JP2006225848A - 吊り戸装置における密閉機構 - Google Patents

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Abstract

【目的】 本発明は、吊り戸の全閉状態での気密性が確実に維持できる吊り戸装置における密閉装置に関するものであり、吊り戸の開閉中の横揺れを確実に防止し、静粛性、施行性に優れ、且つ安価に製作できる吊り戸装置における密閉装置を提供することを目的とする。
【構成】 閉鎖運動にともなって吊り戸が除々に下降して全閉状態となる吊り戸装置において、吊り戸の下端部開閉方向に形成された下面が開口する案内溝に配設された遮蔽部材と、遮蔽部材の戸尻側端部に連結され、吊り戸の開放側端面に上下動可能に配設された操作部材より構成され、遮蔽部材の戸先側端部は吊り戸に上下動可能に連結固定され、操作部材は下端部が遮蔽部材と回動自在に連結され、上端部が吊り戸の開放側端部上面に連結固定されていると共に、案内溝は、遮蔽部材が位置する遮蔽部材支持部とガイドローラーが案内されるガイドローラー案内部に区画されているものである。
【選択図】 図5

Description

本発明は、吊り戸の閉鎖時に吊り戸の下端縁と床面の間に生じる隙間を閉塞できる吊り戸装置における密閉機構に関するものである。
この種の吊り戸装置における密閉機構としては、戸先側並びに戸尻側にそれぞれガイドローラーが設けられた閉塞体を戸体の下フレームに上下動自在に嵌着し、戸先側ガイドロ−ラーの走行面には、戸体閉戸位置で、戸先側ガイドローラーが滑落する凹溝を設け、戸尻側ガイドローラーの走行面には戸体閉戸位置で戸先側ガイドローラーの走行面に滑落案内するガイドレールを設けたものがある。(例えば、特許文献1参照。)
この場合、戸先側ガイドローラーの走行面に形成された戸先側ガイドローラーが滑落する凹溝が出入口の床面に位置するので、高齢者、身障者が出入する時、前記凹溝に足先を引っ掛けて転倒したり、あるいは車椅子で出入する時、さらにストレッチャー等が通過する時に、その車輪が前記凹溝に一旦落ち込んだりして、スムースな通行が出来なかった。
又、前記構成では、戸先側および戸尻側ガイドローラーが常に床面上(ガイドレール上)を走行するので、戸の開閉時に不快な走行音が発生していた。
そして、この走行音は、病室(特に夜間)のように静粛性を必要とされる場所では、非常に耳障りな音となっていた。
一方、上記問題を解決するものとして、吊り戸の下端部に開閉方向に移動可能に支持された駆動用横動体を設け、駆動用横動体が吊り戸に対し戸開き方向に移動する時、隙間閉塞用昇降体を下降させ、駆動用横動体が吊り戸に対し戸閉じ方向に移動する時隙間閉塞用昇降体を上昇させるよう両者を連動連結し、閉鎖時には、吊り戸が閉じ位置に達する前に駆動用横動体の戸尻側端部に形成した当接部(以下当接部)を壁内に設けられた固定側被当接部(以下被当節部)に当接させて、さらに吊り戸を閉鎖位置に移動させることにより隙間閉塞用昇降体を吊り戸下端部より下降させ、開放時には、吊り戸が所定位置に開放されるまで、被当接部と当接部の当接状態を維持させて、吊り戸が開放されるに従って隙間閉塞用昇降体を吊り戸下端部より上昇させるようにして、隙間閉塞用昇降体を上昇位置に維持させる第1係止手段と、下降位置を維持させる第2係止手段を設けた構成のものが提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
上記の場合、壁内に設けられた被当接部は、隙間閉塞用昇降体内に位置して吊り戸の開閉時の横揺れ(前後方向の振れ)を防止する目的を併せ持つが、被当接部が隙間閉塞用昇降体に接触して隙間閉塞用昇降体の昇降動作に影響を与えるのを防止するため、吊り戸下端部内面と隙間閉塞用昇降体間、および、隙間閉塞用昇降体内面と被当接部間には所定のクリアランスが必要となる。しかし、このクリアランスがあることによって、被当接部と吊り戸下端部内面間は密に接触することができず、吊り戸の開閉中の横揺れを十分に防ぐ事が出来なかった。
又、吊り戸の開閉時に隙間閉塞用昇降体が不測に昇降するのを防止するため、第1係止手段と第2係止手段とを設けなければならず、部品点数が増加し、コストアップとなっていた。
さらに、吊り戸の吊り下げ状態や床面の状況等によって、吊り戸下端部と床面との隙間の大きさが吊り戸の設置場所によって異なるので、吊り戸が閉鎖位置に達した時に隙間閉塞用昇降体の下端部がちょうど床面に摺接するよう、隙間閉塞用昇降体の昇降範囲を調節する必要がある。すなわち、前記吊り戸下端部と床面との隙間の大きさに合わせて、当接部が被当接部に当接する位置(当接部が第2係止手段に係止される位置)を調節する必要があり、上記の場合は、当接部の位置を駆動用横動体の移動方向に調節可能な構成としているが、当接部は吊り戸が開放、閉鎖いずれの状態においても壁内に位置しているので、吊り戸を吊り下げた状態では当接部の位置を調節することが出来ない。このため、隙間閉塞用昇降体の最適な下降幅を得るには、吊り下げられている吊り戸を一旦取外して、当接部の位置を調節し、調節が済んでから再度吊り戸を吊り下げるという作業をくりかえさなければならず、施工性が非常に悪かった。
実公平02−36875号公報 特開平10−280827号公報
本発明は、吊り戸の開閉中の横揺れを確実に防止し、静粛性、施工性に優れ、且つ安価に製作できる吊り戸装置における密閉装置を提供することを課題とする。
そこで、上記課題を解決する為、本発明が第1の手段として構成したところは、閉鎖運動にともなって吊り戸が除々に下降して全閉状態となる吊り戸装置において、吊り戸の下端部開閉方向に形成された下面が開口する案内溝に配設された遮蔽部材と、遮蔽部材の戸尻側端部に連結され、吊り戸の開放側端面に上下動可能に配設された操作部材より構成され、遮蔽部材の戸先側端部は吊り戸に上下動可能に連結固定され、操作部材は下端部が遮蔽部材と回動自在に連結され、上端部が吊り戸の開放側端部上面に連結固定されているものである。
次に、本発明が第2の手段として構成したところは、第1の手段に加え、案内溝は、遮蔽部材が位置する遮蔽部材支持部とガイドローラーが案内されるガイドローラー案内部に区画されているものである。
請求項1に記載の発明によると、扉が全閉した状態で、遮蔽部材の弾性に抗して最大下降させて、遮蔽部材を床面に密着させた状態で遮蔽部材の戸先側端部を吊り戸に固定し、さらに、操作部材の上端部を下方に向けて押し下げて、遮蔽部材の弾性に抗して下降させて、遮蔽部材を床面に密着させた状態で操作部材の上端部を、スペーサー等を介して、吊り戸の上端面に固定するだけで良い。
すなわち、吊り戸の全閉状態で、遮蔽部材と床面との密着状態を確認しながら作業ができるので、施工性が非常に良い。
さらに、吊り戸は開放するに従って除々に上昇していくので、遮蔽部材も吊り戸とともに上昇し、したがって、吊り戸の開閉放途中で遮蔽部材が床面と接触することがなく、スムースな吊り戸開閉動作を得ることができる。
又、床面と吊り戸下端部との隙間の状態にあわせて、遮蔽部材の戸先側端部は吊り戸に上下動可能に連結固定され、遮蔽部材の戸尻側端部は、吊り戸の開放側端面に上下動可能に配設された操作部材と回動自在に連結されているので、吊り戸の全閉時に遮蔽部材と床面との隙間の調節を確実に行う事が出来る。
さらに、遮蔽部材と操作部材からなる簡単な構成であるため、組み立ても容易で、部材点数が少なく安価に製作出来る。
請求項2に記載の発明によると、前記効果に加え、案内溝を、吊り戸の開閉に必要なガイドローラーが案内されるガイドローラー案内溝と、遮蔽部材が位置する遮蔽部材支持溝に区画しているので、部品点数が少なく安価に製作出来、吊り戸の開閉途中の横揺れも防止できる。
本発明は、閉鎖運動にともなって吊り戸が除々に下降して全閉状態となる吊り戸装置において、吊り戸の下端部開閉方向に形成された下面が開口する案内溝に配設された遮蔽部材と、遮蔽部材の戸尻側端部に連結され、吊り戸の開放側端面に上下動可能に配設された操作部材より構成され、遮蔽部材の戸先側端部は吊り戸に上下動可能に連結固定され、操作部材は下端部が遮蔽部材と回動自在に連結され、上端部が吊り戸の開放側端部上面に連結固定されていると共に、案内溝は、遮蔽部材が位置する遮蔽部材支持部とガイドローラーが案内されるガイドローラー案内部に区画されているものである。
以下、添付図面に基づいて実施例を詳述する。
図1、図2、図3において、符号1は吊り戸枠を示している。
吊り戸枠1は、建物側の鉄骨にブラケットを介して固定された戸尻側縦枠13および戸先側縦枠14と、戸尻側縦枠13と戸先側縦枠14との上端間に配設され、建物側鉄骨にブラケットを介して固定された上横枠15より門形に形成されている。
符号2は、レール取付材を示している。
レール取付材2は、戸尻側縦枠13上部と戸先側縦枠14上部との間に高さ調節自在、傾斜角度調節可能に配設され、室内側に吊り戸レール5が着脱自在に連結されている。
符号6は、吊り金具70を介して吊り戸レール5に吊り下げられた吊り戸を示し 符号3、3は、戸尻側縦枠13と戸先側縦枠14間で、上端が上横枠15の室内側と廊下側の両面に固定され、下端部が床面に埋め込まれて配設された中枠を示している。
以下、戸尻側縦枠13と中枠3、3間側を引き込み部側、戸先側縦枠14と中枠3、3間側を出入り口側と云う。
符号16は、出入り口側の床面全幅に渡って設けられた沓ずり材を示し、引き込み部側の端部上面にはガイド部材4が、吊り戸6の開閉方向に取付位置を調節自在に取り付けられている。
符号17は、引き込み部側の床面全幅に渡って設けられたベース材を示し、符号18、18は、引き込み部側の室内側及び廊下側の両面に配設された下地パネルを示し、符号19は、レール取付材2の廊下側の表面に取り付けられるランマ下地パネルを示し、符号96はレール取付材2の室内側の出入り口側に着脱自在に取り付けられた点検パネルを示している。
そして、上記吊り戸枠1、沓ずり材16、中枠3、3、ベース材17、下地パネル18、18、ランマ下地パネル19、レール取付材2が、内装仕上げが行われるまで(化粧ボード100・・が貼り付けられるまで)に施工される。
図5から図7において、符号4はガイド部材を示し、符号8は遮蔽部材を示し、符号9は遮蔽部材8の操作部材を示している。
そして、遮蔽部材8及び操作部材9及びガイド部材4は吊り戸6の吊り込み時にあらかじめ吊り戸6の所定の位置に仮止めされている。
以下、各部材について詳述する。
吊り戸枠1の戸尻側縦枠13は、横断面略コ字形をなし、床面仕上げ時に下端部が床面に埋め込まれて立設され、内面の上下方向所定位置に、全開された吊り戸6の戸尻側端面が当接する緩衝部材を133が取り付けられている。
吊り戸枠1の戸先側縦枠14は、横断面扁平略コ字形に形成され、出入り口側の前後方向中央部に鉄骨側に窪む戸当り受け溝142を有し、床面仕上げ時に下端部が床面に埋め込まれて立設され、戸当り受け溝142には弾性材からなる戸当り受け材143が取り付けられている。
上横枠15は、図2に示す如く、断面上向き略コ字形に形成され、開閉方向両端部に取り付られた逆L字形の連結金具(図示せず)が戸尻側縦枠13および戸先側縦枠14の上端部にネジ止めされ、建物用鉄骨とブラケットを介して溶接され、戸尻側縦枠13と戸先側縦枠14の上端間に配設されている。
符号100・・・は化粧ボードを示している。
ベース材17は、図3、図6に示す如く、廊下側端部および室内側端部が上方に突出して、下地パネル18、18の下端部内面を係止し、中枠3、3の下端部内面とネジ止め連結される上向き突片171、171を有する上向き略コ字形に形成され、引き込み部側の床面全幅に渡って固定されている。
沓ずり材16は、図7に示す如く、下向き略コ字形に形成され、引き込み部側端部にガイド部材4の取付用ナット部161が固着され、引き込み部側端部がベース材17の出入り口側端部にほぼ当接する状態で出入り口側の床面全幅に埋め込まれ、出入り口側の床面を構成している。
中枠3、3は、図3に示す如く、対向した略同形に形成されているので、便宜上、室内側についてのみ説明する。
中枠3は、内面側に位置する補強枠31と、補強枠31の出入り口側の端部に形成されて外方に突出し、引き込み部側の化粧パネル100の出入り口側端部を隠蔽する中枠突部32と、補強枠31の表面側に設けられ、戸尻側縦枠13側の端部に下地パネル18のパネル係止突片が形成された連結部33を有する表面板34より形成され、上端部が上横枠15の外面側に連結され、補強枠31の下端部がベース材17の上向き突片171、171と連結され、下端部が床面仕上げ時に床面に埋め込まれて立設されている。
レール取付材2は、図2に示す如く、戸尻側縦枠13、戸先側縦枠14の上端部内面に設けられたレール取付材固定座22の垂直面221に、固定面21の戸尻側縦枠13側の端部が一本の固定用ボルト220で連結され、戸先側縦枠14側の端部が2本の固定用ボルト(図示せず)にて高さ調節自在および傾斜角度調整可能に連結され、固定面21の室内側に吊り戸レール5が着脱自在に取り付けられている。
そして、吊り戸6の吊り込み時、レール取付材2の戸先側縦枠14側の2本の固定用ボルトを緩めて、レール取付材2の傾斜状態(吊り戸レール5の傾斜状態)を微調整することで、吊り戸6の自閉スピード(自閉力)の調節を行う。
一方、図示しないが、レール取付材2の出入り口側の所定位置に取り付けられたシリンダー取付座を介してエアーシリンダーを取付け、吊り金具70の戸尻側端部に設けられたブレーキ用突片と共同して、吊り戸6が加速度的に閉鎖するのを防止するブレーキ機能を発揮するようにしている。
吊り戸レール5は、図2、図4に示す如く、スライド装置51と、アルミ材からなる押出補強材50が連結して構成され、その開閉方向の長さは、吊り戸6の移動距離よりやや長めに形成され、レール取付材2の室内側に、戸先側縦枠14側が前下がりとなるよう、ネジ止め等にて着脱自在に取り付けられ、吊り戸6に自閉機能を持たせている。
すなわち、吊り戸レール5は、引き込み側部はレール取付材2の戸尻側縦枠13側の端部に形成された係止孔に、補強材52の戸尻側縦枠13側の端部に形成された係止爪を出入り口側から押し込むようにして係止させ、出入り口側部は複数箇所ネジ止めすることにより、レール取付材2に取り付けられる。
スライド装置51は、図4に示す如く、アルミの押出補強材50の室内側に保持される断面略C字形のアウターメンバー55と、アウターメンバー55にボールリテーナー57に保持された複数個のボールを介してスライド自在に保持される断面略C字形のインナーメンバー56より構成されており、アルミの押出補強材50と補強材52とアウターメンバー55はレール取付材2の開閉方向の略全幅に渡って配設され、インナーメンバー56は吊り戸6の開閉方向の幅よりやや小さ目に形成され、ボールリテーナー57はインナーメンバー56の2倍強の幅に形成されている。
吊り金具70は、インナーメンバー56と開閉方向にほぼ同幅で、インナーメンバー56の室内側に固着される取付壁701と、取付壁701の下端部をスライド装置51の下方でランマ下地パネル19方向に下向きL字形に突出させた上部突壁702と、上部突壁702の下端部を点検パネル96方向に上向きL字形に突出させた支持壁703より構成されている。そして支持壁703には点検パネル96側からランマ下地パネル19方向に係止孔(図示せず。)が形成され、係止孔に吊り下げボルト704が係止されている。
吊り下げボルト704は、図4に示すように吊り戸6の上面に固着された後記するナット部61に螺合する螺軸部705と、螺軸部705の上部に位置し螺軸部705より大径で且つ係止孔の開閉方向の巾よりも大径の頭部706と、頭部706の下面に位置し、係止孔内に位置する円筒形の回動部(図示せず。)と、回動部の下方で螺軸部705を回動させる、頭部706より小径の回動操作部708より構成されている。符号709は吊り下げボルト704の回転を阻止する締め付けナットを示している。
符号960は、点検パネルの下端部を着脱自在に連結する、戸尻側縦枠13の内面に設けられた点検パネル取付座を示している。
吊り戸6は、図2、図3、図7、図8に示す如く、パネル形状をなし、上端面の内側に前記吊り下げボルト704の螺軸部705が螺合するナット部61が開閉方向に所定間隔を有して複数個固着され、下端部には開閉方向で下面が開口する案内溝63が形成されている。
そして、案内溝63は、開閉方向に設けられた上部補強材64と隔壁65によって、上部室内側をガイド部材4のガイドローラー40が案内されるガイドローラー案内部66に、下部廊下側を遮蔽部材8が位置する遮蔽部材支持部67に区画されている。
すなわち、上部補強材64の室内側内面と隔壁65の垂直壁651の廊下側面の上部がガイドローラー40の案内面となり、水平壁652の下方が遮蔽部材支持部67となる。
よって、ガイドローラー40(ガイド部材4)はガイドローラー案内部66内に位置し、遮蔽部材8は遮蔽部材支持部67に位置しているので、吊り戸6の開閉時、互いに干渉し合うことがなく、吊り戸6のスムースな開閉状態を得ることができる。
又、戸先側端部内面には上下方向に端部補強部材68が配設されて戸先側端面に嵌入突片69、69が対向して形成され(図3に示す。)、戸当り部材600が取り付けられ、端部補強部材68の下端部に形成された下がり止め突片681によって、戸当り部材600の下がり止めが行われる。
符号81は隔壁65の水平壁652の下面にネジ止め連結された遮蔽部材8の案内支持部材を示している。
案内支持部材81は、廊下側端部と室内側端部に下方に突出する案内支持突片811、811を有し、水平壁652の下面にネジ止めされる断面下向きコ字形の案内連結片812と、案内連結片812の戸先側端部で、端部補強部材68の下方で、ガイドローラー案内部66内側に突出する閉塞部材保持壁813より構成され、閉塞部材保持壁813には、遮蔽部材8の戸先側端部が連結される上下方向に長い連結長孔814が形成されている。
遮蔽部材8は、案内連結片812の案内支持突片811、811に外嵌する略上向きコ字形の閉塞部保持材82と、閉塞部保持材82の下端面に保持され先端が下方に突出して、吊り戸6の全閉時に沓ずり材16に当接する合成樹脂製の閉塞部材83より構成されている。
そして、閉塞部保持材82の戸先側端部には、端部補強部材68の下方に位置してガイドローラー案内部66側に突出し、閉塞部材保持壁813の戸尻側に位置して長孔814に対応する連結用ナット821を有する閉塞部材連結壁822が連設されている。
すなわち、遮蔽部材8の戸先側端部は、戸当り部材600を持ち上げた状態で、長孔814と連結用ナット821と連結ネジ823によって、取り付け位置が上下調節可能に案内支持部材81に連結され、レール取付材2、吊り戸レール5、吊り金具70の連結状態に対応して、沓ずり材16に閉塞部材83の戸先側側の下端が確実に当接するよう調節される。一方、遮蔽部材8の戸尻側端部には、操作部材9の下端部が回動自在に連結されている。
操作部材9は、吊り戸6の戸尻側端面の内面所定位置に設けられた取付座に形成された連結用ナット部90に対応して上下方向の長孔911が形成され、吊り戸6の戸尻側端面に上下動可能に保持される保持用縦壁91と、保持用縦壁91の上端に連設され、吊り戸6の上端面の上方に突出する操作用突片921を有する操作部92と、保持用縦壁91の下端に連設され、下面に接触遮蔽部材93が貼り付けられた接触部材取付部94と、保持用縦壁91の廊下側端部に戸尻側縦枠13方向に突出して連設された補強縦壁95と、保持用縦壁91の下端の戸先側に連設されて遮蔽部材8内に突出し、連結ピン961にて遮蔽部材8の戸尻側端部と回動自在に連結される連結用突部962より構成されている。
そして、吊り戸6の連結用ナット部90に長孔911を挿通した保持用ネジ901を螺合する事により、操作部材9を上下動可能に吊り戸6の戸尻側端面に保持する。
すなわち、吊り戸6を吊り込んで全閉した状態で、前述したように遮蔽部材8の戸先側端部を調節して、沓ずり材16と閉塞部材83の下端を確実に当接させた後、操作部材9を上下方向に調節して、沓ずり材16と閉塞部材83の下端を確実に当接させた状態で、操作用突片921と吊り戸6の上面間にスペーサー900を介在させ連結ネジ922で、吊り戸6の上面に操作用突片921を連結し、遮蔽部材8を所望の高さ位置に保持する。
ガイド部材4は、吊り戸6の開閉方向に長い2つの長孔41、41を有し(図3に示す。)、長孔41、41を挿通し取付用ナット部161、161に螺合する固定ボルト42、42にて、吊り戸6の開閉方向に取付位置を調節可能に沓ずり材16の上面に取り付けられる基板43と、基板43の戸尻側縦枠13側の略半分の寸法で室内側に寄った位置で基板43に一体に立設された起立板44と、起立板44の上端で水平方向に一体に形成され戸先側縦枠14側の端部に回転自在にガイドローラー40を有するローラー取付板45より構成されている。
そして、ガイド部材4は、ガイドローラー40を、吊り戸6の案内溝63の室内側の戸先側端部に嵌め込まれ、粘着テープで脱落しないように貼り付けられ、内装仕上げが終了し吊り戸6が吊り込まれた後、吊り戸6を全開状態として、粘着テープを剥がして、ガイド部材4を沓ずり材16の引き込み部側の端部上面に落下させ、戸当り部材600を持ち上げて、吊り戸6の案内溝63内で、固定ボルト42、42が目視できる個所にガイド部材4が固定される。
すなわち、沓ずり材16と吊り戸6の下端面との隙間から差し込まれたスパナの先と固定ボルト42、42の位置関係が目視出来るので、ガイド部材4の固定位置の調節が容易で、施工性に優れている。
次に、吊り戸6の自閉スピードの調節、および吊り戸6と床面、戸先側縦枠14との隙間調節が行われ、最後に点検パネル96が取り付けられる。
下地パネル18は、室内側及び廊下側でそれぞれの引き込み部側に取り付けられている。すなわち、下地パネル18は、下端部の開閉方向と中枠3、3側の端部の上下方向に形成された係止溝が前記ベース材17の係止突片171および中枠3の連結部33のパネル係止突片に係止し、上端部が上横枠15と、戸尻側縦枠側端部が戸尻側縦枠13とそれぞれネジ止めされている。
ランマ下地パネル19は、図2に示す如く、上端が上横枠15の廊下側面部にネジ止めされ、開閉方向の両端部が、廊下側の中枠3の内面上部と、戸先側縦枠14の廊下側の内面上部にネジ止めされており、下端部に廊下側に突出して化粧ボード100の下端部端面を隠蔽するランマ下地突部190が形成されている。
点検パネル96は、図2に示す如く、上端が上横枠15の室内側にとりつけられ、室内側に突出して化粧ボード100の下端部端面を隠蔽する下地突部98を下端に有する点検支持片99と、パネル支持片99の内面側に上端部が取り付けられた内面側係止片97より形成された係止部に係止し、下端部が室内側の中枠3上部内面と、戸先側縦枠14の室内側の内面上部に設けられた点検パネル取付座960に下方よりネジ止めされ、着脱自在に取り付けられている。
上記の如く構成された各部材のうち、先ず、吊り戸枠1、沓ずり材16 ベース材17、中枠3、3、下地パネル18、ランマ下地パネル19、吊り戸レール5が取り付けられたレール取付材2が内装仕上げ前に施工され、その後化粧ボード100等が取り付けられ、床面等内装が仕上げられる。
次に、吊り戸6が吊り戸レール5に吊り込まれ、吊り込まれた吊り戸6を全開状態として、吊り戸6の戸先側下端のガイド部材4を貼り付けている粘着テープを剥がし、ガイド部材4の基板43の長孔41、41に固定ボルト42、42を挿通し、取付用ナット部161、161に螺合して、ガイド部材4が沓ずり材16の引き込み部側の端部上面に取り付けられる。
尚、この時、ガイド部材4の取り付け位置が最終的に確定するまでは、固定ボルト42、42は容易には移動しない程度の仮止め状態としておくのが望ましい。
一方、この時、遮蔽部材8は、吊り戸6の共に床面から最も上昇した状態となっている。
そして、この状態から吊り戸6を閉鎖していくと、作動部材8は吊り戸6と共に除々に下降し、吊り戸6は全閉(図5に示す状態。)状態となる。
しかしながら、吊り戸6の下端と床面(沓ずり材16)間の隙間は、吊り戸6の吊り下げ状態によって異なるし、又、閉鎖スピードの調節状態(レール取付材2の傾斜状態)等によっても異なるので、吊り下げボルト704、レール取付材2の傾斜角度を調節して、全閉状態での吊り戸6を所望する状態とした後、戸当り部材600を持ち上げて、遮蔽部材8の戸先側側端部を調節して、閉塞部材83の戸先側端部の下端を沓ずり材16に確実に当接させて、案内支持部材81の閉塞部材保持壁813と遮蔽部材8の閉塞部材連結壁822を連結ネジ823にて連結する。
次に、操作部材9を上下方向に調節して、沓ずり材16と閉塞部材83の戸尻側端部下端を確実に当接させた状態で、操作用突片921と吊り戸6の上面間にスペーサー900を介在させ連結ネジ922で、吊り戸6の上面に操作用突片921を連結し、遮蔽部材8
の閉塞部材83の下端を開閉方向全幅に渡って沓ずり材16の上面に密着させる。
その後、吊り戸6を全開状態とし、この状態を維持しながら戸当り部材600を持ち上げ、ガイド部材4の固定ボルト42、42が目視できる状態(図17に示す状態)で、沓ずり材16と吊り戸6の下端面との隙間からスパナを差し込んで、仮止め状態としていた固定ボルト42、42を緩め、ガイド部材4を開閉方向に位置をずらせて取り付け位置を調節し、その後に本締めを行い、最後に点検パネル96を取り付ける。
点検パネルを外した状態の本発明を具備した吊り戸装置の正面図 吊り戸装置の要部縦断面図 吊り戸装置の要部横断面図 図2の一部拡大図 吊り戸の戸先側端部と遮蔽部材の戸先側端部及び操作部材の下端部と遮蔽部材の戸尻側端部の連結状態を示す要部断面図 操作部材の上端部と吊り戸の戸尻側端部の連結状態を示す要部断面図 吊り戸の戸先側端部と遮蔽部材の連結状態を示す要部断面図 遮蔽部材の戸尻側端部と操作部材の下端部の連結状態を示す要部
符号の説明
1 吊り戸枠
13 戸尻側縦枠
14 戸先側縦枠
15 上横枠
100 化粧ボード
2 レール取付材
3 中枠
4 ガイド部材
40 ガイドローラー
5 吊り戸レール
6 吊り戸
63 案内溝
66 ガイドローラー案内部
67 遮蔽部材支持部
8 遮蔽部材
9 操作部材

Claims (2)

  1. 閉鎖運動にともなって吊り戸が除々に下降して全閉状態となる吊り戸装置において、吊り戸の下端部開閉方向に形成された下面が開口する案内溝に配設された遮蔽部材と、遮蔽部材の戸尻側端部に連結され、吊り戸の開放側端面に上下動可能に配設された操作部材より構成され、遮蔽部材の戸先側端部は吊り戸に上下動可能に連結固定され、操作部材は下端部が遮蔽部材と回動自在に連結され、上端部が吊り戸の開放側端部上面に連結固定されていることを特徴とする吊り戸装置における密閉機構。
  2. 案内溝は、遮蔽部材が位置する遮蔽部材支持部とガイドローラーが案内されるガイドローラー案内部に区画されていることを特徴とする請求項1に記載の吊り戸装置における密閉機構。
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