JP2006219265A - 自動調芯吊具、及び、それを用いた吊り上げ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吊荷を水平、もしくは、任意の姿勢で吊り上げるための自動調芯吊具の新規な構成を提案する。
【解決手段】吊荷3に設けられる掛止部としてのアイボルト4A・4Bに掛止するための、複数の掛止具としての掛止フック6A・6Bと、前記掛止フック6A・6Bと一体的に構成される動滑車5A・5Bと、固定滑車17A・17Bを回転自在に支持する、前記動滑車5A・5Bと一組になる固定滑車支持体7A・7Bと、前記動滑車5A・5B及び前記固定滑車17A・17Bの全てに対し巻回される、一本又は複数本の輪状吊索9a・9bと、前記各固定滑車支持体7A・7Bが取り付けられ、クレーンフック32に掛止される吊りフック2を有する取付具10と、を具備する自動調芯吊具1とする。
【選択図】図1
【解決手段】吊荷3に設けられる掛止部としてのアイボルト4A・4Bに掛止するための、複数の掛止具としての掛止フック6A・6Bと、前記掛止フック6A・6Bと一体的に構成される動滑車5A・5Bと、固定滑車17A・17Bを回転自在に支持する、前記動滑車5A・5Bと一組になる固定滑車支持体7A・7Bと、前記動滑車5A・5B及び前記固定滑車17A・17Bの全てに対し巻回される、一本又は複数本の輪状吊索9a・9bと、前記各固定滑車支持体7A・7Bが取り付けられ、クレーンフック32に掛止される吊りフック2を有する取付具10と、を具備する自動調芯吊具1とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、吊荷を水平、もしくは、任意の姿勢で吊り上げるための自動調芯吊具に関するものである。
従来、吊荷の重心位置を吊荷、又は、天秤の傾きで検出し、吊索の長さを水平面上で交差するX軸用とY軸用の2系統を備えた吊索駆動手段と、傾斜各センサを備える構成の自動調芯吊具が周知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
また、吊荷を吊り上げた状態において、吊荷の角度の微調整を可能とする構成の自動調芯吊具も周知となっている(例えば、特許文献2参照。)。
これら自動調芯吊具は、吊荷を水平、もしくは、任意の姿勢で吊り上げることを目的とし、この姿勢の調整を容易に行えるようにすることを目的とするものであるが、この他、高さ延長アイボルトを用い、吊長さの差分を補正するという簡易な方法によっても実施することが可能である。
特開平9−118492号公報
特開平10−184020号公報
また、吊荷を吊り上げた状態において、吊荷の角度の微調整を可能とする構成の自動調芯吊具も周知となっている(例えば、特許文献2参照。)。
これら自動調芯吊具は、吊荷を水平、もしくは、任意の姿勢で吊り上げることを目的とし、この姿勢の調整を容易に行えるようにすることを目的とするものであるが、この他、高さ延長アイボルトを用い、吊長さの差分を補正するという簡易な方法によっても実施することが可能である。
特許文献1で開示される技術では、複数の吊荷の吊長さをモータにより個別に調整することとし、また、傾斜角検出センサ、制御装置等の電気機器を備える構成としているため、これらの電気機器の電源供給が必要とされるものであった。
また、特許文献2で開示される技術では、作業者が姿勢を確認し、手動操作する必要があり、また、一本の吊索の一方の短縮(延長)分を他方の延長(短縮)分とする構成としているため、原則として二本吊りの構成にのみ対応できるものであった。つまり、三本吊り以上の構成には対応し難いものであった。
また、高さ延長アイボルトを用いる構成の場合では、吊荷側に取り付けるアイボルトのリング部分の位置を上下方向に動かすこととするものであるが、前記リング部分の横平面方向の位置の変更はできないため、吊荷の横平面方向のバランスを補正することができない。また、アイボルトのリング部分を高い位置に設定すると、吊り角度によっては、アイボルトの軸部が曲げ応力に耐えられなくなり、十分な安全率が確保できないという問題もある。また、吊荷の大きさや形状によって重心が異なるため、バランスを保って吊り上げるためには、多種の高さ延長アイボルトを用意する必要があった。
そこで、本発明は、以上のような従来の吊具の問題点に鑑み、新規な構成の自動調芯吊具を提案するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、吊荷に設けられる掛止部に掛止するための複数の掛止具と、固定滑車を回転自在に支持する、前記掛止具と一組になる固定滑車支持体と、前記掛止具及び前記固定滑車の全てに対し巻回される、一本又は複数本の輪状吊索と、前記固定滑車支持体が取り付けられる取付具と、を具備する自動調芯吊具とする。
また、請求項2に記載のごとく、前記固定滑車支持体には、固定滑車の回転を規制するためのロック機構が設けられる構成とする。
また、請求項3に記載のごとく、前記ロック機構は、前記固定滑車に形設されるギア部を、前記ギア部に対向するギア回転止部材を係合させることによって、前記固定滑車の回転を規制する構成とするものであり、前記固定滑車は、スプリングによって、前記ギア回転止部材から離れる方向に付勢され、前記固定滑車は、前記輪状吊索から受ける荷重により、前記スプリングの付勢力に抗して前記ギア回転止部材側へと移動する、構成とする。
また、請求項4に記載のごとく、前記掛止具は、掛止フックと動滑車により構成されることとする。
また、請求項5に記載のごとく、クレーンによって、前記取付具を前記吊荷がわずかに持ち上げられる程度まで吊り上げることにより、前記輪状吊索を移動させ、前記各掛止具と前記各固定滑車の間に配される前記輪状吊索の長さを調整することで、吊荷が吊り上げられる前の姿勢のままで吊荷の吊り上げを可能とする吊り上げ方法とする。
以上の請求項1に記載の発明では、自動調芯吊具の位置を調整することで、吊荷が吊り上げられる前の姿勢のまま(吊り上げられる前の姿勢が水平であれば水平のまま)、吊荷を吊り上げることが可能となる。
また、電気機器を備えないことから、電源供給が必要とされることもなく、装置構成の簡易化が図られる。
また、二本吊りはもとより、三本吊り以上にも対応可能である。
また、電気機器を備えないことから、電源供給が必要とされることもなく、装置構成の簡易化が図られる。
また、二本吊りはもとより、三本吊り以上にも対応可能である。
また、請求項2に記載の発明では、吊荷が浮いた後にバランスが崩されることがなく、吊り上げられた際の姿勢を維持したまま吊荷を移動させることができる。
また、請求項3に記載の発明では、簡易な構成で、吊り上げられた際の姿勢を維持したまま吊荷を移動させることができる。
また、請求項4に記載の発明では、動滑車を備える構成とすることにより、輪状吊索をスムーズに移動させることができる。
また、請求項5に記載の発明では、吊荷が吊り上げられる前の姿勢のまま(吊り上げられる前の姿勢が水平であれば水平のまま)、吊荷を吊り上げることが可能となる。
図1に示すごとく、本発明にかかる自動調芯吊具1は、クレーン30の先端から垂れ下るクレーンワイヤ31の下端に設けたクレーンフック32に対し、吊りフック2を介して吊り下げられるものであり、自動調芯吊具1の位置を調整し、吊荷3が吊り上げられる前の姿勢のまま(吊り上げられる前の姿勢が水平であれば水平のまま)、吊荷3の吊り上げを可能とするものである。
そして、図1に示すごとく、本発明にかかる自動調芯吊具1は、吊荷3に設けられる掛止部としてのアイボルト4A・4Bに掛止するための、複数の掛止具としての掛止フック6A・6Bと、前記掛止フック6A・6Bと一体的に構成される動滑車5A・5Bと、固定滑車17A・17Bを回転自在に支持する、前記動滑車5A・5Bと一組になる固定滑車支持体7A・7Bと、前記動滑車5A・5B及び前記固定滑車17A・17Bの全てに対し巻回される、一本又は複数本の輪状吊索9a・9bと、前記各固定滑車支持体7A・7Bが取り付けられ、クレーンフック32に掛止される吊りフック2を有する取付具10と、を具備する構成とするものである。
図1に示す実施例では、吊荷3のアイボルト4A・4Bが二つ設けられるため、前記動滑車5A・5B、及び、前記固定滑車支持体7A・7Bは、それぞれ二つずつ設けられる。
図2及び図3に示すごとく、前記固定滑車支持体7A・7Bは、主要部の構成を同一とするものであり、取付具10の固定軸11に対して回動自在に支持される側板12・12と、両側板12・12の下部の間に横設されるギア回転止部材13とから、図3に示す正面視において凹型の枠体に構成されている。
また、前記取付具10の固定軸11には、吊りフック2(図1参照)の下端部が回転自在に取り付けられている。
尚、固定滑車支持体7A・7Bの側板12・12同士が干渉しないように、一方の固定滑車支持体の側板12・12間の幅は、他方の固定滑車支持体の側板12・12の幅よりも広く構成される。また、この構成(正面視において、固定滑車支持体7A・7Bを重ねて配置する構成)では、固定滑車支持体7A・7Bのなす角が小さいときは互いに接触してしまうため、図4に示すごとく、固定滑車支持体7A・7Bを前記固定軸11の軸方向に並べて配置する構成としてもよい。
図2及び図3に示すごとく、前記固定滑車支持体7A・7Bは、主要部の構成を同一とするものであり、取付具10の固定軸11に対して回動自在に支持される側板12・12と、両側板12・12の下部の間に横設されるギア回転止部材13とから、図3に示す正面視において凹型の枠体に構成されている。
また、前記取付具10の固定軸11には、吊りフック2(図1参照)の下端部が回転自在に取り付けられている。
尚、固定滑車支持体7A・7Bの側板12・12同士が干渉しないように、一方の固定滑車支持体の側板12・12間の幅は、他方の固定滑車支持体の側板12・12の幅よりも広く構成される。また、この構成(正面視において、固定滑車支持体7A・7Bを重ねて配置する構成)では、固定滑車支持体7A・7Bのなす角が小さいときは互いに接触してしまうため、図4に示すごとく、固定滑車支持体7A・7Bを前記固定軸11の軸方向に並べて配置する構成としてもよい。
また、前記側板12・12において、前記固定軸11の下方には、スプリング支持軸15が横設されている。該スプリング支持軸15には、二本のスプリング16・16が垂設されており、両スプリング16・16の下部のフックにて、固定滑車軸14が支持されている。
該固定滑車軸14は、前記側板12・12に、それぞれ上下方向に設けられた長孔12a・12aに貫装されて前記スプリング支持軸15と平行に配置されるとともに、図3において上下方向に移動自在に構成されている。
該固定滑車軸14は、前記側板12・12に、それぞれ上下方向に設けられた長孔12a・12aに貫装されて前記スプリング支持軸15と平行に配置されるとともに、図3において上下方向に移動自在に構成されている。
また、前記固定滑車軸14には、固定滑車17A・17Bが回転自在に設けられている。
該固定滑車17A・17Bには、二本の円周溝17a・17bが設けられており、該円周溝17a・17bに、前記輪状吊索9a・9bが巻回される。前記輪状吊索9a・9bと前記円周溝17a・17bの底面の間には、摩擦力等により十分な係合力が確保され、輪状吊索9a・9bが固定滑車17A・17B上で滑らないようになっており、輪状吊索9a・9bの移動に伴って固定滑車17A・17Bは滑らかに回転する。
尚、固定滑車17A・17Bに形設する溝の本数は、輪状吊索9a・9bの本数に対応するものであり、一本の輪状吊索で吊荷のバランスが取れる自動調芯吊具に構成される場合には、一本の輪状吊索に対応すべく、固定滑車17A・17Bに形成する溝の本数は一本とすればよい。
また、輪状吊索9a・9bの材質や構成については特に限定するものではなく、金属ワイヤー等の他、チェーン等を採用してもよい。
該固定滑車17A・17Bには、二本の円周溝17a・17bが設けられており、該円周溝17a・17bに、前記輪状吊索9a・9bが巻回される。前記輪状吊索9a・9bと前記円周溝17a・17bの底面の間には、摩擦力等により十分な係合力が確保され、輪状吊索9a・9bが固定滑車17A・17B上で滑らないようになっており、輪状吊索9a・9bの移動に伴って固定滑車17A・17Bは滑らかに回転する。
尚、固定滑車17A・17Bに形設する溝の本数は、輪状吊索9a・9bの本数に対応するものであり、一本の輪状吊索で吊荷のバランスが取れる自動調芯吊具に構成される場合には、一本の輪状吊索に対応すべく、固定滑車17A・17Bに形成する溝の本数は一本とすればよい。
また、輪状吊索9a・9bの材質や構成については特に限定するものではなく、金属ワイヤー等の他、チェーン等を採用してもよい。
また、前記固定滑車17A・17Bにおいて、前記円周溝17a・17bの両側には、環状のギア部17c・17cが形設されている。該ギア部17c・17cのギア形状は、前記ギア回転止部材13に設けた係合溝13aに係合すべく構成されている。
以上の構成により、固定滑車17A・17Bが輪状吊索9a・9bから荷重を受けると、その荷重の大きさに応じ、前記スプリング16・16の弾性力に抗して、固定滑車17A・17Bが下方へと移動されるようになっている。
そして、図2の固定滑車支持体7Bに示すごとく、前記ギア部17c・17cが係合溝13aに係合されるまで固定滑車17Bが下降すると、固定滑車17Bの回転がロックされるようになっている。
そして、図2の固定滑車支持体7Bに示すごとく、前記ギア部17c・17cが係合溝13aに係合されるまで固定滑車17Bが下降すると、固定滑車17Bの回転がロックされるようになっている。
以上のように、固定滑車17A・17Bに形設されるギア部17c・17cを、前記ギア部17c・17cに対向するギア回転止部材13の係合溝13aを係合させることによって、前記固定滑車17A・17Bの回転を規制する構成とするものであり、前記固定滑車17Bは、スプリング16・16によって、前記ギア回転止部材13から離れる方向に付勢され、前記固定滑17A・車17Bは、前記輪状吊索9a・9bから受ける荷重により、前記スプリング16・16の付勢力に抗して前記ギア回転止部材13側へと移動する構成とする、固定滑車17A・17Bの回転を規制するロック機構が構成されている。
また、前記スプリング16・16のバネ定数は、固定滑車17Bの移動方向(長孔12a・12aの長手方向)に吊荷3の荷重の略半分の荷重がかかった際に、固定滑車17Bの回転がロックされるように設定されている。
また、輪状吊索9a・9bは、固定滑車17A・17Bの円周溝17a・17bに係合されるため、固定滑車17A・17Bの回転がロックされた状態においては、輪状吊索9a・9bの移動は規制されるようになっている。
尚、上記のように、固定滑車17A・17Bのギア部17c・17cとギア回転止部材13の係合溝13aを係合させることにより輪状吊索9a・9bの移動を規制する構成とする他、例えば、前記ギア部17c・17cを省略し、ギア回転止部材13と固定滑車17A・17Bの間で輪状吊索9a・9bを挟み込むことにより輪状吊索9a・9bの移動を規制する構成や、手動によって固定滑車17A・17Bの回転をロックさせるシンプルな構成としてもよい。
また、輪状吊索9a・9bは、固定滑車17A・17Bの円周溝17a・17bに係合されるため、固定滑車17A・17Bの回転がロックされた状態においては、輪状吊索9a・9bの移動は規制されるようになっている。
尚、上記のように、固定滑車17A・17Bのギア部17c・17cとギア回転止部材13の係合溝13aを係合させることにより輪状吊索9a・9bの移動を規制する構成とする他、例えば、前記ギア部17c・17cを省略し、ギア回転止部材13と固定滑車17A・17Bの間で輪状吊索9a・9bを挟み込むことにより輪状吊索9a・9bの移動を規制する構成や、手動によって固定滑車17A・17Bの回転をロックさせるシンプルな構成としてもよい。
また、図1に示すごとく、前記動滑車5A・5Bについては、前記輪状吊索9a・9bが動滑車5A・5B上を滑るように構成されており、これによって、自動調芯吊具1が吊り上げられると、吊荷3の重心Gの位置によって輪状吊索9a・9bが移動し、アイボルト4Aと固定滑車支持体7Aの間の輪状吊索9a・9bの長さと、アイボルト4Bと固定滑車支持体7Bの間の輪状吊索9a・9bの長さが変更され、後述するように、フック2の位置を重心Gの位置に応じて移動させることができるようになっている。
尚、動滑車5A・5Bに輪状吊索9a・9bを巻回する構成のほか、掛止フック6A・6Bに孔を設けて輪状吊索9a・9bを通す構成として、動滑車5A・5Bを省略した構成としてもよい。
尚、動滑車5A・5Bに輪状吊索9a・9bを巻回する構成のほか、掛止フック6A・6Bに孔を設けて輪状吊索9a・9bを通す構成として、動滑車5A・5Bを省略した構成としてもよい。
以上の構成により、図5に示すごとく、自動調芯されながらの吊荷3の吊り上げが行われる。
この例では、吊荷3は水平状態で設置されているため、本発明にかかる自動調芯吊具1によれば、吊荷3を水平状態で吊り上げることが可能となっている。
まず、第一の状態41に示すごとく、水平の床面51に設置された吊荷3のアイボルト4A・4Bに、掛止フック6A・6Bを引っ掛ける。また、下げられた状態のクレーン30のクレーンフック32にフック2を引っ掛け、自動調芯吊具1をクレーンワイヤ31に吊り下げた状態とする。この状態では、輪状吊索9a(輪状吊索9bについては図示省略)は弛んでいる。
この例では、吊荷3は水平状態で設置されているため、本発明にかかる自動調芯吊具1によれば、吊荷3を水平状態で吊り上げることが可能となっている。
まず、第一の状態41に示すごとく、水平の床面51に設置された吊荷3のアイボルト4A・4Bに、掛止フック6A・6Bを引っ掛ける。また、下げられた状態のクレーン30のクレーンフック32にフック2を引っ掛け、自動調芯吊具1をクレーンワイヤ31に吊り下げた状態とする。この状態では、輪状吊索9a(輪状吊索9bについては図示省略)は弛んでいる。
次に、第二の状態42に示すごとく、クレーン30を上昇させると、フック2が上昇し、このフック2の上昇に伴って輪状吊索9aが張られる。
そして、輪状吊索9aが完全に張られた状態から、さらにクレーン30を上昇させると、吊荷3の重心Gから遠い側にあるアイボルト4Aの取り付け側が少し持ち上がる。この場合、輪状吊索9aは、固定滑車17A・17Bを回転させながら移動し、アイボルト4Aと固定滑車支持体7Aの間の輪状吊索9aの長さが、アイボルト4Bと固定滑車支持体7Bの間の輪状吊索9aの長さよりも長くなる。
そして、輪状吊索9aが完全に張られた状態から、さらにクレーン30を上昇させると、吊荷3の重心Gから遠い側にあるアイボルト4Aの取り付け側が少し持ち上がる。この場合、輪状吊索9aは、固定滑車17A・17Bを回転させながら移動し、アイボルト4Aと固定滑車支持体7Aの間の輪状吊索9aの長さが、アイボルト4Bと固定滑車支持体7Bの間の輪状吊索9aの長さよりも長くなる。
この第二の状態42から、さらにクレーン30を上昇させると、輪状吊索9aが移動し、第三の状態43に示すように、アイボルト4Aと固定滑車支持体7Aの間の輪状吊索9aの長さが、アイボルト4Bと固定滑車支持体7Bの間の輪状吊索9aの長さよりも、さらに長くなり、フック2が重心Gの方向へと移動される。
この場合、クレーン30は図において左右方向に移動せず、クレーンワイヤ31の長さも変更しないことから、クレーンフック32が重心Gの方向(図において右側方向)へと移動し、クレーンワイヤ31が傾けられることになる。
この場合、クレーン30は図において左右方向に移動せず、クレーンワイヤ31の長さも変更しないことから、クレーンフック32が重心Gの方向(図において右側方向)へと移動し、クレーンワイヤ31が傾けられることになる。
次に、第四の状態44に示すように、一旦吊荷3を下げる。そして、第三の状態43でクレーンフック32が移動した方向、即ち、図において右側方向へと、クレーン30を移動させる。
そして、以上の第一〜第四の状態に示した作業を繰り返すうちに、輪状吊索9aが移動して、クレーンフック32の位置と重心Gの位置(平面視における位置)が一致する。これにより、クレーンワイヤ31は垂直に吊り上げられるようになり、吊荷3を吊り上げ前の姿勢を保ったまま吊り上げることが可能となる。
尚、本実施例では、吊荷3が水平の床面51に設置されているため、クレーンフック32の位置と重心Gの位置が一致して水平のまま吊り上げられることになるが、吊荷3が傾斜面に設置されているような場合は、クレーンフック32の位置と重心Gの位置は一致せず、吊荷3は吊り上げられる前の斜めの状態を維持しながら吊り上げられることになる。
そして、以上の第一〜第四の状態に示した作業を繰り返すうちに、輪状吊索9aが移動して、クレーンフック32の位置と重心Gの位置(平面視における位置)が一致する。これにより、クレーンワイヤ31は垂直に吊り上げられるようになり、吊荷3を吊り上げ前の姿勢を保ったまま吊り上げることが可能となる。
尚、本実施例では、吊荷3が水平の床面51に設置されているため、クレーンフック32の位置と重心Gの位置が一致して水平のまま吊り上げられることになるが、吊荷3が傾斜面に設置されているような場合は、クレーンフック32の位置と重心Gの位置は一致せず、吊荷3は吊り上げられる前の斜めの状態を維持しながら吊り上げられることになる。
以上のように、クレーン30によって、前記取付具10(自動調芯吊具1)を前記吊荷3がわずかに持ち上げられる程度まで吊り上げることにより、前記輪状吊索9a・9bを移動させ、前記各動滑車5A・5Bと前記各固定滑車17A・17Bの間に配される前記輪状吊索9a・9bの長さを調整することで、吊荷3が吊り上げられる前の姿勢のままで、吊荷3の吊り上げが可能となっている。
また、第五の状態45に示すように、吊り上げられ、床面51から完全に浮いた状態においては、上述したごとく、吊荷3の荷重によって固定滑車17A・17Bの回転がロックされるとともに、輪状吊索9aの移動が規制されるため、吊荷3が浮いた後にバランスが崩されることがなく、吊り上げられた際の姿勢を維持したまま吊荷3を移動させることができる。
また、以上では、図6(a)に示すごとく、輪状吊索9a(9b)を数字の8を横にしたものを描くように巻回した例を用いて説明したが、図6(b)に示すごとく、固定滑車17A・17B、動滑車5Aについては、巻回された輪状吊索9a(9b)が交差するように巻回し、固定滑車17A・17B、動滑車5Bについては、輪状吊索9a(9b)が交差しないように巻回するようにしてもよい。
このように、輪状吊索9a・9bの巻回の仕方については特に限定されるものではない。
このように、輪状吊索9a・9bの巻回の仕方については特に限定されるものではない。
また、以上では、図1に示すごとく、吊荷3のアイボルト4A・4Bが二つ設けられるため、前記動滑車5A・5B、及び、前記固定滑車支持体7A・7Bは、それぞれ二つずつ設けた自動調芯吊具1の構成について述べたが、図7に示すごとく、固定滑車17A・17B・17C、動滑車5A・5B・5Cをそれぞれ三つずつ備えた構成とし、三点で吊り上げる構成としてもよい。また、図8に示すごとく、四点で吊り上げる構成も可能である。
このように、本発明にかかる自動調芯吊具1の構成は、吊荷3の支点(アイボルト4・4)の数に応じて、前記固定滑車支持体7A・7B(固定滑車17A・17B)、及び動滑車5A・5Bの個数を設定することによれば、いわゆる二本吊りはもとより、三本吊り以上にも対応可能である。
このように、本発明にかかる自動調芯吊具1の構成は、吊荷3の支点(アイボルト4・4)の数に応じて、前記固定滑車支持体7A・7B(固定滑車17A・17B)、及び動滑車5A・5Bの個数を設定することによれば、いわゆる二本吊りはもとより、三本吊り以上にも対応可能である。
1 自動調芯吊具
2 吊りフック
3 吊荷
4A・4B アイボルト
5A・5B 動滑車
6A・6B 掛止フック
7A・7B 固定滑車支持体
9a・9b 輪状吊索
10 取付具
2 吊りフック
3 吊荷
4A・4B アイボルト
5A・5B 動滑車
6A・6B 掛止フック
7A・7B 固定滑車支持体
9a・9b 輪状吊索
10 取付具
Claims (5)
- 吊荷に設けられる掛止部に掛止するための複数の掛止具と、
固定滑車を回転自在に支持する、前記掛止具と一組になる固定滑車支持体と、
前記掛止具及び前記固定滑車の全てに対し巻回される、一本又は複数本の輪状吊索と、
前記固定滑車支持体が取り付けられる取付具と、
を具備する自動調芯吊具。 - 前記固定滑車支持体には、固定滑車の回転を規制するためのロック機構が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動調芯吊具。 - 前記ロック機構は、
前記固定滑車に形設されるギア部を、前記ギア部に対向するギア回転止部材を係合させることによって、前記固定滑車の回転を規制する構成とするものであり、
前記固定滑車は、スプリングによって、前記ギア回転止部材から離れる方向に付勢され、
前記固定滑車は、前記輪状吊索から受ける荷重により、前記スプリングの付勢力に抗して前記ギア回転止部材側へと移動する、構成としている、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動調芯吊具。 - 前記掛止具は、掛止フックと動滑車により構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自動調芯吊具。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の自動調芯吊具を用いた吊り上げ方法であって、
クレーンによって、前記取付具を前記吊荷がわずかに持ち上げられる程度まで吊り上げることにより、
前記輪状吊索を移動させ、
前記各掛止具と前記各固定滑車の間に配される前記輪状吊索の長さを調整することで、
吊荷が吊り上げられる前の姿勢のままで吊荷の吊り上げを可能とする、吊り上げ方法。
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