JP4651090B2 - スイッチングユニット - Google Patents
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Description
上記のような箱状のケーシングを用いたスイッチングユニットでは、ケーシングに対する組み付け工程等が必要となってくるが、これに対して、型内で構成部品と共に一体に成形するいわゆるモールド成形によってケーシングを形成することで、ケーシングに対する組み付け工程を省略し、製造効率の向上を図ることが行われている。
しかしながら、このようなスイッチングユニットが自動車に搭載されたような場合、その使用環境によっては、温度の寒暖差が極めて激しくなり、構成部品とケーシングの樹脂との熱膨張性の相違から接合部分に応力(熱応力)が作用し、場合によってはハンダクラック等が生じてスイッチングユニットの信頼性が損なわれてしまうおそれがあった。
接合箇所の周囲はケーシングよりも弾性のある被覆層で覆われているので、ケーシングに熱応力等が作用した場合でも、被覆層の弾性力でもって作用する力を受止めることができ、接合箇所へ力が作用し接合不良等が生ずることを規制する。従って、スイッチングユニットの信頼性の向上が可能となる。
被覆層が被覆層よりも剛性のあるケーシングで包囲されているので、被覆層が外部に露出することなく保護ができ、延いては、接合部を確実に保護ができるので、スイッチングユニットの信頼性が一層向上する。
ケーシング又は被覆層がスイッチングデバイスの本体に対して密着しているので、スイッチングデバイスで生じた熱がケーシング外部へ伝え易くなり、放熱性が向上する。
回路体を冷却するための放熱手段が外部に露出されているので、回路体の冷却効率が向上し、スイッチングユニット全体の放熱性が向上する。
本発明の実施形態1を図1ないし図3によって説明する。
スイッチングユニット10は、図1,2に示すように、ケーシング20で包囲されたユニット本体(本発明の「回路体」に相当する)15を有し、ユニット本体15からケーシング20の外側へ延出する接続端子12Aが相手側接続端子(図示なし)と接続することで電気接続箱(図示なし)等に着脱可能に装着されるようになっている。
スイッチングデバイス13は、電流のオン/オフを制御可能なものであって、本実施形態では半導体スイッチング素子を用いており、特に本実施形態では、半導体デバイス中にパワーMOSFET部と、過熱保護機能或いはPWM信号発信部等を有する制御部とをワンチップ上に配設したものを用いている。
また、本実施形態では回路基板11の片側(図1の右側)にスイッチングデバイス13を実装すると共に、その反対側(図1の左側)に(詳細には図示しないが)制御系の回路を配設している。
さらに、バスバー回路12を構成するバスバーには、ユニット本体15から延出する接続端子12Aが一体に形成されており、この接続端子12Aによって、図示しない電気接続箱等の相手側接続端子と嵌合可能となっている。尚、本実施形態では、図1に示すように、5本の接続端子12Aを備えているが、これらのうち図1における左側の3本が制御系端子として用いられ右側の2端子が電力系端子として用いられている。また、制御系端子(図1の左側3本の端子)の先端部はプレス加工によって電力系端子(図1の右側2本の端子)よりも薄く形成されている。
この絶縁部材30は、絶縁性を備えた樹脂で略角柱形状に形成されており、放熱板25の接続端子12A側(図2の左側)の端部に形成された切欠き部26に嵌め込まれている。切欠き部26は放熱板25の幅方向に亘って絶縁部材30の形状に合わせて略角柱形状に切削して形成されており、絶縁部材30を嵌め込むことにより、放熱板25の上面(バスバー回路12の貼付け面)は絶縁部材30の上面と略面一となる。これにより、放熱板25の上面とバスバー回路12の下面との接着においても段差等が生ずることなく確実に接着ができるようになっている。また、接続端子12Aに電流が流れた場合でも、接続端子12Aの基端部と放熱板25との間には絶縁部材30が介在しているので、接続端子12Aと放熱板25との間に短絡等が生ずることがないようになっている。
この被覆部40は、シリコン系ゲル或いはブチレン系ゴムで形成されており、ケーシング20を構成する樹脂よりも弾性を備えると共に、ケーシング20の成形時にもケーシング20の樹脂の熱で溶融しない特性を備えるものである。そして、被覆部40はケーシング20の成形前に各端子の接合箇所Jの周囲全体を包囲するように塗布されることで形成され(図3参照)、その後、ケーシング20の成形工程がなされる。これにより、被覆部40は、図2に示すように、各端子の接合箇所Jを包囲すると共に、この被覆部40はその周囲をケーシング20によって取り囲まれて外部には露出しないようになっている。
尚、電気接続箱(図示なし)のメンテナンス時等において、スイッチングユニット10は抜脱可能であり、必要に応じて交換されて使用できるようになっている。
それに加えて、ケーシング20がスイッチングデバイス13の本体に対して密着しているので、スイッチングデバイス13で生じた熱がケーシング20外部へ伝え易くなるので、放熱性が一層向上する。
次に、本発明の実施形態2を図4によって説明する。
本実施形態のスイッチングユニット10Aは、被覆部40Aの形状が上記実施形態1と相違するものであるが、他の同様の構成については同様の符号を付し、重複した説明は省略する。
本実施形態では、被覆部40Aがユニット本体15の上面側全体を覆うように層状に形成されている。また、さらに本実施形態では被覆部40Aアルミナ等のフィラーが添加されていることで、被覆部40Aの放熱性を高めることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では被覆層として各端子の接合箇所Jの周囲のみを覆う被覆部40又は、ユニット本体15の上面側全体を覆う層状の被覆部40Aを挙げたが、これに限らず、どのような形状の被覆層であってもよい。また、被覆層はケーシング20に内包されるものに限らず、外部に露出されるものであってもよい。
(3)上記実施形態において、制御系回路にIC、マイコン等を実装するものであってもよい。
(4)上記実施形態では放熱板25を備えるものであったが、これに限らず、放熱板25のような放熱手段を備えていないものであってもよい。
(5)上記実施形態では別体の絶縁部材30を備えるものであったが、ケーシング20と一体に形成した絶縁部材30を備えるものであってもよい。
(6)上記実施形態において、さらに放熱面積を増加するため放熱板に放熱フィン等の放熱手段を追加する構造のものであってもよい。
(7)上記実施形態ではスイッチングデバイス13に半導体スイッチング素子を用いるものであったが、これに限らず、ベアチップ等を実装するものであってもよい。
(8)上記実施形態ではケーシング20が樹脂製のものであったが、例えば金属製のものであってもよい。この場合、例えば、金属製ケーシングの表面に絶縁被膜を形成する等してケーシングとユニット本体との間の絶縁を図る構成とするのが望ましい。
11…回路基板
12…バスバー回路
12A…接続端子
13…スイッチングデバイス
15…ユニット本体(回路体)
20…ケーシング
25…放熱板(放熱手段)
40…被覆部(被覆層)
J…接合箇所
Claims (4)
- 電流のオン/オフを制御可能なスイッチングデバイスと、外部との接続を行うための接続端子とを備えるスイッチングユニットにおいて、
絶縁物を介して互いに密着された回路基板とバスバー回路との双方に対して前記スイッチングデバイスの端子を接合することで導通接続してなる回路体を備え、
前記回路体を収容するケーシングがモールド成形によって一体に形成されると共に、
前記バスバー回路のうち前記接続端子に連なる部分と前記スッチングデバイスとの接合箇所が、前記ケーシングよりも弾性のある被覆層で被覆されていることを特徴とするスイッチングユニット。 - 前記被覆層が前記ケーシングで包囲されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチングユニット。
- 前記スイッチングデバイスの本体に対してケーシング又は被覆層が密着していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスイッチングユニット。
- 前記回路体には前記回路体を冷却するための放熱手段を備えると共に、この放熱手段がケーシングから外部に露出されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスイッチングユニット。
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