JP2011213468A - 平面位置アジャスト吊り治具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クレーンフックに係合する被吊り点5を上端部に有し、上下方向に伸びる前側及び後側の支持部材で構成されたケース部2と、ケース部の内側に収められていると共に、ケース部の幅中央に対して左右に設けた一対の上下動・保持手段により、ケース部の内側を所定の移動量だけ上下動する左右一対の移動体15と、を具備し、長手方向基端部が回動可能に移動体に連結ピン10を介して連結され、長手方向先端部には吊り荷を一個吊る吊り点7が設けられた左右一対の第1のリンク3と、第1のリンクの下方に配置された左右一対の第2のリンク4とを組み合わせてなる。
【選択図】図1
Description
たとえば、仮置場所から設置場所にプレキャスト柱材などの吊り荷をクレーンによって運ぶには、まず仮置場所に所定の左右吊り点間隔で並べた吊り荷を、クレーンフックを介して吊り上げ、次いで予め決められた設置場所に所定の左右吊り点間隔で並べて降ろす必要がある。このとき、仮置場所と設置場所とで左右吊り点間隔が異なることに対応するため、平面位置アジャスト吊り治具が用いられる。この吊り治具によれば、吊り荷を複数個吊った状態で、左右吊り点間隔を調整することができ、クレーンによる運搬回数を減らし、クレーンの借用時間を短くすることができる。クレーンによる運搬回数は、概ね運搬する荷の数の合計を、クレーンフックに掛けた吊り治具を介して吊った荷の数で除した値であり、吊り治具を介して吊った荷の数が3個であれば、クレーンフックに吊り荷を一個吊る場合の約1/3となる。図5には、クレーンフック100に玉掛け用ワイヤ100aを掛けてプレキャスト柱材Wを1個吊った状態を示した。
ところで、本体フレームに搭載した吊り荷同士の間隔を検出する検出器からの信号に基づき、内外ツイストロックの位置を調整し、吊り荷を2個まで吊るコンテナ用吊り治具が提案されている(特許文献1)。このコンテナ用吊り治具は、本体フレームから左右方向へ伸縮するテンションロッドの両端部に外側ツイストロックが設けられ、本体フレームの左右方向両端部に内側ツイストロックが設けられている。このため、この吊り治具の幅は、本体フレームの長さと伸縮するテンションロッドの長さの合計となる。
また、図6に示したが、上記本体フレームに当たる支持梁21の幅中央に対して左右に対称に一対のボックス体22を移動可能に配置し、平面位置アジャスト吊り治具20を構成した場合にも同様な問題が生じる。図6中、24はねじ軸、25はねじ軸24を回転させる駆動源である。左右一対のボックス体22の下端には、吊り荷Wを一個吊る吊り荷用フック23が設けられている。ねじ軸24を回転させることによって、左右一対のボックス体22が支持梁21上を対称に移動し、左右吊り点間隔2Lが変わる。なお、3個吊り用の吊り治具とするため、支持梁21の幅中央に固定したバッテリボックス26の下端にも吊り荷Wを一個吊る吊り荷用フック23を設けた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
請求項1 吊り荷を複数個吊った状態で、左右独立駆動方式のリンク機構により、左右吊り点間隔を調整することができる平面位置アジャスト吊り治具であって、クレーンフックに係合する被吊り点を上端部に有し、上下方向に伸びる前側及び後側の支持部材で構成されたケース部と、該ケース部の内側に収められていると共に、該ケース部の幅中央に対して左右に設けた一対の上下動・保持手段と、該一対の上下動・保持手段により、該ケース部の内側を所定の移動量だけ上下動する左右一対の移動体と、該左右一対の移動体が上・下限位置に移動した状態で、前記ケース部の幅中央から左右に離れる方向に下り傾斜に配置されていると共に、長手方向基端部が回動可能に前記移動体に連結ピンを介して連結され、長手方向先端部には前記吊り荷を一個吊る吊り点が設けられた左右一対の第1のリンクと、該第1のリンクよりも下方にあって、前記ケース部の幅中央から左右に離れる方向に上り傾斜に配置されていると共に、長手方向先端部が回動可能に前記第1のリンクの長手方向中間部に連結ピンを介して連結され、長手方向基端部が回動可能に前記ケース部の下部に連結ピンを介して連結された左右一対の第2のリンクと、を備えることを特徴とする平面位置アジャスト吊り治具。
請求項4 前記移動体の前面側及び後面側にスライド部が設けられ、該スライド部を案内するガイド溝が、前記ケース部の内面に上下方向に沿って所定の位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の平面位置アジャスト吊り治具。
請求項5 前記上下動・保持手段は、上下方向に伸びるねじ軸と、該ねじ軸を回転させる駆動手段と、該ねじ軸に組み込まれたナットと、を有し、前記移動体の前後方向中央部に形成された上下方向貫通孔に前記ねじ軸を回転可能に通し、前記ナットが前記移動体に固定されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の平面位置アジャスト吊り治具。
この実施の形態に係る吊り治具1では、ケース部2の幅中央に対して左右に設けた上下動・保持手段と、ケース部2の内側を所定の移動量Sだけ上下動する左右一対の移動体を具備する左右独立駆動方式のリンク機構とした。このようにすると、左右の吊り点7に重い吊り荷を吊った状態で、左右吊り点間隔2Lを調整すること、あるいは吊り治具幅中央から左右の吊り点7までの距離Lを左右で異なるようにできる。
ここで、左右一対の第2のリンク4のアーム長さ(長手方向先端部に設けた連結ピン11から長手方向基端部に設けた連結ピン12までの長さ)を基準長さとし、左右一対の第1のリンク3のアーム長さ(長手方向先端部に設けた吊り点7から長手方向基端部に設けた連結ピン10までの長さ)を基準長さの2倍とし、第1のリンクのアーム長さが半分となる箇所と、第1のリングよりも下方にある第2のリンクの先端部とを回動可能に連結ピン11で連結するのが好ましい。この理由は、左右吊り点間隔2Lを調整する際、左右の吊り点7の移動軌跡がほぼ水平な直線を描くので、左右の吊り点7に一個吊りした吊り荷の上下動を極めて小さくすることができるからである。
図3は、図1に示した吊り治具1の使用法を示す斜視図、図4(a)、(b)はそれぞれ吊り荷Wの仮置き場所の平面図、吊り荷Wの設置場所の平面図である。図4(a)中、吊り荷Wを置いてある位置よりも左右側のところは、構造物があって左右吊り点間隔を調整して吊り治具1の幅を狭くしないと、吊り治具1の左右一対の第1のリンク3と構造物との干渉が生じる領域である。一方、図4(b)には、設置場所での吊り荷Wの左右吊り点間隔2L2が、仮置き場所の左右吊り点間隔2L1よりも広いことを示した。
2L 左右吊り点間隔(2L1≦2L≦2L2)
W 吊り荷
S 移動量
1、20 平面位置アジャスト吊り治具
2 ケース部
2a ガイド溝
3 第1のリンク
4 第2のリンク
5 被吊り点
6、7 吊り点
8、9 吊り荷用フック
10、11、12 連結ピン
13 ねじ軸
13a 螺旋状通路
14 駆動源
15 移動体
15a ナット
16 スライド部
21 支持梁
22 吊りボックス体
23 吊り荷用フック
24 ねじ軸
25 駆動源
26 バッテリボックス
100 クレーンフック
100a 玉掛け用ワイヤ
Claims (5)
- 吊り荷を複数個吊った状態で、左右独立駆動方式のリンク機構により、左右吊り点間隔を調整することができる平面位置アジャスト吊り治具であって、
クレーンフックに係合する被吊り点を上端部に有し、上下方向に伸びる前側及び後側の支持部材で構成されたケース部と、
該ケース部の内側に収められていると共に、該ケース部の幅中央に対して左右に設けた一対の上下動・保持手段と、該一対の上下動・保持手段により、該ケース部の内側を所定の移動量だけ上下動する左右一対の移動体と、
該左右一対の移動体が上・下限位置に移動した状態で、前記ケース部の幅中央から左右に離れる方向に下り傾斜に配置されていると共に、長手方向基端部が回動可能に前記移動体に連結ピンを介して連結され、長手方向先端部には前記吊り荷を一個吊る吊り点が設けられた左右一対の第1のリンクと、
該第1のリンクよりも下方にあって、前記ケース部の幅中央から左右に離れる方向に上り傾斜に配置されていると共に、長手方向先端部が回動可能に前記第1のリンクの長手方向中間部に連結ピンを介して連結され、長手方向基端部が回動可能に前記ケース部の下部に連結ピンを介して連結された左右一対の第2のリンクと、
を備えることを特徴とする平面位置アジャスト吊り治具。 - 吊り荷を複数個吊った状態で、左右共通駆動方式のリンク機構により、左右吊り点間隔を調整することができる平面位置アジャスト吊り治具であって、
前記ケース部の幅中央に対して左右に設けた一対の上下動・保持手段と、該一対の上下動・保持手段により、該ケース部の内側を所定の移動量だけ上下動する左右一対の移動体の代わりに、
前記ケース部の幅中央に設けた一つの上下動・保持手段と、該一つの上下動・保持手段により、該ケース部の内側を所定の移動量だけ上下動する一つの移動体とすることを特徴とする請求項1に記載の平面位置アジャスト吊り治具。 - 左右一対の第2のリンクのアーム長さを基準長さとし、左右一対の第1のリンクのアーム長さを前記基準長さの2倍とし、前記第1のリンクのアーム長さが半分となる箇所と、前記第1のリンクよりも下方にある第2のリンクの先端部とを回動可能に連結ピンで連結することを特徴とする請求項1又は2に記載の平面位置アジャスト吊り治具。
- 前記移動体の前面側及び後面側にスライド部が設けられ、該スライド部を案内するガイド溝が、前記ケース部の内面に上下方向に沿って所定の位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の平面位置アジャスト吊り治具。
- 前記上下動・保持手段は、上下方向に伸びるねじ軸と、該ねじ軸を回転させる駆動手段と、該ねじ軸に組み込まれたナットと、を有し、前記移動体の前後方向中央部に形成された上下方向貫通孔に前記ねじ軸を回転可能に通し、前記ナットが前記移動体に固定されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の平面位置アジャスト吊り治具。
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