JP2006207490A - エンジンバルブの表面処理方法及びエンジンバルブ - Google Patents

エンジンバルブの表面処理方法及びエンジンバルブ Download PDF

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Abstract

【課題】 チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブの表面処理方法において、表面との密着性が高く、耐摩耗性及び耐衝撃性に優れる硬化皮膜を形成することのできるエンジンバルブの表面処理方法を提供する。
【解決手段】 チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブの表面処理方法であって、前記エンジンバルブの表面から内部に向かって酸素を固溶させることで該エンジンバルブの表面に硬化層を形成する硬化処理工程と、前記硬化処理工程の後に、前記エンジンバルブの表面に対してPVD法によるコーティング処理を施すコーティング処理工程と、を有することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブの耐摩耗性や耐衝撃性を向上させるための表面処理方法、及び、そのような表面処理方法が施されたエンジンバルブに関するものである。
自動車や二輪車用エンジンの吸排気経路の開閉弁として使用されているエンジンバルブは、過酷な環境下で使用されることから、耐焼付性、耐摩耗性、耐衝撃性等に優れることが強く要求される部品である。そこで、従来から、チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブの表面に、各種のコーティング方法を用いて表面保護用の硬化被膜を形成する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、PVD法によるコーティング処理によって窒化クロム被膜が形成されたチタン合金製のエンジンバルブが提案されている。特許文献2には、無電解メッキ法によるコーティング処理によってニッケル合金製の被膜が形成されたチタン合金製のエンジンバルブが提案されている。エンジンバルブの表面にこのような硬化皮膜を形成することによって、エンジンバルブの軸部や軸端部における耐摩耗性を向上させることができる。特に、PVD法によるコーティング処理によって皮膜を形成した場合には、PVD法によるコーティング皮膜は極めて硬度が高いために、エンジンバルブの耐摩耗性を飛躍的に向上させることができる。
特開平10−238320号公報 特開平1−96407号公報
しかしながら、PVD法によるコーティング皮膜は、耐摩耗性に優れているが、耐衝撃性については十分ではないという問題があった。すなわち、PVD法によるコーティング皮膜は極めて硬度が高いために、耐摩耗性については飛躍的な向上が図られるものの、その反面、コーティングの対象となっている基材表面との密着性が不十分であり、衝撃を受けた場合に基材表面から剥離する場合があるので問題であった。
そこで本発明は、チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブの表面処理方法において、表面との密着性が高く、耐摩耗性及び耐衝撃性に優れる硬化皮膜を形成することのできるエンジンバルブの表面処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブの表面に酸素を固溶させて硬化層を形成した後に、この硬化層の表面にPVD法によるコーティング処理によって皮膜を形成することによって、エンジンバルブの耐摩耗性と耐衝撃性が同時に向上することを見出して、以下の発明を完成した。
(1)チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブの表面処理方法であって、
前記エンジンバルブの表面から内部に向かって酸素を固溶させることで該エンジンバルブの表面に硬化層を形成する硬化処理工程と、
前記硬化処理工程の後に、前記エンジンバルブの表面に対してPVD法によるコーティング処理を施すコーティング処理工程と、を有することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
(2)上記(1)に記載のエンジンバルブの表面処理方法であって、
コーティング処理工程の前に、硬化処理工程において形成された硬化層の表面に存在する酸化物あるいは異物を除去する除去工程を有することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
(3)上記(1)または(2)に記載のエンジンバルブの表面処理方法であって、
除去工程では、ショットピーニング処理によって硬化層の表面に存在する酸化物あるいは異物を除去することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
(4)上記(1)から(3)のうちいずれか1項に記載のエンジンバルブの表面処理方法であって、
コーティング処理工程で形成される皮膜は、窒化クロム皮膜であることを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
(5)上記(1)から(4)のうちいずれか1項に記載のエンジンバルブの表面処理方法であって、
コーティング処理工程で形成される被膜の表面に、さらに、PVD法によるコーティング処理によってDLC皮膜を形成することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
(6)酸素が固溶されることで表面に硬化層が形成されているチタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブであって、
前記硬化層の表面に、PVD法によるコーティング処理によって皮膜が形成されていることを特徴とするエンジンバルブ。
(7)上記(6)に記載のエンジンバルブであって、
PVD法によるコーティング処理によって形成されている皮膜は、窒化クロム被膜であることを特徴とするエンジンバルブ。
(8)上記(6)または(7)に記載のエンジンバルブであって、
PVD法によるコーティング処理によって形成されている皮膜の表面に、さらに、PVD法によるコーティング処理によってDLC皮膜が形成されていることを特徴とするエンジンバルブ。
本発明によれば、チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブの表面処理方法において、表面との密着性が高く、耐摩耗性及び耐衝撃性に優れる硬化皮膜を形成することのできるエンジンバルブの表面処理方法及びこのような表面処理が施されたエンジンバルブを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の方法によって表面処理されるエンジンバルブは、チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブである。ここでいう「チタンあるいはチタン合金」とは、チタン単体の金属であってもよく、チタンと他の金属元素との合金であってもよい趣旨である。したがって、本発明において表面処理される金属材料としては、チタン単体金属(例えば、JIS1種〜4種の純チタン金属)のみならず、例えば、Ti-6Al-4V、Ti-6Al-2Sn-4Zr-2Mo、Ti-3Al-2.5V、Ti-6Al-2Sn-4Zr-6Moなどの各種のチタン合金を採用することができる。
図1は、硬化層、PVD皮膜、及びDLC被膜が形成されたエンジンバルブの表面近傍を示す模式図である。図1中において、「基材」とあるのは、本発明に係る表面処理の対象となっているエンジンバルブ本体のことである。基材の表面には硬化層が形成されており、その硬化層の表面には、PVD法による被膜が形成されている。PVD法による被膜の表面には、さらに、DLC被膜が形成されている。
本発明に係るエンジンバルブの表面処理方法は、大別すると、次の4つの工程により構成される。1つ目の工程は、エンジンバルブの表面から内部に向かって酸素を固溶させることで該エンジンバルブの表面に硬化層を形成する「硬化処理工程」である。この硬化処理工程により、エンジンバルブの表層部には5μm以上50μm以下程度の厚みを有する硬化層が形成される。2つ目の工程は、硬化処理工程において形成された硬化層の表面に存在する酸化物あるいは異物を除去する「除去工程」である。この除去工程は、後述のコーティング処理工程の前処理として実施される工程である。3つ目の工程は、前記硬化処理工程の後に、前記エンジンバルブに対してPVD法によるコーティング処理を施す「コーティング処理工程」である。このコーティング処理工程により、酸素が固溶した硬化層の表面に、さらに、1μm以上10μm以下程度の厚みを有する皮膜が形成される。PVD法によって形成されたこの皮膜のことを、本明細書では「PVD皮膜」と称する場合がある。4つ目の工程は、コーティング処理工程で形成される被膜の表面に、さらに、PVD法によるコーティング処理によってDLC皮膜を形成する「DLC処理工程」である。このDLC処理工程によって、PVD被膜の表面に、さらに、1μm〜10μm程度の厚みを有するDLC被膜が形成される。この「DLC被膜」とは、詳しくは後述するが、アモルファス構造を有する炭素あるいは金属含有炭素の被膜のことであり、硬度が高いだけではなく、摩擦係数が低いことが特徴である。
[硬化処理工程について]
硬化処理工程では、エンジンバルブの表面に酸素を固溶させることで硬化層を形成する。例えば、エンジンバルブを、大気雰囲気中で650℃〜850℃程度の加熱温度が保たれている加熱炉の内部に通過させることによって、このような処理を実現することができる。なお、このような酸素を固溶させることによって硬化層を形成する表面処理方法は公知の技術であり、例えば、特開2001−301400号公報に開示されている。硬化層の厚みは、加熱温度や加熱時間によって調節することが可能である。
[除去工程]
除去工程では、基材の表面に形成されている硬化層を残したまま、その硬化層の表面に存在する酸化物あるいは異物を除去する。除去工程に用いる手段としては、例えば、ショットピーニング処理を用いることができる。ショットピーニング処理は、機械加工による研磨とは異なり、硬化層を残したまま、異物や酸化物などのコーティング阻害物のみを除去することができる。ショットピーニング処理を用いる場合には、例えばエア噴射式のショットピーニング装置を用いて、硬化層の表面に対して金属粉末等からなるショット材を吹き付ける。これにより、硬化層の表面に付着している異物やチタン酸化物、不動態皮膜等を除去することができる。また同時に、硬化層の表面粗度を適度に調節することができる。ショットピーニング処理における各種の条件は、特に制限するものではないが、例えば、ショット材の噴射速度を100m/秒以上、ショット材の粒径を100μm以下に設定するのが好ましい。ショットピーニングの時間は、例えば、2秒から30秒の範囲で設定することができる。噴射するショット材は、例えば、鋳鉄、鋼、ステンレス等のショット材を使用することができる。また、除去工程に用いる手段としては、水を含有することで弾力性及び粘着性を有するショット材をエアによって噴射する「エアロラップ」と呼ばれる技術を使用することも可能である。
除去工程によって硬化層の表面に付着している異物や酸化物、不動態皮膜等が除去される。これにより、硬化層の表面に対するPVD皮膜の密着性が向上する。
[コーティング処理工程]
コーティング処理工程では、エンジンバルブの表面に形成された硬化層の表面に、さらに、PVD法(物理蒸着法)によるコーティング処理によってPVD皮膜を形成する。
PVD法としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、アークイオンプレーティング法、スパッタリング法などを用いることができる。真空蒸着法とは、ヒーターや電子ビームなどでコーティング物質を蒸発させて、その蒸気を対象物の表面に対して堆積させる方法である。イオンプレーティング法とは、コーティング物質を蒸発させてプラズマ中に通過させてイオン化し、このイオンを対象物に対して衝突させる方法である。このイオンプレーティング法によれば、例えば、金属を蒸発させると同時に装置中に窒素などの反応ガスを導入することによって、対象物に対して窒化物の被膜を形成することができる。アークイオンプレーティング法とは、アーク放電によってコーティング物質を蒸発させて、その蒸気をイオン化し、対象物に対して衝突させる方法である。スパッタリング法とは、コーティング物質からなるターゲットを負に印加し、別にイオン化したアルゴンなどをターゲットに照射してコーティング物質をスパッタする方法である。本発明において使用するPVD法としては、イオンプレーティング法を特に好ましく採用することができる。
PVD法によって形成される被膜の種類としては、特に制限するものではないが、例えば、窒化クロム(CrN)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)などを採用することができる。この中では、窒化クロム(CrN)の密着強度が高く最も好ましい。窒化クロムの被膜を形成するためには、前述のイオンプレーティング法を用いるのが好ましい。
[DLC処理工程]
DLC処理工程では、コーティング処理工程によって形成されたPVD皮膜の表面に、さらに、DLC皮膜を形成する。DLC皮膜とは、アモルファス構造を有する炭素あるいは金属含有炭素からなる被膜のことであり、単層構造あるいは積層構造を有する皮膜である。例えば、金属成分(Si、Ti、Cr、Wなど)を添加して、硬度は低いが応力が緩和され密着性に優れるMe−DLC(Me−C:H)や、固体炭素源から高密度プラズマを利用して成膜されるダイヤモンドに匹敵する硬さのDLC(ta−C)などが知られている。本発明に係る表面処理方法では、DLC処理工程においてコーティングする皮膜の種類として、DLC皮膜の一種であるWC/C皮膜を採用するのが最も好ましい。このWC/C皮膜とは、タングステンカーバイドとアモルファスカーボンが数ナノから十数ナノメートルの厚さで交互に積層する構造を有する皮膜のことである。このWC/C皮膜は、PVD法によるコーティング処理によって形成することができる。より具体的には、装置内で被コーティング物(エンジンバルブ)を周回移動させるとともに、スパッタリング法によってアモルファスカーボンとタングステンカーバイドを交互に積層させることによって、アモルファスカーボンとタングステンカーバイドが交互に積層した皮膜を形成することができる。
以上に説明した方法によれば、図1に示すように、チタンあるいはチタン合金からなる基材の表面に硬化層、PVD皮膜、及びDLC皮膜が順に形成されているエンジンバルブを得ることができる。基材及びそれぞれの皮膜の硬さは、基材がビッカース硬さで200〜400Hv程度であり、硬化層が400〜900Hv程度であり、PVD皮膜が900〜3500Hv程度であり、DLC皮膜が700〜1800Hv程度である。つまり、硬さの順番は、基材<硬化層<PVD皮膜となっている。
もし硬化層が存在しない場合には、PVD被膜は基材に比べて延びが小さいために、基材が局部面圧を受けて陥没あるいは変形したときに、PVD被膜が割れてしまう、あるいは、PVD被膜が基材の表面から剥離する、といった好ましくない現象が発生することがある。しかし、本発明によれば、基材の表面とPVD被膜との間に硬化層が存在しているので、この硬化層の硬さが基材よりも高いために、PVD被膜が割れてしまう、あるいは、PVD被膜が基材の表面から剥離する、といった現象が発生しにくい。つまり、PVD皮膜の硬さが極めて高いにもかかわらず、PVD皮膜の基材に対する高い密着性が維持されている。これにより、エンジンバルブの耐摩耗性の著しい向上が図られるとともに、PVD皮膜の衝撃による剥離などが防止される。
さらに、PVD皮膜の表面にはDLC皮膜が形成されている。このDLC皮膜は、極めて硬度が高く、しかも摩擦係数が低いという特徴を有している。このDLC皮膜により、エンジンバルブの耐摩耗性が向上し、エンジンバルブに接触する相手方の部材の損傷を防止してエンジン部品の寿命を長くできるという効果が得られる。
なお、本発明に係るエンジンバルブの表面処理方法は、エンジンバルブの全部の表面に対して適用することが好ましいが、エンジンバルブの一部の表面に適用してもよい。例えば、図2に示すように、エンジンバルブ10の軸部12あるいは軸端部14のみに表面処理を施しても良く、エンジンバルブ10のフェース面16のみに表面処理を施しても良い。
本発明に係るエンジンバルブの表面処理方法は、「硬化処理工程」、「除去工程」、「コーティング処理工程」、「DLC処理工程」によって構成されるが、これらの工程のうち、「除去工程」及び「DLC処理工程」は省略して実施することも可能である。例えば、「硬化処理工程」及び「コーティング処理工程」だけを実施したとしても、耐摩耗性及び耐衝撃性に優れるエンジンバルブを得ることができる。しかし、「除去工程」を実施した方が、耐摩耗性及び耐衝撃性等の点において格段に優れるエンジンバルブを得ることができる。
硬化層、PVD皮膜、及びDLC被膜が形成されたエンジンバルブの表面近傍を示す模式図である。 エンジンバルブの斜視図である。
符号の説明
10 エンジンバルブ
12 軸部
14 軸端部
16 フェース面

Claims (8)

  1. チタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブの表面処理方法であって、
    前記エンジンバルブの表面から内部に向かって酸素を固溶させることで該エンジンバルブの表面に硬化層を形成する硬化処理工程と、
    前記硬化処理工程の後に、前記エンジンバルブの表面に対してPVD法によるコーティング処理を施すコーティング処理工程と、を有することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
  2. 請求項1に記載のエンジンバルブの表面処理方法であって、
    コーティング処理工程の前に、硬化処理工程において形成された硬化層の表面に存在する酸化物あるいは異物を除去する除去工程を有することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエンジンバルブの表面処理方法であって、
    除去工程では、ショットピーニング処理によって硬化層の表面に存在する酸化物あるいは異物を除去することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のエンジンバルブの表面処理方法であって、
    コーティング処理工程で形成される皮膜は、窒化クロム皮膜であることを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
  5. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載のエンジンバルブの表面処理方法であって、
    コーティング処理工程で形成される被膜の表面に、さらに、PVD法によるコーティング処理によってDLC皮膜を形成することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方法。
  6. 酸素が固溶されることで表面に硬化層が形成されているチタンあるいはチタン合金からなるエンジンバルブであって、
    前記硬化層の表面に、PVD法によるコーティング処理によって皮膜が形成されていることを特徴とするエンジンバルブ。
  7. 請求項6に記載のエンジンバルブであって、
    PVD法によるコーティング処理によって形成されている皮膜は、窒化クロム被膜であることを特徴とするエンジンバルブ。
  8. 請求項6または請求項7に記載のエンジンバルブであって、
    PVD法によるコーティング処理によって形成されている皮膜の表面に、さらに、PVD法によるコーティング処理によってDLC皮膜が形成されていることを特徴とするエンジンバルブ。
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