JP2006218316A - 内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒状網部材の素線断裂や湾曲操作力量が重い等の不具合が無く、しかも、湾曲抵抗を大きく変化させることが容易に設定できる内視鏡を提供する。
【解決手段】湾曲自在な芯材の外周に柔軟性を有する円筒状網部材を被覆し、前記網部材の外周には外皮を被覆してなる湾曲部8を備え、前記芯材の節輪35を湾曲部8の軸方向に配列し、隣接する節輪35を互いに回動自在に連結して組み合わせ、前記円筒状網部材50に柔軟性樹脂53を塗布した樹脂塗布部を有し、前記樹脂塗布部と、その柔軟性樹脂を塗布しない非塗布部との境界が、前記節輪35の周面上に位置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の環状の節輪を回動自在に連接してなる湾曲自在な芯材の外周に柔軟性を有する円筒状の網部材を被覆した湾曲部を備えた内視鏡に関する。
一般に、内視鏡は所要の観察・処置を行ったり挿入性を高めたりするために挿入部に湾曲部を形成し、この湾曲部を手元側の操作部からの遠隔操作により強制的に湾曲させ得るようにしている。
ところで、一般的な湾曲部の構成にあっては、湾曲部の先端に操作ワイヤーを固着し、操作ワイヤーを引っ張って湾曲部を湾曲させる方式が採用されている。この関係から操作ワイヤーを引っ張った際、湾曲部の先端側部分に加わる曲げモーメントと湾曲部の基端側部分に加わる曲げモーメントには差があり、先端側部分に加わる曲げモーメントは小さく、逆に基端側部分に加わる曲げモーメントは大きくなる。このため、操作ワイヤーを牽引して湾曲部を湾曲させる際、湾曲部は先端側部分より基端側部分の方が優先的に曲がっていくことになる。
しかしながら、実際の使用状況においては先端に近い部分から湾曲し始める方が先端側部分が小回りするので、狭い管腔内での挿入性・観察性の点から望ましい。
そこで、これを解決する手段として、湾曲部に被装される円筒状網部材に柔軟性樹脂を充填する方法が知られている。
網状の金属被覆は複数の細長い金属製素線を密着して並べてなる素線帯を円筒状に編むことで円筒状網部材を構成している。この各素線帯の間の隙間によって菱形状の網目が形成される。そして、この網目に柔軟性樹脂を充填して、円筒状網部材の弾力性を部分的に変化させるようにしている。
例えば、特公平8−17766号公報によると、円筒状網部材の円周部上の軸線方向の所定の位置までの部位に柔軟性樹脂を充填して部分的に硬さの変化を持たせている。この構造によれば、柔軟性樹脂を充填した部分は湾曲しないか、あるいは緩い角度で湾曲するようになるので、円筒状網部材の手元側に柔軟性樹脂を充填することによって、湾曲部は先端側から優先的に曲がるようになる。
特公平8−17766号公報
ところで、円筒状網部材の網目に充填する柔軟性樹脂の硬度と柔軟性樹脂を軸線方向のどの部分まで塗布するかによって湾曲部の湾曲形状は様々に変化する。これらの組み合わせが適当でないと、実際上、様々な問題が生じることになる。
例えば、柔軟性樹脂の硬度が大きすぎたり、軸線方向の塗布部分を長くとりすぎたりすると、円筒状網部材の素線にかかる引っ張り応力が過大になって、素線の断裂を起こす可能性がある。
素線の断裂が起きると、その外周面上を被覆しているゴム被覆(外皮)が、その円筒状網部材の支えを失って内部に落ち込むため、湾曲が良好にかからなくなるという事態が生じる。
また、湾曲部の操作力量も大きくなるため、検査時の疲労が増すという問題もある。
逆に、柔軟性樹脂の硬度が小さ過ぎたりその塗布範囲が狭すぎると、本来の目的である湾曲形状の改善が不十分となる。
従って、柔軟性樹脂を円筒状網部材に充填させるようにした構造の湾曲部においては、どの位置にどれくらいの硬度の柔軟性樹脂を塗布するかがきわめて重要となってくるが、その組み合わせの数は膨大であるため、製造する際、実際に適当な組み合わせを見つけるのは至難な作業であった。
本発明は、円筒状網部材の素線断裂や湾曲操作力量が重い等の不具合が無く、しかも、湾曲抵抗を大きく変化させることが容易に設定できる内視鏡を提供することを目的とする。
本発明は、湾曲自在な芯材の外周に柔軟性を有する円筒状網部材を被覆し、前記網部材の外周には外皮を被覆してなる湾曲部を備えた内視鏡において、前記芯材は、複数の節輪を湾曲部の軸方向に配列し、隣接する節輪を互いに回動自在に連結して組み合わせることにより構成され、前記湾曲部の基端より前記湾曲部の途中までの範囲にかけて前記円筒状網部材に柔軟性樹脂を塗布してなる樹脂塗布部を有し、前記樹脂塗布部と、その柔軟性樹脂を塗布しない非塗布部との境界が、前記節輪の周面上に位置することを特徴とする。
従来、湾曲部の湾曲自在な芯材の外周に被嵌した柔軟性を有する円筒状網部材にどの位置にどれくらいの硬度の柔軟性樹脂を塗布するかを決めるのは、その柔軟性樹脂の硬度と塗布位置の組み合わせが膨大であるため、適当な条件を見付け出すのは非常に面倒な作業であったが、本発明によれば、前記条件にその値を設定することにより、容易に湾曲形状、耐久性、湾曲力量のバランスの取れた湾曲部にすることができる。また、樹脂塗布部とその柔軟性樹脂を塗布しない非塗布部との境界を節輪の周面上に位置したので、その境界部分での座屈を極力防止できる。
(第1実施形態)
図1及至図6を参照して本発明の第1実施形態を説明する。この実施形態に係る内視鏡1は図1に示すように、操作部2と挿入部3とユニバーサルコード4を備える。操作部2にはこれを手で保持するためのグリップ部2aが形成されている。挿入部3とユニバーサルコード4は操作部2に接続されている。ユニバーサルコード4の延出先端にはコネクタ5が設けられている。コネクタ5は内視鏡1に照明光を供給するための光源装置6に対して着脱自在に接続される。
挿入部3には湾曲部8とこれを介して先端構成部9が設けられ、湾曲部8は操作部2に設けたアングルノブ7を操作することにより湾曲させられるようになっている。先端構成部9には挿入部3内に形成された鉗子チャンネルの先端開口9aが設けられている。鉗子チャンネルの他方の開口端は操作部2に設けられた鉗子開口部10と連通している。さらに、先端構成部9には観察窓9bと、この観察窓9bに向かって送気や送水を行うことができるノズル9cと、観察対象物を照明するための照明窓9dとが設けられている。前記鉗子開口部10には必要に応じて鉗子栓11が取り付けられる。また、前記挿入部3には破損を防止するための折止めカバー12が設けられている。
前記ユニバーサルコード4のコネクタ5には、送気装置13、送水装置14及び吸引装置15が接続されると共に、接続アダプタ16aを介して映像信号を処理するビデオプロセッサ16が接続される。
前記ビデオプロセッサ16には信号処理された映像信号による被写体の映像を表示するモニター17と、映像信号を記録再生するVTRデッキ18と、映像信号により被写体を印字するビデオプリンタ19と、映像信号を記録する大容量の記憶装置であるビデオディスク20等が接続されている。
前記操作部2には、前記ビデオプロセッサ16を操作するスイッチ21が設けられている。さらに操作部2には挿入部3の先端構成部9に開口するノズル9cへの送気・送水とその切換えを制御するための送気送水切換え操作装置22と、前記鉗子チャンネルを通じてその先端開口9aから吸引するための吸引操作装置23が設けられている。
図2に示すように、挿入部3は蛇管25を有しており、前記湾曲部8はその蛇管25の先端に連結され、この蛇管25の先端には前記先端構成部9が連結されている。
前記蛇管25は細長の可撓性を有した筒状部材であって、これは細い板状の金属部材を螺旋状に巻いて筒状に構成したフレックス26を芯材とし、このフレックス26の外周上には細い金属素線を編んで筒状に形成した円筒状網部材27が被嵌され、円筒状網部材27でフレックス26を被覆し、さらに円筒状網部材27の外周上に外装用樹脂28を溶着して被着することにより構成されている。
前記蛇管25の一端(前端)には円筒状の口金29が一体的に取り付けられており、蛇管25はこの口金29を介して湾曲部8の部材に接続されている。つまり、前記口金29の前端部外周には後述する湾曲部8における円筒状の関節部35の一端部分35aが密に嵌合しており、この両者は止めねじや接着剤等により一体的に固定されている。蛇管25の他端(後端)は内視鏡1の操作部2における部材に連結されている。
次に、本発明の特徴部分である挿入部3の湾曲部8の構成について説明する。前記湾曲部8は湾曲自在な芯材としての関節部35を備える。関節部35は薄肉円筒状の金属部材である節輪36を複数個、挿入部3の軸方向に配列し、これらを組み合わせることにより構成されている。つまり、各節輪36は隣接するもの同志が関節ピン37を介して連結され、その関節ピン37を中心にして互いに回動可能に連結されている。前記関節部35の他端35bには先端構成部9の本体部材を構成する円柱状の金属部材である先端ブロック38が一体的に取付け固定されている。
前記先端ブロック38にはその長手方向に複数の孔47が設けられており、それらの孔47を利用して、前述した鉗子チャンネルの先端開口9a、観察窓9b、ノズル9c及び照明窓9dが設けられ、さらに、これらの他に固体撮像素子9f、及びライトガイド9gの先端等が固定的に設置されている。固体撮像素子9fには信号ケーブル9hが接続されている。
一方、前記湾曲部8における関節部35の内部には4本の操作ワイヤー41が前記関節部35の内面における上下左右部分に沿ってそれぞれ配置されている。前記各操作ワイヤー41は蛇管25の内部では、前記口金29の内面に先端が固定された中空円筒状の可撓性部材であるガイド用コイルパイプ43の内部にそれぞれ別々に挿通されている。また、関節部35の内部においては、節輪36の内周面に固着された円筒状部材であるワイヤー受44の内孔にそれぞれ挿通されており、これにより各操作ワイヤー41は先端ブロック38まで誘導され、各操作ワイヤー41の先端部はその先端ブロック38に対して固着されている。操作ワイヤー41の他端は前記コイルパイプ43を介して操作部2内に誘導されており、操作部2内に設けられた牽引操作機構に連結されている。そして、アングルノブ7の操作に連動して牽引操作機構により牽引操作されるようになっている。
また、関節部35の外周には柔軟性を有する円筒状網部材50が被嵌されている。この円筒状網部材50は図3及び図4に示すように金属製の細長の素線51を密着して並べた素線帯52を円筒状に編むことで構成されている。円筒状網部材50の両端は関節部35の両端に位置する各終端の節輪36の外周面部に対して半田付けによりそれぞれ固定されている。
さらに、円筒状網部材50の基端部から湾曲部8の領域の途中まで、柔軟性樹脂53がその網間54及び網上に塗布されている。
柔軟性樹脂53の具体例としては、シリコンゴム、ウレタン、弾性接着剤等が考えられ、これらの硬化後の硬度は20〜70度の範囲にある。
前記柔軟性樹脂53は関節部35の基端から先端側に向かってその関節部35の湾曲可動領域、つまり前後各終端の関節ピン37a,37bの間の範囲においてその軸方向全長(湾曲部全長)yの50〜70%の長さxの範囲にわたり塗布されている(図2参照)。実際に製造する上では円筒状網部材50の基端からその円筒状網部材50に柔軟性樹脂53が塗布されており、湾曲部8の湾曲可動領域の基端(関節ピン37bの位置)から塗布する必要はない。
なお、柔軟性樹脂53の塗布領域の先端部分53dは節輪36の外周面上に乗っており、湾曲動作中でもその節輪36の外周面上に常に位置するようになっている。柔軟性樹脂53の塗布部分と非塗布部分とは弾力性がかなり異なるので、その境界において素線51の座屈が起こりやすいが、このように節輪36上に境界部分が来るようにすることで、その座屈の発生を防止することが十分可能となる。
さらに、柔軟性樹脂53を塗布した部分と非塗布部分を含めて、円筒状網部材50の上には筒状の軟質ゴム部材である弾性ゴム等の樹脂製弾性被覆55が被着されかつこれにより被覆55は円筒状網部材50を被覆する湾曲部8の外被を構成している。弾性被覆55の先端側端部55aは前記先端ブロック38に対して糸56で縛った後、その糸56の上から接着剤57を塗布する事で固定されていて、操作部2側の端部55bも同様の方法で蛇管25に対して固定されている。
本実施形態では円筒状網部材50の網目54は全長に渡って同一の大きさになっている。しかし、網目54の大きさを軸方向に変化させてもよい。網目54の大きさを変化させる方法としては、例えば円筒状網部材50を形成する素線帯52の巻きピッチを変化させればよい。巻きピッチを大きくすれば網目54は大きくなり、ピッチを小さくすれば網目54は小さくなるので、これを利用すれば自由に網目54の大きさを変化させることができる。この方式を採用すれば、例えば剥離しやすい領域や部分における樹脂塗布部分の網目54の大きさを他の部分より大きくして網目間に柔軟性樹脂53が流入しやすくし、その個所での円筒状網部材50に対する柔軟性樹脂53の食い付きが良くなる構造にすることができる。
また、柔軟性樹脂53を塗布する部分の編み角を他の部分より小さくして、塗布していない部分の円筒状網部材50よりも湾曲抵抗を大きくすることも考えられる。このようにすれば、単に樹脂を塗布するよりも、より樹脂塗布部分の湾曲抵抗を大きくできるというメリットが得られる。
なお、図1では説明を簡単にするために挿入部3の蛇管25や関節部35に内蔵される各種内蔵物は図示していない。
内視鏡1の湾曲部8を湾曲させる場合、操作部2のアングルノブ7を操作して操作ワイヤー41を牽引操作すると、湾曲部8の関節部35が、その牽引方向側へ湾曲する。
このとき、湾曲部8の円筒状網部材50における、柔軟性樹脂53の塗布部分はその柔軟性樹脂53の存在のため、他の部分に比べて、大きな曲げ抵抗が生じる。従って、関節部35は湾曲抵抗の小さい先端側から優先的に曲がり始め、コンパクトな湾曲形状が得られる。
この際、柔軟性樹脂53の塗布部分の湾曲抵抗は適正な大きさであるため、過剰な応力による素線断裂や、湾曲形状の修正不十分といった不具合が起きない。
一般に、どの位置にどれくらいの硬度の柔軟性樹脂を塗布するかを決めるのは硬度と位置の組み合わせが膨大であるため、適当な条件を見付け出すのは実際上、非常に面倒な作業であったが、本発明では柔軟性樹脂53の硬化後の硬度の値を、20〜60度の範囲に設定し、湾曲部8の基端より、前記湾曲部8の全長の50%から70%の範囲にかけて塗布することにより、容易に湾曲形状、耐久性、湾曲力量のバランスの取れた湾曲部8にすることができる。
(第1実施形態の変形例)
前述した実施形態では円筒状網部材50に対して柔軟性樹脂53を連続的に塗布しているが、柔軟性樹脂を所定の間隔で前記円筒状網部材50の網間に充填させてもよい。例えば図5の各図に示すように円筒状網部材50の軸まわり周方向へリング状の部分に複数に分けて塗布すると共に、円筒状網部材50の軸方向に対して間欠的に塗布するようにした塗布形式とするようにしてもよい。このように柔軟性樹脂53を間欠的に塗布するようにすれば、湾曲部8の湾曲形状を良好にするのみならず、湾曲部8が局所的に曲がらないため、内蔵物が急に折れ曲がって損傷してしまうという虞がない。また、連続的に柔軟性樹脂を塗布する場合よりも円筒状網部材の伸縮性に優れているため、伸縮時に応力が集中して素線切れを起こすことがない。
特に図5(a)では柔軟性樹脂53の塗布幅、間隔の間欠幅ともに軸方向に対して一定にしたものである。また、これらの塗布幅、間隔の間欠幅を変化させることで、局所的に円筒状網部材50の湾曲抵抗の微妙な調整が可能であり、より用途に応じた湾曲形状にすることができる。例えば、図5(b)に示すように、樹脂塗布部分の幅を先端側へ向かうにつれて漸減させる。これにより、湾曲部8がさらに先端側から曲がりやすくなる。
また、図5(c)に示すように、樹脂塗布部分の幅は変えずにその間隔の間欠幅を先端側に向かって順次大きくしたものでは前記同様の効果が得られると共に、よりコンパクトに湾曲させることができるようになる。
なお、帯状に柔軟性樹脂53を塗布する構造では塗布前にマスキングテープ等で間欠部をマスキングする作業を行う必要があるが、図5(a)(b)で示す構造のものでは間欠部の幅が同一なので、そこに貼るマスキング部材を同一種類のものにすることができる。従って、図5(c)の場合よりも生産性が良く、生産原価を安くすることができる。
また、湾曲部8の外装部分の他の変形例を図6に示す。この変形例は円筒状網部材50に塗布する柔軟性樹脂53の塗布厚さを、先端に向かうにつれて漸次小さくするようにしたものである。このため、先端から優先的に湾曲するために観察・処置性に優れる。また、前述の図5に示す場合のように、帯状に柔軟性樹脂53を塗布する構造ではマスキング作業があり、これが面倒なために生産原価が嵩む一因となっていたが、この変形例のような構造では帯状のマスキングの手間がないために生産性が良好である。
図7はさらに別の変形例を示すものである。これは円筒状網部材50に塗布する柔軟性樹脂に硬度の異なる複数種類のものを使用する例であり、ここでは特に操作部側領域部分に硬度の大きい第1の樹脂61を塗布し、それと隣接するように先端側領域部分には硬度の低い第2の樹脂62を塗布するようにしたものである。
このように硬度の異なる複数種類の柔軟性樹脂を使用し、先端側領域部分のものに硬度の低い樹脂を塗布する構造によれば、柔軟性樹脂を連続的に塗布した場合よりも樹脂塗布部分と非樹脂塗布部分との弾性の差が急激に大きくならないので、湾曲部8が局所的に曲がることを防止することができる。
また、湾曲部8の後端側から湾曲部軸線方向の途中まで連続的に柔軟性樹脂を塗布するよりも、円筒状網部材50の軸線方向ヘの伸縮性が良好であるため、湾曲時に過大な引っ張り力が円筒状網部材50の素線51にかかってその素線51の断裂が発生しにくい。
また、図6で示したように、柔軟性樹脂53の塗布厚の増加に伴って湾曲部8の外径増加が生じず、しかも、単純に単一の柔軟性樹脂53を塗布する場合よりもコンパクトな湾曲になるため観察・処置能力が高い。さらに、湾曲部8がコンパクトに曲がるために観察、処置能力が高くなる。しかも、それだけでなく湾曲部8が局所的に曲がらないため、内蔵物が急に折れ曲がって損傷してしまうという虞がない。
(第2実施形態)
基本的な構成は前述した第1実施形態のものと同じであり、この第2実施形態では円筒状網部材50に塗布する柔軟性樹脂53が、図8に示すように、柔軟性樹脂53が、円筒状網部材50の外面に塗布される樹脂外層53aと、円筒状網部材50の内面に塗布される樹脂内層53bとを有し、樹脂外層53aと樹脂内層53bとは円筒状網部材50の網目54間にある連結部53cを介して連結されている。樹脂内層53bの厚さは絶対的に十分小さく、また、樹脂外層53aに比べても小さくなっている。
また、樹脂外層53a、樹脂内層53b及び連結部53cは全て同一の柔軟性樹脂53で形成されている。そして、樹脂外層53aと樹脂内層53bと連結部53cは一体に成形されている。例えば、液状の樹脂に浸漬する等の方法により一遍に全ての層53a,53b,53cの塗布が完了するようになっている。従って、大変生産が良く、生産コストの低減になるというメリットがある。
ただし、各層53a,53b,53cは必ずしも単一の材料で塗布する必要はなく、各層53a,53b,53cをそれぞれ別の種類の樹脂で構成するようにしても良い。例えば樹脂外層53aは弾力に富む樹脂、樹脂内層53bは潤滑性の高い樹脂、連結部53cは接着性の強い樹脂というふうにして、各層の機能を考慮した構造にしてもよい。
また、この構成にあっては湾曲部8の繰り返しの湾曲によって、例え柔軟性樹脂53a,53b,53cと素線52との接着が全て外れても、特に樹脂内層53bが外れ止めとなるので、柔軟性樹脂53a,53b,53cは網状部材50から剥離しない。つまり、湾曲操作時において、大きな圧縮力、伸張力が柔軟性樹脂53に繰り返しかかる場合にも、柔軟性樹脂53a,53b,53cが網状部材50から剥離しにくいので、繰り返し湾曲させても適切な本来の湾曲形状を保てる。
なお、単に柔軟性樹脂53を外部から円筒状網部材50に充填しようとすると、図9のような形になるが、このような状態では柔軟性樹脂53は素線51に対する接着力のみによって付着していることになる。
そして、湾曲操作時において、柔軟性樹脂53には大きな圧縮力、伸張力が繰り返しかかるが、このように素線と柔軟性樹脂とが接着のみで固定されている構造では繰り返し使用している内に柔軟性樹脂と素線との接着が外れ、柔軟性樹脂が素線から剥離してしまうことがあり、柔軟性樹脂が剥離してしまうと、初期の湾曲形状が維持できなくなり、観察・処置に支障がでるという問題があったが、この第2実施形態の構造によれば、その問題を解決できる。
また、樹脂内層53bの塗布厚さが大きいと、図10に示すように、節輪3bに円筒状網部材50を被覆する際において、樹脂内層53bの端部が節輪36間の肩口端面36aに引っかかるため、組み立てが困難であり、また、無理に組み立てようとすると、柔軟性樹脂53が金属製の円筒状網部材50から一部剥離してしまう虞がある。
しかし、本実施形態では図11に示すように、肩口端面36aと、樹脂内層53bの端部との引っかかりが殆ど無いので、組み付けが大変容易であるため、組み付け中の樹脂剥離の心配がない。このため、組み付け作業が大変容易になる。
<付記>
1.湾曲自在な芯材の外周に柔軟性を有する円筒状網部材を被覆した湾曲部を備えた内視鏡において、前記湾曲部の基端より、前記湾曲部の全長の50%から70%の範囲にかけて、前記円筒状網部材の網間に、硬度20度から70度の柔軟性樹脂が充填されていることを特徴とする内視鏡。
2.円筒状網部材の網間に充填される柔軟性樹脂が、所定の間隔で前記円筒状網部材の網間に充填されていることを特徴とする第1項に記載の内視鏡。
3.柔軟性樹脂の塗布幅あるいは間欠幅の少なくともどちらかを、部位によって変化させたことを特徴とする第2項に記載の内視鏡。
4.柔軟性樹脂が湾曲部の後端から円筒状網部材の軸線方向の所定の位置までに塗布されており、その間欠幅が後端側から先端側に向かって順次大きくなっていることを特徴とする第2項に記載の内視鏡。
5.柔軟性樹脂が湾曲部の後端から円筒状網部材の軸線方向の所定の位置までに塗布されており、その塗布幅が後端側から先端側に向かって順次小さくなっていることを特徴とする第2項に記載の内視鏡。
6.円筒状網部材には柔軟性樹脂がその塗布厚を変化させて塗布されていることを特徴とする第1項に記載の内視鏡。
7.柔軟性樹脂が円筒状網部材の後端側から軸線方向の所定の位置までに塗布されており、その塗布厚は後端側から先端側に向けて漸次減少していることを特徴とする第7項に記載の内視鏡。
8.円筒状網部材には複数の硬度が異なる複数の柔軟性樹脂が塗布されていることを特徴とする第1項に記載の内視鏡。
9.湾曲部の後端側から軸線方向の所定の位置へと硬度が段階的に小さくなるように複数種類の柔軟性樹脂が塗布されていることを特徴とする第1項に記載の内視鏡。
10.円筒状網部材には、円筒状部材の内周面に柔軟性樹脂を塗布した樹脂内層と、円筒状部材の外周面に柔軟性樹脂を塗布した樹脂外層と、円筒状部材の網間を介して上記樹脂外層と樹脂内層とを一体につなぐ柔軟性樹脂の連結部とからなる柔軟性樹脂が塗布されていることを特徴とする第1項に記載の内視鏡。
11.樹脂内層の塗布厚を十分小さくしたことを特徴とする第10項に記載の内視鏡。
12.樹脂内層と樹脂外層と連結部とは同一種類の樹脂により構成されることを特徴とする第10項に記載の内視鏡。
(第1〜9項の課題)柔軟性樹脂を円筒状網部材の手元側から先端側まで連続的に塗布した場合、柔軟性樹脂の塗布部分と非塗布部分との境界で急激に円筒状網部材の弾性が変化することになる。よって、湾曲部はその柔軟性樹脂の塗布部分と非塗布部分との境界部分で急に折れ曲がるように湾曲するようになり、内蔵物の破損が生じやすいという問題があった。
また、円筒状網部材の後端側からその軸線方向の途中まで連続的に柔軟性樹脂を塗布した場合、円筒状網部材の軸線方向への伸縮性がかなり制限されるため、湾曲部を湾曲させるときに過大な引っ張り力が円筒状網部材の素線にかかって、素線の断裂が発生することがあった。第1〜9項のものによれば、湾曲部が局所的に折れ曲がるように湾曲せず、内蔵物や円筒状網部材の破損が生じにくい湾曲部を有する円視鏡を提供できる。
第1実施形態に係る内視鏡の概略的な構成の説明図。 第1実施形態に係る内視鏡の挿入部の縦断面図。 前記挿入部の湾曲部における円筒状網部材の斜視図。 図3中、A部の拡大図。 前記円筒状網部材に対して柔軟性樹脂を塗布する各例の説明図。 前記円筒状網部材に対して柔軟性樹脂を塗布する他の例の説明図。 前記円筒状網部材に対して柔軟性樹脂を塗布するさらに他の例の説明図。 第2実施形態においての円筒状網部材に対して柔軟性樹脂を塗布する構造の説明図。 円筒状網部材に対して柔軟性樹脂を塗布する従前の構造の説明図。 前記円筒状網部材に外皮用弾性被覆を被覆する際においての通常の組立て状態の説明図。 前記円筒状網部材に外皮用弾性被覆を被覆する際においての組立て状態の説明図。
符号の説明
1…内視鏡、2…操作部、3…挿入部、4…ユニバーサルコード、8…湾曲部、9…先端構成部、35…関節部、36…節輪、50…円筒状網部材、51…素線、52…素線帯、53…柔軟性樹脂、54…網間、y…湾曲部全長、x…塗布範囲。

Claims (4)

  1. 湾曲自在な芯材の外周に柔軟性を有する円筒状網部材を被覆し、前記円筒状網部材の外周には外皮を被覆してなる湾曲部を備えた内視鏡において、
    前記芯材は、複数の節輪を湾曲部の軸方向に配列し、隣接する節輪を互いに回動自在に連結して組み合わせることにより構成され、
    前記湾曲部の基端より前記湾曲部の途中までの範囲にかけて前記円筒状網部材に柔軟性樹脂を塗布してなる樹脂塗布部を有し、前記樹脂塗布部と、その柔軟性樹脂を塗布しない非塗布部との境界が、前記節輪の周面上に位置することを特徴とする内視鏡。
  2. 前記樹脂塗布部は、前記湾曲部の基端より前記湾曲部の全長の途中までの範囲にかけて前記円筒状網部材の外面と内面に塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記樹脂内層の厚さ寸法は、前記樹脂外層の厚さ寸法に比べて小さいことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
  4. 前記樹脂外層の厚みを前記湾曲部の先端側に向かって次第に薄くしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内視鏡。
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JP2009053360A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Chubu Electric Power Co Inc 内視鏡装置、および、その内視鏡装置を用いた配管内部の検査方法

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