JP2006212886A - 記録媒体 - Google Patents

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Akifumi Akasaka
聡文 赤坂
Hiromi Mori
裕美 森
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Abstract

【課題】ファインアート紙としての風合いを維持しながら、カール、コックリングおよび搬送性、画像の印字ムラを抑制し、さらには画像堅牢性を高めたインクジェット用の記録媒体を提供すること。
【解決手段】基材と、繊維状物質を含有し、密度が0.7g/cc以下である中間層と、無機微粒子を含有し、表面の任意の方向におけるJIS−B0601に基づく中心線平均粗さが1.0以上であるインク受容層と、をこの順に有することを特徴とする記録媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に水性インクを使用した記録に適するインクジェット記録用の記録媒体を提供するものであり、とりわけ本発明はカール性、コックリング性、搬送性および画像堅牢性が良好なインクジェット用の記録媒体に関するものである。
近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、インクジェット記録により記録媒体に出力される画像は高品位化しており、銀塩写真に匹敵する高画質の画像の出力が可能となっている。そのため、インクジェット記録方式は、高速、低騒音、銀塩写真による現像よりも安価である等の特長と相俟って、フルカラー画像の記録分野において広く普及している。例えば、欧米では、近年、絵画や写真等の画像を、ファインアート紙にインクジェット記録したものが販売されている。このファインアート紙としては、繊維原料として綿(コットン)を用いたいわゆるコットン紙に、顔料及びバインダー樹脂を主成分として含有するインク受容層を設けたもの(特許文献1参照)が使用されており、色再現性が高く、適度な風合いを有すると共に、コットン紙自体の経時による強度の低下がほとんどないため、ファインアート紙に文字及び/又は画像を記録した記録物は、ファインアート業界で高い評価を得ている。
特開2002−219856号公報
しかし、前記いわゆるコットン紙上に顔料含有したインク受容層を設けた記録媒体をファインアート紙として用いた場合には、インクジェット市場の大部分を占める光沢紙やマット紙に比較して密度が低く表面が粗いため、インクジェットプリンタへの適性が十分で無かった。例えば、以下の課題が挙げられる。
(1)カール性、コックリング性に劣る。そのため印字時にインクヘッドが接触する(密度が低いため)。
(2)多数枚積載搬送するプリンタにて画像形成を行った場合に、画像の印字ムラが生じることがある。理由は定かではないが、コットン紙のコットン繊維とインク受容層との結合力が弱いために、多数枚積層搬送時にファインアート紙のインク受容層が裏面であるコットン紙により擦れてインク受容層がコットン紙から剥がれる。または、同様の擦れにより受容層表面の顔料の配列状態が変化し平滑面が生じたりするためと推定される。
(3)画像堅牢性に劣る。
上記(3)については、そのメカニズムは定かではないが、密度が低いため裏面からオゾンガス等のガスの影響を受けることが一因だと推定できる。
本発明の目的は、ファインアート紙としての風合いを維持しながら、カール、コックリングおよび画像の印字ムラを抑制し、さらには画像堅牢性を高めたインクジェット用の記録媒体を提供することにある。
本発明の記録媒体は、基材と、
繊維状物質を含有し、密度が0.7g/cc以下である中間層と、
無機微粒子を含有し、表面の任意の方向におけるJIS−B0601に基づく中心線平均粗さが1.0μm以上であるインク受容層と、
をこの順に有するものである。
本発明によれば、ファインアート紙としての風合いを維持しながら、カール、コックリングおよび搬送時のインク受容層の傷つきを抑制し、さらには画像堅牢性を高めた記録媒体を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
(発明の実施の形態)
本発明の記録媒体は、その構成を図1に示すように、基材cと、繊維状物質を含有する中間層bと、無機微粒子を含有するインク受容層aと、をこの順に有するものであり、ファインアート紙としての風合いを有するものである。なお、本発明でいう「風合い」とは、手で持った感じがふんわりとしていて、印字する側の面は滑らかな凹凸があり、見た目にも素朴な印象を与える画材用紙風のものをいう。
まず、本発明の記録媒体に用いることのできる、繊維状物質を含有する中間層について説明する。
繊維状物質としては、木綿パルプ、コットン・リンターパルプ等のコットン・パルプ、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプや、ポリエチレン繊維等の合成繊維パルプを主成分として用いることができる。そして、これらの繊維状物質に、顔料、サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、紙力増強剤等の通常抄紙に使用されている各種添加剤を1種以上必要に応じて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で製造された原紙とすることができる。この原紙を中間層として使用することもできるが、さらにこの原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙を中間層として使用することもできる。中間層は、繊維状物質を50〜100質量%含有することが好ましい。
ここで、この中間層の密度は0.7g/cc以下とする。このような密度とすることで、ファインアート紙としての風合いの1つである「手で持った感じがふんわりとした」記録媒体になる。これは、手で持った時ふんわりと感じるためには、全体の密度が低いことが重要であるが、中でも中間層の密度が0.3〜0.7g/ccであると、本発明でいう風合いが良好であると感じられることによる。なお、中間層の密度はJIS P8118により測定できる。
その観点から、本発明の記録媒体の中間層は、繊維状物質として上記コットン・パルプを含有することが好ましい。すなわち、中間層としては、上記コットン・パルプをパルプ全体の50質量%以上用いて抄紙した紙であることが好ましく、より好ましくはパルプとしてコットン・パルプのみを用いて抄紙した紙である。また、プレス工程、乾燥工程の途中等で凹凸のある表面と接触させることによって、表面に滑らかな凹凸をつけることが好ましい。
木綿パルプは、木綿ぼろ繊維を蒸解してパルプとしたものである。木綿ぼろ繊維は製紙産業において非常に古くから利用されていた原料である。なお、現在では木綿ぼろは木材に比べると供給能力に制約があり、製紙用原料全体からすると、極く小さな部分を占めているにすぎない。繊維ぼろにナイロン、アセテート、ポリエステル等の合成繊維が混入してきたことと、堅牢度の高い染料の使用や、パーマネントプレスや撥水加工など合成樹脂系の仕上剤が多用されるようになったこと等がその主な原因である。
コットン・リンターパルプは、綿実から油を採取する際、綿実から除去された繊維であり、上記の木綿パルプの代わりに良く使われているものである。綿実から繊維(リンター)を除去するにはリンター・ソーを通す。通常このカット操作は2回に分けて行われ、第1カット、第2カットを呼ばれる。第1カットのものは、リンターの生産量の30%を占め、マットレスの材料や家具用に広く使われている。残りの70%はセルロース誘導体の原料や製紙用に使われる。最近では第1カットのもので製紙パルプ用にされる比率が増えて来ている。コットン・リンターの平均繊維長は、第1カットで6〜7mm、第2カットで約3mmである。
コットン・リンターパルプは、コットン・ラグ(木綿ぼろ)からのパルプよりも色がよく、α−セルロース含有量も高い。第1カットから作ったパルプは、繊維長が長い関係で、第2カットからのパルプよりも強度がある。コットン・リンター繊維の約70〜90%は2次成長した成熟繊維であって、残りの部分はいわゆるリントと呼ばれる長繊維の綿種毛である。70〜90%のリンターの羽毛状の繊維は短繊維のリントと違い、繊維断面が太く、細胞壁が厚い。第2カットのリンターは、80〜85%がセルロースで、この他に灰分1〜1.5%、リグニン3%、エーテル可溶分1%、水分6%を含む。第2カットにはリンター・ソーによって綿実から剥がれた皮や種子の部分が含まれている。
コットン・パルプは、長くて偏平な繊維があり、拡大して観察するとねじれていることがわかる。1インチ当り150〜300回らせんしており、細胞壁が厚いとこのねじれは少なくなる。木綿パルプもコットン・リンターパルプもα−セルロース含有量が高く(96〜98%のことが多い)、銅価が低く、銅安もしくは銅エチレンジアミン粘度が高い。このような化学的性質からして、コットン・パルプは永久保存用の高級紙の原料に適していると言われている。
このような中間層は、坪量が80〜350g/m2であることが好ましい。
また、中間層は、端面が樹脂被覆されたものであることが好ましい。こうすることにより端面の強度が増す。さらにインク受容層および中間層の暴露表面積を小さくすることができる。そのことにより、印字された色材が空気中ガスと接触する頻度を抑えることができ、画像の保存性を増すことができると考えられる。樹脂被覆に用いることのできる樹脂としてはポリエチレン,ポリプロピレン、ポリブタジエン等のポリオレフィンが挙げられる。端面の樹脂被覆方法としては定型加工後の用紙を積載し、その断面に上記樹脂を塗工する方法が挙げられるがこれに制限されるものではない。
次に、本発明の記録媒体に用いることのできる基材について説明する。
基材としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプや、ポリエチレン繊維等の合成繊維パルプを主成分として、顔料、サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、紙力増強剤等の通常抄紙に使用されている各種添加剤を1種以上必要に応じて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で製造された原紙を用いることができる。また、この原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙を用いることもできる。さらには、上記原紙上に樹脂層を設けた樹脂被覆紙であることが好ましい。また樹脂材料としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等のガラス転移温度が室温(25℃)以下である物が好ましく用いられる。このような樹脂を用いることにより裏面がインク受容層に与えるダメージを最小限に抑えることができ,インク受容層の剥がれを防止することが可能となる。また、裏面からのガスの影響を受けにくくなる。これら樹脂材料を使用した樹脂層は繊維化して成型したシート材で形成されていることがより好ましい。原紙に設けられる樹脂層は、片面でも良く両面でも良い。片面の場合、中間層と接する面でも良く、反対側の面でも良い。
このような基材は、坪量が50〜200g/m2であることが好ましい。
次に、本発明の記録媒体に用いることのできる、無機微粒子を含有するインク受容層について説明する。
無機微粒子としては、合成非晶質シリカ微粒子や、合成炭酸マグネシウム微粒子等が好ましく、特に好ましくは合成非晶質シリカ微粒子であるが、下記無機微粒子を使用することもできる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ水和物、アルミナ、水酸化マグネシウム等である。これらから選択された1種を、あるいは必要に応じて選択された2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの無機微粒子は、通常無機顔料として用いられるものである。また、これらの無機微粒子以外に有機顔料を含有しても良い。有機顔料としては、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン粒子、マイクロカプセル粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等が挙げられる。上記の所定の無機微粒子と、本発明で用いられる顔料インク(通常、色材顔料、高沸点有機溶剤、分散剤、浸透剤及び水とを少なくとも含んでなる)中の液媒体との組み合せにより、吸収性、色彩性、色濃度などの所望の性能が得られる。
ここで、本発明で使用する無機微粒子は、平均二次粒子径が3.0〜15μmであることが好ましい。平均二次粒子径が3.0μm未満であると、顔料インクの定着性が低下し、黒インクのブロンズ化現象が発生する場合がある。ブロンズ化現象とは、黒発色が茶色がかって見えることで、色濃度を低下させ、品質を悪化させる。また、平均二次粒子径が15μmを超えると色濃度が低下する場合がある。これはインク中の色材顔料が無機微粒子の裏側にまで回り込み、表面から見る色材顔料を隠蔽するからだと考えられる。特にインク中に浸透剤を含有する場合は、この粒子径が大きく影響することが多い。
また、本発明で使用する無機微粒子は、JIS−K5109に基づき求めた吸油量が150ml/100g以上であることが好ましく、200ml/100g以上であることがより好ましい。上記の吸油量が色再現範囲等に影響する理由は定かではないが、インク中に含まれる高沸点有機溶媒や浸透剤の吸収状態になんらかの影響があるものと推定される。本発明で使用するインク中の高沸点有機溶媒や浸透剤の組み合せにおいて、インク受容層中の無機微粒子の吸油量が好ましい条件になっているものと推定される。
本発明で好ましく使用される非晶質シリカ微粒子とは、乾量基準でSiO293%以上、Al23約5%以下、Na2O約5%以下を含む微粒子であり、いわゆるホワイトカーボン、シリカゲルや非晶性微粉末シリカなどがある。非晶質シリカ微粒子の製造方法は、乾式法と湿式法に大別され、乾式法には、燃焼法と加熱法がある。また、湿式法には沈殿法とゲル法と言われる製造方法がある。乾式燃焼法は一般に、気化させた四塩化珪素と水素を混合したものを1600〜2000℃で空気中で燃焼させる方法で気相法とも呼ばれる。湿式沈殿法は通常、珪酸ソーダと硫酸等を水溶液中で反応させて、SiO2を沈殿させる方法で、反応温度や酸の添加速度等の条件によりシリカの比表面積(40〜400m2/g)や一次粒子径(5〜80nm)等を調整することが出来る。また、乾燥や粉砕条件で二次粒子径やシリカ物性が微妙に変化する。湿式ゲル法は一般に珪酸ソーダと硫酸の同時添加等で反応させて製造されるもので、シリカ粒子同士の重合、例えばシラノール基の脱水縮合等が進んで三次元的なヒドロゲル構造になったものである。その特徴は、一次粒子が比較的小さいヒドロゲル構造であるため、比表面積の大きな二次粒子が製造出来ることであり、その一次粒子(2〜15nm)の大きさを反応条件等を変えることにより調整し、吸油量の異なる二次粒子を製造できる。
無機微粒子を含有するインク受容層に用いられる接着剤としては、水溶性または非水溶性の高分子化合物を用いることができ、インク受容層の構成成分として、インクと親和性を有する化合物を用いることができる。
水溶性高分子化合物としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、各種鹸化度のポリビニルアルコール又はそのシラノール変性物、カルボキシル化物、カチオン化物等の各種誘導体、カゼイン、ゼラチン、変性ゼラチン、大豆蛋白等の天然高分子、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等の水溶性合成高分子が用いられる。また、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或はこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂系ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等が挙げられる。好ましくは、ポリビニルアルコール又はその誘導体である。
また、非水溶性高分子化合物としては、例えば、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類やこれらのアルコール類と水との混合溶媒に溶解する非水溶性バインダーがあげられる。この様な非水溶性バインダーとしては、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のアセタール樹脂を挙げることができ、特にアセタール化度が5モル%以上20モル%以下の範囲のアセタール樹脂は、水を多少含有させることができ、非晶質シリカ微粒子の分散を容易にすることができる為、特に好ましい。
これらの接着剤は、単独で用いても複数を併用してもよく、無機微粒子に対し、2〜60質量%を添加することが好ましい。より好ましくは、10〜50質量%を添加する。上記の添加量の範囲未満では塗膜強度が弱くなる場合があり、上記の添加量の範囲を超えるとインク吸収性、色彩性、色濃度が低下する場合がある。
本発明では、上記の無機顔料及び接着剤を含有する塗工液によりインク受容層を形成する。溶媒としては、上記の無機顔料及び接着剤を分散し得るものなら特に制限はないが、その極性から水、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類やこれらのアルコール類と水の混合溶媒が好ましく使用できる。この塗工液には、必要に応じて、カチオン性水溶性樹脂、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調整剤、硬膜剤等の公知の各種添加剤を添加することができる。
塗工液を塗布する方法は、Eバー塗布、カーテン塗布、ストラドホッパー塗布、エクストルージョン塗布、ロール塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロッドバー塗布等の各種塗布方法を採用することができる。
上記の無機顔料を含有するインク受容層の層構成は、単層であっても2層以上の積層構成であってもよい。2層以上の積層構成の場合、全層が同じ配合の層であってもよいし、異なる配合の層を有していてもよい。
塗工液の塗工量は、乾燥後の固形分換算で単位平方メートル当たり0.5g以上が好ましく、本発明のさらなる効果を発現させる観点から、より好ましくは単位平方メートル当たり1.0g以上であり、また40g以下である。
塗工液の塗工後には乾燥を行うが、乾燥する方法としては、一般の公知の方法を用いることができ、限定されない。例えば、熱源により発生した加熱空気を送風した加温器内に搬送する方法、ヒーター等の熱源近傍を通過させる方法等である。
そして、このインク受容層は、表面のJIS−B0601に基づく中心線平均粗さを1.0μm以上とする。1.5〜10.0μmが好ましい。このような表面粗さを有するインク受容層とすることで、ファインアート紙としての風合いの1つである「印字する側の面は滑らかな凹凸があり、見た目にも素朴な印象を与える画材用紙風」の記録媒体になる。これは、上記のような記録媒体とするには、表面の凹凸がその印象に重要な要素であると考えられ、滑らかな凹凸を有しかつその凹凸が表面粗さ(中心線平均粗さRa、後述)が1.0μm以上であると好ましい印象を与えることによる。中心線平均粗さを調整する方法としては抄紙工程におけるワイヤーパートでのフォーミングワイヤー、プレスパートにおけるフェルトの種類を選択することが挙げられる。また抄紙後の用紙であってもエンボス加工を行うことにより、所定の中心線平均粗さに調整することができる。
なお、本発明に言う中心線平均粗さ(Ra)とは、JIS−B0601に準拠して測定したRaを言う。測定時の条件としてはカットオフ値2.5mm、測定長さ2.5mmとしたものとする。
以上のような記録媒体は、表面と裏面のJIS−P8147に基づく静止摩擦係数が、いずれも0.7以下であることが好ましい。所定の静止摩擦係数に調整する方法としては、上記の中心線平均粗さの調整法と同様の方法、すなわち抄紙工程におけるワイヤーパートでのフォーミングワイヤー、プレスパートにおけるフェルトの種類を選択することが挙げられる。静止摩擦係数の上限値はプリンタでの積載搬送時の受容層剥がれを防止するため0.7以下であることが望ましく、搬送時の受容層剥がれの点では下限値は特に限定されるものではない。
以上のような構成とすることで、ファインアート紙としての風合いを維持しながら、カール、コックリングおよび搬送時のインク受容層の傷つきを抑制し、さらには画像堅牢性を高めた記録媒体となる。
次に、本発明に用いる認証機能(認証確認可能な性能)について説明する。
アーティストが原画を複製する際、不正複製と区別するためエディショナルナンバーを記入するなどして、複製画の価値を維持している。しかしながら、最近のデジタル技術の著しい進歩によりエディショナルナンバー自体の偽造の可能性も否定できず、その複製画の正当性を証明するには不十分である場合が考えられる。そこで、第三者の偽造が困難な認証データを作品に付加する必要があるが、これまでのファインアート紙であるコットン紙にインク受容層を設けたものの場合、コットン紙に認証機能を付加することになる。しかし、コットン紙に認証機能を付加しようとすると、その作品自体の再現性を損ねてしまう可能性が高い。本発明では、記録媒体を構成する基材に認証機能を付加することが可能である。すなわち、認証確認可能な性能を有する基材を用いることで、コットン紙に認証機能を付加する必要が無くなり、その作品自体の再現性を損ねてしまうことなく、第三者の偽造が困難な認証データを付加することができる。具体的には、基材の裏面にバーコードや二次元コードなどの暗号を印刷する方法、ICチップを埋め込む方法、認証情報を赤外線等で読み取り可能な特殊なインクで印刷する方法が挙げられるが、これに限られるものではない。
以下、本発明を実施例により説明するが、勿論これに限定されるものではない。
(樹脂被覆紙(基材)の製造)
LBKPからなる坪量50g/m2の原紙の表面に、低密度ポリエチレン85質量部と二酸化チタン15質量部からなる樹脂組成物を10g/m2となるように塗工した。また、その裏面に、高密度ポリエチレン60質量部と低密度ポリエチレン40質量部からなる樹脂組成物を10g/m2塗工して、基材となるポリオレフィン樹脂被覆紙を作製した。この基材の表面の中心線平均粗さを測定したところ、0.33μmであった。
(アート紙と樹脂被覆紙との張り合わせ)
作製したポリオレフィン樹脂被覆紙を210×297mmサイズに加工し、その表面とインクジェット用アート紙/キャンソン社製ミ・タント(商品名、170g/m2、A4サイズ、密度0.7g/cc、インク受容層表面の中心線平均粗さ(MD方向/CD方向:7.0/6.2μm)、インク受容層の無機材料:シリカ、紙繊維材料:コットン60%)の裏面が接触するように重ね合わせた。重ね合わせたものをラミネータ(コクヨ社製、商品名:KLM−230)に通紙して接着させ、インクジェットメディアを得た。本メディアの表面のJIS−B0601に基づく中心線平均粗さおよび表面と裏面の組み合わせでのJIS−P8147に基づく静止摩擦係数を測定した。
(カール測定)
上記のインクジェットメディアをチャック付きポリ袋に入れ、温度15℃/湿度10%の環境下に一晩置いた後、袋から取り出しテーブル上に静置し、30分後にテーブル面からメディア面までの距離をメディアの四隅について測定しその平均値をカール値とした。なお、印字面方向への変位をプラスとした。
(搬送性評価)
上記のインクジェットメディアをチャック付きポリ袋に入れ、温度15℃/湿度10%の環境下に一晩置いた後、袋から取り出しキヤノン社製インクジェットプリンタ(商品名:ピクサス990i)にてグレーベタ画像を印字領域全面に印字した。その際のヘッドこすれの有無を観察した。カール値が小さくかつ、コックリング性が良好であれば、ヘッドこすれは発生しない。
(印字ムラ評価)
上記のインクジェットメディアをピクサス990iに5枚積載し黒ベタ画像を印字領域全面に印字し、その際の印字ムラを目視で観察し、印字ムラが観察されたメディア枚数をカウントした。このときの印字ムラとは、1枚積載で印字した場合の画像と比較して、印字濃度が薄かったり、やや光沢性が増している部分が観察される現象を言う。
(画像堅牢性評価)
上記のインクジェットメディアの印字面に、室温環境下にてキヤノン社製インクジェットプリンタ(商品名:ピクサス990i)にて、OD≒1.0となるようC、M、Y、K各色パッチを印字した。この記録物に対して、オゾン曝露試験機(スガ試験機社製、商品品名:OMS−HS)を用いて、耐ガス暴露試験を行なった。
試験条件
オゾン濃度:2.0ppm
試験時間:2.0時間
試験層内温湿度条件:23℃、60%RH
耐オゾン性の評価方法は、試験前後の上記の記録物を分光光度計・スペクトリノ(商品名、グレタグマクベス社製)を用いて測定し、次の式よりΔE(Lab色空間における移動距離)を求め、以下に記述する判定基準に基づき判定した。結果は表1示した。
ΔE={(試験前の記録物のL値−試験後の記録物のL値)2+(試験前の記録物のa値−試験後の記録物のa値)2+(試験前の記録物のb値−試験後の記録物のb値)21/2
判定基準
○:4色のベタバッチのうち最もΔEが大きかったものの値が10未満であるもの。
△:4色のベタバッチのうち最もΔEが大きかったものの値が10以上であるもの。
(比較例)
インクジェットメディアとしてインクジェット用アート紙/キャンソン社製ミ・タント(商品名、170g/m2、A4サイズ)をそのまま使用して、実施例1と同様に評価を行った。
[結果]
以下のようになった。
Figure 2006212886
以上のように、本発明の構成を持った記録媒体は、従来品に比べファインアート紙としての風合いを保ちながら、カール性、コックリング性、画像堅牢性、搬送性ともに向上し、画像の印字ムラも改善されていることがわかる。
本発明の記録媒体の構成図である。
符号の説明
a インク受容層
b 中間層
c 基材

Claims (6)

  1. 基材と、
    繊維状物質を含有し、密度が0.7g/cc以下である中間層と、
    無機微粒子を含有し、表面の任意の方向におけるJIS−B0601に基づく中心線平均粗さが1.0μm以上であるインク受容層と、
    をこの順に有することを特徴とする記録媒体。
  2. 前記基材が、樹脂被覆紙であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記中間層が、繊維状物質としてコットン・パルプを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体。
  4. 前記中間層は、端面が樹脂被覆されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体。
  5. 表面と裏面の組み合わせでのJIS−P8147に基づく静止摩擦係数が、0.7以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の記録媒体。
  6. 前記基材が、認証確認可能な性能を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103507463A (zh) * 2012-06-28 2014-01-15 佳能株式会社 记录介质

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