JP2006208090A - 超音波探触子 - Google Patents

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Masahiro Kiji
雅博 貴治
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Abstract

【課題】 超音波を集束することができ、かつ、周波数が低い超音波を発振することができる安価な超音波探触子を提供すること。
【解決手段】 超音波送受信面14を有する第1振動子4’’と、超音波送受信面15を有する第2振動子5’’と、超音波送受信面16を有する第3振動子6’’と、振動子4’’, 5’’, 6’’における超音波送受信面14,15,16側と反対側の裏面に裏付けされたバッキング部材3とを有する。上記バッキング部材3を、エポキシ樹脂に、この樹脂よりも密度が高い銅粉を混入して形成された材料で形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波探触子に関する。
従来、超音波探触子としては、特開平6−281634号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
この超音波探触子は、サファイアや石英を用いて形成された音響レンズと、この音響レンズに取り付けられた振動子とを備えている。
上記従来の超音波探触子は、上記振動子を上記音響レンズに取り付けることにより、超音波を点集束するようにしている。
しかしながら、上記従来の超音波探触子は、上記音響レンズの製作が高価であるという問題があり、更に、上記音響レンズを高精度に製作することが困難であるという問題もある。また、振動子に高分子圧電膜を用い、音響レンズに換えて樹脂を用いて形成されたバッキング材を用いた超音波探触子は安価ではあるが、高精度には形成できず、更に、周波数が低い超音波を発振することができず、上記従来の超音波探触子から発振された超音波は、軸受の内輪等の被疲労検査部材における表面から深い部分を伝播できないという問題がある。
このため、被疲労検査部材おいて最も疲労が起き易い被疲労検査部材の最大剪断応力深さ部分が深い場合、超音波を、被疲労検査部材における最も疲労が起こり易い領域を伝播させることができず、被疲労検査部材の材料の状態の変化に基づく超音波の伝播速度の変動を測定できず、被疲労検査部材の疲労の有無を検査できないという問題がある。
特開平6−281634号公報
そこで、本発明の課題は、超音波を集束することができ、かつ、周波数が低い超音波を発振することができる安価な超音波探触子を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の超音波探触子は、
超音波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う超音波送受信面を有する振動子と、
上記振動子における上記超音波送受信面側と反対側の裏面に直接または間接的に裏付けされたバッキング部材と
を備え、
上記バッキング部材は、樹脂に、この樹脂よりも密度が高い粉末を混入して成る材料で形成されていることを特徴としている。
上記バッキング部材は、振動子に直接取り付けられても良いし、振動子に部材を介して間接的に取り付けられても良い。
本発明者は、振動子の超音波送受信面側と反対側に裏付けされている上記バッキング部材の材料が、振動子から発振される超音波の共振周波数と密接な関係があることを突き止めた。詳細には、振動子に裏付けされているバッキング部材を、樹脂に、この樹脂よりも密度が高い粉末を混入して成る材料で形成すると、超音波振動子から発振される超音波の共振周波数を低くすることができることを発見した。
本発明によれば、バッキング部材が、樹脂に、この樹脂よりも密度が高い粉末を混入して成る材料で形成されているので、上記振動子から低周波の超音波を発振できる。したがって、この発明の超音波探触子から発振される超音波を用いると、部材において最も疲労が発生し易い最大剪断応力深さが深い場合であっても、超音波を部材における最大剪断応力深さ部分付近を伝播させることができる。したがって、部材における疲労層が深い場合であっても、部材に疲労が発生しているか否かを正確に検査できる。
また、一実施形態の超音波探触子は、
上記振動子は、夫々高分子圧電膜を有する第1振動子、第2振動子および第3振動子を含み、
上記第1振動子、第2振動子および第3振動子は、仮想球面の曲率と同じ曲率である超音波送受信面を夫々有し、
上記バッキング部材における上記第1、第2および第3振動子の取付面は、凹曲面になっており、
上記第1振動子、第2振動子および第3振動子の超音波送受信面が、互いに非接触な状態で上記仮想球面の大円上に順次略等間隔になるように、上記バッキング部材に上記第1、第2および第3振動子が配置され、
上記第1振動子の超音波送受信面から発信されて、固体部材の表層部を伝播した超音波を、上記第3振動子の超音波送受信面で受信して、上記固体部材の表層部の機械特性を測定する。
上記実施形態によれば、上記バッキング部材における上記振動子の取付面が、凹曲面になっているので、この凹曲面の取付面から上記超音波送受信面までの距離を略一定にすることができる。したがって、振動子の振動特性を格段に向上させることができる。
また、上記実施形態によれば、上記第1、第2および第3振動子の超音波送受信面を、互いに非接触な状態で上記仮想球面の大円上に順次等間隔に配置したので、例えば、軸受の内輪の軌道面の表層部の機械特性を測定するべく上記内輪の軌道面の表層部における超音波の伝播速度を測定するとき、第2振動子を用いて、上記大円が、上記軌道面に対して所定の角度に位置決めされているか否かを判断できる。詳細には、上記第2振動子の超音波送受信面から発信されて内輪の軌道面で反射して第2振動子の超音波送受信面に入射した超音波のうちで感度が高い超音波を測定することによって、上記軌道面で反射した超音波がいかなる入射角度で中央の振動子の超音波送受信面に入射しているかを判断して、上記大円が、上記軌道面に対して所定の角度に位置決めされているか否かを、上記軌道面における超音波の伝播速度の測定前に予め判断できる。したがって、上記第1振動子の超音波送受信面から発信されて上記軌道面の表層部を伝播して上記第3振動子の超音波送受信面に到達した超音波に基づいて算出された上記軌道面における超音波の伝播速度が、精度高いものになる。
また、一実施形態の超音波探触子は、上記第1振動子、上記第2振動子および上記第3振動子を、単一の板状可撓性部材内の独立した3ヶ所を夫々電極で挟むことによって構成し、上記超音波送受信面は露出した状態となっている。
尚、上記板状という表現には、湾曲した板の形状も含むものとする。
上記実施形態の超音波探触子によれば、上記第1、第2および第3振動子の夫々を、上記板状可撓性部材の一部を2枚の電極で挟むことにより形成するので、当該電極に電圧を印加することで、容易に可撓性部材の挟まれた部分を振動させることができて、超音波を容易に送信することができる。
また、上記実施形態の超音波探触子によれば、例えば、バッキング部材の球面形状の内周面に沿って板状可撓性部材における上記内周面の形状に対応する球面形状の外周面を貼り付けるようにして、超音波探触子の主部を形成することができて、この場合、上記板状可撓性部材を挟むように配置されている2つの電極のうちの一方の電極の内周面から成る超音波送受信面を、上記大円上の所定位置に容易に配置できる。
また、一実施形態の超音波探触子は、上記密度が高い粉末が、金属粉である。
上記実施形態によれば、上記密度が高い粉末が、樹脂に混入させ易い金属粉であるので、上記バッキング部材を簡単安価に形成できる。
また、一実施形態の超音波探触子は、上記バッキング部材における上記振動子の取付面は、略真球である第1の玉を用いるプレス成形により略球面形状に成形されている。
上記実施形態によれば、上記取付面の形状を理想的な球面形状にすることができる。
また、一実施形態の超音波探触子は、上記振動子が、略同じ膜厚を有し、上記振動子の上記超音波送受信面が、上記バッキング部材における上記略球面形状に成形された取付面と、上記第1の玉よりも上記振動子の上記膜厚分だけ半径が小さい第2の玉とを用いるプレス成形により略球面形状に成形されている。
上記実施形態によれば、上記超音波送受信面の形状を、理想的な球面形状にすることができる。また、上記振動子を理想的な断面扇形の形状に成形できて、振動子の振動特性を格段に向上させることができる。
また、一実施形態の超音波探触子は、上記振動子が、高分子圧電膜を有し、上記高分子圧電膜が、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体を、ジメチルホルムアミドに溶解させた後、脱気して、薄膜化して、真空脱気して、真空加熱して、分極化して形成されている。
上記実施形態によれば、上記振動子を量産した場合における振動子の特性の個体差によるバラツキをなくすことができる。また、振動子の振動特性と可撓性を向上させることができる。
本発明の超音波探触子によれば、バッキング部材を、樹脂に、この樹脂よりも密度が高い粉末を混入して成る材料で形成しているので、振動子から低周波の超音波を発振できる。したがって、部材において最も疲労が発生し易い最大剪断応力深さが深い場合であっても、超音波を部材における最大剪断応力深さ部分付近を伝播させることができて、部材における疲労層を伝播させることができるので、部材に疲労が発生しているか否かを正確に検査できる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の超音波探触子1の6つの電極4,4’,5,5’,6,6’を含む断面図であり、大円18を含む断面図である。
上記超音波探触子1は、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体で形成された板状可撓性部材の一例としての高分子圧電膜2と、この高分子圧電膜2の内周面8に取り付けられると共にアルミ箔からなる3つの電極4,5,6と、外周面9に取り付けられると共にアルミ箔からなる3つの電極4’,5’,6’と、高分子圧電膜2の外周面9(電極4’,5’,6’が貼り付けられた以外の部分)を貼り付けることによって、高分子圧電膜2を保持しているバッキング部材3とを備える。
これら6つの電極のうち、3組の電極、すなわち、4と4’、5と5’、および、6と6’は、夫々高分子圧電膜2の異なる3箇所を挟むように対向配置されている。上記電極4,4’および電極4,4’に挟まれた高分子圧電膜2の部分は、第1振動子4’’になっており、電極5,5’および電極5,5’に挟まれた高分子圧電膜2の部分は、第2振動子5’’になっている。また、上記電極6,6’および電極6,6’に挟まれた高分子圧電膜2の部分は、第3振動子6’’になっている。
上記第1振動子4’’、第2振動子5’’および第3振動子6’’は、電極4,4’、電極5,5’および電極6,6’の夫々に電圧を印加することによって、電極4,4’、電極5,5’および電極6,6’の夫々に挟まれた高分子圧電膜2の部分を振動させると共に、この挟まれた高分子圧電膜2の部分の振動によって、電極4,4’、電極5,5’および電極6,6’自身も振動させて(すなわち、第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の全体を振動させて)、超音波を送信できるようになっている。上記電極4,5,6の内周面は、超音波送受信面14,15,16になっている。
尚、第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’は、単一の板状可撓性部材を用いて形成されるが、第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’は、夫々上記板状可撓性部材の離隔した独立箇所に設けられ、かつ、板状可撓性部材が高分子圧電膜2で構成されているので、第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’は、相互に振動の影響を及ぼし合うことがなく、独立に振動できる。
上記高分子圧電膜2の内周面8と外周面9は、夫々球面の一部から構成されており、内周面8と外周面9は、同一の曲率中心P0を有している。また、上記3つの電極4,5,6の夫々の内周面である超音波送受信面14,15,16は、曲率中心がP0である仮想球面10と曲率が同じ球面の一部で構成されている。上記超音波送受信面14,15,16は、仮想球面10の大円18上に順次等間隔に配置されている。
また、紙面の左方の第1振動子4’’の超音波送受信面14と中央の第2振動子5’’の超音波送受信面15の大円18上における周方向の距離Bは、紙面の右方の第3振動子6’’の超音波送受信面16と中央の第2振動子5’’の超音波送受信面15の大円18上における周方向の距離Cと等しくなっている。上記超音波送受信面14,15,16は、互いに非接触な状態で大円18上に略等間隔に配置されている。
図2は、図1の矢印A方向からみた超音波探触子1の図である。
図2に示すように、上記高分子圧電膜2は、帯形状であり、第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’は、高分子圧電膜2の内周面8の幅方向の略中央部に固定されている。上記中央の第2振動子5’’の超音波送受信面15の縁部は円になっており、第2振動子5’’の超音波送受信面15はドーム形状になっている。また、上記第2振動子5’’の左右に配置された第1および第2振動子4’’,6’’の超音波送受信面14,16は、第2振動子5’’に対して左右対称な形状を有している。上記超音波送受信面14,16は、図2において、略等脚台形の形状になっており、等脚台形の上底は、大円18に垂直な状態で、第2振動子5’’側に配置されている。
上記第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の超音波送受信面14,15,16の面積は、略等しくなっている。上記超音波送受信面14,15の間および超音波送受信面15,16の間には、大円18における超音波送受信面14,15,16(3つのうちのどれか1つ)と交差した部分の長さ程度の隙間が空けられている。図2において、BまたはCは、上記隙間の距離を示している。また、図2に示されたBまたはCは、図1に示されたBまたはCに夫々対応している。図2に示されたBとCは同じ長さになっている。
上記高分子圧電膜2は、湾曲した単一の板形状を有している。上記高分子圧電膜2は、次のようにして作製されている。
先ず、高分子圧電膜2の圧電高分子材料であるフッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体を、ジメチルホルムアミドに溶解し、その後、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体が溶解しているジメチルホルムアミドを超音波洗浄機で脱気する。その後、上記共重合体が溶解しているジメチルホルムアミドを平面容器に流し込み、上記共重合体が溶解しているジメチルホルムアミドの薄膜化を実行する。
続いて、薄膜化が行われた上記共重合体が溶解しているジメチルホルムアミドを、真空容器内で脱気させ、ジメチルホルムアミドを気化させて除去する。
続いて、ジメチルホルムアミドが除去された上記共重合体を真空オーブンにて130℃〜140℃の温度で2時間保持し、その後、自然冷却を行う。この真空加熱により、薄膜内において分子鎖を面方向に配列させ、結晶化を促進する。
最後に、真空加熱が行われた共重合体に100V/μmの交流電圧を印加して、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体の分極処理を行い、高分子圧電膜を完成させる。
実験によると、高分子圧電膜をこの製法で形成すると、高分子圧電膜を量産した場合において高分子圧電膜の特性の個体差に依存するバラツキを格段に低減できて、かつ、高分子圧電膜の振動特性や可撓性等の性能特性を、優れたものにできることが確認されている。
上記バッキング部材3は、樹脂の一例としてのエポキシ樹脂に、エポキシ樹脂よりも密度が高い粉末の一例としての銅粉を混入した材料で形成されている。詳細には、上記エポキシ樹脂と、上記銅粉との混合質量比は、1対3に設定されており、エポキシ樹脂の質量は、上記銅粉の質量の1/3に設定されている。また、図1に示すように、上記バッキング部材3における第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の取付面は、凹面形状の一例としての略球面形状になっている。
図3および4は、固体部材(被疲労検査部材)の一例として深溝玉軸受の内輪30を採用し、内輪30の軌道面の軌道底31の表層部における超音波の伝播速度を測定している途中の工程を示す模式図である。
尚、図3および図4に、α,βおよびγで示す箇所は、大円18上の超音波送受信面14,15および16(図1参照)の存在箇所を示すものとする。
以下、図3および図4を用いて、上記超音波の伝播速度の測定方法を簡単に説明する。
先ず、図3に示すように、上記超音波送受信面14,15および16が配置されている大円18を、軌道底31の軸心P1に垂直で、かつ、軌道底31が画定する円周と交差する平面上に配置する。その後、軌道底31が画定する円周の中心と、大円18の中心を結んだ線分の延長上に、βで位置を示す中央の第2振動子5’’の超音波送受信面15が存在している状態で、大円18のβの位置に配置された第2振動子5’’の超音波送受信面15から発振されて軌道底31で反射して第2振動子5’’の超音波送受信面15に到達した超音波の伝播時間と、大円18のαの位置に配置された紙面の左方の第1振動子4’’の超音波送受信面14から発信されて軌道底31で反射して大円18のγの位置に配置された紙面の右方の第3振動子6’’の超音波送受信面16に到達した超音波の伝播時間とが等しくなる位置に、超音波探触子1を位置決めする。このとき、図3に示すように、大円18の中心P2は、軌道底31上に存在しており、大円18のβの位置に配置された中央の第2振動子5’’の超音波送受信面15と軌道底31の距離は、大円18の半径rになっている。
次に、図4に示すように、超音波探触子1を軌道底31の方に径方向に所定距離d近づける。超音波探触子接近工程の後、大円18のβの位置に配置された中央の第2振動子5’’の超音波送受信面15と軌道底31の距離は、r−dになっている。
次に、大円18のαの位置に配置された紙面の左方の第1振動子4’’の超音波送受信面14から発信されて図4に矢印Oで示す方向に伝播して軌道底31に到達して、軌道底31の表層部を周方向に伝播した後、図4に矢印Eで示す方向に伝播して、大円18のβの位置に配置された紙面の右方の第3振動子6’’の超音波送受信面16に到達した超音波の伝播時間を測定する。
最後に、上記超音波の伝播時間に基づいて軌道底31の表層部における超音波の伝播速度を計算し、この伝播速度に基づいて軌道底31の表層部の金属疲労を検査する。
超音波の伝播速度は、超音波が伝播している材料の構造の変化(材料疲労等による材料の変化)によって変動する。このことから、超音波の伝播速度を測定すれば、材料の状態を検査することができるのである。
図5〜図7は、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂、エポキシ樹脂に銅粉が混入されている材料、または、エポキシ樹脂にタングステンの粉末が混入されている材料が採用されている超音波探触子について、同じ軸受の内輪の表層部を伝播した超音波を測定した場合における、夫々の波形を示す図である。
詳細には、図5(A)は、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂が採用されている点以外は図1に示す超音波探触子と等しい超音波探触子を用いて、図4においてαで位置を示す超音波送受信面14から発振されて軌道面31の表層部を伝播してγで位置を示す超音波送受信面16に到達した超音波の波形を示す図であり、γで超音波送受信面16の位置を示す第3振動子6’’で測定した超音波の波形を示す図である。また、図5(B)は、その周波数スペクトル解析の結果を示すグラフである。
また、図6(A)は、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂の質量が銅粉の質量の1/3に設定されている上記図1に示す第1実施形態の超音波探触子を用いて、図4においてαで位置を示す超音波送受信面14から発振されて軌道面31の表層部を伝播してγで位置を示す超音波送受信面16に到達した超音波の波形を示す図であり、γで超音波送受信面16の位置を示す第3振動子6’’で測定した超音波の波形を示す図である。また、図6(B)は、その周波数スペクトル解析の結果を示すグラフである。
また、図7(A)は、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂にタングステン粉末が混入されている材料が採用されている点以外は図1に示す超音波探触子と等しい本発明の第2実施形態の超音波探触子を用いて、図4においてαで位置を示す超音波送受信面14から発振されて軌道面31の表層部を伝播してγで位置を示す超音波送受信面16に到達した超音波の波形を示す図であり、γで超音波送受信面16の位置を示す第3振動子6’’で測定した超音波の波形を示す図である。また、図7(B)は、その周波数スペクトル解析の結果を示すグラフである。
尚、上記材料のエポキシ樹脂とタングステン粉末の質量比は、エポキシ樹脂1に対してタングステン粉末7.5になっており、エポキシ樹脂の質量が、タングステン粉末の質量の1/7.5になるように設定されている。
バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂を用いた場合においては、図5(B)に示す周波数スペクトル解析に示されているように、共振周波数が略13MHzになっている。このことから、第3振動子6’’において図5(A)に示す波形が観測された超音波は、軌道面31から0.12mmの深さの部分を伝播してきたものと考えられる。
というのも、超音波の速度(試料(軸受鋼)を伝播する超音波(表面波)の速度)をv、超音波の周波数をfとすると、超音波の波長λは、λ=v/fと表されるが、表面(軌道面31)からの深さをzとすると、z/λと、相対変位との間には、図9のような関係があることが知られているからである(例えば、超音波便覧pp,65−69,1999)。すなわち、図9より、有効伝播深さ(相対変位が大きい深さ)をz/λ=0.0〜0.5とし、V=3200m/sとして、z/λ=0.5となるようなzを求めると、例えば、周波数fがf=13MHzのときには、z=0.12mmとなり、周波数fがf=11MHzのときには、z=0.15mmとなり、周波数fがf=7MHzのときには、z=0.23mmとなるのである。したがって、第3振動子6’’において図5(A)に示す波形が観測された超音波は、共振周波数が略13MHzであるので、軌道面31から0.12mmの深さの部分を伝播してきたものと考えられるのである。
また、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂に銅粉を混入させた材料を用いた場合においては、図6(B)に示す周波数スペクトル解析に示されているように、共振周波数が略11MHzになっており、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂を採用した場合と比較して、共振周波数の値が低くなっている。
このことから、第3振動子6’’において図6(A)に示す波形が観測された超音波は、軌道面31から0.15mmの深さの部分を伝播してきたものと考えられ、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂を採用した場合と比較して、深層部分を伝播してきたものと考えられる。
したがって、エポキシ樹脂に銅粉を混入した材料で形成されたバッキング部材を採用すると、エポキシ樹脂のみで形成されたバッキング部を採用した場合と比較して、発振超音波の周波数を低くすることができて、超音波を内輪のより深層部を伝播させることができる。
また、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂にタングステン粉末を混入させた材料を用いた場合においては、図7(B)に示す周波数スペクトル解析に示されているように、共振周波数が略7MHzになっており、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂に銅粉を混入した材料を採用した場合と比較して、更に、共振周波数の値が低くなっている。
このことから、第3振動子6’’において図7(A)に示す波形が観測された超音波は、軌道面31から0.23mmの深さの部分を伝播してきたものと考えられ、バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂に銅粉を混入した材料を採用した場合と比較して、深層部分を伝播してきたものと考えられる。
したがって、エポキシ樹脂の質量が、タングステン粉末の質量の1/7.5になるように設定されている材料で形成されたバッキング部材を採用した場合、エポキシ樹脂の質量が、銅粉末の質量の1/3になるように設定されている材料で形成されたバッキング部材と比較して、発振超音波の周波数を低くすることができて、超音波を内輪のより深層部を伝播させることができる。
以上より、次の非常に重大かつ有益な結果が導かれる。すなわち、バッキング部材の材料を適切に選択するだけで、詳しくは、樹脂の種類、樹脂に混ぜる樹脂よりも密度が大きい粉末の種類、および、この粉末の樹脂に対する混合比を適宜選択するだけで、超音波が伝播する深さを変えることができるのである。
実際には、固体部材(被疲労検査部材)において最も疲労しやすい深さは、被固体部材の材料に依存して変動する。したがって、樹脂の種類、樹脂に混ぜる樹脂よりも密度が大きい粉末の種類、および、この粉末の樹脂に対する混合比を適宜選択することにより、超音波を伝播させる深さ領域を絞り込むことができて、如何なる種類の固体部材でも、疲労検査を精密に行うことができる。
すなわち、バッキング部材の材料を適宜選択するだけで、如何なる種類の固体部材でも、疲労検査を精密に行うことができるのである。
尚、エポキシ樹脂に混ぜる銅粉の割合を増大させると、材料の成形が困難になった。そして、エポキシ樹脂に銅粉を混入してバッキング部材の材料を形成する場合、エポキシ樹脂の質量が、銅粉の質量の1/3以上である場合、材料をうまく成形できる一方、エポキシ樹脂の質量が、銅粉の質量の1/3より小さい場合、材料を成形できなかった。
また、同様に、エポキシ樹脂にタングステン粉末を混入してバッキング部材の材料を形成する場合、エポキシ樹脂の質量が、タングステン粉末の質量の1/8以上である場合、材料をうまく成形できる一方、エポキシ樹脂の質量が、タングステン粉末の質量の1/8より小さい場合、材料を成形できなかった。
上記第1および第2実施形態の超音波探触子によれば、バッキング部材2が、エポキシ樹脂に、このエポキシ樹脂よりも密度が高い銅粉(またはタングステン粉末)を混入して成る材料で形成されているので、第1振動子4’’から低周波の超音波を発振できる。したがって、第1および第2実施形態の超音波探触子1を用いて部材の疲労を検査する場合、固体部材(今の場合、内輪30)における最も疲労が発生し易い最大剪断応力深さが深い場合であっても、超音波を、固体部材(被疲労検査部材)における最大剪断応力深さ部分付近を伝播させることができる。したがって、上記第1および第2実施形態の超音波探触子1を用いれば、固体部材における疲労層が深い場合であっても、固体部材に疲労が発生しているか否かを正確に検査できる。
また、上記第1および第2実施形態の超音波探触子によれば、上記第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の超音波送受信面14,15,16を、互いに非接触な状態で仮想球面の大円18上に順次略等間隔に配置したので、例えば、軸受の内輪30の軌道面31の表層部の機械特性を測定するべく内輪30の軌道面31の表層部における超音波の伝播速度を測定するとき、第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’のうちの中央の第2振動子5’’を用いて、大円18が、軌道面31に対して所定の角度に位置決めされているか否かを判断できる。
詳細には、上記第2振動子5’’の超音波送受信面15から発信されて内輪30の軌道面31で反射して第2振動子5’’の超音波送受信面15に入射した超音波のうちで感度が高い超音波を測定することによって、軌道面31で反射した超音波がいかなる入射角度で第2振動子5’’の超音波送受信面15に入射しているかを判断して、大円18が、軌道面31に対して所定の角度に位置決めされているか否かを、軌道面31における超音波の伝播速度の測定前に予め判断できる。
したがって、上記第1振動子4’’の超音波送受信面14から発信されて軌道面31の表層部を伝播して第3振動子6’’の超音波送受信面16に到達した超音波に基づいて算出された軌道面31における超音波の伝播速度が、精度高いものになる。
また、上記第1および第2実施形態の超音波探触子によれば、上記バッキング部材3における第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の取付面が、略球面形状になっているので、この略球面形状の取付面から第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の超音波送受信面14,15,16までの距離を略一定にすることができる。したがって、第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’振動子の振動特性を格段に向上させることができる。
また、上記第1および第2実施形態の超音波探触子によれば、上記第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の夫々を、板状可撓性部材2の一部を2枚の電極4,4’、5,5’または6,6’で挟むことにより形成するので、電極4,4’、5,5’、6,6’に電圧を印加することで、容易に可撓性部材の挟まれた部分を振動させることができて、超音波を容易に送信することができる。
また、上記第1および第2実施形態の超音波探触子によれば、上記密度が高い粉末が、樹脂に混入させ易い金属粉(銅粉またはタングステン粉末)であるので、バッキング部材3を簡単安価に形成できる。
また、上記第1および第2実施形態の超音波探触子によれば、エポキシ樹脂を主材としてそのなかに金属粉を混ぜてバッキング部材3の材料を作成しているので、バッキング部材3を、安く簡単に造ることができる。
また、上記第1および第2実施形態の超音波探触子によれば、高分子圧電膜2が、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体を、ジメチルホルムアミドに溶解させた後、脱気して、薄膜化して、真空脱気して、真空加熱して、分極化して形成されているので、第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’を量産した場合における第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の特性の個体差によるバラツキをなくすことができる。また、第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の振動特性と可撓性を向上させることができる。
尚、上記第1および第2実施形態の超音波探触子では、樹脂として、エポキシ樹脂を採用したが、この発明では、樹脂として、フェノール樹脂やフッ素樹脂やポリウレタン樹脂等、エポキシ樹脂以外の樹脂を採用しても良い。
また、上記第1および第2実施形態の超音波探触子では、上記バッキング部材3における第1、第2および第3振動子4’’,5’’,6’’の取付面が、略球面形状であったが、この発明では、バッキング部材における第1、第2および第3振動子の取付面が、円筒面であっても良い。
また、上記第1および第2実施形態の超音波探触子では、樹脂に混ぜる樹脂よりも密度が大きい粉末として、銅粉またはタングステン粉末を用いたが、この発明では、樹脂に混ぜる樹脂よりも密度が大きい粉末として、銀粉や鉄粉等、銅粉またはタングステン粉末以外の金属粉を用いても良い。また、樹脂に混ぜる樹脂よりも密度が大きい粉末として、金属粉末以外のシリコンの粉末や酸化金属粉末等、非金属粉末を用いても良い。
また、上記第1および第2実施形態の超音波探触子では、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体からなる高分子圧電膜2を用いたが、この発明では、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体以外の材料からなる高分子圧電膜を用いても良い。例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン系共重合体(フッ化ビニリデン・テトラフルオロエチレン共重合体等)、シアン化ビニリデン系共重合体、奇数ナイロン(奇数炭素ポリアミド)、ポリ尿素またはポリ乳酸からなる高分子圧電膜を用いても良い。
尚、電気機械結合定数は、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合体が最も大きく、次いでポリフッ化ビニリデンの順となるが、可撓性や耐衝撃性の点では、ポリフッ化ビニリデンが他の材料よりも優れている。したがって、高分子圧電膜の材料としてポリフッ化ビニリデンを採用すると、可撓性や耐衝撃性に優れる高分子圧電膜を作成できる。また、高分子圧電膜の膜厚を1〜300μmに設定すると、可撓性を向上させることができて、振動特性を向上できる。
図8は、第3実施形態の超音波探触子を作成している最中の図である。
尚、図8において、51は、バッキング部材であり、52は、第2の玉の一例としての玉軸受の鋼製の玉であり、53は、バッキング部材51に圧着される前の振動子であり、54は、シリコンゴムである。上記振動子53は、略同一の厚さを有する帯形状をしている。
以下に、図8を用いて、第3実施形態の超音波探触子について説明する。
第3実施形態の超音波探触子では、第1および第2実施形態の超音波探触子の構成部と同一の構成部の説明を省略することにする。また、上記第3実施形態の超音波探触子では、第1および第2実施形態の超音波探触子と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1および第2実施形態の超音波探触子と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
上記バッキング部材51は、エポキシ樹脂の質量が、タングステン粉末の質量の1/7.5になるように設定されているエポキシ樹脂とタングステン粉末の混合材料で形成されている。上記バッキング部材51は、振動子53の取付面としての略球面形状の凹面57を有している。この球面形状の凹面57は、略真球である玉軸受の鋼製の第1の玉(図示せず)を用いるプレス成形により形成されている。詳細には、上記球面形状の凹面57は、上記第1の玉を、凹面57形成前のバッキング部材に押圧するプレス成形により形成されている。
上記鋼製の玉52の半径は、上記第1の玉の半径よりも略振動子53の厚さ分だけ短くなっている。
上記振動子53は、アルミ箔製の電極58,59,60,61,62と、ポリフッ化ビニリデン製の高分子圧電膜55,56とからなる。
上記電極58と電極59は、略同一形状であり、高分子圧電膜55と高分子圧電膜56は、略同一形状である。また、電極60、電極61および電極62は、略同一形状である。上記電極58,59、および、高分子圧電膜55,56は、表面積が振動子53と略同じで厚さが振動子53よりも薄い帯形状をしている。一方、電極60,61,62は、一方の方向の長さが上記帯の幅と同じ矩形状の表面を有し、厚さが振動子53よりも薄い形状になっている。
上記電極58は、略帯形状の振動子53の一方の側の表面を構成し、電極59は、略帯形状の振動子53の他方の側の表面を構成している。また、電極58の内側には、高分子圧電膜55が配置されており、電極59の内側には、高分子圧電膜56が配置されている。更に、高分子圧電膜55と、高分子圧電膜56の間には、帯の長手方向に略等間隔に電極60、電極61および電極62が配置されている。
上記振動子53は、図示しない第1金属板、電極58、高分子圧電膜55、電極60,61,62、高分子圧電膜56、電極59、図示しない第2金属板の順に、上記各部材を配置した後、第1金属板と第2金属板との間の間隔を狭めるプレス成形を用いて形成されている。
上記振動子53は、電極58と電極60との間、および、電極60と電極59との間に、電圧を印加することにより、電極60と、電極60に対応する高分子圧電膜55,56部分と、電極60に対応する電極58,59部分とから成る第1振動子を振動させて、超音波を発振するようになっている。
また、同様に、電極58と電極61との間、および、電極61と電極59との間に、電圧を印加することにより、電極61と、電極61に対応する高分子圧電膜55,56部分と、電極61に対応する電極58,59部分とから成る第2振動子を振動させて、超音波を発振するようになっている。
また、同様に、電極58と電極62との間、および、電極62と電極59との間に、電圧を印加することにより、電極62と、電極62に対応する高分子圧電膜55,56部分と、電極62に対応する電極58,59部分とから成る第3振動子を振動させて、超音波を発振するようになっている。
上記構成において、次のようにして第3実施形態の超音波探触子を製造する。
先ず、図8に示すように、略一直線上に、鋼製の玉52、シリコンゴム54、振動子53、バッキング部材51を配置する。ここで、バッキング部材51は、略球面形状の凹面57を振動子53の方に向けた状態で配置する。
次に、玉52における振動子53側と反対側の箇所と、バッキング部材51における凹面57側と反対側の表面との間隔を狭めるように、玉52とバッキング部材51に図8に矢印Pで示す力を加えて、振動子53をバッキング部材51の凹面57にプレス接着する。尚、上記シリコンゴム54は、衝撃吸収材としての役割を果たし、玉52によって振動子53に傷が付くことを防止している。
最後に、振動子53における凹面57からはみ出した部分を切除する等して、第3実施形態の超音波探触子を完成する。
上記第3実施形態の超音波探触子によれば、バッキング部材51の振動子53の取付面である凹面57は、玉軸受の鋼製の上記第1の玉を用いるプレス成形により略球面形状に成形されているので、凹面57の形状を理想的な球面形状にすることができる。
また、上記第3実施形態の超音波探触子によれば、振動子53の超音波送受信面を、バッキング部材51の凹面57と、上記第1の玉よりも振動子53の膜厚分だけ半径が小さい玉軸受の鋼製の玉52とを用いるプレス成形により略球面形状に成形するので、振動子53の超音波送受信面の形状を、理想的な球面形状にすることができる。また、図8に示す作製方法を用いると、上記振動子53を理想的な断面扇形の形状に成形できて、振動子(振動子53は、断面扇形の形状に成形する前の振動子)の振動特性を格段に向上させることができる。
また、上記第3実施形態の超音波振動子によれば、高分子圧電膜55,56が2層に配置され、かつ、高分子圧電膜55および高分子圧電膜56の外側と、高分子圧電膜55と高分子圧電膜56との間に、3層に亘って電極58,59,60,61,62が配置されている振動子53を用いているので、超音波探触子の振動特性を著しく向上させることができる。
本発明の第1実施形態の超音波探触子の6つの電極を含む断面図であり、大円を含む断面図である。 図1の矢印A方向からみた超音波探触子の図である。 固体部材の一例として深溝玉軸受の内輪を採用し、内輪の軌道面の軌道底の表層部における超音波の伝播速度を測定している途中の工程を示す模式図である。 固体部材の一例として深溝玉軸受の内輪を採用し、内輪の軌道面の軌道底の表層部における超音波の伝播速度を測定している途中の工程を示す模式図である。 バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂が採用されている超音波探触子について、軸受の内輪の表層部を伝播した超音波を測定した場合における、波形と、その波形の周波数スペクトル分析を示す図である。 バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂に銅粉が混入されている材料が採用されている超音波探触子について、軸受の内輪の表層部を伝播した超音波を測定した場合における、波形と、その波形の周波数スペクトル分析を示す図である。 バッキング部材の材料としてエポキシ樹脂にタングステンの粉末が混入されている材料が採用されている超音波探触子について、軸受の内輪の表層部を伝播した超音波を測定した場合における、波形と、その波形の周波数スペクトル分析を示す図である。 第3実施形態の超音波探触子を作成している最中の図である。 z/λと、相対変位の関係を示す図である。
符号の説明
1 超音波探触子
2,55,56 高分子圧電膜
3,51 バッキング部材
4,5,6,4’,5’,6’,58,59,60,61,62 電極
4’’,5’’,6’’,53 振動子
10 仮想球面
14,15,16 超音波送受信面
18 大円
30 内輪
31 軌道底
52 玉
57 略球面形状の凹面

Claims (7)

  1. 超音波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う超音波送受信面を有する振動子と、
    上記振動子における上記超音波送受信面側と反対側の裏面に直接または間接的に裏付けされたバッキング部材と
    を備え、
    上記バッキング部材は、樹脂に、この樹脂よりも密度が高い粉末を混入して形成された材料で形成されていることを特徴とする超音波探触子。
  2. 請求項1に記載の超音波探触子において、
    上記振動子は、夫々高分子圧電膜を有する第1振動子、第2振動子および第3振動子を含み、
    上記第1振動子、第2振動子および第3振動子は、仮想球面の曲率と同じ曲率である超音波送受信面を夫々有し、
    上記バッキング部材における上記第1、第2および第3振動子の取付面は、凹曲面になっており、
    上記第1振動子、第2振動子および第3振動子の超音波送受信面が、互いに非接触な状態で上記仮想球面の大円上に順次略等間隔になるように、上記バッキング部材に上記第1、第2および第3振動子が配置され、
    上記第1振動子の超音波送受信面から発信されて、固体部材の表層部を伝播した超音波を、上記第3振動子の超音波送受信面で受信して、上記固体部材の表層部の機械特性を測定することを特徴とする超音波探触子。
  3. 請求項2に記載の超音波探触子において、
    上記第1振動子、上記第2振動子および上記第3振動子を、単一の板状可撓性部材内の独立した3ヶ所を夫々電極で挟むことによって構成し、上記超音波送受信面は露出した状態となっていることを特徴とする超音波探触子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の超音波探触子において、
    上記密度が高い粉末は、金属粉であることを特徴とする超音波探触子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の超音波探触子において、
    上記バッキング部材における上記振動子の取付面は、略真球である第1の玉を用いるプレス成形により略球面形状に成形されていることを特徴とする超音波探触子。
  6. 請求項5に記載の超音波探触子において、
    上記振動子は、略同じ膜厚を有し、
    上記振動子の上記超音波送受信面は、上記バッキング部材における上記略球面形状に成形された取付面と、上記第1の玉よりも上記振動子の上記膜厚分だけ半径が小さい第2の玉とを用いるプレス成形により略球面形状に成形されていることを特徴とする超音波探触子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の超音波探触子において、
    上記振動子は、高分子圧電膜を有し、上記高分子圧電膜は、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体を、ジメチルホルムアミドに溶解させた後、脱気して、薄膜化して、真空脱気して、真空加熱して、分極化して形成されていることを特徴とする超音波探触子。
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