JP2006220248A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サスペンションの作動時にリバウンド部材に起因する不快な異音が発生することのない構造を備えた油圧緩衝器を提供する。
【解決手段】 シリンダ3と、このシリンダ3に設けた伸び切り規制部材6と、シリンダ3にピストン4を介して移動自在に挿入したピストンロッド5と、このピストンロッド5に設けたストッパ部材7と、上記伸び切り規制部材6とストッパ部材7との間に介装されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材8とを備え、このリバウンド部材8をコイルスプリング22と、このコイルスプリング22の少なくともストッパ部材7側に挿通孔24aを介してピストンロッド5に挿入されたホルダ24とから構成すると共に、上記ストッパ部材7に対するリバウンド部材8の当接時、上記ホルダ24とストッパ部材7とを互いに面接触させる当接部31、20を当該ホルダ及びストッパ部材に夫々設けた油圧緩衝器において、上記ホルダ24をストッパ部材7に当接させ他状態で結合部材28を介して位置決めさせた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ピストンロッドの最大伸び切り時の衝撃を緩和するためのリバウンド部材を備えた油圧緩衝器に関する。
従来から、ピストンロッドの最大伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材を備えた油圧緩衝器としては、特許文献1に示すものを例示することができる。
この油圧緩衝器は、シリンダ開口端部を封止しピストンロッドを軸支する伸び切り規制部材としてのロッドガイドと、ピストンロッドの基端側に設けたストッパ部材としてのフランジ部材との間に、両端にホルダが嵌合されたコイルスプリングからなるリバウンド部材を介装している。
そして、この油圧緩衝器にあっては、ピストンロッドの伸び切り時、リバウンド部材は、その両端のホルダをロッドガイドとフランジ部材とに当接して規制された状態でコイルスプリングが圧縮され、この伸び切り時の衝撃を緩和するようになっている。
特開2004―84776号公報(図4)
上記のように構成された油圧緩衝器においては、特に問題がある訳ではないが、次に示すような問題点の発生が考えられる場合がある。
即ち、リバウンド部材はピストンロッドに対して特に位置決め固定等されていないので、サスペンションの作動状態によってはリバウンド部材がピストンロッドに対して相対移動する場合がある。
この場合、図6に示すように、フランジ部材51のフランジ側当接部52と、ホルダ53のホルダ側当接部54とが夫々平面状に形成され、これら当接部52、54同士が密着状態となる場合には、上記した相対移動の際に勢い良く面接触すると、大きな接触音が発生し、この音が搭乗者に不快な異音として聞こえる可能性がある。
そこで、本発明は上記の問題点を解決するために創案されたものであって、その目的は、サスペンションの作動時にリバウンド部材に起因する不快な異音が発生することのない構造を備えた油圧緩衝器を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明の一つの手段は、シリンダと、このシリンダに設けた伸び切り規制部材と、シリンダにピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、このピストンロッドに設けたストッパ部材と、上記伸び切り規制部材とストッパ部材との間に介装されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、このリバウンド部材をコイルスプリングと、このコイルスプリングの少なくともストッパ部材側に挿通孔を介してピストンロッドに挿入されたホルダとから構成すると共に、上記ストッパ部材に対するリバウンド部材の当接時、上記ホルダとストッパ部材とを互いに面接触させる当接部を当該ホルダ及びストッパ部材に夫々設けた油圧緩衝器において、上記ホルダをストッパ部材に当接させた状態で結合部材を介して位置決めさせたことを特徴とするものである。
同じく、本発明の他の手段は、シリンダと、このシリンダに設けた伸び切り規制部材と、シリンダにピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、このピストンロッドに設けたストッパ部材と、上記伸び切り規制部材とストッパ部材との間に介装されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、このリバウンド部材をコイルスプリングと、このコイルスプリングの少なくともストッパ部材側に挿通孔を介してピストンロッドに挿入されたホルダとから構成すると共に、上記ストッパ部材に対するリバウンド部材の当接時、上記ホルダとストッパ部材とを互いに面接触させる当接部を当該ホルダ及びストッパ部材に夫々設けた油圧緩衝器において、上記ホルダ又はストッパ部材の一方に結合凹部を設けると共に、他方にこの結合凹部に結合する結合凸部を設け、結合凹部と結合凸部とを嵌合させることによりホルダをストッパ部材に当接させた状態で位置決めさせたことを特徴とするものでもある。
本発明によれば、ホルダをストッパ部材に対して、これらとは別体となる結合部材を介して当接させた状態で位置決めさせるか、或いは、ホルダ及びストッパ部材に直接設けた結合凹部と結合凸部とを嵌合させることで、ホルダをストッパ部材に対して位置決めして常に一体化することができる。
従って、従来例で示したようなサスペンションの作動状態においてリバウンド部材がピストンロッドに対して相対移動するのを防止できるので、この相対移動に起因して起きる大きな接触音の発生を確実に防止することができる。
以下に、本発明を自動車のサスペンション装置に使用する複筒型の油圧緩衝器に具体化した実施の形態を図に基づいて説明する。
図1,図2は、本発明の第1の実施の形態に係る油圧緩衝器を示すが、この油圧緩衝器1は、図1に示すように、外筒2内に挿入されたシリンダとしての内筒3と、内筒3内にピストン4を介して出没自在に挿入されたピストンロッド5と、内筒3端部を封止しピストンロッド5を軸支する伸び切り規制部材としてのロッドガイド6と、ピストンロッド5の基端側に設けたストッパ部材7と、ストッパ部材7とロッドガイド6との間に介装されたリバウンド部材8と、リバウンド部材8とストッパ部材7との間に介装されてこれらを結合する結合部材とを備えている。
以下、詳細に説明すると、外筒2と内筒3とは同芯に配置され、外筒2の端部内周と内筒3の端部とに渡ってロッドガイド6が嵌合されており、ロッドガイド6は、その中央にピストンロッド5を案内する案内孔11が設けられ、案内孔11内に嵌合された環状の軸受部材12を介しピストンロッド5が摺動自在に軸支されている。
又、ロッドガイド6の上面にはピストンロッド5との隙間をシールするシール部材13が配置され、外筒2の端部を内側に折り曲げて加締めることによってロッドガイド6及びシール部材13を外筒2と内筒3に対して固定するようになっている。
ピストン4は、ピストンロッド5の基端部に挿入されてナット15により固定されると共に、このピストン4により内筒3内がロッド室Rとピストン室Pに区画されている。
又、ピストン4のロッド室R側面には圧側ポート(図示なし)を開閉可能に閉塞する圧側バルブ16が設けられ、ピストン4のピストン室P側面には伸側ポート17を開閉可能に閉塞する伸側バルブ18が設けられている。
ストッパ部材7は、金属にて形成されると共に、筒状をなす固定部19と、この固定部19の上部に連接された円盤状のフランジ部21とから構成されている。このフランジ部21の上面には平面状をなすフランジ側当接部20が設けられ、後述するリバウンド部材8のホルダ側当接部31が面接触状態で載置されるようになっている。
又、ストッパ部材7は、ピストンロッド5に挿入されると共に、このピストンロッド5の基端側となるピストン4の直上部に設けた縮径状態の取付部9に対し、上記固定部19を縮径方向に加締めることで固定されている。
上記リバウンド部材8は、コイルスプリング22と、この両端に嵌合されたホルダとしての合成樹脂製の上部及び下部ホルダ23,24とから構成されており、上部及び下部ホルダ23,24には夫々ピストンロッド5を挿通する挿通孔23a,24aが設けられている。
上記下部ホルダ24は、厚肉筒状の下側本体部25と、この下側本体部25から垂設され、外径が下側本体部25よりも小径の嵌合部26と、この嵌合部26の上方に設けたコイルスプリング22案内用のガイド部27とから構成され、下側本体部25の下面には上記ストッパ部材7のフランジ側当接部20と当接する同じく平面状のホルダ側当接部31が設けられている。
又、下部ホルダ24は、その挿通孔24aのホルダ側当接部31側がストッパ部材7側程拡径方向に開く傾斜状に切り欠かれることで、円錐台形状の圧入凹部24bが形成されており、この圧入凹部24b内に上記結合部材が圧入されるようになっている。
上記結合部材は、断面直角三角形状をなす環状のリング部材28であって、全体が合成樹脂で形成されると共に、挿通孔28cを介してピストンロッド5に圧入されてその底面28aがストッパ部材7のフランジ側当接部20に当接されている。
又、リング部材28は、その形状が上記圧入凹部24bと略同一か又は若干大きく形成されており、図2に示すように、底面28aが上記フランジ側当接部20に当接した状態のリング部材28に対して下部ホルダ24を下降させ、その圧入凹部内24bにリング部材28を圧入することで、両者が結合されるようになっている。
従って、従来例で示したようなサスペンションの作動状態によってリバウンド部材8がピストンロッド5に対して相対移動するのを防止できるので、この相対移動に起因して起きる大きな接触音の発生を確実に防止できるようになっている。
上部ホルダ23は、円筒状のホルダ本体23Aと、本体23Aから垂設され、外径がホルダ本体23Aよりも小径の嵌合部29と、この嵌合部29から延設されたテーパ部30とから構成されており、コイルスプリング22の上端部がこのテーパ部30に案内されて嵌合部29に嵌合されるようになっている。
上記のように構成された油圧緩衝器1においては、底面28aがストッパ部材7のフランジ側当接部20に当接するようピストンロッド5に圧入されたリング部材28を、下部ホルダ24の圧入凹部24b内に圧入することで、この下部ホルダ24がストッパ部材7に当接させた状態でリング部材28を介して位置決めされるので、リバウンド部材8とストッパ部材7とを常に接合して一体化することができる。
従って、従来例で示したようなサスペンションの作動状態においてリバウンド部材8がピストンロッド5に対して相対移動、即ち、単独で動くのを確実に防止できるので、この動きに起因して起きる大きな接触音の発生を確実に防止することができる。
又、上記リング部材28を合成樹脂で形成したので、挿通孔28cを介してピストンロッド5へ圧入する際、このリング部材28の挿通孔28c内周面でピストンロッド5の表面が傷付くのを防止することができる。
次に、図3は、本発明の第2の実施形態に係る油圧緩衝器を示すが、この実施の形態は、上記第1の実施形態の構成における下部ホルダ24とストッパ部材7との結合構造において相違するのみで、他の構成については同様なので、この相違点のみを説明する。
即ち、図3に示すように、下部ホルダ24の挿通孔24aのホルダ側当接部31側にはこの挿通孔24aよりも大径で筒状をなす結合凹部としての第2の圧入凹部24dが形成されると共に、ストッバ部材7の内周部にはこの第2の圧入凹部24d内に圧入される筒状の結合凸部としての圧入凸部7aが一体形成されている。
又、上記圧入凸部7aは、その外形が上記第2の圧入凹部24dと略同一か若干大きく形成されると共に、その外周面が粗面(図示なし)に形成されており、下部ホルダ24を下降させてその第2の圧入凹部24d内にストッパ部材7の圧入凸部7aを圧入させたとき、両者がこの圧入力に加え、粗面による摩擦力で強固に結合されるようになっている。
この実施の形態においても、下部ホルダ24をストッパ部材7に当接させた状態で位置決めされているのでリバウンド部材8とストッパ部材7とを常に一体化することができる。
従って、従来例で示したようなサスペンションの作動状態においてリバウンド部材がピストンロッドに対して相対移動、即ち、単独で動くのを確実に防止できるので、この動きに起因して起きる大きな接触音の発生を確実に防止することができる。
又、上記第1の実施の形態に比較し別部材となるリング部材28が不要となるので、その分、部品点数を減らしてコストを削減することができる。
尚、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、例えば、次のように変更して具体化することも可能である。
1)第1の実施の形態では、結合部材として断面直角三角形状のリング部材28を用いたが、これの形状に限定されるものではなく、例えば、図4の更に他の実施の形態に示すように、ピストンロッド5に形成したロッド側取付溝としての環状溝34にCピン35を配置すると共に、このCピン35を下部ホルダ24の挿通孔24aに形成された円筒状の圧入凹部に24c圧入することで、下部ホルダ24をストッパ部材7に当接させた状態で位置決めさせ、上記リバウンド部材8とストッパ部材7とを一体化するようにしても良い。
2)第2の実施の形態では、ストッパ部材7側に圧入凸部7aを、下部ホルダ24側に圧入凹部24cをそれぞれ設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、図5に示す別の実施の形態に示すように、ストッパ部材7側に圧入凹部7bを、下部ホルダ24側に圧入凸部24eをそれぞれ設けるようにしても良い。
3)第1,第2の実施の形態では、下部ホルダ24を合成樹脂で形成し、ストッパ部材7を金属で形成したが、これに限定されるのもではなく、下部ホルダ24を金属で形成し、ストッパ部材7を合成樹脂で形成しても良く、更には、下部ホルダ24及びストッパ部材7を共に金属で形成したり、下部ホルダ24及びストッパ部材7を共に合成樹脂で形成したりしても良い。
4)上記各実施の形態では、複筒型の油圧緩衝器1に具体化したが、単筒型の油圧緩衝器に具体化しても良い。
本発明の一実施の形態に係る油圧緩衝器の一部破断正面図である。 図1において、ストッパ部材にリング部材を介して下部ホルダを結合させる工程を示す部分拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係る油圧緩衝器の一部破断正面図である。 本発明の更に別の実施形態に係る油圧緩衝器の一部破断正面図である。 本発明の更に別の実施形態に係る油圧緩衝器の一破断正面図である。 従来の油圧緩衝器の要部断面図である。
符号の説明
3 内筒(シリンダ)
4 ピストン
5 ピストンロッド
6 ロッドガイド(伸び切り部材)
7 ストッパ部材
7a 圧入凸部(結合凸部)
7b 圧入凹部(結合凹部)
8 リバウンド部材
20 フランジ側当接部(当接部)
22 コイルスプリング
24 下部ホルダ(ホルダ)
24a 挿通孔
24b 円錐台形状の圧入凹部
24c 円筒状の圧入凹部
24d 第2の圧入凹部(結合凹部)
24e 圧入凸部(結合凸部)
28 リング部材(結合部材)
31 ホルダ側当接部(当接部)
34 環状溝(ロッド側取付溝)
35 Cピン

Claims (5)

  1. シリンダと、このシリンダに設けた伸び切り規制部材と、シリンダにピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、このピストンロッドに設けたストッパ部材と、上記伸び切り規制部材とストッパ部材との間に介装されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、このリバウンド部材をコイルスプリングと、このコイルスプリングの少なくともストッパ部材側に挿通孔を介してピストンロッドに挿入されたホルダとから構成すると共に、上記ストッパ部材に対するリバウンド部材の当接時、上記ホルダとストッパ部材とを互いに面接触させる当接部を当該ホルダ及びストッパ部材に夫々設けた油圧緩衝器において、上記ホルダをストッパ部材に当接させた状態で結合部材を介して位置決めさせたことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 上記結合部材はピストンロッドに圧入され、その底面がストッパ部材に当接する断面直角三角形状をなす環状のリング部材であって、このリング部材を、ホルダにおける挿通孔のストッパ部材側に形成した円錐台形状の圧入凹部に圧入することで、ホルダをストッパ部材に対して位置決めさせている請求項1記載の油圧緩衝器。
  3. 上記結合部材はピストンロッドに設けたロッド側取付溝に配置されたCピンであって、このCピンをホルダにおける挿通孔のストッパ部材側に形成した円筒状の圧入凹部に圧入することで、ホルダをストッパ部材に対して位置決めさせている請求項1記載の油圧緩衝器。
  4. シリンダと、このシリンダに設けた伸び切り規制部材と、シリンダにピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、このピストンロッドに設けたストッパ部材と、上記伸び切り規制部材とストッパ部材との間に介装されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、このリバウンド部材をコイルスプリングと、このコイルスプリングの少なくともストッパ部材側に挿通孔を介してピストンロッドに挿入されたホルダとから構成すると共に、上記ストッパ部材に対するリバウンド部材の当接時、上記ホルダとストッパ部材とを互いに面接触させる当接部を当該ホルダ及びストッパ部材に夫々設けた油圧緩衝器において、上記ホルダ又はストッパ部材の一方に結合凹部を設けると共に、他方にこの結合凹部に結合する結合凸部を設け、結合凹部と結合凸部とを嵌合させることによりホルダをストッパ部材に当接した状態で位置決めさせたことを特徴とする油圧緩衝器。
  5. 上記結合凸部又は結合凹部は、結合凹部内への結合凸部の圧入により結合されると共に、これら結合凸部又は結合凹部の少なくとも一方を粗面に形成した請求項4記載の油圧緩衝器。
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