JP2006214514A - 変速機 - Google Patents

変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2006214514A
JP2006214514A JP2005027992A JP2005027992A JP2006214514A JP 2006214514 A JP2006214514 A JP 2006214514A JP 2005027992 A JP2005027992 A JP 2005027992A JP 2005027992 A JP2005027992 A JP 2005027992A JP 2006214514 A JP2006214514 A JP 2006214514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
gear
speed
fluid pressure
intermediate shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005027992A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4945903B2 (ja
Inventor
Arata Murakami
新 村上
Makoto Funahashi
眞 舟橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005027992A priority Critical patent/JP4945903B2/ja
Publication of JP2006214514A publication Critical patent/JP2006214514A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4945903B2 publication Critical patent/JP4945903B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/006Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion power being selectively transmitted by either one of the parallel flow paths
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H47/00Combinations of mechanical gearing with fluid clutches or fluid gearing
    • F16H47/02Combinations of mechanical gearing with fluid clutches or fluid gearing the fluid gearing being of the volumetric type
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H2200/00Transmissions for multiple ratios
    • F16H2200/003Transmissions for multiple ratios characterised by the number of forward speeds
    • F16H2200/0047Transmissions for multiple ratios characterised by the number of forward speeds the gear ratios comprising five forward speeds

Abstract

【課題】 動力損失が少なく、また変速が容易であるとともに変速応答性に優れた変速機を提供する。
【解決手段】 入力部材1からトルクの伝達される複数の中間軸17,18と、各中間軸17,18から出力部材32に対して所定のギヤ比でトルクを伝達するギヤ対34,〜38とを備えた変速機において、入力部材1と各中間軸17,18との間に、吐出状態に応じて伝達トルク容量が変化する流体圧ポンプ2,3が設けられるとともに、いずれか一つの流体圧ポンプ2の吐出状態を伝達トルク容量を増大させるように制御するとともに他の流体圧ポンプ3の吐出状態を伝達トルク容量が小さくなるように制御することにより、前記一つの流体圧ポンプ2に前記中間軸17を介して連結されている所定の前記ギヤ対34,〜36によって変速比を設定する変速制御手段21,22,27が備えられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、複数の中間軸と、その中間軸と出力部材との間に介在されたギヤ対とを備え、入力部材からトルクを伝達する中間軸を適宜に変更することにより、複数の変速比(もしくは変速段)を設定するように構成された変速機に関するものである。
変速機は、入力部材と出力部材との間に、複数の動力伝達経路を選択的に形成し、各動力伝達経路でのギヤ比を異ならせることにより、入力部材と出力部材との回転数比である変速比を複数の変速比に設定するように構成された動力伝達装置である。この種の変速機が車両に搭載されていることは周知の通りであり、車両用の変速機としては、設定可能な変速比の数が多いこと、小型軽量であること、動力の伝達効率が高いことなどが要求される。そこで例えば特許文献1には、7段以上の変速段を設定でき、しかも小型化を図ることのできる変速機が記載されている。
この特許文献1に記載された変速機は、いわゆるツインクラッチ式の有段変速機であり、第1クラッチを介してエンジンに連結される第1入力軸、第2クラッチを介してエンジンに連結される第2入力軸、出力軸、第1入力軸にギヤ対を介して連結されている副軸、第1入力軸と副軸との間に設けられるとともに噛み合いクラッチ機構によって選択的に連結状態とする複数のギヤ対、第2入力軸と出力軸との間に設けられるとともに噛み合いクラッチ機構によって選択的に連結状態とされる複数のギヤ対とを有している。そして、この変速機は、いずれかの入力軸から所定のギヤ対を介して出力軸にトルクを伝達する変速段と、いずれかの入力軸から所定のギヤ対および副軸を介して出力軸にトルクを達する変速段とを設定するように構成され、その結果、後進段を含めて7段以上の変速段を設定するように構成されている。
また、特許文献2には、エンジンとトランスミッションとの間のクラッチとして機能する油圧式の動力伝達装置が記載されている。
特開2003−120764号公報 特開平8−284977号公報
上記の特許文献1に記載されている変速機では、設定可能な変速段数が多いことにより、エンジンを燃費のよい状態で運転でき、また副軸を効果的に利用するように構成されているので、変速機が全体として小型軽量化され、その結果、車両の燃費を向上させることができる。
しかしながら、動力の伝達経路を設定し、また変更するために用いられている前記第1クラッチおよび第2クラッチは、変速過渡時の慣性力を吸収するべく油圧式の摩擦クラッチによって構成されており、そのために、エネルギー効率や変速応答性の点で改善すべき余地があった。すなわち、油圧式の摩擦クラッチは、油圧によって摩擦板を押圧することにより係合するから、所定の変速段を設定して走行している定常的な状態であっても、クラッチを係合させるための油圧を発生させる必要があり、そのための動力を常時消費することになる。
また、トルクの伝達に関与していないクラッチはいわゆる解放状態に制御されるが、摩擦板の相対回転による引き摺りトルクが生じ、それに伴う摩擦によって動力損失が生じる。また、その際に熱が生じるので、冷却のために常時潤滑油を供給する必要があり、その潤滑のために動力を消費するから、動力損失が増える可能性がある。
さらに、解放状態のクラッチを係合させる場合、摩擦板同士の間のクリアランスが詰まった後、摩擦板同士が実質的に係合してトルクを伝達する。したがってそのクリアランスが詰まるまでの時間が遅れ時間となる。特に、特許文献1に記載された変速機では、一方のクラッチの解放と他方のクラッチの係合とを協調して進行させるいわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速となるので、各クラッチ相互の状況に応じて係合もしくは解放を進行させることになり、そのために複雑な制御が余儀なくされるのみならず、変速応答性が必ずしも良好ではない。
一方、特許文献2に記載された動力伝達装置は、クラッチとしての機能を備えているが、変速比を切り替える変速のために使用すること、もしくはそのための技術は特許文献2には開示されていない。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、全体としてのエネルギー効率が良好で、しかも変速制御の容易な変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、入力部材からトルクの伝達される複数の中間軸と、各中間軸から出力部材に対して所定のギヤ比でトルクを伝達するギヤ対とを備えた変速機において、前記入力部材と各中間軸との間に、吐出状態に応じて伝達トルク容量が変化する流体圧ポンプが設けられるとともに、いずれか一つの流体圧ポンプの吐出状態を該一つの流体圧ポンプの伝達トルク容量を増大させるように制御するとともに他の流体圧ポンプの吐出状態を該他の流体圧ポンプの伝達トルク容量が小さくなるように制御することにより、前記一つの流体圧ポンプに前記中間軸を介して連結されている所定の前記ギヤ対によって変速比を設定する変速制御手段が備えられていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明における前記変速制御手段が、吐出流量が制限されてトルクを伝達している前記いずれか一つの流体圧ポンプの吐出状態を伝達トルク容量が次第に小さくなるように制御すると同時に他の一つの流体圧ポンプの吐出状態をその伝達トルク容量が次第に大きくなるように制御して、前記ギヤ対による変速比から他のギヤ対による他の変速比に切り替える手段を備えていることを特徴とする変速機である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明おける前記流体圧ポンプが、前記入力部材からトルクが伝達される入力側回転部材と、前記中間軸に連結された出力側回転部材との相対回転によって、オイルを吸入するとともに吐出する差動オイルポンプによって構成されていることを特徴とする変速機である。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記流体圧ポンプの入力側回転部材が単一の円筒状部材によって形成されて共通化され、かつ各流体圧ポンプにおける出力側回転部材がその円筒状部材の内部に軸線方向に並んで配列され、軸線方向での一端側に配置された出力側回転部材に前記中間軸が連結されるとともに、その中間軸の外周側に同軸上に回転自在に嵌合された他の中間軸が、軸線方向での他端側に配置された他の出力部材に連結されていることを特徴とする変速機である。
一方、請求項5の発明は、上記の請求項1または2の発明において、前記各中間軸が互いに半径方向に離隔して平行に配置されるとともに、各中間軸と同一軸線上に各中間軸に対応して前記流体圧ポンプが配置されていることを特徴する変速機である。
請求項6の発明は、この請求項5の発明において、いずれか一つの流体圧ポンプに前記入力部材が連結され、かつ他の流体圧ポンプに伝動機構を介して前記入力部材が連結され、前記入力部材に連結された前記一つの流体圧ポンプおよび該流体圧ポンプに連結された中間軸ならびに該中間軸に連結されたギヤ対を介して変速比の最も小さい最高速段が設定されるように構成されていることを特徴とする変速機である。
さらに、請求項7の発明は、請求項5または6の発明において、前記入力部材といずれかの中間軸との間に、一つの変速段に相当するギヤ比を持った連結ギヤ対が介在され、前記いずれかの中間軸と出力部材との間のギヤ対と、他の中間軸と出力部材との間のギヤ対とに、ギヤ比が同一のギヤ対が含まれていることを特徴とする変速機である。
そして、請求項8の発明は、上述した請求項1ないし7のいずれかの発明における前記変速制御手段が、前記流体の温度が低い場合には、前記他の流体圧ポンプの吐出流量の制限を行いもしくは制限の程度を流体の温度が高い場合に比較して大きくするように構成されていることを特徴とする変速機である。
また、請求項9の発明は、上述した請求項1ないし7のいずれかの発明における前記変速制御手段が、前記流体の温度が低い場合には、前記所定のギヤ対によって変速比を設定するべく吐出流量が制限されている前記いずれか一つの流体圧ポンプについての吐出流量の制限を、流体の温度が高い場合に比較して小さくするように構成されていることを特徴とする変速機である。
さらにまた、請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかの発明において、前記流体圧ポンプの吐出を制限する制限機構が設けられるとともに、その制限機構が、該制限機構の故障によって前記制限を解除するように構成されていることを特徴とする変速機である。
そして、請求項11の発明は、請求項1ないし9のいずれかの発明において、前記複数の中間軸のうちのいずれかの中間軸と出力部材との間に、前記変速機が搭載された車両が発進する際の発進用変速比を設定するギヤ対が設けられるとともに、他の中間軸と出力部材との間に、前記発進用変速比に対して一段アップシフト側の変速比を設定するギヤ対が設けられ、その一段アップシフト側の変速比を設定するギヤ対を前記他の中間軸もしくは出力部材に選択的に連結する切換機構が設けられ、前記発進用変速比を設定する前記ギヤ対と前記入力部材との間に介在されている流体圧ポンプの吐出流量の制限が完了した後に前記切換機構を連結状態にする発進制御手段が設けられていることを特徴とする変速機である。
請求項1の発明によれば、いずれかの流体圧ポンプの吐出状態を制御して流体が封じ込められた状態に近い状態になるので、流体圧ポンプを構成しているいわゆる入力側回転部材とその入力側回転部材に対する相対的な出力側回転部材との相対運動が抑制もしくは制限され、その結果、これらの部材の間での伝達トルク容量すなわち流体圧ポンプを介した伝達トルク容量が大きくなる。その場合、他の流体圧ポンプからの吐出が制限されないので、該他の流体圧ポンプを介したトルクの伝達が生じず、もしくは極めてわずかになる。したがって吐出状態を制御した流体圧ポンプおよびこれに連結されている中間軸ならびにギヤ対を介したトルクの伝達経路が、入力部材から出力部材までの間に形成されるので、このギヤ対のギヤ比に応じた変速比が設定される。その場合、流体圧ポンプを介したトルクの伝達は、流体の流動を制限することにより成立するので、特に動力を消費することなく実行でき、動力損失を防止もしくは抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、変速比を切り替える場合、変速比を設定している流体圧ポンプからの吐出の制限を次第に解除すると同時に、他の流体圧ポンプからの吐出を次第に制限する。その結果、トルクの伝達経路およびギヤ対が切り替わるので、そのギヤ対のギヤ比に応じた変速比が設定される。その変速の場合、流体圧ポンプによる伝達トルク容量は、その内部の圧力あるいは吐出流量に応じたものとなるので、変速に関与する各流体圧ポンプの伝達トルク容量をある程度正確かつ迅速に制御でき、その結果、変速応答性を向上させることができる。
また、請求項3の発明によれば、流体圧ポンプの吐出状態を制御することにより、入力側回転部材と出力側回転部材との相対回転が制限され、両者の間でトルクが伝達されるとともに、その伝達トルク容量が、流体圧ポンプの吐出状態の制御の程度に応じて増大する。このような構成であれば、中間軸などの回転部材と同軸上に流体圧ポンプを配置できるので、変速機の全体としての構成をコンパクト化することができる。
さらに、請求項4の発明によれば、各流体圧ポンプを同一軸線上に隣接して配列することができるうえに、それぞれの流体圧ポンプにおける入力側回転部材を共通化あるいは共用化できるので、部品点数の削減と共に変速機の全体としての構成をコンパクト化することができる。
一方、請求項5の発明によれば、流体圧ポンプやギヤ対を半径方向に並べて配置できるので、変速機の全長を短くすることができ、全体としての構成がコンパクトになるとともに、車両に搭載する場合には、いわゆる横置きエンジンタイプの車両での車載性を向上させることができる。
これに加えて、請求項6の発明によれば、変速比の最も小さい最高速段を設定する場合、前記伝動機構を介することなくトルクを伝達できるので、入力部材から出力部材に到るトルク伝達経路に介在する部材が少なくなって、摩擦などによる動力損失が抑制される。すなわち、前記変速機を車両に搭載した場合、使用頻度(もしくは設定頻度)の高い最高速段での動力損失が抑制されることにより、燃費を向上させることができる。
請求項7の発明によれば、流体圧ポンプを並列に配置した構成であって、前記連結ギヤ対を備えているので、その連結ギヤ対を介したトルク伝達状態とその連結ギヤ対を介することなくトルクを伝達する状態とに、吐出状態を制御する流体圧ポンプを変更することにより、1段の変速をおこなうことができ、そのために、所定の中間軸と出力部材との間のギヤ対と他の中間軸と出力部材との間のギヤ対とを、ギヤ比の等しいものとすることができ、それに伴って変速機の構成を簡素化し、また製造・組み立ての容易なものとすることができる。
一方、請求項8の発明によれば、流体の温度が低い場合には、所定の変速比を設定するべく吐出が制限される流体圧ポンプ以外の流体圧ポンプについて、その吐出が、高温の場合に比較して制限されるので、その流体の圧力の増大や流動中の剪断や摩擦などによって流体の温度が相対的に速く上昇し、したがって流体の温度上昇を促進することができる。
これに対して請求項9の発明によれば、流体の温度が低い場合、所定の変速比を設定するべく吐出が制限される流体圧ポンプについて、その吐出の制限が、高温の場合に比較して小さくされるので、その流体圧ポンプからの流体の吐出および流動に伴う剪断や摩擦などによって流体の温度が相対的に速く上昇し、したがって流体の温度上昇を促進することができる。
そして、請求項10の発明によれば、流体の吐出を制限する制限機構が故障した場合、その吐出の制限が解除され、その結果、流体圧ポンプを介した伝達トルク容量が低下し、もしくはトルク伝達が行われなくなる。すなわち、その故障時には、出力部材にトルクが伝達されず、もしくは出力部材のトルクが低下するので、車両においては駆動力を低下させてフェールセーフを確立することができる。
またそして、請求項11の発明によれば、発進用変速比を設定するギヤ対を介して出力部材にトルク伝達するべく所定の流体圧ポンプの吐出を次第に制限している状態では、その発進用変速比に対して一段アップシフト側の変速比を設定するギヤ対が、切換機構が解放状態となることにより、中間軸もしくは出力部材に対して連結されていない状態に設定される。すなわち、発進用変速比を設定する場合には、他のギヤ対のいわゆる連れ回りが生じないので、出力部材に現れるトルクの低下要因が少なくなり、その結果、車両用の変速機として構成した場合には、車両の動力性能や燃費を向上させることができる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。図1にこの発明の一例をスケルトン図で示してあり、入力部材1が二つの流体圧ポンプ2,3に連結されている。この入力部材1は、図示しないエンジンや電動機などの動力源のトルクを流体圧ポンプ2,3に伝達するためのものであって、回転軸や歯車あるいは巻き掛け伝動機構などによって構成されている。なお、以下の説明では、入力部材1を入力軸1と記す。
流体圧ポンプ2,3は、主として、入力側の部材と出力側の部材との間でのトルクの伝達を行うためのものであり、流体を閉じ込めることにより、入力側の部材と出力側の部材との相対回転を制限できる容積型のオイルポンプがその一例である。以下の説明では、流体圧ポンプをオイルポンプと記す。
図2および図3には、そのオイルポンプ2,3を示してあり、これらのオイルポンプ2,3は、同一軸線上に軸線方向に並べて配列され、いわゆるタンデム型のツインポンプとして構成されている。すなわち、前記入力軸1が連結された入力側の部材は、円筒状を成すハウジング4であり、その内周面は半径方向に滑らかに凹凸となる波形の曲面となっている。この内周面が後述するように、カム面5である。
そのハウジング4の内部に、出力側部材である二つのロータ6,7が、同一軸線上で軸線方向に並んで配列されている。各ロータ6,7は、所定の厚さを備えた円盤状の部材であって、ハウジング4の中心軸線を中心にして回転するようにハウジング4の内部に支持されている。各ロータ6,7には、外周面に開口する凹部8が、回転中心軸線を中心にした放射状に、複数、形成されている。これらの凹部8は、シリンダに相当する部分であり、したがってその内部にはピストン(もしくはプランジャ)9が、ロータ6,7の半径方向に往復動するように収容されている。なお、以下の説明では、凹部8をシリンダ部8と記す。
各ピストン9の頂部すなわちロータ6,7の半径方向での外側の先端部には、ハウジング4の内周面である前記カム面5に接触する回転体が回転自在に保持されている。この回転体は、前記カム面5に沿って移動するカムフォロアーとして機能するものであって、ボールやローラなどによって構成されている。以下の説明では、球体としてボール10を使用した例を説明する。
そのボール10をカム面5に確実に接触させ、かつカム面5に沿って移動させるために、ピストン9をカム面5側に押圧するスプリング11が、ピストン9の底部側(ロータ6,7の半径方向で中心側)に配置されている。したがって、シリンダ部8の内部には、ピストン9によって区画された油室12が形成されており、ピストン9の往復運動によってその油室12の容積が変化することにより、オイルなどの流体を油室12の内部に吸入するとともに、その流体を加圧して吐出するように構成されている。なお、前記カム面5に替えて溝カムなどの確動カムをロータ6,7とピストン9との間に構成すれば、上記のリターンスプリング11を廃止することができる。
オイルの吸入および吐出のための流路について説明すると、各油室12の底部(ロータ6,7の回転中心側の部分)に半径方向に向けて貫通した吸入孔13と吐出孔14とが形成されている。この吸入孔13には、油室12の容積が増大する吸入時に開く吸入側逆止弁15が設けられ、また吐出孔14には、油室12の容積が減少する吐出時に開く吐出側逆止弁16が設けられている。
したがって、各オイルポンプ2,3は、入力側回転部材であるハウジング4と出力側回転部材であるロータ6,7とが相対回転することにより、ハウジング4の内周面に形成されているカム面5およびスプリング11によって各ピストン9がロータ6,7の半径方向に往復動させられるので、オイルを吸入するとともにそのオイルを加圧して吐出するいわゆる差動ポンプとして構成されている。また、油室12に対するオイルの吸入もしくは吐出を制限すると、すなわち吐出圧を高くすると、オイルが油室12に封入された状態となり、そのオイルが実質的に非圧縮性であることにより、ピストン9の往復動が制限もしくは阻止される。その結果、ピストン9およびオイルがハウジング4ロータ6,7との間のいわゆる楔として機能し、ハウジング4とロータ6,7との相対回転が阻止もしくは制限される。すなわち、ハウジング4とロータ6,7との間で伝達されるトルク(もしくは伝達トルク容量)が増大する。
各オイルポンプ2,3から後述する歯車機構にトルクを伝達する中間軸17,18が設けられている。すなわち、一方のオイルポンプ(入力軸1側、もしくは図2の左側のオイルポンプ)2におけるロータ6には、その回転中心軸線に沿って延びる中間軸(以下、仮に第1中間軸と記す)17が一体化して設けられており、その第1中間軸17は、他方のオイルポンプ(入力軸1とは反対側、もしくは図2の右側のオイルポンプ)3におけるロータ7を貫通して、入力軸1と同一軸線上でかつ入力軸1とは反対方向に延び、ハウジング4の外部に突出している。この第1中間軸17の外周側に他の中間軸(以下、仮に第2中間軸と記す)18が相対回転自在に嵌合されている。すなわち、第2中間軸18は中空軸であって、オイルポンプ3におけるロータ7の一方の側面の中心部に一体化するように取り付けられている。そして、この第2中間軸18は、第1中間軸17と同様に、入力軸1と同一軸線上でかつ入力軸1とは反対方向に延び、ハウジング4の外部に突出している。
なお、これらの中間軸17,18は変速機全体のケーシング(図示せず)などの固定部もしくは筐体部によって回転自在に支持され、その支持部もしくはその近傍で固定部あるいは筐体部に密着嵌合している。そして、前記吸入孔13や吐出孔14は、各中間軸17,18の内部を貫通して、固定部あるいは筐体部との密着嵌合部に延び、ここから、固定部あるいは筐体部に形成されている油路(図示せず)に連通している。
ここで、各オイルポンプ2,3からのオイルの吐出状態を制御するための油圧回路について説明すると、図4に示すように、各オイルポンプ2,3の前記吐出孔13には、各オイルポンプ2,3毎に吐出油路19,20が連通した状態に設けられており、各吐出油路19,20がそれぞれに対応して設けられている制御弁21,22に接続されている。これらの制御弁21,22は、弁体(図示せず)とその弁体を開弁方向に押圧するリターンスプリング23,24とを備え、流入側の油圧をリターンスプリング23,24と同じ方向から弁体に対して作用させ、かつ制御力(あるいは制御油圧)25,26を弁体に対して閉弁方向に作用させるように構成されている。
上記の制御力24,25は、特には図示しないが、ソレノイドで発生させた電磁力やソレノイドバルブで制御された油圧、カムなどによって変更できるバネ力などであってよく、好ましくは電気的に制御可能な押圧力である。この制御力24,25を制御するための電子制御装置(ECU)27が設けられている。この電子制御装置27は、マクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータならびにプログラムに従って演算を行い、その演算の結果に応じて所定の制御信号を出力するように構成されている。
一方、各オイルポンプ2,3の前記吸入孔13には、各オイルポンプ2,3毎に吸入油路28,29が連通した状態で設けられており、これらの各吸入油路28,29がオイルパンなどのオイル溜め部30に連通されている。また、各制御弁21,22の吐出側のポート(図示せず)が、それぞれに対応する吸入油路28,29に連通されている。なお、オイルの温度を検出するための温度センサー31がオイル溜め部30に配置され、その検出信号を前記電子制御装置27に入力するように構成されている。
なお、各制御弁21,22は、電気的に制御可能な構成とする場合、電気的なOFF状態で完全解放状態となるいわゆるノーマル・オープン構造の弁とすることが好ましい。断線などの電気的な故障が生じた場合に、自動的に解放状態となって各オイルポンプ2,3の吐出流量の制限を行わず、その結果、各オイルポンプ2,3がトルクを伝達しなくなってフェールセーフを確立できるからである。
この発明に係る変速機は、上記の入力軸1からオイルポンプ2,3を介して伝達されたトルクを歯車機構を介して出力するように構成されている。その歯車機構の一例を説明すると、図1に示すように、各中間軸17,18と平行に出力軸32と副軸33とが配置されている。前記第1中間軸17は第2中間軸18の先端側(図1の右側)に突出しており、その第1中間軸17の先端部側から基端部側に順に、第1速ギヤ対34、第3速ギヤ対35、第5速ギヤ対36が設けられている。また、第2中間軸18の先端部側から基端部側に順に、第2速ギヤ対37、第4速ギヤ対38が設けられている。なお、第1速ギヤ対34、第2速ギヤ対37、第3速ギヤ対35、第4速ギヤ対38ならびに第5速ギヤ対36は、ここに挙げてある順にギヤ比が小さくなるように構成されている。
より具体的に説明すると、第1速駆動ギヤ34Aと第3速駆動ギヤ35Aとが互いに隣接して第1中間軸17に取り付けられており、その第1速駆動ギヤ34Aに噛み合っている第1速従動ギヤ34Bと第3速駆動ギヤ35Aに噛み合っている第3速従動ギヤ35Bとが、互いに隣接した状態で、出力軸32に回転自在に嵌合されている。これらの従動ギヤ34B,35Bを出力軸32に対して選択的に連結するクラッチ機構が、各従動ギヤ34B,35Bの間に配置されている。このクラッチ機構は、一例として、従来知られている同期連結機構(シンクロナイザー)39によって構成されており、出力軸32と共に回転するスリーブを軸線方向に移動させていずれかの従動ギヤ34B,35Bにスプライン嵌合させることにより、出力軸32に対して各従動ギヤ34B,35Bを選択的に連結するようなっている。
第1中間軸17には、前記第3速駆動ギヤ35Aに隣接して第5速駆動ギヤ36Aが取り付けられており、この第5速駆動ギヤ36Aに噛み合っている第5速従動ギヤ36Bが、副軸33に回転自在に嵌合して保持されている。
さらに、上記の第1中間軸17の外周側に位置する第2中間軸18の先端部側から順に、第2速駆動ギヤ37Aと第4速駆動ギヤ38Aとが取り付けられており、その第2速駆動ギヤ37Aに噛み合っている第2速従動ギヤ37Bと第4速駆動ギヤ38Aに噛み合っている第4速従動ギヤ38Bとが、互いに隣接した状態で、出力軸32に回転自在に嵌合されている。これらの従動ギヤ37B,38Bを出力軸32に対して選択的に連結するクラッチ機構が、各従動ギヤ37B,38Bの間に配置されている。このクラッチ機構は、一例として、従来知られている同期連結機構(シンクロナイザー)40によって構成されており、出力軸32と共に回転するスリーブを軸線方向に移動させていずれかの従動ギヤ37B,38Bにスプライン嵌合させることにより、出力軸32に対して各従動ギヤ37B,38Bを選択的に連結するようなっている。
前記第2速駆動ギヤ37Aの外周側には、この第2速駆動ギヤ37Aに噛み合っているアイドルギヤ41が配置されており、このアイドルギヤ41に噛み合っているリバース従動ギヤ42Bが副軸33に回転自在に嵌合して支持されている。したがってこのリバース従動ギヤ42Bと前記第5速従動ギヤ36Bとは、副軸33上で互いに隣接しており、これらの従動ギヤ36B,42Bを副軸33に対して選択的に連結するクラッチ機構が、各従動ギヤ36B,42Bの間に配置されている。このクラッチ機構は、一例として、従来知られている同期連結機構(シンクロナイザー)43によって構成されており、副軸33と共に回転するスリーブを軸線方向に移動させていずれかの従動ギヤ36B,42Bにスプライン嵌合させることにより、出力軸32に対して各従動ギヤ36B,42Bを選択的に連結するようなっている。したがって、第2速駆動ギヤ37Aは、後進段(リバースギヤ)を設定するためのギヤ対における駆動ギヤの機能を備えている。
上記の副軸33と出力軸32との間で動力を伝達するための伝動機構が設けられている。この伝動機構としては、歯車機構や巻き掛け伝動機構などを必要に応じて採用することができ、図1に示す例では、アイドルギヤ44を用いた歯車機構が採用されている。なお、その歯車機構におけるギヤ比は“1”に設定され、副軸33と出力軸32との間では加減速が生じないようになっている。
上記の各同期連結機構39,40,43(以下、仮に第1シンクロ39、第2シンクロ40、第3シンクロ43と記す)は、この発明の切換機構に相当し、スリーブを左右いずれかに移動させることにより、いずれかの従動ギヤを出力軸32もしくは副軸33に対して連結し、スリーブが中央に位置する状態ではその連結を解除してニュートラルとなるように構成されている。スリーブのこのような移動は手動操作によって直接行うように構成することもできるが、電気式アクチュエータや油圧式アクチュエータによってスリーブを動作させるように構成することが好ましい。この種のアクチュエータを前記電子制御装置27からの制御信号によって動作させることにより、電気的な変速制御が可能になるからである。
つぎに、上述した変速機の作用について説明する。図5は、各変速段を設定する際の各オイルポンプ2,3、各シンクロ39,40,43の動作状態をまとめて示す図表であって、この図5における各オイルポンプ2,3についての「OFF」は、オイルの吸入・吐出の制限を行っていない状態を示し、「LOCK」は、オイルの吸入・吐出を最大に制限している状態を示している。さらに「OFF〜LOCK」および「LOCK〜OFF」は、オイルの吸入・吐出の制限を次第に変化させている状態を示している。さらに、各シンクロについての「右」、「左」は、それぞれのシンクロにおけるスリーブの図1での位置を示すとともに、丸括弧はダウンシフトするための待機状態、カギ括弧はアップシフトするための待機状態を示し、そして「−」はスリーブが中央に位置して中立状態となっていることを示す。
図示しないシフト装置でニュートラルポジションが選択されるなどのことによってニュートラル(N)状態を設定する際には、各オイルポンプ2,3がOFF状態とされ、また各シンクロ39,40,43のスリーブが中央位置に設定され、いずれのギヤ対も出力軸32もしくは副軸33に連結しないニュートラル状態となる。すなわち、各制御弁21,22がOFF状態に制御されてオープン状態となるから、各オイルポンプ2,3の吐出圧が最低に制御されてそのオイルの吐出が制限されず、いわゆる空回り状態となってトルクを伝達しない。
車両が発進する場合、先ず、第1シンクロ39のスリーブが図1の右側に移動させられて、第1速従動ギヤ34Bが出力軸32に連結され、第1中間軸17と出力軸32とが第1速ギヤ対34を介して連結される。その状態で、第1中間軸17に連結されているオイルポンプ2を、「OFF」から「LOCK」に制御する。すなわち、そのオイルポンプ2からのオイルの吐出圧を前記制御弁21によって高くして、オイルの吐出を次第に制限する。吐出圧を高くしてオイルの吐出を制限することにより、ハウジング4に対するロータ6,7の相対回転が次第に制限される。すなわち、ハウジング4とロータ6,7との間の伝達トルク容量が次第に増大するから、第1中間軸17あるいは出力軸32に現れるトルクが次第に大きくなる。その結果、車両の駆動トルクが滑らかに増大し、滑らかな発進をおこなうことができる。
その場合、第2シンクロ40および第3シンクロ43は、ニュートラル状態に制御されている。したがって、第1速ギヤ対34以外のギヤ対および第2中間軸18が連結されている他のオイルポンプ3が、出力軸32に対して連結されていないので、車両の発進に伴って出力軸32が回転しても、当該他のオイルポンプ3や第1速ギヤ対34以外のギヤ対が回転することがない。その結果、発進の際の動力が、変速段の設定に直接関与しない回転部材あるいは発進のためのトルクの伝達に直接関与しない回転部材を回転させることに消費されることや、当該他のオイルポンプ3でオイルを吸入・吐出することに消費されることを回避できる。そのため、いわゆる引き摺り損失を抑制して動力性能を向上させ、また車両の全体としての燃費を向上させることができる。
第1中間軸17が連結されているオイルポンプ2の吐出圧を高くしてその吐出流量を最大限制限した「LOCK」状態となると、そのオイルポンプ2および第1中間軸17ならびに第1速ギヤ対34を介して出力軸32にトルクが伝達され、第1速の変速段(変速比)が設定される。第1速からの変速は、アップシフトのみであるから、第2速ギヤ対37を出力軸32に連結し、アップシフト待機状態とする。すなわち、第2シンクロ40のスリーブを図1の右側に移動させて、第2速従動ギヤ37Bを出力軸32に連結する。その場合、第2中間軸18が連結されているオイルポンプ2は、オイルの吐出が制限されておらずにいわゆる「OFF」状態であってトルクを実質的には伝達していないので、いわゆる二重係合によるロック状態が生じることはない。
第1速における上記のアップシフト待機状態で、一方のオイルポンプ2からのオイルの吐出の制限を次第に解除し、すなわち吐出圧を次第に低下させ、それに合わせて他方のオイルポンプ3の吐出圧を次第に高くしてオイルの吐出を次第に制限することにより、第1速から第2速への変速が実行される。このような制御は、例えば図4に示す一方の制御弁21における制御力25を次第に小さくし、かつ他方の制御弁22の制御力26を次第に増大させることにより実行することができる。
吐出流量の制限を次第に解除することにより前記一方のオイルポンプ2におけるハウジング4とロータ6との相対回転が次第に許容され、このオイルポンプ2を介した入力軸1から第1中間軸17に対する伝達トルク容量が次第に低下する。これとは反対に、前記他方のオイルポンプ3では吐出圧が高くなってオイルの吐出が次第に制限されることにより、そのオイルポンプ3を介した伝達トルク容量が次第に増大する。すなわち、入力軸1からトルクの伝達される軸が、第1中間軸17から第2中間軸18に次第に切り替えられ、ついには第2中間軸18から第2速ギヤ対37を介して出力軸32にトルクが伝達され、第2速が設定される。したがって、第2速では、一方のオイルポンプ2が「OFF」となり、他方のオイルポンプ3が「LOCK」となる。
第2速からは第1速へのダウンシフトと第3速へのアップシフトとが可能であるから、第1速へのダウンシフト待機のためには、第1シンクロ39のスリーブを図1の右側に移動して第1速ギヤ対34を出力軸32に対して連結しておく。これに対して第3速へのアップシフト待機のためには、第1シンクロ39のスリーブを図1の左側に移動させて、第3速ギヤ対35における第3速従動ギヤ35Bを出力軸32に連結しておく。
これらいずれかの待機状態で、トルクの伝達状態にあるオイルポンプ3からの吐出の制限を次第に解除し、かつトルクを実質的には伝達していないオイルポンプ2の吐出を次第に制限すると、上述した第1速から第2速へのアップシフトの場合とは反対に、入力軸1からトルクの伝達される軸が、第2中間軸18から第1中間軸17に次第に切り替えられる。その結果、第1シンクロ39をアップシフト待機状態に設定してあれば、第2速から第3速への変速が生じ、また反対に、第1シンクロ39をダウンシフト待機状態に設定してあれば、第2速から第1速へのダウンシフトが生じる。
こうして第3速が設定された状態では、一方のオイルポンプ2の吐出が最大限に制限されて「LOCK」状態となり、かつ他方のオイルポンプ3から吐出の制限が解除されて「OFF」状態となる。この第3速で第2シンクロ40のスリーブを図1の右側に移動して第2速従動ギヤ37Bを出力軸32に連結することによりダウンシフト待機状態となり、また反対にそのスリーブを図1の左側に移動させて第4速従動ギヤ38Bを出力軸32に連結させれば、第4速へのアップシフト待機状態となる。
これらいずれかの待機状態で、トルクの伝達状態にあるオイルポンプ2からの吐出の制限を次第に解除し、かつトルクを実質的には伝達していないオイルポンプ3の吐出を次第に制限すると、上述した第2速から第3速へのアップシフトの場合とは反対に、入力軸1からトルクの伝達される軸が、第1中間軸17から第2中間軸18に次第に切り替えられる。その結果、第2シンクロ40をアップシフト待機状態に設定してあれば、第3速から第4速への変速が生じ、また反対に、第2シンクロ40をダウンシフト待機状態に設定してあれば、第3速から第2速へのダウンシフトが生じる。
こうして第4速が設定された状態では、前記他方のオイルポンプ3の吐出が最大限に制限されて「LOCK」状態となり、かつ前記一方のオイルポンプ2から吐出の制限が解除されて「OFF」状態となる。この第4速で第1シンクロ39のスリーブを図1の左側に移動して第3速従動ギヤ35Bを出力軸32に連結することによりダウンシフト待機状態となり、また第3シンクロ43のスリーブを図1の右側に移動させて第5速従動ギヤ36Bを副軸33に連結させれば、第5速へのアップシフト待機状態となる。
これらいずれかの待機状態で、トルクの伝達状態にある前記他方のオイルポンプ3からの吐出の制限を次第に解除し、かつトルクを実質的には伝達していない前記一方のオイルポンプ2の吐出を次第に制限すると、上述した第3速から第4速へのアップシフトの場合とは反対に、入力軸1からトルクの伝達される軸が、第2中間軸18から第1中間軸17に次第に切り替えられる。その結果、第3シンクロ43をアップシフト待機状態に設定してあれば、第4速から第5速への変速が生じ、また反対に、第1シンクロ39をダウンシフト待機状態に設定してあれば、第4速から第3速へのダウンシフトが生じる。
第5速へのアップシフト待機状態で、吐出の制限を行うオイルポンプを前記他方のオイルポンプ3から前記一方のオイルポンプ2に切り替えると、第5速が設定される。この第5速からは低速段側へのダウンシフトが可能であるから、例えば第2シンクロ40のスリーブを図1の左側に移動して第4速へのダウンシフト待機状態とすることができる。
なお、後進段(リバースギヤ)は、第3シンクロ43のスリーブを図1の左側に移動してリバース従動ギヤ42Bを副軸33に連結した状態で、前記一方のオイルポンプ2を「OFF」状態とするとともに前記他方のオイルポンプ3を「LOCK」状態とすることにより設定される。
いずれかの変速段を設定してトルクを伝達している場合、いずれか一方のオイルポンプ2,3を「LOCK」状態に制御し、かつ他方のオイルポンプ2,3を「OFF」状態に制御する。その「LOCK」状態は、オイルポンプ2,3の内部にオイルをいわゆる閉じ込めた状態であるから、吐出油路19,20を遮断するなどのことによって設定できる。これとは反対に「OFF」状態は、吐出油路19,20を解放するなどのことによって設定できる。したがって、これらの状態を設定して保持するために特別に動力もしくはエネルギーを必要とすることがない。また、「OFF」状態のオイルポンプ2,3では入力側の部材と出力側の部材の相対回転もしくは相対移動が生じるが、潤滑作用のあるオイルを吸入・吐出しているので、潤滑の必要がない。このように、上記の変速機では、所定の変速段を設定している定常状態では、その変速段を維持するための動力を必要としないので、動力損失が少なく、車両の全体としての燃費を向上させることができる。
上述した発進のために第1速を設定する変速および各変速段同士の間での変速は、吐出の制限を行うオイルポンプを変更することによって実行される。その変速過渡状態では、各オイルポンプ2,3が共に伝達トルク容量を持つことになるが、オイルは圧力が高くなることにより流量が増大し、またオイルの漏れも増大するので、各オイルポンプ2,3が共に伝達トルク容量を持っても、いわゆるタイアップ(インターロック)もしくはダブルロックなどによるショックが生じることが防止もしくは抑制される。また、吐出流量の制限もしくは吐出圧と伝達トルク容量とはある程度正確に対応しているので、変速の際の各オイルポンプ2,3の伝達トルク容量の制御が容易である。したがって、上記の変速機によれば、エンジンの吹き上がりやタイアップによるショックを生じさせることなく変速を実行でき、また変速応答性を向上させることができる。
さらに、図1ないし図3に示すように、各オイルポンプ2,3の入力側回転部材であるハウジング4が、各オイルポンプ2,3で共通化もしくは共用化されているので、必要とする部品点数が少なくなり、オイルポンプ2,3を小型化することができ、ひいては変速機全体としての構成をコンパクト化できる。
つぎにこの発明の他の具体例を、図6ないし図8を参照して説明する。図6に示す例は、オイルポンプ2,3を軸線方向に並べて配列(タンデム配列)せずに、半径方向に離隔して平行に配置(パラレル配列)し、それに伴って第1中間軸17および第2中間軸18を平行に配置し、これらの中間軸17,18から出力軸32にトルク伝達するように構成した例である。すなわち、図6に示す各オイルポンプ2,3は、それぞれ、ハウジングと、ピストンを保持しているロータとを備えている。これら、ハウジングおよびピストンならびにロータなどの構成は、前述した図3に示す構成と同様である。
一方のオイルポンプ2が、動力源であるエンジン(ENG)45の出力軸と同一軸線上に配置されており、そのエンジン45の出力軸に連結された入力軸1がオイルポンプ2の入力側部材すなわちハウジングに連結されている。また、第1中間軸17がエンジン45およびオイルポンプ2と同一軸線上に配置され、オイルポンプ2の出力側部材であるロータに連結されている。また、このオイルポンプ2から半径方向に離れた箇所に他方のオイルポンプ3が配置されており、その他方のオイルポンプ3における入力部材であるハウジングと前記入力軸1とがこの発明の伝動機構である連結ギヤ対46を介して連結されている。
この連結ギヤ対46はアイドルギヤを有しており、したがって各オイルポンプ2,3は同一方向に回転するようになっている。また、この連結ギヤ対46は、1速段分の変速比に相当するギヤ比、換言すれば互いに隣接する変速段の変速比同士の比率に相当するギヤ比に設定されている。より具体的には、入力軸1の回転数に対して前記他方のオイルポンプ3の入力回転数が、1段の変速比分、高速で回転するようになっている。すなわち、いずれかのオイルポンプを介してトルクを伝達している状態から他のオイルポンプを介してトルクを伝達する状態に切り替えることにより、変速比が1速段分変化し、1段のアップシフトもしくはダウンシフトが生じるようになっている。
図6に示すオイルポンプ2,3についての制御回路を図7に示してある。この制御回路の構成は、前述した図4に示す構成と実質的に同様であるから、図4に示す部材と同一の部材に図4における参照符号と同一の参照符号を図7に付してその説明を省略する。
つぎに、変速段を設定するための歯車機構について説明すると、第1中間軸17には、第1速駆動ギヤ34Aと、第3速駆動ギヤ35Aと、第5速駆動ギヤ36Aとが、ここに挙げた順に軸線方向に配列されて回転自在に嵌合されている。そして、第1速駆動ギヤ34Aと第3速駆動ギヤ35Aとの間に、これらの駆動ギヤ34A,35Aを第1中間軸17に対して選択的に連結する第1シンクロ39が配置されている。また、第5速駆動ギヤ36Aを第1中間軸17に対して選択的に連結する第3シンクロ43が、その第5速駆動ギヤ36Aに隣接して配置されている。
一方、出力軸32には、第1速駆動ギヤ34Aに噛み合っている第1速従動ギヤ34Bと、第3速駆動ギヤ35Aに噛み合っている第3速従動ギヤ35Bと、第5速駆動ギヤ36Aに噛み合っている第5速従動ギヤ36Bと、リバース従動ギヤ42Bとが、ここに挙げた順に軸線方向に配列され、かつ出力軸32と一体回転するように取り付けられている。その第1速従動ギヤ34Bに噛み合っている第2速駆動ギヤ37Aが、第2中間軸18に回転自在に嵌合されて支持されている。したがって第1速従動ギヤ34Bは第2速従動ギヤを兼ねている。そして、第1速駆動ギヤ34Aと第2速駆動ギヤ37Aとは、歯数などの諸元が同一になっている。すなわち、第1速での変速比と、第2速での変速比との相違は、前述した連結ギヤ対46によるギヤ比で生じるようになっている。
また、第3速従動ギヤ35Bに噛み合っている第4速駆動ギヤ38Aが、第2中間軸18に回転自在に嵌合されて支持されている。したがって第3速従動ギヤ34Bは第4速従動ギヤを兼ねている。そして、第3速駆動ギヤ35Aと第4速駆動ギヤ38Aとは、歯数などの諸元が同一になっている。すなわち、第3速での変速比と、第4速での変速比との相違は、前述した連結ギヤ対46によるギヤ比で生じるようになっている。
上記の第2速駆動ギヤ37Aと第4速駆動ギヤ38Aとは、軸線方向に互いに隣接しており、これらの駆動ギヤ37A,38Aの間に、これらの駆動ギヤ37A,38Aを第2中間軸18に対して選択的に連結する第2シンクロ40が設けられている。
さらに、第2中間軸18には、前記リバース従動ギヤ42Bにアイドルギヤ41を介して連結されているリバース駆動ギヤ42Aが回転自在に嵌合されて支持されている。そして、このリバース駆動ギヤ42Aを第2中間軸18に対して選択的に連結する同期連結機構(シンクロナイザー)47が、リバース駆動ギヤ42Aに隣接して配置されている。この同期連結機構47は、前述した第1ないし第3のシンクロ39,40,43と同様の構成のいわゆるクラッチ機構であり、スリーブを軸線方向に移動させることにより、そのスリーブをリバース駆動ギヤ42Aにスプライン嵌合させ、リバース駆動ギヤ42Aを第2中間軸18に選択的に連結するように構成されている。なお、以下の説明ではこの同期連結機構47を、仮に第4シンクロ47と記す。
図6に示す変速機の作用を説明すると、図8に各変速段を設定する際の各オイルポンプ2,3、各シンクロ39,40,43,47の動作状態を図表にして示してある。この図8における各表記の意味は、前述した図5における表記と同様であり、また図8における「右」、「左」は図6における「右」、「左」を意味し、各シンクロ39,40,43,47におけるスリーブの中立位置からの移動方向を示している。
図8に示すように、図6に示す構成の変速機は、前述した図1に示す構成のものと同様にして各変速段が設定され、また変速が実行される。これを簡単に説明すると、ニュートラル(N)状態では、各オイルポンプ2,3が「OFF」状態に制御される。すなわち、吐出の制限が行われず、実質的なトルクの伝達を行わない。また、各シンクロ39,40,43,47は中立状態に設定される。
発進の際には、第1シンクロ39のスリーブを図6の右側に移動させて第1速駆動ギヤ34Aを第1中間軸17に連結した状態で、その中間軸17が連結されているオイルポンプ2の吐出を次第に制限する。
第1速でのアップシフト待機状態は、第2シンクロ40のスリーブを図6の右側に移動させて第2速駆動ギヤ37Aを第2中間軸18に連結した状態である。その場合、第2中間軸18が連結されている他方のオイルポンプ3は「OFF」状態になっていてトルクを伝達していないので、ダブルロックなどの状態にはならない。そして、このアップシフト待機状態で一方のオイルポンプ2を次第に「OFF」状態に移行させ、同時に他方のオイルポンプ3の吐出を次第に制限して「LOCK」状態に移行させると、第1速から第2速への変速が生じる。
第2速でのダウンシフト待機状態は、第1シンクロ39のスリーブを図6の右側に移動させて第1速駆動ギヤ34Aを第1中間軸17に連結した状態であり、またアップシフト待機状態は、第1シンクロ39のスリーブを図6の左側に移動させて第3速駆動ギヤ35Aを第1中間軸17に連結した状態である。これらいずれかの待機状態で、他方のオイルポンプ3を次第に「OFF」状態に移行させ、同時に一方のオイルポンプ2の吐出を次第に制限して「LOCK」状態に移行させると、第2速から第1速への変速もしくは第2速から第3速への変速が、設定されていた待機状態に応じて生じる。
第3速でのダウンシフト待機状態は、第2シンクロ40のスリーブを図6の右側に移動させて第2速駆動ギヤ37Aを第2中間軸18に連結した状態であり、またアップシフト待機状態は、第2シンクロ40のスリーブを図6の左側に移動させて第4速駆動ギヤ38Aを第2中間軸18に連結した状態である。これらいずれかの待機状態で、一方のオイルポンプ2を次第に「OFF」状態に移行させ、同時に他方のオイルポンプ3の吐出を次第に制限して「LOCK」状態に移行させると、第3速から第2速への変速もしくは第3速から第4速への変速が、設定されていた待機状態に応じて生じる。
第4速でのダウンシフト待機状態は、第1シンクロ39のスリーブを図6の左側に移動させて第3速駆動ギヤ35Aを第1中間軸17に連結した状態であり、またアップシフト待機状態は、第3シンクロ43のスリーブを図6の右側に移動させて第5速駆動ギヤ36Aを第1中間軸17に連結した状態である。これらいずれかの待機状態で、他方のオイルポンプ3を次第に「OFF」状態に移行させ、同時に一方のオイルポンプ2の吐出を次第に制限して「LOCK」状態に移行させると、第4速から第3速への変速もしくは第4速から第5速への変速が、設定されていた待機状態に応じて生じる。
第5速からの変速はダウンシフトであり、その待機状態は、第2シンクロ40のスリーブを図6の左側に移動させて第4速駆動ギヤ38Aを第2中間軸18に連結した状態である。この待機状態で、一方のオイルポンプ2を次第に「OFF」状態に移行させ、同時に他方のオイルポンプ3の吐出を次第に制限して「LOCK」状態に移行させると、第5速から第4速への変速が生じる。
なお、後進段は、第4シンクロ47のスリーブを図6の左側に移動させてリバース駆動ギヤ42Aを第2中間軸18に連結した状態で、前記他方のオイルポンプ3の吐出を次第に制限して、そのオイルポンプ3の伝達トルク容量を徐々に増大させることにより設定される。
したがって図6に示すように構成した変速機であっても、上述した図1に示す変速機と同様に、エンジンの吹き上がりやタイアップによるショックを生じさせることなく変速を実行でき、また変速応答性を向上させることができる。また特に、図6に示す構成では、高圧状態が要求される各オイルポンプ2,3が、半径方向に互いに離れて配置されるので、変速機の全体としての長さ(軸長)の増大要因を少なくして、軸長の短い変速機を得ることができ、例えばエンジン45を車両の幅方向に向けて搭載する形式の車両に適した変速機とすることができる。
また、図6に示す構成では、使用頻度の高い最高速段である第5速が、第1中間軸17と出力軸32との間に設けられている第5速ギヤ対36によって設定される。その第1中間軸17には、入力軸1から直接、オイルポンプ2にトルクを入力し、前記連結ギヤ対46がトルク伝達に介在しないので、使用頻度の高い変速段での動力損失を低減でき、その結果、車両の全体としての燃費を向上させることができる。
さらに、前記連結ギヤ対46が1段の変速分のギヤ比を有しているので、第1速駆動ギヤ34Aと第2速駆動ギヤ37Aとを同一諸元とし、また第3速駆動ギヤ35Aと第4速駆動ギヤ38Aとを同一諸元とすることができる。その結果、歯車の種類を少なくすることが可能になり、組み付け性の向上と相まって、変速機の製造コストを低廉化できる。
ここで、各オイルポンプ2,3の吐出圧PL1,PL2と出力トルクToとの関係について簡単に説明する。図6に示す第1中間軸17側のオイルポンプ2の吐出圧PL1と単位時間当たりの吐出量Q1との積は、効率を無視すれば、そのオイルポンプ2における入力側の回転数ωinと出力側の回転数ω1との差(すなわち差回転数)とトルクT1との積に一致する。したがって、
PL1・Q1≒T1・(ωin−ω1)
となり、
Q1≒q1・(ωin−ω1)/2π
であるから、結局、
T1≒PL1・q1/(2π)
となり、出力トルクToは、
To≒κ1・PL1・q1/(2π)
である。ここで、κ1は、図6に示す第1速駆動ギヤ34Aと第1速従動ギヤ34Bとのギヤ比、q1は、オイルポンプ2の1回転当たりの吐出量である。
これと同様に、第2中間軸18側のオイルポンプ3について、その吐出圧PL2と出力トルクToとの関係は、
To≒κ2・PL2・q2/(2π)
である。ここで、κ2は、第2速駆動ギヤ37Aと第2速従動ギヤの機能を兼ねる前記第1速従動ギヤ34Bとの間のギヤ比、q2は、オイルポンプ3の1回転当たりの吐出量である。
このように、各オイルポンプ2,3の吐出圧PL1,PL2と出力トルクToとが原理的には比例するので、前記制御弁21,22によってこれらの吐出圧PL1,PL2を制御することにより、出力トルクToを制御でき、ひいては車両の駆動トルクを制御できる。したがって、この発明における「吐出状態の制限」には、吐出圧を高くすることが含まれ、またこの発明における変速制御手段には上述した制御弁21,22が含まれる。
なお、上述した各式から明らかなように、1回転当たりの吐出量q1,q2を変化させても出力トルクToを変化させることができるので、この発明における「吐出状態の制限」には、吐出流量の制御が含まれるとともに、「変速制御手段」には、吐出流量を制御する手段が含まれる。その一例として斜板ポンプの傾斜角度を変更して吐出量を変化させる手段や可変容量型ベーンポンプにおける吐出容量を変化させる手段を挙げることができる。
上記の各オイルポンプ2,3を介して伝達されるトルク、すなわち各オイルポンプ2,3の伝達トルク容量は、その吐出圧や吐出流量によって変化する。一方、そのトルクの伝達に関与するオイルは、温度に応じて粘度が変化する。したがってトルクの制御に油温が影響するので、オイルの温度が低い場合には、その温度を制御に適した通常の温度に、早期の上昇させるように制御する。
その制御例を図9にフローチャートで示してあり、先ず、前記温度センサー31によって検出した油温が予め定めた判断基準温度α以下か否かが判断される(ステップS1)。このステップS1で否定的に判断された場合、すなわち油温が高くなっている場合には、その温度におけるオイルの粘度がトルク制御に特には影響しないので、特別な制御を行うことなくリターンする。これに対してステップS1で肯定的に判断された場合には、不完全ロック制御または不完全オフ制御が実行される(ステップS2)。
その不完全ロック制御とは、トルクを伝達するべく「LOCK」状態に制御されるオイルポンプ2(もしくは3)について、吐出圧を制御可能な範囲で最大限に高くせずに幾分低い吐出圧に設定する制御である。言い換えれば、オイルを完全に封じ込めずに、僅かに吐出させる制御である。また、不完全オフ制御とは、トルクを実質的には伝達しないように自由な吐出状態に制御されるオイルポンプ3(もしくは2)について、オイルの吐出圧をいわゆる完全解放状態よりも幾分高く制御する制御である。換言すれば、オイルの吐出の制限を完全には解除せずに、幾分制限する制御である。
これら不完全ロック制御と不完全オフ制御とのいずれかの制御、もしくは両方の制御を実行すると、オイルが絞りを受けて加圧された状態で流動し、摩擦や剪断などによって発熱する。その結果、油温を早期に上昇させ、安定した変速制御を行うことができる。
この発明に係る変速機では、各オイルポンプ2,3が伝達するトルクと各オイルポンプ2,3からのオイルの吐出圧などの吐出状態とがある程度正確に対応しているので、変速応答性を向上させることができる。これを湿式摩擦クラッチを用いた従来の変速機と比較して示すと、図10および図11の通りである。図10はアップシフトの例を示し、(a)はこの発明に係る変速機についてのタイムチャート、(b)は湿式摩擦クラッチを使用した従来の変速機についてのタイムチャートである。
この発明に係る変速機では、アップシフトの場合、変速の開始と同時に、低速側の変速段でトルクを伝達していたオイルポンプの圧力PLを低下させる制御と、高速側の変速段でトルクを伝達するオイルポンプの圧力PHを高くする制御とが開始される。この制御は、例えば前述した制御弁21,22によって行うことができる。その場合、エンジントルクTeに変化がなくても、エンジン回転数Neが低下し始めるとともに出力トルクToが一時的に低下する。高速側の変速段でトルクを伝達するオイルポンプの圧力PHを相対的に高く維持している状態でエンジン回転数Neが高速側の変速段での同期回転数に向けて低下し、その同期の直前で、高速側の変速段でトルクを伝達するオイルポンプの圧力PHが、入力トルクを伝達できる程度の圧力に低下させられる。そして、変速が終了して出力トルクToが高速側の変速段の変速比に応じた値となる。
このような変速の過程で、変速の開始と同時に各オイルポンプの圧力PL,PHを制御して、各オイルポンプによる伝達トルクが変化し、変速が進行する。すなわち、変速の開始から実際に変速が開始するまでの時間的な遅れが殆どなく、応答性のよい変速を実行できる。
これに対して、(b)に示す従来の変速機においては、変速の開始後、先ず、解放状態にある高速側の変速段でトルクを伝達するクラッチを係合させる油圧PHを所定の低圧待機状態にまで高くし、いわゆるパックを詰めた係合直前の状態に維持する。その後、低速側の変速段でトルクを伝達していたクラッチの油圧PLを低下させ、その滑りが生じた時点に、高速側の変速段でトルクを伝達するクラッチの油圧PHを増大させ、実質的な変速を生じさせる。そして、エンジン回転数Neが高速側の変速段での変速比に応じた回転数に同期し、また出力トルクToが高速側の変速段での変速比に応じたトルクになって変速が終了した後、係合側のクラッチの油圧をライン圧もしくはその補正圧にまで高くする。
したがって従来のこのような変速の過程において、変速の開始から解放側のクラッチの油圧PLを低下させ始めるまでの時間は、係合側のクラッチのパック詰めと低圧待機とのための時間となり、実質的な変速が開始していない時間である。その結果、この時間の分、変速開始から終了までの時間が長くなり、変速応答性が相対的に悪くなる。
また、図11に示すダウンシフトの場合、(a)に示すこの発明の例では、高速側の変速段でトルクを伝達していたオイルポンプの圧力PHを低下させる制御と、低速側の変速段でトルクを伝達するオイルポンプの圧力PLを高くする制御とが開始される。この制御は、例えば前述した制御弁21,22によって行うことができる。その場合、その低速側の変速段でトルクを伝達するオイルポンプのダウンシフト過程での圧力PLは、その変速段を維持する際の圧力より低い圧力である。したがって、エンジントルクTeに変化がなくても、エンジン回転数Neが増大し始めるとともに出力トルクToが低下する。各オイルポンプによる伝達トルクが低下するからである。低速側の変速段でトルクを伝達するオイルポンプの圧力PLを相対的に相対的に低圧に維持している状態でエンジン回転数Neが低速側の変速段での同期回転数に向けて上昇し、その同期の直前で、低速側の変速段でトルクを伝達するオイルポンプの圧力PLが、入力トルクを伝達できる程度の圧力に増大させられる。そして、変速が終了して出力トルクToが低速側の変速段の変速比に応じた値となる。
このような変速の過程で、変速の開始と同時に各オイルポンプの圧力PL,PHを制御して、各オイルポンプによる伝達トルクが変化し、変速が進行する。すなわち、変速の開始から実際に変速が開始するまでの時間的な遅れが殆どなく、応答性のよい変速を実行できる。
これに対して、(b)に示す従来の変速機においては、変速の開始後、先ず、解放状態にある低速側の変速段でトルクを伝達するクラッチを係合させる油圧PLを所定の低圧待機状態にまで高くし、いわゆるパックを詰めた係合直前の状態に維持する。その後、高速側の変速段でトルクを伝達していたクラッチの油圧PHを低下させ、その滑りが生じた時点に、低速側の変速段でトルクを伝達するクラッチの油圧PLを増大させ、実質的な変速を生じさせる。そして、エンジン回転数Neが低速側の変速段での変速比に応じた回転数に同期し、また出力トルクToが低速側の変速段での変速比に応じたトルクになって変速が終了した後、係合側のクラッチの油圧をライン圧もしくはその補正圧にまで高くする。
したがって従来のこのような変速の過程において、変速の開始から解放側のクラッチの油圧PHを低下させ始めるまでの時間は、係合側のクラッチのパック詰めと低圧待機とのための時間となり、実質的な変速が開始していない時間である。その結果、この時間の分、変速開始から終了までの時間が長くなり、変速応答性が相対的に悪くなる。
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、前記制御弁212,22および電子制御装置27が、この発明の変速制御手段に相当し、またその制御弁21,22が、制限機構に相当する。
なお、この発明は上述した各具体例に限定されないのであり、流体圧ポンプは、オイルポンプに限られず、他の適宜のポンプであってよく、要は、吸入や吐出を制限もしくは制御することにより伝達トルク容量が変化するポンプであればよい。また、この発明では、流体圧ポンプおよびこれに連結された中間軸は、二組に限られないのであり、三組以上設けてもよい。さらに、この発明では、1段ずつ変速する以外に、隣接する変速段を越えて他の変速段にいわゆる飛び変速するように変速機を構成してもよい。さらにまた、同期連結機構などの切換機構は、出力軸側と中間軸もしくは副軸側とのいずれに設けてもよい。そして、この発明における連結ギヤ対などの伝動機構は、入力軸と所定の中間軸との間に設けてあればよく、オイルポンプの入力側あるいは出力側のいずれであってもよい。
この発明の一例を模式的に示すスケルトン図である。 そのオイルポンプの構成を示す中心軸線に沿った概略的な断面図である。 そのオイルポンプの一つの構成を示す中心軸線に垂直な面に沿う概略的な断面図である。 そのオイルポンプについての油圧回路を模式的に示すブロック図である。 図1に示す変速機の動作状態をまとめて示す図表である。 この発明の他の例を模式的に示すスケルトン図である。 図6に示すオイルポンプについての油圧回路を模式的に示すブロック図である。 図6に示す変速機の動作状態をまとめて示す図表である。 油温が低い場合に油温を早期に高くするための制御例を示すフローチャートである。 アップシフトの際のタイムチャートであって、(a)はこの発明の例を示し、(b)は従来例を示す。 ダウンシフトの際のタイムチャートであって、(a)はこの発明の例を示し、(b)は従来例を示す。
符号の説明
1…入力部材(入力軸)、 2…オイルポンプ、 3…オイルポンプ、 4…ハウジング(入力側回転部材)、 6,7…ロータ(出力側回転部材)、 9…ピストン、 17,18…中間軸、 21,22…制御弁、 27…電子制御装置、 31…温度センサー、 32…出力軸、 34…第1速ギヤ対、 35…第3速ギヤ対、 36…第5速ギヤ対、 37…第2速ギヤ対、 38…第4速ギヤ対、 39,40,43,47…同期連結機構、 46…連結ギヤ対。

Claims (11)

  1. 入力部材からトルクの伝達される複数の中間軸と、各中間軸から出力部材に対して所定のギヤ比でトルクを伝達するギヤ対とを備えた変速機において、
    前記入力部材と各中間軸との間に、吐出状態に応じて伝達トルク容量が変化する流体圧ポンプが設けられるとともに、
    いずれか一つの流体圧ポンプの吐出状態を該一つの流体圧ポンプの伝達トルク容量を増大させるように制御するとともに他の流体圧ポンプの吐出状態を該他の流体圧ポンプの伝達トルク容量が小さくなるように制御することにより、前記一つの流体圧ポンプに前記中間軸を介して連結されている所定の前記ギヤ対によって変速比を設定する変速制御手段が備えられていることを特徴とする変速機。
  2. 前記変速制御手段が、吐出流量が制限されてトルクを伝達している前記いずれか一つの流体圧ポンプの吐出状態を伝達トルク容量が次第に小さくなるように制御すると同時に他の一つの流体圧ポンプの吐出状態をその伝達トルク容量が次第に大きくなるように制御して、前記ギヤ対による変速比から他のギヤ対による他の変速比に切り替える手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
  3. 前記流体圧ポンプが、前記入力部材からトルクが伝達される入力側回転部材と、前記中間軸に連結された出力側回転部材との相対回転によって、オイルを吸入するとともに吐出する差動オイルポンプによって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の変速機。
  4. 前記流体圧ポンプの入力側回転部材が単一の円筒状部材によって形成されて共通化され、かつ各流体圧ポンプにおける出力側回転部材がその円筒状部材の内部に軸線方向に並んで配列され、軸線方向での一端側に配置された出力側回転部材に前記中間軸が連結されるとともに、その中間軸の外周側に同軸上に回転自在に嵌合された他の中間軸が、軸線方向での他端側に配置された他の出力部材に連結されていることを特徴とする請求項3に記載の変速機。
  5. 前記各中間軸が互いに半径方向に離隔して平行に配置されるとともに、各中間軸と同一軸線上に各中間軸に対応して前記流体圧ポンプが配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の変速機。
  6. いずれか一つの流体圧ポンプに前記入力部材が連結され、かつ他の流体圧ポンプに伝動機構を介して前記入力部材が連結され、前記入力部材に連結された前記一つの流体圧ポンプおよび該流体圧ポンプに連結された中間軸ならびに該中間軸に連結されたギヤ対を介して変速比の最も小さい最高速段が設定されるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の変速機。
  7. 前記入力部材といずれかの中間軸との間に、一つの変速段に相当するギヤ比を持った連結ギヤ対が介在され、前記いずれかの中間軸と出力部材との間のギヤ対と、他の中間軸と出力部材との間のギヤ対とに、ギヤ比が同一のギヤ対が含まれていることを特徴とする請求項5または6に記載の変速機。
  8. 前記変速制御手段が、前記流体の温度が低い場合には、前記他の流体圧ポンプの吐出流量の制限を行いもしくは制限の程度を流体の温度が高い場合に比較して大きくするように構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の変速機。
  9. 前記変速制御手段が、前記流体の温度が低い場合には、前記所定のギヤ対によって変速比を設定するべく吐出状態が制御されている前記いずれか一つの流体圧ポンプについての吐出流量の制限を、流体の温度が高い場合に比較して小さくするように構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の変速機。
  10. 前記流体圧ポンプからの吐出を制限する制限機構が設けられるとともに、その制限機構が、該制限機構の故障によって前記制限を解除するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の変速機。
  11. 前記複数の中間軸のうちのいずれかの中間軸と出力部材との間に、前記変速機が搭載された車両が発進する際の発進用変速比を設定するギヤ対が設けられるとともに、他の中間軸と出力部材との間に、前記発進用変速比に対して一段アップシフト側の変速比を設定するギヤ対が設けられ、その一段アップシフト側の変速比を設定するギヤ対を前記他の中間軸もしくは出力部材に選択的に連結する切換機構が設けられ、前記発進用変速比を設定する前記ギヤ対と前記入力部材との間に介在されている流体圧ポンプの吐出流量の制限が完了した後に前記切換機構を連結状態にする発進制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の変速機。
JP2005027992A 2005-02-03 2005-02-03 変速機 Expired - Fee Related JP4945903B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005027992A JP4945903B2 (ja) 2005-02-03 2005-02-03 変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005027992A JP4945903B2 (ja) 2005-02-03 2005-02-03 変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006214514A true JP2006214514A (ja) 2006-08-17
JP4945903B2 JP4945903B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=36977911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005027992A Expired - Fee Related JP4945903B2 (ja) 2005-02-03 2005-02-03 変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4945903B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007239831A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Toyota Motor Corp 動力伝達装置
WO2008148512A1 (de) * 2007-06-05 2008-12-11 Magna Powertrain Ag & Co Kg Drehmomentübertragungseinrichtung
WO2008148511A2 (de) * 2007-06-05 2008-12-11 Magna Powertrain Ag & Co. Kg Schaltgetriebe
US7487025B2 (en) * 2003-12-17 2009-02-03 Volvo Lastvagnor Ab Automatic gearshifting process for a vehicle with engaged coupling-dependent power take off and automatic disengagement process of a coupling-dependent power take off
WO2009021584A1 (de) * 2007-08-13 2009-02-19 Magna Powertrain Ag & Co Kg Schaltgetriebe
JP2009036373A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Honda Motor Co Ltd 油圧式車両クラッチ機構及び方法
DE102009030969A1 (de) * 2009-06-29 2010-12-30 Magna Powertrain Ag & Co Kg Drehmomentübertragungseinrichtung
WO2012033047A1 (ja) * 2010-09-06 2012-03-15 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 制御装置
US8900086B2 (en) 2007-08-02 2014-12-02 Honda Motor Co., Ltd. Hydraulic vehicle clutch system, drivetrain for a vehicle including same, and method

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106907477B (zh) * 2015-12-23 2018-05-11 上海汽车集团股份有限公司 滑行降档工况下同步器预啮合的控制方法、装置及tcu

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61274151A (ja) * 1985-05-28 1986-12-04 Mazda Motor Corp 歯車式変速装置
JPH07259888A (ja) * 1994-03-18 1995-10-09 Nissan Motor Co Ltd 制御型回転差感応継手
JPH08284977A (ja) * 1995-04-18 1996-11-01 Honda Motor Co Ltd 油圧式動力伝達装置
JP2001099246A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Jatco Transtechnology Ltd クラッチ配設構造及び該クラッチ配設構造を用いた変速機
JP2002204504A (ja) * 2000-09-14 2002-07-19 Hitachi Ltd 車両用動力伝達システムおよびそれを搭載した自動車
JP2003120764A (ja) * 2001-10-15 2003-04-23 Toyota Motor Corp ツインクラッチ変速機
JP2003247610A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Nissan Motor Co Ltd 車両用変速機

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61274151A (ja) * 1985-05-28 1986-12-04 Mazda Motor Corp 歯車式変速装置
JPH07259888A (ja) * 1994-03-18 1995-10-09 Nissan Motor Co Ltd 制御型回転差感応継手
JPH08284977A (ja) * 1995-04-18 1996-11-01 Honda Motor Co Ltd 油圧式動力伝達装置
JP2001099246A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Jatco Transtechnology Ltd クラッチ配設構造及び該クラッチ配設構造を用いた変速機
JP2002204504A (ja) * 2000-09-14 2002-07-19 Hitachi Ltd 車両用動力伝達システムおよびそれを搭載した自動車
JP2003120764A (ja) * 2001-10-15 2003-04-23 Toyota Motor Corp ツインクラッチ変速機
JP2003247610A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Nissan Motor Co Ltd 車両用変速機

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7487025B2 (en) * 2003-12-17 2009-02-03 Volvo Lastvagnor Ab Automatic gearshifting process for a vehicle with engaged coupling-dependent power take off and automatic disengagement process of a coupling-dependent power take off
JP2007239831A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Toyota Motor Corp 動力伝達装置
WO2008148511A3 (de) * 2007-06-05 2009-06-18 Magna Powertrain Ag & Co Kg Schaltgetriebe
WO2008148511A2 (de) * 2007-06-05 2008-12-11 Magna Powertrain Ag & Co. Kg Schaltgetriebe
WO2008148512A1 (de) * 2007-06-05 2008-12-11 Magna Powertrain Ag & Co Kg Drehmomentübertragungseinrichtung
JP2009036373A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Honda Motor Co Ltd 油圧式車両クラッチ機構及び方法
US8900086B2 (en) 2007-08-02 2014-12-02 Honda Motor Co., Ltd. Hydraulic vehicle clutch system, drivetrain for a vehicle including same, and method
US9611906B2 (en) 2007-08-02 2017-04-04 Honda Motor Co., Ltd. Hydraulic vehicle clutch system and method
WO2009021584A1 (de) * 2007-08-13 2009-02-19 Magna Powertrain Ag & Co Kg Schaltgetriebe
DE102009030969A1 (de) * 2009-06-29 2010-12-30 Magna Powertrain Ag & Co Kg Drehmomentübertragungseinrichtung
DE102009030969B4 (de) * 2009-06-29 2020-08-06 Magna Pt B.V. & Co. Kg Drehmomentübertragungseinrichtung
WO2012033047A1 (ja) * 2010-09-06 2012-03-15 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 制御装置
JP2012056362A (ja) * 2010-09-06 2012-03-22 Aisin Aw Co Ltd 制御装置
CN102985304A (zh) * 2010-09-06 2013-03-20 爱信艾达株式会社 控制装置
US8930051B2 (en) 2010-09-06 2015-01-06 Aisin Aw Co., Ltd. Control device

Also Published As

Publication number Publication date
JP4945903B2 (ja) 2012-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4945903B2 (ja) 変速機
JP4892880B2 (ja) 変速機
US7644638B2 (en) Automatic transmission
JP5012667B2 (ja) 動力伝達装置
EP2251569B1 (en) Shift hydraulic actuator
KR20110013225A (ko) 유압식 제어 장치
JP4742732B2 (ja) 車両用変速機
JP3674253B2 (ja) 同期装置付き変速機
US20120006155A1 (en) Shift transmission
JP5140533B2 (ja) 変速制御装置
JP2004324772A (ja) 変速装置のシフトポジション検出装置
JP5166190B2 (ja) 変速制御装置
JP2007327532A (ja) 変速機
JP4892885B2 (ja) 変速機
JPH10122332A (ja) 無段変速機
JP4012839B2 (ja) 油圧式無段変速機
KR100410337B1 (ko) 차량용 가변식 오일 펌프
JPH1151180A (ja) 流体圧アクチュエータ
CN117537010A (zh) 一种新型液压离合器及变速箱
JP2008051151A (ja) 変速機の制御装置
JP4910550B2 (ja) 変速機の変速比制御装置
JP3932681B2 (ja) 車両用変速機
JP2009293744A (ja) 可変容量型ポンプモータ式変速機
JP2561153B2 (ja) アキシャルプランジャ式油圧ユニット
JP2018112233A (ja) 変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees