JP2006206614A - 浴用剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】入浴することにより適度の冷涼感を得ることができ、皮膚への刺激がほとんどない浴用剤組成物を提供する。
【解決手段】浴湯に投入した際に冷涼感が得られるようにメントールの濃度が調整された浴用剤組成物であって、メントールの浴湯での皮膚刺激を緩和するために微細酸化亜鉛を配合してなる浴用剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、入浴することにより適度の冷涼感を得ることができ、皮膚への刺激がほとんどない浴用剤組成物に関する。
従来から浴用剤においては、入浴することによって鎮痛効果や冷涼感が得られるようにするためメントールを配合することが行われている。ところがメントールは冷涼感に優れる反面、皮膚に対して特有の刺激があり、敏感な人にはその刺激が強すぎるという問題があった。
そこでこのようなメントールの刺激を軽減するための手段が検討されており、例えば、浴用剤においてメントールを水溶性溶剤と併用することで目や鼻への刺激が緩和されることが知られている。しかし従来の方法ではいずれも、入浴時におけるメントールの皮膚への刺激を軽減することはできず、またその軽減のための有効な手段もほとんど知られていないのが現状である。
上記のごとき現状に鑑みて、本発明は、入浴によって冷涼感を求める人はもちろん、刺激に敏感な人であっても適度の冷涼感を得ることができ、皮膚への刺激がほとんどなく、心地よく入浴することができる浴用剤組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者らは上記の課題を満足するために鋭意検討した結果、下記の浴用剤組成物によってその課題が解決されることを見いだし本発明に至った。
(1)浴湯に投入した際に冷涼感が得られるようにメントールの濃度が調整された浴用剤組成物であって、メントールの浴湯での皮膚刺激を緩和するために微細酸化亜鉛を配合してなることを特徴とする浴用剤組成物。
本発明によって、入浴によって冷涼感を求める人はもちろん、刺激に敏感な人であっても適度の冷涼感を得ることができ、皮膚への刺激がほとんどなく、心地よく入浴することができる浴用剤組成物を提供することができる。
本発明において浴湯に投入した際に冷涼感が得られるようにメントールの濃度が調整された浴用剤組成物に配合される微細酸化亜鉛は、浴湯における皮膚刺激を緩和して適度の冷涼感を得ることを考慮すれば、その粒径が0.01〜0.1μmのものが浴湯での分散性がよく沈殿したりしないので好ましく、特に粒径が0.01〜0.04μmのものが好ましい。なおここで示した粒径は平均粒径であり、用いる微細酸化亜鉛の粒径分布の平均を意味する。上記範囲の微細酸化亜鉛の具体例としては、FINEX−25[平均粒径0.04μm、比表面積25m2/g]、FINEX−50[平均粒径0.02μm、比表面積50m2/g]、FINEX−75[平均粒径0.01μm、比表面積75m2/g](以上、堺化学工業製)などが挙げられる。
微細酸化亜鉛は、浴用剤組成物に0.1〜20重量%になるように配合するのが好ましく、さらには0.5〜5重量%になるように配合するのが好ましい。
またメントールとしては、L−メントール、dl−メントール及びこれらの誘導体等の各種異性体が挙げられ、これらは天然品および合成品のいずれであってもよく、これらの混合品であってもよい。さらに上記のメントールを多く含むハッカ油、ペパーミント油等の精油であってもよい。
本発明の浴用剤組成物は、浴湯に投入した際に冷涼感が得られるように浴湯中のメントールの濃度を0.1〜10mg/リットルとなるように配合量を調整するのが好ましい。メントールの濃度が0.1mg/リットルよりも少ないと冷涼感が十分に得られないことがあり、また10mg/リットルよりも多いと刺激を十分に緩和することができないことがあり好ましくない。さらに浴湯でのメントールの濃度は、0.1〜5mg/リットルとするのが効果のうえからより好ましい。ここで具体例を挙げると、200リットル程度の浴湯に25〜30g程度を使用するよう設定された浴用剤組成物であれば、0.1〜5重量%程度、さらには0.1〜3重量%程度となるようにメントールを配合すればよい。
浴用剤組成物中のメントールの濃度は、冷涼感及び皮膚刺激を考慮すれば0.1〜5重量%が好ましく、特に0.1〜3重量%が好ましい。
そして本発明の効果が奏される限り浴用剤組成物は、粉末剤、顆粒剤、微細粒剤、打錠剤、ブロック剤、乳剤、ゲル剤、液剤、エアゾール剤、発泡剤、フォーム剤等の製剤とすることができる。
これらの製剤とする際に、必要に応じて無機塩類、油成分、高分子物質、有機酸、生薬類、アミノ酸、保湿成分、酵素、界面活性剤、香料、色素等で例示される各種の浴用剤成分を配合することができる。
無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム等の塩化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重質炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等の炭酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、次亜硫酸ナトリウム等の硫酸塩;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム等の硝酸塩;リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム等のリン酸塩;イオウ、硫化ナトリウム、硫化カリウム、亜硫化鉄等の硫化物;無水ケイ酸、メタケイ酸、雲母末、中性白土等のケイ素化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;ホウ砂;ホウ酸;酸化カルシウム;臭化カリウム;人工カルルス塩;鉱泉;鉱砂;湯の花等が挙げられる。
油成分としては、例えば、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、ヌカ油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂、大豆油等の天然油脂;カルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等のロウ;流動パラフィン、白色ワセリン、セレシン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素;ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール等のアルコール;オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸コレステロール等のエステル;モノグリセライド、トリグリセライド等の合成油脂;米ぬかエキス;米胚芽油等が挙げられる。
高分子物質としては、例えば、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、キサンタンガム、デンプン、グアーガム、寒天、マンナン、コラーゲン(豚、牛等から得られる動物コラーゲン;大豆、トウモロコシ等から得られる植物コラーゲン;さけ等から得られるマリンコラーゲン)、イソフラボン、フィトコラージュ等の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カチオン化デキストリン、可溶性デンプン、アルギン酸塩、メチルデンプン等の半合成高分子;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等の合成高分子;脱脂粉乳;卵黄末;シリコーン油;いりぬか等が挙げられる。
有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、ピロリドンカルボン酸、安息香酸等が挙げられる。
生薬類としては、例えば、カノコソウ、カミツレ、ガイヨウ、カンピ、ウイキョウ、ケイガイ、ケイヒ、ケイヒ油、ショウキョウ末、ジャスミン、センキュウ、ショウブ、ショウブ油、ソウジュツ、テレビン油、チンピ、トウキ、トウヒ、トウヒ油、ドクカツ、ビャクシ、ビャクジュツ、ヒノキ油、パイン油、ハッカ葉、ハッカ油、ベルガモット油、マツブサ、ラベンダー油、リュウノウ等の精油生薬;オウゴン、サフラン、ジュウヤク等の配糖体生薬;ニンジン等のサポニン生薬;オウバクエキス、コウボク等のアルカロイド生薬;シャクヤク;サンシン;ブリョウ;ヒノキ油;モモ葉;ヘチマ;アロエ等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、チロシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、メチオニン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジン等が挙げられる。
保湿成分としては、例えば、モモ、ヘチマ、アロエ、マロニエ、クマザサ、シラカバ、トマト、キュウリ、カキ、リンゴ、ミカン等の植物エキス;ワカメ、コンブ、イワノリ等の海藻エキス;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;ソルビトール、ブドウ糖、ショ糖、キシロース、エリスリトール、マンニトール、トレハロース、キシリット、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム等の糖;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、リポ酸、フェルラ酸、γ−オリザノール、カルニチン、等のビタミン;尿素;セラミド等が挙げられる。
酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、プロメラン、パパイン、プロテアーゼ、リゾチーム、ペプシン、フィシン等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン性界面活性剤;α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤;アルキルベタイン、アルキルジエチレントリアミノ酢酸、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
香料としては、例えば、ラベンダー油、ジャスミン油、レモン油、ブーケ油、スギ油、ヒノキ油等の天然香料;ゲラニオール、シトロネラール、オイゲノール、ウンデカラクトン、リモネン、フェネチルアルコール等の人工香料;これら天然香料および人工香料を調整して得られる調合香料等が挙げられる。
色素としては、例えば、青色1号、赤色106号、赤色2号、黄色4号、黄色202(1)号、緑色3号等の法定色素;クロロフィル、リボフラビン、アンナット、ベニバナ等の天然色素等が挙げられる。
この他にも、ニコチン酸誘導体、グリチルリチン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、パラオキシ安息香酸エステル、シルク末、加水分解カゼインナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、エラグ酸、コウジ酸、α−ヒドロキシ酸等が挙げられる。
また製剤とする際に必要に応じて、水、エタノール、変性アルコール等の液体担体;タルク、カオリン、ベントナイト、クレー、珪藻土、炭酸カルシウム、シリカ、コロイダルシリカ、ゼオライトなどの鉱物質又は無機質粉末、澱粉などの有機質粉末等の固体担体;圧縮ガス、液化石油ガス、ジメチルエーテル等の噴射剤等を適宜用いてもよい。
さらには浴湯に炭酸ガスを供給できる所謂発泡剤の浴用剤組成物としてもよく、この場合には、炭酸塩と有機酸とを組合わせたりすればよい。より具体的には重量比で、炭酸塩20〜40%に対して有機酸10〜30%の割合とし、必要な浴用剤成分や担体をいっしょに配合すればよい。
以下に実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜3
表1記載の浴用剤組成物を作成し、各組成物30gを40℃の浴湯200リットルに投入した。投入後よく攪拌し、右腕を肱まで浴湯に5分間浸けて冷涼感および刺激について官能評価を行った。試験はモニター5名で行い、結果は総合評価にて行った。
Figure 2006206614
試験の結果を表2に示す。実施例1〜3(浴湯のメントール濃度1.5〜4.5mg/リットル)では微細酸化亜鉛を配合することにより冷涼感を有し且つ皮膚への刺激がなく優れた効果が得られることが確認された。一方、微細酸化亜鉛を配合しない比較例1〜3では皮膚刺激があった。
Figure 2006206614
実施例4〜6
表3記載の浴用剤組成物を作成し、試験例1と同様の官能評価を行った。なお前記の比較例2の結果を表3に併記した。
Figure 2006206614
試験の結果を比較例2の結果と併せて表4に示す。微細酸化亜鉛を配合しない比較例2の浴用剤組成物では皮膚刺激があったが、微細酸化亜鉛の配合量を変えた実施例4〜6(浴湯のメントール濃度3.0mg/リットル;微細酸化亜鉛の配合量0.5〜3.0)では冷涼感を有し且つ皮膚への刺激がないことが確認された。
Figure 2006206614
以下に処方例(製剤例1〜4)をあげる。
製剤例1(粉末剤)
(成分) (重量%)
乾燥硫酸ナトリウム 63.85
炭酸水素ナトリウム 30.3
L−メントール 1.0
微細酸化亜鉛 1.0
アロエエキス散 1.0
加水分解コラーゲン又は植物コラーゲン 0.05
サリチル酸 1.0
無水ケイ酸 1.0
青色1号 0.1
ミント系香料 1.0
合計 100.0
製剤例2(粉末剤)
(成分) (重量%)
炭酸水素ナトリウム 89.66
L−メントール 1.0
微細酸化亜鉛 2.0
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
パントテン酸カルシウム 0.01
サリチル酸 0.2
無水ケイ酸 1.0
被覆酸化チタン 5.0
青色1号 0.02
赤色106号 0.05
グリーン系香料 1.0
合計 100.0
製剤例3(粉末剤)
(成分) (重量%)
乾燥硫酸ナトリウム 94.85
L−メントール 2.0
微細酸化亜鉛 1.0
アスコルビン酸 0.05
酢酸トコフェロール 0.05
無水ケイ酸 1.0
青色1号 0.05
フルーツ系香料 1.0
合計 100.0
製剤例4(粉末剤)
(成分) (重量%)
炭酸水素ナトリウム 91.34
L−メントール 1.0
微細酸化亜鉛 0.5
ヒノキチオール 0.01
加水分解シルク末 0.05
無水ケイ酸 1.0
被覆酸化チタン 5.0
橙色205号 0.05
黄色202(1)号 0.05
シトラス系香料 1.0
合計 100.0
製剤例5(打錠剤)
(成分) (重量%)
炭酸水素ナトリウム 30.0
炭酸ナトリウム 10.0
硫酸ナトリウム 26.4
L−メントール 1.0
微細酸化亜鉛 1.0
リンゴ酸 30.0
無水ケイ酸 1.0
青色1号 0.05
黄色202(1)号 0.05
ハーブ系香料 0.5
合計 100.0
製剤例6(打錠剤)
(成分) (重量%)
炭酸水素ナトリウム 30.0
炭酸ナトリウム 15.0
硫酸ナトリウム 15.45
L−メントール 2.0
微細酸化亜鉛 1.0
コハク酸 30.0
無水ケイ酸 1.5
被覆酸化チタン 5.0
青色1号 0.05
シトラス系香料 0.5
合計 100.0
製剤例7(液体入浴剤)
(成分) (重量%)
米胚芽油 2.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
尿素 3.0
グリセリン 20.0
POP・POEグリコール 10.0
メチルパラベン 0.05
流動パラフィン 5.0
L−メントール 0.5
微細酸化亜鉛 0.2
ミント系香料 1.0
精製水 適量
合計 100.0
製剤例8(液体入浴剤)
(成分) (重量%)
カミツレエキス 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
塩化ナトリウム 1.0
ガイヨウエキス 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0
メチルパラベン 0.05
L−メントール 1.0
微細酸化亜鉛 0.5
シトラス系香料 1.0
青色1号 0.02
精製水 適量
合計 100.0

Claims (1)

  1. 浴湯に投入した際に冷涼感が得られるようにメントールの濃度が調整された浴用剤組成物であって、メントールの浴湯での皮膚刺激を緩和するために微細酸化亜鉛を配合してなることを特徴とする浴用剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017066101A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 アース製薬株式会社 発泡性圧縮成形型入浴剤

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