴室200での湯の使用の有無を示す情報として、取得部101へ送信される。
空間300は、脱衣所、洗面所、又はサニタリエリア等の空間である。空間300は、扉40によって浴室200と仕切られる。また、空間300は、扉41によって他の空間と仕切られる。本実施の形態に係る空間300は、窓30wを有しているが、これには限られず、窓30wを有しない部屋を空間300としてもよい。
空間300には、扉40の開閉状態を検知するセンサ52と、空間300の室温を測定するセンサ53と、空間300の空気を除湿する除湿装置100と、が設置される。
センサ52は、扉40が閉じたときにON状態になり、扉40が開いたときにOFF状態になるスイッチを含んで構成される。センサ52は、検知した扉40の開閉状態を示す情報を取得部101に送信する。また、センサ53は、室温の測定結果を示す情報を取得部101に送信する。
除湿装置100は、除湿機能に加えて暖房機能を有する空調装置である。除湿装置100は、図2に示されるように、センサ51−53から情報を取得する取得部101と、取得部101によって取得された情報に基づく制御を実行する制御部102と、空気を送風する送風部10bと、空気を加熱する加熱部103と、空気に含まれる水分を吸着することで除湿する除湿部104と、を有している。
取得部101は、センサ51−53から送信される信号を受信する通信インタフェース回路と、除湿装置100のユーザによって入力される情報を取得するユーザインタフェースと、を含んで構成される。ユーザによって入力される情報には、除湿装置100の運転開始の指示、照明装置21の点灯又は消灯の指示、排気装置20bの運転の開始又は停止の指示、及び、空間300の設定温度が含まれる。この設定温度は、除湿装置100の暖房運転が実行されるときにおける空間300の目標温度を意味する。取得部101によって取得された情報は、制御部102に通知される。
制御部102は、マイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)に代表される記憶装置を含んで構成される。制御部102を構成するマイクロプロセッサが、記憶装置に記憶されるプログラムP1を実行することにより、制御部102は、種々の機能を発揮する。すなわち、制御部102は、取得部101から得た情報に基づいて制御信号を送信することにより、排気装置20b、照明装置21、送風部10b、及び加熱部103を制御する。
なお、本実施の形態に係る除湿装置100は、排気装置20b及び照明装置21をユーザが操作するための端末として機能する。すなわち、取得部101が、照明装置21を点灯若しくは消灯するためのユーザからの指示、又は、排気装置20bの運転を開始若しくは停止するためのユーザからの指示を取得した場合には、制御部102は、これらの指示に従って排気装置20b及び照明装置21を制御する。
また、除湿装置100は、図1に示されるように、空間300に配置される吸込口10iと吹出口10sとを有する風路10dを有している。送風部10b、加熱部103、及び除湿部104は、この順で風路10d内に上流側から配置される。すなわち、送風部10bは、吸込口10iから吸い込んだ空気を加熱部103に送風し、除湿部104は、加熱部103と吹出口10sとの間に配置される。
また、風路10dの吸込口10iは、浴室200から空間300に流入した高温高湿の空気が吸い込まれるように扉40の鉛直上方に配置される。風路10dの吹出口10sは、空間300において結露が比較的生じやすい壁又は窓30wに向かって空気を吹き出すための風向板を含んで構成される。
送風部10bは、多翼送風機、又はターボファン等の送風機である。送風部10bが空気を送風することにより、風路10dを通る気流が発生する。送風部10bの送風の有無及び風量は、制御部102から送信される制御信号に従う。
加熱部103は、空気を加熱するためのヒータを含んで構成される。本実施の形態に係る加熱部103のヒータは、電気ヒータであるが、これには限られず、ヒータとして、ガスヒータ、又はヒートポンプ装置を用いてもよい。加熱部103の加熱の有無及び加熱量は、制御部102から送信される制御信号に従う。
除湿部104は、常温で水分を吸着し、高温で水分を脱着するデシカント材を含んで構成される。このデシカント材としては、例えば、ゼオライト、シリカゲル、高分子吸着剤が用いられる。
続いて、除湿装置100によって実行される一連の処理について、図3−6を参照して説明する。図3に示される処理は、冬期においてユーザが浴室200を使用する前に除湿装置100に運転開始を指示することで開始する。
まず、制御部102は、送風部10bに空気を送風させる(ステップS1)。以後、送風部10bの風量は一定に保たれる。
次に、取得部101は、センサ51−53から情報を取得するとともに、ユーザによって入力された情報を取得する(ステップS2)。具体的には、取得部101は、ユーザによって指示された照明装置21の点灯の有無を示す情報と、センサ51から送信される湯の使用の有無を示す情報とを、浴室200の使用の有無を示す情報として取得する。また、取得部101は、センサ52によって検知された扉40の開閉状態を示す情報を取得する。また、取得部101は、ユーザによって入力された設定温度と、センサ53によって測定された室温と、を取得する。
次に、制御部102は、浴室200の扉40が開いているか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、制御部102は、ステップS2においてセンサ52から取得した情報が、扉40が開放状態にあることを示しているか否かを判定する。
扉40が開いていると判定した場合(ステップS3;Yes)、制御部102は、浴室200が使用されているか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、制御部102は、ステップS2において取得した情報が、照明装置21が点灯していることを示し、かつ、湯を最後に使用してから経過した時間の長さが閾値より短いか否かを判定する。この閾値は、本実施の形態では30分間であるが、これには限られず任意である。このため、浴室200でユーザが湯を使用している最中、及び、ユーザが入浴を終了した直後にも、ステップS4の判定が肯定されることとなる。
ステップS3にて浴室の扉が開けられていないと判定した場合(ステップS3;No)、又は、ステップS4にて浴室200が使用されていないと判定した場合(ステップS4;No)、制御部102は、浴室200から空間300への高湿空気が流入しないと判断して、暖房モードの運転を実行する(ステップS5)。
この暖房モードの運転について、図4を用いて説明する。暖房モードの運転は、制御部102が、加熱部103によって加熱された空気を送風部10bに送風させる運転である。
暖房モードの運転において、制御部102は、室温が設定温度より低いか否かを判定する(ステップS51)。具体的には、制御部102は、ステップS2(図3参照)にて取得した室温と設定温度とを比較する。
室温が設定温度より低いと判定した場合(ステップS51;Yes)、制御部102は、加熱部103に通電して空気を加熱させる(ステップS52)。これにより、空間300の室温が、設定温度に近づくこととなる。その後、制御部102によって実行される処理は、暖房モードの運転から図3に示される処理に戻る。
一方、室温が設定温度より低くないと判定した場合(ステップS51;No)、制御部102は、加熱部103に通電せずに空気を加熱させない(ステップS53)。これにより、空間300の室温が、設定温度に近づくこととなる。その後、制御部102によって実行される処理は、暖房モードの運転から図3に示される処理に戻る。
図3に戻り、暖房モードの運転(ステップS5)が終了すると、制御部102は、再度、情報を取得して(ステップS2)、ステップS3,S4の判定を繰り返す。これにより、ステップS3,S4双方の判定が肯定されるまで、暖房モードの運転が繰り返し実行される。その結果、空間300の室温は、設定温度の近傍に保たれることとなる。
また、暖房モードの運転では、加熱部103によって加熱された空気が除湿部104を介して空間300に送風されるため、除湿部104が加熱されることで除湿部104から水分が脱着する。このため、後述の除湿モードの運転のために必要な除湿部104の吸着性能を十分に確保することができる。
ステップS4にて浴室200が使用されていると判定された場合(ステップS4;Yes)、制御部102は、浴室200から空間300に高湿空気が流入していると判断して、除湿モードの運転を実行する(ステップS6)。
この除湿モードの運転について、図5を用いて説明する。除湿モードの運転は、制御部102が、送風部10bに空気を送風させて除湿部104に水分を吸着させる運転である。
除湿モードの運転において、制御部102は、加熱部103の加熱量を、暖房モードにおける加熱量より抑制する(ステップS61)。制御部102は、加熱部103への通電を停止して空気を加熱しないように加熱部103を制御してもよいし、空気をわずかに加熱するように加熱部103を制御してもよい。
ただし、加熱量が過大になると、加熱部103によって加熱された空気が除湿部104を通過する際に、水分が除湿部104に吸着されなくなる。このため、加熱部103の加熱量は、加熱部103によって加熱された空気の水分を除湿部104が吸着することができる範囲内に抑えられる。
次に、制御部102は、排気装置20bに浴室200の空気を排気させる(ステップS62)。これにより、浴室200側が負圧となり、浴室200から空間300への高湿空気の流入が低減する。
ただし、排気装置20bが稼働しても、浴室200の空気は入浴中に30℃程度まで上昇しているため、空間300の室温との密度差によって、浴室200の空気が扉40の上方から空間300に流入する。なお、空間300の室温は、冬期においては16℃程度である。
送風部10bは、ステップS1(図3参照)から送風を継続しているため、風路10dの吸込口10iからは空気が吸い込まれる。ここで、吸込口10iが扉40の上方に配置されているため、浴室200から流出した高湿の空気が効率よく吸込口10iに吸い込まれることとなる。吸込口10iに吸い込まれた空気は、加熱部103を通過して除湿部104に送られる。そして、除湿部104が、高湿空気に含まれる水分を吸着するため、乾燥した空気が吹出口10sから空間300に吹き出される。
次に、取得部101は、センサ51−53から情報を取得するとともに、ユーザによって入力された情報を取得する(ステップS63)。
次に、制御部102は、浴室200が使用されていて、かつ、扉40が開いているか否かを判定する(ステップS64)。具体的には、制御部102は、ステップS63にて取得した情報が、扉40が開放状態にあること及び照明装置21が点灯していることを示し、湯が最後に使用されてから経過した時間の長さが閾値より短いか否かを判定する。
ステップS64の判定が肯定された場合(ステップS64;Yes)、制御部102は、ステップS63以降の処理を繰り返す。これにより、ステップS64の判定が否定されるまで、除湿モードの運転が継続することとなる。
一方、ステップS64の判定が否定された場合(ステップS64;No)、制御部102は、浴室200からの高湿空気が空間300に流入する状況ではないと判断して、制御部102によって実行される処理は、除湿モードの運転から図3に示される処理に戻る。
なお、扉40が閉じられても、空間300に濡れた状態の人間が存在し、湿気が発生することが考えられる。このため、ステップS64では、単に扉40が開いているか否かを判定するのではなく、扉が閉じられてから経過した時間の長さが一定値を超えたか否かを判定してもよい。この一定値は、例えば、3分間、又は5分間である。
また、ユーザが、入浴中のみ扉40を閉じ、それ以外のときには扉40を開け放つことも考えられる。このため、ステップS64では、単に扉40が開いているか否かを判定するのではなく、扉40が閉じている状態から開いている状態へ変化してから、扉40が開いたまま経過した時間の長さが一定値を超えたか否かを判定してもよい。
図3に戻り、除湿モードの運転(ステップS6)が終了すると、制御部102は、脱着モードの運転を実行する(ステップS7)。脱着モードの運転は、制御部102が、加熱部103の加熱量を除湿モードにおける加熱量より大きくして、除湿部104から水分を脱着する運転である。
脱着モードの運転において、制御部102は、加熱部103に通電して空気を加熱させる(ステップS71)。これにより、除湿モードの運転において除湿部104に吸着された水分を脱着し、除湿部104は、水分の吸着が可能な状態に再生することとなる。また、制御部102は、排気装置20bに運転を停止させる(ステップS72)。
送風部10bは、ステップS1(図3参照)から送風を継続しているため、加熱部103によって加熱された空気は、除湿部104を経由して吹出口10sから吹き出される。ここで、除湿モードの運転における除湿が十分でない場合には、低温であるために結露が発生しやすい壁又は窓に一時的に結露が生じると考えられる。しかしながら、除湿モードの後に実行される脱着モードの運転において、加熱部103によって加熱された空気は、吹出口10sから壁及び窓に向かって吹き出されて、壁及び窓を速やかに乾燥させる。このため、壁又は窓の湿った状態が継続することを防止して、カビの発生を抑制することができる。
次に、制御部102は、脱着モードの運転が開始してから経過した時間が閾値を超えるか否かを判定する(ステップS73)。この閾値は、10分間である。ステップS73の判定が否定された場合(ステップS73;No)、制御部102は、ステップS73の判定が肯定されるまで、ステップS73の判定を繰り返す。これにより、脱着モードの運転が10分間だけ継続することとなる。
ステップS73の判定が肯定された場合(ステップS73;Yes)、制御部102は、加熱部103による空気の加熱を停止させ、送風部10bに送風を停止させる(ステップS74)。その後、制御部102によって実行される処理は、脱着モードの運転から図3に示される処理に戻る。そして、制御部102は、脱着モードの運転が終了すると、一連の処理を終了する。
続いて、暖房需要がない春期又は秋期等の中間期に、除湿装置100によって実行される一連の処理について、図7を用いて説明する。除湿装置100は、例えば、現在の日付が冬期に含まれない場合、又は、ユーザによる設定温度の指示がなされない場合に、図3に示される処理に代えて図7に示される処理を実行する。なお、図7では、図3と同等のステップには同一の符号が付されている。
図7に示される処理では、制御部102が送風部10bに空気を送風させるステップS1(図3参照)が省略される。また、ステップS3の判定が否定された場合(ステップS3;No)、及びステップS4の判定が否定された場合(ステップS4;No)、制御部102は、暖房モードの運転(図3のステップS5参照)を実行することなく、ステップS2以降の処理を繰り返す。また、除湿モードの運転が開始すると、制御部102は、送風部10bに空気を送風させて(ステップS65)、ステップS62に処理を移行する。
以上、説明したように、除湿装置100は、除湿機能と暖房機能とを有している。このため、浴室200に隣接する空間300で冬期に定常的に発生する暖房需要を満たすとともに、空間300に発生する結露を抑制することができる。さらに、空間300において一時的に結露が発生した場合においても、空間300を速やかに乾燥させて、カビの発生を防止することができる。
ユーザの入浴後には、一時的に大きな除湿負荷が発生する。しかしながら、当該除湿負荷が生じる前に実行される暖房モードの運転では、除湿部104から水分が脱着し、除湿負荷が生じたときに実行される除湿モードの運転では、除湿部104が水分を吸着する。すなわち、除湿装置100は、一時的に発生する大きな除湿負荷を、この除湿負荷が生じる前後の暖房モード及び除湿モードの運転で処理することとなるため、時間的に分散して効率的な除湿を実現する。
また、除湿モードの運転では、除湿部104に水分を吸着させるため、除湿部104から凝縮潜熱が発生し、発生した熱を、暖房需要を満たすために利用することができる。したがって、浴室200から空間300に流入した湿気を単に屋外へ排出する場合、又は浴室200から空間300への湿気の流入を遮断する場合に比べて、除湿装置100は、暖房機能の省エネルギー性を向上させることができる。
また、除湿モードの運転で除湿部104に吸着した水分は、その後の脱着モードの運転で除湿部104から脱着することとなる。このため、除湿装置100は、浴室200から流出されていた湿気を利用して、脱着モードの運転の際に空間300を加湿することとなる。したがって、除湿装置100は、ユーザの入浴後に一時的に発生する大きな除湿負荷を、除湿モードの運転に加えて脱着モードの運転も利用して処理することとなるため、時間的に分散して除湿負荷を処理することができる。また、一般的に、冬期には空気が乾燥するため、空間300には加湿需要が生じている。除湿装置100は、脱着モードの運転により、このような加湿需要を満たすこともできる。
また、除湿部104が水分を吸着する除湿モードの運転が実行された後に、除湿部104から水分を脱着する脱着モードの運転が実行される。このため、除湿部104を構成するデシカント材の水分の吸着と再生とが同時に実行されることがない。したがって、除湿部104を構成するデシカント材を回転させたり、風路を切り替えたりする必要がなく、除湿装置100を簡易に構成することができる。
また、除湿装置100が除湿負荷を処理する際に凝縮水が生じることがないため、ドレンパン或いはドレン配水管を設置する必要がない。したがって、除湿装置100の製造コスト及び設置コストを低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
例えば、取得部101及び制御部102は、図1では、風路10dの外部に配置されていたが、風路10dの内部に配置されていてもよい。風路10dの内部に取得部101及び制御部102が配置される場合には、除湿装置100を一体的に製造することが容易になる。また、浴室200及び空間300を有する建物に予め設置されているコンピュータ、或いはユーザの所持する携帯端末にプログラムP1を実行させることにより、取得部101及び制御部102を構成してもよい。
また、風路10dには、空気の上流側から順に送風部10b、加熱部103、及び除湿部104が設けられたが、これには限られない。例えば、送風部10bは最下流側に設けられてもよいし、加熱部103は、最上流側に設けられてもよい。加熱部103が最上流側に設けられる場合には、除湿モードの運転において送風部10bに結露が発生したときに、その後に実行される脱着モードの運転で送風部10bの結露面を乾燥させることができる。
また、扉40が開放される場合以外に、空間300に設置された洗面台で大量の湯が使用された場合にも、除湿負荷が生じると考えられる。そこで、吸込口10iの近傍に湿度センサを設置しておいて、取得部101がこの湿度センサの検知結果を取得し、検知された湿度が閾値を超えたときに、制御部102が、浴室200が使用されて扉40が開けられたと判定してもよい。
また、風路10dは、除湿部104を通過する第1の風路と、除湿部104を迂回する第2の風路とを有し、制御部102は、除湿モード及び脱着モードでは、送風部10bに第1の風路に送風させ、暖房モードでは、送風部10bに第2の風路に送風させてもよい。脱着モードの終了後に除湿部104を通過する送風がなされなければ、次に除湿モードの運転が実行されるまで、除湿部104が再生された状態を維持することができる。
上記実施の形態に係る除湿装置100の機能は、専用のハードウェアによっても、また、通常のコンピュータシステムによっても実現することができる。
例えば、制御部102の記憶装置に記憶されているプログラムP1を、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムP1をコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する装置を構成することができる。
また、プログラムP1をインターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するようにしてもよい。
また、通信ネットワークを介してプログラムP1を転送しながら起動実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
更に、プログラムP1の全部又は一部をサーバ装置上で実行させ、その処理に関する情報をコンピュータが通信ネットワークを介して送受信しながらプログラムP1を実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等してもよい。
また、除湿装置100の機能を実現する手段は、ソフトウェアに限られず、その一部又は全部を専用のハードウェア(回路等)によって実現してもよい。
1000 除湿システム、 100 除湿装置、 101 取得部、 102 制御部、 103 加熱部、 104 除湿部、 10b 送風部、 10d 風路、 10i 吸込口、 10s 吹出口、 200 浴室、 20b 排気装置、 20d 排気ダクト、 20i 吸込口、 21,21a,21b 照明装置、 22 給湯配管、 300 空間、 30w 窓、 40,41 扉、 51−53 センサ、 P1 プログラム。

Claims (10)

  1. 浴室の使用の有無と前記浴室の扉の開閉とを示す情報を取得する取得手段と、
    前記扉を介して前記浴室に隣接する空間に配置される吸込口と吹出口とを有する風路と、
    前記風路に空気を送風する送風手段と、
    前記風路に流入した空気を加熱する加熱手段と、
    前記風路において前記加熱手段と前記吹出口との間に配置され、空気に含まれる水分を吸着することで除湿する除湿手段と、
    前記取得手段によって、前記浴室が使用されて前記扉が開けられたことを示す情報が取得されると、前記送風手段を制御して、前記送風手段に空気を送風させる制御手段と、
    を備える除湿装置。
  2. 前記制御手段は、前記取得手段によって、前記浴室が使用されて前記扉が開けられたことを示す情報が取得されると、前記送風手段と前記加熱手段の加熱量とを制御して、前記送風手段に空気を送風させて前記除湿手段に水分を吸着させる除湿モードの運転を実行し、該除湿モードの運転の後に、前記加熱手段の加熱量を前記除湿モードにおける加熱量より大きくして前記除湿手段から水分を脱着する脱着モードの運転を実行する、
    請求項1に記載の除湿装置。
  3. 前記制御手段は、前記送風手段と前記加熱手段の加熱量とを制御して、前記加熱手段によって加熱された空気を前記送風手段に送風させる暖房モードの運転を実行し、前記取得手段によって、前記浴室が使用されて前記扉が開けられたことを示す情報が取得されると、前記除湿モードの運転を実行し、該除湿モードの運転の後に前記脱着モードの運転を実行する、
    請求項2に記載の除湿装置。
  4. 前記制御手段は、前記除湿モードの運転を実行する際に、前記加熱手段に空気を加熱させない、
    請求項2又は3に記載の除湿装置。
  5. 前記制御手段は、前記除湿モードの運転を実行する際に、前記浴室に設置された排気手段を制御して、該排気手段に前記浴室の空気を排気させる、
    請求項2から4のいずれか一項に記載の除湿装置。
  6. 前記取得手段は、前記浴室に設置された照明の点灯の有無を示す情報を、前記浴室の使用の有無を示す情報として取得する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の除湿装置。
  7. 前記取得手段は、前記浴室での湯の使用の有無を、前記浴室の使用の有無を示す情報として取得し、
    前記制御手段は、前記浴室で湯が使用されてから経過した時間の長さが閾値より短いときに、前記送風手段を制御する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の除湿装置。
  8. 前記吸込口は、前記扉の上方に設置され、
    前記吹出口は、前記空間の壁又は窓に向かって空気を吹き出す、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の除湿装置。
  9. 浴室の使用の有無と前記浴室の扉の開閉とを示す情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにおいて、前記浴室が使用されて前記扉が開けられたことを示す情報が取得されると、送風手段を制御して、該送風手段に、前記扉を介して前記浴室に隣接する空間に配置された吸込口及び吹出口と、前記吸込口から流入した空気を加熱する加熱手段と、前記加熱手段と前記吹出口との間に配置され、空気に含まれる水分を吸着することで除湿する除湿手段と、を有する風路に空気を送風させる制御ステップと、
    を含む除湿方法。
  10. コンピュータを、
    浴室の使用の有無と前記浴室の扉の開閉とを示す情報を取得する取得手段、
    前記取得手段によって、前記浴室が使用されて前記扉が開けられたことを示す情報が取得されると、送風手段を制御して、該送風手段に、前記扉を介して前記浴室に隣接する空間に配置された吸込口及び吹出口と、前記吸込口から流入した空気を加熱する加熱手段と、前記加熱手段と前記吹出口との間に配置され、空気に含まれる水分を吸着することで除湿する除湿手段と、を有する風路に空気を送風させる制御手段、
    として機能させるためのプログラム。
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