JP2004336945A - 電力変換装置及び電力変換システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電力変換装置において、配線パターンの厚みや面積を大きくすることなしに、局所的に大電流を流すことのできるプリント配線基板のコストを低減する。
【解決手段】直列接続された2つのコイルを含む1次コイルと、2次コイルとを有するトランスと、2つのコイルの互いに接続されない端子と電気的に接続され、2つのコイルへ供給する電力をそれぞれ切り換える2つのスイッチング素子と、第1及び第2の入力端子、トランスの端子接続用のランド、及び2つのスイッチング素子の電極接続用のランドが設けられているプリント配線基板1と、を有する電力変換装置において、第1の入力端子と2つのコイルの互いに接続される端子とを第1のバスバー11で電気的に接続し、第2の入力端子と2つのスイッチング素子のソース電極とを第2のバスバー12で電気的に接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】直列接続された2つのコイルを含む1次コイルと、2次コイルとを有するトランスと、2つのコイルの互いに接続されない端子と電気的に接続され、2つのコイルへ供給する電力をそれぞれ切り換える2つのスイッチング素子と、第1及び第2の入力端子、トランスの端子接続用のランド、及び2つのスイッチング素子の電極接続用のランドが設けられているプリント配線基板1と、を有する電力変換装置において、第1の入力端子と2つのコイルの互いに接続される端子とを第1のバスバー11で電気的に接続し、第2の入力端子と2つのスイッチング素子のソース電極とを第2のバスバー12で電気的に接続する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電力変換装置及び電力変換システムに関し、特に、直流電力を昇圧するトランス及びスイッチング素子を有し、局所的に低電圧大電流となる回路を含む電力変換装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題への取り組みなどから、太陽電池または燃料電池で発電した直流電力を、電力変換装置により、交流電力に変換して家庭内の負荷(以下「負荷」と呼ぶ)及び/または商用電力系統(以下「系統」と呼ぶ)に供給する、あるいは、所定の直流電圧に変換して負荷の駆動に利用すること、などが行われている。
【0003】
上記で用いる電力変換装置のほとんどは、太陽電池の出力電圧を所定電圧まで昇圧する機能を有し、昇圧後の電力は直流負荷に使用されるか、あるいは直流−交流変換装置に入力され、交流に変換された後、系統に接続される。
【0004】
この場合、太陽電池自体を直列化(直列接続)して太陽電池の出力電圧を所定電圧まで高める方法もあるが、太陽電池の直列化には作業工程が多くなりコストが高くなることに加え、太陽光発電装置の非発電領域が多くなる、更には部分影の影響が大きくなるなどの欠点がある。
【0005】
そこで太陽電池の直列数を極力少なくし、太陽電池の出力電圧を高い電圧まで昇圧することにより、高電圧小電流の出力電力を取り出す太陽光発電装置が提案されている。
【0006】
このような太陽光発電装置では、太陽電池は単一のセル(一枚)あたり1V前後の低電圧しか出力できないため、高い昇圧比の直流−直流変換装置(DC−DCコンバータ)が必要となる。
【0007】
上述のような低電圧大電流の入力電力を高電圧に変換する電力変換装置で用いられる直流−直流変換装置の回路方式の一例として、従来から2つのスイッチング素子を交互に切り換えるプッシュプル回路が用いられている。
【0008】
このような回路をプリント配線基板に実装する場合には、大電流が流れる1次側のパターンの配線抵抗による損失を低減するように、様々な工夫がなされている。
【0009】
図13は、従来のプリント配線基板にパワー半導体素子が実装された部分を拡大した断面図である。図示されたように、プリント配線基板のベースとなる基材1301上に、数十μmの厚さの配線用パターン1302が形成され、大電流が流れる部分に対しては、配線抵抗を低減させるために配線用パターン1302の上に銅メッキ処理を施して配線パターン1305を積層し、配線パターンの厚さは数百μm程度まで厚くされる。そして、パワー半導体素子1303の制御電流等の小電流が流れる端子は、直接配線パターン1302に接続されるが、大電流が流れる端子は、積層された銅メッキ処理部1305に接続される。
【0010】
また、大電流が流れる部分に対して、銅メッキ処理をする代わりに、配線用パターン1302の上に銅箔を張り合わせて、配線抵抗を低減することも行われている。
【0011】
これらの例は、特開平1−253293号公報(特許文献1)や特開平7−221411号公報(特許文献2)に示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平1−253293号公報
【特許文献2】
特開平7−221411号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように大電流が流れる部分に対してのみ銅メッキ処理や銅箔の張り合わせを行うと、当然、プリント配線基板の製造工程が多くなり、小電流用の配線パターンのみから構成されるプリント配線基板と比較して、生産効率が低くなり、プリント配線基板のコストが上昇する。
【0014】
更に、図13に示されたように、大電流用の配線パターンと小電流用の配線パターンとの間に厚みの差dが生じ、これら厚みの異なる配線間を跨いで電子部品を実装する場合、電極端子を通常とは逆の方向(実装面から離間する図中矢印方向)に折り曲げて配線パターンと接続する必要が生じる。このような方法で実装すると、手間がかかると共に端子の強度や耐久性が劣化してしまう。
【0015】
また、どのような方法で大電流用の配線パターンを形成するかに関係なく、プリント配線基板上に厚いパターンを形成することとなるので、プリント配線基板自体が著しく厚くなってしまう。
【0016】
一方、大電流用の配線パターンのパターン面積を大きくすることで、配線抵抗を低減することも考えられる。しかしながら、大電流用の配線パターンの面積を大きくすると、プリント配線基板全体の面積が大きくなり、配線基板のコストが上昇すると共に、そのような基板を用いた装置が大型化してしまう。
【0017】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、配線パターンの厚みや面積を大きくすることなしに、局所的に大電流を流すことのできるプリント配線基板のコストを低減することができる、電力変換装置の構成を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の一態様としての電力変換装置は、入力された直流電力を変換して出力する電力変換装置であって、
直列接続された第1及び第2のコイルを含む1次コイルと、2次コイルとを有するトランスと、
前記第1及び第2のコイルの互いに接続されない端子と電気的に接続され、前記第1及び第2のコイルへ供給する電力をそれぞれ切り換える第1及び第2のスイッチング素子と、
第1及び第2の入力端子、前記トランスの端子接続用のランド、及び前記第1及び第2のスイッチング素子の電極接続用のランドが設けられているプリント配線基板と、
前記第1の入力端子と前記第1及び第2のコイルの互いに接続される端子とを電気的に接続する第1のバスバーと、
前記第2の入力端子と前記第1及び第2のスイッチング素子のソース電極とを電気的に接続する第2のバスバーと、を備えている。
【0019】
すなわち、本発明では、入力された直流電力を変換して出力すべく、直列接続された第1及び第2のコイルを含む1次コイルと、第1及び第2のコイルの互いに接続されない端子と電気的に接続され、第1及び第2のコイルへ供給する電力をそれぞれ切り換える第1及び第2のスイッチング素子と、第1及び第2の入力端子、トランスの端子接続用のランド、及び第1及び第2のスイッチング素子の電極接続用のランドが設けられているプリント配線基板と、を有する電力変換装置において、第1の入力端子と第1及び第2のコイルの互いに接続される端子とを第1のバスバーで電気的に接続し、第2の入力端子と第1及び第2のスイッチング素子のソース電極とを第2のバスバーで電気的に接続する。
【0020】
このようにすると、大きな電流が流れる配線パターンを、プリント配線基板とは別に設けたバスバーにより構成し、配線抵抗を低減することが可能となる。更に、このバスバーを、例えばプリント配線基板の縁部あるいは外周近辺に配置すると、配線基板上に厚い配線パターンを形成する必要がなく、装置全体を薄くすることができると共に実装や組立が容易となる。
【0021】
なお、第1及び第2のコイルの互いに接続される端子の一つが第1のバスバーの一方の面で電気的に接続されており、第1及び第2のコイルの互いに接続される端子の他方が第1のバスバーの他方の面で電気的に接続されているようにしてもよい。この場合、トランスは巻芯として柱状体を有し、第1及び第2のコイルは互いに巻回方向が逆であり、各コイルの2つの端子が、柱状体の異なる側から引き出されているのが好ましい。
【0022】
また、第1及び第2のバスバーは、プリント配線基板の基材の厚さと略等しい厚さを有し、プリント配線基板と同一平面上に配置されていると、実装が用となると共に装置全体を薄くすることが可能となる。
【0023】
更に、第1及び第2のバスバーがプリント配線基板の縁部に沿って配置されており、第1及び第2のバスバーを含めた形状が長方形であるのが好ましい。
【0024】
また、第1及び第2のバスバーの少なくとも1つは、プリント配線基板のバスバーに隣接する部分に設けられたランドを介してプリント配線基板と電気的に接続され、該電気的接続によりプリント配線基板に機械的に固定されるようにしてもよい。
【0025】
第1及び第2のバスバーに、プリント配線基板と接する部分に少なくとも1つの凸部を設け、プリント配線基板は各凸部に対応する位置に凹部を有し、凸部と凹部とが噛み合うことで各バスバーがプリント配線基板に機械的に固定されているようにしてもよい。
【0026】
プリント配線基板の凹部にランドを設け、該ランドによって対応するバスバーと電気的に接続するようにしてもよい。
【0027】
なお、電気的接続とは、半田付け、溶接及びねじ止めのいずれかであってよい。
【0028】
電力変換装置は、第1及び第2のスイッチング素子を交互に切り換えるプッシュプル動作を行う制御回路を含むのが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。各図において同様な構成要素は同じ参照番号で示し、詳細な説明は省略する。
【0030】
本明細書においては、プリント配線基板に部品を半田付け等によって固定・接続することを「実装」と称し、プリント配線基板に設けられた配線パターンのうち、部品や端子が接続される銅箔等が露出した部分を「ランド」と称する。
【0031】
尚、以下ではプッシュプル回路を含む電力変換装置を例に挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0032】
<第1の実施形態>
以下、図1〜図6を参照して、本発明に係る第1の実施形態について説明する。
【0033】
図2は、本実施形態の電力変換装置のプッシュプル回路の構成を示す回路図である。
【0034】
図2に示すように、本実施形態のプッシュプル回路の1次回路は入力側+端子(IN+)、入力側−端子(IN−)、入力平滑コンデンサ13、プッシュプル回路用のトランス(以下、単にトランスと称する)14、スイッチング素子SW1及びSW2、制御回路15より構成される。また、2次回路は、ダイオードブリッジ16および出力平滑コンデンサ17、出力側+端子(OUT+)、出力側−端子(OUT−)により構成される。
【0035】
IN+およびIN−端子は、プッシュプル回路の入力端子であり、例えば、太陽電池や燃料電池などの直流電源の+端子と−端子にそれぞれ接続される。入力平滑コンデンサ13は、プッシュプル回路のIN+端子とIN−端子間の電圧を平滑化するコンデンサである。
【0036】
図2に示すプッシュプル回路に適用するトランス14のコイルは、1次コイルと2次コイルからなり、1次コイルは直列接続された1組のコイルL1及びL2より構成され、これらコイルの直列接続点が1次コイルのセンタタップ(以下、CT)として取り出される構成をなす。なお、1組のコイルL1及びL2は、CT側の端部の極性が互いに逆極性となるように直列接続される。
【0037】
詳細には、1次コイルは、コイル端部▲1▼及びコイル端部▲2▼を有するコイルL1と、コイル端部▲3▼及びコイル端部▲4▼を有するコイルL2とからなる。なお、コイル端部▲1▼とコイル端部▲4▼はそれぞれ、SW1およびSW2のドレイン電極端子と接続され、コイル端部▲2▼とコイル端部▲3▼はCTとして取り出され、IN+端子と接続される。また、上記SW1およびSW2のソース電極端子は、IN−端子と接続される。
【0038】
トランス14の2次コイルの端部、すなわちトランスの端子▲5▼およびトランスの端子▲6▼は、ダイオードブリッジ16と接続される。ダイオードブリッジ16は、トランス14の出力を入力して、全波整流した後、プッシュプル回路の出力としてOUT+端子およびOUT−端子へ出力する。また、図2のプッシュプル回路には直流電圧の変動を抑制する目的で、出力端子間に出力平滑コンデンサ17を接続する。
【0039】
なお、本実施形態では、図2のスイッチング素子SW1およびSW2としてはMOSFETを使用しているが、本発明で使用するスイッチング素子の種類はこれに限定されない。
【0040】
図3は、本実施形態に用いるトランス14の構成を説明するための斜視図であり、プッシュプル回路を含むスイッチング電源回路に用いられるトランスの代表的な構成を示している。
【0041】
トランス14は、ボビン301、1次コイル303、2次コイル304、コア307より構成される。
【0042】
詳細には、トランス14のコイルは、ボビン301の巻芯302へ巻き回された1次コイル303および2次コイル304より構成されており、各コイルの端部は、ボビンの▲1▼〜▲6▼のピン端子305へ接続されている。またトランス14のコア307は、ボビン301に設けられた挿入口306へ挿入される一組のE型コアであるEE型コアにて構成される。
【0043】
なお、図2に示すトランス14のコイル端部の番号▲1▼〜▲6▼と、上記の図3に示すトランス14のピン端子の番号▲1▼〜▲6▼は1対1で対応しており、コイルの接続関係も同一構成である。また、以下の実施形態でも、同一のコイルの端部番号は、図2のトランス14の端子番号と1対1で対応しているものとする。
【0044】
制御回路15は、上記スイッチング素子SW1およびSW2のゲートを駆動するためのゲート駆動回路および、ゲート駆動回路用の電源回路より構成される。
【0045】
上記のIN+端子とIN−端子には直流電源が接続され、入力された直流電力は、制御回路15のゲート駆動回路へ供給される。ゲート駆動回路は、入力された直流電力の電圧が所定の閾値を超えると上記のSW1およびSW2のゲートへ、パルス信号を出力する。なお、SW1およびSW2のゲート駆動電流は、主回路電流と比較して十分小さいため、この制御回路15の入出力の配線パターンとしては、プリント配線基板に形成される小電流用の配線パターンが用いられる。
【0046】
図4は、本実施形態のスイッチング素子SW1およびSW2の各電極端子の配置を説明するための図である。
【0047】
図4に示すように、SW1およびSW2は、一般的に用いられる表面実装用パッケージ401を有するMOSFETであり、パッケージ表面のうち、プリント配線基板に実装される面がドレイン電極402となっている。また、パッケージ表面のうち、実装面と垂直をなす一側面から3本のソース電極403と1本のゲート電極404が設けられており、それぞれ実装面に半田付け等で接続される。
【0048】
図5は、図2に示したプッシュプル回路が実装されるプリント配線基板1の実装面を示す図である。
【0049】
プリント配線基板1において、2〜4は配線パターン、5〜9は部品接続用のランド、10はスルーホールをそれぞれ示している。ここで、配線パターン2〜配線パターン4、ランド5〜ランド9は、配線基板1上に形成された導箔により構成される。
【0050】
配線パターン2は、制御回路15のIN−端子と後記するバスバー12を接続する配線パターンである。なお、制御回路15のIN+電極は、プリント配線基板1の裏面を介して、後記のバスバー11と接続される。また、配線パターン3は、トランス14の端子▲5▼および端子▲6▼と、ダイオードブリッジ16を接続する配線パターンである。さらに、配線パターン4は、ダイオードブリッジ16の出力とプッシュプル回路のOUT+端子およびOUT−端子を接続する配線パターンである。
【0051】
ランド5は、配線パターン2の端部に形成されたランドであり、後記するバスバー12と接する基板端部に設けられている。そして、ランド5は、バスバー12と半田付けされることで電気的に接続される。また、この半田付けにより、配線基板1にバスバー12とが機械的に固定される。なお、バスバーをプリント配線基板との間の電気的接続方法は、半田付け以外に溶接やネジによる接続でもよいが、電気的接続により、両者が機械的にも接続されるようにする。
【0052】
ランド6は、配線パターン3に形成されたランドであり、トランスの端子▲5▼および端子▲6▼が半田付けされる。さらにランド7は、配線パターン4に形成されており、ランド間に出力平滑コンデンサ17が実装されると共に電力変換装置18の出力端子として使用される。
【0053】
また、ランド8は、配線基板1に島状に形成されたランドであり、SW1およびSW2のドレイン電極端子が実装されると共に、トランス14の端子▲1▼および端子▲4▼が実装される。従って、SW1およびSW2のドレイン電極端子は、ランド8を介して、トランス14の端子▲1▼および端子▲4▼と電気的に接続される。そして、ランド9は、配線基板1に島状に形成されたランドであり、SW1およびSW2のゲート電極端子が実装される。
【0054】
スルーホール10は、配線基板1の表裏面を接続するスルーホールである。なお、上記のゲート駆動回路15の出力は、配線基板1の裏面に配置される配線パターンと接続されており、スルーホール10により、この裏面の配線パターンとランド9が接続されている。
【0055】
図1は、図5に示したプリント配線基板1に各種部品を実装して構成した電力変換装置18の上面図である。
【0056】
電力変換装置18は主として、バスバー11、バスバー12、入力平滑コンデンサ13、プリント配線基板1、プリント配線基板1へ実装された各種素子にて構成されるプッシュプル回路方式の電力変換装置である。図中Sで示した部分は半田付けにより接続されている部分である。
【0057】
なお、本実施形態の電力変換装置は、図2に関して説明したように、1次側が低電圧・大電流の電力を扱うプッシュプル回路方式の電力変換装置である。そこで、本実施形態では、図2に示すプッシュプル回路において太線で表されている低電圧・大電流を扱う1次側主回路配線を、バスバーを用いて接続し、電力変換装置における配線抵抗による損失を低減する。
【0058】
具体的にはバスバー11及びバスバー12により、図2のプッシュプル回路の太線部分の配線を構成する。詳細には、バスバー11により、プッシュプル回路のIN+端子とトランス14の端子▲2▼および端子▲3▼とを接続して、トランス14のCTを構成する。また、バスバー12により、IN−端子とSW1およびSW2のソース電極端子を接続する。
【0059】
なお、図1と図5を比較すると分かるように、バスバー11やバスバー12は、配線基板1の縁部に沿って配置され、プリント配線基板1に固定されたときに長方形となるような形状である。あるいは、プリント配線基板1の縁部をバスバー11及び12の形状に合わせて加工してもよい。いずれにしても、プリント配線基板1にバスバー11及び12が固定されたときの形状が長方形となるようにすることが望ましい。
【0060】
図6は、本実施形態のプリント配線基板にパワー半導体素子が実装された部分を図13と同様に示す部分断面図である。
【0061】
図6に示すように、本実施形態ではバスバー11及び12の厚みを、プリント配線基板1の基材601の厚みと同一としている。従って、大電流用の配線パターンであるバスバーと小電流用の配線パターンとの間の厚みの差は、小電流用の配線パターンの厚さである数十μmとなり、実質的には段差がないのと同様である。このため、スイッチング素子SW1およびSW2のソース電極をバスバー12に接続する際に、実装面から離間する方向に折り曲げる必要がなく、接続及び半田付けが容易となる。
【0062】
以上のように、本実施形態の電力変換装置18では、配線基板とは別にバスバーを設けて、バスバーを介して大電流を流す構成をとっている。従って、本実施形態の電力変換装置によれば、プリント配線基板に対する特別な加工や処理が不要となるため、プリント配線基板が安価となる。更に、プリント配線基板が厚くならず、装置全体を薄くすることができる。また、バスバーの厚みをプリント配線基板の基材と同程度とすることで、プリント配線基板の実装面とバスバーとの間に段差が無くなるため、配線基板とバスバーとの間に部品を実装する際の端子の折り曲げ等の手間が不要となると共に、端子の強度や耐久性が低下することが防止される。
【0063】
加えて、バスバーの厚さを、プリント配線基板の基材と同程度まで厚くすることができるので、配線抵抗を低減しつつ大電流用の配線パターンの面積を小さくすることができる。さらに、プリント配線基板とバスバーとを半田付けすることにより、バスバーをプリント配線基板に機械的にも固定するようにしているため、電力変換装置の実装及び組み立てが容易となり、装置全体のコストを安価にすることができる。
【0064】
<第2の実施形態>
以下、図7〜図10を参照して、本発明に係る第2の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0065】
本実施形態を第1の実施形態との相違点は、トランスの構成が異なっている点と、プリント配線基板の形状及び配線パターンの一部が異なっている点である。
【0066】
図7は、本実施形態の電力変換装置25の上面図である。なお、本実施形態では、図7に示すプリント配線基板19の面を表面と称し、この面とは対向する別の面をプリント配線基板19の裏面と称する。また図8は、本実施形態で用いるプリント配線基板19の上面図である。
【0067】
本実施形態の電力変換装置25のプリント配線基板19は、ランド20、ランド22及びランド23が設けられている点と、トランス21の端子配置に併せて、各ランドや配線パターンが変更されている点が、第1の実施形態の配線基板1と異なっている。また、図8に示されるように、トランス21よりやや大きいサイズで切り欠きが設けられており、トランス21は端子をプリント配線基板19とバスバー11に端子を接続することで、プリント配線基板19とバスバー11及び12で囲まれる位置(空間)に実装される。
【0068】
ランド20は、プリント配線基板19に島状に配置されたランドであり、配線基板19とバスバー12が接する部分に設けられており、SW1およびSW2のソース電極端子が実装される。そして、ランド20は、バスバー12と半田付けされることで電気的に接続される。また、この半田付けにより、プリント配線基板19とバスバー12が機械的に固定される。従って、SW1およびSW2のソース電極端子は、ランド20を介してバスバー12へ接続される。
【0069】
また、ランド22は、ランド8と同一形状のランドであるが、スルーホール24が設けられている点が、ランド8と異なる。また、ランド23は、プリント配線基板19の裏面に島状に配置されたランドであり、トランス21の端子▲1▼が実装される。スルーホール24は、プリント配線基板19の両面に配置されたランド22とランド23とを接続する。
【0070】
図9は、本実施形態に用いるトランス21の特徴を説明するための図であり、図示されたように1次コイルが、柱状巻芯901に巻回された第1のコイル902と第2のコイル903との2つのコイルから形成されており、4つの端子を有している。なお、ボビンやコア、2次コイルは実施形態1のトランス14と同一である。
【0071】
詳細には、柱状巻芯901に第1のコイル902を巻き、第2のコイル903を第1のコイルと逆方向に巻き回し、第1のコイル902と第2のコイル903の一端▲2▼及び▲3▼を柱状巻芯901に対して同一側に引き出す。そして、第1のコイル902と第2のコイル903の他端▲1▼及び▲4▼を、端子▲2▼及び▲3▼の反対側に引き出す。
【0072】
このような構成のコイルとすると、巻芯901に対して同一側へCTを構成するコイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼が配置されるため、プリント配線基板19とは別に設けられているバスバー11を用いて、CT接続が容易になるだけではなく、CT間の抵抗も低減できる。
【0073】
図10は、本実施形態で用いるトランス21の構成を示す斜視図である。なお、トランス21では、第2のコイル1004の端部▲3▼およびコイルの端部▲4▼を柱状巻芯1002に対して実装面側(プリント配線基板19の表面側)に配置している。また、第1のコイル1003の端部▲1▼および▲2▼を、同実装面側と反対側に配置している。
【0074】
以上の構成を有する本実施形態の電力変換装置25においては、スイッチング素子SW1およびSW2は、プリント配線基板19上に設けられたランド20を介して、バスバー12と接続される。従って、スイッチング素子SW1およびSW2として熱に弱いMOSFETを用いる場合においても、その端子電極が熱容量の大きいバスバーへ直接半田付けされないので、MOSFETを半田付けの際の熱破壊から守ることができる。
【0075】
また、トランス21の1次コイルは、上記のように、巻芯に対して同一側へCTを構成するコイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼が配置されると共に、図7に示すように、これらコイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼が、配線基板19の表裏面に分かれて配置される。従って、バスバー11が、配線基板19の厚み方向において、CTを構成するコイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼の中間に配置される。更に、バスバー11が裸体の銅板で構成されているため、コイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼を、そのままバスバー11へ半田付けするだけでCTを構成できる。このため、CTを形成する作業性が飛躍的に向上する。また、プリント配線基板上に設けられる配線パターンと比較して厚さも横幅も広く、抵抗が小さいバスバー11によって、コイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼が接続されるため、トランス21の配線抵抗の低減に大きく寄与することになる。
【0076】
なお、プリント配線基板19の厚み方向におけるトランス21の各端子間の距離と、バスバー11の厚みを同程度に設定すると、トランスの引き出し線の曲げ加工等が不要となるため、CTの形成がより容易になる。また、ボビンやコイル自体への機械的ストレスを低減できるという効果も得られる。
【0077】
<第3の実施形態>
以下、図11および図12を参照して、本発明に係る第3の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1及び第2の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0078】
本実施形態と第2の実施形態との相違点は、プリント配線基板の形状と、バスバーの形状とが異なっている点である。
【0079】
図11は、本実施形態の電力変換装置29の上面図である。また、図12は、本実施形態で用いるプリント配線基板26の上面図である。
【0080】
なお、図11や図12に示すように、本実施形態のトランス21も第2の実施形態のトランスと同様に、プリント配線基板26とバスバー27及び28で囲まれる位置(空間)に実装される。
【0081】
図11及び図12に示されるように、本実施形態では、バスバー27及び28のプリント配線基板26に接する部分に凸部(突出部)を設け、プリント配線基板26の対応する部分に、凸部と噛み合う凹部(窪み)を設けている。そして、対応する凹凸部分が噛み合うことにより、プリント配線基板26とバスバー27及び28とが機械的に固定される構成となっている。また、プリント配線基板26のバスバー28の凸部と噛み合う凹部周辺の実装面には、ランド5、ランド19が配置されており、これらランドとバスバー28を半田付けすることで、両者が電気的に接続される。
【0082】
以上説明したように本実施形態によれば、プリント配線基板とバスバーとが噛み合いによって機械的に固定されるため、プリント配線基板にバスバーがより強固に固定される。
【0083】
<他の実施形態>
以上説明した実施形態においてはプッシュプル回路を含む電力変換装置を例に挙げて説明したが、発明はこれに限るものではなく、公知公用の他の回路を用いた電力変換装置にも適用できる。
【0084】
なお、本発明は、一つの機器からなる装置に適用しても、複数の機器(例えば、電力変換装置、太陽電池、燃料電池、制御回路など)から構成されるシステムに適用してもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大きな電流が流れる配線パターンを、プリント配線基板とは別に設けたバスバーにより構成し、配線抵抗を低減することが可能となる。更に、このバスバーを、例えばプリント配線基板の縁部あるいは外周近辺に配置すると、配線基板上に厚い配線パターンを形成する必要がなく、装置全体を薄くすることができると共に実装や組立が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の電力変換装置の上面図である。
【図2】図1の電力変換装置のプッシュプル回路の構成を示す回路図である。
【図3】第1の実施形態に用いるトランスの構成を説明するための斜視図である。
【図4】図1のスイッチング素子SW1およびSW2の各電極端子の配置を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態のプリント配線基板の実装面を示す図である。
【図6】図5のプリント配線基板にパワー半導体素子が実装された部分の部分断面図である。
【図7】第2の実施形態の電力変換装置の上面図である。
【図8】第2の実施形態のプリント配線基板の上面図である。
【図9】第2の実施形態に用いるトランスの特徴を説明するための図である。
【図10】第2の実施形態で用いるトランスの構成を示す斜視図である。
【図11】第3の実施形態の電力変換装置の上面図である。
【図12】第3の実施形態のプリント配線基板の上面図である。
【図13】従来のプリント配線基板にパワー半導体素子が実装された部分の断面図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は電力変換装置及び電力変換システムに関し、特に、直流電力を昇圧するトランス及びスイッチング素子を有し、局所的に低電圧大電流となる回路を含む電力変換装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題への取り組みなどから、太陽電池または燃料電池で発電した直流電力を、電力変換装置により、交流電力に変換して家庭内の負荷(以下「負荷」と呼ぶ)及び/または商用電力系統(以下「系統」と呼ぶ)に供給する、あるいは、所定の直流電圧に変換して負荷の駆動に利用すること、などが行われている。
【0003】
上記で用いる電力変換装置のほとんどは、太陽電池の出力電圧を所定電圧まで昇圧する機能を有し、昇圧後の電力は直流負荷に使用されるか、あるいは直流−交流変換装置に入力され、交流に変換された後、系統に接続される。
【0004】
この場合、太陽電池自体を直列化(直列接続)して太陽電池の出力電圧を所定電圧まで高める方法もあるが、太陽電池の直列化には作業工程が多くなりコストが高くなることに加え、太陽光発電装置の非発電領域が多くなる、更には部分影の影響が大きくなるなどの欠点がある。
【0005】
そこで太陽電池の直列数を極力少なくし、太陽電池の出力電圧を高い電圧まで昇圧することにより、高電圧小電流の出力電力を取り出す太陽光発電装置が提案されている。
【0006】
このような太陽光発電装置では、太陽電池は単一のセル(一枚)あたり1V前後の低電圧しか出力できないため、高い昇圧比の直流−直流変換装置(DC−DCコンバータ)が必要となる。
【0007】
上述のような低電圧大電流の入力電力を高電圧に変換する電力変換装置で用いられる直流−直流変換装置の回路方式の一例として、従来から2つのスイッチング素子を交互に切り換えるプッシュプル回路が用いられている。
【0008】
このような回路をプリント配線基板に実装する場合には、大電流が流れる1次側のパターンの配線抵抗による損失を低減するように、様々な工夫がなされている。
【0009】
図13は、従来のプリント配線基板にパワー半導体素子が実装された部分を拡大した断面図である。図示されたように、プリント配線基板のベースとなる基材1301上に、数十μmの厚さの配線用パターン1302が形成され、大電流が流れる部分に対しては、配線抵抗を低減させるために配線用パターン1302の上に銅メッキ処理を施して配線パターン1305を積層し、配線パターンの厚さは数百μm程度まで厚くされる。そして、パワー半導体素子1303の制御電流等の小電流が流れる端子は、直接配線パターン1302に接続されるが、大電流が流れる端子は、積層された銅メッキ処理部1305に接続される。
【0010】
また、大電流が流れる部分に対して、銅メッキ処理をする代わりに、配線用パターン1302の上に銅箔を張り合わせて、配線抵抗を低減することも行われている。
【0011】
これらの例は、特開平1−253293号公報(特許文献1)や特開平7−221411号公報(特許文献2)に示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平1−253293号公報
【特許文献2】
特開平7−221411号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように大電流が流れる部分に対してのみ銅メッキ処理や銅箔の張り合わせを行うと、当然、プリント配線基板の製造工程が多くなり、小電流用の配線パターンのみから構成されるプリント配線基板と比較して、生産効率が低くなり、プリント配線基板のコストが上昇する。
【0014】
更に、図13に示されたように、大電流用の配線パターンと小電流用の配線パターンとの間に厚みの差dが生じ、これら厚みの異なる配線間を跨いで電子部品を実装する場合、電極端子を通常とは逆の方向(実装面から離間する図中矢印方向)に折り曲げて配線パターンと接続する必要が生じる。このような方法で実装すると、手間がかかると共に端子の強度や耐久性が劣化してしまう。
【0015】
また、どのような方法で大電流用の配線パターンを形成するかに関係なく、プリント配線基板上に厚いパターンを形成することとなるので、プリント配線基板自体が著しく厚くなってしまう。
【0016】
一方、大電流用の配線パターンのパターン面積を大きくすることで、配線抵抗を低減することも考えられる。しかしながら、大電流用の配線パターンの面積を大きくすると、プリント配線基板全体の面積が大きくなり、配線基板のコストが上昇すると共に、そのような基板を用いた装置が大型化してしまう。
【0017】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、配線パターンの厚みや面積を大きくすることなしに、局所的に大電流を流すことのできるプリント配線基板のコストを低減することができる、電力変換装置の構成を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の一態様としての電力変換装置は、入力された直流電力を変換して出力する電力変換装置であって、
直列接続された第1及び第2のコイルを含む1次コイルと、2次コイルとを有するトランスと、
前記第1及び第2のコイルの互いに接続されない端子と電気的に接続され、前記第1及び第2のコイルへ供給する電力をそれぞれ切り換える第1及び第2のスイッチング素子と、
第1及び第2の入力端子、前記トランスの端子接続用のランド、及び前記第1及び第2のスイッチング素子の電極接続用のランドが設けられているプリント配線基板と、
前記第1の入力端子と前記第1及び第2のコイルの互いに接続される端子とを電気的に接続する第1のバスバーと、
前記第2の入力端子と前記第1及び第2のスイッチング素子のソース電極とを電気的に接続する第2のバスバーと、を備えている。
【0019】
すなわち、本発明では、入力された直流電力を変換して出力すべく、直列接続された第1及び第2のコイルを含む1次コイルと、第1及び第2のコイルの互いに接続されない端子と電気的に接続され、第1及び第2のコイルへ供給する電力をそれぞれ切り換える第1及び第2のスイッチング素子と、第1及び第2の入力端子、トランスの端子接続用のランド、及び第1及び第2のスイッチング素子の電極接続用のランドが設けられているプリント配線基板と、を有する電力変換装置において、第1の入力端子と第1及び第2のコイルの互いに接続される端子とを第1のバスバーで電気的に接続し、第2の入力端子と第1及び第2のスイッチング素子のソース電極とを第2のバスバーで電気的に接続する。
【0020】
このようにすると、大きな電流が流れる配線パターンを、プリント配線基板とは別に設けたバスバーにより構成し、配線抵抗を低減することが可能となる。更に、このバスバーを、例えばプリント配線基板の縁部あるいは外周近辺に配置すると、配線基板上に厚い配線パターンを形成する必要がなく、装置全体を薄くすることができると共に実装や組立が容易となる。
【0021】
なお、第1及び第2のコイルの互いに接続される端子の一つが第1のバスバーの一方の面で電気的に接続されており、第1及び第2のコイルの互いに接続される端子の他方が第1のバスバーの他方の面で電気的に接続されているようにしてもよい。この場合、トランスは巻芯として柱状体を有し、第1及び第2のコイルは互いに巻回方向が逆であり、各コイルの2つの端子が、柱状体の異なる側から引き出されているのが好ましい。
【0022】
また、第1及び第2のバスバーは、プリント配線基板の基材の厚さと略等しい厚さを有し、プリント配線基板と同一平面上に配置されていると、実装が用となると共に装置全体を薄くすることが可能となる。
【0023】
更に、第1及び第2のバスバーがプリント配線基板の縁部に沿って配置されており、第1及び第2のバスバーを含めた形状が長方形であるのが好ましい。
【0024】
また、第1及び第2のバスバーの少なくとも1つは、プリント配線基板のバスバーに隣接する部分に設けられたランドを介してプリント配線基板と電気的に接続され、該電気的接続によりプリント配線基板に機械的に固定されるようにしてもよい。
【0025】
第1及び第2のバスバーに、プリント配線基板と接する部分に少なくとも1つの凸部を設け、プリント配線基板は各凸部に対応する位置に凹部を有し、凸部と凹部とが噛み合うことで各バスバーがプリント配線基板に機械的に固定されているようにしてもよい。
【0026】
プリント配線基板の凹部にランドを設け、該ランドによって対応するバスバーと電気的に接続するようにしてもよい。
【0027】
なお、電気的接続とは、半田付け、溶接及びねじ止めのいずれかであってよい。
【0028】
電力変換装置は、第1及び第2のスイッチング素子を交互に切り換えるプッシュプル動作を行う制御回路を含むのが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。各図において同様な構成要素は同じ参照番号で示し、詳細な説明は省略する。
【0030】
本明細書においては、プリント配線基板に部品を半田付け等によって固定・接続することを「実装」と称し、プリント配線基板に設けられた配線パターンのうち、部品や端子が接続される銅箔等が露出した部分を「ランド」と称する。
【0031】
尚、以下ではプッシュプル回路を含む電力変換装置を例に挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0032】
<第1の実施形態>
以下、図1〜図6を参照して、本発明に係る第1の実施形態について説明する。
【0033】
図2は、本実施形態の電力変換装置のプッシュプル回路の構成を示す回路図である。
【0034】
図2に示すように、本実施形態のプッシュプル回路の1次回路は入力側+端子(IN+)、入力側−端子(IN−)、入力平滑コンデンサ13、プッシュプル回路用のトランス(以下、単にトランスと称する)14、スイッチング素子SW1及びSW2、制御回路15より構成される。また、2次回路は、ダイオードブリッジ16および出力平滑コンデンサ17、出力側+端子(OUT+)、出力側−端子(OUT−)により構成される。
【0035】
IN+およびIN−端子は、プッシュプル回路の入力端子であり、例えば、太陽電池や燃料電池などの直流電源の+端子と−端子にそれぞれ接続される。入力平滑コンデンサ13は、プッシュプル回路のIN+端子とIN−端子間の電圧を平滑化するコンデンサである。
【0036】
図2に示すプッシュプル回路に適用するトランス14のコイルは、1次コイルと2次コイルからなり、1次コイルは直列接続された1組のコイルL1及びL2より構成され、これらコイルの直列接続点が1次コイルのセンタタップ(以下、CT)として取り出される構成をなす。なお、1組のコイルL1及びL2は、CT側の端部の極性が互いに逆極性となるように直列接続される。
【0037】
詳細には、1次コイルは、コイル端部▲1▼及びコイル端部▲2▼を有するコイルL1と、コイル端部▲3▼及びコイル端部▲4▼を有するコイルL2とからなる。なお、コイル端部▲1▼とコイル端部▲4▼はそれぞれ、SW1およびSW2のドレイン電極端子と接続され、コイル端部▲2▼とコイル端部▲3▼はCTとして取り出され、IN+端子と接続される。また、上記SW1およびSW2のソース電極端子は、IN−端子と接続される。
【0038】
トランス14の2次コイルの端部、すなわちトランスの端子▲5▼およびトランスの端子▲6▼は、ダイオードブリッジ16と接続される。ダイオードブリッジ16は、トランス14の出力を入力して、全波整流した後、プッシュプル回路の出力としてOUT+端子およびOUT−端子へ出力する。また、図2のプッシュプル回路には直流電圧の変動を抑制する目的で、出力端子間に出力平滑コンデンサ17を接続する。
【0039】
なお、本実施形態では、図2のスイッチング素子SW1およびSW2としてはMOSFETを使用しているが、本発明で使用するスイッチング素子の種類はこれに限定されない。
【0040】
図3は、本実施形態に用いるトランス14の構成を説明するための斜視図であり、プッシュプル回路を含むスイッチング電源回路に用いられるトランスの代表的な構成を示している。
【0041】
トランス14は、ボビン301、1次コイル303、2次コイル304、コア307より構成される。
【0042】
詳細には、トランス14のコイルは、ボビン301の巻芯302へ巻き回された1次コイル303および2次コイル304より構成されており、各コイルの端部は、ボビンの▲1▼〜▲6▼のピン端子305へ接続されている。またトランス14のコア307は、ボビン301に設けられた挿入口306へ挿入される一組のE型コアであるEE型コアにて構成される。
【0043】
なお、図2に示すトランス14のコイル端部の番号▲1▼〜▲6▼と、上記の図3に示すトランス14のピン端子の番号▲1▼〜▲6▼は1対1で対応しており、コイルの接続関係も同一構成である。また、以下の実施形態でも、同一のコイルの端部番号は、図2のトランス14の端子番号と1対1で対応しているものとする。
【0044】
制御回路15は、上記スイッチング素子SW1およびSW2のゲートを駆動するためのゲート駆動回路および、ゲート駆動回路用の電源回路より構成される。
【0045】
上記のIN+端子とIN−端子には直流電源が接続され、入力された直流電力は、制御回路15のゲート駆動回路へ供給される。ゲート駆動回路は、入力された直流電力の電圧が所定の閾値を超えると上記のSW1およびSW2のゲートへ、パルス信号を出力する。なお、SW1およびSW2のゲート駆動電流は、主回路電流と比較して十分小さいため、この制御回路15の入出力の配線パターンとしては、プリント配線基板に形成される小電流用の配線パターンが用いられる。
【0046】
図4は、本実施形態のスイッチング素子SW1およびSW2の各電極端子の配置を説明するための図である。
【0047】
図4に示すように、SW1およびSW2は、一般的に用いられる表面実装用パッケージ401を有するMOSFETであり、パッケージ表面のうち、プリント配線基板に実装される面がドレイン電極402となっている。また、パッケージ表面のうち、実装面と垂直をなす一側面から3本のソース電極403と1本のゲート電極404が設けられており、それぞれ実装面に半田付け等で接続される。
【0048】
図5は、図2に示したプッシュプル回路が実装されるプリント配線基板1の実装面を示す図である。
【0049】
プリント配線基板1において、2〜4は配線パターン、5〜9は部品接続用のランド、10はスルーホールをそれぞれ示している。ここで、配線パターン2〜配線パターン4、ランド5〜ランド9は、配線基板1上に形成された導箔により構成される。
【0050】
配線パターン2は、制御回路15のIN−端子と後記するバスバー12を接続する配線パターンである。なお、制御回路15のIN+電極は、プリント配線基板1の裏面を介して、後記のバスバー11と接続される。また、配線パターン3は、トランス14の端子▲5▼および端子▲6▼と、ダイオードブリッジ16を接続する配線パターンである。さらに、配線パターン4は、ダイオードブリッジ16の出力とプッシュプル回路のOUT+端子およびOUT−端子を接続する配線パターンである。
【0051】
ランド5は、配線パターン2の端部に形成されたランドであり、後記するバスバー12と接する基板端部に設けられている。そして、ランド5は、バスバー12と半田付けされることで電気的に接続される。また、この半田付けにより、配線基板1にバスバー12とが機械的に固定される。なお、バスバーをプリント配線基板との間の電気的接続方法は、半田付け以外に溶接やネジによる接続でもよいが、電気的接続により、両者が機械的にも接続されるようにする。
【0052】
ランド6は、配線パターン3に形成されたランドであり、トランスの端子▲5▼および端子▲6▼が半田付けされる。さらにランド7は、配線パターン4に形成されており、ランド間に出力平滑コンデンサ17が実装されると共に電力変換装置18の出力端子として使用される。
【0053】
また、ランド8は、配線基板1に島状に形成されたランドであり、SW1およびSW2のドレイン電極端子が実装されると共に、トランス14の端子▲1▼および端子▲4▼が実装される。従って、SW1およびSW2のドレイン電極端子は、ランド8を介して、トランス14の端子▲1▼および端子▲4▼と電気的に接続される。そして、ランド9は、配線基板1に島状に形成されたランドであり、SW1およびSW2のゲート電極端子が実装される。
【0054】
スルーホール10は、配線基板1の表裏面を接続するスルーホールである。なお、上記のゲート駆動回路15の出力は、配線基板1の裏面に配置される配線パターンと接続されており、スルーホール10により、この裏面の配線パターンとランド9が接続されている。
【0055】
図1は、図5に示したプリント配線基板1に各種部品を実装して構成した電力変換装置18の上面図である。
【0056】
電力変換装置18は主として、バスバー11、バスバー12、入力平滑コンデンサ13、プリント配線基板1、プリント配線基板1へ実装された各種素子にて構成されるプッシュプル回路方式の電力変換装置である。図中Sで示した部分は半田付けにより接続されている部分である。
【0057】
なお、本実施形態の電力変換装置は、図2に関して説明したように、1次側が低電圧・大電流の電力を扱うプッシュプル回路方式の電力変換装置である。そこで、本実施形態では、図2に示すプッシュプル回路において太線で表されている低電圧・大電流を扱う1次側主回路配線を、バスバーを用いて接続し、電力変換装置における配線抵抗による損失を低減する。
【0058】
具体的にはバスバー11及びバスバー12により、図2のプッシュプル回路の太線部分の配線を構成する。詳細には、バスバー11により、プッシュプル回路のIN+端子とトランス14の端子▲2▼および端子▲3▼とを接続して、トランス14のCTを構成する。また、バスバー12により、IN−端子とSW1およびSW2のソース電極端子を接続する。
【0059】
なお、図1と図5を比較すると分かるように、バスバー11やバスバー12は、配線基板1の縁部に沿って配置され、プリント配線基板1に固定されたときに長方形となるような形状である。あるいは、プリント配線基板1の縁部をバスバー11及び12の形状に合わせて加工してもよい。いずれにしても、プリント配線基板1にバスバー11及び12が固定されたときの形状が長方形となるようにすることが望ましい。
【0060】
図6は、本実施形態のプリント配線基板にパワー半導体素子が実装された部分を図13と同様に示す部分断面図である。
【0061】
図6に示すように、本実施形態ではバスバー11及び12の厚みを、プリント配線基板1の基材601の厚みと同一としている。従って、大電流用の配線パターンであるバスバーと小電流用の配線パターンとの間の厚みの差は、小電流用の配線パターンの厚さである数十μmとなり、実質的には段差がないのと同様である。このため、スイッチング素子SW1およびSW2のソース電極をバスバー12に接続する際に、実装面から離間する方向に折り曲げる必要がなく、接続及び半田付けが容易となる。
【0062】
以上のように、本実施形態の電力変換装置18では、配線基板とは別にバスバーを設けて、バスバーを介して大電流を流す構成をとっている。従って、本実施形態の電力変換装置によれば、プリント配線基板に対する特別な加工や処理が不要となるため、プリント配線基板が安価となる。更に、プリント配線基板が厚くならず、装置全体を薄くすることができる。また、バスバーの厚みをプリント配線基板の基材と同程度とすることで、プリント配線基板の実装面とバスバーとの間に段差が無くなるため、配線基板とバスバーとの間に部品を実装する際の端子の折り曲げ等の手間が不要となると共に、端子の強度や耐久性が低下することが防止される。
【0063】
加えて、バスバーの厚さを、プリント配線基板の基材と同程度まで厚くすることができるので、配線抵抗を低減しつつ大電流用の配線パターンの面積を小さくすることができる。さらに、プリント配線基板とバスバーとを半田付けすることにより、バスバーをプリント配線基板に機械的にも固定するようにしているため、電力変換装置の実装及び組み立てが容易となり、装置全体のコストを安価にすることができる。
【0064】
<第2の実施形態>
以下、図7〜図10を参照して、本発明に係る第2の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0065】
本実施形態を第1の実施形態との相違点は、トランスの構成が異なっている点と、プリント配線基板の形状及び配線パターンの一部が異なっている点である。
【0066】
図7は、本実施形態の電力変換装置25の上面図である。なお、本実施形態では、図7に示すプリント配線基板19の面を表面と称し、この面とは対向する別の面をプリント配線基板19の裏面と称する。また図8は、本実施形態で用いるプリント配線基板19の上面図である。
【0067】
本実施形態の電力変換装置25のプリント配線基板19は、ランド20、ランド22及びランド23が設けられている点と、トランス21の端子配置に併せて、各ランドや配線パターンが変更されている点が、第1の実施形態の配線基板1と異なっている。また、図8に示されるように、トランス21よりやや大きいサイズで切り欠きが設けられており、トランス21は端子をプリント配線基板19とバスバー11に端子を接続することで、プリント配線基板19とバスバー11及び12で囲まれる位置(空間)に実装される。
【0068】
ランド20は、プリント配線基板19に島状に配置されたランドであり、配線基板19とバスバー12が接する部分に設けられており、SW1およびSW2のソース電極端子が実装される。そして、ランド20は、バスバー12と半田付けされることで電気的に接続される。また、この半田付けにより、プリント配線基板19とバスバー12が機械的に固定される。従って、SW1およびSW2のソース電極端子は、ランド20を介してバスバー12へ接続される。
【0069】
また、ランド22は、ランド8と同一形状のランドであるが、スルーホール24が設けられている点が、ランド8と異なる。また、ランド23は、プリント配線基板19の裏面に島状に配置されたランドであり、トランス21の端子▲1▼が実装される。スルーホール24は、プリント配線基板19の両面に配置されたランド22とランド23とを接続する。
【0070】
図9は、本実施形態に用いるトランス21の特徴を説明するための図であり、図示されたように1次コイルが、柱状巻芯901に巻回された第1のコイル902と第2のコイル903との2つのコイルから形成されており、4つの端子を有している。なお、ボビンやコア、2次コイルは実施形態1のトランス14と同一である。
【0071】
詳細には、柱状巻芯901に第1のコイル902を巻き、第2のコイル903を第1のコイルと逆方向に巻き回し、第1のコイル902と第2のコイル903の一端▲2▼及び▲3▼を柱状巻芯901に対して同一側に引き出す。そして、第1のコイル902と第2のコイル903の他端▲1▼及び▲4▼を、端子▲2▼及び▲3▼の反対側に引き出す。
【0072】
このような構成のコイルとすると、巻芯901に対して同一側へCTを構成するコイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼が配置されるため、プリント配線基板19とは別に設けられているバスバー11を用いて、CT接続が容易になるだけではなく、CT間の抵抗も低減できる。
【0073】
図10は、本実施形態で用いるトランス21の構成を示す斜視図である。なお、トランス21では、第2のコイル1004の端部▲3▼およびコイルの端部▲4▼を柱状巻芯1002に対して実装面側(プリント配線基板19の表面側)に配置している。また、第1のコイル1003の端部▲1▼および▲2▼を、同実装面側と反対側に配置している。
【0074】
以上の構成を有する本実施形態の電力変換装置25においては、スイッチング素子SW1およびSW2は、プリント配線基板19上に設けられたランド20を介して、バスバー12と接続される。従って、スイッチング素子SW1およびSW2として熱に弱いMOSFETを用いる場合においても、その端子電極が熱容量の大きいバスバーへ直接半田付けされないので、MOSFETを半田付けの際の熱破壊から守ることができる。
【0075】
また、トランス21の1次コイルは、上記のように、巻芯に対して同一側へCTを構成するコイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼が配置されると共に、図7に示すように、これらコイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼が、配線基板19の表裏面に分かれて配置される。従って、バスバー11が、配線基板19の厚み方向において、CTを構成するコイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼の中間に配置される。更に、バスバー11が裸体の銅板で構成されているため、コイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼を、そのままバスバー11へ半田付けするだけでCTを構成できる。このため、CTを形成する作業性が飛躍的に向上する。また、プリント配線基板上に設けられる配線パターンと比較して厚さも横幅も広く、抵抗が小さいバスバー11によって、コイル端部▲2▼およびコイル端部▲3▼が接続されるため、トランス21の配線抵抗の低減に大きく寄与することになる。
【0076】
なお、プリント配線基板19の厚み方向におけるトランス21の各端子間の距離と、バスバー11の厚みを同程度に設定すると、トランスの引き出し線の曲げ加工等が不要となるため、CTの形成がより容易になる。また、ボビンやコイル自体への機械的ストレスを低減できるという効果も得られる。
【0077】
<第3の実施形態>
以下、図11および図12を参照して、本発明に係る第3の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1及び第2の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0078】
本実施形態と第2の実施形態との相違点は、プリント配線基板の形状と、バスバーの形状とが異なっている点である。
【0079】
図11は、本実施形態の電力変換装置29の上面図である。また、図12は、本実施形態で用いるプリント配線基板26の上面図である。
【0080】
なお、図11や図12に示すように、本実施形態のトランス21も第2の実施形態のトランスと同様に、プリント配線基板26とバスバー27及び28で囲まれる位置(空間)に実装される。
【0081】
図11及び図12に示されるように、本実施形態では、バスバー27及び28のプリント配線基板26に接する部分に凸部(突出部)を設け、プリント配線基板26の対応する部分に、凸部と噛み合う凹部(窪み)を設けている。そして、対応する凹凸部分が噛み合うことにより、プリント配線基板26とバスバー27及び28とが機械的に固定される構成となっている。また、プリント配線基板26のバスバー28の凸部と噛み合う凹部周辺の実装面には、ランド5、ランド19が配置されており、これらランドとバスバー28を半田付けすることで、両者が電気的に接続される。
【0082】
以上説明したように本実施形態によれば、プリント配線基板とバスバーとが噛み合いによって機械的に固定されるため、プリント配線基板にバスバーがより強固に固定される。
【0083】
<他の実施形態>
以上説明した実施形態においてはプッシュプル回路を含む電力変換装置を例に挙げて説明したが、発明はこれに限るものではなく、公知公用の他の回路を用いた電力変換装置にも適用できる。
【0084】
なお、本発明は、一つの機器からなる装置に適用しても、複数の機器(例えば、電力変換装置、太陽電池、燃料電池、制御回路など)から構成されるシステムに適用してもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大きな電流が流れる配線パターンを、プリント配線基板とは別に設けたバスバーにより構成し、配線抵抗を低減することが可能となる。更に、このバスバーを、例えばプリント配線基板の縁部あるいは外周近辺に配置すると、配線基板上に厚い配線パターンを形成する必要がなく、装置全体を薄くすることができると共に実装や組立が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の電力変換装置の上面図である。
【図2】図1の電力変換装置のプッシュプル回路の構成を示す回路図である。
【図3】第1の実施形態に用いるトランスの構成を説明するための斜視図である。
【図4】図1のスイッチング素子SW1およびSW2の各電極端子の配置を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態のプリント配線基板の実装面を示す図である。
【図6】図5のプリント配線基板にパワー半導体素子が実装された部分の部分断面図である。
【図7】第2の実施形態の電力変換装置の上面図である。
【図8】第2の実施形態のプリント配線基板の上面図である。
【図9】第2の実施形態に用いるトランスの特徴を説明するための図である。
【図10】第2の実施形態で用いるトランスの構成を示す斜視図である。
【図11】第3の実施形態の電力変換装置の上面図である。
【図12】第3の実施形態のプリント配線基板の上面図である。
【図13】従来のプリント配線基板にパワー半導体素子が実装された部分の断面図である。
Claims (11)
- 入力された直流電力を変換して出力する電力変換装置であって、
直列接続された第1及び第2のコイルを含む1次コイルと、2次コイルとを有するトランスと、
前記第1及び第2のコイルの互いに接続されない端子と電気的に接続され、前記第1及び第2のコイルへ供給する電力をそれぞれ切り換える第1及び第2のスイッチング素子と、
第1及び第2の入力端子、前記トランスの端子接続用のランド、及び前記第1及び第2のスイッチング素子の電極接続用のランドが設けられているプリント配線基板と、
前記第1の入力端子と前記第1及び第2のコイルの互いに接続される端子とを電気的に接続する第1のバスバーと、
前記第2の入力端子と前記第1及び第2のスイッチング素子のソース電極とを電気的に接続する第2のバスバーと、を備えることを特徴とする電力変換装置。 - 前記第1及び第2のコイルの互いに接続される端子の一つが前記第1のバスバーの一方の面で電気的に接続されており、前記第1及び第2のコイルの互いに接続される端子の他方が前記第1のバスバーの他方の面で電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記トランスは巻芯として柱状体を有し、前記第1及び第2のコイルは互いに巻回方向が逆であり、各コイルの2つの端子が、前記柱状体の異なる側から引き出されていることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記第1及び第2のバスバーは、前記プリント配線基板の基材の厚さと略等しい厚さを有し、前記プリント配線基板と同一平面上に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記第1及び第2のバスバーが前記プリント配線基板の縁部に沿って配置されており、前記第1及び第2のバスバーを含めた形状が長方形であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記第1及び第2のバスバーの少なくとも1つは、前記プリント配線基板のバスバーに隣接する部分に設けられたランドを介して前記プリント配線基板と電気的に接続されており、該電気的接続により前記プリント配線基板に機械的に固定されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の電力変換装置。
- 前記第1及び第2のバスバーは、前記プリント配線基板と接する部分に少なくとも1つの凸部を有し、
前記プリント配線基板は各凸部に対応する位置に凹部を有し、前記凸部と凹部とが噛み合うことで各バスバーが前記プリント配線基板に機械的に固定されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の電力変換装置。 - 前記プリント配線基板の凹部にランドが設けられており、該ランドによって対応するバスバーと電気的に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
- 前記電気的接続が、半田付け、溶接及びねじ止めのいずれかを含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記第1及び第2のスイッチング素子を交互に切り換えるプッシュプル動作を行う制御回路を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 直流電源と、請求項1から10のいずれか1項に記載の電力変換装置と、を含むことを特徴とする電力変換システム。
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JP2006288118A (ja) * | 2005-04-01 | 2006-10-19 | Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk | スイッチングユニット |
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2003
- 2003-05-09 JP JP2003132162A patent/JP2004336945A/ja not_active Withdrawn
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