JP2006223851A - 温熱刺激用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチセラピーに適した温熱刺激用具を提供する。特に、温熱刺激および触刺激の両方においてタッチセラピーの効果が高く、簡便で、安全性が高く、経済的な温熱刺激用具を提供する。
【解決手段】生体に対し断続的に接触させることによって、温熱体に由来する熱刺激を付与する温熱刺激用具であって、a)前記温熱体が、少なくともその一部が通気性を有する包材によって構成されている袋体と、この袋体に収容された、酸素と反応することによって発熱する発熱組成物とによって構成されており、b)前記温熱刺激用具が、実質的に水蒸気非透過性の手掌部接触面(A面)と水蒸気透過性の被刺激部接触面(B面)とを有し、c)前記手掌部接触面(A面)側の最高表面温度と比較して前記被刺激部接触面(B面)側の最高表面温度が高温であること、を特徴とする温熱刺激用具。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体に温熱刺激を与えるための用具に関する。さらに詳しくは、本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が収容された温熱体を用いた温熱刺激用具であって、生体の所望の部位に瞬間的または断続的に温熱刺激を与えるための用具に関する。
痛みや不快な症状のある部分に手を当てること、さらにはその部分を摩ったり、押したりすることは、人間が自然に行う動作である。実際、それによって症状が改善されることも少なくないため、日本では例えば指圧または按摩、欧米ではマッサージ、タッチケアまたはタッチセラピー等と呼ばれる治療法が行われている(本願においては、以下、患部を手または指などでさわることを伴うこれらの治療法を総称して「タッチセラピー」と呼ぶことがある)。このようなタッチセラピーの効果としては、マッサージによる血流等の改善効果に加えて、触わることによる内分泌系等の種々の身体機能の調節等も含まれる。
また、生体に、局所的に温熱を与え、患部の治療をする方法も従来から知られている。例えば、お灸、温湿布などがある。温熱を与えることにより、新陳代謝の促進、血管拡張による血行改良、白血球およびリンパ球の活性化、鎮痛物質の生成、筋肉や関節の炎症の寛解等の効果が期待される。
従来、指圧またはマッサージの際に使用しうる温熱用具としては、以下のようなものが考案されていた。特許文献1には、使い捨てカイロ等を収容する部分と手指を挿入する部分との2つの袋状の部分を有する簡易温マッサージ具が記載されている。特許文献2には、手袋の掌側の指先と掌部分とに保温材を猫の手の肉球のような形状に取り付けた手袋型保温具が記載されている。この保温具に使用されている保温材は予め温めてから使用する必要があるものである。
これらの文献に記載された発明は、既存の温熱(保温)材を単に手に固定できるようにしたものにすぎず、マッサージ等の効果の増大または実用上の利便性等は考慮されていないうえ、これらの文献には、材質、構成等についての詳細はまったく記載されていない。
また、身体の種々の部位、特に手掌部に固定して用いる使い捨てカイロ等の温熱用具も多く考案されている(例えば特許文献3)。しかし、これらは固定されたその部位に温熱を与える目的で使用されるものであり、したがってタッチセラピー用としての、即ちそれが固定されている部位以外の部位に温熱や触刺激を与える目的での使用には、まったく適していない。また、固定されている部位には継続的に温熱が与えられるため、やけど、または低温火傷の危険性から発熱温度が比較的低く抑えられているものである。
特開2001−46453 特開2002−694 登録実用新案公報第3013404号
本発明は、タッチセラピーと同様に移動させながら適用する施術に適した温熱刺激用具を提供することを目的とする。本発明は、特に、温熱刺激および触刺激の両方において効果が高く、簡便で、安全性が高く、経済的な温熱刺激用具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討の結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
〔1〕生体に対し断続的に接触させることによって、温熱体に由来する熱刺激を付与する温熱刺激用具であって、
a)前記温熱体が、少なくともその一部が通気性を有する包材によって構成されている袋体と、この袋体に収容された、酸素と反応することによって発熱する発熱組成物とによって構成されており、
b)前記温熱体が、実質的に水蒸気非透過性の手掌部接触面(A面)と水蒸気透過性の被刺激部接触面(B面)とを有し、
c)発熱の立ち上り5分後において、前記手掌部接触面(A面)側の表面温度と比較して前記被刺激部接触面(B面)側の表面温度が高温であること、
を特徴とする温熱刺激用具;
〔2〕生体に対し断続的に接触させることによって、温熱体に由来する熱刺激を付与する温熱刺激用具であって、
a)前記温熱体が、少なくともその一部が通気性を有する包材によって構成されている袋体と、この袋体に収容された、酸素と反応することによって発熱する発熱組成物とによって構成されており、
b)前記温熱刺激用具が、手掌部に保持させる部材(保持部材)を前記温熱体と分離して有し、
c)前記保持部材が、実質的に水蒸気非透過性の手掌部接触面(C面)と水蒸気透過性の被刺激部接触面(D面)とを有し、かつ、手掌部接触面(C面)と被刺激部接触面(D面)との間に前記温熱体が収容されるように構成されており、
d)発熱の立ち上り5分後において、前記手掌部接触面(C面)側の表面温度と比較して前記被刺激部接触面(D面)側の表面温度が高温であること、
を特徴とする温熱刺激用具;
〔3〕発熱の立ち上り5分後の前記被刺激部接触面(B面)の最高熱流量が、600W/m以上である、前記〔1〕または〔2〕記載の温熱刺激用具;
〔4〕発熱の立ち上り5分後の前記被刺激部接触面(B面またはD面)の表面温度が、50〜80℃である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の温熱刺激用具;
〔5〕前記袋体の少なくとも一部を構成する通気性を有する包材の透湿度が、1500〜8000g/m・dayである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の温熱刺激用具;
〔6〕発熱中の少なくとも一時において、前記温熱体が膨張する、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の温熱刺激用具;
〔7〕漢方エキス、オイル、香料および植物の乾燥物から選ばれる1種以上を含有する、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の温熱刺激用具;
〔8〕ガスバリア性外袋に収容密封されている、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の温熱刺激用具;
を提供する。
本発明の温熱刺激用具によれば、特別な装置等を必要とせず、いつでも、どこにおいてもタッチセラピー型の温熱刺激術を実施可能であり、さらに酸素と反応することによって発熱する発熱組成物(以下、単に「発熱組成物」ということがある)が収容された温熱体を用いるので、簡便に、低コストで、かつ安全に手(施術部)の温熱エネルギーを増強することができ、触刺激および温熱刺激の効果を増大することが可能となる。
また、発熱組成物が空気中の酸素と接触して発熱する際に酸化反応で水蒸気が生成するので、この水蒸気を、タッチセラピーの温熱、触刺激による効果に加えて、心地よさの増大に利用することができる。即ち、被刺激部接触面側に通気性を有する包材を用いた場合、発熱組成物が空気中の酸素と接触して発熱する際に酸化反応で生成した水蒸気が適度に放出され、これによって更なる温熱伝達効果が得られるとともに、保湿効果を高めることもできる。
また、膨らむように構成された本発明の温熱刺激用具は、使用時の生体への追従性がさらによく、例えば首、肩、腰、顔などの凹凸部にも追従し温熱が伝達されやすい。
さらに、本発明の温熱刺激用具によれば、発熱組成物が空気中の酸素により酸化することによって発生する熱を利用して、火を使わずに、火を使うお灸と同程度の熱刺激を断続的に複数回にわたり被施術部に与えることができる。しかも、本発明の温熱刺激用具は、お灸と比較して、相当程度広い面積を有する面での熱刺激を付与することができるため、鍼灸師のように生体のつぼに関する専門的な知識を有する者でなくても、簡単にお灸と同様な効果を得ることができる。
本発明の温熱刺激用具において使用される温熱体は、少なくともその一部が通気性を有する包材によって構成されている袋体に、発熱組成物が収容されてなる。発熱組成物は、公知のいずれのものであってもよい。典型的には、被酸化性金属粉、無機電解質、保水剤および水等を含む混合物であり、この他、活性炭等が加えられる場合もある。これらの成分として一般的に使用されるものの例は、以下のとおりである。被酸化性金属粉としては、鉄粉、亜鉛粉等である。無機電解質としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化第二鉄、塩化マグネシウム等である。活性炭としては、ヤシガラ活性炭等である。保水剤としては、木粉、バーミキュライト、高分子吸水剤等である。
また、発熱組成物の各成分の混合比率は、当業者によって適宜決定される。
発熱組成物は、袋体を2以上の気室に分けて収容してもよい。例えば2以上の気室が手掌部の平面上に横に並ぶようにすると、柔軟な動きが可能となり、生体への追従性がさらに向上する。また、2以上の気室が手掌部の平面と水平に縦に重なるように構成すると、各気室に異なる発熱組成物を封入することにより、後述する温熱刺激用具の手掌部接触面と被刺激部接触面との温度差を容易に作ることができる。
上記組成物を収容する袋体の少なくとも一部を構成する通気性の包材としては、多孔質フィルム、無孔フィルムに貫通孔を設けたもの、等を単独でまたは積層して用いることができる。さらに、不織布、織布、紙等と積層してもよい。袋体のその他の部分は、非通気性の包材で構成されていてもよい。非通気性の包材としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の非通気性フィルムの単層または積層体、またはそれらと不織布、織布、紙等との積層品等を挙げることができる。
本発明の温熱刺激用具は、少なくとも2つの面、即ち実質的に水蒸気非透過性の手掌部接触面(A面またはC面)および水蒸気透過性の被刺激部接触面(B面またはD面)を有する。本発明に関して、手掌部接触面(A面またはC面)は、使用状態で施術者の手掌部と接する面であり、被刺激部接触面(B面またはD面)は、手掌部接触面と対向する側に位置し、使用状態において温熱および触刺激を適用すべき部位(施術を受ける部位)に接触する面である。ここで、「実質的に水蒸気非透過性」とは、透湿度(JIS K7129での測定値)が100g/m・day以下であることを意味する。なお、本発明において、手掌部接触面および被刺激部接触面を、便宜上、これらが温熱体上に設けられている場合にはA面およびB面、後述する保持部材上に設けられている場合にはC面およびD面と、それぞれ略称することがある。
A面またはC面を構成する包材は実質的に水蒸気非透過性であり、B面またはD面を構成する包材は水蒸気透過性である。また、それぞれ、非通気性あるいは一部または全面が通気性を有するものであればよい。ただし、両面全体として少なくともその一部が通気性を有することが必要である。
本発明の温熱刺激用具に含まれる温熱体は、少なくともその一部が通気性を有する袋体で構成されているが、この袋体の透湿度は、発熱組成物への酸素供給量や発熱組成物中の液状成分の染み出しの観点から、1500〜8000g/m・dayが好ましく、また、温熱体の膨張という観点をさらに加えれば、1800〜7000g/m・dayが好ましく、さらに好ましくは2500〜6000g/m・dayであり、特に好ましくは2500〜5500g/m・dayである。
袋体を構成する包材同士のシール強度が不充分な場合、これを向上させるために、両包材の間に、付加的なシートをはさむことができる。このシートとしては、例えば、熱可塑性樹脂シート、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル(EVA)等の単層または積層シートであって、孔を有するものを用いることができる。この孔は、例えば孔径50〜1000μm、好ましくは100〜600μm、ピッチ0.5〜15mm、好ましくは1.4〜2.5mm程度であることができる。このシートはまた、包材の強度を補強したり、温熱体が膨張時に破袋したときの発熱組成物のもれを防止するにも有効であるので、通気性包材の内側に設けると有利である。
本発明の温熱刺激用具においては、発熱の立ち上り5分後において、手掌部接触面(A面またはC面)の表面温度と被刺激部接触面(B面またはD面)の表面温度とが異なり、前者が後者より低い。ここで、「発熱の立ち上り5分後における表面温度」とは、室温(23℃)空気中で、各表面上に設置した温度センサーにより測定した、温熱体を収容するガスバリア袋を開封(または空気中の酸素との接触を開始)して5分後のそれぞれの表面温度を指す。
このように、本発明では、使用状態での手掌部接触面(A面またはC面)側の表面温度が、被刺激部接触面(B面またはD面)側の表面温度よりも低くなるようにしている点が特徴的である。これは、手掌部接触面が継続的に手掌部に接触するのに対し、被刺激部接触面は非固定的に断続的に被施術部に接触するという使用上の特徴による。即ち、手掌部接触面は、手掌部に温熱を適用することを目的としないにもかかわらず、手掌部に継続的に温熱を与えることにより、蓄熱、火傷または低温火傷の可能性が高くなる。一方、被刺激部接触面は、手掌部に最適な温度に設計すると被施術部で感じる温熱が不充分となり、温熱刺激および触刺激の効果も不充分となりやすいことになる。
被刺激部接触面(B面またはD面)の発熱の立ち上り5分後の表面温度は、被刺激部への熱刺激の強度、および刺激の心地よさを考慮すると、50〜80℃であることが好ましく、特に好ましくは、65〜75℃である。
同様に、手掌部接触面(A面またはC面)の発熱の立ち上り5分後の表面温度は、20〜75℃、好ましくは20〜70℃、より好ましくは20〜65℃である。また、好ましくは、被刺激部接触面(B面またはD面)と手掌部接触面(A面またはC面)との立ち上り5分後の表面温度の差は2℃以上であり、さらに好ましくは5℃以上である。なお、使用状態での手掌部接触面(A面またはC面)側の最高表面温度は、好ましくは20〜45℃、さらに好ましくは20〜40℃である。
手掌部接触面側と被刺激部接触面側との所望の表面温度は、両面側に異なる発熱特性の発熱組成物および/または異なる包材などを適宜選択することによって実現することもできるが、後述する手掌部接触面の温熱緩和層および/または被刺激部接触面の被刺激部接触層の設置または設計によって実現してもよい。
また、温熱刺激用具を、生体に断続的に接触させる場合には、熱刺激の強度、その心地よさの観点から、発熱の立ち上り5分後の被刺激部接触面(B面)の最高熱流量が600W/m以上となることが好ましい。さらに好ましくは1000W/m以上、特に好ましくは1500W/m以上である。
ここで、「発熱の立ち上り5分後の最高熱流量」とは、室温(23℃)の空気中で、温熱体を収容するガスバリア袋を開封して温熱体を取り出し、B面またはD面側を上にして5分間静置した後、被刺激部接触面(B面またはD面)を熱流センサーに接触させ、接触時から1分間における単位面積当たりの最大の熱流値をいう。
本発明の温熱刺激用具の温熱体は、発熱中の少なくとも一時において、膨張することが好ましい。温熱体の膨張は、発熱組成物の組成、量、包材の透湿度や孔径、強度等を適宜選択して組み合わせることによって実現できる。温熱刺激用具の性能、例えば凹凸のある被刺激部接触面への追従性、使用感、効率よい熱刺激の伝達などの観点からすれば、その膨張率は、1.1〜20.0であることが好ましく、2.0〜15.0であることがさらに好ましく、特に好ましくは3.0〜10.0である。ここで、「膨張率」とは、温熱体の発熱中に到達した最大の厚さを発熱開始前の温熱体の厚さで割った値をいい、具体的には、発熱開始前の測定サンプルの温熱体の被刺激部接触面側を下にして、実験台上に静置し、サンプルの厚さ(mm)を測定しておき(測定値=D1)、その後、温熱体が発熱に伴って膨張したら、その厚さが最大に達したところでサンプルの厚さ(mm)を測定し(測定値=D2)、これらの測定値に基づいて下記式によって算出する。
膨張率=D2/D1
本発明の温熱刺激用具は、温熱体のみからなっていてもよいが、温熱体のほか、任意の付加的要素を有していることができる。例えば、温熱体を手掌部に保持させる部材、温熱緩和層、被刺激部接触層等を有していてもよい。
温熱体を手掌部に保持させる部材(以下「手掌部に保持させる部材」または「保持部材」ともいう)は、温熱体に設けられていてもよく、あるいは、温熱体から分離されていてもよい。便宜上、前者を一体型、後者を分離型と呼ぶことがある。
本発明の温熱刺激用具が手掌部に保持させる部材を有することは、施術者にとっても種々の利点を与える。即ち、本発明の温熱刺激用具は、単に手掌部に固定できるというだけでなく、身体の各部位に施術するという使用形態に適した固定の方式を採用することができ、使用中の適切な保持が可能である。さらに、施術する手掌部への温熱が過剰にならないように調節することができ、手掌部の火傷または低温火傷を防止し、あるいは疲労を緩和することができる。
例えば、保持部材としては、繊維、紙、樹脂、ゴム等を紐状、帯状、網状、シート状等に加工したものが使用できる。これらの材料からなる保持部材は、一体型の場合、温熱体の手掌部接触面(A面)側の一部または全面を覆うように構成される。一般的には、その端部の一部が面ファスナー、融着または接着等の方法で前記手掌部接触面(A面)側に固定されており、保持部材と前記温熱体の手掌部接触面(A面)側との間に手を挿入することにより前記温熱体を手掌部に保持させる構造であることができる。
また、保持部材としては、粘着剤からなる部材も用いることができる。例えば、温熱体の手掌部接触面(A面)側に、粘着剤のような粘着部材を部分的または全面的に設け、温熱体を手掌部に貼付した形で手掌部に保持させることができる。
ここで使用される粘着剤としては、例えばアクリル系、ゴム系等、医学的に許容される粘着剤であればよい。
これらの保持部材は、いずれか1つを採用してもよいが、2つ以上を適宜組み合わせて併用してもよい。
保持部材は、温熱体本体部を収容するための収容部を備えており、温熱体と一体化されていないもの、即ち分離型であってもよい。ここで、温熱体本体部とは、発熱組成物が収容された包材からなる袋体を含む保持部材以外の部分を指す。
この場合、保持部材の素材は前記の一体型の場合と同じであるが、温熱体本体部の包材が少なくとも一部に通気性を有する。そして、分離型の保持部材の温熱体本体部を収容するための収容部は、手掌部接触面(C面)および被刺激部接触面(D面)を有し、少なくともその両面または片面の一部が通気性を有し、温熱体を出し入れするための開口部を有する。この態様においては、C面の内側または外側に後述する温熱緩和層、および/またはD面の外側に後述する被刺激部接触層を設けてもよい。この態様においては、1つの保持部材に対し、複数の温熱体本体部を使用してもよく、そのようにすると、発熱組成物を2以上の気室に分けて収容した場合と類似の効果が得られる。また、この態様の場合、保持部材は複数回使用することができ、経済的である。
温熱緩和層は、手掌部に伝わる発熱を少なくとも部分的に低減させ、手掌部接触面における温度が被刺激部接触面における温度よりも低くなるようにするための層である。温熱緩和層としては、連続性発泡体シート、独立性発泡体シートおよびこれに貫通孔を設けたもの、不織布、布、紙、合成樹脂シート等を単独でまたは積層して用いることができる。温熱緩和層は、一体型の温熱刺激用具(温熱体)の手掌部接触面(A面)に設けることができるが、前記のような分離型の保持部材を有する場合は、保持部材の収容部の手掌部接触面(C面)またはその内側に同様の温熱緩和層を設けることができる。
被刺激部接触層は、タッチセラピーにおける効果を増大するための層である。被刺激部接触層によって、触刺激の効果を目的および/または好みに応じて生体表面、特に皮膚の受ける感触を最適化することができ、また、温熱体または温熱刺激用具の耐久性を向上させることもできる。
被刺激部接触層は、柔軟で、多少の曲面にも追随することが可能な弾力性および/または生体表面に接触させたときの滑り性および/またはタッチセラピーにおける擦る、揉むといった動きに耐える耐摩耗性を有することが好ましい。また、熱伝導性、吸汗性等、使用条件に応じて適宜特性を選択または設定することができる。材料としては、例えば連続性発泡体シート、独立性発泡体シートおよびこれに貫通孔を設けたもの、不織布、織布(ベルベット等を含む)、紙、合成樹脂シート等を単独でまたは積層して用いることができる。さらに、これらの単独または積層シートは、摩擦係数の低い表面材、例えばポリエチレンまたはポリエステル等の合成樹脂の格子状、ストライプ状等のネット状シートを接着または融着等の方法で積層したり、合成樹脂の突起状構造物(例えば粒状突起物等)を設けたりして表面に凹凸または突起を有する形態に加工して用いてもよい。被刺激部接触層またはその最外層をこのようにすると、滑り性、耐摩耗性、およびタッチセラピーの効果を向上させたり、より効果的に熱刺激を与えたりすることができる。さらに、被刺激部接触層の表面には、シリコン、テフロン(登録商標)等の樹脂加工を施してもよく、それによって撥水性、撥油性、潤滑性等の好都合な機能を付加または改善することができる。
被刺激部接触層は、温熱刺激用具(温熱体)の被刺激部接触面(B面)に設けることができるが、前記のような分離型の保持部材を有する場合は、保持部材の収容部の被刺激部接触面(D面)に同様の被刺激部接触層を設けることができる。
また、本発明の温熱刺激用具には、被刺激部接触層、発熱組成物、手掌部接触層等に、経皮吸収および/または吸入によってリラックス効果等の身体的または精神的効果を期待できる各種の成分、例えば各種の薬剤、漢方エキス、オイル、香料、植物の乾燥物(例えば、ヨモギやビワの葉等:もぐさ)等を、配合、含浸もしくは積層等により包含させて用いることができる。好ましくは、包含部位は被刺激部接触層および/または発熱組成物である。
薬剤としては、例えば、保湿剤、フリーラジカル捕捉剤、角質溶解剤、ビタミン、抗エラスターゼ剤、抗コラゲナーゼ剤、窒素質有機物、脂肪酸誘導体、ステロイド、微量元素、漂白剤、藻類の抽出物、プランクトンの抽出物、サンスクリーン、酵素、補酵素、フラボノイドおよびセラミド等が挙げられるが、これらに限らない。
漢方エキスとしては、任意の形態の公知の漢方成分、であれば特に制限されずに使用することができる。具体的には例えば、葛根湯、小青竜湯、小柴胡湯、八味地黄丸、補中益気湯、小建中湯、消風散、清上防風湯、防風通聖散、五苓散、防已黄耆湯、乙字湯、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、安中散、平胃散等が例示されるが、これらのみに限らない。
オイルとしては、例えば、サフラワーオイル、オリーブ油、マカデミアナッツ油等の油脂類;ジンジャーオイル、インモルテルオイル、サンダルウッドオイル、アニスオイル、フェンネルオイル、ピメントベリーオイル、シナモンオイル、ローレルオイル、タイムオイル、スパイクラベンダーオイル、バジルオイル、コリアンダーオイル、シトロネラオイル、メリッセオイル、ゼラニウムオイル、パルマローザオイル、ディルシードオイル、オレンジバレンシア、ライムオイル、セロリハーブオイル 、リトシークベバオイル、ベルベナオイル、アンジェリカシードオイル、コパイバオイル、オリガナムオイル、リナロール、チネオールおよびアネトールから選ばれる精油等が挙げられるが、これらに限らない。
香料としては、天然香料や合成香料が挙げられ、天然香料としては例えば動物性香料(例えば、じゃ香、霊猫香、竜挺香等)、植物性香料(例えば、アルモンド油、シンナモン油、シトロネラ油、コニャック油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、レモン油、ナツメグ油、カラシ油、はっか油、オレンジ油等);合成香料としては例えば、炭化水素類(リモネン等)、アルコール類(シトロネオール等)、フェノール類(オイゲノール等)、アルデヒド類(シンナミックアルデヒド等)、ケトン類(樟脳、P−メチルアセトフェノン等)、ラクトン(クマリン等)、エステル類(ミリスチン酸エチル、桂皮酸シンナミル、アンスラニル酸メチル等)等が挙げられるが、これらに限らない。
植物の乾燥物としては、ヨモギやビワの葉、もぐさのほか、クワの葉、ケイヒ、ドクダミ、インセンス等が挙げられるが、これらに限らない。
これらは1種または2種以上が使用できる。これらのうち、好ましくはもぐさ、香料である。これらを含めることにより、例えばもぐさの場合にはお灸をしている心理状態になり精神的にリラックスできると共に、温熱刺激用具の高温発熱によりお灸の場合に「もぐさ」が燃焼するのと同様な身体への健康増進効果が期待できる。香料の場合は香りの吸入により同様なリラックス効果が期待できる。さらに、漢方エキス等については、高温発熱による経皮吸収効果が向上される。
これらの成分を包含させる量は種類により異なるが、好ましくは、包含させる部位にかかわらず発熱組成物に対して0.1〜10重量%である。
本発明の温熱刺激用具は、その手掌部接触面を内側(即ち施術者の手掌部に接するようにする)、被刺激部接触面を外側(即ち被施術部位に接触可能なようにする)にして施術者がその手掌部に保持し、その被刺激部接触面を生体の被施術部に、直接(体表面に直接)または間接的(例えば布などを介して)に、非固定的に(瞬間的または断続的に)接触させることにより使用することができる。このようにして、容易に、簡便に、接触した生体に温熱効果および触刺激効果等を与えることができる。
本発明の温熱刺激用具は、一般にガスバリア性の外袋に収容されて使用時まで保存される。分離型の保持部材を有する場合、温熱体本体部のみが気密性外袋に収容されていてもよい。また、この場合、保持部材1つに対して2以上の温熱体本体部を組み合わせて、複数回使用できるセットとして供給してもよい。
実施例1
包材:ポリエチレン多孔質フィルム(40μm)とポリプロピレン不織布(40g/m)との積層品(通気度3,000秒/100cc、透湿度3300g/m・24h)を、発熱組成物を収容する袋体の被刺激部接触面(B面)側に使用した。発熱組成物を収容する袋体の手掌部接触面(A面)側には、ポリエチレンフィルム(30μm厚)と非通気性発泡ポリエチレンシート(1mm厚)との積層品を使用した。この非通気性発泡ポリエチレンシートは温熱緩和機能を有し、手掌部への過剰な伝熱を抑制する効果が期待される。
発熱組成物:鉄粉40重量部、活性炭17重量部、バーミキュライト15重量部、塩化カリウム5重量部、水23重量部の混合物を使用した。
温熱体:まず、135×100mmの大きさの両包材をそれぞれポリエチレンフィルムを内側にして重ね、この間に有孔加工(孔径0.2mm、孔ピッチ1.4mm)されたポリエチレンフィルム(25μm厚)を挟み、両短辺および長辺一端をヒートシールした。さらに、長辺中央部を10mm幅で短辺と平行にヒートシールすることにより2気室の袋体とし、有孔ポリエチレンフィルムとA面ポリエチレンフィルムとの間にそれぞれ前記発熱組成物を10gずつ収容した後、残りの一辺(長辺)をヒートシールした。周囲のヒートシール幅は、それぞれ5mmとした。
保持部材:ポリプロピレン不織布(70g/m)を135×100mmに切断し、前記温熱体のA面側に積層して、100mm幅の端部2ヶ所を温熱体の端部2ヶ所にそれぞれ5mm幅で接着した。
なお、保持部材は発熱組成物の収容前に予め接着を完了させておくことが望ましい。
外袋:市販のOPP/Kコートガスバリア袋を使用した。
前記温熱体に保持部材を取り付けて温熱刺激用具を作製した後、この温熱刺激用具を迅速に外袋に収容し、外袋の開口部をヒートシールすることにより密閉した。
実施例2
包材:デュポン社製ポリエチレン不織布「タイベック」(商品名)(42.5g/m)(通気度20秒/100cc、透湿度6900g/m・day)を袋の被刺激部接触面(B面)側として使用し、袋の手掌部接触面(A面)側には、ポリエチレンフィルム(30μm厚)とレーヨン不織布(55g/m)との積層シートを使用した。
発熱組成物:鉄粉55重量部、活性炭10重量部、高吸水性樹脂(ポリアクリル酸ナトリウム)2重量部、塩化ナトリウム3重量部、水30重量部の混合物を使用した。
温熱体:それぞれ直径100mmの円形にした前記ポリエチレン不織布包材と、不織布側を外側にした前記積層シートとを重ね合わせ、5mmの幅で一部を残して周辺部をヒートシールした。この袋に前記発熱組成物を15g収容し、残りの開口部を前記と同様にシールした。
保持部材:別に用意した直径100mmの円形のポリエステル不織布(60g/m)の両面に粘着剤(ゴム系Styrene-Isoprene-Styreneホットメルト剤)を120μm厚で塗工し、前記温熱体の手掌部接触面(A面)側のレーヨン不織布上にこのポリエステル不織布の片面を圧着した。
使用時、このA面側に貼り付けたポリエステル不織布の反対面を手掌部に貼り付けて使用した。
外袋:市販のOPP/Kコートガスバリア袋を使用した。
上記温熱体に保持部材を圧着して温熱刺激用具を作製した後、この温熱刺激用具を迅速に外袋に収容し、外袋の開口部をヒートシールすることにより密閉した。
実施例3
包材:ポリエステル不織布(30g/m)、有孔加工(孔径0.5mm、孔ピッチ1.4mm)されたポリエチレンフィルム(25μm厚)と、ポリエチレン多孔質フィルム積層品(通気度6500秒/100cc、透湿度1800g/m・day)を、手掌部接触面(A面)側および被刺激部接触面(B面)側の両面に使用した。
発熱組成物:鉄粉60重量部、活性炭6重量部、バーミキュライト10重量部、塩化カリウム3重量部、水21重量部の混合物を使用した。
温熱体:80×45mmの大きさの前記の積層品包材を温熱体1個あたり2枚用意し、ポリエチレン多孔質フィルム側を内側にして重ね、周囲三辺を5mm幅でヒートシールした。この80×45mmの袋に前記発熱組成物を10g収容し、残りの一辺(開口部)を前記と同様にシールした。
保持部材:135×100mmのポリプロピレン不織布(50g/m)と非通気性発泡ポリエチレンシート(1mm厚)とを用意し、この2枚を重ねて両端部短辺2ヶ所、一端部長辺1ヶ所をそれぞれ5mm幅で接着し、さらに長辺の中央部分を短辺と平行に長さ100mm、10mm幅で接着し、温熱体収容部を作製した。
非通気性発泡ポリエチレンシート(1mm厚)面を手掌部接触面(C面)とした。
さらに、ポリプロピレン不織布(70g/m)を135×100mmに切断し、前記収容部の手掌部接触面(C面)上に積層して、100mm幅の端部2ヶ所をそれぞれ5mm幅で接着した。
使用時、この分離型の保持部材の収容部に前記温熱体本体部2個を挿入し、使用した。
外袋:市販のOPP/Kコートガスバリア袋を使用した。
前記温熱体本体部を作製後、迅速に外袋に収容し、ヒートシールすることにより密閉した。
実施例4
包材:ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン複合不織布(50g/m)(通気度0秒/100cc、透湿度8000g/m・day)を被刺激部接触面(B面)側として使用した。手掌部接触面(A面)側には、ポリエチレンフィルム(30μm厚)と非通気性発泡ポリエチレンシート(1mm厚)との積層品を使用した。この非通気性発泡ポリエチレンシートは温熱緩和機能を有し、手掌部への過剰な伝熱を抑制する効果が期待される。
発熱組成物:鉄粉43重量部、活性炭17重量部、バーミキュライト15重量部、塩化カリウム5重量部、水20重量部の混合物を使用した。
温熱体:135×100mmの大きさの前記両包材を、A面側はポリエチレンフィルムを内側にして重ね、その間に有孔加工(孔径0.2mm、孔ピッチ1.4mm)されたポリエチレンフィルム(25μm厚)を挟み、短辺両端部2ヶ所、長辺1ヶ所をそれぞれ5mm幅でヒートシールした。
次に、長辺一端の開口部から、有孔シートとA面ポリエチレンフィルムとの間に前記発熱組成物を20g収容した後、開口部をヒートシールした。
保持部材:ポリプロピレン不織布(70g/m)を135×30mmに切断し、前記温熱体のA面側に積層して、30mm幅の端部2ヶ所を温熱体の100mm幅端部2ヶ所中央にそれぞれ5mm幅で接着した。
外袋:市販のOPP/Kコートガスバリア袋を使用した。
前記温熱刺激用具を作製後、迅速に外袋に収容し、開口部をヒートシールすることにより密閉した。
実施例5
包材:ポリエステル不織布(40g/m)およびポリエチレン多孔質フィルムを積層した通気膜(通気度9000秒/100cc、透湿度1500g/m・day)を、袋の被刺激部接触面(B面)側として使用した。手掌部接触面(A面)側には、ポリエチレンフィルム(30μm厚)とレーヨン不織布(130g/m)との積層シートを使用した。
発熱組成物:鉄粉50重量部、活性炭7重量部、バーミキュライト10重量部、塩化ナトリウム3重量部、水30重量部の混合物を使用した。
温熱体:前記の包材をそれぞれ135×100mmの大きさとし、ポリエチレンフィルム側を内側にして重ね合せ、三辺を5mm幅でヒートシールした。前記発熱組成物20gをこの袋に収容し、開口部を5mm幅にてヒートシールした。
保持部材:エラストマースパンボンド不織布(出光ユニテック(株)社製、70g/m)を135×100mmに切断し、前記温熱体のA面側に積層して、100mm幅の端部2ヶ所をそれぞれ5mm幅で融着した。
外袋:市販のOPP/Kコートガスバリア袋を実施例4と同様に使用した。
実施例6
包材:ナイロン不織布(35g/m)およびポリエチレン多孔質フィルムを積層した通気膜(通気度12000秒/100cc、透湿度1300g/m・day)を、袋の被刺激部接触面(B面)側として使用した。手掌部接触面(A面)側には、ポリエチレンフィルム(30μm厚)と非通気性発泡ポリエチレンシート(1mm厚)との積層シートを使用した。この非通気性発泡ポリエチレンシートは温熱緩和機能を有し、手掌部への過剰な伝熱を抑制する効果が期待される。
発熱組成物:鉄粉40重量部、活性炭17重量部、バーミキュライト15重量部、塩化カリウム5重量部、水23重量部の混合物を使用した。
温熱体:前記の包材をそれぞれ135×100mmの大きさとし、ポリエチレンフィルム側を内側にして重ね合せ、三辺を5mm幅でヒートシールした。前記発熱組成物20gをこの袋に収容し、開口部を5mm幅にてヒートシールした。
保持部材:ポリプロピレン不織布(70g/m)を135×30mmに切断し、前記温熱体のA面側に積層して、30mm幅の端部2ヶ所を温熱体の100mm幅端部2ヶ所中央にそれぞれ5mm幅で接着した。
外袋:市販のOPP/Kコートガスバリア袋を実施例4と同様に使用した。
実施例7
包材:LLDPE不織布(30g/m、通気度0秒/100cc、透湿度8300g/m・day)を、袋の被刺激部接触面(B面)側として使用した。手掌部接触面(A面)側には、ポリエチレンフィルム(30μm厚)と非通気性発泡ポリエチレンシート(1mm厚)との積層シートを使用した。この非通気性発泡ポリエチレンシートは温熱緩和機能を有し、手掌部への過剰な伝熱を抑制する効果が期待される。
発熱組成物:鉄粉40重量部、活性炭17重量部、バーミキュライト15重量部、塩化カリウム5重量部、水23重量部の混合物を使用した。
温熱体:前記の包材をそれぞれ135×100mmの大きさとし、ポリエチレンフィルム側を内側にして重ね合せ、三辺を5mm幅でヒートシールした。前記発熱組成物20gをこの袋に収容し、開口部を5mm幅にてヒートシールした。
保持部材:ポリプロピレン不織布(70g/m)を135×30mmに切断し、前記温熱体のA面側に積層して、30mm幅の端部2ヶ所を温熱体の100mm幅端部2ヶ所中央にそれぞれ5mm幅で接着した。
外袋:市販のOPP/Kコートガスバリア袋を実施例4と同様に使用した。
実施例8
実施例1と同じ構成の温熱刺激具を製造した。ただし、発熱組成物を収容する袋体の被刺激部接触面(B面)側に使用したポリエチレン多孔質フィルムとポリプロピレン不織布との積層品については、積層する間に発熱組成物の重量を100%として0.5重量%の「もぐさ」をばらまいて入れた。
試験例
実施例1〜8で製造した本発明の温熱刺激用具について、以下の方法で、発熱特性、膨張率、使用感等を試験した。なお、可能な場合には、参考例として、一般的な市販の貼るタイプの使い捨てカイロであってA社製のもの(参考例1)、一般的な揉むタイプの使い捨てカイロであってB社製(参考例2)またはC社製(参考例3)のもの、一般的な市販の靴用の使い捨てカイロであってD社製(参考例4)またはE社製(参考例5)のものについても同様に試験した。また、市販の温灸材であって、不燃性、火を使用しないタイプのもの(参考例6)および可燃性、火を使用するタイプのもの(参考例7)(いずれもB社製)についての測定も行なった。
<使用試験方法>
被験者(被施術者)に、衣服として市販のワイシャツ(綿35%、ポリエチレン65%)を着用させた。
実施例で製造した本発明の温熱刺激用具または参考例の温熱用具を外袋から取り出し、これを施術者が手に保持し、皮膚に直接、または衣服の上から被験者の背中に軽く押し当てることなどにより、断続的に身体に接触させ、使用感などを評価した。
<温度測定方法>
手掌部接触面(A面)と被刺激部接触面(B面)の温度測定は、室温下(23℃)、恒温槽で34℃に温度制御された温水循環底盤(表面材質:8mm厚塩化ビニル板)上に、実施例および参考例1〜5の温熱刺激用具の手掌部接触面を下にして置き、塩化ビニル板と手掌部接触面との間、および被刺激部接触面のそれぞれほぼ中央部に温度センサー(理化電機製、熱伝対(クロメル・アルメル、JIS K)型名:ST−50)を取り付け、ガスバリア袋等の包装を開封し空気に曝露した時点より5分後の温度を測定し、これを「発熱の立ち上り5分後の表面温度」とした。
また、参考例6の温熱刺激用具の被刺激部接触面(B面)の温度測定は、温熱刺激用具の通気孔をふさいでいるアルミシートを剥がした時点より5分後に温度を測定し、参考例7の温熱刺激用具の被刺激部接触面(B面)の温度測定は、点火時点より5分後に温度を測定し、それぞれ、これを「発熱の立ち上り5分後の表面温度」とした。
<熱流量測定方法>
実施例および参考例1〜5の温熱刺激用具の熱流量は、前記温度測定方法と同様に、室温(23℃)下、恒温槽で34℃に温度制御された温水循環底盤(表面材質:8mm厚塩化ビニル板)上に、温熱刺激用具の手掌部接触面を下にして静置し、温熱体をガスバリア袋等の包装を開封し空気に曝露した時点より5分後にこれを取り上げた。
この温熱刺激用具を、予め盤面上に取り付けておいた下記ヒートセンサー上に、今度は、被刺激部接触面(B面)を下にして置き、手掌部接触面(A面)上から34℃に保温された、1.5Kg(縦70mm、横90mm、高さ30mm)の鉄の錘で荷重を1分間かけ、その1分間での最大熱流量を下記条件にて測定、算出し、これを「発熱の立ち上り5分後の最高熱流量」とした。
また、参考例6、7の温熱刺激用具の熱流量は、室温(23℃)下、前記恒温槽で34℃に温度制御された温水循環底盤(表面材質:8mm厚塩化ビニル板)上に、その上に静置し温度が安定後、参考例6の温熱刺激用具においては、通気孔をふさいでいるアルミシートを剥がした時点、また、参考例7の温熱刺激用具においては、点火時点よりそれぞれ5分間での最大熱流量を下記条件にて測定、算出し、これを「発熱の立ち上り5分後の最高熱流量」とした。
ヒートセンサー:英弘精機(株)製ヒートセンサー(型式MF−180)42mm×20mm×0.9mmtを使用し、34℃に維持した温水循環底盤上にセンサー面(42mm×20mm)を直接接触させ、PET基材の粘着テープにて固定した。
熱流の算出:記録された電圧と器械定数から、センサー面(42mm×20mm)における単位面積あたりの熱流を算出した(熱流=記録電圧/器械定数)。
なお、センサー面積よりも温熱用具面積が小さい参考例の温灸の類は、測定値に面積換算値(熱流=センサー面積/温熱用具面積)を乗算して求めた。
<透湿度測定条件>
温熱体の作製に使用した通気性包材の透湿度は、JIS K7129の「プラスチックフィルムおよびシートの水蒸気透過度試験方法」により下記条件下で測定した。
測定装置 Lyssy L80−4000型
透湿条件 40℃/100%RHから40℃/10%RH
校正サンプル PET19μm厚(25g/m・day)
<通気度測定方法>
温熱体の作製に使用した通気性包材の通気度は、旭精工(株)の王研式デジタル標本型透気度・平滑度試験機、型式EG.6(JIS P8117を参考とした試験法)により測定した。
<結果>
表1、表2にまとめて示す。
Figure 2006223851
Figure 2006223851
実施例1の温熱刺激用具については、被刺激部接触面(B面)の立ち上がり5分後の温度は70℃を示し、その後40℃以上の発熱を20分間維持した。立ち上がり5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は67℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は1990W/mを示した。また、この温熱体(温熱刺激用具本体)はガスバリア袋開封後、1分間で膨れ始め、膨張率9.8まで膨張した。
膨張した温熱体は、適度に湾曲した形状を持ち、かつ、対象物の形状に追従して変形しやすいため、身体の凹凸部に沿って接触させることが可能であった。このため、被験者にとっては接触時の触感および熱の伝わりが快く、被験者は心地良い熱刺激を感じた。発熱が終わるまでの20分間、施術者が繰り返し使用することが可能であった。
また、使用中および使用後に温熱刺激用具の外観を観察したが、収納された発熱組成物の漏れなどは確認されなかった。
実施例2で製造した本発明の温熱刺激用具については、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は72℃を示し、その後40℃以上の発熱を15分間維持した。
また、立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は69℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は3580W/mを示した。この発熱体はガスバリア袋開封後、2分間で膨れ始め、膨張率2.4まで膨張した。
膨張した温熱体は、適度に湾曲した形状を持ち、かつ、対象物の形状に追従して変形しやすいため、身体の凹凸部に沿って接触させることが可能であった。このため被験者にとっては接触時の感触および熱の伝わりが快く、被験者は心地良い熱刺激を感じた。発熱が終わるまでの15分間、施術者が繰り返し使用することが可能であった。
また、使用中および使用後に温熱刺激用具の外観を観察したが、収納された発熱組成物の漏れなどは確認されなかった。
実施例3で製造した温熱刺激用具については、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は59℃を示し、その後40℃以上の発熱を41分間維持した。立ち上り5分後の手掌部接触面(A面)の温度は54℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は1600W/mを示した。また、この温熱体はガスバリア袋開封後、4分間で膨れ始め、膨張率2.2まで膨張した。
膨張した温熱体は、適度に湾曲した形状を持ち、かつ、対象物の形状に追従して変形しやすいため、身体の凹凸部に沿って接触させることが可能であった。このため被験者にとっては接触時の感触および熱の伝わりが快く、被験者は心地良い熱刺激を感じた。発熱が終わるまでの41分間、施術者が繰り返し使用することが可能であった。
また、使用中および使用後に温熱刺激用具の外観を観察したが、収納された発熱組成物の漏れなどは確認されなかった。
実施例4で製造した本発明の温熱刺激用具については、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は79℃を示し、その後40℃以上の発熱を13分間維持した。立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は77℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は2550W/mを示した。この温熱体は膨れも減圧もしなかった。
この温熱体は温度が高く、かつ、人体への接触感も実施例1から3に比較して硬いため、被験者は比較的強い熱刺激を感じた。接触時の熱の伝わりが過剰気味であったが、使用時の触感および熱の伝わりは接触頻度や押し当ての程度を調整することにより十分制御可能であり、発熱が終わるまでの13分間繰り返し使用することが可能であった。
また、使用中および使用後に温熱刺激用具の外観を観察したが、収納された発熱組成物の漏れなどは確認されなかった。
実施例5で製造した本発明の温熱刺激用具については、被刺激部接触面(B面)は立ち上り5分後の温度51℃を示した。また、立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は48℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は620W/mを示した。
また、この温熱体は使用開始から減圧状態を示し、温熱体は、発熱中、薄いシート状を呈した。このため身体の凹凸部に沿って押し付け変形させ、接触させることが可能であった。接触時の触感および熱の伝わりは快く、被験者は比較的弱い熱刺激を感じ、発熱が終わるまでの2時間繰り返し使用が可能であった。その後室温に放置した温熱体は40℃以上の発熱を2時間維持した。
また、使用中および使用後に温熱刺激用具の外観を観察したが、収納された発熱組成物の漏れなどは確認されなかった。
実施例6で製造した本発明の温熱刺激用具については、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は47℃を示し、その後40℃以上の発熱を2時間維持した。立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は43℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は450W/mを示した。
また、この温熱体は使用開始から減圧状態を示し、温熱体は、発熱中、薄いシート状を呈した。このため身体の凹凸部に沿って押し付け変形させ、接触させることが可能であった。接触時の触感および熱の伝わりは許容範囲内であり、発熱が終わるまでの2時間繰り返し使用が可能であったが、被験者は弱い熱刺激を感じた。その後室温に放置した温熱体は40℃以上の発熱を2時間維持した。
また、使用中および使用後に温熱刺激用具の外観を観察したが、収納された発熱組成物の漏れなどは確認されなかった。
実施例7で製造した本発明の温熱刺激用具については、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は84℃を示し、その後40℃以上の発熱を12分間維持した。立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は82℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は3600W/mを示した。この温熱体は膨れも減圧もせず、使用開始5分間後には最高温度を示した。
この温熱体は温度が高く、かつ、人体への接触感も実施例1から3に比較して硬いため、被験者は強い熱刺激を感じた。接触時の熱の伝わりが過剰気味であったが、使用時の触感および熱の伝わりは接触頻度や押し当ての程度を調整することにより制御可能であり、発熱が終わるまでの12分間繰り返し使用することが可能であった。
また、使用中および使用後に温熱刺激用具の外観を観察したが、収納された発熱組成物の漏れなどは確認されなかった。
実施例8で製造した本発明の温熱刺激用具については、発熱特性、使用感等は実施例1と全く同じであったが、使用開始直後から発熱終了するまでの間、お灸と同じ「もぐさ」の香りが漂った。
参考例1の使い捨てカイロについては、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は36℃を示し、ガスバリア袋開封後10分で40℃に達し、その後40℃以上の発熱を12時間維持した。立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は37℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は180W/mを示した。
また、この使い捨てカイロは使用開始時から終始減圧状態を維持し、身体の凹凸部に沿って接触させるには押し付ける必要があり、接触時の触感および熱の伝わりのいずれもが快いとはいえず、被験者は熱刺激が得られず、不快であった。これは接触のさせ方を調整しても変わらなかった。発熱途中で使用を中止した。
参考例2の使い捨てカイロについては、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は30℃を示し、その後ガスバリア袋開封後11分で40℃に達し、その後40℃以上の発熱を12時間維持した。立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は34℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は−16.4W/mを示した。
また、この使い捨てカイロは使用開始時から膨れも減圧もせず、身体の凹凸部に沿って接触させるには押し付ける必要があり、接触時の触感および熱の伝わりのいずれもが快いとはいえず、被験者は熱刺激が得られず、不快であった。これは接触のさせ方を調整しても変わらなかった。発熱途中で使用を中止した。
参考例3の使い捨てカイロについては、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は30℃を示し、その後ガスバリア袋開封後13分で40℃に達し、その後40℃以上の発熱を12時間維持した。立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は34℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は−18.2W/mを示した。
また、この使い捨てカイロは使用開始時から膨れも減圧もせず、身体の凹凸部に沿って接触させるには押し付ける必要があり、接触時の触感および熱の伝わりのいずれもが快いとはいえず、被験者は熱刺激が得られず、不快であった。これは接触のさせ方を調整しても変わらなかった。発熱途中で使用を中止した。
参考例4の靴用使い捨てカイロについては、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は52℃を示し、その後40℃以上の発熱を6時間維持した。立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は54℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は410W/mを示した。
また、この靴用使い捨てカイロは使用開始時から膨れも減圧もせず、身体の凹凸部に沿って接触させるには押し付ける必要があったが、一定の心地よい熱刺激感が得られた。但し、手掌保持部材が無く、手掌部接触面(A面中央部)の温度が被刺激部接触面(B面)の温度よりも高いため、使いにくいものであった。
参考例5の靴用使い捨てカイロについては、被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は53℃を示し、その後40℃以上の発熱を40分間維持した。立ち上り5分後の手掌部接触面(A面中央部)の温度は58℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は1300W/mを示した。
また、この靴用使い捨てカイロはガスバリア袋開封後、4分間で膨れ始め、膨張率2.4まで膨張した。
膨張した靴用使い捨てカイロは、適度に湾曲した形状を持ち、かつ、対象物の形状に追従して変形しやすいため、身体の凹凸部に沿って接触させることが可能であった。このため被験者にとっては接触時の感触および熱の伝わりが快く、被験者は心地良い熱刺激を感じた。しかし、参考例4と同様に手掌保持部材が無く、手掌部接触面(A面中央部)の温度が被刺激部接触面(B面)の温度よりも高いため、使いにくいものであった。
参考例6の市販の温灸材(不燃性、火を使用しないタイプ)の被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は55℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は630W/mを示した。この温灸材の熱刺激感は心地よいものであったが、製品の性格上、衣類上からは使用できず、また、人体皮膚上に貼り付けるものであるため、タッチセラピーに使用できるものではなかった。
参考例7の市販の温灸材(可燃性、火を使用するタイプ)被刺激部接触面(B面)の立ち上り5分後の温度は56℃を示し、発熱の立ち上り5分後の最高熱流量は1960W/mを示した。この温灸材の熱刺激感は心地よいものであったが、製品の性格上、衣類上からは使用できず、また、人体皮膚上に貼り付けるものであるため、タッチセラピーに使用できるものではなかった。また、火を使うために安全上も、また、灰が落ちる等、使いにくいものであった。
(A)は本発明の温熱用具の一例を示す断面図であり、(B)は実施例1に記載の温熱刺激用具の断面図である。 実施例2に記載の温熱刺激用具の断面図である。 実施例3に記載の温熱刺激用具の断面図である。(A)は温熱体、(B)は保持部材、(C)は保持部材に温熱体を挿入した状態のそれぞれ断面図である。 実施例4に記載の温熱刺激用具の断面図である。 実施例5に記載の温熱刺激用具の断面図である。 実施例6に記載の温熱刺激用具の断面図である。 実施例7に記載の温熱刺激用具の断面図である。 実施例1に記載の温熱刺激用具をガスバリア性外袋に収納した状態の断面図である。
符号の説明
1.温熱刺激用具
2.発熱組成物
3.ポリプロピレン不織布
4.非通気性発泡ポリエチレンシート
5.ポリエチレンフィルム
6.有孔ポリエチレンフィルム
7.ポリエチレン多孔質フィルム
8.粘着剤
9.ポリエステル不織布
10.レーヨン不織布
11.ポリエチレン不織布
12.ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン複合不織布
13.エラストマースパンボンド不織布
14.LLDPE不織布
15.ナイロン不織布
16.OPP/Kコートガスバリア袋
17.保持部材
18.温熱体

Claims (8)

  1. 生体に対し断続的に接触させることによって、温熱体に由来する熱刺激を付与する温熱刺激用具であって、
    a)前記温熱体が、少なくともその一部が通気性を有する包材によって構成されている袋体と、この袋体に収容された、酸素と反応することによって発熱する発熱組成物とによって構成されており、
    b)前記温熱体が、実質的に水蒸気非透過性の手掌部接触面(A面)と水蒸気透過性の被刺激部接触面(B面)とを有し、
    c)発熱の立ち上り5分後において、前記手掌部接触面(A面)側の表面温度と比較して前記被刺激部接触面(B面)側の表面温度が高温であること、
    を特徴とする温熱刺激用具。
  2. 生体に対し断続的に接触させることによって、温熱体に由来する熱刺激を付与する温熱刺激用具であって、
    a)前記温熱体が、少なくともその一部が通気性を有する包材によって構成されている袋体と、この袋体に収容された、酸素と反応することによって発熱する発熱組成物とによって構成されており、
    b)前記温熱刺激用具が、手掌部に保持させる部材(保持部材)を前記温熱体と分離して有し、
    c)前記保持部材が、実質的に水蒸気非透過性の手掌部接触面(C面)と水蒸気透過性の被刺激部接触面(D面)とを有し、かつ、手掌部接触面(C面)と被刺激部接触面(D面)との間に前記温熱体が収容されるように構成されており、
    d)発熱の立ち上り5分後において、前記手掌部接触面(C面)側の表面温度と比較して前記被刺激部接触面(D面)側の表面温度が高温であること、
    を特徴とする温熱刺激用具。
  3. 発熱の立ち上り5分後の前記被刺激部接触面(B面)の最高熱流量が、600W/m以上である、請求項1または2記載の温熱刺激用具。
  4. 発熱の立ち上り5分後の前記被刺激部接触面(B面またはD面)の表面温度が、50〜80℃である、請求項1〜3のいずれか1項記載の温熱刺激用具。
  5. 前記袋体の少なくとも一部を構成する通気性を有する包材の透湿度が、1500〜8000g/m・dayである、請求項1〜4のいずれか1項記載の温熱刺激用具。
  6. 発熱中の少なくとも一時において、前記温熱体が膨張する、請求項1〜5のいずれか1項記載の温熱刺激用具。
  7. 漢方エキス、オイル、香料および植物の乾燥物から選ばれる1種以上を含有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の温熱刺激用具。
  8. ガスバリア性外袋に収容密封されている、請求項1〜7のいずれか1項記載の温熱刺激用具。
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