JP2006226217A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Toshiyuki Ishii
理之 石井
Kazutoyo Osuga
一豊 大須賀
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【課題】 本発明は、はんだ付けおよびワイヤボンディングを使用せずに、熱応力または外的機械力に強い導電性接着剤を使用したパワースイッチユニットを備えた内燃機関用点火装置に関するものである。
【解決手段】 銅フレームの上には、直接またはセラミック基板を介して前記パワースイッチが載置されている。リードフレームは、前記入力電極およびグランド電極がそれぞれ接続されている。第1導電性接着剤は、前記出力電極と銅フレームの間に層状に形成され、常温によって、前記両者を電気的に接続する。第2導電性接着剤は、前記入力電極およびグランド電極とリードフレームとの間に層状に形成され、前記両者を電気的に接続する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、はんだ付けおよびワイヤボンディングを使用せずに、熱応力または外的機械力に強い導電性接着剤を使用したパワースイッチユニットを備えた内燃機関用点火装置に関するものである。
従来のパワースイッチユニットを構成する回路素子は、構成部品を電気的に接続するために、はんだによる接合、あるいはアルミニウムや金等の導電性金属線によるワイヤボンディングが用いられていた。前記パワースイッチユニットは、たとえば、パワートランジスタ、電流制限回路等の付加回路を搭載した混成集積回路基板、あるいはパワースイッチユニットとしての機能を一枚のチップに集積したものが用いられていた。そして、これらの回路、回路素子等における電気的接続、および外部端子との電気的接続は、ワイヤボンドまたははんだ付けにより行われていた。
内燃機関用点火装置における電気的接続は、はんだ付けまたはワイヤボンディングを用いたものとして、たとえば、特開平08−69926号公報、および特開平11−37022号公報がある。
特開平08−69926号公報 特開平11−37022号公報
前記従来のはんだ付けによる電気的接続は、内燃機関の点火中および非点火中の温度サイクルあるいは経年変化による熱疲労で、はんだ中にクラックが発生し、電気的接続不良を起こすことがあった。また、前記温度サイクルは、はんだ中にあるボイド(空孔)の拡大、あるいはクラックの発生が電気抵抗を増加させる結果になる場合がある。前記ボイドの発生、クラックの発生、電気抵抗の増加等を少なくするためには、はんだ付け工程における温度管理を厳密に行う必要があった。
ワイヤボンディングは、ワイヤの線径が一般的に300μm程度であり、接合部に外部から応力がかかると破断し易いという欠点がある。前記ワイヤは、チップやハイブリッドIC基板上に予め設けられたボンディングパッド(合金製)や、ボンディングエリア(導体)に溶接される。前記ボンディングパッドは、基板上に直接はんだ付けされるため、前記ボンディングパッドという余分な部品を必要とする。
以上のような課題を解決するために、本発明は、はんだ付けおよびワイヤボンディングを用いて接合することなく、熱応力または外部から機械的力が加わっても、電気的抵抗が高くなったり、あるいは接続部の断線等を防止することができる内燃機関用点火装置を提供することを目的とする。
(第1発明)
第1発明の内燃機関用点火装置は、エンジンコントロールユニットから出力される点火信号に応じて、点火コイルに流れる一次電流を通電・遮断制御し、コイル二次側に高電圧を発生させるパワースイッチを構成する回路素子と、前記パワースイッチの周囲を絶縁保護する絶縁部材とを少なくとも備えており、パワートランジスタおよび/または混成集積回路等の回路素子から構成されるパワースイッチと、前記パワースイッチに備えられているグランド電極および入出力電極と、前記パワースイッチを載置する銅フレームと、前記入力電極および前記グランド電極に接続されるリードフレームと、前記出力電極と銅フレームの間に形成された第1導電性接着剤と、前記入力電極および前記グランド電極とリードフレームとの間に形成された第2導電性接着剤とから構成されていることを特徴とする。
(第2発明)
第2発明の内燃機関用点火装置は、第1発明の絶縁部材が第1導電性接着剤および第2導電性接着剤の線膨張係数とほぼ同じものが選択されていることを特徴とする。
(第3発明)
第3発明の内燃機関用点火装置は、第1発明および第2発明の絶縁部材、第1導電性接着剤、および第2導電性接着剤にアクリル系樹脂が用いられていることを特徴とする。
本発明によれば、はんだ付けや、ワイヤボンディングという複雑な工程を経ることなく、導電性接着剤を用いることにより、取り付けが容易で、かつ、確実な電気的接続を可能にすることができる。
本発明によれば、絶縁樹脂部材、導電性接着剤の線膨張係数をほぼ同じにすることにより、なお一層、電気的接続に信頼性をもたせることができるようになった。
本発明によれば、絶縁樹脂部材および導電性接着剤にエポキシ系樹脂のものを使用することにより、電気的接続により一層信頼性をもたせることができるようになった。
本発明によれば、パワースイッチの構成部品点数を少なくするとともに、ボンディングパッド等の材料を使用しないだけ材料費を低減できるようになった。
本発明によれば、ワイヤの配線を引き回すことがないため、部品の小型化が可能である。また、本発明によれば、はんだを使用しないため、環境負荷物質に対する懸念がなくなるようになった。
(第1発明)
第1発明の内燃機関用点火装置は、エンジンコントロールユニットから出力される点火信号に応じて、点火コイルに流れる一次電流を通電・遮断制御し、コイル二次側に高電圧を発生させるパワースイッチを構成する回路素子と、前記パワースイッチの周囲を絶縁保護する絶縁部材とを少なくとも備えている。前記パワースイッチは、パワートランジスタ、混成集積回路、あるいは、トランジスタおよび混成集積回路等の回路素子から構成される。前記パワースイッチを構成する回路素子には、一枚の基板上にパワートランジスタおよびその他の素子を混載したもの、あるいは複数枚の基板上にパワートランジスタや回路素子等を集積したものがある。また、前記パワースイッチには、グランド電極および入出力電極が備えられている。
銅フレームの上には、直接またはセラミック基板を介して前記パワースイッチが載置されている。リードフレームは、前記入力電極およびグランド電極がそれぞれ接続されている。第1導電性接着剤は、前記出力電極と銅フレームの間に層状に形成され、たとえば、常温によって、前記両者を電気的に接続する。第2導電性接着剤は、前記入力電極およびグランド電極とリードフレームとの間に層状に形成され、前記両者を電気的に接続する。線径の細いワイヤを使用するワイヤボンディング、または鉛を含むはんだ付けを行っていないため、接続時または経年変化による熱応力で、電気的接続不良を発生させることを無くすだけでなく、はんだによる環境破壊を防止することができる。
(第2発明)
第2発明における内燃機関用点火装置は、パワースイッチにおいて、第1発明の絶縁部材の線膨張係数が第1導電性接着剤および第2導電性接着剤の線膨張係数とほぼ同じにしたため、経年変化による熱応力が加わっても、電気的接続部が破壊または損傷されることがない。
(第3発明)
第3発明における内燃機関用点火装置は、第1発明および第2発明の絶縁部材、第1導電性接着剤、および第2導電性接着剤にアクリル系樹脂を用いる。本出願人は、絶縁部材としてアクリル系樹脂があり、また、導電性接着剤にもアクリル系樹脂のものがあることに着目した。その結果、絶縁部材と第1導電性接着剤および第2導電性接着剤を用いたパワースイッチは、同じアクリル系樹脂のものを使用しているため、熱応力の変化に順応できるようにした。
図1は本発明における第1実施例のパワートランジスタを説明するための図で、(イ)は正面図、(ロ)は断面図、(ハ)は裏面図である。図2は本発明におけるパワートランジスタの電気的接続を説明するための図で、(イ)は正面図、(ロ)は断面図である。図1において、パワートランジスタ4は、たとえば、上部にベース電極5およびエミッタ電極6、下部にコレクタ電極7を備えている。前記パワートランジスタ4は、前記ベース電極5およびエミッタ電極6と、コレクタ電極7がたとえば、図1に示された形状に構成されている。
図2において、パワートランジスタ4は、銅フレーム9上に導電性接着剤8の層を全面に形成し、その上に載置される。また、前記ベース電極5およびエミッタ電極6の上には、導電性接着剤8′の層を介してリードフレーム9′が載置される。前記導電性接着剤8、8′は、公知の同じ材料からなるものであり、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の内部に導電性粒子からなる金、銀、ニッケル、カーボン等が配合される。また、常温硬化型導電性接着剤としては、1液タイプのアクリル系樹脂、および2液タイプのエポキシ系樹脂がある。
本実施例は、銅フレーム9およびリードフレーム9′と、導電性接着剤8、8′を介在することにより前記パワートランジスタ4の各電極と電気的に接続されるため、はんだあるいはワイヤボンディング等と比較して、作業が容易で、かつ、信頼性の高い接続が可能である。さらに、本実施例は、パワースイッチユニット内に充填する絶縁部材を前記導電性接着剤の線膨張係数とほぼ同じにすることにより、経年変化によっても、熱応力のかかりかたが少なく、信頼性のある内燃機関用点火装置ができる。
本発明における第2実施例は、前記パワートランジスタの代わりに複数の回路素子の組立体あるいは混成集積回路とすることができる。前記回路素子組立体あるいは混成集積回路の出力電極は、前記同様に、銅フレーム9に導電性接着剤8を介して接続する。また、前記回路素子組立体あるいは混成集積回路の入力電極およびグランド電極は、導電性接着剤8′を介してリードフレーム9′に接続される。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明の実施例に記載された内燃機関用点火装置に使用する導電性接着剤は、公知または周知のものを使用することができる。また、本発明の実施例に記載された内燃機関用点火装置およびパワースイッチは、公知または周知のものを適用できる。
本発明における第1実施例のパワートランジスタを説明するための図で、(イ)は正面図、(ロ)は断面図、(ハ)は裏面図である。(実施例1) 本発明におけるパワートランジスタの電気的接続を説明するための図で、(イ)は正面図、(ロ)は断面図である。
符号の説明
4・・・パワートランジスタ
5・・・ベース電極
6・・・エミッタ電極
7・・・コレクタ電極
8、8′・・・導電性接着剤
9・・・銅フレーム
9′・・・リードフレーム

Claims (3)

  1. エンジンコントロールユニットから出力される点火信号に応じて、点火コイルに流れる一次電流を通電・遮断制御し、コイル二次側に高電圧を発生させるパワースイッチを構成する回路素子と、前記パワースイッチの周囲を絶縁保護する絶縁部材とを少なくとも備えている内燃機関用点火装置において、
    パワートランジスタおよび/または混成集積回路等の回路素子から構成されるパワースイッチと、
    前記パワースイッチに備えられているグランド電極および入出力電極と、
    前記パワースイッチを載置する銅フレームと、
    前記入力電極および前記グランド電極に接続されるリードフレームと、
    前記出力電極と銅フレームの間に形成された第1導電性接着剤と、
    前記入力電極および前記グランド電極とリードフレームとの間に形成された第2導電性接着剤と、
    から構成されていることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 前記絶縁部材は、前記第1導電性接着剤および第2導電性接着剤の線膨張係数とほぼ同じものが選択されていることを特徴とする請求項1に記載された内燃機関用点火装置。
  3. 前記絶縁部材、第1導電性接着剤、および第2導電性接着剤には、アクリル系樹脂が用いられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された内燃機関用点火装置。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0422762A (ja) * 1990-05-16 1992-01-27 Mitsubishi Electric Corp イグナイタ
JP2000269415A (ja) * 1999-03-18 2000-09-29 Hitachi Ltd 内燃機関用の樹脂封止形電子装置
JP2001153017A (ja) * 1999-12-01 2001-06-05 Hitachi Ltd 内燃機関用点火装置

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