JP2006226169A - ポンプ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 既存のポンプ設置床面に作用する荷重を軽減もしくは無くすることができるとともに、吸込ベルマウスおよび羽根車を含むポンプ要部を一体的に引き上げることができるポンプ構造を提供する。
【解決手段】 支持脚28を介して水槽底盤面で揚水管21を支持し、吸込ベルマウス19およびポンプケーシング20を懸垂支持して上方向に抜き出し可能に設け、羽根車24をポンプ軸30で懸垂支持し、軸カバー29を介して吸込ベルマウス19およびポンプケーシング20を揚水管21で支持して吸込水槽底盤面12において本体ケーシング18の荷重を支持し、吸込水槽底盤面12と異なるポンプ設置床面13においてポンプ軸30を介して羽根車24の荷重および水力スラストを支持するとともに、ポンプ軸30に連結する減速機17の荷重を支持する。
【選択図】 図1

Description

本発明はポンプ構造に関し、雨水排水、下水送水等の一般送水用に使用するポンプ技術に係るものである。
従来、排水機場等において使用するポンプには、例えば立軸ポンプがあり、分解点検時における引き上げを容易に行うために、立軸ポンプは一般的にポンプ設置床面に吊り下げて設置されている。この構造は、例えば図4(a)に示すようなものである。立軸ポンプ1はポンプ設置床面2から吊り下げて吸込水槽3に配置し、駆動機設置床面4に配置した傘歯車減速機5にポンプ軸6を連結し、傘歯車減速機5に内燃機関7を接続している。この場合に、立軸ポンプ1の荷重はポンプ設置床面2に作用し、傘歯車減速機5および内燃機関7の荷重は駆動機設置床面4に作用する。
また、図4(b)に示すように、立軸ポンプ1はポンプ設置床面2から吊り下げて吸込水槽3に配置し、傘歯車減速機5を立軸ポンプ1の上端に設置し、立軸ポンプ1、傘歯車減速機5および内燃機関7の荷重をポンプ設置床面2で支持する構造がある。
しかし、既存排水機場等において、主ポンプの老朽化、能力不足等により、ポンプを更新する場合に、ポンプ能力の増強に伴うポンプ重量の増加はポンプ設置床面2へ作用する荷重の増大となる。
このため、ポンプ設置床面に作用するポンプ荷重を低減することを目的として、例えば特許文献1に開示するものがある。これは、吸水槽内に設置するプルアウト形立軸ポンプであって、羽根車、ケーシングライナ、案内羽根ケ−シング、吐き出しディフューザ及びポンプ軸を備えるポンプ水力部を、このポンプ水力部を格納する吐出ケーシングからポンプ軸方向上部に引き出し自在な構造とし、吸込ベルマウス、吸込ケーシング及び吐出ケーシングを吸水槽に固定する構造をなしている。
特開平11−159491号公報
しかし、上記した構成では、吸込ベルマウス、吸込ケーシング及び吐出ケーシングの荷重が吸込ベルマウスを介して吸水槽床面に作用する構造であるために、吸込ベルマウスに大きな荷重が作用することになり、吸込ベルマウスに吸込ケーシング及び吐出ケーシングの荷重を支える構造材としての強度が必要となる。また、吸込ベルマウス、吸込ケーシング及び吐出ケーシングが連続した構造をなすために、必然的にポンプ水力部を吐出ケーシング内に収納する構造となり、二重構造となることが避けられず、ポンプ重量が増加する要因となる。また、ポンプ水力部を必要能力に見合った構造とすると吐出ケーシングはそれ以上に余剰に大きく形成する必要がある。
本発明は上記した課題を解決するものであり、既存のポンプ設置床面に作用する荷重を軽減もしくは無くすることができるとともに、吸込ベルマウスおよび羽根車を含むポンプ要部を一体的に引き上げることができるポンプ構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のポンプ構造は、流体通路を形成する本体ケーシングを吐出側の固定ケーシングと吸込ベルマウスを含む吸込側の可動ケーシングとに分割形成し、支持部材を介して水槽底盤面で固定ケーシングを支持し、固定ケーシングの下端に配置する可動ケーシングを吊下部材で懸垂支持するとともに、固定ケーシングを通して上方向に抜き出し可能に設け、可動ケーシング内に配置する羽根車をポンプ軸で懸垂支持し、吊下部材を介して可動ケーシングを固定ケーシングで支持するとともに、水槽底盤面において支持部材を介して固定ケーシングおよび可動ケーシングの荷重を支持し、水槽底盤面と異なる床面においてポンプ軸を介して羽根車の荷重および水力スラストを支持するとともに、ポンプ軸に連結する減速機の荷重を支持するものである。
本発明のポンプ構造は、流体通路を形成する本体ケーシングを吐出側の固定ケーシングと吸込ベルマウスを含む吸込側の可動ケーシングとに分割形成し、支持部材を介して水槽底盤面で固定ケーシングを支持し、固定ケーシングの下端に配置する可動ケーシングを吊下部材で懸垂支持するとともに、固定ケーシングを通して上方向に抜き出し可能に設け、可動ケーシング内に配置する羽根車をポンプ軸で懸垂支持し、吊下部材を介して可動ケーシングを固定ケーシングで支持するとともに、ポンプ軸を介して羽根車を固定ケーシングで支持し、水槽底盤面において支持部材を介して固定ケーシングと可動ケーシングと羽根車の荷重および水力スラストを支持し、水槽底盤面と異なる床面においてポンプ軸に連結する減速機の荷重を支持するものである。
本発明のポンプ構造は、流体通路を形成する本体ケーシングを吐出側の固定ケーシングと吸込ベルマウスを含む吸込側の可動ケーシングとに分割形成し、支持部材を介して水槽底盤面で固定ケーシングを支持し、固定ケーシングの下端に配置する可動ケーシングを吊下部材で懸垂支持するとともに、固定ケーシングを通して上方向に抜き出し可能に設け、可動ケーシング内に配置する羽根車をポンプ軸で懸垂支持し、吊下部材を介して可動ケーシングを固定ケーシングで支持するとともに、ポンプ軸を介して羽根車を固定ケーシングで支持し、水槽底盤面において支持部材を介して固定ケーシングと可動ケーシングと羽根車の荷重および水力スラストならびにポンプ軸に連結する減速機の荷重を支持するものである。
また、本発明のポンプ構造は、固定ケーシングの周囲に振れ止め部材を配置し、この振れ止め部材を水槽底盤面と異なる床面に固定設置したものである。
以上のように本発明によれば、吸込ベルマウスを含む本体ケーシング、羽根車、ポンプ軸、減速機を主たる構成部材とし、吸込ベルマウスおよび羽根車を一体的に引き上げるポンプ構造において、吸込ベルマウスにポンプ荷重を負荷することなく、ポンプ荷重を水槽底盤面および水槽底盤面と異なる床面である既存のポンプ設置床面とで分散支持することにより、あるいは水槽底盤面で全面的に支持することにより、既存のポンプ設置床面に作用する荷重を軽減もしくは無くすることができる。したがって、既設のポンプ設置床の耐加重評価が懸念される機場でも目的の能力増強のためのポンプ更新を行うことができる。また、振れ止め部材によってポンプの横振動を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、立軸ポンプ11は、吸込水槽底盤面12の側からポンプ設置床面13の側に向けてボウル部14と胴体部15と外枠16と減速機17を順次に配置しており、減速機17に駆動機(図示省略)を接続している。
流体通路を形成する本体ケーシング18は、吸込側の可動ケーシングをなしてボウル部14に配置する吸込ベルマウス19およびポンプケーシング20と、吐出側の固定ケーシングをなして胴体部15に配置する揚水管21とに分割形成している。
また、ボウル部14には、ポンプケーシング20の内部に固定した案内羽根22と、吸込口23をなす吸込ベルマウス19の内部に回転自在に配置した羽根車24とを配置している。また、胴体部15には、揚水管21の内部で揚水を吐出口25に案内するベンドガイド26と、揚水管21の上端開口を閉塞する蓋体27を配置している。
揚水管21は支持部材をなす支持脚28を介して水槽底盤面12で支持し、揚水管21の下端に配置する吸込ベルマウス19およびポンプケーシング20は、吊下部材をなす軸カバー29を介して蓋体27で懸垂支持するとともに、揚水管21を通して上方向に抜き出し可能に設けている。
羽根車24はポンプ軸30で懸垂支持し、ポンプ軸30は軸カバー29を通って外枠16の内部に達し、軸継手31aを介して減速機17に接続しており、減速機17は外枠16を介してポンプ設置床面13で支持している。ポンプ軸30は蓋体27に設けた軸封部32で水密に保持するとともに、外枠16に設けたスラスト軸受33で回転自在に支承している。スラスト軸受33は減速機17の内部に設けることも可能である。
ベンドガイド26は軸カバー29に固定して吸込ベルマウス19およびポンプケーシング20とともに上方向に抜き出し可能に設けている。また、ポンプ設置床面13には揚水管21の周囲に設けたフランジ部34を囲んで、振れ止め部材をなす環状の振れ止め板35を設けており、振れ止め板35によってポンプ横振動を抑制している。
上記した構成により、軸カバー29および蓋体27を介して揚水管21が吸込ベルマウス19、ポンプケーシング20、案内羽根22を支持し、揚水管21を支持脚28が支持することで、これらの部材の荷重は吸込水槽底盤面12に掛かる。
また、外枠16がスラスト軸受33、軸継手31a、およびポンプ軸30を介して羽根車24を支持するとともに、減速機17を支持することで、これらの部材の荷重および羽根車24の回転により生じる水力スラストは吸込水槽底盤面12と異なる床面であるポンプ設置床面13に掛かる。
羽根車24等のメンテナンス時には、軸継手31aにおける減速機17とポンプ軸30との連結を解除し、外枠16および減速機17を外し、蓋体27と揚水管21との締結を解除する状態で、軸カバー29、ポンプ軸30を引き上げることにより、吸込ベルマウス19とポンプケーシング20と羽根車24を一体的に引き上げる。
したがって、吸込ベルマウス19および羽根車24を一体的に引き上げるポンプ構造において、吸込ベルマウス19にポンプ荷重を負荷することなく、ポンプ荷重を吸込水槽底盤面12およびポンプ設置床面13とで分散支持することにより、ポンプ設置床面13に作用する荷重を軽減することができる。よって、既設のポンプ設置床の耐加重評価が懸念される機場でも目的の能力増強のためのポンプ更新を行うことができる。
図2は本発明の他の実施の形態を示すものである。先の実施の形態と同様の作用を行う構成部材には同符号を付して説明を省略する。この構成では、軸継手31と蓋体27の間に配置するスラスト軸受33でポンプ軸30を支持し、蓋体27の上に設けた架台36においてスラスト軸受33を支持する。軸継手31bは軸心方向においてポンプ軸30の移動を許容して荷重を受け止めず、軸心廻りにおいてトルクを伝達する構造をなす。
この構成により、軸カバー29および蓋体27を介して揚水管21が吸込ベルマウス19、ポンプケーシング20、案内羽根22を支持し、揚水管21を支持脚28が支持することで、これらの部材の荷重は吸込水槽底盤面12に掛かる。
また、架台36がスラスト軸受33およびポンプ軸30を介して羽根車24を支持することで、これらの部材の荷重および羽根車24の回転により生じる水力スラストは、揚水管21および支持脚28を介して吸込水槽底盤面12に掛かる。減速機17の荷重は外枠16を介して吸込水槽底盤面12と異なる床面であるポンプ設置床面13に掛かる。
図3は本発明の他の実施の形態を示すものである。先の実施の形態と同様の作用を行う構成部材には同符号を付して説明を省略する。この構成では、軸継手31bと蓋体27の間に配置するスラスト軸受33でポンプ軸30を支持し、蓋体27の上に設けた架台36においてスラスト軸受33を支持するとともに、減速機17を支持する外枠16を架台36と一体化して揚水管21で支持する。
この構成により、軸カバー29および蓋体27を介して揚水管21が吸込ベルマウス19、ポンプケーシング20、案内羽根22を支持し、揚水管21を支持脚28が支持することで、これらの部材の荷重は吸込水槽底盤面12に掛かる。
また、架台36がスラスト軸受33およびポンプ軸30を介して羽根車24を支持することで、これらの部材の荷重および羽根車24の回転により生じる水力スラストは、揚水管21および支持脚28を介して吸込水槽底盤面12に掛かり、減速機17の荷重は外枠16、架台36、揚水管21、支持脚28を介して吸込水槽底盤面12に掛かる。したがって、ポンプ設置床面13にポンプ加重は作用しない構造となる。
本発明の実施の形態を示す立軸ポンプの断面図 本発明の他の実施の形態を示す立軸ポンプの断面図 本発明の他の実施の形態を示す立軸ポンプの断面図 (a)、(b)はそれぞれ従来の立軸ポンプの配置構造を示す模式図
符号の説明
11 立軸ポンプ
12 吸込水槽底盤面
13 ポンプ設置床面
14 ボウル部
15 胴体部
16 外枠
17 減速機
18 本体ケーシング
19 吸込ベルマウス
20 ポンプケーシング
21 揚水管
22 案内羽根
23 吸込口
24 羽根車
25 吐出口
26 ベンドガイド
27 蓋体
28 支持脚
29 軸カバー
30 ポンプ軸
31a 軸継手
31b 軸継手
32 軸封部
33 スラスト軸受
34 フランジ部
35 振れ止め板

Claims (4)

  1. 流体通路を形成する本体ケーシングを吐出側の固定ケーシングと吸込ベルマウスを含む吸込側の可動ケーシングとに分割形成し、支持部材を介して水槽底盤面で固定ケーシングを支持し、固定ケーシングの下端に配置する可動ケーシングを吊下部材で懸垂支持するとともに、固定ケーシングを通して上方向に抜き出し可能に設け、可動ケーシング内に配置する羽根車をポンプ軸で懸垂支持し、吊下部材を介して可動ケーシングを固定ケーシングで支持するとともに、水槽底盤面において支持部材を介して固定ケーシングおよび可動ケーシングの荷重を支持し、水槽底盤面と異なる床面においてポンプ軸を介して羽根車の荷重および水力スラストを支持するとともに、ポンプ軸に連結する減速機の荷重を支持することを特徴とするポンプ構造。
  2. 流体通路を形成する本体ケーシングを吐出側の固定ケーシングと吸込ベルマウスを含む吸込側の可動ケーシングとに分割形成し、支持部材を介して水槽底盤面で固定ケーシングを支持し、固定ケーシングの下端に配置する可動ケーシングを吊下部材で懸垂支持するとともに、固定ケーシングを通して上方向に抜き出し可能に設け、可動ケーシング内に配置する羽根車をポンプ軸で懸垂支持し、吊下部材を介して可動ケーシングを固定ケーシングで支持するとともに、ポンプ軸を介して羽根車を固定ケーシングで支持し、水槽底盤面において支持部材を介して固定ケーシングと可動ケーシングと羽根車の荷重および水力スラストを支持し、水槽底盤面と異なる床面においてポンプ軸に連結する減速機の荷重を支持することを特徴とするポンプ構造。
  3. 流体通路を形成する本体ケーシングを吐出側の固定ケーシングと吸込ベルマウスを含む吸込側の可動ケーシングとに分割形成し、支持部材を介して水槽底盤面で固定ケーシングを支持し、固定ケーシングの下端に配置する可動ケーシングを吊下部材で懸垂支持するとともに、固定ケーシングを通して上方向に抜き出し可能に設け、可動ケーシング内に配置する羽根車をポンプ軸で懸垂支持し、吊下部材を介して可動ケーシングを固定ケーシングで支持するとともに、ポンプ軸を介して羽根車を固定ケーシングで支持し、水槽底盤面において支持部材を介して固定ケーシングと可動ケーシングと羽根車の荷重および水力スラストならびにポンプ軸に連結する減速機の荷重を支持することを特徴とするポンプ構造。
  4. 固定ケーシングの周囲に振れ止め部材を配置し、この振れ止め部材を水槽底盤面と異なる床面に固定設置したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポンプ構造。
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