JP4633268B2 - 超音波探傷装置 - Google Patents

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    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製被検査物の一方表面から超音波を発信して他方表面側に存在する亀裂などの欠陥を、超音波探傷するための超音波探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば鋼などの金属製被検査物では、一方表面に比べ他方表面において供用中に板厚である厚みが徐々に腐食などによって減肉が不均一に発生することがある。このような腐食を生じた他方表面付近に生じている亀裂を、正確に検出するための先行技術は存在しない。特開平11−248690は、複数の振動子を、位相制御方式で電子走査する超音波探傷装置を開示するけれども、この先行技術では、腐食を生じた不均一な厚みを有する前記他方表面の付近に存在する欠陥を正確に検出するための工夫は、存在しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、被検査物の一方表面から、他方表面付近に存在する亀裂などの欠陥を、その厚みが不均一であっても、正確に検出することができるようにした超音波探傷装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被検査物の一方表面側から超音波を発振して、他方表面付近を探傷する超音波探傷装置であって、
被検査物の一方表面上に配置され、複数の振動子を予め定める配列方向に隣接して配置して構成される探触子と
振動子に対して、超音波を送信させるための駆動信号を与える駆動手段と、
各振動子に接続され、各振動子から送信された超音波反射波を受信して、被検査物の厚みおよび欠陥を検出する受信手段と
探触子を被検査物の一方表面上で移動させる移動手段とを備え、
前記駆動手段は、各振動子から発振される超音波が合成された超音波ビームが、探触子の直下の被検査位置に集束するように、各振動子に対して、互いに位相の異なる駆動信号を与え、
前記移動手段は、探触子の直下の被検査位置に集束するように発振された超音波の反射波が受信手段によって受信されて被検査物の厚みが検出されると、探触子を所定の距離だけ移動させ、
前記駆動手段は、前記移動手段によって探触子が移動されると、検出された被検査物の厚みに基づいて、超音波ビームが、前記被検査位置に集束するように、各振動子に対して、互いに位相の異なる駆動信号を与えることを特徴とする超音波探傷装置である。
【0005】
また本発明は、探触子は、仮想平面内に配置されることを特徴とする。
本発明に従えば、図1〜図7、ならびに図8および図9に関連して後述されるように、フェイズドアレイ探触子では、複数の振動子が予め定める配列方向14に隣接して配置され、各振動子が、駆動手段からの位相が異なる駆動信号、たとえばパルスによって駆動される。各振動子に駆動信号を与え、探触子からの超音波ビームを鋼などから成る金属製周壁などの被検査物の外方の一方表面2から送信し、その探触子の直下の他方表面3付近における被検査位置で集束させ、垂直探傷を行う。この集束のために、振動子には、位相の異なる駆動信号が前述のように与えられる。これによって被検査物の探触子が前記一方表面で配置された位置の厚みを検出することができる。
【0006】
次に前記一方表面上で探触子を、前記配列方向にずらして移動し、そのずれた位置で、振動子に位相が異なる駆動信号を与えて前記被検査位置に超音波ビームが集束するように駆動して、斜角探傷する。これによって前記被検査位置付近に存在する亀裂などの欠陥を、前記ずれた位置で、正確に検出することができる。たとえば欠陥の前記他方表面から前記一方表面に向って延びる欠陥の長さ、大きさ、位置などを正確に検出することができる。
【0007】
探触子を構成する複数の各振動子には、前述のようにパルスなどの駆動信号が与えられて超音波が送信され、またその送信された超音波が欠陥によって反射され、この反射波が、各振動子によって受信される。受信手段では、この各振動子毎の駆動信号の発生から反射波の受信までの時間に対応したこれらの欠陥の位置を検出することができる。
【0008】
探触子の振動子は、図4、図5、図7に示されるように、仮想一平面内に配置されるように構成されてもよい。
【0009】
また本発明は、探触子は、一対設けられ、
各探触子は、配列方向に垂直に細長く延び、配列方向に垂直な面内で、相互に近接するにつれて被検査物の一方表面から離間するように、山形に傾斜して配置され、
駆動手段は、各探触子からの超音波ビームを、前記被検査位置に、集束させるように、駆動信号を与えることを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、図8および図9に示されるように、一対の各探触子25,26は、山形に形成される。各探触子毎の各振動子27,28に駆動手段から位相の異なる駆動信号を与えることによって、各接触子からの超音波ビーム31,32を、前記配列方向(図9の紙面に垂直な方向)に集束させることができる。
【0011】
さらに各探触子は前述のように山形に傾斜しているので、各探触子からの放射ビーム31,32は前記配列方向14に垂直な方向(図9の左右方向)の相互の近接方向に集束させることができる。こうして一対の探触子を構成する全ての振動子からの超音波を、被検査物の前記他方表面の付近の1点の被検査位置18に集束させることができ、前述の垂直探傷および斜角探傷を行うことができる。これによって被検査物の厚みの検出と、被検査位置における欠陥の検出とをさらに正確に行うことができるようになる。
【0012】
本発明は、前記探触子は、複数の第1振動子を予め定める配列方向に隣接して配置して構成される第1探触子と、複数の第2振動子を前記配列方向に隣接して配置して構成され、前記第1探触子に対して前記配列方向に間隔をあけて設けられる第2探触子とを有し
前記受信手段は、各第2振動子に接続されことを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、図10に示されるように第1および第2探触子36,37を、被検査物の前記他方表面付近の被検査位置42に関して配列方向14の左右にそれぞれ配置し、第1探触子36の複数の各第1振動子38を、駆動手段からのパルスなどの駆動信号によって駆動し、超音波ビーム41を被検査位置42付近に集束して送信する。これによって第2探触子37の複数の第2振動子39では、被検査位置42における亀裂などの欠陥43の上下端部による回折波を受信し、欠陥43の探傷を行うことができる。第1および第2探触子36,37は、同一構成を有し、これらの第1および第2探触子は、前述の探触子と同様な構成を有している。
【0014】
第1探触子36に前述と同様にして駆動信号を与えて被検査物の厚みを検出し、またその被検査位置における欠陥の探傷のために、被検査位置の両側(図11の左右方向)に、たとえば等間隔をあけて第1および第2探触子36,37を配置し、欠陥の探傷を行う。このような被検査位置に関して左右に第1および第2探触子を配置して探傷を行う方法は、TOFD(Time of Flight Diffraction)方法と呼ぶことができる。
【0015】
また本発明は、駆動手段による駆動信号のレベル、または受信手段の受信感度のいずれかを調整可能にすることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、垂直探傷による板厚計測を行う際に、被検査物の他方表面からの反射波の強度を検出することによって、被検査物の前記一方表面2および他方表面3の表面粗さ、塗膜の厚みおよび塗膜の剥離などによる受信強度の変化を検出し、感度の低下量を求めることができる。こうして次の斜角探傷を実施する際、感度補正すべき量を求めることができる。したがって垂直探傷で板厚計測する際、前記他方表面からの反射エコー高さ、すなわち反射波の強度を計測することによって、前記他方表面付近における超音波の伝達損失量を上述のように求め、したがって斜角探傷で欠陥を探傷する際における感度補正量を求めることができる。こうして適切な探傷感度で探傷を行うことができる。伝達損失量というのは、被検査物の表面における超音波の伝達損失の原因となる前述の表面粗さ、塗膜の厚み、塗膜の剥離などによって変化する。
【0017】
本発明に従えば、受信手段の受信感度を調整可能に構成してもよいが、あるいはまた駆動手段によって発生される駆動信号の強度すなわちレベルを調整可能にしてもよい。
【0018】
本発明は、前記超音波探傷装置を用いて、被検査物の一方表面から、超音波ビームを探触子の直下の被検査位置に集束させ、
探触子の直下の被検査位置に集束された超音波ビームの反射波に基づいて、被検査物の厚みを検出し、
被検査物の厚みが検出されると、被検査物の一方表面上で探触子を所定の距離だけ移動させ、
検出された被検査物の厚みに基づいて、超音波ビームを前記被検査位置に集束させて、被検査物の他方表面付近の探傷を行うことを特徴とする超音波探傷方法である。
【0019】
本発明に従えば、被検査物の一方表面から前述のように被検査位置の直上における厚みを垂直探傷で検出し、振動子の配列方向にずれた前記一方表面上の位置から、超音波ビームを被検査位置に送信し、被検査物の他方表面付近の斜角探傷を、行うことができる。したがって被検査物の厚みが不均一であっても、被検査位置に関して、探傷を正確に行うことができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の全体の電気的構成を示すブロック図である。被検査物1は、たとえば鋼などの金属材料から成る周壁であってもよく、その外方の外周面である一方表面2から、内周面である他方表面3に形成された亀裂などの欠陥4を、探傷ヘッドのフェイズドアレイ探触子5を用いて探傷を行い非破壊検査を行う。
【0021】
図2は、被検査物1の一方表面2から探傷を行っている状態を示す斜視図である。探傷ヘッド6、したがって探触子5は、スキャナ7によって、xz平面内で変位して、被検査位置を走査することができる。図2においてxyz直交座標系において、y軸は、被検査物1の厚み方向である。このスキャナ7は、可撓線8を介してスキャナ制御装置9に接続され、被検査物1の一方表面2上で走査制御される。このスキャナ7とスキャナ制御装置9とによって、本発明の移動手段が構成される。探触子5もまた可撓線8を介して、探傷制御装置11に接続される。
【0022】
図3は、本発明の実施の一形態における被検査物1の前記他方表面3付近の欠陥4を超音波探傷する動作を説明するためのフローチャートである。被検査物1の表面3付近の欠陥4を超音波探傷するにあたり、ステップa1からステップa2に移り、探触子5を用いて被検査物1の板厚を計測する。
【0023】
図4は、探触子5を用いて被検査物1の板厚を計測する動作を説明するための簡略化した斜視図である。探触子5は、複数の振動子13がx方向である予め定める配列方向14に隣接して配置して構成される。各振動子13は、同一構成を有し、圧電素子が短冊状に細長い直方体状に形成され、図4の上下に電極が設けられる。各振動子13の延びる長手方向は、配列方向14に垂直な平面に平行であり、z方向である。探触子13は、xz平面に平行な一仮想平面内に配置される。
【0024】
各振動子13には、矢符15で示されるように位相が異なるたとえばパルス状の位相が異なる駆動信号を与えることによって、各振動子13から送信される超音波の合成されたビーム16は、z軸方向に延びる直線状の集束部17を有する三角柱状に形成される。各駆動信号15の位相を調整することによって、超音波ビーム16の集束部17を、探触子5の直下で、被検査物1の表面3付近に位置させることができ、垂直探傷を行う。これによって超音波ビーム16の送信による表面2,3および欠陥4による反射波は、各振動子13によって受信される。各振動子13の駆動信号の発生および反射波の受信の各時間差によって、被検査物1の厚みD1を計測することができる。
【0025】
図5は、探触子5を用いた被検査物1の斜角探傷の動作を説明するための簡略化した斜視図である。図3のステップa2において被検査物1の厚みD1を計測した後、ステップa3では、スキャナ制御装置9の働きによってスキャナ7は、探触子5を、配列方向14であるx軸方向またはz軸方向に距離L1だけ移動してずらす。
【0026】
ステップa4では、探触子5の振動子13に、矢符19で示される位相が異なる、たとえばパルスである駆動信号を与えて、超音波ビーム21を、振動子13の長手方向に平行な集束部22に集束させ、斜角探傷を行う。この集束部22は、前述の図4における集束部17と同一の被検査物1における被検査位置18である。
【0027】
こうして探触子5の図4に示される直下の被検査位置18に、図3のステップa2で超音波ビームを集束させ、この垂直探傷によって厚みD1を計測し、配列方向14に距離L1だけずらした後に、ステップa4では同一の被検査位置18に、超音波ビーム21を集束させて斜角探傷を行う。これによって被検査位置18付近における超音波探傷を実施する。
【0028】
図6は、被検査物1の表面2から探触子5を配置し、被検査位置18における探傷を行う動作を説明するための簡略化した断面図である。被検査物1は、鋼からなる周壁であってもよく、内表面3の金属の腐食によって外表面2との間の厚みが不均一である。図6において探触子5によって、先ず、その直下の被検査位置18における厚みD1を検出する。次に、予め定める距離L1だけ配列方向14に移動し、参照符5aで示されるように探触子5を移動し、駆動信号19の位相を調整することによって、被検査位置18に、超音波ビーム21を照射させることができる。このようにして表面3から図6の上方に延びる亀裂などの欠陥4を、参照符5aで示される位置にもたらされた探触子5を用いて正確に検出して探傷を実施することができる。
【0029】
図7は、探触子5を構成する振動子13に与えられる駆動信号の位相を説明するための図である。各振動子13を、参照符n,kなどを用いて表すことがあり、さらにこのn,kを用いて個数などの値を表すこともある。
【0030】
探触子5は、振動子13が、n−kからn+kまでの合計2k+1個で、構成されている。配列方向14の中心の振動子13をnとする。屈折角をθ、音速をvとする。狙い位置を被検査位置18とする。そのとき中心の振動子nに対する屈折角は、θnとなる。このとき、n−kからn+kの各振動子13に対する屈折角をθn−kからθn+kとする。
【0031】
各振動子から位置18までの距離をW(n−k)〜W(n+k)とすると、
【数1】
Figure 0004633268
となる。
【0032】
次に、各振動子からPまでの所要時間t(n−k)〜t(n+k)を求めると、
【数2】
Figure 0004633268
となる。
【0033】
これより、同一時刻に各振動子13から送信された超音波が位置18に到着するためには、中央の振動子nから送信された超音波の位置18までの所要時間tnと各振動子13から送信された超音波の位置18までの所要時間の差を考慮して各振動子13の送信を開始すればよい。すなわち、振動子(n−1)は、ΔW(n−1)=t(n−1)−tn分だけ遅く振動を開始すればよく、振動子(n+k)はΔW(n+k)=t(n+k)−tn分だけ早く振動を開始する。
【0034】
図8は本発明の実施の他の形態の探傷ヘッド24の斜視図であり、図9は図8に示される探傷ヘッド24の正面図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。一対の探触子25,26は、複数の振動子27,28がx軸に一致した配列方向14に隣接して配置して構成される。各探触子25,26は、配列方向14の垂直な面(図9の紙面)内で、相互に近接するにつれて被検査物1の一方表面2から離間するように、すなわち図8および図9の上方に、山形に傾斜して配置される。これらの探触子25,26間には、ゴムなどの材料から成る超音波遮蔽部材29が配置される。各探触子25,26の振動子27,28には、全ての探触子25,26からの超音波ビームを、被検査位置18に、集束させるように、駆動信号が与えられる。こうして探触子25,26の超音波ビーム31,32は、三角柱状であって、配列方向14に垂直な平面内で二等辺三角形状の断面を有する。図8および図9に示される探傷ヘッド24によって、前述の実施の形態と同様に垂直探傷および斜角探傷が、点状の被検査位置18に関して行われる。
【0035】
被検査物1の板厚判別のために、板厚判別回路61は、制御信号62を出力して送信遅延回路63は、パルス発生器64を動作させ、前述のパルス状駆動信号Pを前述のように位相をずらして順次的に発生し、探触子5の個別的な振動子13にそれぞれ与える。探触子2の振動子13による受信信号Q,R,Sは、受信回路65に与えられ、これによって板厚判別回路61、もう1つの制御信号66との時間差が演算される。受信回路65の出力は、信号増幅器67が与えられて、一定の予め定める増幅率で増幅される。こうして得られた信号は、感度補正回路68に与えられてレベルが調整される。感度補正回路68は、たとえば減衰回路などによって実現されてもよい。これによって被検査物1の表面2,3における表面粗さ、これら各表面2,3に付着された塗膜の厚さ、塗膜剥離などによる超音波の伝達損失量が異なっていても、斜角探傷で欠陥を探傷する際の感度補正量を求めることができ、適切な探傷感度での探傷が可能となる。このような感度補正量は、垂直探傷で、板厚を計測する際に、表面3からの反射エコー高さを計測することによって求めることができる。信号増幅器67の増幅率を調整する代りに、パルス発生器64によって発生される駆動信号Pのレベル、すなわち信号強度を、前述の感度補正量に対応して調整するようにしてもよい。このような感度補正量の調整によって、被検査物1の厚みD1方向に対応する欠陥の検出を正確に行うことが容易に可能になる。こうして表示装置69では、探傷の検査結果が2次元表示画面に表示される。表示装置69は、たとえば液晶パネルまたは陰極線管などによって実現される。
【0036】
図10は、本発明の実施の他の形態の簡略化した断面図である。対を成す第1探傷ヘッド34および第2探傷ヘッド35の第1探触子36および第2探触子37は、同一構成を有し、複数の第1振動子38と第2振動子39とを有する。各探触子36,37の構成は、前述の探触子5と同様である。第1探触子36は、複数の第1振動子38が配列方向14に隣接して載置して構成される。また同様に第2探触子37は、複数の第2振動子39が配列方向14に隣接して配置して構成され、被検査物1の表面2上で配列方向14に間隔をあけて設けられる。第1探触子36の各第1振動子38に、駆動信号を前述と同様にして与えることによって、超音波ビーム41を送信し、集束して斜角探傷を行う。超音波ビーム41は、鈍角三角柱状であり、表面3の被検査位置42に集束されて放射される。この被検査位置42付近における欠陥43による回折波は、超音波ビーム44で示されるようにして、第2探触子37の各振動子39によって受信される。こうしてTOFD法によって欠陥43の回折波を観察し、欠陥43の超音波探傷を実施することができる。被検査位置42は、被検査物1の表面3付近に存在する。被検査物1の厚みD1を検出するには、探触子36を用いて前述と同様に垂直探傷を、被検査位置42の直上で行えばよく、この垂直探傷後、前述のTOFD法によって斜角探傷による回折波の観察を行う。
【0037】
図11は、図10に示される超音波探傷装置の動作を説明するための波形図である。第1探触子36の一つの振動子38には、図11(1)に示されるパルス状駆動信号が与えられる。残余の振動子38には、これらの駆動信号の位相が変化されて与えられ、前述の斜角探傷が行われる。第2探触子37における図11(1)の駆動信号P1が与えられる振動子38に対応する1つの振動子39には、図11(2)に示される回折波が得られる。受信信号Q1,R1は、被検査物1の各表面2,3にそれぞれ対応する。被検査位置42における欠陥43による回折波は、受信信号S1として第2探触子37で得られる。こうして受信信号Q1,R1と回折による受信信号S1との時間差に対応する欠陥43の位置を超音波探傷によって得ることができる。
【0038】
図12は、本発明の実施の他の形態の一部の斜視図である。被検査物1の厚みD1を計測するにあたり、前述の実施の形態では、たとえば図4に示されるように三角柱状の集束された超音波ビーム16が用いられたけれども、本発明の図12に示される実施の形態では、探触子5の複数の各振動子13には、同一位相のパルス状駆動信号48が与えられ、これによって超音波ビーム49が被検査物1の表面2に垂直に、すなわちxz平面に垂直に、送信される。被検査物1の表面3による反射波を、振動子13で受信して検出することによって、探触子5が配置された直下付近の被検査物1の厚みD1を計測することができる。
【0039】
図13は、本発明の実施のさらに他の形態の超音波探傷装置の全体の構成を示す斜視図である。この実施の形態は前述の実施の形態に類似するけれども、特にこの実施の形態では、探触子5は、左右一対の無端状履帯51を備える自走可能な駆動源を備えた移動体52に取付けられる。この移動体52は、たとえば無線などで遠隔操作されて、被検査物1の表面2上で希望する位置に移動することができる。そのほかの構成は、前述の実施の形態と同様である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、被検査物の厚みが不均一であっても、その一方表面から探触子によって厚みを垂直探傷によって検出し、次に斜角探傷によって、被検査位置における欠陥の探傷を正確に行うことができるようになる。こうして欠陥の発生位置である被検査位置に、斜角探傷の超音波ビームが到達するようにした探傷を行うことができるようになる。これによって被検査物の他方表面付近に存在する欠陥、特に微小欠陥の検出性能を向上することができるとともに、欠陥寸法の計測精度の向上を図ることができる。
【0041】
また本発明によれば、垂直探傷によって板厚を計測する際、超音波の伝達損失量を求め、斜角探傷で欠陥を探傷する際の感度補正量を求めることが可能となる。これによって反射波または回折波の増幅率または減衰率などの補正を適切に行うことができ、あるいはまた駆動信号のレベルを適切に補正することができる。こうして適切な探傷感度での探傷が可能であるので、超音波の伝達損失による感度低下に起因した欠陥の見逃しがなくなり、あるいはその逆に、欠陥を過大評価することもなく、適切な欠陥の検出評価が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】被検査物1の一方表面2から探傷を行っている状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の一形態における被検査物1の前記他方表面3付近の欠陥4を超音波探傷する動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】探触子5を用いて被検査物1の板厚を計測する垂直探傷の動作を説明するための簡略化した斜視図である。
【図5】探触子5を用いた被検査物1の斜角探傷の動作を説明するための簡略化した斜視図である。
【図6】被検査物1の表面2から探触子5を配置し、被検査位置18における探傷を行う動作を説明するための簡略化した断面図である。
【図7】探触子5を構成する振動子13に与えられる駆動信号の位相を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の他の形態の探傷ヘッド24の斜視図である。
【図9】図8に示される探傷ヘッド24の正面図である。
【図10】本発明の実施の他の形態の簡略化した断面図である。
【図11】図10に示される超音波探傷装置の動作を説明するための波形図である。
【図12】本発明の実施の他の形態の一部の斜視図である。
【図13】本発明の実施のさらに他の形態の超音波探傷装置の全体の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 被検査物
2 一方表面
3 他方表面
4 欠陥
5,25,26 フェイズドアレイ探触子
7 スキャナ
13,27,28 振動子
14 配列方向
16,21,31,32,41,44,49 超音波ビーム
18 被検査位置
36 第1フェイズドアレイ探触子
37 第2フェイズドアレイ探触子
38 第1振動子
39 第2振動子

Claims (6)

  1. 被検査物の一方表面側から超音波を発振して、他方表面付近を探傷する超音波探傷装置であって、
    被検査物の一方表面上に配置され、複数の振動子を予め定める配列方向に隣接して配置して構成される探触子と
    振動子に対して、超音波を送信させるための駆動信号を与える駆動手段と、
    各振動子に接続され、各振動子から送信された超音波反射波を受信して、被検査物の厚みおよび欠陥を検出する受信手段と
    探触子を被検査物の一方表面上で移動させる移動手段とを備え、
    前記駆動手段は、各振動子から発振される超音波が合成された超音波ビームが、探触子の直下の被検査位置に集束するように、各振動子に対して、互いに位相の異なる駆動信号を与え、
    前記移動手段は、探触子の直下の被検査位置に集束するように発振された超音波の反射波が受信手段によって受信されて被検査物の厚みが検出されると、探触子を所定の距離だけ移動させ、
    前記駆動手段は、前記移動手段によって探触子が移動されると、検出された被検査物の厚みに基づいて、超音波ビームが、前記被検査位置に集束するように、各振動子に対して、互いに位相の異なる駆動信号を与えることを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 探触子は、仮想平面内に配置されることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 探触子は、一対設けられ、
    各探触子は、配列方向に垂直に細長く延び、配列方向に垂直な面内で、相互に近接するにつれて被検査物の一方表面から離間するように、山形に傾斜して配置され、
    駆動手段は、各探触子からの超音波ビームを、前記被検査位置に、集束させるように、駆動信号を与えることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  4. 前記探触子は、複数の第1振動子を予め定める配列方向に隣接して配置して構成される第1探触子と、複数の第2振動子を前記配列方向に隣接して配置して構成され、前記第1探触子に対して前記配列方向に間隔をあけて設けられる第2探触子とを有し
    前記受信手段は、各第2振動子に接続されことを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  5. 駆動手段による駆動信号のレベル、または受信手段の受信感度のいずれかを調整可能にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の超音波探傷装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の超音波探傷装置を用いて、被検査物の一方表面から、超音波ビームを探触子の直下の被検査位置に集束させ、
    探触子の直下の被検査位置に集束された超音波ビームの反射波に基づいて、被検査物の厚みを検出し、
    被検査物の厚みが検出されると、被検査物の一方表面上で探触子を所定の距離だけ移動させ、
    検出された被検査物の厚みに基づいて、超音波ビームを前記被検査位置に集束させて、被検査物の他方表面付近の探傷を行うことを特徴とする超音波探傷方法。
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