JP2000131297A - 漏洩弾性表面波測定用探触子 - Google Patents
漏洩弾性表面波測定用探触子Info
- Publication number
- JP2000131297A JP2000131297A JP10306843A JP30684398A JP2000131297A JP 2000131297 A JP2000131297 A JP 2000131297A JP 10306843 A JP10306843 A JP 10306843A JP 30684398 A JP30684398 A JP 30684398A JP 2000131297 A JP2000131297 A JP 2000131297A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wave
- leaky
- transmitting
- leakage
- orthogonal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 漏洩波と直交反射波との干渉が少なくて漏洩
弾性表面波の音速やこの漏洩弾性表面波に起因する漏洩
波の各種特徴量を従来よりもより精度良く求めることの
可能な漏洩弾性表面波測定用探触子を提供すること。 【解決手段】 略円弧状に配置された超音波の送受信面
Rから試験体S表面に超音波P1,P3を送信すると共
に送受信面Rにより漏洩波P4と直交反射波P2とを受
信する。送受信面Rには振動子21a〜21cが設けら
れており、この振動子21a〜21cは漏洩弾性表面波
P5を発生させるための斜角入射波P3の送信部21b
と、直交入射波P1及び直交反射波P2の送受信部21
aと、漏洩波P4の受信部21cとに3分割されてい
る。漏洩波P4を直交反射波と独立して受信することに
より漏洩波の周波数や振幅等により試験体の物性を求め
る。また、漏洩波P4と直交反射波P2とをそれぞれ干
渉を受けない状態で受信し、これらの比較により試験体
Sに発生する漏洩弾性表面波P5の音速を精度良く求め
得る。
弾性表面波の音速やこの漏洩弾性表面波に起因する漏洩
波の各種特徴量を従来よりもより精度良く求めることの
可能な漏洩弾性表面波測定用探触子を提供すること。 【解決手段】 略円弧状に配置された超音波の送受信面
Rから試験体S表面に超音波P1,P3を送信すると共
に送受信面Rにより漏洩波P4と直交反射波P2とを受
信する。送受信面Rには振動子21a〜21cが設けら
れており、この振動子21a〜21cは漏洩弾性表面波
P5を発生させるための斜角入射波P3の送信部21b
と、直交入射波P1及び直交反射波P2の送受信部21
aと、漏洩波P4の受信部21cとに3分割されてい
る。漏洩波P4を直交反射波と独立して受信することに
より漏洩波の周波数や振幅等により試験体の物性を求め
る。また、漏洩波P4と直交反射波P2とをそれぞれ干
渉を受けない状態で受信し、これらの比較により試験体
Sに発生する漏洩弾性表面波P5の音速を精度良く求め
得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試験体表面に生じ
る漏洩弾性表面波の音速やこの漏洩弾性表面波に起因す
る漏洩波の周波数等各種特徴量を測定することにより、
熱脆化や粒界腐食等にみられる試験体の劣化度や物性等
を調べるための超音波を利用した漏洩弾性表面波測定用
の探触子に関する。さらに詳しくは、略円弧状に配置さ
れた超音波の送受信面から試験体表面に超音波を送信す
ると共に前記送受信面により漏洩波と直交反射波とを受
信する漏洩弾性表面波測定用探触子に関する。
る漏洩弾性表面波の音速やこの漏洩弾性表面波に起因す
る漏洩波の周波数等各種特徴量を測定することにより、
熱脆化や粒界腐食等にみられる試験体の劣化度や物性等
を調べるための超音波を利用した漏洩弾性表面波測定用
の探触子に関する。さらに詳しくは、略円弧状に配置さ
れた超音波の送受信面から試験体表面に超音波を送信す
ると共に前記送受信面により漏洩波と直交反射波とを受
信する漏洩弾性表面波測定用探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述の如き漏洩弾性表面波測定用
探触子を構成するにあっては、1枚の高分子ポリマー製
振動子を円弧状凹面に貼り付けるか、円弧状凹面を有す
る超音波レンズに1枚の振動子を貼り付けて、円弧状の
超音波送受信面を形成していた。そして、パルス波を用
いる場合には、漏洩弾性表面波に起因する漏洩波の周波
数、振幅、伝播時間等の特徴量を測定することで試験体
の劣化度や物性等を調べていた。また、バースト波を用
いる場合には、漏洩弾性表面波に起因する漏洩波と直接
反射波とを干渉させ、いわゆるV(Z)曲線により漏洩
弾性表面波の音速を測定し、試験体の物性等を調べてい
た。
探触子を構成するにあっては、1枚の高分子ポリマー製
振動子を円弧状凹面に貼り付けるか、円弧状凹面を有す
る超音波レンズに1枚の振動子を貼り付けて、円弧状の
超音波送受信面を形成していた。そして、パルス波を用
いる場合には、漏洩弾性表面波に起因する漏洩波の周波
数、振幅、伝播時間等の特徴量を測定することで試験体
の劣化度や物性等を調べていた。また、バースト波を用
いる場合には、漏洩弾性表面波に起因する漏洩波と直接
反射波とを干渉させ、いわゆるV(Z)曲線により漏洩
弾性表面波の音速を測定し、試験体の物性等を調べてい
た。
【0003】ところが、同従来構成によれば、直接反射
波及び漏洩波の受信部が同一で同一の振動子に受信され
る。したがって、パルス波を用いた場合、直接反射波及
び漏洩波の受信信号が互いに干渉しあってそれらの受信
時刻を個別に特定しがたいという問題があった。特に、
送受信される超音波が低周波になるほどそれらの波長も
長くなり、例えば図6に示すように、直接反射波E1と
漏洩波E2とが互いに重畳し合い、各信号の特性を個別
に調べることが困難であった。また、バースト波を用い
た場合には、漏洩波の振幅が直接反射波の振幅に比べて
小さくて上記V(Z)曲線により漏洩弾性表面波の音速
を正確に測定し難いことがあった。
波及び漏洩波の受信部が同一で同一の振動子に受信され
る。したがって、パルス波を用いた場合、直接反射波及
び漏洩波の受信信号が互いに干渉しあってそれらの受信
時刻を個別に特定しがたいという問題があった。特に、
送受信される超音波が低周波になるほどそれらの波長も
長くなり、例えば図6に示すように、直接反射波E1と
漏洩波E2とが互いに重畳し合い、各信号の特性を個別
に調べることが困難であった。また、バースト波を用い
た場合には、漏洩波の振幅が直接反射波の振幅に比べて
小さくて上記V(Z)曲線により漏洩弾性表面波の音速
を正確に測定し難いことがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の実状に鑑
みて、本発明の目的は、漏洩波と直交反射波との干渉が
少なくて漏洩弾性表面波の音速やこの漏洩弾性表面波に
起因する漏洩波の各種特徴量を従来よりもより精度良く
求めることの可能な漏洩弾性表面波測定用探触子を提供
することにある。
みて、本発明の目的は、漏洩波と直交反射波との干渉が
少なくて漏洩弾性表面波の音速やこの漏洩弾性表面波に
起因する漏洩波の各種特徴量を従来よりもより精度良く
求めることの可能な漏洩弾性表面波測定用探触子を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかる漏洩弾性表面波測定用探触子の特徴
は、略円弧状に配置された超音波の送受信面から試験体
表面に超音波を送信すると共に前記送受信面により漏洩
波と直交反射波とを受信する構成であって、前記直交入
射波及び前記直交反射波の送受信部と、前記漏洩波の受
信部とが少なくとも独立して超音波を受信可能であるよ
うに、これら送受信部と受信部とを分割したことにあ
る。
め、本発明にかかる漏洩弾性表面波測定用探触子の特徴
は、略円弧状に配置された超音波の送受信面から試験体
表面に超音波を送信すると共に前記送受信面により漏洩
波と直交反射波とを受信する構成であって、前記直交入
射波及び前記直交反射波の送受信部と、前記漏洩波の受
信部とが少なくとも独立して超音波を受信可能であるよ
うに、これら送受信部と受信部とを分割したことにあ
る。
【0006】この特徴によれば、前記送受信部と受信部
とを分割し、前記直交入射波及び前記直交反射波の送受
信部と、前記漏洩波の受信部とが少なくとも独立して超
音波を受信可能であるように構成したので、漏洩波の周
波数や振幅等の各種物性が直接反射波に影響されずに測
定可能である。本発明の同特徴にかかる構成は、前記漏
洩波と直交反射波との比較により前記試験体に発生する
漏洩弾性表面波の音速を求める場合に有益である。漏洩
波及び直接反射波それぞれの受信時間が他方に影響され
ずに求めることができるからである。
とを分割し、前記直交入射波及び前記直交反射波の送受
信部と、前記漏洩波の受信部とが少なくとも独立して超
音波を受信可能であるように構成したので、漏洩波の周
波数や振幅等の各種物性が直接反射波に影響されずに測
定可能である。本発明の同特徴にかかる構成は、前記漏
洩波と直交反射波との比較により前記試験体に発生する
漏洩弾性表面波の音速を求める場合に有益である。漏洩
波及び直接反射波それぞれの受信時間が他方に影響され
ずに求めることができるからである。
【0007】本発明にかかる漏洩弾性表面波測定用探触
子の他の特徴は、略円弧状に配置された超音波の送受信
面から試験体表面に超音波を送信すると共に前記送受信
面により漏洩波と直交反射波とを受信し、これら漏洩波
と直交反射波との比較により前記試験体に発生する漏洩
弾性表面波の音速を求める構成において、前記送受信面
には振動子が設けられており、この振動子は前記漏洩弾
性表面波を発生させるための斜角入射波の送信部と、直
交入射波及び前記直交反射波の送受信部と、前記漏洩波
の受信部とに3分割されていることにある。
子の他の特徴は、略円弧状に配置された超音波の送受信
面から試験体表面に超音波を送信すると共に前記送受信
面により漏洩波と直交反射波とを受信し、これら漏洩波
と直交反射波との比較により前記試験体に発生する漏洩
弾性表面波の音速を求める構成において、前記送受信面
には振動子が設けられており、この振動子は前記漏洩弾
性表面波を発生させるための斜角入射波の送信部と、直
交入射波及び前記直交反射波の送受信部と、前記漏洩波
の受信部とに3分割されていることにある。
【0008】この他の特徴によれば、上述の第一の特徴
と同様に、漏洩波の物性や受信時間を直接反射波に影響
されずに正確に求めることが可能となる。しかも、振動
子が3分割されているので、振動子が2分割のみされて
いる場合に比べると、3つの振動子の形状を統一し易
い。したがって、例えば、3つの振動子の形状を正方形
等に統一して安定して超音波の送受信を行い得るように
構成することが可能となる。
と同様に、漏洩波の物性や受信時間を直接反射波に影響
されずに正確に求めることが可能となる。しかも、振動
子が3分割されているので、振動子が2分割のみされて
いる場合に比べると、3つの振動子の形状を統一し易
い。したがって、例えば、3つの振動子の形状を正方形
等に統一して安定して超音波の送受信を行い得るように
構成することが可能となる。
【0009】本発明を実施するに当たっては、上記各特
徴において、前記漏洩波をレイリー波とし、前記直交入
射波及び直交反射波の送受信部と前記漏洩波の受信部と
の分割部をクリーピング波の受信位置に一致させるとよ
い。レイリー波はクリーピング波よりも臨界角が大き
く、したがって、クリーピング波よりも直交反射波と分
別して受信しやすい。そして、前記直交入射波及び直交
反射波の送受信部と前記漏洩波の受信部との分割部をク
リーピング波の受信位置に一致させることで、クリーピ
ング波による外乱を低減することが可能となる。
徴において、前記漏洩波をレイリー波とし、前記直交入
射波及び直交反射波の送受信部と前記漏洩波の受信部と
の分割部をクリーピング波の受信位置に一致させるとよ
い。レイリー波はクリーピング波よりも臨界角が大き
く、したがって、クリーピング波よりも直交反射波と分
別して受信しやすい。そして、前記直交入射波及び直交
反射波の送受信部と前記漏洩波の受信部との分割部をク
リーピング波の受信位置に一致させることで、クリーピ
ング波による外乱を低減することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図9を参照しなが
ら、本発明の第一の実施形態を説明する。図1に示すよ
うに、本発明にかかる探触子21を利用した劣化度等評
価装置1は、試験体S上の二次元平面を走査するセンサ
ーユニット20と駆動ユニット30とパーソナルコンピ
ュータ40とCRT装置50とにより構成されている。
パーソナルコンピュータ40は、汎用品に特定機能を実
現するためのソフトウェアを組み込んだものである。こ
のパーソナルコンピュータ40の操作により、駆動ユニ
ット30を介してセンサーユニット20を制御し、超音
波を送・受信する。そして、その受信波形をパーソナル
コンピュータ40で処理し、処理結果をCRT装置50
に表示する。
ら、本発明の第一の実施形態を説明する。図1に示すよ
うに、本発明にかかる探触子21を利用した劣化度等評
価装置1は、試験体S上の二次元平面を走査するセンサ
ーユニット20と駆動ユニット30とパーソナルコンピ
ュータ40とCRT装置50とにより構成されている。
パーソナルコンピュータ40は、汎用品に特定機能を実
現するためのソフトウェアを組み込んだものである。こ
のパーソナルコンピュータ40の操作により、駆動ユニ
ット30を介してセンサーユニット20を制御し、超音
波を送・受信する。そして、その受信波形をパーソナル
コンピュータ40で処理し、処理結果をCRT装置50
に表示する。
【0011】先の駆動ユニット30は、バースト波等の
波形を発生させ、探触子21のうちの第一、第二振動子
21a,21bから超音波を発信させるためのファンク
ションジェネレーター31と、また、探触子21のうち
の第一、第三振動子21a,21cから超音波をそれぞ
れ受信するためのプリアンプ32,33と、三つの駆動
モーター22を駆動させるためのモータードライバ35
とを備えている。これらファンクションジェネレーター
31、プリアンプ32,33、モータードライバ35等
を介しては、パーソナルコンピュータ40により制御さ
れる。パーソナルコンピュータ40におけるトリガー4
1及びモーターコントローラ42は、キーボード等の制
御手段43からの入力により起動する。トリガー41
は、ファンクションジェネレーター31から超音波を発
信させると共に、後述するゲートを設定するためのタイ
マー45を起動させる。モーターコントローラ42は、
モータードライバ35を介して駆動モーター22を駆動
させると共に、その座標信号をメモリ44に送り込む。
波形を発生させ、探触子21のうちの第一、第二振動子
21a,21bから超音波を発信させるためのファンク
ションジェネレーター31と、また、探触子21のうち
の第一、第三振動子21a,21cから超音波をそれぞ
れ受信するためのプリアンプ32,33と、三つの駆動
モーター22を駆動させるためのモータードライバ35
とを備えている。これらファンクションジェネレーター
31、プリアンプ32,33、モータードライバ35等
を介しては、パーソナルコンピュータ40により制御さ
れる。パーソナルコンピュータ40におけるトリガー4
1及びモーターコントローラ42は、キーボード等の制
御手段43からの入力により起動する。トリガー41
は、ファンクションジェネレーター31から超音波を発
信させると共に、後述するゲートを設定するためのタイ
マー45を起動させる。モーターコントローラ42は、
モータードライバ35を介して駆動モーター22を駆動
させると共に、その座標信号をメモリ44に送り込む。
【0012】各プリアンプ32,33で受信された信号
は、A/Dコンバーター34でデジタル化された後に各
チャンネル毎にメモリ44に蓄積され、図3に示す試験
体S表面に直交し且つ焦点Fを通過する直線と試験体S
表面との交点Fsを代表する座標信号と共に、処理結果
が処理手段46を介してCRT装置50に表示される。
また、メモリ44に座標信号と共に蓄えられた受信波は
処理手段46を介して信号処理がなされ、分析結果が例
えば図7の如く色調表示によりCRT装置50に表示さ
れる。なお、タイマー45は、メモリ44に座標信号と
共に蓄えられた受信波をゲート毎に分別して処理する場
合に使用できる。
は、A/Dコンバーター34でデジタル化された後に各
チャンネル毎にメモリ44に蓄積され、図3に示す試験
体S表面に直交し且つ焦点Fを通過する直線と試験体S
表面との交点Fsを代表する座標信号と共に、処理結果
が処理手段46を介してCRT装置50に表示される。
また、メモリ44に座標信号と共に蓄えられた受信波は
処理手段46を介して信号処理がなされ、分析結果が例
えば図7の如く色調表示によりCRT装置50に表示さ
れる。なお、タイマー45は、メモリ44に座標信号と
共に蓄えられた受信波をゲート毎に分別して処理する場
合に使用できる。
【0013】図2に示すように、本発明にかかるセンサ
ーユニット20は、大略、先の探触子21と、貯液手段
である水Wを蓄える水槽24と、探触子21を走査させ
るための走査機構25とより構成されている。この走査
機構25において、同図紙面垂直方向に配向した一対の
Y軸ガイド25a,25aが水槽24上に載置されてお
り、一対のY軸スライダー25b,25bが図示しない
第一の駆動モーター22により駆動されて各Y軸ガイド
25a上で摺動する。また、一対のY軸スライダー25
b,25bに跨る一本のX軸ガイド25cに沿ってX軸
スライダー25dが先の第二の駆動モーター22の駆動
により摺動する。Z軸スライダー25fに支持した探触
子21は、X軸スライダー25d上に設けられたZ軸ガ
イド25eに沿って先の第三の駆動モーター22により
Z軸方向に駆動する。
ーユニット20は、大略、先の探触子21と、貯液手段
である水Wを蓄える水槽24と、探触子21を走査させ
るための走査機構25とより構成されている。この走査
機構25において、同図紙面垂直方向に配向した一対の
Y軸ガイド25a,25aが水槽24上に載置されてお
り、一対のY軸スライダー25b,25bが図示しない
第一の駆動モーター22により駆動されて各Y軸ガイド
25a上で摺動する。また、一対のY軸スライダー25
b,25bに跨る一本のX軸ガイド25cに沿ってX軸
スライダー25dが先の第二の駆動モーター22の駆動
により摺動する。Z軸スライダー25fに支持した探触
子21は、X軸スライダー25d上に設けられたZ軸ガ
イド25eに沿って先の第三の駆動モーター22により
Z軸方向に駆動する。
【0014】本実施形態に用いられる試験体Sは平板状
に形成されており、上面略水平な載置台24a上に載置
される。先のY軸ガイド25a及びX軸ガイド25c
は、試験体Sの表面ないし載置台24aの表面と平行を
保って載置される。そして、後述のゲート位置を合わせ
易いように、これら試験体S及び載置台24a上面とほ
ぼ平行を維持する状態で探触子21を走査させることが
できる。
に形成されており、上面略水平な載置台24a上に載置
される。先のY軸ガイド25a及びX軸ガイド25c
は、試験体Sの表面ないし載置台24aの表面と平行を
保って載置される。そして、後述のゲート位置を合わせ
易いように、これら試験体S及び載置台24a上面とほ
ぼ平行を維持する状態で探触子21を走査させることが
できる。
【0015】図3及び図4に本発明にかかる探触子21
の拡大図を示し、図5に同探触子21と試験体Sの表面
との幾何学的関係を示す。この探触子21は、基台21
dの円弧状凹部21e上に高分子ポリマー等を用いた第
一〜第三振動子21a〜21cを貼り付け、これら第一
〜第三振動子21a〜21cの送信・受信面である超音
波送受信面Rが側面視で焦点Fを中心に円弧面をなすよ
うに構成してある。本実施形態では、曲率半径r=5m
m、公称周波数10〜50MHz程度のものを用いてい
るが、これに限られるものではない。なお、低周波で曲
率半径rが比較的大きなものはセラミックスにより振動
子を構成することも可能である。
の拡大図を示し、図5に同探触子21と試験体Sの表面
との幾何学的関係を示す。この探触子21は、基台21
dの円弧状凹部21e上に高分子ポリマー等を用いた第
一〜第三振動子21a〜21cを貼り付け、これら第一
〜第三振動子21a〜21cの送信・受信面である超音
波送受信面Rが側面視で焦点Fを中心に円弧面をなすよ
うに構成してある。本実施形態では、曲率半径r=5m
m、公称周波数10〜50MHz程度のものを用いてい
るが、これに限られるものではない。なお、低周波で曲
率半径rが比較的大きなものはセラミックスにより振動
子を構成することも可能である。
【0016】第一、第二振動子21a,21bから発信
された超音波は焦点Fに収束するように進行するが、そ
れらのうち、第一、第三振動子21a,21cにのみ反
射波及び漏洩波が受信される。第一振動子21aにおい
ては、試験体Sの表面に直交状に入射した直交入射波P
1が試験体S表面で反射し、直交反射波P2となって再
び超音波送受信面Rに至る。また、第二振動子21bか
ら発せられた超音波は、試験体Sの表面に直交する軸に
対して試験体Sの漏洩弾性表面波音速によって定まる一
定の臨界角irで斜角入射波P3として入射する場合に
のみ試験体表面で漏洩弾性表面波P5が発生する。ま
た、漏洩弾性表面波P5は同じく一定の臨界角irをも
って試験体S表面から第三振動子21c側に向かう。
された超音波は焦点Fに収束するように進行するが、そ
れらのうち、第一、第三振動子21a,21cにのみ反
射波及び漏洩波が受信される。第一振動子21aにおい
ては、試験体Sの表面に直交状に入射した直交入射波P
1が試験体S表面で反射し、直交反射波P2となって再
び超音波送受信面Rに至る。また、第二振動子21bか
ら発せられた超音波は、試験体Sの表面に直交する軸に
対して試験体Sの漏洩弾性表面波音速によって定まる一
定の臨界角irで斜角入射波P3として入射する場合に
のみ試験体表面で漏洩弾性表面波P5が発生する。ま
た、漏洩弾性表面波P5は同じく一定の臨界角irをも
って試験体S表面から第三振動子21c側に向かう。
【0017】上述の如く、本実施形態ではファンクショ
ンジェネレーター31によりバースト波やパルス波等の
超音波波形を生成すると共に第一、第二振動子21a,
21bから同時に超音波を発生させる。そして、直交反
射波P2を第一振動子21aにより受信し、これとは独
立して漏洩波P4を第三振動子21cにより受信してい
る。ある探触子21の座標において、バースト波を入射
すると共に試験体表面と焦点Fとの距離zを変動させた
場合の受信信号を濃淡で表示した状況の概略を図7に示
す。同図(a)は第一振動子21aによるもの、同図
(b)は第三振動子21cによるものであり、両者は互
いに干渉せずに表示されている。
ンジェネレーター31によりバースト波やパルス波等の
超音波波形を生成すると共に第一、第二振動子21a,
21bから同時に超音波を発生させる。そして、直交反
射波P2を第一振動子21aにより受信し、これとは独
立して漏洩波P4を第三振動子21cにより受信してい
る。ある探触子21の座標において、バースト波を入射
すると共に試験体表面と焦点Fとの距離zを変動させた
場合の受信信号を濃淡で表示した状況の概略を図7に示
す。同図(a)は第一振動子21aによるもの、同図
(b)は第三振動子21cによるものであり、両者は互
いに干渉せずに表示されている。
【0018】以下に、図7のグラフを用いて漏洩弾性表
面波P5の音速を求める手順を示す。△ DFGに注目
すると、aCosir=zゆえ、a=z/Cosir となる。
同じく、ztanir=bであるから、b=zSinir/Cos
ir= aSinirとなる。また、c=r−a,d=r−z
である。
面波P5の音速を求める手順を示す。△ DFGに注目
すると、aCosir=zゆえ、a=z/Cosir となる。
同じく、ztanir=bであるから、b=zSinir/Cos
ir= aSinirとなる。また、c=r−a,d=r−z
である。
【0019】水中における縦波の超音波音速をVw,試
験体表面における漏洩弾性表面波の超音波音速をVsと
すると、スネルの法則より次式が成立する。
験体表面における漏洩弾性表面波の超音波音速をVsと
すると、スネルの法則より次式が成立する。
【数1】 Vw / Sinir=Vs (1) ∴ )Sinir=Vw/Vs (2) Cosir=(1−Sin2ir)1/2=(Vs2−Vw2)1/2 / Vs (3) tanir=Vw/(Vs2−Vw2)1/2 (4) ここで、行程P1,P2を通過する正反射波の送信から
受信に至る送受信時間t1を求める。行程P1,P2の
全行程は、2d=2r−2zであり、音速はVwであ
る。よって、正反射波送受信時間t1は次式の通りとな
る。
受信に至る送受信時間t1を求める。行程P1,P2の
全行程は、2d=2r−2zであり、音速はVwであ
る。よって、正反射波送受信時間t1は次式の通りとな
る。
【数2】 t1=(2r−2z)/Vw (5) この式(5)をzで微分すると次式が得られる。
【数3】 dt1/dz=−2/ Vw (6) よって、水中の超音波音速Vwは次式により求められ
る。
る。
【数4】 Vw=−2/(dt1/dz) (7)
【0020】次に、行程P3,P5,P4を通過する表
面反射波の送信から受信に至る送受信時間t2を求め
る。この時間t2は、行程P3,P4を通過する水中表
面波送受信時間t2aと行程P5を通過する試験体中表
面波送受信時間t2bとの合計となる。
面反射波の送信から受信に至る送受信時間t2を求め
る。この時間t2は、行程P3,P4を通過する水中表
面波送受信時間t2aと行程P5を通過する試験体中表
面波送受信時間t2bとの合計となる。
【0021】まず、水中表面波受信時間t2aを求める
にあたり、全行程P3,P4は、2c=2r−2a=2
r−2z/Cosirであり、超音波音速はVwである。よ
って、水中表面波送受信時間t2aは次式の通りとな
る。
にあたり、全行程P3,P4は、2c=2r−2a=2
r−2z/Cosirであり、超音波音速はVwである。よ
って、水中表面波送受信時間t2aは次式の通りとな
る。
【数5】 t2a=(2r−2z/Cosir )/Vw =2r/Vw−2z/Vw・Vs/(Vs2−Vw2)1/2 (8)
【0022】次に、試験体中表面波送受信時間t2bを
求めるにあたり、全行程P1,P2は2b=2ztanir
であり、超音波音速はVsである。よって試験体中表
面波送受信時間t2bは次式の通りとなる。
求めるにあたり、全行程P1,P2は2b=2ztanir
であり、超音波音速はVsである。よって試験体中表
面波送受信時間t2bは次式の通りとなる。
【数6】 t2b=2z・tanir/ Vs =2z/ Vs ・Vw/(Vs2−Vw2)1/2 (9)
【0023】したがって、上記式(8)及び(9)より
表面波送受信時間t2は次式の通りとなる。
表面波送受信時間t2は次式の通りとなる。
【数7】 t2=t2a+t2b=2r/Vw−2z/Vw・Vs/(Vs2−Vw2)1/2 +2z/ Vs ・Vw/(Vs2−Vw2)1/2 =2r/ Vw−2z(Vs2−Vw2)1/2 /(Vw・Vs) (10) 上式(10)をzで微分して次式を得る。
【数8】 dt2/dz=−2(Vs2−Vw2)1/2/(Vw・Vs) (11) この式の両辺を二乗する。
【数9】 (dt2/dz)2=4(Vs2−Vw2)/(Vw2・Vs2) = 4/Vw2−4/Vs2 (12) この式を整理すると、次式の通り試験体表面の超音波音
速Vsが得られる。
速Vsが得られる。
【数10】 Vs=1/(1/Vw2−1/4(dt2/dz)2) =2(1/((dt1/dz)2−(dt2/dz)2))1/2 (13)
【0024】上式(13)におけるdt1/dz及びd
t2/dzは、図7(a)(b)に示すように、第一、
第三振動子21a,21cによりそれぞれ独立に受信さ
れた信号に表れる濃淡線の傾きとして求められる。同図
における複数の縞模様はバースト波を構成する複数の波
にそれぞれ対応している。かかる原理による漏洩弾性表
面波の超音波音速Vsを求める処理は処理手段46にお
いて行われる。
t2/dzは、図7(a)(b)に示すように、第一、
第三振動子21a,21cによりそれぞれ独立に受信さ
れた信号に表れる濃淡線の傾きとして求められる。同図
における複数の縞模様はバースト波を構成する複数の波
にそれぞれ対応している。かかる原理による漏洩弾性表
面波の超音波音速Vsを求める処理は処理手段46にお
いて行われる。
【0025】次に、図8を参照しつつ、いわゆるV
(z)曲線を用いて漏洩弾性表面波の超音波音速Vsを
求める手法について説明する。第一振動子21aからの
直交入射波P1及び第二振動子21bからの斜角入射波
P3を例えば20波程度のバースト波とし、試験体Sの
表面と焦点Fとの距離をZ軸方向に例えば10μm程度
の微小距離ずつ変化させる。第一振動子21aで受信さ
れる直交反射波P2の信号は図8(a)に示す如き状態
であり、当該信号よりも第三振動子21cで受信される
漏洩波P4の信号は振幅が小さいので5〜10倍に増幅
することで図8(b)に示す如き状態となる。このよう
に第三振動子21cで受信される漏洩波P4の信号を第
一振動子21aで受信される直交反射波P2の信号と同
程度に増幅した後に両者を図8(c)に示す如く干渉さ
せ合い、試験体Sの表面及び焦点Fの距離zと干渉部の
振幅との関数として図9に示す如きV(z)曲線を得
る。このV(z)曲線より共鳴周期dzを求め、次式に
より、漏洩弾性表面波の音速Vsを求める。
(z)曲線を用いて漏洩弾性表面波の超音波音速Vsを
求める手法について説明する。第一振動子21aからの
直交入射波P1及び第二振動子21bからの斜角入射波
P3を例えば20波程度のバースト波とし、試験体Sの
表面と焦点Fとの距離をZ軸方向に例えば10μm程度
の微小距離ずつ変化させる。第一振動子21aで受信さ
れる直交反射波P2の信号は図8(a)に示す如き状態
であり、当該信号よりも第三振動子21cで受信される
漏洩波P4の信号は振幅が小さいので5〜10倍に増幅
することで図8(b)に示す如き状態となる。このよう
に第三振動子21cで受信される漏洩波P4の信号を第
一振動子21aで受信される直交反射波P2の信号と同
程度に増幅した後に両者を図8(c)に示す如く干渉さ
せ合い、試験体Sの表面及び焦点Fの距離zと干渉部の
振幅との関数として図9に示す如きV(z)曲線を得
る。このV(z)曲線より共鳴周期dzを求め、次式に
より、漏洩弾性表面波の音速Vsを求める。
【数11】 Vs=(Vw2/(1−(1−Vw/(2f・dz))2))1/2(14) ここに、Vwは水中の音速、fは超音波の周波数であ
る。なお、測定の精度は第一、第三振動子21a,21
cによる個別の受信信号を個別に計測して漏洩弾性表面
波の音速Vsを求めることができる点で、図7のグラフ
を用いる先の方式の方が優れている。
る。なお、測定の精度は第一、第三振動子21a,21
cによる個別の受信信号を個別に計測して漏洩弾性表面
波の音速Vsを求めることができる点で、図7のグラフ
を用いる先の方式の方が優れている。
【0026】以上の説明では、入射させる超音波として
バースト波を用いたが、波数の少ないパルス波を用いて
も良い。この場合においても、直交反射波P2と漏洩波
P4とがそれぞれ個別に第一振動子21a又は第三振動
子21cに受信されるので、パルス状に表示される直交
反射波P2及び漏洩波P4の信号を用いて漏洩弾性表面
波の超音波音速Vsを正確に求めることが可能となる。
また、漏洩波P4の信号のみを用いてその周波数や振幅
等の特性値を用いることで、試験体の物性等を調べるこ
とも可能となる。
バースト波を用いたが、波数の少ないパルス波を用いて
も良い。この場合においても、直交反射波P2と漏洩波
P4とがそれぞれ個別に第一振動子21a又は第三振動
子21cに受信されるので、パルス状に表示される直交
反射波P2及び漏洩波P4の信号を用いて漏洩弾性表面
波の超音波音速Vsを正確に求めることが可能となる。
また、漏洩波P4の信号のみを用いてその周波数や振幅
等の特性値を用いることで、試験体の物性等を調べるこ
とも可能となる。
【0027】ここで第一振動子21aと第二振動子21
b又は第三振動子21cとの分割部21Xの位置につい
て説明する。漏洩弾性表面波P5に起因する漏洩波に
は、先に説明した臨界角をirで示す如きレイリー波の
他、臨界角をicで示すクリーピング波も存在する。本
発明では、臨界角irがより大きくて信号受信が容易で
ある点から、レイリー波を用いている。したがって、ク
リーピング波の受信位置に第一振動子21aと第三振動
子21cとの分割部21Xを一致させることで、クリー
ピング波の影響を減少させてある。ここで、クリーピン
グ波を臨界角icとし、試験体表面における縦波の超音
波音速をCl、水中における縦波の超音波音速をVwと
すると、次式が成立する。
b又は第三振動子21cとの分割部21Xの位置につい
て説明する。漏洩弾性表面波P5に起因する漏洩波に
は、先に説明した臨界角をirで示す如きレイリー波の
他、臨界角をicで示すクリーピング波も存在する。本
発明では、臨界角irがより大きくて信号受信が容易で
ある点から、レイリー波を用いている。したがって、ク
リーピング波の受信位置に第一振動子21aと第三振動
子21cとの分割部21Xを一致させることで、クリー
ピング波の影響を減少させてある。ここで、クリーピン
グ波を臨界角icとし、試験体表面における縦波の超音
波音速をCl、水中における縦波の超音波音速をVwと
すると、次式が成立する。
【数12】 Sinic=Vw/Cl (15) よって、上式(15)により、分割部21Xの位置を求
めることが可能となる。
めることが可能となる。
【0028】本実施形態では、焦点Fを通る試験体S表
面に直交する中心平面を基準に第三振動子21c、第一
振動子21a、分割部21Xが対称となるようにこれら
を配置してある。したがって、各第一〜第三振動子21
a〜21cにおける平面形状をほぼ同一の正方形とな
し、超音波の送受信が安定して行い得るように構成して
ある。
面に直交する中心平面を基準に第三振動子21c、第一
振動子21a、分割部21Xが対称となるようにこれら
を配置してある。したがって、各第一〜第三振動子21
a〜21cにおける平面形状をほぼ同一の正方形とな
し、超音波の送受信が安定して行い得るように構成して
ある。
【0029】次に、図10及び図11を参照しつつ、本
発明の第二の実施形態について説明する。なお、以下の
各実施形態について、先の実施形態と同様の部材には同
様の符号を付してある。本実施形態では、基本的に第一
実施形態と同様の装置を用いている。但し、斜角入射波
P3の送信部並びに直交入射波P1及び直交反射波P2
の送受信部が同一の第一振動子21Kにより構成されて
いる点が先の第一実施形態と異なる。なお、製作の都合
上、第一振動子21Kと第三振動子21cとの横巾は等
しいことが望ましく、したがって、第一振動子21Kと
第三振動子21cのうち一方を正方形とすれば他方は長
方形となり、安定した超音波の発生という点では好まし
くない。よって、第一〜第三振動子21a〜21cがほ
ぼ同一の正方形となり得る第一実施形態のものが優れて
いる。
発明の第二の実施形態について説明する。なお、以下の
各実施形態について、先の実施形態と同様の部材には同
様の符号を付してある。本実施形態では、基本的に第一
実施形態と同様の装置を用いている。但し、斜角入射波
P3の送信部並びに直交入射波P1及び直交反射波P2
の送受信部が同一の第一振動子21Kにより構成されて
いる点が先の第一実施形態と異なる。なお、製作の都合
上、第一振動子21Kと第三振動子21cとの横巾は等
しいことが望ましく、したがって、第一振動子21Kと
第三振動子21cのうち一方を正方形とすれば他方は長
方形となり、安定した超音波の発生という点では好まし
くない。よって、第一〜第三振動子21a〜21cがほ
ぼ同一の正方形となり得る第一実施形態のものが優れて
いる。
【0030】次に、本発明のさらに他の実施形態の可能
性について説明する。上記各実施形態においては水液手
段として水槽24を用いたが、この水槽24の代わりに
超音波を通し易いゴム膜を備えたタンクを貯液手段とし
て用い、先の走査機構25や探触子61を収納したポー
タブル型のセンサヘッドにより、試験体の表面を超音波
走査することも可能である。
性について説明する。上記各実施形態においては水液手
段として水槽24を用いたが、この水槽24の代わりに
超音波を通し易いゴム膜を備えたタンクを貯液手段とし
て用い、先の走査機構25や探触子61を収納したポー
タブル型のセンサヘッドにより、試験体の表面を超音波
走査することも可能である。
【0031】上記各実施形態で求めた試験体Sの表面音
速Vsにより、鋼材の熱脆化や粒界腐食の程度や、例え
ば酸化皮膜の形成、浸炭、窒化、脱炭、元素の濃化のよ
うな表面改質等の程度を評価することができる。上記各
実施形態においては、表面が平らな鋼材に本発明を適用
したが、鋼管等の表面が屈曲した種々の形状や、鋼材以
外の材料の試験体に対しても本発明は適用可能である。
速Vsにより、鋼材の熱脆化や粒界腐食の程度や、例え
ば酸化皮膜の形成、浸炭、窒化、脱炭、元素の濃化のよ
うな表面改質等の程度を評価することができる。上記各
実施形態においては、表面が平らな鋼材に本発明を適用
したが、鋼管等の表面が屈曲した種々の形状や、鋼材以
外の材料の試験体に対しても本発明は適用可能である。
【0032】上記各実施形態では、基台21dの円弧状
凹部21e上に第一〜第三振動子21a〜21c,21
kを設けた。しかし、音響レンズの円弧状凹部21eが
超音波送受信面Rとなる探触子についても本発明は理論
的に実施可能である。この場合、音響レンズやこの音響
レンズに貼付される振動子に先の分割部21Xを設ける
とよい。この場合、本発明は超音波顕微鏡についても実
施可能となり、その分解能を向上させ得る。
凹部21e上に第一〜第三振動子21a〜21c,21
kを設けた。しかし、音響レンズの円弧状凹部21eが
超音波送受信面Rとなる探触子についても本発明は理論
的に実施可能である。この場合、音響レンズやこの音響
レンズに貼付される振動子に先の分割部21Xを設ける
とよい。この場合、本発明は超音波顕微鏡についても実
施可能となり、その分解能を向上させ得る。
【0033】
【発明の効果】このように、上記本発明にかかる漏洩弾
性表面波測定用探触子の特徴によれば、漏洩波の各種特
徴量を直交反射波に影響されずに正確に求めることが可
能となった。そしてその結果、漏洩波と直交反射波との
干渉が少なくて、漏洩波の各種特徴量や漏洩弾性表面波
の音速を従来よりもより精度良く測定できるようにな
り、試験体の劣化度や物性等をより正確で詳細に求め得
るようになった。
性表面波測定用探触子の特徴によれば、漏洩波の各種特
徴量を直交反射波に影響されずに正確に求めることが可
能となった。そしてその結果、漏洩波と直交反射波との
干渉が少なくて、漏洩波の各種特徴量や漏洩弾性表面波
の音速を従来よりもより精度良く測定できるようにな
り、試験体の劣化度や物性等をより正確で詳細に求め得
るようになった。
【0034】また、上記にかかる漏洩弾性表面波測定用
探触子の本発明の他の特徴によれば、3つの振動子の形
状を統一して安定して超音波の送受信を行い得るように
構成することが可能となり、漏洩波の各種特性値や漏洩
弾性表面波の音速をより一層精度良く求めることが可能
となった。
探触子の本発明の他の特徴によれば、3つの振動子の形
状を統一して安定して超音波の送受信を行い得るように
構成することが可能となり、漏洩波の各種特性値や漏洩
弾性表面波の音速をより一層精度良く求めることが可能
となった。
【0035】加えて、直交入射波及び直交反射波の送受
信部と漏洩波の受信部との分割部をクリーピング波の受
信位置に一致させることで、クリーピング波による外乱
を低減し、漏洩波の各種特性値や漏洩弾性表面波音速の
測定精度をさらに向上させるに至った。
信部と漏洩波の受信部との分割部をクリーピング波の受
信位置に一致させることで、クリーピング波による外乱
を低減し、漏洩波の各種特性値や漏洩弾性表面波音速の
測定精度をさらに向上させるに至った。
【0036】なお、特許請求の範囲の項に記入した符号
は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものに
すぎず、該記入により本発明は添付図面の構成に限定さ
れるものではない。
は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものに
すぎず、該記入により本発明は添付図面の構成に限定さ
れるものではない。
【図1】本発明にかかる漏洩弾性表面波測定用探触子を
用いた劣化度等評価装置の論理ブロック図である。
用いた劣化度等評価装置の論理ブロック図である。
【図2】センサーユニットの概略を示す水槽の一部を切
り欠いた側面図である。
り欠いた側面図である。
【図3】探触子と試験体表面との関係を示す縦断面図で
ある。
ある。
【図4】図3の底面図である。
【図5】探触子と試験体表面との幾何学的関係及び寸法
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図6】従来の一体型探触子による受信信号強度と時間
軸と関係を示すグラフである。
軸と関係を示すグラフである。
【図7】探触子による信号の受信時間と探触子及び試験
体表面の距離とにより表される平面において受信信号の
強度を濃淡により表現した場合の概略を示すグラフであ
り、(a)は第一振動子による受信信号、(b)は第三
振動子による受信信号を示すものである。
体表面の距離とにより表される平面において受信信号の
強度を濃淡により表現した場合の概略を示すグラフであ
り、(a)は第一振動子による受信信号、(b)は第三
振動子による受信信号を示すものである。
【図8】受信強度の最大振幅と探触子焦点及び試験体表
面の距離との関係を示すグラフであり、(a)は直交反
射波P2のみのもの、(b)は漏洩波P4のみの波形を
増幅したもの、(c)は(a)及び(b)を合成させた
ものである。
面の距離との関係を示すグラフであり、(a)は直交反
射波P2のみのもの、(b)は漏洩波P4のみの波形を
増幅したもの、(c)は(a)及び(b)を合成させた
ものである。
【図9】いわゆるV(Z)曲線を表すグラフである。
【図10】本発明の第二実施形態にかかる図3相当図で
ある。
ある。
【図11】図10の底面図である。
1 劣化度等評価装置 20 センサーユニット 21 探触子 21a 第一振動子(直交入射波及び直交反射波の送受
信部) 21b 第二振動子(斜角入射波の送信部) 21c 第三振動子(漏洩波の受信部) 21d 基台 21e 円弧状凹部 21f 覆い 21K 第一振動子(直交入射波及び直交反射波の送受
信部並びに斜角入射波の送信部) 21L 第一振動子(直交入射波及び直交反射波の送受
信部) 21M 第二振動子(斜角入射波の送信部) 21N 第三振動子(漏洩波の受信部) 21X 分割部 22 駆動モーター 24 水槽(貯液手段) 24a 載置台 25 走査手段 25a Y軸ガイド 25b Y軸スライダー 25c X軸ガイド 25d X軸スライター 25e Z軸ガイド 25f Z軸スライダー 25g 角調節部 25h 支持棒 30 駆動ユニット 31 ファンクションジェネレーター 32 プリアンプ 33 プリアンプ 34 A/Dコンバーター 35 モータードライバ 40 パーソナルコンピュータ 41 トリガー 42 モーターコントローラ 43 制御手段 44 メモリ 45 タイマー 46 処理手段 50 CRT装置 61 探触子 P1 直交入射波 P2 直交反射波 P3 斜角入射波 P4 漏洩波 P5 漏洩弾性表面波 E1 表面エコー E2 漏洩波エコー F 焦点 R 超音波送受信面 S 試験体 Fs 交点 W 水 ir レイリー波の臨界角 ic クリーピング波の臨界角。
信部) 21b 第二振動子(斜角入射波の送信部) 21c 第三振動子(漏洩波の受信部) 21d 基台 21e 円弧状凹部 21f 覆い 21K 第一振動子(直交入射波及び直交反射波の送受
信部並びに斜角入射波の送信部) 21L 第一振動子(直交入射波及び直交反射波の送受
信部) 21M 第二振動子(斜角入射波の送信部) 21N 第三振動子(漏洩波の受信部) 21X 分割部 22 駆動モーター 24 水槽(貯液手段) 24a 載置台 25 走査手段 25a Y軸ガイド 25b Y軸スライダー 25c X軸ガイド 25d X軸スライター 25e Z軸ガイド 25f Z軸スライダー 25g 角調節部 25h 支持棒 30 駆動ユニット 31 ファンクションジェネレーター 32 プリアンプ 33 プリアンプ 34 A/Dコンバーター 35 モータードライバ 40 パーソナルコンピュータ 41 トリガー 42 モーターコントローラ 43 制御手段 44 メモリ 45 タイマー 46 処理手段 50 CRT装置 61 探触子 P1 直交入射波 P2 直交反射波 P3 斜角入射波 P4 漏洩波 P5 漏洩弾性表面波 E1 表面エコー E2 漏洩波エコー F 焦点 R 超音波送受信面 S 試験体 Fs 交点 W 水 ir レイリー波の臨界角 ic クリーピング波の臨界角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今中 拓一 大阪市西区北堀江1丁目18番14号 非破壊 検査株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA05 BA03 BB02 BB06 BC02 BC04 BC11 CB03 DB14 EA10 GB03 GB11 GB15 GF08 GG01 GG09 GH13
Claims (4)
- 【請求項1】 略円弧状に配置された超音波の送受信面
(R)から試験体(S)表面に超音波(P1,P3)を
送信すると共に前記送受信面(R)により漏洩波(P
4)と直交反射波(P2)とを受信する漏洩弾性表面波
測定用探触子であって、前記直交入射波(P1)及び前
記直交反射波(P2)の送受信部(21a,21K)
と、前記漏洩波(P4)の受信部(21c)とが少なく
とも独立して超音波(P2,P4)を受信可能であるよ
うに、これら送受信部(21a,21K)と受信部(2
1c)とを分割してある漏洩弾性表面波測定用探触子。 - 【請求項2】 前記漏洩波(P4)と直交反射波(P
2)との比較により前記試験体(S)に発生する漏洩弾
性表面波(P5)の音速を求める請求項1に記載の漏洩
弾性表面波測定用探触子。 - 【請求項3】 略円弧状に配置された超音波の送受信面
(R)から試験体(S)表面に超音波(P1,P3)を
送信すると共に前記送受信面(R)により漏洩波(P
4)と直交反射波(P2)とを受信し、これら漏洩波
(P4)と直交反射波(P2)との比較により前記試験
体(S)に発生する漏洩弾性表面波(P5)の音速を求
める漏洩弾性表面波測定用探触子であって、前記送受信
面(R)には振動子(21a〜21c)が設けられてお
り、この振動子(21a〜21c)は前記漏洩弾性表面
波(P5)を発生させるための斜角入射波(P3)の送
信部(21b)と、直交入射波(P1)及び前記直交反
射波(P2)の送受信部(21a)と、前記漏洩波(P
4)の受信部(21c)とに3分割されている漏洩弾性
表面波測定用探触子。 - 【請求項4】 前記漏洩波(P4)はレイリー波であ
り、前記直交入射波(P1)及び直交反射波(P2)の
送受信部(21a,21K)と前記漏洩波(P4)の受
信部(21c)との分割部(21X)をクリーピング波
の受信位置に一致させてある請求項1〜3のいずれかに
記載の漏洩弾性表面波測定用探触子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10306843A JP2000131297A (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | 漏洩弾性表面波測定用探触子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10306843A JP2000131297A (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | 漏洩弾性表面波測定用探触子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000131297A true JP2000131297A (ja) | 2000-05-12 |
Family
ID=17961931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10306843A Pending JP2000131297A (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | 漏洩弾性表面波測定用探触子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000131297A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006208090A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Jtekt Corp | 超音波探触子 |
JP2006322789A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Jtekt Corp | 超音波探触子 |
JP2006324889A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Jtekt Corp | 超音波探触子 |
JP2012093246A (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-17 | Jfe Steel Corp | 超音波プローブ及び欠陥検出方法 |
JP2012093247A (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-17 | Jfe Steel Corp | 漏洩弾性表面波を用いた欠陥検出方法及び欠陥検出装置 |
JP2012220402A (ja) * | 2011-04-12 | 2012-11-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 音響材料の音響特性計測方法および音響材料の音響特性計測装置 |
JP2021117037A (ja) * | 2020-01-23 | 2021-08-10 | 株式会社神戸製鋼所 | 画像生成方法 |
-
1998
- 1998-10-28 JP JP10306843A patent/JP2000131297A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006208090A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Jtekt Corp | 超音波探触子 |
JP2006322789A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Jtekt Corp | 超音波探触子 |
JP2006324889A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Jtekt Corp | 超音波探触子 |
JP4628866B2 (ja) * | 2005-05-18 | 2011-02-09 | 株式会社ジェイテクト | 超音波探触子 |
JP2012093246A (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-17 | Jfe Steel Corp | 超音波プローブ及び欠陥検出方法 |
JP2012093247A (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-17 | Jfe Steel Corp | 漏洩弾性表面波を用いた欠陥検出方法及び欠陥検出装置 |
JP2012220402A (ja) * | 2011-04-12 | 2012-11-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 音響材料の音響特性計測方法および音響材料の音響特性計測装置 |
JP2021117037A (ja) * | 2020-01-23 | 2021-08-10 | 株式会社神戸製鋼所 | 画像生成方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4630992B2 (ja) | 超音波検査方法及びこれに用いる超音波検査装置 | |
US7785259B2 (en) | Detection of motion in vibro-acoustography | |
US20070038095A1 (en) | Ultrasound vibrometry | |
EP2546641B1 (en) | Ultrasonic flaw detector and ultrasonic flaw detection method for objects having a complex surface shape | |
JP2012526975A (ja) | 超音波による非破壊検査用試験プローブ群と同様の試験プローブおよび試験装置 | |
WO2014007023A1 (ja) | 欠陥検出装置、欠陥検出方法、プログラム及び記憶媒体 | |
US20050004463A1 (en) | Method and apparatus for shear property characterization from resonance induced by oscillatory radiation force | |
JP2006194591A (ja) | 超音波探傷装置 | |
JP5306919B2 (ja) | 超音波探傷法及び装置 | |
WO2007004571A1 (ja) | 超音波伝搬方法並びにこれを用いた超音波伝搬装置及び超音波試験装置 | |
US11408861B2 (en) | Transducer and transducer arrangement for ultrasonic probe systems, ultrasonic probe system and inspection method | |
KR100373416B1 (ko) | 초음파 검사 장치 및 초음파 프로브 | |
JP2000131297A (ja) | 漏洩弾性表面波測定用探触子 | |
JP3606132B2 (ja) | 超音波探傷方法およびその装置 | |
JP4564183B2 (ja) | 超音波探傷方法 | |
JP4633268B2 (ja) | 超音波探傷装置 | |
JPS59151057A (ja) | 超音波探傷装置 | |
JP3753567B2 (ja) | 超音波プローブ | |
JPS6356946B2 (ja) | ||
JPH1114611A (ja) | 電子走査式超音波検査装置 | |
JP3707962B2 (ja) | 超音波検査装置 | |
JP3606146B2 (ja) | 超音波探傷方法およびその装置 | |
JP2001289831A (ja) | 超音波プローブ | |
JPH10123106A (ja) | 表面波による試験体の劣化度等評価方法及び劣化度等評価装置 | |
JP3362484B2 (ja) | 焦点近接型複合aeセンサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050909 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070626 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070724 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071211 |