JP2006225743A - 酸化マグネシウム単結晶蒸着材及びその製造方法 - Google Patents

酸化マグネシウム単結晶蒸着材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子ビーム蒸着法をはじめとする真空蒸着法を使用して基板上にMgO膜を成膜するためにターゲット材として使用する単結晶MgO蒸着材であって、蒸着時の成膜速度を低減することなく、スプラッシュの発生を防止し、優れた膜特性例えばPDP用保護膜として使用した場合の放電特性などを向上させること。
【解決手段】 酸化マグネシウム単結晶よりなる蒸着材であって、前記蒸着材の最大投影面の円相当径をD(m)、前記最大投影面に垂直方向の厚みをt(m)、蒸着材の体積をV(m)としたときに、D/tが4以上、tが0.4×10−3m以上、Vが5×10−9以上であり、かつ、前記最大投影面の合計面積の90%以上が、(100)面、(110)面、及び(111)面の少なくとも1種で構成されたものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えばプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)用保護膜を、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法などの真空蒸着法を使用して製造する際に、蒸着源として使用される酸化マグネシウム(MgO)単結晶蒸着材及びその製造方法に関する。
放電発光現象を利用したPDPは、大型化しやすい平面ディスプレイとしてその開発が進められている。透明電極がガラス誘電体で覆われている構造のAC型のPDPでは、イオン衝撃のスパッタリングにより誘電体表面が変質して放電電圧が上昇することを防止するために、この誘電体上に保護膜を形成することが一般的である。この保護膜は、低い放電電圧を有し、耐スパッタリング性に優れていることが要求される。
かかる要求を満足する保護膜として、従来から、MgO膜が使用されている。MgO膜は耐スパッタリング性に優れ、かつ、二次電子の放出係数が大きい絶縁物であるため、放電開始電圧を下げることができ、PDPの長寿命化に寄与する。
現在、MgO膜は、MgO蒸着材を電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法などの真空蒸着法により誘電体上に形成することが一般的である。MgO蒸着材としては、高純度MgO多結晶の焼結体、単結晶を解砕したものなどが使用されている。
MgO多結晶焼結体は、成膜速度が遅く、成膜時に蒸着材の飛散(スプラッシュ)が発生しやすいため、均一な保護膜を得ることが困難であった。そこで、高純度かつ高密度で、平均結晶粒径を特定範囲に制御したMgO多結晶の焼結ペレット、あるいは、高純度かつ高密度で、カーボンの含有量を特定量以下に制御したMgO多結晶の焼結ペレットを蒸着材として使用することにより、蒸着時のスプラッシュの発生を低減し、均一な保護膜を得ることが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
さらには、MgO多結晶焼結体よりなる蒸着材の体積や表面粗さを特定することにより、電子ビームが照射される領域の蒸着材の実質的な表面積を増やし、成膜速度を向上させることが提案されている(特許文献3、特許文献4、及び特許文献5)。
しかしながら、上記のように製造方法に改良を加えて得られたMgO多結晶焼結体は、蒸着時の成膜速度の向上やスプラッシュ発生の抑制にある程度の効果は見られるものの、未だ満足すべき保護膜であるとは言い難い。それに加えて、多結晶焼結体の粒界は元来格子歪が集中しており、蒸着材表面に露出する粒界濃度にばらつきが生じやすく、そのためMgOの蒸発量が変動しやすいという根本的な問題もある。
一方、MgO単結晶蒸着材を得るための生産性に優れた方法として、回転刃による衝撃力でMgO単結晶を解砕する方法が採用されている。MgO単結晶を解砕して得られた蒸着材は、成膜速度が比較的速く、良好な保護膜が得られる。しかし、このような解砕方法により製造されたMgO単結晶蒸着材の形状が不定形であることなどに起因して、スプラッシュが発生する場合がある。そのため、特に大型基板に成膜した場合、均一な膜質を有する保護膜が得られにくいという問題がある。
そこで、成膜装置や成膜条件に応じてMgOの粒度を最適化することにより、成膜速度とスプラッシュの発生頻度とのバランスを図り、生産性と膜質の向上を両立することが行われている。このように粒度を最適化して得られたMgO単結晶は、成膜速度を向上することができるものの、スプラッシュの発生は十分に抑制することはできず、最終的に得られるMgO膜の均質性という点からみて、未だ満足すべきものとはいえない。
特開平10−297956号公報 特開2000−063171号公報 特開2004−43955号公報 特開2004−43956号公報 特開2004−84016号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決し、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法などの真空蒸着法を使用して基板上にMgO膜を成膜するためにターゲット材として使用するMgO単結晶蒸着材であって、蒸着時に成膜速度を低減させることなく、スプラッシュが抑制され、均質なMgO膜を得ることができるMgO単結晶蒸着材及びその製造方法を提供することである。
一般に、成膜速度は、蒸着材からのMgOの蒸発量に依存する。そして、たとえば電子ビーム蒸着法を使用した場合に、電子ビームの照射領域の蒸着材の表面積が大きく、不純物元素量が多く、結晶歪が大きいほど蒸発速度が増加することがわかっている。本発明者らは、MgO蒸着材の出発原料としてMgO単結晶を採用し、これを真空蒸着法における蒸着材として使用した際に、成膜速度を低減させることなく、スプラッシュを防止しうる条件について種々検討を重ねた。
その結果、電子ビームの照射方位に対して、蒸着材の特定の格子面により構成された最大投影面を蒸発面として正対させれば、成膜速度が増大することを見出した。さらに、スプラッシュの発生を防止するためには、蒸着材の体積を特定の値以上に規定することが有効であることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、MgO単結晶よりなる蒸着材であって、蒸着材の最大投影面の円相当径をD(m)、最大投影面に垂直方向の厚みをt(m)、蒸着材の体積をV(m)としたとき、D/tが4以上、tが0.4×10−3m以上、Vが5×10−9以上であり、かつ、前記最大投影面の合計面積の90%以上が、(100)面、(110)面、及び(111)面の少なくとも1種で構成されていることを特徴とするMgO単結晶蒸着材が提供される。
上記のMgO単結晶蒸着材において、Dが、20×10−3m以下であることが好ましく、また、最大投影面の合計面積の90%以上が、(100)面で構成されていることが好ましい。
また、上記蒸着材に用いられるMgO単結晶は、アーク電融法により製造された単結晶であり、かつ、MgO単結晶の純度が99.9質量%以上であるものが好ましい。
また、本発明によれば、MgO単結晶を解砕する工程を含むMgO単結晶蒸着材の製造方法であって、前記解砕工程が、MgO(100)面、(110)面、(111)面のいずれかで構成される略直方体形状に加工した後、前記略直方体形状のMgO単結晶の所望の最大投影面に垂直方向の厚みに沿って劈開し、次いで、所望の円相当径になるように解砕する工程を含む、上記いずれかに記載のMgO単結晶蒸着材の製造方法も提供される。
本発明のMgO単結晶蒸着材は、最大投影面の円相当径をD(m)、最大投影面に垂直方向の厚みをt(m)、蒸着材の体積V(m)としたとき、D/tが4以上、tが0.4×10−3m以上、Vが5×10−9以上である。この最大投影面の円相当径Dと、最大投影面に垂直方向の厚みtの測定方法を図1に示す。すなわち、一例として、図1(a)のような略直方体形状の蒸着材1において、最大投影面を斜線で示す面Aとする。図1(b)はこの面Aの平面視形状を示し、図1(c)に示すように、この最大投影面である面Aの面積と同一の面積を持つ円Bを描いたときに、その直径Dが最大投影面の円相当径Dとなる。また、図1(a)において、最大投影面である面Aに垂直方向の厚みがtとなる。
D/tが4未満の場合は、電子ビーム照射方位に対する蒸着材の面方位がばらつくため、特定の格子面により構成された最大投影面をビーム照射方向に正対させることが困難となる。そのため、成膜速度の向上効果が十分に得られず、蒸発量の変動が大きくなってしまい、結果として均一な保護膜を得ることができない。D/tは、より好ましくは、7以上、さらに好ましくは、10以上である。
また、tが0.4×10−3m未満の場合は、蒸着材自体の機械的強度が低下するので、取扱中に部分的に破損が生じ、それがスプラッシュを誘発するので、結果として膜質が低下する。tは、より好ましくは、0.5×10−3〜4×10−3m、さらに好ましくは、0.5×10−3〜2×10−3mである。
Vは、π・(D/2)・tで示される体積であり、Vが5×10−9未満の場合には、蒸着材が過度に微小となり、それによってスプラッシュが発生する。
上記の形状・寸法を有するMgO単結晶蒸着材において、最大投影面の合計面積の90%以上は、(100)面、(110)面、及び(111)面の少なくとも1種で構成されていることが必要である。具体的には、これらの面が単独で最大投影面の合計面積の90%以上を占めるか、あるいは、これらの格子面のうち2種以上の合計が最大投影面の合計面積の90%以上を占めるようにする。蒸着材を特定の形状、寸法にすることにより、最大投影面をビーム照射方向に正対させ、その最大投影面を特定の格子面で構成することにより、電子ビームの照射方向を特定の格子面に正対させることができ、そのことにより、成膜速度を向上し、蒸発量の変動を抑え、得られる保護膜の生産性及び膜質を向上することが可能となる。
さらに、上記のMgO単結晶蒸着材において、製造の容易なサイズの単結晶蒸着材を得るという観点から、Dが、20×10−3m以下であることが好ましい。
また、最大投影面を構成する格子面の蒸発速度は、(111)>(100)>(110)の順に小さくなる。したがって、成膜速度の向上という視点からは、(111)面で構成されることが好ましい。しかし、MgO単結晶の場合、(100)面が最も劈開しやすい面であるため、単結晶材料から蒸着材への加工性を勘案すると、上記のように、(100)面で構成されることがより好ましい。
図2は、本発明のMgO単結晶蒸着材において、上記により規定されたD/t、t、V、およびDを満足する数値領域を示したものである。図において、D/t≧4、t≧0.4x10−3及びV≧5x10−9で規定された領域(右上がり斜線で示された領域)が本発明の必須要件を示し、さらに、D≦20x10−3を加味した領域(右上がり斜線と右下がり斜線の両方で示された領域)が本発明の好適範囲である。
さらに、出発原料であるMgO単結晶は、生産性に優れているという観点から、アーク電融法により製造された単結晶であり、かつ、MgO単結晶の純度が99.9質量%以上であるものが好適である。
本発明のMgO単結晶蒸着材は、以下のようにして製造される。上述したように、例えば、アーク電融法によりMgO単結晶を製造する。続いて、このMgO単結晶を解砕する。この解砕工程において、MgO(100)面、(110)面、及び(111)面のいずれかで構成される略直方体形状に近似した形状に加工する。なお、本発明において、略直方体形状とは、直方体、立方体、板状体等の形状であり、さらに、それらの面に微小な段差(ステップ)が形成されたもの等を含むものをいう。
しかるのち、これらの形状のMgO単結晶の所望の最大投影面に垂直方向の厚みに沿って解砕し、しかるのち、所望の円相当径になるように解砕する。
このようにして得られた本発明の所定の形状的特徴を有するMgO単結晶蒸着材は、ハースに充填した時に、ほとんどの最大投影面を電子ビームの照射方位に正対させることができる。しかも、最大投影面を所定の格子面で構成したため、所定の格子面を電子ビームの照射方位に正対させることができ、スプラッシュを増加させることなく成膜速度を向上させることが可能となる。さらに、構成する格子面を所定の1種とした場合、電子ビームが照射する蒸着材の全領域の蒸発速度を均一化でき、結果として、きわめて均質な膜を高速で成膜することが可能となる。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
1.MgO単結晶蒸着材の作製
アーク電融法により製造したMgO単結晶を、(100)面で切り出して得られた、(10×10−3m)×(10×10−3m)×(0.5×10−3m)の薄膜形成用基板を蒸着材として用いた。蒸着材形状、格子面方位を下記の方法で評価した。
2.電子ビーム蒸着法によるMgO保護膜の形成
上記のMgO単結晶蒸着材を、電子ビーム蒸着装置を使用して、ステンレス基板上に60秒間成膜した。このときの膜厚を測定して、成膜速度を算出した。ついで、この成膜速度から成膜条件を決定し、膜厚が100nmになるように成膜して、評価用の試料を得た。なお、電子ビーム蒸着は、加速電圧15kV、蒸着圧力1×10−2Pa、蒸着距離0.6mで行った。得られた評価用の試料について、スプラッシュの発生状態、成膜速度、成膜後の二次電子放出係数を下記の方法により評価し、結果を表1に示した。
<蒸着材形状の評価方法>
最大投影面をCCDカメラで撮影し、画像処理により円相当径(D)を算出した。この最大投影面に垂直方向の厚み(t)は、通常の厚み計で測定した。表1にD、t、V及びD/tをそれぞれ示した。
<格子面方位の評価方法>
平行ビームX線回折法により、2θ/θスキャン測定を行い、最大投影面を構成する面方位を決定した。装置は、株式会社リガク製のSLX−2000を用いた。X線源は、Cu−Kαを用い、40kV×450mA出力で測定した。入射光は、スリットにより縦2×10−3m、横0.5×10−3mに制限して、シンチレーションカウンターで検出した。測定試料の最大投影面を測定面とし、常法の半割り操作で設置し、2θ=30〜65degreeの範囲を、2θとして0.01degreeステップで測定した。回折線の位置から、最大投影面を構成する格子面(構成面)を特定した。
なお、構成面が(111)面の場合、2θが36.9degree近傍、構成面が(100)面の場合、42.9degree近傍、構成面が(110)面の場合、62.3degree近傍に、それぞれ回折線が現れる。
<膜厚評価方法>
単一波長エリプソ装置を用い、He−Neレーザ(波長623.8×10−9m)を異なる2つの入射角(55degree、70degree)で入射させてエリプソ測定を行い、フィッティング解析により膜厚を求めた。
<スプラッシュ評価方法>
保護膜形成中の状態を、装置の窓から目視観察し、スプラッシュの発生を5段階評価した。スプラッシュが発生しなかった場合を「1」、スプラッシュが頻繁に発生した場合を「5」とした。
<二次電子放出係数の測定方法>
得られた成膜試料を、二次電子測定装置のターゲット位置に配置し、高真空中で活性化処理を行った後、二次電子放出係数を測定した。なお、測定時の試料温度は573K、イオン加速電圧は300Vとした。
実施例2
MgO(111)面で切り出して得られた、(10×10−3m)×(10×10−3m)×(0.5×10−3m)の薄膜形成用基板を蒸着材として用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
実施例3
MgO(110)面で切り出して得られた、(10×10−3m)×(10×10−3m)×(0.5×10−3m)の薄膜形成用基板を蒸着材として用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
実施例4
アーク電融法により製造したMgO単結晶を、(100)面の劈開により略直方体状に加工した後厚さ1×10−3mの板状体とした。このMgO単結晶板状体を、回転する刃状衝撃体により解砕した。解砕物を、金網により篩い分けし、3.5メッシュパス、4.7メッシュオンの粒度のものを蒸着材とした。この蒸着材を使用して、実施例1と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。なお、実施例において使用した篩い分け用の金網は、すべてJISZ8801に準拠したものを使用した。
実施例5
4.7メッシュパス、6.5メッシュオンの粒度のものを蒸着材としたこと以外は、実施例4と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
実施例6
厚さ1.5×10−3mの板状体に劈開すること以外は、実施例4と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
実施例7
MgO(100)面で切り出して得られた、(10×10−3m)×(10×10−3m)×(0.5×10−3m)の薄膜形成用基板と、MgO(110)面で切り出して得られた、(10×10−3m)×(10×10−3m)×(0.5×10−3m)の薄膜形成用基板とを、重量比1:1で混合したものを蒸着材として用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
実施例8
MgO(100)面で切り出して得られた、(10×10−3m)×(10×10−3m)×(0.5×10−3m)の薄膜形成用基板と、MgO(111)面で切り出して得られた、(10×10−3m)×(10×10−3m)×(0.5×10−3m)の薄膜形成用基板とを、重量比8:2で混合したものを蒸着材として用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
実施例9
MgO(100)面で切り出して得られた直径50.8×10−3m、厚み0.5×10−3mのオリフラをつけた薄膜形成用基板を蒸着材として用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
実施例10
厚さ0.4×10−3mの板状体に劈開し、4メッシュパス、5.5メッシュオンの粒度のものを蒸着材としたこと以外は、実施例4と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
比較例1
MgO(100)面で切り出して得られた、(10×10−3m)×(10×10−3m)×(0.3×10−3m)の薄膜形成用基板を蒸着材として用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
比較例2
劈開により得られた厚さ3×10−3mの板状体を蒸着材として使用したこと以外は、実施例4と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
比較例3
7.5メッシュパス、10メッシュオンの粒度のものを蒸着材として使用したこと以外は、実施例4と同様にしてMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
比較例4
アーク電融法で製造したMgO単結晶を、劈開することなく、回転する刃状衝撃体により解砕した。解砕物を、金網により篩い分けし、3.5メッシュパス、4,7メッシュオンの粒度のものを蒸着材とし、実施例1と同様にしてMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
比較例5
純度99.93質量%の高純度MgOを造粒した後、直径10×10−3m、厚み2×10−3mの金型を用いて、800×10kg/mの圧力で成型し、電気炉にて1873Kで10800秒焼成したものを蒸着材として使用し、実施例1と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。ただし、回折線は極めて弱く、最大投影面を構成する面を特定することはできなかった。
比較例6
厚さ0.5×10−3mの板状体に劈開し、6.5メッシュパス、8.6メッシュオンの粒度のものを蒸着材としたこと以外は、実施例4と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
比較例7
厚さ0.7×10−3mの板状体に劈開したこと以外は、比較例3と同様の方法でMgO膜を成膜し、同様の評価を行って結果を表1に示した。
Figure 2006225743
表1の結果から明らかなように、本発明のMgO単結晶蒸着材を使用して電子ビーム蒸着法によりMgO膜を製造すると(実施例1〜10)、スプラッシュの発生を抑え、かつ、成膜速度を増大することが可能となる。さらに、得られたMgO保護膜の放電特性も優れている。
また、最大投影面の合計面積の90%以上を(100)面、(110)面、又は(111)面のいずれかが単独で占めるMgO単結晶蒸着材を使用した場合(実施例1〜6、9、10)は、これらを混合したものを使用した場合(実施例7、8)に比べて放電特性をさらに向上することができる。
それに比べて、D/tが本発明の範囲外のMgO単結晶蒸着材を使用してMgO膜を製造した場合(比較例2〜4、7)は、成膜速度が低い、又は、スプラッシュが頻繁に発生し、結果として、MgO膜の膜質が低下する。さらに、MgO単結晶を所望の厚みに劈開することなく、刃状衝撃体により解砕したもの(比較例4)、及び、造粒、成型、焼成工程を経て得られたもの(比較例5)は、最大投影面の構成面を特定できず、スプラッシュが生じると同時に、成膜速度も遅く、膜質も向上していないことが確認された。そして、Vが5×10−9未満の場合(比較例6,7)、及びtが0.4x10−3m未満の場合(比較例1)は、成膜速度は向上するものの、スプラッシュの発生が著しく増加し、MgO膜の膜質が著しく低下する。
以上詳細に説明したように、本発明の単結晶MgO蒸着材は、例えば、電子ビーム蒸着法を使用して基板上にMgO膜を成膜するためのターゲット材として使用した際、成膜速度を低減することなく、スプラッシュの発生を防止することができるため、優れた膜特性、例えば、PDP用保護膜の放電特性などを向上させることが可能である。したがって、その工業的価値は極めて大である。
本発明において、MgO単結晶の形状を特定するための寸法パラメータを説明するための概念図である。 本発明のMgO単結晶蒸着材の形状・寸法の規定範囲を示すグラフである。
符号の説明
1 MgO単結晶蒸着材

Claims (6)

  1. 酸化マグネシウム単結晶よりなる蒸着材であって、前記蒸着材の最大投影面の円相当径をD(m)、前記最大投影面に垂直方向の厚みをt(m)、蒸着材の体積をV(m)としたとき、D/tが4以上、tが0.4×10−3m以上、Vが5×10−9以上であり、かつ、前記最大投影面の合計面積の90%以上が、(100)面、(110)面、及び(111)面の少なくとも1種で構成されていることを特徴とする酸化マグネシウム単結晶蒸着材。
  2. 前記Dが20×10−3m以下である、請求項1記載の酸化マグネシウム単結晶蒸着材。
  3. 前記最大投影面の合計面積の90%以上が(100)面で構成されている、請求項1又は2記載の酸化マグネシウム単結晶蒸着材。
  4. 前記酸化マグネシウム単結晶がアーク電融法により製造されたものであり、かつ、酸化マグネシウム単結晶の純度が99.9質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項記載の酸化マグネシウム単結晶蒸着材。
  5. 前記酸化マグネシウム単結晶蒸着材が電子ビーム蒸着用の蒸着材である、請求項1〜4のいずれか1項記載の酸化マグネシウム単結晶蒸着材。
  6. 酸化マグネシウム単結晶を解砕する工程を含む酸化マグネシウム単結晶蒸着材の製造方法であって、前記解砕工程が、酸化マグネシウム(100)面、(110)面、(111)面のいずれかで構成される略直方体形状に加工した後、前記略直方体形状の酸化マグネシウム単結晶の所望の最大投影面に垂直方向の厚みに沿って劈開し、次いで、所望の円相当径になるように解砕する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の酸化マグネシウム単結晶蒸着材の製造方法。
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