JP2006214279A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジンの暖機を促進して、冷機時の燃費及びエミッションを改善する。
【解決手段】 クランクシャフト駆動のウオータポンプに代えて電動ポンプを備え、これをエンジンの冷間始動後の所定期間は停止させて(時間0〜t1)、ウオータジャケットにおける冷却水の流通を停止させるとともに、その後はパルス制御モードで運転して(時間t1〜t3)、ウオータジャケットにおいて冷却水を間欠的に流通させるようにする。こうすることで、エンジン水温の上昇に応じてラジエータとの間で冷却水の流通が始まるときにも、該ラジエータ側からの低温の冷却水はウオータジャケットに非常に少しずつ流入するようにり、水温の落ち込みを抑制できる(時間t2〜)。よって、エンジン水温の落ち込みによる燃焼悪化を防止し、エンジンの暖機を促進できる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、エンジンの状態に応じて冷却水の流通状態を変更するようにした冷却装置に関する。
従来より一般に、水冷式エンジンの冷却装置においてはクランクシャフトにより機械的にウオータポンプを駆動して、冷却水をシリンダブロックやシリンダヘッドのウオータジャケット(エンジン本体内の冷却水通路)に流通させ、さらに、ラジエータとの間で循環させるようにしている。また、そのエンジン本体とラジエータとの間の冷却水の流路にはサーモスタットが配設されていて、エンジン始動後の冷機時にはラジエータとの間の冷却水の流れを遮断することにより、エンジン本体の暖機を促進するようになっている。
そのように機械式ポンプとサーモスタットとを組み合わせたものでは、エンジンの運転中はクランクシャフトの回転とともにウオータポンプが作動することから、例えば車両の場合は車室の暖房のヒータコアなどとの間で冷却水が循環してしまい、その分、エンジンの放熱量が多くなって、暖機が遅れることが避けられず、冷機時の燃費やエミッションの悪化を十分に抑制できないという問題があった。
そこで、機械式ポンプやサーモスタットの代わりに電動式のウオータポンプを用いて、エンジンの運転状態に関係なく、ウオータジャケットにおける冷却水の流通状態を変更できるようにすることが提案されている(例えば特許文献1を参照)。この提案のものではエンジン本体とラジエータとの間に電動ポンプを配設し、エンジン冷機時にはそのポンプを作動させないことによって、ラジエータとの間の冷却水の循環を停止するとともに、ウオータジャケットにおける冷却水の流通自体も停止させるようにしている。
特開2002−161748号公報
ところが、前記提案のもののようにエンジン冷機時にウオータジャケットの冷却水の流れを停止させるようにすると、その結果としてシリンダの周辺で局所的に水温が上昇し、冷却水の部分沸騰によって異音が発生したり、或いは特定の部位の過度の温度上昇によって信頼性の低下を招いたりする虞れがある。そのため、電動ポンプを用いてはいても、結局は冷却水の温度があまり高くならないうちにそれを作動させて、冷却水を流通させるようにしなくてはならない。
そうして電動ポンプの作動によって冷却水の流通が始まると、ラジエータ内の低温の冷却水が流入することによって、折角、暖まっているウオータジャケットの冷却水温度が急速に低下してしまい、その分、エンジンの暖機が遅れることになる。また、そのように冷却水温度が急速に低下すると、一時的に燃焼悪化を招く虞れもある。
尚、エンジンの運転状態に関係なく制御できるという電動ポンプの特長を生かし、前記のようにラジエータ側から低温の冷却水が流入するときには、電動ポンプをできるだけ低速で運転して冷却水の流通量を絞ることも考えられるが、一般にウオータポンプには、エンジンの高負荷運転時における多量の発熱に対応した最大流量を確保することが求められるので、これを如何に低速で運転しても、前記した冷却水温度の急低下を抑えるほどには流量を絞れない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジン冷機時において特にラジエータとの間で冷却水の流通が始まるときの、その冷却水の流れ制御に工夫を凝らして、ラジエータ側からの低温の冷却水が流入することによるエンジン水温の急激な落ち込みを抑制し、これによる燃焼悪化を防止するとともに、エンジンの暖機を促進して、冷機時の燃費及びエミッションを改善することにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、少なくとも、エンジン水温の上昇に応じてラジエータとの間で冷却水の流通が始まるときに、エンジン本体内の冷却水通路において冷却水を連続的には流通させず、その冷却水が揺れて僅かに攪拌される程度に間欠的に流通させることにより、冷却水温度の落ち込みを抑制するようにした。
すなわち、請求項1の発明では、エンジン本体内の冷却水通路における冷却水の流通状態を変更可能な流通可変手段を備え、エンジン冷機時に前記冷却水通路における冷却水温度の上昇に応じて、ラジエータとの間での冷却水の流通を開始するようにしたエンジンの冷却装置を対象として、少なくとも、前記冷却水通路とラジエータとの間で冷却水の流通が始まるときに、その冷却水通路において冷却水が間欠的に流通するように前記流通可変手段を作動させる制御手段を備えることを特徴とする。
前記の構成により、例えば冷間始動後のエンジン冷機時に、エンジン本体内の冷却水通路における冷却水温度の上昇に応じて、ラジエータとの間での冷却水の流通が開始されるときには、その本体部内の冷却水通路において冷却水が間欠的に流通するように、制御手段による流通可変手段の制御が行われる。ここで、間欠的に流通するというのは、冷却水が冷却水通路の入口から出口に向かって連続的に移動するのではなく、その冷却水通路において短時間の移動と停止とを繰り返すということであり、いわば、冷却水通路の冷却水全体が揺れて、僅かに攪拌される程度の流通状態を意味する。
そのようにして、少なくともラジエータ側からの低温の冷却水の流入が始まるときに、エンジン本体内の冷却水通路における冷却水の流通を殆ど停止に近い状態にして、低温の冷却水の流入を非常に少なくすることによって、当該冷却水通路における冷却水温度の落ち込みを抑制して燃焼悪化を防止し、エンジンの暖機を促進することができる。
しかも、その際に、冷却水を完全に停止させるのではなく、それを揺らして僅かに攪拌する程度には流通させることによって、シリンダ周辺などにおける局所的な温度上昇を抑制して、冷却水の部分沸騰などの不具合を防止することができる。
前記冷却装置のより具体的な構成として、流通可変手段を、冷却水を流通させるための電動ポンプを備えるものとし、制御手段は、前記電動ポンプを間欠的に作動させるものとすることができる(請求項2の発明)。こうすれば、エンジンの運転状態に関係なく制御できるという電動ポンプの特長を生かして、流通可変手段を簡単に構成できる。
その場合に、前記制御手段は、エンジン本体内の冷却水通路とラジエータとの間で冷却水の流通が始まるときに電動ポンプを、その間欠的な作動時間の停止時間に対する比率が1/10よりも小さくなるように制御するものとするのが好ましい(請求項3の発明)。そのように電動ポンプの間欠的な作動時間の停止時間に対する比率を小さくすることで、エンジン本体内の冷却水通路にラジエータ側から流入する低温の冷却水をごく僅かなものとすることができる。
また、好ましいのは、前記制御手段を、エンジン始動後の所定期間はエンジン本体内の冷却水通路における冷却水の流通が停止し、その所定期間の経過後は前記冷却水通路において冷却水が間欠的に流動するように流通可変手段を作動させるものとすることである(請求項4の発明)。
こうすれば、エンジンの冷間始動後に冷却水温度が低くて、シリンダ周辺などの局所的な過度の温度上昇が起き得ないときには、冷却水の流通を完全に停止させることでエンジンの放熱を極小化し、その後、冷却水温度が上昇すれば、間欠的な流通によって冷却水を僅かに攪拌することにより、局所的な温度上昇を抑制しながら、冷却水の移動を停止させたのと同じようにエンジンからの放熱を非常に少なくして、その暖機を可及的に促進することができる。
より好ましいのは、前記制御手段を、エンジン暖機後もエンジン本体内の冷却水通路において冷却水温度が所定の高温状態になるまで冷却水が間欠的に流通し、その後は冷却水が連続的に流通するように流通可変手段を作動させるものとすることである(請求項5の発明)。こうすれば、暖機後も冷却水の間欠的な流通によってエンジンからの放熱を抑え、これにより該エンジンを従来よりも高い温度状態に維持して、熱効率の向上により燃費を低減することができる。また、高負荷時など冷却水温度が上昇すれば、冷却水を連続的に流通させることで、エンジンの過度の温度上昇を防ぐことができる。
そのようにして、電動ポンプの制御によって冷却水の流通状態を変更することができるので、ラジエータとの間での冷却水の流通、遮断の切替えは従来より周知の機械式サーモスタットで行うようにすれば十分であり、エンジン本体内の冷却水通路とラジエータ内の通路とを連通する連通路には、冷却水の温度変化に応じて機械的に開閉するサーモスタットを配設すればよい(請求項6の発明)。こうすれば、電気式のサーモスタットが不要であり、その分はコストの低減が図られる。
さらに、本発明に係る冷却装置の別の具体的構成として、流通可変手段を、エンジン本体内の冷却水通路とラジエータとの間の流路を開閉可能な電気式の開閉弁を備えるものとし、制御手段は、前記開閉弁の作動によって流路を開状態又は閉状態のいずれかに切替えるものとすることもできる(請求項7の発明)。こうすれば、電動ポンプを用いることなく、より簡単且つ低コストで流通可変手段を構成できる。
以上のように、本願発明に係るエンジンの冷却装置によると、エンジンの冷機時に冷却水温度の上昇に応じてラジエータ側からの低温の冷却水の流入が始まるときに、エンジン本体内の冷却水通路において冷却水を間欠的に流通させることにより、低温の冷却水の流入を非常に少なくして、当該冷却水通路における冷却水温度の落ち込みを抑制し、これにより燃焼悪化を防止して、エンジンの暖機を促進することができる。しかも、その際、冷却水を完全に停止させるのではなく、それを揺らして僅かに攪拌する程度には流通させることによって、シリンダ周辺などにおける局所的な温度上昇を抑制して、冷却水の部分沸騰などの不具合を防止することができる。
特に請求項4の発明では、エンジン始動後に暫くの間、冷却水の流通を停止させ、その後は間欠的に流動させることにより、エンジン本体内の冷却水通路における局所的な過度の温度上昇を抑制しながら、エンジンからの放熱を極小化して、その暖機を可及的に促進することができる。
また、請求項5の発明では、エンジンの暖機後も水温が比較的低いときには冷却水を間欠的に流動させることで、エンジンを従来よりも高い温度状態に維持して熱効率を高め、これにより燃費を低減することができる。
さらに、請求項7の発明のように流通可変手段を電気式の開閉弁によって構成すれば、電動ポンプを用いる必要がなく、冷却装置がより簡単且つ低コストなものとなる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るエンジン冷却装置Aの構成を模式的に示す。この冷却装置Aは、エンジンの本体部1を構成するシリンダブロック2及びシリンダヘッド3にそれぞれ形成された冷却水通路としてのウオータジャケット4,5と、外気によって冷却水を冷やすために車両の前部などに配設されたラジエータ6と、このラジエータ6及び前記エンジン本体1の間で冷却水を循環させるための流路を構成するアッパ及びロワホース7,8と、前記シリンダブロック2のウオータジャケット4に冷却水を送給する電動ウオータポンプ(以下、単に電動ポンプという)9と、を備えている。
前記シリンダブロック2のウオータジャケット4は、図の例では4つのシリンダs1〜s4の外周を囲むようにして当該シリンダブロック2の長手方向(以下、エンジン前後方向ともいう)全体に亘って形成され、その前端部の吸気側(図の下側)に開口する導入路4aを介して電動ポンプ9の吐出側に連通している。また、その導入路4aの開口の近傍には、冷却水を電動ポンプ9の吸入側に戻すためのバイパス通路10が開口し、さらにその開口に隣接して、1番シリンダs1からシリンダブロック2の側壁部まで仕切壁4bが形成されている。
そのため、前記電動ポンプ9から吐出されて、導入路4aからウオータジャケット4の前端部に流入した冷却水は、前記バイパス通路10が閉じられていれば、図に矢印で示すようにウオータジャケット4の排気側(図の上側)をエンジン後方に向かって流れ、後端部で折り返した後に今度は吸気側をエンジン前方に向かって流れるようになる。一方、前記バイパス通路10が開かれていれば、冷却水は主にそのバイパス通路10に流れて、電動ポンプ9の吸入側に戻される。
また、前記シリンダブロック2のウオータジャケット4は、当該シリンダブロック2のトップデッキに形成された複数の孔部と、シリンダヘッド3のボトムデッキに形成された複数の孔部とを介して、該シリンダヘッド3のウオータジャケット5にも連通しており、これにより、前記のようにシリンダブロック2のウオータジャケット4を流れる冷却水は、図に矢印で示すように順次、シリンダヘッド3のウオータジャケット5に流通するようになっている。
前記シリンダヘッド3のウオータジャケット5は、各シリンダs1〜s4の吸排気ポートやプラグホール(図示せず)の外周を包み込むようにして当該シリンダヘッド3の長手方向全体に亘って形成され、その後端部に開口する導出路5aを介してアッパホース7内の流路に連通している。また、その導出路5aには、車両の空調装置のヒータコア11との間で冷却水を循環させるヒータホース12内の流路も連通している。これにより、シリンダヘッド3のウオータジャケット5を流通した比較的高温の冷却水は、前記導出路5aからアッパホース7及びヒータホース12内の流路に流出するようになる。
そして、前記アッパホース7の下流端部はラジエータ6のアッパタンクに接続されており、前記のようにアッパホース7内を流通した比較的高温の冷却水は、ラジエータ6において外気と熱交換して冷却された後に、当該ラジエータ6のロワタンクに接続されているロワホース8内の流路に流出し、このロワホース8内を流通して電動ポンプ9の吸入側に戻される。同様に、前記ヒータホース12内を流通する比較的高温の冷却水は、ヒータコア11において空調用空気と熱交換した後に、電動ポンプ9の吸入側に戻される。
より詳しくは、この実施形態では、前記電動ポンプ9の吸入側に隣接して、シリンダブロック2の側壁にサーモスタット13のハウジング13aが設けられていて、このハウジング13aに前記ロワホース8及びヒータホース12の各下流端部がそれぞれ接続されている。そして、ロワホース8内の流路がサーモスタット13の弁体13bを介して、電動ポンプ9の吸入口に開閉可能に連通される一方、ヒータホース12内の流路は、サーモスタット13の弁体13bを介さず、それを収容するハウジング13a内の空間(弁室)によって直接、電動ポンプ9の吸入口に連通されている。
また、前記サーモスタット13の弁室に臨んで前記バイパス通路10が開口しており、このバイパス通路10が前記弁室を介して電動ポンプ9の吸込口に連通されているとともに、この実施形態では、当該サーモスタット13の弁体13bと一体的に、前記バイパス通路10における冷却水の流量を調整する絞り弁15(以下、バイパス流量調整弁という)が設けられており、これにより、サーモスタット13の開閉と連動してバイパス通路10が開閉されるようになっている。
すなわち、前記バイパス流量調整弁15は、図示の如くサーモスタット13が全閉のときにはバイパス通路10を全開とする一方、サーモスタット13が開き始めてその弁体13bが図の下側に移動すると、これとともにバイパス流量調整弁15も下側に移動してバイパス通路10を絞るようになり、さらに、サーモスタット13が全開になれば、バイパス通路10を全閉とするようになっている。
前記電動ポンプ9は、例えばインペラの回転によって冷却水を送り出す従来周知の遠心式のものであり、そのインペラのシャフトに接続された電動モータの作動が、制御手段としてのエンジンコントロールユニット20(以下、ECUという)によって制御されるようになっている。言い換えると、電動ポンプ9は、ECU20によりその作動状態を制御され、エンジン本体部1内のウオータジャケット4,5における冷却水の流通状態を変更可能な流通可変手段を構成している。
以上のように構成されたエンジン冷却装置Aにおける冷却水の全体的な流れは、図2に模式的に示すようになる。同図(a)は、サーモスタット13が閉じているときの流れを矢印で示し、電動ポンプ9によってシリンダブロック2のウオータジャケット4に送られた冷却水は、その多くがバイパス通路10によって電動ポンプ9の吸入側に戻されるとともに、一部の冷却水はシリンダヘッド3のウオータジャケット5にも流れ、ヒータホース12内の流路を流通して、電動ポンプ9の吸入側に戻される。このとき、サーモスタット13が閉じていることから、ラジエータ6との間で冷却水は流れない。
一方、サーモスタット13が全開になっているときには、バイパス流量調整弁15によってバイパス通路10が閉じられているので、電動ポンプ9からの冷却水は、同図(b)に矢印で示すようにシリンダブロック2及びシリンダヘッド3のウオータジャケット4,5を流通した後に、アッパホース7及びヒータホース12内の流路に流出し、その後、電動ポンプ9の吸入側に戻されるようになる。尚、当然ながら、電動ポンプ9が作動しなければ、前記のような冷却水の流れは起きず、対流による流れを除いて冷却水は略停止することになる。
(電動ポンプの作動制御)
次に、前記ECU20による電動ポンプ9の作動制御について説明する。このECU20は、周知の如くCPUやメモリ、I/Oインターフェース回路、ドライバ回路等を備えて、エンジンの運転制御のために各シリンダs1〜s4毎の燃料噴射制御や点火時期制御を行うものであるが、これに加えて、この実施形態では、主にエンジンの温度や負荷、或いは回転数などに応じて、電動ポンプ9の作動を制御するようになっている。
すなわち、この実施形態では、ECU20は、少なくとも、エンジンの負荷状態を検出するためのセンサ16(例えば車両のアクセル開度センサやエアフローセンサなどであり、以下、負荷状態センサと呼ぶ)からの信号と、エンジン回転数センサ17からの信号と、エンジンのシリンダヘッド2後端の冷却水導出路5aに臨んで配設された水温センサ18からの信号とを入力して、これによりエンジンの状態を判定し、これに応じて電動ポンプ9への出力電圧を制御するようになっている。
その出力電圧の制御は、デューティ比の変更によって出力電圧の大きさを調整する所謂デューティ制御であり、制御デューティ比を0〜100%の範囲で変更することにより、出力電圧を例えば0.5〜12Vくらいの所定範囲内において略リニアに変更して、電動ポンプ9の回転数をきめ細かく且つ高精度に制御することができる。
また、前記ECU20は、本発明の特徴部分として、前記制御デューティ比を予め設定した時間間隔で切替えて、電動ポンプ9にパルス状に電圧を供給することにより、該電動ポンプ9を一定の周期で瞬間的に、即ち間欠的に作動させることができるようになっており、そのように電動ポンプ9を作動させるパルス制御モードと、前記のように、電動ポンプ9を連続的に作動させながら、その回転数をエンジンの状態に応じて変更する通常制御モードとに切替えて、電動ポンプ9の作動状態を制御するようになっている。
より具体的に、前記通常制御モードでは、図3に一例を示すような制御マップに基づいて電動ポンプ9の回転数を制御する。この制御マップは、電動ポンプ9の基本的な制御回転数をエンジンの負荷及び回転数に応じて予め設定した3次元のものであり、相対的に高負荷乃至高回転側ではポンプ回転数を高くして、エンジンの多量の発熱に対応した冷却水の流量を確保する一方、相対的に低負荷乃至低回転側ではポンプ回転数を低くして、エンジンの過冷却を防止することにより、燃費を低減するようになっている。
これに対し、前記パルス制御モードは、主にエンジンの冷間始動後のような冷機時に行われ、電動ポンプ9を低い頻度で間欠的に作動させることにより、エンジン本体部1内のウオータジャケット4,5における冷却水の流通を殆ど停止に近い状態にして、暖機を促進できるとともに、電動ポンプ9の作動時にはウオータジャケット4,5内の冷却水全体が揺れて、僅かに攪拌されることで、シリンダs1〜s4周辺の局所的な温度上昇を抑制できるようになっている。
図4(a),(b)は、この実施形態と同じ構成のエンジンにおいて例えば3番シリンダs3のシリンダライナとその付近のウオータジャケット5の所定箇所とにそれぞれ温度センサを配設して、冷間始動後の温度上昇を計測した実験結果を示す。同図に破線で示すグラフは、電動ポンプ9を従来からの機械式ポンプと同様にエンジン回転数に比例する回転数で作動させたときの水温の上昇を示し、一点鎖線のグラフは電動ポンプ9を停止させたときのものを、また、実線のグラフは、前記パルス制御モードによって電動ポンプ9を間欠的に作動させたときのものを示す。
同図(a)に示すように、シリンダライナの温度上昇は、電動ポンプ9を停止させたときが最も早く、従来の機械式ポンプと同様に作動させたときが最も遅いが、この実施形態のように電動ポンプ9を間欠作動させたときには、これを停止させたときと同じくらい早くシリンダライナの温度が上昇しており、エンジンの急速暖機が可能なことが分かる。
一方、同図(b)に示すように、電動ポンプ9を停止させたときにはウオータジャケット5の前記所定箇所における水温が急激に上昇及び下降しており、冷却水が停止していることによって部分沸騰が発生しているものと考えられる。これに対し、電動ポンプ9を従来の機械式ポンプと同様に作動させて、連続的に流通させたときは勿論、この実施形態のように間欠作動させたときにも、前記のような水温の急激な変動は見られず、このことから、冷却水を間欠的に流通させることによって上述したように局所的な温度上昇を抑制できることが分かる。
−エンジン冷機時の制御手順−
以下に、前記ECU20によって行われる電動ポンプ9の作動制御の手順を、主に図5のフローチャート図に基づき、図6〜10を参照して説明する。まず、図5のフローのスタート後のステップS1では、少なくとも前記負荷状態センサ16、エンジン回転数センサ17、水温センサ18等を含むエンジン制御システムの各センサからの信号を入力し、また、メモリに記憶されている制御パラメータ値などを読み込む。
続いて、ステップS2において、エンジン始動から電動ポンプ9の制御開始までの時間T1などを予め設定したテーブルから読み込む。このテーブルは、例えば図6に模式的に示すように、始動時のエンジン水温に応じて、エンジン始動から電動ポンプ制御の開始までの第1設定時間T1と、電動ポンプ9をパルス制御モードから通常制御モードに切替えるまでの第2設定時間T2とを、それぞれ実験等に基づいて決定したものであり、図の例では始動時のエンジン水温が所定値以下のときには始動後のエンジンが暫くの間、冷機状態にあると推定して、その始動時水温が低いほど、第1及び第2設定時間T1,T2を長くするようにしている。
そして、ステップS3において、まず、エンジン始動後に前記第1設定時間T1が経過したかどうか判別し、経過していない(NO)ならばリターンする。すなわち、エンジンの冷間始動後に第1設定時間T1が経過するまでは電動ポンプ9は作動させず、エンジン本体部1内のウオータジャケット4,5における冷却水の流通を停止することによって、その暖機を最大限に促進する。
一方、始動から前記第1設定時間T1が経過していれば(YES)ステップS4に進んで、今度は前記第2設定時間T2が経過したかどうか判別する。この判別結果がNOで第2設定時間T2が未経過であれば後述のステップS6,S7に進んで電動ポンプ9をパルス制御モードで作動させる一方、判別結果がYESで第2設定時間T2を経過していればステップS5に進み、今度はエンジン暖機後のパルス制御モードの実行条件が成立しているかどうか判定する。
すなわち、この実施形態では、後述の如くエンジン暖機後もエンジン水温が所定の高温状態になるまでは電動ポンプ9をパルス制御モードで作動させるようにしており、その条件は、例えば、エンジン水温が所定値以下であって、且つ、エンジンが比較的低負荷又は低回転の運転状態にあることとしている。これは、負荷乃至回転数が高いときにはエンジンの発熱量が多くなるので、暖機後であればエンジン水温によらず冷却水を連続的に流通させるのが好ましいからである。
より具体的には、例えば図7に模式的に示すように、暖機後のパルス制御モードの実行条件として、エンジン回転数に応じてエンジン負荷の閾値が設定されたテーブルを予め実験等に基づいて作成し、これをECU20のメモリに記憶させておく。そして、エンジン回転数に応じて前記テーブルから読み出した閾値よりもエンジン負荷が低いときに、エンジン水温が前記所定値以下であれば、パルス制御モードの実行条件成立と判定する。
尚、ハンチングを防止するために、前記パルス制御モードの実行条件にはヒステリシスを付与するのが好ましく、例えばエンジン水温については制御開始条件を93°C以下とし、一方、制御終了条件は95°C以上とすればよい。また、前記エンジン負荷の閾値は、同じエンジン回転数であれば制御の開始条件を終了条件よりも低い値とすればよい。
そして、前記ステップS5においてパルス制御モードの実行条件が成立していない(NO)と判定すれば、後述のステップS8〜12に進んで電動ポンプ9を通常制御モードで作動させる一方、パルス制御モードの実行条件成立(YES)と判定すれば、以下に述べるステップS6,S7において電動ポンプ9をパルス制御モードで作動させる。
具体的に、まずステップS6において、電動ポンプ9の間欠作動の周期及びその作動時の制御デューティ比をそれぞれ予め設定したテーブルから読み込む。このテーブルは、例えば図8に模式的に示すように、エンジン水温に応じて前記電動ポンプ9の作動周期及びデューティ比の最適値をそれぞれ実験等に基づいて決定したものであり、図の例ではエンジン水温が高いほど作動周期が短くなる一方、デューティ比はあまり変化しないように設定されているが、これに代えて、或いはこれに加えて、エンジン水温が高いほど、デューティ比が大きくなるように設定してもよい。
そして、続くステップS7において、前記作動周期及びデューティ比に対応する制御信号により電動ポンプ9のモータにパルス状に出力電圧を印加して、これを間欠的に作動させ、しかる後にリターンする。そのように電動ポンプ9を予め設定した周期で瞬間的に、即ち間欠的に作動させると、シリンダブロック2やシリンダヘッド3のウオータジャケット4,5における冷却水は、電動ポンプ9の連続的な作動時のように入口側から出口側に向かって連続的に移動するのではなく、瞬間的なポンプ作動によって小さく移動した後に直ちに停止する、ということを繰り返すことになる。
言い換えると、前記電動ポンプ9の間欠的な作動によって、ウオータジャケット4,5の冷却水全体が周期的に揺れて、僅かに攪拌されるように間欠的に流通することになり、このことによって、エンジンの各シリンダs1〜s4周辺の局所的な温度上昇が抑制されるとともに、冷却水を停止させているときと同じようにエンジンの放熱量が少なくなって、エンジンの暖機が十分に促進されることになる。
前記のような冷間始動後の電動ポンプ9の作動状態とエンジン水温の上昇との関係を、従来一般的な機械式ウオータポンプを備えたエンジンと対比して、図9のタイムチャートに示すと、まず、冷間始動後に第1設定時間T1が経過するまでの間(0〜t1=T1)は、電動ポンプ9の制御デューティ比が0%とされて、ポンプが停止状態に維持され(ステップS3でリターン)、これによりエンジンからの放熱が極小化される。このときに、図に実線で示すようにエンジン水温の上昇が見かけ上、遅れているのは、電動ポンプ9が停止していてウオータジャケット4,5の冷却水が流れないことから、シリンダs1〜s4の周りの暖められた冷却水が水温センサ18まで到達しないことによる。
そして、前記のように暖められた冷却水が対流により水温センサ18まで到達するようになると、図示の如くセンサの検出値は急速に上昇して、比較例のもの(破線で示す)を追い越すが、始動から第1設定時間T1が経過すると(時刻t1)、パルス制御が開始されて(ステップS4→S6)、電動ポンプ9は前記の如く間欠的に作動するようになる。この電動ポンプ9の間欠作動によって、ウオータジャケット4,5の冷却水が間欠的に流通し、それが僅かに攪拌されることになるため、各シリンダs1〜s4周辺などでの局所的な温度上昇が抑制される。
そのように電動ポンプ9が間欠的に作動しているときにサーモスタット13が開くと、ラジエータ6側から低温(略外気温)の冷却水が流通するようになるが(時刻t2)、このときに前記の如く電動ポンプ9が間欠作動しているため、低温の冷却水がウオータジャケット4に一気に流入することはなく、それは電動ポンプ9の瞬間的な作動時にのみ、少しずつ流入するようになる。そのため、図示の如く水温検出値は一時的に低下するものの、その低下の度合いはあまり大きくはない。
しかも、その水温の低下に対応して、この実施形態では電動ポンプ9の間欠作動の周期が長くなるように変更され(ステップS6)、例えば電動ポンプ9の間欠的な作動時間の停止時間に対する比率が1/10よりも小さくなることで、ラジエータ6側からの低温の冷却水の流入は非常に少なくなり、水温の落ち込みは十分に抑制される。
すなわち、前記の如く電動ポンプ9を間欠的に運転しているのでなければ、サーモスタット13の開弁時にはラジエータ6側から低温の冷却水が一気に流入して、ウオータジャケット4,5の冷却水温は図に仮想線で示すように急激に落ち込むと考えられれ、その分、エンジンの暖機が遅れるだけでなく、一時的に燃焼悪化を招く虞れがあるが、この実施形態では、前記のように電動ポンプ9を間欠作動させることにより、低温の冷却水のウオータジャケット4,5への流入をごく僅かなものとして、当該ウオータジャケット4,5における冷却水温の変動を十分に抑制することができる。
つまり、この実施形態のエンジン冷却装置Aによれば、エンジンの冷間始動後に電動ウオータポンプ9を所定時間停止させ、その後は間欠運転することによって、局所的な過度の温度上昇などの不具合を抑制しながら、エンジンの暖機を可及的に促進することができるとともに、サーモスタット13の開弁による冷却水温の落ち込みも抑制して、冷機時の燃費及びエミッションを従来より一層、改善することができる。
特に、この実施形態では、エンジン水温の変化に応じて電動ポンプ9の間欠作動の周期を変更し、これにより、間欠的に流通する冷却水の流通時間の停止時間に対する比率を変更するようにしているので、冷却水の温度状態をきめ細かく且つ正確に調整して、前記水温上昇に起因する不具合の抑制とエンジンの急速暖機という相反する要求をより高い次元で両立することができる。
−暖機後の制御手順−
前記のようにエンジンの暖機が可及的に促進されて、冷間始動からちょうど第2設定時間T2が経過する頃にはウオータジャケット4,5の冷却水全体が約90°Cになり、エンジンの暖機が完了するが、この実施形態では暖機後も電動ポンプ9のパルス制御モードを継続する。そして、さらにエンジン水温が上昇して、水温センサ18による検出値がパルス制御モードの終了条件である所定値(この例では95°C)以上になると(時刻t3)、前記図5に示すフローのステップS5においてパルス制御モードの実行条件が不成立(NO)と判定し、ステップS8〜12に進んで電動ポンプ9を通常制御モードで作動させる。
具体的に、まず、ステップS8では、図3に示すような制御マップから電動ポンプ9の基本的な制御目標回転数を読み込み、続くステップS9において水温補正を行う。すなわち、例えば図10に模式的に示すようなテーブルからエンジン水温に応じて予め設定されている補正係数を読み込み、この水温補正係数を前記基本的な制御回転数に掛け合わせる。続いてステップS10では加速補正を行う。これは、例えば、5ミリ秒の間にアクセル開度が2%以上大きくなったときにエンジンの加速運転を判定し、それか所定時間の間はポンプ回転数を1.2倍に補正する、というものである。
続いて、ステップS11において、前記のように補正した電動ポンプ9の制御目標回転数を、予め設定した変換テーブルを参照して制御デューティ比に変換し、そうして求めたデューティ比が所定の上限値、下限値の範囲内にあることを続くステップS12において確認した後に、前記ステップS7に進む。そして、前記デューティ比に対応する制御信号により電動ポンプ9のモータに出力電圧を印加して、これを連続的に作動させ、しかる後にリターンする。
そのように制御デューティ比の変更によって、電動ポンプ9へ供給する電圧を略リニアに変更することができるので、その回転数をエンジンの負荷や回転数に応じてきめ細かく且つ高精度に制御することができる。
しかしながら、電動ポンプ9には、エンジンの高負荷運転時における多量の発熱に対応した最大流量を確保することが求められるので、これを如何に低回転で運転していても、例えばエンジンの低負荷運転が継続して発熱量が少ない一方で、外気温が低く冷却水の温度が下がりやすいときなどには、エンジンの温度状態が比較的低くなることがある。こうなると、その分、熱損失が大きくなってしまうので、このときには再びパルス制御モードを開始する。
すなわち、エンジンが比較的低負荷低回転の運転域にあって、且つ水温センサ18による検出値が93°C以下に低下すると、図5のフローのステップS5においてエンジン暖機後のパルス制御モードの実行条件が成立していると判定され、前記ステップS6,S7においてECU20により電動ポンプ9が間欠的に作動されるようになる。これにより、ウオータジャケット4,5の冷却水は一時的に間欠的に流通するようになり、その温度が速やかに上昇して、再び通常制御モードに復帰する。
このようにして、エンジンの暖機後もエンジンの負荷や回転数及びエンジン水温などに応じて電動ポンプ9を間欠作動させることにより、エンジン水温を従来よりも高い温度状態(例えば93°C以上)に維持して熱効率を高め、燃費を低減することができる。
前記図5のフローのステップS3,S4→S6,S7に示されるように、この実施形態のECU20(制御手段)は、エンジンの冷間始動後に第1設定時間T1が経過するまでの間は電動ポンプ9(流通可変手段)を停止状態に維持して、ウオータジャケット4,5における冷却水の流通を停止させ、さらに、始動から第2設定時間T2が経過するまで(冷機時)は、冷却水が間欠的に流通するように電動ポンプ9をパルス制御モードで運転するものである。
そのように電動ポンプ9がパルス制御モードで運転されているときに、エンジン水温の上昇に応じてサーモスタット13が開くことになるので、ECU20は、少なくとも、エンジン本体部1内のウオータジャケット4,5とラジエータ6との間で冷却水の流通が始まるときに、そのウオータジャケット4,5において冷却水が間欠的に流通するように電動ポンプ9を作動させるものでもある。
また、前記フローのステップS5→S6,S7に示されるように、ECU20は、暖機後もエンジン水温が所定の高温状態になるまでは電動ポンプ9を間欠的に作動させるものであり、さらに、図8のテーブルに示されるように、エンジン水温が高いときほど、ポンプ作動周期が短くなるように、即ち間欠的に流通する冷却水の流通時間の停止時間に対する比率が大きくなるように、電動ポンプ9を制御するものである。
したがって、上述した実施形態に係るエンジンの冷却装置Aによると、従来一般的なクランクシャフト駆動のウオータポンプに代えて電動ポンプ9を備え、この電動ポンプ9をエンジンの冷間始動後の第1設定時間T1は停止させて、シリンダブロック2やシリンダヘッド3内のウオータジャケット4,5における冷却水の流通を停止させることにより、エンジンからの放熱を極小化して、その暖機を最大限に促進することができる。
そして、前記第1設定時間T1の経過後は電動ポンプ9をパルス制御モードで運転して、前記ウオータジャケット4,5において冷却水を間欠的に流通させることによって、エンジンからの放熱を非常に少なくしながら、シリンダs1〜s4の周辺などでの局所的な温度上昇を抑制することができ、これにより、エンジンの暖機を促進することができる。
しかも、そのパルス制御モードでは、水温センサ18によるエンジン水温の検出値に基づいて間欠的な電動ポンプ9の作動周期を変更することで、ウオータジャケット4,5における冷却水の時間平均的な流通量を、局所的な温度上昇に因る不具合を抑制するために必要な最小量にまで絞ることができ、これにより、温度上昇に因る不具合の抑制とエンジンの急速暖機という相反する要求を極めて高い次元で両立することができる。
さらに、そのように電動ポンプ9がパルス制御モードで運転されているときに、サーモスタット13が開いて、ラジエータ6側から低温の冷却水の流通が始まるときにも、前記の如く電動ポンプ9をパルス制御モードで運転して、冷却水をウオータジャケット4に非常に少しずつ流入させることにより、当該ウオータジャケット4,5における冷却水温度の落ち込みを抑制し、燃焼悪化を防止して、エンジンの暖機を促進することができる。
加えて、この実施形態では、エンジンの暖機後も水温が所定値以下のときには冷却水を間欠的に流通させて、エンジンからの放熱を抑えるようにしており、これにより、エンジンを従来よりも高い温度状態に維持して熱効率を高め、燃費を低減することができる。
(他の実施形態)
本発明の構成は、前記実施形態のものに限定されず、それ以外の他の構成も包含する。すなわち、例えば前記実施形態においてはエンジンの冷間始動直後の所定期間(第1設定時間T1)はウオータジャケット4,5の冷却水の流通を停止させるようにしているが、これに限らず、始動直後から冷却水を間欠的に流通させるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、流通可変手段を電動ポンプ9により構成しているが、これに限らず、例えば、アッパホース7かロワホース8の途中に電気作動式の開閉弁を備えて、この開閉弁をECU20により開閉制御するようにしてもよい。その場合には、開閉弁をサーモスタット13の代わりに用いることもできる。
さらに、前記実施形態では、サーモスタット13をウオータジャケット4,5への冷却水の入口側に配設しているが、これに限らず、本発明は、サーモスタット13をウオータジャケット4,5からの冷却水の出口側に配設した場合でも、適用可能である。
また、前記実施形態では、本発明の冷却装置Aを直列4気筒エンジンに適用した場合について示しているが、エンジンの構成はそれに限定されるものではない。
以上、説明したように、本発明に係るエンジンの冷却装置Aは、冷機時の冷却水の流れ制御に特徴を有し、ウオータジャケットにおける局所的な温度上昇や冷却水の部分沸騰などを抑制しながら、エンジンの暖機を可及的に促進して、冷機時の燃費及びエミッションを改善できるものなので、特に運転・停止の繰り返しが多い自動車用エンジンなどに好適である。
本発明の実施形態1に係るエンジン冷却装置の概略構成を示す模式図である。 実施形態1における冷却水の流れを示す模式図である。 電動ポンプの回転数制御マップの一例を示す模式図である。 電動ポンプの間欠作動時に水温等が上昇する様子をポンプの連続作動時や停止時と対比して示すグラフ図である。 電動ポンプの制御手順を示すフローチャート図である。 冷間始動後の第1及び第2設定時間を始動時水温に対応付けて設定したテーブルの模式図である。 暖機後のパルス制御モードの実行条件として、エンジン回転数に応じてエンジン負荷の閾値を設定したテーブルの模式図である。 パルス制御モードにおける電動ポンプの作動周期及びデューティ比をエンジン水温に応じて設定したテーブルの模式図である。 冷間始動後の電動ポンプの作動状態とエンジン水温の上昇との関係を示すタイムチャート図である。 通常制御モードにおけるポンプ回転数の水温補正係数を設定したテーブルの模式図である。
符号の説明
A エンジン冷却装置
1 エンジン本体部
4,5 ウオータジャケット(冷却水通路)
7 アッパホース(連通路)
8 ロワホース(連通路)
9 電動ポンプ(流通可変手段)
10 バイパス通路
13 サーモスタット
15 バイパス流量調整弁(切替弁)
18 水温センサ(センサ)
20 エンジンコントロールユニット(ECU:制御手段)

Claims (7)

  1. エンジン本体内の冷却水通路における冷却水の流通状態を変更可能な流通可変手段を備え、エンジン冷機時に前記冷却水通路における冷却水温度の上昇に応じて、ラジエータとの間での冷却水の流通を開始するようにしたエンジンの冷却装置であって、
    少なくとも、前記冷却水通路とラジエータとの間で冷却水の流通が始まるときに、その冷却水通路において冷却水が間欠的に流通するように前記流通可変手段を作動させる制御手段を備えることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1に記載の冷却装置において、
    流通可変手段は、冷却水を流通させるための電動ポンプを備え、
    制御手段は、前記電動ポンプを間欠的に作動させるものであることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  3. 請求項2に記載の冷却装置において、
    制御手段は、エンジン本体内の冷却水通路とラジエータとの間で冷却水の流通が始まるときに、電動ポンプを、その間欠的な作動時間の停止時間に対する比率が1/10よりも小さくなるように制御するものであることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の冷却装置において、
    制御手段は、エンジン始動後の所定期間はエンジン本体内の冷却水通路における冷却水の流通が停止し、その所定期間の経過後は前記冷却水通路において冷却水が間欠的に流動するように流通可変手段を作動させるものであることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  5. 請求項4に記載の冷却装置において、
    制御手段は、エンジン暖機後もエンジン本体内の冷却水通路において冷却水温度が所定の高温状態になるまで冷却水が間欠的に流通し、その後は冷却水が連続的に流通するように流通可変手段を作動させるものであることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の冷却装置において、
    エンジン本体内の冷却水通路とラジエータ内の通路とを連通する連通路には、冷却水の温度変化に応じて機械的に開閉するサーモスタットが配設されていることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  7. 請求項1に記載の冷却装置において、
    流通可変手段は、エンジン本体内の冷却水通路とラジエータとの間の流路を開閉可能な電気作動式の開閉弁を備え、
    制御手段は、前記開閉弁の作動によって流路を開状態又は閉状態のいずれかに切替えるものであることを特徴とするエンジンの冷却装置。
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