JP2014122556A - エンジン冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの冷却制御をよりいっそう良好に行うことが可能な構成を提供すること。
【解決手段】エンジン冷却装置(40)は、冷却液通路(42)とポンプ(43)とポンプ制御部(45)とを備えている。ポンプは、電動式であって、正逆転の切換により流量可変であるとともに、正転時及び逆転時の双方にて間欠駆動可能に構成されている。ポンプ制御部は、ポンプの駆動を制御するようになっている。本発明の特徴は、冷却液ジャケット(16)を通流する冷却液の流量が最も低い最低流量領域にて、ポンプ制御部が、ポンプを逆転且つ間欠駆動することにある。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン冷却装置(40)は、冷却液通路(42)とポンプ(43)とポンプ制御部(45)とを備えている。ポンプは、電動式であって、正逆転の切換により流量可変であるとともに、正転時及び逆転時の双方にて間欠駆動可能に構成されている。ポンプ制御部は、ポンプの駆動を制御するようになっている。本発明の特徴は、冷却液ジャケット(16)を通流する冷却液の流量が最も低い最低流量領域にて、ポンプ制御部が、ポンプを逆転且つ間欠駆動することにある。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷却液の循環によりエンジンを冷却するように構成された、エンジン冷却装置に関する。
この種の装置において、冷却水を通流させるためのポンプとして電動式のものを用いたものが知られている(例えば特開2006−214281号公報等参照)。かかる従来の装置によれば、エンジンの暖機後であっても、冷却水温が比較的低いときには、電動ポンプを間欠駆動することで、エンジン本体の温度を高めに維持することが可能となる。
しかしながら、上述したような、従来のこの種の装置においては、諸々の点で依然として改善の余地があった。具体的には、例えば、電動ポンプの間欠駆動モードにおいてポンプ停止時間が比較的長い場合や、冷間始動において電動ポンプが比較的長時間停止された場合、冷却水温センサによる冷却水温の検出値と実際値(燃焼室近傍における真の冷却水温あるいはシリンダ壁温)との誤差が大きくなる。これにより、エンジン制御(燃料噴射等)に悪影響が生じ、ひいては燃費やエミッションが悪化するおそれがある。
この点に鑑みれば、冷間時等において、冷却水の通流状態につき、通流停止時間を可及的に短くしつつ極低流量に設定したい、という要求が生じ得る。しかしながら、従来のこの種の装置においては、かかる要求を実現することは困難であった。
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、エンジンの冷却制御をよりいっそう良好に行うことが可能な構成を提供するものである。
本発明の適用対象であるエンジンの本体部には、シリンダと冷却液ジャケットとが内部に形成されている。前記冷却液ジャケットは、冷却液が通流可能な空間であって、前記シリンダを囲むように設けられている。本発明のエンジン冷却装置は、前記冷却液の循環により前記エンジンを冷却するように構成されている。具体的には、本発明のエンジン冷却装置は、冷却液通路と、ポンプと、ポンプ制御部と、を備えている。
前記冷却液通路は、前記冷却液が通流する通路である。この冷却液通路は、前記冷却液ジャケットとの間で前記冷却液を授受するように、前記本体部に接続されている。前記ポンプは、前記冷却液通路に装着されている。このポンプは、電動式であって、正逆転の切換により流量可変に構成されている。すなわち、このポンプは、同一回転数にて、正転時よりも逆転時の方が低流量となるように構成されている。また、このポンプは、正転時及び逆転時の双方にて、間欠駆動可能に構成されている。前記ポンプ制御部は、前記ポンプの駆動を制御するようになっている。
本発明の特徴は、前記冷却液ジャケットを通流する前記冷却液の流量が最も低い最低流量領域にて、前記ポンプ制御部が、前記ポンプを逆転且つ間欠駆動するようになっていることにある。すなわち、例えば、前記ポンプ制御部は、前記ポンプの駆動状態を、前記冷却液ジャケットを通流する前記冷却液の流量が0から高い方に向かう順に、停止、逆転且つ間欠駆動、逆転且つ連続駆動、正転且つ間欠駆動、正転且つ連続駆動、に設定するようになっている。
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、変形例は、当該実施形態の説明中に挿入されると首尾一貫した一実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<実施形態の全体構成>
図1を参照すると、本実施形態においては、エンジンシステムSは、図示しない自動二輪車に搭載されている(なお、図1はエンジンシステムSの概略構成を説明するためのものであるので、図1においては図示が簡略化されている。このため、エンジン10に接続された各種配管類は、実際の車両搭載状態においては、適宜の形状に屈曲され得るものであることは、いうまでもない。)。
図1を参照すると、本実施形態においては、エンジンシステムSは、図示しない自動二輪車に搭載されている(なお、図1はエンジンシステムSの概略構成を説明するためのものであるので、図1においては図示が簡略化されている。このため、エンジン10に接続された各種配管類は、実際の車両搭載状態においては、適宜の形状に屈曲され得るものであることは、いうまでもない。)。
エンジン10の本体部を構成するエンジンブロック11の内部には、シリンダ12が形成されている。シリンダ12内には、ピストン13が往復移動可能に収容されている。ピストン13は、クランクシャフト14と、コンロッド15を介して連結されている。そして、シリンダ12の内側の空間における上端部であって、ピストン13がほぼ上死点近辺にあるときのピストン13よりも上側(上死点側)の部分によって、燃焼室CCが形成されている。
エンジンブロック11の内部には、本発明の「冷却液ジャケット」としてのウォータージャケット16が形成されている。ウォータージャケット16は、冷却液(以下「クーラント」と略称する:具体的には冷却水)が通流可能な空間であって、シリンダ12の側方(シリンダブロック側)及び上方(シリンダヘッド側)にてシリンダ12を囲むように設けられている。
エンジンブロック11の上部であるシリンダヘッドには、吸気ポート17a及び排気ポート17bが、シリンダ12と連通可能に形成されている。また、シリンダヘッドには、シリンダ12と吸気ポート17aとの連通状態を制御するための吸気バルブ18aと、シリンダ12と排気ポート17bとの連通状態を制御するための排気バルブ18bと、吸気バルブ18a及び排気バルブ18bを所定のタイミングで開閉動作させるためのバルブ駆動機構19と、が設けられている。
エンジンブロック11の吸気ポート17aには、吸気管31が接続されている。吸気管31の吸気通流方向における最上流部には、エアクリーナ32が装着されている。また、吸気管31には、シリンダ12内への吸入空気量を調整する手段としてのスロットルバルブ33が設けられている。このスロットルバルブ33は、DCモータ等のスロットルアクチュエータ34によって開度調節されるようになっている。
また、エンジンシステムSには、インジェクタ35と、点火装置36と、が設けられている。インジェクタ35は、シリンダ12内に供給するための燃料を噴射するように構成されていて、本実施形態においては、吸気ポート17a内に向けて燃料を噴射するように、吸気管31におけるエンジンブロック11との接続部近傍に装着されている。点火装置36は、エンジンブロック11におけるシリンダヘッドに装着された点火プラグ等を有している。この点火装置36は、燃料混合気を着火するための火花放電を所定タイミングでシリンダ12(燃焼室CC)内にて発生させるようになっている。
エンジンブロック11の排気ポート17bには、排気管37が接続されている。排気管37には、排気中のCO,HC,NOx等を浄化するための触媒38が装着されている。
<エンジン冷却装置>
エンジン10には、エンジン冷却装置40が接続されている。このエンジン冷却装置40は、クーラントをエンジンブロック11とラジエータ41との間で循環することにより、エンジン10を冷却するように構成されている。以下、エンジン冷却装置40の構成について詳述する。
エンジン10には、エンジン冷却装置40が接続されている。このエンジン冷却装置40は、クーラントをエンジンブロック11とラジエータ41との間で循環することにより、エンジン10を冷却するように構成されている。以下、エンジン冷却装置40の構成について詳述する。
ラジエータ41は、クーラントと外気との熱交換により、クーラントを冷却するように構成されている。エンジン10とラジエータ41とは、クーラント配管42を介して接続されている。本発明の「冷却液通路」としてのクーラント配管42は、クーラントが通流する通路であって、ウォータージャケット16との間でクーラントを授受するようにエンジンブロック11に接続されている。クーラント配管42には、電動ポンプ43が装着されている。
本実施形態のエンジン冷却装置40は、「サーモスタットレス」あるいは「バイパスレス」構造を有している。すなわち、本実施形態においては、クーラント配管42は、ラジエータ41を迂回するバイパス経路のない一本の「閉ループ回路」を構成することで、電動ポンプ43の駆動中はクーラントがラジエータ41に常時流入するように形成されている。具体的には、クーラント配管42のクーラント通流方向における上流側の端部は、エンジンブロック11におけるクーラント出口に接続されている。また、クーラント配管42のクーラント通流方向における下流側の端部は、エンジンブロック11におけるクーラント入口に接続されている。
電動ポンプ43は、遠心ポンプ本体43aと、これを駆動するブラシレスモータ43bと、を備えている。遠心ポンプ本体43aは、渦巻状の羽根車を内蔵する遠心式ポンプであって、羽根車回転方向の正逆転の切換により、クーラントの通流方向を逆転させることなく流量可変に構成されている。すなわち、遠心ポンプ本体43aは、正転時と逆転時とでクーラントの通流方向が同一となるとともに、同一回転数にて正転時よりも逆転時の方が低流量となるように構成されている(かかる遠心ポンプ本体43aそれ自体は周知であるので、その構成の詳細については、本明細書では説明を省略する。)。ブラシレスモータ43bは、三相ブラシレスモータ(これには回転位相を検出するセンサは設けられていない)であって、PWM駆動信号の入力によって、正転時及び逆転時の双方にて連続駆動及び間欠駆動が可能に構成されている(電動ポンプ43の間欠駆動については、本出願の時点ですでに周知であって、例えば、特開2006−214279号公報、特開2006−214281号公報、等参照。)。
上述の通り、エンジン冷却装置40は、クーラント循環経路(本発明の「冷却液循環経路」に対応するものであって、ウォータージャケット16とクーラント配管42とラジエータ41とを含む。)中に設けられた電動ポンプ43の駆動状態に応じて、所定の一方向(クーラント通流方向:図中矢印参照)にクーラントを通流させつつ、ウォータージャケット16及びラジエータ41内におけるクーラントの通流状態(通流のオン/オフと、通流オンの場合の流量と、を含む。)を制御可能に構成されている。
ラジエータ41と対向するように、冷却ファン44が配置されている。冷却ファン44は、クランクシャフト14の回転に伴って回転駆動されるように、図示しない動力伝達機構を介してクランクシャフト14と連結されている。
本発明の「ポンプ制御部」に対応する制御部45は、各種のセンサ類(主要なものは後述する)やスイッチ類等からの入力に応じて、エンジンシステムSの各部(バルブ駆動機構19、スロットルアクチュエータ34、インジェクタ35、点火装置36、電動ポンプ43、等。)の駆動を制御するように構成されている。以下、制御部45の構成の詳細について説明する。
制御部45は、ECU50を備えている。ECU50は、CPU、ROM、RAM、及び通電時に書き換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)等よりなるマイクロコンピュータと、このマイクロコンピュータとECU50の外部との間に設けられたインターフェースと、を備えている。マイクロコンピュータは、上述したエンジンシステムSの各部や上述のセンサ類等と、インターフェースを介して信号授受可能に接続されている。そして、ECU50は、CPUにて、ROMに予め記憶された各種の制御プログラム(ルーチン)を、ROMや不揮発性メモリに記憶されたマップ(ルックアップテーブル)等の各種データを参照しつつ実行することで、上述したエンジンシステムSの各部の駆動を制御するための駆動制御信号を(インターフェースを介して)出力するようになっている。
エンジンシステムSには、エアフローメータ52と、吸気温センサ53と、スロットル開度センサ54と、アクセルポジションセンサ55と、クランク角センサ56と、冷却水温センサ57と、空燃比センサ58と、が設けられている。
エアフローメータ52は、吸入空気量GA(吸気管31を通流してシリンダ12内に導入される吸入空気の質量流量)に対応する出力を生じるセンサであって、エアクリーナ32とスロットルバルブ33との間の位置にて吸気管31に装着されている。本発明の「第二温度取得部」に相当する吸気温センサ53は、クーラント循環経路の外側の空気である、吸気管31内を通流する吸入空気の温度(エンジン吸気温Ta)に対応する出力を生じるように構成されている。なお、本実施形態においては、この吸気温センサ53は、エアフローメータ52に内蔵されている。すなわち、吸気温センサ53は、本発明の「経路周囲気温」としての、吸気管31を通流する吸入空気の温度(この吸入空気は、後述するように、吸気管31の内部に存在し、且つクーラント循環経路からの放熱を受けているため、通常は外気温より高温である。)を取得(検出)するように設けられている。
スロットル開度センサ54は、スロットルバルブ33の開度(スロットル開度THA)に対応する出力を生じるセンサであって、スロットルアクチュエータ34に内蔵されている。アクセルポジションセンサ55は、図示しないアクセルの操作量(アクセル操作量ACCP)に対応する出力を生じるように構成されている。クランク角センサ56は、エンジン回転速度Neの算出に用いられる信号、具体的には、クランクシャフト14が10度回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに当該クランクシャフト14が360度回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するように、エンジンブロック11に装着されている。
本発明の「第一温度取得部」に相当する冷却水温センサ57は、エンジン冷却装置40にて循環するクーラントの温度である冷却水温Twに対応する出力を生じるセンサであって、クーラント循環経路中に設けられている。具体的には、冷却水温センサ57は、エンジンブロック11におけるクーラント出口でのクーラント温度に対応する出力を生じるように、当該クーラント出口付近の位置(クーラントからエンジンブロック11の壁材を経て直接外気に放出される熱量の影響が可及的に小さい位置:本発明の「温度取得位置」に相当する)に装着されている。すなわち、冷却水温センサ57は、シリンダ12の頂部に最も近接する位置でのクーラント(本発明の「温度推定対象」に相当する)の温度の推定のために、当該位置よりもクーラント通流方向における下流側で且つ可及的に当該位置に近い温度取得位置にて、冷却水温Twを取得(検出)するように設けられている。
空燃比センサ58は、通流する排気中の酸素濃度に対応する出力を生じるセンサであって、排気通流方向における触媒38よりも上流側の位置にて、排気管37に装着されている。
図2には、上述の制御プログラムの実行によりECU50にて実現(構築)される機能ブロックが示されている。図2に示されているように、ECU50は、温度推定部501と、指令流量設定部502と、駆動信号出力部503と、を備えている。
温度推定部501は、冷却水温Twと、エンジン吸気温Taと、所定の熱移動モデルと、に基づいて、エンジン内温Tc(上述の温度推定対象の温度)を推定するようになっている。ここで、「熱移動モデル」は、上述の温度推定対象から、その下流側のクーラントを経て、クーラント循環経路の外側の空気(吸入空気)に至る熱移動を、冷却水温Tw及びエンジン吸気温Taをパラメータとしてモデル化したものである。この熱移動モデルの詳細については後述する。また、本実施形態においては、温度推定部501は、エンジン内温Tcの推定に、電動ポンプ43の駆動状態すなわちクーラントの通流状態(具体的には後述する指令流量Qd)を反映させるようになっている。
ECU50は、温度推定部501によって推定されたエンジン内温Tcと、エンジン10の負荷状態と、に基づいて、電動ポンプ43の駆動を制御するようになっている。すなわち、ECU50は、エンジン10の冷間時(冷間始動時点及びその直後の所定時間内)には電動ポンプ43を停止させる一方、その後はエンジン内温Tc等に基づいて設定されたクーラントの流量に応じて電動ポンプ43を正転又は逆転にて連続駆動又は間欠駆動するようになっている。特に、本実施形態においては、ECU50は、冷間時(暖機中)であって電動ポンプ43の停止中に、エンジン負荷が閾値を超えた場合には、電動ポンプ43を、暖機性を可及的に悪化させない程度の極低流量域(後述の最低流量領域)にて駆動するようになっている。
具体的には、ECU50は、ウォータージャケット16を通流するクーラントの流量が最低流量Qmin(後述)近辺の最低流量領域にて、電動ポンプ43を、逆転且つ間欠駆動するようになっている。また、ECU50は、電動ポンプ43の駆動状態を、ウォータージャケット16を通流するクーラントの流量が0から高い方に向かう順に、停止、逆転且つ間欠駆動、逆転且つ連続駆動、正転且つ間欠駆動、正転且つ連続駆動、に設定するようになっている。
指令流量設定部502は、スロットル開度センサ54の出力に基づいて取得されたスロットル開度THAと、クランク角センサ56の出力に基づいて取得されたエンジン回転速度Neと、温度推定部501によって推定されたエンジン内温Tcと、に基づいて、指令流量Qd(電動ポンプ43の駆動によってクーラント循環経路内に形成されるクーラントの流れにおけるクーラントの質量流量:目標値)を設定するようになっている。また、指令流量設定部502は、設定した指令流量Qdを、温度推定部501と駆動信号出力部503とに向けて出力するようになっている。
駆動信号出力部503は、入力された指令流量Qdに応じて、これを実現するための電動ポンプ43の駆動制御信号(PWM駆動信号)を上述の態様(流量が0から高い方に向かう順に、停止、逆転且つ間欠駆動、逆転且つ連続駆動、正転且つ間欠駆動、正転且つ連続駆動)で生成するようになっている。また、駆動信号出力部503は、生成した駆動制御信号を、電動ポンプ43に向けて出力するようになっている。
<動作説明>
以下、本実施形態の構成の動作について説明する。
以下、本実施形態の構成の動作について説明する。
温度推定部501は、冷却水温センサ57の出力に基づいて取得された冷却水温Twと、吸気温センサ53の出力に基づいて取得されたエンジン吸気温Taと、所定の熱移動モデルと、に基づいて、エンジン内温Tcを推定する。ここで、熱移動モデルは、温度推定対象(シリンダ12の頂部に最も近接する位置でのクーラント:エンジン内温Tc)から、その下流側のクーラント(温度取得位置:冷却水温Tw)を経て、クーラント循環経路の外側の空気(吸入空気:エンジン吸気温Ta)に至る熱移動を、冷却水温Tw及びエンジン吸気温Taをパラメータとして、一般的な熱移動モデルを用いてモデル化したものである。
具体的には、冷却水温Tw及びエンジン吸気温Taのサンプリングを所定時間Δt(例えば16msec)毎に行うものとし、ある時点t(k)における冷却水温Tw及びエンジン吸気温TaをそれぞれTw(k)及びTa(k)と表し、時点t(k)の次のサンプリングタイミングである時点t(k)+Δtを時点t(k+1)と表し、時点t(k)の直前のサンプリングタイミングである時点t(k)−Δtを時点t(k−1)と表すと、エンジン内温Tcの推定値は、以下の式1を用いて算出される。
Tc(k+1)
= Tw(k)
+α1・(Tw(k)−Tw(k−1))
+α2・(Ta(k)+Tw(k)) ・・・(式1)
Tc(k+1)
= Tw(k)
+α1・(Tw(k)−Tw(k−1))
+α2・(Ta(k)+Tw(k)) ・・・(式1)
上記の式1におけるα1及びα2は、電動ポンプ43の停止時(すなわち指令流量Qd=0)にて、熱透過率をKxy、熱移動に関与する媒体における熱流と直交する断面積をAxyとすると(xyについては、温度推定対象から温度取得位置に向かう熱移動をcw、温度取得位置から吸入空気に向かう熱移動をwa、と表す。)、以下のように表すことができる。
α1=Cw/(Acw・Kcw) ・・・(式2)
α2=Awa・Kwa/(Acw・Kcw)・・・(式3)
(上記式2中、Cwはクーラントの熱容量)
α1=Cw/(Acw・Kcw) ・・・(式2)
α2=Awa・Kwa/(Acw・Kcw)・・・(式3)
(上記式2中、Cwはクーラントの熱容量)
上記のα1及びα2は、冷却水温Twとエンジン吸気温Taとの2つのパラメータを用いて適合実験を行うことでマップ化され得る。但し、α1及びα2は、電動ポンプ43が動作中である場合、クーラントの通流状態すなわち電動ポンプ43の駆動状態に応じて変化する。そこで、α1及びα2は、冷却水温Tw、エンジン吸気温Ta、及び指令流量Qdの3つのパラメータを用いて適合実験を行った結果得られるマップ(図3参照)を用いて決定される。
制御部45は、上述のセンサ類等の出力や温度推定部501によって推定されたエンジン内温Tcに基づいて取得された、エンジン10の運転状態(暖機状態)に応じて、電動ポンプ43を含むエンジン10の各部の動作を制御する。以下、電動ポンプ43の駆動制御について詳述する。
指令流量設定部502は、温度推定部501によって推定されたエンジン内温Tcに基づいて、図4の冷間時マップと図5の暖機後マップとのうちのいずれを用いるかを選択する。すなわち、指令流量設定部502は、推定されたエンジン内温Tcが所定の閾値(例えば95℃)以下である場合は図4の冷間時マップを選択し、閾値を超えた場合は図5の暖機後マップを選択する。そして、指令流量設定部502は、選択されたマップMapQd(THA,Ne)と、スロットル開度センサ54の出力に基づいて取得されたスロットル開度THAと、クランク角センサ56の出力に基づいて取得されたエンジン回転速度Neと、に基づいて、指令流量Qdを設定する。
冷間時においては、図4に示されているように、スロットル開度THA又はエンジン回転速度Neが所定の閾値(図中太線参照)を超えない場合は、電動ポンプ43は停止される(指令流量Qd=0)。これに対し、スロットル開度THA又はエンジン回転速度Neが閾値を超えた場合は、指令流量Qdを極低流量に設定する。
ここで、図中「Qd01」は、最低流量Qminに相当するものである。この最低流量Qmin(=Qd01)は、電動ポンプ43によって安定的に実現可能な(すなわちブラシレスモータ43bにおける脱調が生じない)範囲で、エンジン内温Tcの推定誤差を可及的に小さくしつつ暖機性を可及的に悪化させない程度の、クーラントの最低流量である。この最低流量Qminは、電動ポンプ43を逆転駆動且つ間欠駆動することによって実現される(但し、これは、電動ポンプ43の逆転時における定格の最低流量と必ずしも一致するとは限らない。)。また、図中「Qd1」は、上述の最低流量領域(逆転駆動且つ間欠駆動の領域)にて、間欠駆動の条件を適宜調整することで、最低流量Qminよりも若干高くした流量(本実施形態においては所定の一定値)である。
暖機後においては、図5に示されているように、電動ポンプ43が、スロットル開度THAとエンジン回転速度Neとに応じて設定された指令流量Qdにて駆動される。ここで、図5における最低流量領域に位置する流量(領域)Qd1は、図4と同様である。よって、本実施形態では、図5のマップにおいては、領域Qd1の内側は指令流量Qdが一定値であり、領域Qd1とその外側との境界線から外側に向かうに従って指令流量Qdがほぼ連続的に増加するものとする。すなわち、図5のマップは、立体的に表すとすると、平坦な窪地である領域Qd1から外側に向かうに従って標高がほぼ連続的に高くなるような形状となるものとする。
図5における最高流量領域Qd4に含まれる指令流量Qdは、電動ポンプ43を正転駆動且つ連続駆動することによって実現される。Qd1とQd4との間の流量領域を二分した流量領域Qd2及びQd3における低流量側の流量領域Qd2に含まれる指令流量Qdは、電動ポンプ43を逆転駆動且つ連続駆動することによって実現される。一方、流量領域Qd3に含まれる指令流量Qdは、電動ポンプ43を正転駆動且つ間欠駆動することによって実現される。なお、上述したように、図5における流量領域Qd1、並びに図4における流量(領域)Qd01及びQd1は、電動ポンプ43を逆転駆動且つ間欠駆動することによって実現される。以上のような、流量(領域)に応じた電動ポンプ43の駆動態様をまとめたものが図6である。
指令流量設定部502から出力された指令流量Qdは、駆動信号出力部503に入力される。駆動信号出力部503は、入力された指令流量Qdに応じてPWM駆動信号を、上述のマップに基づいて生成して、この信号を電動ポンプ43に向けて出力する。また、指令流量設定部502から出力された指令流量Qdは、温度推定部501にも入力(フィードバック)される。温度推定部501においては、入力された指令流量Qdが、エンジン内温Tcの推定に反映される。すなわち、実質的に、指令流量Qdによるエンジン内温Tcの補正が行われる。
<作用・効果>
以下、本実施形態の構成により奏される作用・効果について説明する。
以下、本実施形態の構成により奏される作用・効果について説明する。
本実施形態においては、電動ポンプ43の駆動中はクーラントがラジエータ41に常時流入するように、クーラント循環経路が構成されている。すなわち、本実施形態においては、エンジンブロック11とラジエータ41との間でクーラントを循環させる一本の閉ループ的なクーラント循環経路中に、連続駆動及び間欠駆動並びに適宜停止可能な電動ポンプ43が設けられている。これにより、ラジエータ41へのクーラントの流入状態を切り換えるためのサーモスタット等の切換バルブやバイパス流路を設けることなく、ウォータージャケット16及びラジエータ41内におけるクーラントの通流状態(通流のオン/オフのみならず通流オンの場合の流量)が、エンジン10の運転状態(暖機状態)に応じて良好に制御可能となる。
本実施形態においては、電動ポンプ43は、冷間時には停止される。これにより、エンジン10の暖機が早期に完了し、運転効率(燃費)の向上やエミッション低減が図られる。特に、上述のように、クランクシャフト14にて直接(常時)駆動される冷却ファン44によってラジエータ41が強制的に冷却される車両構成において、冷間時における良好な暖機性能が実現される。
一方、エンジン10の暖機後は、運転状態に応じて、電動ポンプ43が駆動される。このとき、電動ポンプ43は、図5に示されているように、エンジン10の運転状態に基づいて設定された指令流量Qd=MapQd(THA,Ne)に応じて、PWM駆動信号により連続駆動又は間欠駆動される。特に、電動ポンプ43を間欠駆動することで、暖機後のエンジン内温Tcを運転に支障のない範囲内で高めに制御して、運転効率(燃費)を高めることができる。
なお、周知の通り、「連続駆動」時には、PWM駆動信号において通電パルスが一定周期で発生しており、パルス幅を変更することで流量が制御される。一方、「間欠駆動」時には、パルス幅が所定値(例えば最小)に設定されつつ、上述の連続駆動時における通電パルスを適宜「間引く」ことによって、すなわち、間欠駆動周期を適宜設定することによって、流量が制御される。
但し、冷間始動後の暖機運転中であっても、エンジン負荷が高いときや加速過渡時においては、電動ポンプ43の停止によりクーラントの通流が停止すると、熱移動の遅れやセンサ遅れにより、冷却水温Twの取得値(検出値)と実際のエンジン内温Tcとの偏差が大きくなり、これによりエンジン内温Tcの推定誤差も大きくなる。そこで、本実施形態においては、図4のマップに示されているように、冷間始動後の暖機運転中であっても、高負荷又は高回転の領域にて、極低流量ながらも電動ポンプ43を間欠駆動する。これにより、暖機性能と温度の取得あるいは推定精度との両立が図られる。
本実施形態においては、電動ポンプ43は、遠心ポンプ本体43aにおける羽根車の回転方向(正転/逆転)と、ブラシレスモータ43bの駆動態様(間欠駆動/連続駆動)と、を組み合わせることで、極低流量の最低流量Qminから最高流量Qmaxまでの間の幅広い流量を、安定的に実現可能である。すなわち、この電動ポンプ43は、流量に関して幅広いダイナミックレンジを有している。特に、逆転駆動と間欠駆動とを組み合わせることで、冷却水温センサ57の出力に基づいて取得された冷却水温Twと実際の温度推定対象の温度との誤差、ひいてはエンジン内温Tcの推定誤差を可及的に小さくするための、暖機性を可及的に悪化させない程度の最低流量領域の駆動を、安定的に実現することが可能となる。また、電動ポンプ43の正逆転にかかわらず、クーラントの通流方向が一定であるため、電動ポンプ43の正逆転の切り換えによって温度推定精度に悪影響が及ぼされる懸念が小さい。
本実施形態においては、電動ポンプ43を駆動するためのブラシレスモータ43bは、回転位相を検出するセンサを用いずに駆動される(センサレス駆動)。これにより、装置コストのよりいっそうの低減が図られる。
ここで、周知の通り、センサレス駆動においては、起動時に、ロータの位置決めのための比較的大きな突入電流が必要となる。このため、センサレスでの間欠駆動によって低流量(特に上述のような極低流量の最低流量領域)を実現する際には、駆動周期(通電パルスの周期)を短く設定すると、単位時間あたりの突入電流の通流回数が多くなって消費電力が増大する。一方、駆動周期を長くすると、ポンプ停止時間が長くなって冷却水温Twの取得値(検出値)と実際のエンジン内温Tcとの偏差が大きくなり、これによりエンジン内温Tcの推定誤差も大きくなる。この点、本実施形態によれば、上述のような低流量を実現するために、電動ポンプ43の正転/逆転と間欠駆動とが適宜組み合わせて用いられる。これにより、脱調の懸念の小さい良好な駆動と消費電力の低減とを両立させつつ、低流量が良好に実現される。
本実施形態においては、エンジン内温Tcは、温度推定対象に流入する熱量を考慮しない熱移動モデルを用いて推定される。すなわち、この熱移動モデルは、温度推定対象(シリンダ12の頂部に最も近接する位置でのクーラント:エンジン内温Tc)から、その下流側のクーラント(温度取得位置:冷却水温Tw)を経て、クーラント循環経路の外側の空気(吸入空気:エンジン吸気温Ta)に至る熱移動を、冷却水温Tw及びエンジン吸気温Taをパラメータとしてモデル化したものである。
ここで、熱移動モデルに用いられる冷却水温Twは、温度推定対象よりもクーラント通流方向における下流側の、すなわち、温度推定対象からの熱移動(放熱)を受けた、クーラントの温度である。また、冷却水温Twを取得するための冷却水温センサ57の設置位置は、クーラントからエンジンブロック11の壁材を経て直接外気に放出される熱量の影響が可及的に抑制された位置である。さらに、熱移動モデルに用いられるエンジン吸気温Taは、クーラント循環経路(すなわちクーラント循環経路内のクーラント)からの放熱を受けた空気の温度である。よって、これらのパラメータと上述の熱移動モデルとを用いることで、エンジン内温Tcが良好な精度で推定される。
ところで、エンジン10の内部の温度推定対象の温度を推定する手法については、すでに公知のものが存在する(例えば、特許第2666366号公報、特許第2816440号公報、特開2006−342680号公報、等参照。)。しかしながら、これらの従来の手法は、熱源である燃焼室CC内の燃焼ガスから温度推定対象を経てクーラントに至る熱移動に基づいて、温度推定対象の温度を推定するものである点で、本実施形態(本発明)の手法とは大きく異なる。
すなわち、上述した従来の手法においては、温度推定対象に流入する熱量と、温度推定対象から流出する熱量と、の双方を考慮しているため、熱源温度が必要となる。この点、熱源温度を所定の一定値(例えば200℃)とした場合は、推定誤差が大きくなる。一方、熱源温度を、センサ類の出力に基づいて取得(検出)される運転状態パラメータ(エンジン回転速度Ne、負荷、等。)を用いて推定した場合は、良好な推定精度が得られるものの、適合に用いられるパラメータが多くなり、適合工数が増大する。また、温度推定の際の計算負荷も増大する。この点、本実施形態(本発明)の手法は、熱源温度を必要としない。よって、本実施形態(本発明)の手法によれば、適合に用いられるパラメータを比較的少ない数に抑え、且つ計算負荷を可及的に軽減しつつ、精度良い温度推定を行うことが可能となる。
図7は、エンジン内温Tcの推定精度の確認実験の結果を示している。この実験にあたっては、エンジン内温Tcの実測値を検出するための温度センサを追加した実験用のエンジン10を、外気温25℃にて、所定条件で運転した。図中、横軸は時間経過を示し、実線はエンジン内温Tcの推定値、破線は同Tcの実測値、一点鎖線は冷却水温センサ57による冷却水温Twの検出値、をそれぞれ示す。なお、上記「所定条件」は、市街地における通常走行相当:WMTC(the World-wide Motorcycle Test Cycle)における「パート3」の試験サイクルに相当するものである。
図7の結果から明らかなように、電動ポンプ43を停止させた場合、実際のエンジン内温Tc(実測値)と、冷却水温センサ57による冷却水温Twの検出値と、の間に、相当な乖離が生じている。これは、電動ポンプ43の停止すなわちクーラント通流停止によって、ウォータージャケット16の上部(温度推定対象近辺)に熱がこもることで生じるものある。この点、電動ポンプ43を極低流量域にて間欠駆動することで、暖機性を損ねることなく推定精度が向上する。
<変形例>
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部分に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が適宜援用され得るものとする。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、上述の実施形態の一部、及び、複数の変形例の全部又は一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部分に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が適宜援用され得るものとする。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、上述の実施形態の一部、及び、複数の変形例の全部又は一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明は、上述した具体的な装置構成に限定されない。例えば、クーラント循環経路には、ヒータコアやEGRクーラ等が適宜装着され得る。この場合は、ヒータコアやEGRクーラへのクーラントの通流状態を制御するための切換バルブ(サーモスタット等)や分岐管が別途設けられ得る(この場合、エンジンブロック11、クーラント配管42、電動ポンプ43、及びラジエータ41からなるクーラントの流路は、「メイン流路」とも称され得る。)。本発明は、このような場合にも好適に適用され得る。
本発明は、上述した具体的な動作態様に限定されない。例えば、図4における流量Qd1は、所定の一定値ではなく、スロットル開度THAとエンジン回転速度Neとに基づいてマップにより設定される値であってもよい。
エンジン内温Tcは、燃焼室CCに面するシリンダ壁(シリンダ12の上部すなわち燃焼室CCに面する壁材)の温度であってもよい。また、マップを用いて設定された指令流量Qdに対して、適宜、過渡補正(スロットル開度THAの変化量等に基づく)や水温補正(エンジン内温Tcに基づく)が行われてもよい。また、スロットル開度THAに代えて、吸入空気量GAやアクセル操作量ACCPを用いることが可能である(この場合、図2の機能ブロック図も適宜変更される。)。
熱移動モデルの式は、上記の式1に限定されない。例えば、上記式1における2項目の「なまし」処理部分は、他の処理に適宜変更され得る。また、α1及びα2は、以下のように設定されてもよい。
・電動ポンプ43の停止時:適合値(冷却水温Tw及びエンジン吸気温Taをパラメータとするマップより取得)
・電動ポンプ43の駆動時:α1及びα2はともに0
・電動ポンプ43の停止時:適合値(冷却水温Tw及びエンジン吸気温Taをパラメータとするマップより取得)
・電動ポンプ43の駆動時:α1及びα2はともに0
10…エンジン、11…本体部、12…シリンダ、16…ウォータージャケット、42…クーラント配管、43…電動ポンプ、45…制御部
Claims (5)
- シリンダ(12)及びこのシリンダを囲む冷却液ジャケット(16)が内部に形成された本体部(11)を備えたエンジン(10)を、冷却液の循環により冷却するように構成された、エンジン冷却装置(40)であって、
前記冷却液が通流する通路であって、前記冷却液ジャケットとの間で前記冷却液を授受するように前記本体部に接続された、冷却液通路(42)と、
前記冷却液通路に装着されていて、同一回転数にて正転時よりも逆転時の方が低流量となるように正逆転の切換により流量可変で且つ正転時及び逆転時の双方にて間欠駆動可能に構成された、電動式のポンプ(43)と、
前記ポンプの駆動を制御する、ポンプ制御部(45)と、
を備え、
前記ポンプ制御部は、前記冷却液ジャケットを通流する前記冷却液の流量が最も低い最低流量領域にて、前記ポンプを、逆転且つ間欠駆動することを特徴とする、エンジン冷却装置。 - 請求項1に記載のエンジン冷却装置であって、
前記ポンプ制御部は、前記ポンプの駆動状態を、前記冷却液ジャケットを通流する前記冷却液の流量が0から高い方に向かう順に、停止、逆転且つ間欠駆動、逆転且つ連続駆動、正転且つ間欠駆動、正転且つ連続駆動、に設定することを特徴とする、エンジン冷却装置。 - 請求項1又は2に記載のエンジン冷却装置であって、
前記ポンプ制御部は、前記ポンプの駆動状態を、前記冷却液の温度であるクーラント温度に基づいて設定することを特徴とする、エンジン冷却装置。 - 請求項3に記載のエンジン冷却装置であって、
前記ポンプは、正転時と逆転時とで前記冷却液の通流方向が同一となるように構成され、
前記ポンプ制御部は、
前記本体部の内部の所定の温度推定対象よりも前記通流方向における下流側の温度取得位置にて前記クーラント温度を取得するために、前記冷却液通路及び前記冷却液ジャケットを含む冷却液循環経路に設けられた、第一温度取得部(57)と、
前記冷却液循環経路からの放熱を受けた、当該冷却液循環経路の外側の空気の温度である、経路周囲気温を取得するために、前記エンジンに装着された、第二温度取得部(53)と、
前記温度推定対象から前記冷却液を経て前記冷却液循環経路の外側の空気に至る熱移動をモデル化した熱移動モデルと、この熱移動モデルにおけるパラメータである前記クーラント温度及び前記経路周囲気温と、に基づいて、前記温度推定対象の温度を推定する、温度推定部(501)と、
を備えたことを特徴とする、エンジン冷却装置。 - 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のエンジン冷却装置であって、
前記冷却液通路には、前記冷却液と外気との熱交換により当該冷却液を冷却するラジエータ(41)が装着されていて、
前記冷却液通路は、前記ポンプの駆動中、前記冷却液が前記ラジエータに常時流入するように構成されたことを特徴とする、エンジン冷却装置。
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-
2012
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