JP2010096042A - エンジン冷却装置 - Google Patents

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紘明 武石
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Abstract

【課題】エンジン冷却水温が目標温度となるように冷却ファンと電動ウォータポンプを制御する際に、冷却ファンと電動ウォータポンプとで消費される合計の消費電力を極力抑制する。
【解決手段】ラジエータ22で放熱させようとする目標放熱量を算出し、冷却ファン26の冷却風によって得られるラジエータ22の放熱量と、電動ウォータポンプ25の駆動によるエンジン冷却水の循環によって得られるラジエータ22の放熱量との合計値が目標放熱量となるようにし、且つ、冷却ファン26と電動ウォータポンプ25とで消費される合計の消費電力が小さくなるように、冷却ファン26と電動ウォータポンプ25を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンを冷却するエンジン冷却装置に関するものである。
従来より、車両の動力源として利用されるエンジンの効率を向上させるため、運転状態
に応じてエンジン冷却水の水温を制御するエンジン冷却装置が多数知られている。例えば、特許文献1には、運転状態が低負荷運転時にはエンジン冷却水温を高く維持することで摩擦による損失を少なくし燃費を向上させると共に、高負荷運転時にはエンジン冷却水温を低く維持するように制御することでエンジンのノッキングを防止するようにした技術が開示されている。
また、特許文献2には、エンジンの冷却水温を所定温度に変化させた場合のエンジンの効率向上分と電動式のウォータポンプと冷却ファンとの駆動による効率損失分とを算出して、全体のエネルギー効率が向上するようにエンジン冷却水の目標温度を設定する技術が開示されている。
特開平10−288138号公報 特開2004−204708号公報
ところで、ラジエータの放熱量は、該ラジエータに循環するエンジン冷却水の流量と冷却ファンの冷却風量とにより決まり、冷却水流量が多くなるほど、また、冷却風量が多くなるほど、ラジエータでの放熱量が多くなるという関係がある。この関係に基づきエンジン冷却水温を目標温度に制御するのに必要な放熱量を確保する電動式のウォータポンプの制御量(冷却水流量)と冷却ファンの制御量(冷却風量)との組み合わせは無数に存在することになるが、これら組み合わせが変われば、両者の合計の消費電力も変化することになる。
しかしながら、上記特許文献では、電動式のウォータポンプの制御量(冷却水流量)と冷却ファンの制御量(冷却風量)との組み合わせによる合計の消費電力の変化については全く考慮されていなかった。このため、例えば、特許文献2では、電動式のウォータポンプと冷却ファンとによる合計の消費電力が大きくなるようにそれぞれ駆動させてしまい、結果として、水温制御によるエネルギー効率向上の効果を目減りさせる虞れがある。
そこで、本発明は、エンジン冷却水温を目標温度に制御する際に、電動式のウォータポンプと冷却ファンとで消費される合計の消費電力を極力抑えることが可能なエンジン冷却装置を提案することにある。
そこで、請求項1に係る発明では、エンジンの冷却水を循環させる冷却水循環回路に設けられたラジエータと、ラジエータを冷却する風量を調整する冷却風量調整手段と、ラジエータに循環する前記冷却水の流量を調整する冷却水流量調整手段と、冷却水の水温が目標水温となるように冷却風量調整手段と冷却水流量調整手段とを制御する水温制御手段とを備えたエンジン冷却装置において、冷却風量調整手段による冷却風によって得られる前記ラジエータの放熱量と冷却水流量調整手段による冷却水の循環によって得られる前記ラジエータの放熱量との合計値が目標放熱量となるようにし、且つ、冷却風量調整手段と冷却水流量調整手段とで消費される合計の消費電力が小さくなるように、冷却風量調整手段と冷却水流量調整手段との制御量を算出する制御量算出手段とを備え、水温制御手段は、制御量算出手段により算出された制御量に基づいて冷却風量調整手段と冷却水流量調整手段とを制御する。
これにより、冷却風量調整手段と冷却水流量調整手段とで消費される合計の消費電力を極力抑えることが可能となる。
また、車両の車速に応じても、冷却風量調整手段と冷却水流量調整手段とで消費される合計の消費電力が変わるため、請求項2に係る発明のように、エンジンは、車両に搭載されているものであって、車両の車速を検出する車速検出手段を備え、制御量算出手段は、車速検出手段により検出された車速も考慮して冷却風量調整手段と冷却水流量調整手段との制御量を算出するようにしても良い。これにより、冷却風量調整手段と冷却水流量調整手段とで消費される合計の消費電力を極力抑えることができる。
また、請求項3に係る発明のように、目標放熱量算出手段は、冷却水の実水温と目標水温とに基づいてラジエータにおける目標放熱量を算出するようにすると良い。また、請求項4に係る発明のように、冷却水循環回路にヒータコアを備え、目標放熱量算出手段は、ヒータコアにて放熱される放熱量も考慮して、ラジエータにおける目標放熱量を算出するようにしても良い。このようにすると、ラジエータにおける目標放熱量を精度良く算出することができる。
本発明は、目標水温を予め設定した一定水温に設定しても良いが、請求項5に係る発明のように、目標水温をエンジン運転状態に応じて設定しても良い。このようにすれば、エンジン運転状態に応じてエンジンの発熱量が変化するのに対応して目標水温を適正に変化させることができる。
以下、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、内燃機関である多気筒ガソリンエンジンを対象に熱交換システムを構築するものとしている。当該システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢としてエンジンの冷却や車室内の空調等を実施している。
以下、図1を用いて、熱交換システムの概略構成の一例を説明する。
熱交換システム10には、エンジン11を冷却するための冷却装置20が設けられている。冷却装置20について、エンジン11の本体(シリンダブロックやシリンダヘッド)にはウォータジャケット21が形成され、ウォータジャケット21内にエンジン冷却水が注入されている。
ウォータジャケット21は、往流路と復流路とで構成される冷却水通路23を介してラジエータ22に接続されている。また、ウォータジャケット21のエンジン冷却水の入口部には、電動式のウォータポンプ25(冷却水流量調整手段)が設けられている。バッテリ(図示略)からの通電によりウォータポンプ25が駆動されると、その駆動に伴いエンジン冷却水が冷却水通路23内を循環する。エンジン冷却水は、ウォータジャケット21を通過する間にエンジン11の熱を奪った後、冷却水通路23を介してラジエータ22に導入される。そして、このエンジン冷却水がラジエータ22にて冷却された後、冷却水通路23を介してエンジン11に再び戻される。これにより、エンジン11が適温(例えば80℃)に維持される。
また、冷却水通路23(ラジエータ22からエンジン11に至る冷却水通路)の途中にはサーモスタット24が設けられている。サーモスタット24は、エンジン冷却水の温度に応じて開閉作動することでエンジン冷却水の流路を変更する。具体的には、サーモスタット24は、エンジン冷却水温が比較的低温の場合(例えばエンジン11の冷間始動時)に閉弁して、エンジン11とラジエータ22との間でのエンジン冷却水の循環を停止させる。これにより、ラジエータ22にて冷却されたエンジン冷却水がエンジン11に供給されないため、エンジン11が速やかに暖機される。
そして、エンジン11側のエンジン冷却水温度がサーモスタット開弁温度に達すると、サーモスタット24が開弁し、エンジン11とラジエータ22との間でエンジン冷却水が循環する。これにより、ラジエータ22からのエンジン冷却水がエンジン11側に供給されるため、エンジン11が適温に保持される。
ラジエータ22の近傍には、電動式の冷却ファン26(冷却風量調整手段)が設けられている。冷却ファン26は、バッテリ(図示略)から電力供給を受けることにより回転駆動し、その回転によりラジエータ22の周辺に空気の流れを形成する。これにより、ラジエータ22の放熱効果が高められ、ラジエータ22内のエンジン冷却水の冷却が促進される。
また、熱交換システム10には、エンジン11で発生する熱を利用して車室内の暖房を行う暖房装置30が設けられている。暖房装置30にはヒータコア31が設けられており、ヒータコア31の入口側が冷却水通路32を介してウォータジャケット21に接続され、その出口側が冷却装置20の冷却水通路23(サーモスタット24からエンジン11に至る冷却水通路)の途中にエンジン冷却水通路32を介して接続されている。ウォータポンプ25が回転駆動されると、エンジン11からヒータコア31にエンジン冷却水が圧送され、エンジン冷却水がヒータコア31内を通過する。そして、エンジン冷却水がヒータコア31を通過する間にエンジン冷却水とヒータコア31周辺の空気との間で熱交換が行われ、その後、冷却水通路32を介してエンジン冷却水がエンジン11に戻される。
ヒータコア31の近傍には、電動式のヒータブロア33が設けられている。ヒータブロア33は、バッテリ(図示略)から電力供給を受けることにより回転駆動し、その回転によりヒータコア31の周辺に空気の流れを形成する。これにより、ヒータコア31により暖められた空気が車室内に送風され、車室内に温風が送られる。
また、エンジン11のシリンダブロックには、エンジン11のエンジン冷却水の出口側でエンジン冷却水温度を検出する温度センサ15が取り付けられている。その他、本システムには、エンジン11の所定クランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角度センサ12や、搭乗者の暖房要求に伴いオンされる暖房スイッチ13、車両の速度を検出する車速センサ14等が設けられている。
ECU40は、CPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイ
コンという)41を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じてエンジン11の各種制御を実施する。具体的には、ECU40のマイコン41は、前述した各種センサから各種検出信号等を入力し、これらの各種検出信号等に基づいて燃料噴射量や点火時期等を演算して図示しない燃料噴射弁や点火装置の駆動を制御したり、あるいはウォータポンプ25や冷却ファン26、ヒータブロア33の駆動を制御したりする。
ウォータポンプ25の駆動制御方法に関しては、通常走行時にウォータポンプ25を駆動してエンジン11と冷却装置20及び暖房装置30との間でエンジン冷却水を循環させる。一方、エンジン11の冷間始動時には、検出水温が循環開始温度以上になるまでウォータポンプ25を駆動停止する。これにより、ウォータジャケット21内にエンジン冷却水が滞留され、エンジン11の暖機が促進される。
また、ヒータブロア33の駆動制御方法に関しては、暖房スイッチ13からオン信号をECU40に入力し、かつ温度センサ15の検出水温が車室内への温風の下限温度(ブロア駆動開始温度Twb、例えば40℃や50℃)以上の場合にヒータブロア33に通電してヒータブロア33を回転駆動する。一方、検出水温がブロア駆動開始温度Twb未満の場合には、ヒータコア31周辺の空気が十分に暖められていないため、暖房スイッチ14がオンされている場合であっても、ヒータブロア33を駆動停止のままに維持される。
さらに、冷却ファン26の駆動制御方法に関しては、温度センサ15の検出水温がファン駆動開始温度以上であって、かつ車両の速度が所定速度以下である場合に冷却ファン26に通電して冷却ファン26を回転駆動する。
ここで、ラジエータ22による放熱量は、ラジエータ22に循環するエンジン冷却水の流量と冷却ファン26によりラジエータ22を冷却する風量とにより決まり、エンジン冷却水の流量が多くなるほど、また、冷却風量が多くなるほど、ラジエータ22の放熱量が多くなるという関係がある。この関係に基づき、ラジエータ22による放熱量を確保する電動式のウォータポンプ25の制御量と冷却ファン26の制御量との組み合わせは無数に存在することになるが、この組み合わせが変われば電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26で消費される合計の消費電力も変化することになる。
しかしながら、前記従来技術では、ラジエータ22による放熱量を確保する電動式のウォータポンプ25の制御量と冷却ファン26の制御量との組み合わせにより電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26で消費される合計の消費電力が変化することについては全く考慮されていなかった。このため、電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26とで消費される合計の消費電力が多くなってしまう虞れがある。
そこで、本実施形態では、電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26との合計の消費電力が最小(最小付近)となるように電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26とを制御するようにしている。
以下、図2を用いて本実施形態の電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26とを制御するプログラムについて説明する。このプログラムは、ECU40のマイコン41によって所定周期毎に実行され、特許請求の範囲でいう水温制御手段としての役割を果たす。
このプログラムが実行されると、まずステップS101にて、エンジン冷却水の実水温と目標水温との比較を行う。ここで、エンジン冷却水の実水温は、例えば、温度センサ15を用いて検出する。また、エンジン冷却水の目標水温は、一定水温としても良いが、例えば、図3に示すようにエンジン運転状態に応じて設定しても良い。図3では、エンジン回転速度と吸入空気量とに基づいてエンジン冷却水温の目標水温を決定しており、エンジン回転速度が高くなるほど、また、吸入空気量が大きいほど、目標水温が小さくなるように設定されている。
ステップS101にて、目標水温と実水温とを比較して、実水温が目標水温よりも高い場合には、ステップS102に進み、エンジン冷却水の暖機制御を実施する。エンジン冷却水の暖機制御は、電動式のウォータポンプ25の駆動を停止しても良いし、サーモスタット24の開閉を任意に制御することができる場合には、サーモスタット24を閉じてラジエータ22にエンジン冷却水が循環されないようにしても良い。ステップS102にて、暖機制御が実施されると、このプログラムを終了する。
ステップS101にて、エンジン冷却水の実水温が目標水温より低い場合には、ステップS103に進み、ラジエータ22における目標放熱量を算出する。本実施形態では、エンジン冷却水の実水温と目標水温との差に基づいてラジエータ22における目標放熱量を算出するようにしている。目標放熱量は、エンジン冷却水の実水温と目標水温との差とラジエータ22における目標放熱量とのマップに基づいて算出しても良いし、数式を用いて算出するようにしても良い。この場合、実水温と目標水温との差が大きいほど、ラジエータ22における目標放熱量が大きくなるように設定すると良い。なお、実水温における放熱量に、実水温と目標水温との差に基づく放熱量を考慮して目標放熱量を算出するようにしても良いし、目標水温における放熱量に、実水温と目標水温との差に基づく放熱量を考慮して目標放熱量を算出するようにしても良い。
また、エンジン冷却水の放熱は、ラジエータ22の部位だけではないため、その他の構成部品による放熱を考慮して、ラジエータ22にて放熱する放熱量を算出しても良い。例えば、本実施形態では、冷却水通路23の途中にヒータコア31を備えており、暖房要求時には、ヒータブロア33を駆動制御して、ヒータコア31の熱を利用して車室内への温風を送るようにしているため、エンジン冷却水の熱が多少は奪われるようになる。このため、暖房要求がある場合には、ヒータブロア33の風量等に基づいて、暖房装置30にて放熱される放熱量を算出するようにし、この放熱量を考慮してラジエータ22にて放熱する放熱量を算出しても良い。なお、暖房装置30にて放熱される放熱量の算出には、外気温度、車速等も考慮すると良い。上記ステップS102の処理が特許請求の範囲でいう目標放熱量算出手段に相当する。
以上のようにして、ラジエータ22における目標放熱量を算出した後、ステップS104に進み、電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26とで消費される合計の消費電力が小さくなるような組み合わせを算出する。尚、図2等では「ウォータポンプ」を「W/P」と表記している。
以下、ステップS104で電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26との制御量を算出する一例を具体的に説明する。
まず、ラジエータ22の放熱量は、下記の[数1]式に示すように、ラジエータ22に流れる通風量(又は空気流速)とエンジン冷却水の流量(又は流速)とに依存する。
Figure 2010096042
ここで、αa は空気の熱伝達率、Va は空気の流速、αw はエンジン冷却水の熱伝達率、Vwはエンジン冷却水の流速、Faは空気がラジエータ22に接触する面積、Fwはエンジン冷却水が接触する面積、ΔTは空気(外気温度)とエンジン冷却水との温度差である。Fa、Fwはラジエータ22の設計値に基づいて決められる。
上記[数1]に示すように、ラジエータ22で所望の放熱量(目標放熱量)を得るには、ラジエータ22に流れる通風量(空気流速)とエンジン冷却水の流量(流速)とを調整すると良く、所望の放熱量(目標放熱量)を満足するためのラジエータ22に流れる通風量(冷却ファン26の冷却風量)とエンジン冷却水の流量(流速)との関係は図4に示すような関係となる。図4に示すように、所望の放熱量を満足するには、ラジエータ22に流れる通風量が多くなるほど、エンジン冷却水の流量を少なくすることができ、またその逆にラジエータ22に流れる通風量が少なくなるほど、エンジン冷却水の流量を多くすることができる。また、空気(外気温度)とエンジン冷却水温との差に応じてもラジエータ22に流れる通風量(空気流速)とエンジン冷却水の流量(流速)との関係は変化する。具体的には、空気(外気温度)とエンジン冷却水温との差が小さいほど、エンジン冷却水から奪われる熱量が小さくなるため、ラジエータ22に流れる通風量とエンジン冷却水の流量とが多くなるように推移する。
また、図4に示すように、所望の放熱量(目標放熱量)を満足するためのラジエータ22に流れる通風量とエンジン冷却水の流量とが分かるため、これにより電動式ウォータポンプ25の駆動と冷却ファン26の駆動とが決定される。具体的には、ラジエータ22に流れる通風量が多くなるほど、冷却ファン26をより多く駆動し、またエンジン冷却水の流量が多くなるほど、電動式のウォータポンプ25をより多く駆動するよう制御する。電動式のウォータポンプ25、冷却ファン26の制御量とそれぞれの消費電力とは相関があるため、所望の放熱量を満足するための電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26との消費電力は図5に示すような関係となる。
図5において、横軸はラジエータ22に流れる通風量(冷却ファン26の冷却風量)、縦軸は消費電力を示しており、実線は冷却ファン26の駆動に伴う消費電力、破線は電動式のウォータポンプ25(電動W/P)の消費電力をそれぞれ表している。図4に示すように、所望の放熱量を満足するためのラジエータ22に流れる通風量(冷却ファン26の制御量)が決まれば、エンジン冷却水の流量(電動式のウォータポンプ25の制御量)が決まるため、図5では横軸に所望の放熱量を満足するためのラジエータ22に流れる通風量を採用している。なお、図5の横軸にエンジン冷却水の流量を採用しても良いことは言うまでもない。
図5に示すように、所望の放熱量を満足するためのラジエータ22に流れる通風量が多くなるほど(つまり、エンジン冷却水の流量が少なくなるほど)、電動式のウォータポンプ25の消費電力は曲線を描いて減少していき、一方、冷却ファン26の消費電力は増加していくようになる。図5において冷却ファン26の駆動に伴う消費電力と電動式のウォータポンプ25(電動W/P)の消費電力とを合計した消費電力の関係を図6に示す。
図6に示すように、冷却ファン26の消費電力と電動式のウォータポンプの消費電力とを合計した消費電力は、ラジエータ22に流れる通風量(及びエンジン冷却水の流量)に応じて異なる。このため、冷却ファン26の消費電力と電動式のウォータポンプ25の消費電力とを合計した消費電力が最小となるような電動式のウォータポンプ25の制御量と冷却ファン26の制御量とを選択すると、冷却装置20の消費電力を小さくすることができる。
本実施形態では、図4から図6に示す関係を予め実験データ又は設計データ等で求めておき、ラジエータ22にて放熱する放熱量に基づいて、冷却装置20の消費電力が小さくなるように電動式のウォータポンプ25の制御量と冷却ファン26の制御量とを決定するようにしている。
ここで、冷却装置20(電動式のウォータポンプ25、冷却ファン26)で消費される消費電力は、その時々の車両の運転状態に応じて異なるため、運転状態に応じて電動式のウォータポンプ25の制御量と冷却ファン26の制御量とを決定しても良い。
具体的に一例を挙げて説明すると、図7に示すように車速に応じて冷却ファン26の消費電力が異なる。つまり、車速が遅い場合には速い場合に比べて、ラジエータ22を通過する通風量が少なくなるため、冷却ファン26をより多く駆動する必要があり、それに伴い消費電力が多くなる。このため、図8に示すように、車速に応じて電動式のウォータポンプ25の消費電力と冷却ファン26の消費電力とを合計した消費電力も異なるため、消費電力が最小となる電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26との駆動の組み合わせも異なってくる。このため、図8に示すように、車速に応じてもラジエータ22で放熱す
る放熱量に基づいて、冷却装置20における消費電力が小さくなるように電動式のウォータポンプ25の制御量と冷却ファン26の制御量とを決定するようにしても良い。上記ス
テップS104の処理が特許請求の範囲でいう制御量算出手段としての役割を果たす。
以上のようにして、電動式のウォータポンプ25の制御量と冷却ファン26の制御量とを決定した後、ステップS105に進み、上記ステップS104で算出した制御量に従って電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26の制御を実行する。
以上説明したプログラムが実行されることで、電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26との合計の消費電力が小さくなるように電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26とを制御することができる。
次に、上記プログラムが実行されたときの制御例を図9タイミングチャートを用いて説明する。図9において、(a)は吸入空気量の変化、(b)はエンジン冷却水の水温の推移、(c)は電動式のウォータポンプの駆動に伴う消費電力の推移、(d)は冷却ファンの駆動に伴う消費電力の推移を示している。また、図9では、運転状態の変化によりエンジン冷却水温の目標水温が変化したときの例を示している。
図9において、まず時刻tにおいて、吸入空気量が変化する[図9(a)参照]。それに伴い、エンジン冷却水の目標水温が切り替えられ、目標水温と実水温との乖離が生じる。本実施形態では、エンジン冷却水の実水温と目標水温との差に応じて放熱量を算出し、ラジエータ22における目標放熱量を算出すると共に、該目標放熱量を満足するために消費電力が小さくなるように電動式ウォータポンプ25の制御量と冷却ファン26の制御量が決定され、電動式ウォータポンプ25と冷却ファン26とが制御される。このとき、エンジン冷却水の実水温と目標水温との差が小さくなるほど、ラジエータ22によって放熱すべき放熱量が小さくなるため、電動式ウォータポンプ25と冷却ファン26とで消費される合計の消費電力が徐々に小さくなり、最終的には目標水温に応じた目標放熱量となるように、電動式ウォータポンプ25と冷却ファン26は所定の消費電力に収束するようになる。
以上説明した本実施形態では、電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26との合計の消費電力が最小(最小付近)となるように電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26とを制御するようにしているため、電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26で消費される合計の消費電力を極力抑えることが可能となる。また、車両の運転状態に応じて電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26とで消費される合計の消費電力が変化することを勘案して、車両の運転状態に応じて合計の消費電力が小さくなるように電動式のウォータポンプ25と冷却ファン26とを制御するようにしたため、車両の運転状態が変化してもそれに応じて消費される消費電力を極力抑えることができる。
また、本実施形態を、例えば特開2004−204708号公報に示すような水温制御に適用した場合には、電動式のウォータポンプと冷却ファンとで消費される合計の消費電力を抑えることができるため、全体のエネルギーを効率良く向上させることができる。
本発明の一実施形態における熱交換システムの全体概略構成図である。 本実施形態の電動式のウォータポンプ(電動W/P)と冷却ファンとを制御するプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 運転状態から目標水温を設定するマップである。 ラジエータによる放熱量を一定としたときのラジエータを通過する通風量とエンジン冷却水流量との関係を示すマップである。 冷却ファンと電動式のウォータポンプ(電動W/P)との消費電力を示すマップである。 冷却ファンと電動式のウォータポンプ(電動W/P)とを合計した消費電力を示すマップである。 車速の違いによる冷却ファンと電動式のウォータポンプ(電動W/P)のそれぞれの消費電力を示すマップである。 車速の違いによる冷却ファンと電動式のウォータポンプ(電動W/P)とを合計した消費電力を示すマップである。 (a)は吸入空気量の推移を表すタイミングチャート、(b)はエンジン冷却水温の推移を表すタイミングチャート、(c)は電動式のウォータポンプ(電動W/P)の消費電力の推移を表すタイミングチャート、(d)は冷却ファンの消費電力の推移を表すタイミングチャートである。
符号の説明
10…熱交換システム、11…エンジン、15…温度センサ、20…冷却装置、22…ラジエータ、23…冷却水通路、25…ウォータポンプ(冷却水流量調整手段)、26…冷却ファン(冷却風量調整手段)、30…暖房装置、31…ヒータコア、32…冷却水通路、33…ヒータブロア、40…ECU、41…マイコン(目標放熱量算出手段,制御量算出手段,水温制御手段)

Claims (5)

  1. エンジンの冷却水を循環させる冷却水循環回路に設けられたラジエータと、
    前記ラジエータを冷却する風量を調整する冷却風量調整手段と、
    前記ラジエータに循環する前記冷却水の流量を調整する冷却水流量調整手段と、
    前記冷却水の水温が目標水温となるように前記冷却風量調整手段と前記冷却水流量調整手段とを制御する水温制御手段とを備えたエンジン冷却装置において、
    前記ラジエータにおける目標放熱量を算出する目標放熱量算出手段と、
    前記冷却風量調整手段による冷却風によって得られる前記ラジエータの放熱量と前記冷却水流量調整手段による冷却水の循環によって得られる前記ラジエータの放熱量との合計値が前記目標放熱量となるようにし、且つ、前記冷却風量調整手段と前記冷却水流量調整手段とで消費される合計の消費電力が小さくなるように、前記冷却風量調整手段と前記冷却水流量調整手段との制御量を算出する制御量算出手段とを備え、
    前記水温制御手段は、前記制御量算出手段により算出された制御量に基づいて前記冷却風量調整手段と前記冷却水流量調整手段とを制御することを特徴とするエンジン冷却装置。
  2. 前記エンジンは、車両に搭載されているものであって、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記制御量算出手段は、前記車速検出手段により検出された車速も考慮して、前記冷却風量調整手段と前記冷却水流量調整手段との制御量を算出することを特徴とする請求項1に記載のエンジン冷却装置。
  3. 前記目標放熱量算出手段は、前記冷却水の実水温と前記目標水温とに基づいて前記ラジエータにおける目標放熱量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン冷却装置。
  4. 前記冷却水循環回路にヒータコアを備え、
    前記目標放熱量算出手段は、前記ヒータコアにて放熱される放熱量も考慮して前記ラジエータにおける目標放熱量を算出することを特徴とする請求項3に記載のエンジン冷却装置。
  5. 前記水温制御手段は、前記目標水温をエンジン運転状態に応じて設定する手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のエンジン冷却装置。
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