JP4873340B2 - 酸化マグネシウム単結晶蒸着材及びその製造方法 - Google Patents

酸化マグネシウム単結晶蒸着材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)用保護膜を、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法などの真空蒸着法を使用して製造する際に、蒸着源として使用される酸化マグネシウム(MgO)単結晶蒸着材及びその製造方法に関する。
放電発光現象を利用したPDPは、大型化しやすい平面ディスプレイとしてその開発が進められている。透明電極がガラス誘電体で覆われている構造のAC型のPDPでは、イオン衝撃のスパッタリングにより誘電体表面が変質して放電電圧が上昇することを防止するために、この誘電体上に保護膜を形成することが一般的である。この保護膜は、低い放電電圧を有し、耐スパッタリング性に優れていることが要求される。
かかる要求を満足する保護膜として、従来から、MgO膜が使用されている。MgO膜は耐スパッタリング性に優れ、かつ、二次電子の放出係数が大きい絶縁物であるため、放電開始電圧を下げることができ、PDPの長寿命化に寄与する。
現在、MgO膜は、MgO蒸着材を、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法などの真空蒸着法により誘電体上に形成されることが一般的である。MgO蒸着材としては、高純度MgO多結晶の焼結体、MgO単結晶を解砕したものなどが使用されている。
MgO多結晶焼結体は、成膜速度が遅く、成膜時に蒸着材の飛散(スプラッシュ)が発生しやすいため、均一な保護膜を得ることが困難であった。そこで、高純度、且つ、高密度で、平均結晶粒径を特定範囲に制御したMgO多結晶の焼結ペレット、あるいは、高純度、且つ、高密度で、カーボンの含有量を特定量以下に制御したMgO多結晶の焼結ペレットを蒸着材として使用することにより、蒸着時のスプラッシュの発生を低減し、均一な保護膜を得ることが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
さらには、MgO多結晶焼結体よりなる蒸着材の体積や表面粗さを特定することにより、電子ビームが照射される領域の蒸着材の実質的な表面積を増やし、成膜速度を向上させることが提案されている(特許文献3、特許文献4、及び特許文献5)。
しかしながら、上記のように製造方法に改良を加えて得られたMgO多結晶焼結体は、蒸着時の成膜速度の向上やスプラッシュ発生の抑制にある程度の効果は見られるものの、未だ満足すべき保護膜であるとは言い難い。それに加えて、多結晶焼結体の粒界は元来格子歪が集中しており、蒸着材表面に露出する粒界濃度にばらつきが生じやすく、そのためMgOの蒸発量が変動しやすいという根本的な問題もある。
一方、MgO単結晶蒸着材を得るための生産性に優れた方法として、回転刃による衝撃力でMgO単結晶を解砕する方法が採用されている。MgO単結晶を解砕して得られた蒸着材は、成膜速度が比較的速く、良好な保護膜が得られる。しかし、このような解砕方法により製造されたMgO単結晶蒸着材の形状が不定形であることなどに起因して、スプラッシュが発生する場合がある。そのため、特に大型基板に成膜した場合、均一な膜質を有する保護膜が得られにくいという問題がある。
そこで、成膜装置や成膜条件に応じてMgOの粒度を最適化することにより、成膜速度とスプラッシュの発生頻度とのバランスを図り、生産性と膜質の向上を両立することが行われている。このように粒度を最適化して得られたMgO単結晶は、成膜速度を向上することができるものの、スプラッシュの発生は十分に抑制することはできず、最終的に得られるMgO膜の均質性という点からみて、未だ満足すべきものとはいえない。
特開平10−297956号公報 特開2000−063171号公報 特開2004−43955号公報 特開2004−43956号公報 特開2004−84016号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決し、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法などの真空蒸着法を使用して基板上にMgO膜を成膜するためにターゲット材として使用するMgO単結晶蒸着材であって、蒸着時に成膜速度を低減させることなく、スプラッシュが抑制され、均質なMgO膜を得ることができるMgO単結晶蒸着材及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、MgO蒸着材の出発原料としてMgO単結晶を採用し、これを真空蒸着法における蒸着材として使用した際に、スプラッシュの発生原因となる因子について種々検討を重ねた結果、MgO単結晶の結晶性がスプラッシュの発生に深く関連し、MgO(200)面のロッキングカーブの半価幅を所定の範囲内に制御することで、成膜速度を低減することなく、スプラッシュの発生を防止できることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、MgO(200)面のロッキングカーブの半価幅が、0.005〜0.025degreeであることを特徴とするMgO単結晶蒸着材が提供される。
上記MgO単結晶蒸着材は、15×10−9〜1200×10−9の体積を有する略直方体状の単結晶であることが好ましい。なお、本発明において、略直方体状とは、直方体、立方体、板状体等の形状であり、さらに、それらの面に微小な段差(ステップ)が形成されたもの等を含むものをいう。
また、上記蒸着材に用いられるMgO単結晶は、アーク電融法により製造されたものであり、かつ、MgO単結晶の純度が99.9質量%以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、MgO単結晶を解砕する工程を含むMgO単結晶蒸着材の製造方法であって、前記解砕工程が、MgO(100)面方位に対し、−5〜+5degreeの範囲内の角度で刃形状の衝撃体を衝突させることにより劈開する工程を含む方法も提供される。
上記の方法において、解砕工程の後に、1373K以上の温度で、600秒を超える時間熱処理する工程を含むことが好ましい。
本発明のMgO単結晶蒸着材は、MgO(200)面のロッキングカーブの半価幅が0.005〜0.025degreeのMgO単結晶から形成されたものである。このMgO(200)面のロッキングカーブは、蒸着材内部のMgO単結晶の結晶性の良否およびMgO単結晶を加工する際に表面に導入された格子歪の程度を示す指標となるものである(岩波理化学辞典 第3版増補版 1471頁参照)。その半価幅が0.025degreeを超えると、成膜速度は向上するものの、MgOの蒸着量の変動が増大するので得られるMgO保護膜の膜質が著しく低下する。
また、半価幅が0.025degreeを超えると、局所的に格子歪が導入された領域が生じる確率が増加し、その結果、スプラッシュが多発する可能性が増大する。一方、ロッキングカーブの半価幅は小さいほど、良好な膜質の保護膜を得ることができるが、その反面、成膜速度が低下する傾向がある。したがって、半価幅は0.005degree以上である。好ましくは、0.01〜0.025degreeである。
上記のMgO単結晶は、生産性に優れているという観点から、アーク電融法により製造されたものであることが好ましい。また、MgO単結晶の純度が99.9質量%以上のものが好適に使用される。
さらに、上記のMgO単結晶から得られる本発明のMgO単結晶蒸着材は、格子歪を制御することによるスプラッシュ発生防止効果を十分に発揮させるために、かつ、スプラッシュの発生を低減したことに伴って生じる可能性のある成膜速度の減少を防止するために、MgO単結晶蒸着材の体積が15×10−9〜1200×10−9であることが好ましい。さらに好ましい蒸着材の体積は、25×10−9〜500×10−9である。
本発明のMgO単結晶蒸着材は、以下のようにして製造される。上述したように、例えば、アーク電融法によりMgO単結晶を製造する。続いて、このMgO単結晶を解砕する。この解砕工程において、劈開面であるMgO(100)面方位に対し、−5〜+5degree(以下、±5degreeと表記する)の範囲内の角度で刃形状の衝撃体を衝突させることにより、MgO単結晶を劈開してMgO単結晶蒸着材を得る。
上記のMgO(100)面方位に対する角度が、±5degreeの範囲を超えると、MgO単結晶蒸着材への格子歪の導入量が過度に増加してしまい、ロッキングカーブの半価幅を0.025degree以下に制御することが困難になる。(100)面方位に対する衝撃体の角度は、好ましくは、±3degreeである。
また、衝撃体の形状は刃形状であることが必要である。MgO単結晶は(100)面に沿って容易に劈開するNaCl型立方晶であり、衝撃を与えると容易に劈開し、略直方体状に加工することができる。しかし、衝撃体が、例えば、金槌のような平面(二次元)形状、アイスピックのような突起(ゼロ次元すなわち点状)形状等を有する場合、衝撃力の伝達方向と劈開の進展方向に差が生じるため、解砕時に格子歪が導入されてしまう。つまり、衝撃体は、例えばカッターナイフのように、MgO単結晶に対して連続する一次元の衝撃力を与えることが可能な形状であることが必要である。このように、一次元の衝撃力を与えることにより、二次元、ゼロ次元の衝撃力を与えた場合に比べて、衝撃力の伝達方向と劈開の進展方向とをほぼ一致させることができ、その結果、格子歪導入量を所望の範囲内とすることができる。
さらに、上記の方法によりMgO単結晶を劈開したのち、1373K以上の温度で、少なくとも600秒間熱処理すると、劈開によって生じたMgO単結晶蒸着材表面のステップ形状を平坦化することが可能となり、結果として、スプラッシュの発生を飛躍的に減少することができるため好ましい。この熱処理は、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス、酸素、空気等の酸化性ガス、又は、これらの混合ガス中で行うことが好ましい。
このようにして得られたMgO単結晶蒸着材は、例えば、PDP用保護膜を成膜するためのターゲット材として好適に使用することができる。このMgO単結晶蒸着材をターゲット材として使用した成膜法としては、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法などの真空蒸着法をあげることができ、特に、電子ビーム蒸着法は好適である。
本発明のMgO単結晶蒸着材を電子ビーム蒸着法のターゲット材として、MgO保護膜を成膜すると、成膜速度を低下させることなく、スプラッシュの発生を防止することができ、その結果、優れた膜特性を有するMgO保護膜を得ることが可能となる。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
1.MgO単結晶蒸着材の製造
アーク電融法により製造したMgO単結晶を、劈開により略直方体状に加工し、刃状衝撃体、具体的には、衝撃力を与える被解砕物に接触する刃の先端が、被解砕物の長さよりも長い直線状であり、先端部分に幅が5×10−4m以下で、先端のなす角度が13.5degreeである鋼からなる刃を有し、この刃の単位長さ当りの衝撃体の重量が5kg/mであるような衝撃体が劈開面に対し4degreeの角度をなすように配置して、10m/sの速度で衝突させることによりMgO単結晶を解砕した。この解砕工程は、被解砕物を移動させながら、一定間隔で刃状の衝撃体を衝突させることにより行い、得られる解砕物の大きさは、被解砕物の移動速度により制御した。すなわち、被解砕物が単独で衝撃体に衝突するように供給し、3×10−3m(移動量A)移動する毎に衝突させ、3×10−3m厚みの板状直方体を製造した。次いで、この板状直方体を移動台に敷き詰め、3×10−3m(移動量B)移動する毎に衝突させ、3×10−3m角の棒状直方体を製造した。さらに、この棒状直方体を移動台に敷き詰め、4×10−3m(移動量C)移動する毎に衝突させ、略直方体状の解砕物を得た。得られた解砕物を6.5メッシュの金網でふるい分けし、小さい解砕物を除去し、残ったものをMgO単結晶蒸着材とした。得られたMgO単結晶蒸着材の結晶性、体積、及び、表面ステップを下記の方法により評価し、結果を表1に示した。
<結晶性評価方法>
平行ビームX線回折法により、MgO(200)面のロッキングカーブ測定を行い、その半価幅により結晶性を評価した。装置はSLX−2000(株式会社リガク製)を使用し、X線源はCu−Kα、出力は40kV×450mAとした。入射光は、多層膜ミラーとGe(220)四結晶モノクロメータを通し、発散角が0.0033degreeの平行ビームとし、スリットで縦2×10−3、横0.5×10−3に制限して、シンチレーションカウンターで検出した。測定試料を、常法の半割り操作で設置し、2θを42.900degreeにセットし、ω軸を0.0005degreeステップでスキャンすることによりロッキングカーブを測定し、半価幅を求めた。
<体積の測定方法>
略直方体状の蒸着材の外形寸法を測定し、算出した。
<表面ステップの状態判定方法>
蒸着材表面をSEM分析し、ステップの形成状態を5段階評価した。ステップがなく平滑な表面を「1」、極めて多くのステップが存在する表面を「5」とした。
2.電子ビーム蒸着法によるMgO保護膜の形成
上記により得られたMgO単結晶蒸着材を、電子ビーム蒸着装置を使用して、ステンレス基板に60秒間成膜したのち、下記の方法で膜厚を測定して成膜速度を算出した。次いで、算出した成膜速度から成膜条件を決定し、膜厚が100nmになるように成膜して、評価用の試料を得た。なお、電子ビーム蒸着は、加速電圧15kV、蒸着圧力1×10−2Pa、蒸着距離0.6mの各条件で行った。得られた評価用の試料について、スプラッシュの発生の程度、成膜後の二次電子放出係数をそれぞれ測定し、結果を表1に示した。
<膜厚評価方法>
単一波長エリプソ装置を用い、He−Neレーザ(波長623.8×10−9m)を異なる2つの入射角(55degree、70degree)で入射させてエリプソ測定を行い、フィッティング解析により膜厚を求めた。
<スプラッシュ評価方法>
保護膜形成中の状態を、装置の窓から目視観察し、スプラッシュの発生を5段階評価した。スプラッシュが発生しなかった場合を「1」、スプラッシュが頻繁に発生した場合を「5」とした。
<二次電子放出係数の測定方法>
得られた成膜試料を、二次電子測定装置のターゲット位置に配置し、高真空中で活性化処理を行った後、二次電子放出係数を測定した。なお、測定時の試料温度は573K、イオン加速電圧は300Vとした。
実施例2
MgO単結晶の劈開面に対する刃状衝撃体の角度を、2degreeに調節し、被解砕物の移動量A〜Cを各々5×10−3m、5×10−3m、及び3×10−3mとし、4.7メッシュの金網でふるい分けたこと以外は、実施例1と同様にして、MgO単結晶蒸着材、及びそれをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価試験を行って結果を表1に示した。
実施例3
MgO単結晶の解砕時に、被解砕物の移動量A〜Cを各々4×10−3m、4×10−3m、及び3×10−3mとし、ふるい分け後に電気炉を用いて、1473Kで1200秒間熱処理したこと以外は、実施例1と同様にして、MgO単結晶蒸着材、及びそれをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価試験を行って結果を表1に示した。
実施例4
MgO単結晶の解砕時に、被解砕物の移動量A〜Cを各々7×10−3m、7×10−3m、及び7×10−3mとし、3.5メッシュの金網でふるい分けたこと以外は、実施例1と同様にして、MgO単結晶蒸着材、及びそれをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価試験を行って結果を表1に示した。
実施例5
MgO単結晶の劈開面に対する刃状衝撃体の角度を、5degreeに調節し、被解砕物の移動量A〜Cを各々2×10−3m、2×10−3m、及び3×10−3mとし、7.5メッシュの金網でふるい分けたこと以外は、実施例1と同様にして、MgO単結晶蒸着材、及びそれをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価試験を行って結果を表1に示した。
実施例6
被解砕物の移動量A〜Cを各々12×10−3m、12×10−3m、及び10×10−3mとし、2.5メッシュの金網でふるい分けたこと以外は、実施例5と同様にして、MgO単結晶蒸着材、及びそれをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価試験を行って結果を表1に示した。
比較例1
劈開面に対する刃状衝撃体の角度を10degreeにした以外は、実施例1と同様にして、MgO単結晶蒸着材、及びそれをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価試験を行って結果を表1に示した。
比較例2
アーク電融法で製造したMgO単結晶を、回転する刃状衝撃体により解砕した。劈開面に対する刃状衝撃体の衝突角度を制御することはできなかったため、不明である。解砕物を、金網によりふるい分け、3.5−4.7メッシュの粒度のものを得てMgO単結晶蒸着材とした。この蒸着材、及びそれをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価試験を行って結果を表1に示した。
比較例3
純度99.93質量%の高純度多結晶MgOを造粒した後、直径10×10−3m、厚み2×10−3mの金型を用いて、800×10kg/mの圧力で成型し、電気炉にて1873Kで10800秒間焼成したものを蒸着材とした。この蒸着材、及びそれをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価試験を行って結果を表1に示した。なお、回折線は極めて弱く、ブロードであったため、ロッキングカーブの半価幅を求めることができなかった。
比較例4
被解砕物に接触する最小幅が線状である刃形状衝撃体に代えて、被解砕物に接触する最小幅が10×10−3mの平面状衝撃体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、MgO単結晶蒸着材、及び、それをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価を行って、結果を表1に示した。
比較例5
劈開面に対する刃状衝撃体の角度を6degreeにしたこと以外は、実施例1と同様にしてMgO単結晶蒸着材、及び、それをターゲットとしたMgO膜を製造し、同様の評価試験を行って結果を表1に示した。
Figure 0004873340
表1の結果から明らかなように、本発明のMgO単結晶蒸着材をターゲット材として蒸着法により得られたMgO膜(実施例1〜6)は、蒸着時の成膜速度を低減することなく、スプラッシュの発生が防止されており、その結果、二次電子放出特性に優れたものとなることが確認された。
また、MgO単結晶を解砕した後、熱処理したもの(実施例3)は、表面のステップが熱処理していないものに比べて平坦となり、スプラッシュの低減効果が著しく、その結果、二次電子放出係数も飛躍的に向上することが確認された。
さらに、得られた略直方体状の蒸着材の体積を所定範囲に調整したもの(実施例1〜4)は、その範囲を逸脱するもの(実施例5,6)に比べてさらに膜特性が向上することが確認された。
それに対して、MgO単結晶の被解砕物の(100)面方位と刃状衝撃体とのなす角度が±5degreeを超えるもの(比較例1、5)、及び、衝撃体が回転刃で被解砕物とのなす角度を制御できないもの(比較例2)は、得られる解砕物に導入される格子歪が大きいためスプラッシュの発生が頻繁となり、結果として、膜質が低下する。
一方、蒸着材として多結晶MgO粉末を成型、焼成したものを使用した場合(比較例3)は、成膜速度が遅く、スプラッシュが頻発するので、得られるMgO膜の二次電子放出特性が著しく低いことが確認された。
また、MgO単結晶の解砕に刃形状と異なる平面形状の衝撃体を用いたもの(比較例4)は、衝撃体と被解砕物が接触する面の長辺方位とMgO単結晶の劈開面の方位を特定の角度以内に配置し、衝撃を与えても、所望の劈開面だけでなく、その面に直交する方位に劈開が進展してしまい、微細な解砕物が多く発生する。その中でも所望の大きさに近い形状に解砕されたものを用い、順次方位を変えて解砕したが、この工程は極めて作業性が悪く実用的ではなかった。また、平面状に衝撃を与えることにより、格子歪の導入量が極めて増加するため、スプラッシュの発生も頻繁となり、結果として、膜質が低下する。
以上詳細に説明したように、本発明の単結晶MgO蒸着材は、例えば、電子ビーム蒸着法を使用して基板上にMgO膜を成膜するためのターゲット材として使用した際、成膜速度を低減することなく、スプラッシュの発生を防止することができるため、優れた膜特性、例えば、PDP用保護膜の放電特性などを向上させることが可能である。したがって、その工業的価値は極めて大である。

Claims (5)

  1. 酸化マグネシウム(200)面の平行ビームX線回折法によるロッキングカーブの半価幅が、0.005〜0.025degreeであることを特徴とする酸化マグネシウム単結晶蒸着材であって、
    平行ビームX線回折法によるロッキングカーブの半価幅を、
    X線源はCu−Kα、出力は40kV×450mAを用い、
    入射光は、多層膜ミラーとGe(220)四結晶モノクロメータを通し、発散角が0.0033degreeの平行ビームとし、スリットで縦2×10 −3 、横0.5×10 −3 に制限して、酸化マグネシウム(200)面に照射し、
    測定試料である酸化マグネシウム(200)面は、半割り操作で装置に設置され、
    酸化マグネシウム(200)面からの回折X線の2θを42.900degreeにセットし、ω軸を0.0005degreeステップでスキャンし、シンチレーションカウンターで検出することにより測定する、酸化マグネシウム単結晶蒸着材
  2. 前記酸化マグネシウム単結晶蒸着材が、15×10−9〜1200×10−9の体積を有する略直方体状の単結晶である、請求項1載の酸化マグネシウム単結晶蒸着材。
  3. 前記酸化マグネシウム単結晶がアーク電融法により製造されたものであり、かつ、酸化マグネシウム単結晶の純度が99.9質量%以上である、請求項1又は2記載の酸化マグネシウム単結晶蒸着材。
  4. 酸化マグネシウム単結晶を解砕する工程を含む酸化マグネシウム単結晶蒸着材の製造方法であって、前記解砕工程が、酸化マグネシウム(100)面方位に対し、−5〜+5degreeの範囲内の角度で刃形状の衝撃体を衝突させることにより劈開する工程を含む、酸化マグネシウム単結晶蒸着材の製造方法。
  5. 前記解砕工程の後に、1373K以上の温度で、600秒を超える時間熱処理する工程を含む、請求項4記載の製造方法。
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