JP2006213854A - 非隠蔽性塗料の色合わせ装置、そのプログラム、塗装物製造装置、非隠蔽性塗料の色合わせ方法、及び塗装物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 透明被膜成分と1又は複数の各基本色材とからなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置100は、製品見本データベース11と、標準塗装物データベース12a等と、見本色データを取得する見本色データ取得手段と、補正前塗装物の色データを取得する補正前データ取得手段と、色変化型推薦塗料の推薦配合比を算出する色変化型配合比算出手段と、濃度変化型推薦塗料の推薦合計配合比を算出する濃度変化型配合比算出手段と、見本色データ及び補正前塗装物色データを用いて、色変化型配合比算出手段と濃度変化型配合比算出手段のいずれを行うかを選択する算出法選択手段と、を有する。
【選択図】 図5
Description
たとえば、特許文献1では、色見本の色に対し、予め記憶してある色の中から色差の小さな色を検索し、この色をさらに修正(補正)することによって、色見本により近い色を呈する色材について、その中の基本色の色材の配合率を得るものが記載されている。
さらに、非隠蔽性塗料を塗布した塗装物においては、この塗装物の明度L*と、下地材の明度L* 0と、使用した非隠蔽性塗料における合計配合比Dとの間に、一定の関係が存在することを見いだした。
そして、発明者は、塗料の色合わせにあたり、塗料における基本色材の合計配合比を固定し、各基本色材の配合割合を調整する場合と、塗料における各基本色材の配合比を固定し、基本色材の合計配合比を調整する場合とを適宜選択することで、少ない塗料の試作回数で、色合わせを行いうることを見出した。
このうち、色変化型配合比算出手段では、補正前塗料とは、基本色材の合計配合比が同じで、基本色材同士の配合割合が異なる色変化型推薦塗料について、その透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する。つまり、補正前塗料における各基本色材の合計の比率は保ったまま、基本色材同士の配合割合を異ならせた色変化型推薦塗料についての透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する。
一方、濃度変化型配合比算出手段では、補正前塗料とは、基本色材同士の配合割合が同じで、基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型推薦塗料について、その基本色材の推薦合計配合比を算出する。つまり、補正前塗料における基本色材同士の配合割合を保ったまま、補正前塗料に透明被膜成分を加えるなどして、着色成分の濃度(基本色材の合計配合比)を変化させた色変化型推薦塗料についての基本色材の推薦合計配合比を算出する。
また、下地材とは、非隠蔽性塗料が塗布される下地となる物を指し、たとえば、木質板などの木質材、金属板、紙その他が挙げられる。
透明被膜成分とは、透明な被膜を形成しうる成分であり、たとえば樹脂や単量体などが挙げられる。
基本色材とは、塗料に含有させる有色成分であり、たとえば、白、黒、赤、黄などを呈する顔料ペースト等が挙げられる。
また、見本データ取得手段としては、分光光度計などによって、直接、色見本とする見本物の分光反射率を計測した見本色データをインターフェースを通じて取得する手段が挙げられる。このほか、別途、作成あるいは測定しておいた分光反射率データ、CIELAB等のデータを、インターネットなどの通信や、CD−ROMなどの記憶媒体を通じて見本色データとして取得する手段をも含む。
なお、見本物を用いて見本色データを得る場合、見本物としては、色見本とするもので有ればいずれでも良い。たとえば、本発明の色合わせ装置によって同色の塗装物を再現しようとする現品など、下地材に未知または既知の非隠蔽の塗料を塗布してなる見本塗装物が挙げられる。
また、推薦塗料の推薦配合比など、「配合比」というときは、透明被膜成分及び各基本色材の各成分についての、塗料における配合比をいう。従って、具体的には、透明被膜成分a%、黒b%、赤c%…というように表される比率を指す。
一方、推薦塗料の推薦合計配合比など、「合計配合比」というときは、各基本色材を合計した着色成分の塗料に占める割合をいう。従って、例えば、黒b%、赤c%、黄d%の3種の基本色材を含む塗料の場合、合計配合比は(b+c+d)%となる。
また、基本色材同士の配合割合など、「配合割合」と言うときは、基本色材同士を比較した場合の比率を言う。例えば、黒b%、赤c%、黄d%の3種の基本色材を含む塗料の場合、配合割合は、b:c:dとなる。
さらに、本明細書において、「色変化型」というときは、基準となる塗料、塗装物などに対して、基本色材の合計配合比が同じで、基本色材同士の配合割合が異なる塗料、このような塗料を用いた塗装物などを指す。
また、本明細書において、「濃度変化型」というときは、基準となる塗料、塗装物などに対して、基本色材同士の配合割合が同じで、上記基本色材の合計配合比が異なる塗料、このような塗料を用いた塗装物などを指す。
(L*−L* ST)×(b*−b* ST)>0 …式(1)
|a*−a* ST|≦C (Cは正の定数) …式(2)
非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
このことから、色見本の色(L* ST,a* ST,b* ST)に対する補正前塗装物の色(L*,a*,b*)の差(△L*、△a*、△b*)のうち、△L*及び△b*が共に正の場合には、補正前塗料の着色成分の濃さ(基本色材の合計配合比)を上げるように補正することで、塗装物(推薦塗料を塗布した推薦塗装物(試作塗装物))の色を色見本により近づけることができる可能性が高いことになる。なお、△L*=L*−L* ST、△a*=a*−a* ST、△b*=b*−b* STである。なぜならば、色見本の色(L* ST,a* ST,b* ST)に対する推薦塗装物の色(L* RE,a* RE,b* RE)の差(△L* RE、△a* RE、△b* RE)のうち、△L* RE及び△b* REが、△L*及び△b*よりも小さくなるからである。このことから、色差△ERE(=√(△L* RE 2+△a* RE 2+△b* RE 2))が、色差△E(=√(△L*2+△a*2+△b*2))よりも小さくなる可能性が高いからである。つまり、基本色材の合計配合比を上げることで、適切に色合わせを行える可能性が高い。
また、△L*及び△b*が共に負の場合には、補正前塗料の基本色材の合計配合比を下げるように補正することで、同様に、塗装物の色を色見本により近づけることができる可能性が高いことになる。
その他、所望する塗装物が、非隠蔽性塗料を塗布した後にさらに無色透明のクリア塗料を1または複数回塗布して完成させる塗装物である場合には、下地材に非隠蔽性塗料を塗布せずに、クリア塗料を所定回塗布して下地材の明度実測用の塗装物を製作し、この明度を計測して下地材の明度としても良い。
さらに、この場合には、L*実測用の補正前塗装物の一部に、補正前塗料の未塗布部分を形成しておき、その後、この未塗布部分を含む全体にクリア塗料を所定回塗布して補正前塗装物を製作し、この実測用の補正前塗装物の明度L*を実測するのと相前後して、このうちの非隠蔽性塗料未塗布部分の明度を実測し、これを下地材の明度L* 0としても良い。
下地材の明度L* 0として予め記憶しておいたデータ上の値を用いるのか実測した値を用いるかは、予め下地材の種類を指定して記憶させておく下地材の明度L* 0に対し、実際に用いる下地材の明度L*0のバラツキの大きさを勘案して決めると良い。
DRE=n√((L* 0−L* ST)/K) …式(3)
非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
そこで、各基本色材についての光学濃度は、使用する基本色材の特性を考慮した上で、予め各基本色材に与えられた光学濃度の値を用いるほか、異なる合計配合比に対応して予め得ておいた各基本色材の光学濃度の組の中から、補正前塗料における合計配合比と同じあるいは近似した合計配合比に掛かる光学濃度の組を選択して用いるようにしても良い。また、補正前塗料と同じあるいは近似した合計配合比とした光学濃度算出用の標準塗料を作成し、この標準塗料を用いて光学濃度を算出しても良い。
なお、色に関する差異としては、Labにおいて、色差(△E)のほか、彩度差(△C)、明度差(△L)が挙げられる。またその他、2つの対比される色の差異を示す各種パラメータで評価することもできる。
一方、濃度変化型追加量取得手段では、補正前塗料とは、基本色材同士の配合割合が同じで、基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型追加分について、透明被膜成分及び各基本色材の濃度変化型追加量を算出する。なお、このような濃度変化型追加分を補正前塗料に追加して推薦塗料を得たとしても、この推薦塗料における基本色材同士の配合割合は変化しない。
さらに、本発明の色合わせ装置では、色変化型追加量取得手段及び濃度変化型追加量取得手段のいずれにおいても、補正前塗料に追加する透明被膜成分や各基本色材の追加量が算出されるので、この算出された追加量に従って透明被膜成分や各基本色材を追加すれば、色合わせされた推薦塗料とすることができるから、調合作業も容易である。
このうち、色変化型配合比算出ステップでは、補正前塗料とは、基本色材の合計配合比が同じで、基本色材同士の配合割合が異なる色変化型推薦塗料の透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する。
一方、濃度変化型配合比算出ステップでは、補正前塗料とは、基本色材同士の配合割合が同じで、基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型推薦塗料の基本色材の推薦合計配合比を算出する。
(L*−L* ST)×(b*−b* ST)>0 …式(1)
|a*−a* ST|≦C (Cは正の定数) …式(2)
非隠蔽性塗料の色合わせ方法とすると良い。
このことから、△L*及び△b*が共に正または負の場合には、補正前塗料の基本色材の合計配合比を変化させることで、推薦塗料(試作塗料)を塗布した推薦塗装物(試作塗装物)の色を色見本により近づけることができる可能性が高いことが判る。
一方、△L*と△b*が異なる符号の場合には、基本色材の合計配合比を変化させても、推薦塗装物の色が色見本により近くなる可能性が低いことも判る。
さらに、△a*が大きな値となっている場合には、補正前塗料の基本色材の合計配合比を変化させても、色度a*が色見本に近づく可能性は低いから、|△a*|が所定値Cよりも大きい場合には、色度a*を色見本に近づけることを優先させるべく、色変化型配合比算出ステップを実行した方が好ましいことも判る。
DRE=n√((L* 0−L* ST)/K) …式(3)
非隠蔽性塗料の色合わせ方法とすると良い。
一方、濃度変化型追加量算出ステップでは、補正前塗料とは、基本色材同士の配合割合が同じで、基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型追加分について、透明被膜成分及び各基本色材の濃度変化型追加量を算出する。なお、このような濃度変化型追加分を補正前塗料に追加して推薦塗料を得たとしても、この推薦塗料における基本色材同士の配合割合は変化しない。
さらに、本発明の色合わせ方法では、色変化型追加量算出ステップ及び濃度変化型追加量算出ステップのいずれにおいても、補正前塗料に追加する透明被膜成分や各基本色材の追加量が算出されるので、この算出された追加量に従って透明被膜成分や各基本色材を追加すれば、色合わせされた推薦塗料とすることができるから、調合作業も容易である。
また、ディスペンサ30は、塗料タンクに蓄えられた塗料成分を、たとえばギアポンプ等を用いて所定量だけ吐出ノズルから吐出することができるように構成されており、複数の塗料について、それぞれ吐出量を調整することができるようになっている。本実施例のディスペンサ30では、透明皮膜成分となるベース、及びホワイト、ブラック、エロー、レッドの4種の基本色材の合計5つの塗料成分を、コンピュータ10からの指示に従って、それぞれ吐出量を調整しつつ吐出できるようにされている。このため、後述するように、これらの塗料成分の配合比が推薦配合比となるように、それぞれの塗料成分を調合することができる。
さらに、攪拌装置40は、ディスペンサ30から所定量ずつ吐出された塗料成分を攪拌混練して、均一な非隠蔽性塗料とする。
本例では、ロールコータによって下地材に塗布された非隠蔽性塗料(ステイン)は、リバース掻き取りロールによって、下地材表面の化粧板(突板)の導管内に注入塗布されるとともに、表面の非隠蔽性塗料が掻き取られ、乾燥される。その後、無色透明のUVクリア塗料をロールコータで下塗りし、UV乾燥する。さらに無色透明のUVクリア塗料を中塗りし、UV乾燥する。さらに無色透明のUVクリア塗料を上塗りし、UV乾燥することで、塗装物53(製品A1)が出来上がる。かくして、塗装物製造装置1100により、下地材に色合わせされた塗料が塗布された塗装物53が製造される。
なお、非隠蔽性塗料の色合わせを行う場合には、出来上がった補正前塗装物51や試作塗装物52が見本物MHと同様な色に仕上がっているかを確認し、色合わせが不適切な場合には、さらにベースや基本色材の配合比を微調整(補正)して、より近い色となるようにする必要がある。そこで、塗装装置50で塗装された補正前塗装物51及び試作塗装物52をも、分光光度計20で測色し、色の適否の判断や更なる調整の要否判断を行うようにしている。
この製品見本データには、下地材の塗面をなす木質材(化粧材)などの材質(本例では、「なら」)のほか、4種の基本色材相互の配合比のみならず、ベースの配合比、及び4種の基本色材の合計配合比が判るようにされている。
なお、図2に例示する製品見本データには、色データとして、分光反射率のほか、L* ST、a* ST、b* STが含まれているが、L* ST、a* ST、b* STを含めないでおくこともできる。この場合には、後述する色合わせ方法において、色差等を算出するに当たり、予めL* ST、a* ST、b* STを算出しておけばよい。
そこで、本実施例では、異なる色材の合計配合比にかかる標準塗装物データの組を、予め複数組(本例では、4組)用意してある。これにより、本実施例の色合わせ装置によれば、広い範囲の見本色データに対して、適切に色合わせされた非隠蔽性塗料を提供することができる。
なお、上述のように、製品に関する分光反射率やCIELABが予め判っている場合には、製品見本データベース11に登録しておき、必要に応じてこれを呼び出すようにすればよい。一方、製品が現存している場合には、これを見本物MHとして分光光度計で測色し、分光反射率やL* ST,a* ST,b* STなどの製品見本についての色データ(見本色データ)を取得することもできる。また、LAN,インターネットなどのネットワークシステムを通じて、L* ST,a* ST,b* STなどを取得することもできる。
なお、本実施例では、このステップS1を実行するコンピュータ10が、見本色データ取得手段に相当する。
なお、下地材の塗面の材質に応じて、予め設定した下地材の明度L* 0を用いても良い。この場合には、下地材の明度L* 0を、色見本の明度L*など共に製品見本データベース11に格納しておくほか、通信によって取得することもできる。
なお、ステップS2で取得した非隠蔽性塗料(補正前塗料)の配合比に従って調合された塗料を、購入するなどにより入手することもできる。
ついで、ステップS6では、この補正前塗装物51を分光光度計20を用いて測色し、補正前塗装物色データるCIELAB(L*,a*,b*)を取得する。本実施例では、このステップS6を実行する分光光度計20及びコンピュータ10が、補正前データ取得手段に相当する。
なお、色差△Eは、△E=√(△L*2+△a*2+△b*2)で与えられる。ここで、△L*=L*−L* ST、△a*=a*−a* ST、△b*=b*−b* STである。
なお、調合した塗料53は、塗装装置50を用いて、塗装物の製造に用いる(ステップSC)。
一方、ステップS7においてNo、つまり、色差△Eが1以上である場合には、補正前塗装物51と色見本(製品A1)との色の差異が存在することから、引き続いて、ステップS8以降に進み、この補正前塗料の色合わせを行う。
本実施例では、このステップS7を実行するコンピュータ10が、色差異判断手段に相当する。
このステップS8のサブルーチン(図5参照)では、まずステップS81において、後述する色変化型追加分を追加して調合する場合(ステップS82〜S84)と、濃度変化型追加分を追加して調合する場合(ステップS85〜S87)のいずれに進むかを選択する。
具体的には、色見本の見本色データのCIELAB(L* ST,a* ST,b* ST)及び補正前塗装物51のCIELAB(L*,a*,b*)が、下記式(1)及び(2)を共に満たしているか否かを判定する。
(L*−L* ST)×(b*−b* ST)>0 …式(1)
|a*−a* ST|≦C (Cは正の定数) …式(2)
図6は、塗装物に塗布した塗料に含まれる基本色材同士の配合割合は変えずに、基本色材の合計配合比を変化させた場合の、塗装物のCIELABの変化を示す図表である。つまり、図6は、基本色材同士の配合割合は変えずに、基本色材全体とベースとの比率(色の濃さ)を変化させた場合の、塗装物のCIELABの変化を示す図表である。
この図6の図表では、A色系列からL色系列まで合計12種類の色系列について、基本色材の合計配合比と塗装物のCIELABとの関係が示してある。また、各色系列のいずれについても、基本色材の合計配合比は、2.5%,5.0%,10.0%,25.0%の4段階に変化させてある。
なお、この図6の図表では、塗面が「なら」からなる下地材について、非隠蔽性塗料を塗布し、前述のように、無色透明のUVクリア塗料を下塗り、中塗り、及び上塗りした塗装物について、分光光度計20を用いて測色し、CIELAB(L*,a*,b*)を得ている。
同様に、目標となる色見本の色度b* STが、補正前塗装物の色度b*よりも小さい場合には、基本色材の合計配合比を下げることで、大きい場合には、基本色材の合計配合比を上げることで、より色見本の色度b* STに近づけた推薦塗料が得られる可能性が高いことになる。
従って、目標となる色見本の色度a* STと補正前塗装物の色度a*の差が、2よりも大きい場合には、基本色材の合計配合比を変化させる色合わせ方法では、より色見本の色度a* STに近づけた推薦塗料が得られる可能性は少ない。従って他の色合わせ方法によって、色度a*を近づける方が好ましいことになる。
なお、後述するように、ステップS82〜S84で行う色合わせ方法は、基本色材の合計配合比を変化させず、基本色材同士の配合割合(各基本色材の配合比)を変化させる。
ステップS81では、このような2種類の色合わせ方法の中から適切な色合わせ方法を選択して色合わせを行うため、少ない試作回数で、適切に色合わせされた塗料及び塗装物を得ることができる。
本実施例では、このステップS81を実行するコンピュータ10が、算出法選択手段、及び追加量取得法選択手段に相当する。
また付言するに、「ぶな」、「かば」等の木質材についても同様に、式(1),(2)の関係となることが判っており、特に「ぶな」、「かば」については、「なら」と同様に、|a*−a* ST|≦2となる。
その上で、これに格納された複数組の標準塗装物データの組(例えば図3参照)のうち、ステップS821で得た合計配合比Dに適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する。例えば、ステップS821で得た近似色サンプル塗装物データにかかる合計配合比が50/1000である場合、これと同じ値である50/1000という標準合計配合比にかかる第2組(No2−1,2−2,…)の標準塗装物データの組を選択する。
これにより、適切な標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択することができる。
なお、補正前塗料の合計配合比Dと、光学濃度の組を算出した標準塗装物データの組の標準合計配合比とが異なっている場合には、このステップS824において得られた推薦配合比を修正して、その合計配合比が補正前塗料の合計配合比Dと一致するように修正する。
また、本実施例では、このステップS82(ステップS821〜S824)を実行するコンピュータ10が、色変化型配合比算出手段に相当する。
本実施例では、ステップS82,S83を実行するコンピュータ10が、色変化型追加量取得手段に、ステップS83を実行するコンピュータ10が、色変化型追加量算出手段に相当する。
さらに、ステップS84では、算出した各々の追加量に従い、ベース及び各基本色材を追加することで、補正前塗料に色変化型追加分を追加する。具体的には、ディスペンサ30によって、ベース及び各基本色材についての追加分を、補正前塗料に追加し、攪拌装置40を用いて、攪拌して、推薦配合比を有する推薦塗料(試作塗料、色変化型推薦塗料)を作製して、メインルーチンに戻る。
K=(L* o−L*)/Dn …式(4)
さらに、ステップS853に進み、Kの値を評価する。前述したように、n=0.4と仮定して定数Kを求めたときに、定数Kの大きさが、小さい場合には、指数nを大きな値に代えて再計算するのがよいことが判っている。そこで、このステップS853において、K≧30のときは、Kの値ををそのままとして、ステップS856に進む。一方、20≦K<30のときは、ステップS854に進み、指数をn=0.6として、上記式(3)によって、定数Kを再計算してからステップS856に進む。する。また、0<K<20のときは、ステップS855に進み、指数をn=0.8として、上記式(3)によって、定数Kを再計算してからステップS856に進む。
本実施例では、このステップS852〜S855を実行するコンピュータ10が、定数指数決定手段に相当する。
DRE=n√((L* 0−L* ST)/K) …式(3)
推薦塗料では、基本色材の合計配合比を補正前塗料の合計配合比Dとは異なるDREとする一方、基本色材同士の配合割合については、補正前塗料と同じとする。
かくして、補正前塗料及び補正前塗装物のデータを用いて、補正前塗料の合計配合比Dを補正し、色見本に近づけ色あわせを行った推薦塗料(試作塗料)の推薦合計配合比DREを得て、推薦塗料調合のサブルーチンS8(図5参照)に戻る。
本実施例では、このステップS85(ステップS851〜S856)を実行するコンピュータ10が、濃度変化型配合比算出手段に相当する。また、このステップS856を実行するコンピュータ10が、合計配合比決定手段に相当する。
さらに、ステップS87では、算出した各々の追加量に従い、ベース及び各基本色材を追加することで、補正前塗料に濃度変化型追加分を追加する。具体的には、ディスペンサ30によって、ベース及び各基本色材についての追加分を、補正前塗料に追加し、攪拌装置40を用いて、攪拌して、推薦配合比を有する推薦塗料(試作塗料、濃度変化型推薦塗料)を作製して、メインルーチンに戻る。
さらに、ステップSAで、この試験塗装物51の色を確認する。具体的には、目視による評価のほか、分光光度計20で測色してその分光反射率、CIELAB(L* TR、a* TR、b* TR)等を取得する。
その上で、ステップS7において、補正前塗装物(試作塗装物)と色見本との色の差異が所定範囲内(色差△E<1)であるか否かを判定する。
このようにして得られた塗料は、これを塗布した塗装物53が色見本に十分近似した色を呈する塗料となっている。かくして、塗装装置50を用いて、あるいは別途の装置を用いて、この塗料を下地材に塗布すれば、色合わせされた塗装物53が作製できる。
ついで、図2に示す製品No.A1に用いる塗料について、色合わせを行った場合の例を数値を挙げて説明する(図9参照)。図2に示すように、製品No.A1は、下地材として「なら」を用い、ベース及びホワイト、ブラック、エロー、レッドの基本色材の配合比を、950.0,37.5,1.5,5.5,5.5(いずれも千分率)とした非隠蔽性塗料を塗布してなる。またこの塗料の合計配合比は、50/1000(=5.0%)である。この製品見本A1のCIELAB(L* ST,a* ST,b* ST)は、)は、L* ST=53.17,a* ST=10.26,b* ST=28.83である。
また、下地材の明度を取得したところ、L* 0=62.70であった。
現在の補正前塗料(10kg)の合計配合比DはD=0.05(5.0%)であるから、これをDRE=0.041(4.1%)にまで低下させるのに要するベースの量は、0.5/0.041−10=2.195kgである(ステップS86)。そこで、ベース2195gのみ(濃度変化型追加分に相当)を補正前塗料に追加し(ステップS87)、推薦塗料(第1試作塗料)を作製した(ステップS8)。さらにこの第1試作塗料を用いて、推薦塗装物(第1試作塗装物)52を作製し(ステップS9)、これを測色した(ステップSA)。
すると、この第1試作塗装物52のCIELABは、L* TR=53.50,a* TR=10.68,b* TR=27.92であった。
但し、補正前塗料の合計配合比Dが、D=0.041であったのに対して、標準塗装物データの組(「なら」の第2組)の標準合計配合比(0.05)であるので、得られた推薦配合比を修正する。
なお、この色変化型追加分における基本色材の合計配合比も0.041であるから、この色変化型追加分を補正前塗料(第1試作塗料)に追加しても、合計配合比は変化しない。
すると、この試作塗装物52のCIELABは、L* TR=53.06,a* TR=10.50,b* TR=28.44であった。
かくして、本具体例では、補正前塗料から2回の色合わせ(2回の試作塗料の調合、及び3回の塗装物の作製)で、製品見本A1に色合わせされた塗料及び塗装物を得ることができた。
一方、前述の補正前塗料及び補正前塗装物を用いて、製品見本A1に色合わせされた塗料を得るべく、色合わせを熟練者に行わせた。すると、図10に示すように、補正前塗料から、5回の色合わせ(5回の対比試作塗料の調合、及び6回の塗装物の作製)を行い、ようやく製品見本A1に色合わせされた塗料及び塗装物を得ることができた。
但し、上述の具体例の場合よりも、最終的に得られた対比試作塗装物5と色見本との色差は大きなものであった。
従って、本実施例の色合わせ装置100を用いることで、少ない試作回数で、適切に色合わせされた塗料を得ることができることが判る。
このことから、本実施例の色合わせ装置のように、2つの色合わせ方法を適宜選択して、推薦塗料の配合比を得ることで、より少ない回数で、確実に適切に色合わせされた塗料及び塗装物を得ることができることが判る。
例えば、図1に示す色合わせ装置100等においては、ディスペンサ30、攪拌装置40をも色合わせ装置100に含めて説明した。しかしながら、図1において破線で示すように、コンピュータ10で算出した推薦配合比を記載した用紙をプリンタ18から打ち出させたり、ディスプレイ10aに表示する、あるいは、インターネットやLANなど、図示しない通信回線を用いて別の場所のコンピュータに推薦配合比の値を伝送するだけの色合わせ装置とすることもできる。この場合には、別途、推薦配合比に従って、作業者がベースや各基本色材の塗料を秤量して調合したり、作業者の指示によりディスペンサを動作させたりすることで、色合わせされた非隠蔽性塗料を得ることとなる。
1100 塗装物製造装置
10 コンピュータ
11 製品見本データベース
12a,12b,12c 標準塗装物データベース
13a,13b,13c 光学濃度データベース
15 キーボード
16 マウス
18 プリンタ
20 分光光度計(補正前データ取得手段)
30 ディスペンサ
40 攪拌装置
50 塗装装置(塗布手段)
51 補正前塗装物
52 試作塗装物
53 塗装物
MH 見本物(色見本)
Claims (25)
- 透明被膜成分と複数の基本色材とからなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
色見本の色データである見本色データを取得する見本色データ取得手段と、
下地材に非隠蔽性の補正前塗料を塗布した補正前塗装物の色データである補正前塗装物色データを取得する補正前データ取得手段と、
上記補正前塗料とは、基本色材の合計配合比が同じで、基本色材同士の配合割合が異なる色変化型推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する色変化型配合比算出手段と、
上記補正前塗料とは、基本色材同士の配合割合が同じで、上記基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型推薦塗料の基本色材の推薦合計配合比を算出する濃度変化型配合比算出手段と、
上記見本色データ及び補正前塗装物色データを用いて、上記色変化型配合比算出手段による上記色変化型推薦塗料の透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比の算出、上記濃度変化型配合比算出手段による上記濃度変化型推薦塗料の推薦合計配合比の算出、のいずれを行うかを選択する算出法選択手段と、を有する
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項1に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
前記下地材は、少なくとも前記非隠蔽性塗料を塗布する塗面が木質材からなり、
前記見本色データ取得手段は、少なくともL* ST,a* ST,b* STを含む前記見本色データを取得し、
前記算出法選択手段は、
前記見本色データのL* ST,a* ST,b* ST、及び前記補正前塗装物色データのL*,a*,b*が、下記式(1)及び(2)の両者を満たしたときには、前記濃度変化型配合比算出手段を選択し、
それ以外のときには、前記色変化型配合比算出手段を選択する
(L*−L* ST)×(b*−b* ST)>0 …式(1)
|a*−a* ST|≦C (Cは正の定数) …式(2)
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項2に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
前記下地材の塗面は、ぶな、かば、ならからなり、
前記算出法選択手段において、前記式(2)における定数Cを、C=2としてなる
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
前記濃度変化型配合比算出手段は、
前記下地材の明度L* 0と、
前記色見本の明度L* STと、
前記補正前塗装物の明度L*と、
前記補正前塗料における基本色材の合計配合比Dと、を用いて、
上記補正前塗料とは基本色材同士の配合割合が同じである前記濃度変化型推薦塗料の合計配合比DREを算出する
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項4に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
前記濃度変化型配合比算出手段は、
前記明度L* 0、L*、及び前記合計配合比Dを用いて、定数K及び指数nを決定する定数指数決定手段と、
前記色見本の明度L* ST、及び上記定数K及び指数nを用いて、前記濃度変化型推薦塗料の推薦合計配合比DREを下記式(3)に従って決定する合計配合比決定手段と、を含む
DRE=n√((L* 0−L* ST)/K) …式(3)
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
色変化型配合比算出手段は、
前記見本色データと、
上記各基本色材についての光学濃度と、を用いて、
前記下地材に塗布する前記色変化型推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
前記見本色データと前記補正前塗装物色データとを比較し、色に関する差異が所定範囲内であるか否かを判断する色差異判断手段を備える
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置と、
前記下地材に、前記透明被膜成分及び各基本色材を前記推薦配合比に従って配合した色変化型推薦塗料を、または前記透明被膜成分及び各基本色材を前記推薦合計配合比に従って配合した濃度変化型推薦塗料を塗布する塗布手段と、を備える
塗装物製造装置。 - 透明被膜成分と複数の基本色材とからなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
色見本の色データである見本色データを取得する見本色データ取得手段と、
下地材に非隠蔽性の補正前塗料を塗布した補正前塗装物の色データである補正前塗装物色データを取得する補正前データ取得手段と、
上記補正前塗料に追加する色変化型追加分であって、上記複数の基本色材のうち少なくともいずれかの基本色材と上記透明被膜成分とからなり、上記補正前塗料とは、基本色材の合計配合比が同じで、基本色材同士の配合割合が異なる色変化型追加分について、上記透明被膜成分及び各基本色材の色変化型追加量を取得する色変化型追加量取得手段と、
上記補正前塗料に追加する濃度変化型追加分であって、上記複数の基本色材及び上記透明被膜成分の少なくともいずれかからなり、上記補正前塗料とは、基本色材同士の配合割合が同じで、上記基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型追加分について、上記透明被膜成分及び各基本色材の濃度変化型追加量を取得する濃度変化型追加量取得手段と、
上記見本色データ及び補正前塗装物色データを用いて、上記色変化型追加量取得手段及び上記濃度変化型追加量取得手段のいずれを行うかを選択する追加量取得法選択手段と、を有する
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項9に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
前記色変化型追加量取得手段は、
前記補正前塗料とは、前記基本色材の合計配合比が同じで、基本色材同士の配合割合が異なる色変化型推薦塗料の前記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する色変化型配合比算出手段と、
上記補正前塗料の透明被膜成分及び各基本色材の配合比、上記補正前塗料の重量、及び上記色変化型推薦塗料の透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比に基づいて、前記色変化型追加分における上記透明被膜成分及び各基本色材の色変化型追加量を算出する色変化型追加量算出手段と、を含む
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項9または請求項10に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
前記濃度変化型追加量取得手段は、
前記補正前塗料とは、前記基本色材同士の配合割合が同じで、上記基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型推薦塗料の推薦合計配合比を算出する濃度変化型配合比算出手段と、
上記補正前塗料の透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比、上記補正前塗料の重量、及び上記濃度変化型推薦塗料の推薦合計配合比に基づいて、前記濃度変化型追加分における上記透明被膜成分及び各基本色材の濃度変化型追加量を算出する濃度変化型追加量算出手段と、を含む
非隠蔽性塗料の色合わせ装置。 - 請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置と、
前記下地材に、前記透明被膜成分及び各基本色材を前記色変化型追加量に従って追加した色変化型推薦塗料、または上記透明被膜成分及び各基本色材を前記濃度変化型追加量に従って追加した濃度変化型推薦塗料を塗布する塗布手段と、を備える
塗装物製造装置。 - コンピュータを、請求項1〜請求項7,請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置の各手段として機能させるためのプログラム。
- 透明被膜成分と複数の基本色材とからなる非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
色見本の色データである見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、
下地材に非隠蔽性の補正前塗料を塗布した補正前塗装物の色データである補正前塗装物色データを取得する補正前データ取得ステップと、
上記補正前塗料とは、基本色材の合計配合比が同じで、基本色材同士の配合割合が異なる色変化型推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する色変化型配合比算出ステップと、
上記補正前塗料とは、基本色材同士の配合割合が同じで、基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型推薦塗料の各基本色材の推薦合計配合比を算出する濃度変化型配合比算出ステップと、
上記色変化型配合比算出ステップ及び上記濃度変化型配合比算出ステップの実行に先立ち、上記見本色データ及び補正前塗装物色データを用いて、上記色変化型配合比算出ステップ及び上記濃度変化型配合比算出ステップのいずれを行うかを選択する配合比算出法選択ステップと、を有する
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項14に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
前記下地材は、少なくとも前記非隠蔽性塗料を塗布する塗面が木質材からなり、
前記見本色データ取得ステップでは、少なくともL* ST,a* ST,b* STを含む前記見本色データを取得し、
前記配合比算出法選択ステップは、
前記見本色データのL* ST,a* ST,b* ST、及び前記補正前塗装物色データのL*,a*,b*が、下記式(1)及び(2)の両者を満たしたときには、前記濃度変化型配合比算出ステップを選択し、
それ以外のときには、前記色変化型配合比算出ステップを選択する
(L*−L* ST)×(b*−b* ST)>0 …式(1)
|a*−a* ST|≦C (Cは正の定数) …式(2)
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項15に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
前記下地材の塗面は、ぶな、かば、ならからなり、
前記配合比算出法選択ステップにおいて、前記式(2)における定数Cを、C=2としてなる
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
前記濃度変化型配合比算出ステップは、
前記下地材の明度L* 0と、
前記色見本の明度L* STと、
前記補正前塗装物の明度L*と、
前記補正前塗料における基本色材の合計配合比Dと、を用いて、
上記補正前塗料とは基本色材同士の配合割合が同じである前記濃度変化型推薦塗料の合計配合比DREを算出する
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項17に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
前記濃度変化型配合比算出ステップは、
前記明度L* 0、L*、及び前記合計配合比Dを用いて、定数K及び指数nを決定する定数指数決定ステップと、
前記明度L* ST、及び上記定数K及び指数nを用いて、前記濃度変化型推薦塗料の推薦合計配合比DREを下記式(3)に従って決定する合計配合比決定ステップと、を含む
DRE=n√((L* 0−L* ST)/K) …式(3)
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項14〜請求項18のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
色変化型配合比算出ステップは、
前記見本色データと、
上記各基本色材についての光学濃度と、を用いて、
前記下地材に塗布する前記色変化型推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項14〜請求項19のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
前記見本色データ取得ステップ及び補正前データ取得ステップの後、前記配合比算出法選択ステップの前に、前記見本色データと前記補正前塗装物色データとを比較し、色に関する差異が所定範囲内であるか否かを判断する色差異判断ステップを備え、
上記色差異判断ステップにおいて、
色に関する差異が所定範囲内でないと判断された場合には、前記配合比算出法選択ステップに進み、
色に関する差異が所定範囲内であると判断された場合には、非隠蔽性塗料の色合わせを終了する
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項20に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
前記推薦配合比または前記推薦合計配合比に従って試作塗料を調合する試作調合ステップと、
前記下地材に上記試作塗料を塗布して試作塗装物を作成する試作塗装ステップと、を含み、
上記試作塗料及び上記試作塗装物を、前記補正前塗料及び前記補正前塗装物とみなして、前記色差異判断ステップに戻り、
この色差異判断ステップにおいて、前記見本色と上記試作塗装物との色に関する差異が所定範囲内であると判断されるまで、上記色差異判断ステップ以降の処理を繰り返す
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 透明被膜成分と複数の基本色材とからなる非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
色見本の色データである見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、
下地材に非隠蔽性の補正前塗料を塗布した補正前塗装物の色データである補正前塗装物色データを取得する補正前データ取得ステップと、
上記複数の基本色材のうち少なくともいずれかの基本色材と上記透明被膜成分とからなり、上記補正前塗料とは、基本色材の合計配合比が同じで、基本色材同士の配合割合が異なる色変化型追加分を上記補正前塗料に追加する色変化型追加ステップと、
上記複数の基本色材及び上記透明被膜成分の少なくともいずれかからなり、上記補正前塗料とは、基本色材同士の配合割合が同じで、上記基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型追加分を上記補正前塗料に追加する濃度変化型追加ステップと、
上記色変化型追加ステップ及び上記濃度変化型追加ステップの実行に先立ち、上記見本色データ及び補正前塗装物色データを用いて、上記色変化型追加ステップ及び上記濃度変化型追加ステップのいずれを行うかを選択する追加型選択ステップと、を有する
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項22に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
前記色変化型追加ステップは、
前記補正前塗料とは、前記基本色材の合計配合比が同じで、基本色材同士の配合割合が異なる色変化型推薦塗料の前記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する色変化型配合比算出ステップと、
上記補正前塗料の透明被膜成分及び各基本色材の配合比、上記補正前塗料の重量、及び上記色変化型推薦塗料の透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比に基づいて、前記色変化型追加分における上記透明被膜成分及び各基本色材の色変化型追加量を算出する色変化型追加量算出ステップと、
上記補正前塗料に上記色変化型追加量だけ上記透明被膜成分及び各基本色材を追加して、上記色変化型推薦塗料を調合する色変化型推薦塗料調合ステップと、を含む
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項22または請求項23に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
前記濃度変化型追加ステップは、
前記補正前塗料とは、前記基本色材同士の配合割合が同じで、上記基本色材の合計配合比が異なる濃度変化型推薦塗料の推薦合計配合比を算出する濃度変化型配合比算出ステップと、
上記補正前塗料の透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比、上記補正前塗料の重量、及び上記濃度変化型推薦塗料の推薦合計配合比に基づいて、前記濃度変化型追加分における上記透明被膜成分及び各基本色材の濃度変化型追加量を算出する濃度変化型追加量算出ステップと、
上記補正前塗料に上記濃度変化型追加量だけ上記透明被膜成分及び各基本色材を追加して、上記濃度変化型推薦塗料を調合する濃度変化型推薦塗料調合ステップと、を含む
非隠蔽性塗料の色合わせ方法。 - 請求項14〜請求項24のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法を用いて、色合わせされた非隠蔽性塗料を得る色合わせ遂行ステップと、
前記下地材に、色合わせされた非隠蔽性塗料を塗布する塗布ステップと、を備える
塗装物の製造方法。
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