JP2006206336A - ディスプレイ装置用基板ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】歪点が高く、かつ高耐熱性、高靭性、低密度で大量生産可能なフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスが望まれている。
【解決手段】重量%表示で、SiOが64%以上69%以下、Alが0.5%以上5%以下、NaOが2%以上6%以下、KOが6%以上14%以下、MgOが6%以上12%以下、CaOが0.5%以上8%以下、SrOが2%未満、ZrOが0.5%以上5%以下で、(SiO+Al+ZrO)が68%以上75%以下、(CaO+MgO+BaO+SrO)が10%以上16%未満からなり、30℃から300℃までの平均線膨張係数が76×10-7/℃以上88×10-7/℃以下かつ10dPa温度が1580℃以下のフロート法で生産可能なフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
【選択図】 なし

Description

本発明は、通常のソーダライムシリカガラスと同程度の熱膨張係数と高い耐熱性が要求されるガラス基板、例えばPDP(プラズマディスプレイパネル)やEL(エレクトロルミネセンス)、FED(フィールドエミッションディスプレイ)等の電子ディスプレイ用基板に好適なガラス組成物に関する。
従来、PDP製造分野においては、基板ガラスとして常温〜300℃の熱膨張係数が(80〜90)×10ー7/℃程度、歪点が 510〜 520℃程度のソーダライムシリカガラスを使用してきた。ソーダライムシリカガラスは多方面に利用され、低価格で容易に調達できる点で有利とされている。しかし歪点が低いため、ガラス基板上に電極線パターンを配し、更に低融点ガラスによる絶縁被覆を形成する等、パネル製作上各種熱処理を施す際に、基板ガラスの反りや収縮などの変形を生じ易いという不具合が生じる。
上記不具合を解消する一環として、近年においては、ソーダライムシリカガラスとほぼ同様の熱膨張係数を有し、歪点が550℃を越える、さらには600℃を超える高歪点ガラスが開発されている(特許文献1〜3参照)。これらのガラスを用いた基板は、ディスプレイパネルの製造工程において、熱変形が少なく、またパネルを構成する他の部材との熱膨張の整合性も良いので、その使用は増加傾向にある。
しかし、従来の高歪点ガラスはソーダライムシリカガラスに比べて脆い傾向があり、様々な処理を施す際に割れやすいという問題がある。一般的に、ガラスは脆性破壊の代表的なものとされ、傷(クラック)を起点として起こる。この破壊に対する抵抗性は破壊靭性(KIC)と呼ばれており、破壊時における割れの進展を抑えるためには破壊靭性が高いガラスが望ましいとされている。さらには、軽量化の問題からより低密度のガラスが望まれているが、高歪点ガラスの場合、その比重は2.6を越えたものとなっている。一方、高温での熱処理対策としてより耐熱性の高いガラスが望まれているが、前述したように機械的強度がソーダライムシリカガラスに比べて低いこともあり、十分な耐熱性をもった高歪点ガラスが開発されているとは言えない状況にある。
このように、ディスプレイ装置用ガラス基板には、高耐熱性、低密度、高破壊靭性等を有するガラスが強く望まれており、それぞれの要求に対応したガラスが提案されている(特許文献4〜6)。
特許第2738036号公報 特開平9−202641号公報 特開平9−255354号公報 特開平11−314933号公報 特開2002−193635号公報 特開2001―226138号公報
前述したように、従来の高歪点ガラスの密度は、2.6を越えるものが多い。例えば、上記特開平9−255354号公報のものは、SrO及びBaOを多量に含むために密度が2.8を超え、その広い範囲で密度が3以上になる。これは、ディスプレイ装置の軽量化が困難になるという問題がある上に、ガラス基板の自重によるたわみの問題も発生する。
しかしながら、ガラスの密度を低く、あるいは破壊靭性を高くするにはアルカリ酸化物やアルカリ土類酸化物を減らして、網目形成酸化物を増やす必要があるが、それに伴って熱膨張係数の低下や溶融・成形温度の上昇等が起こる。例えば、上記特開平11−314933号公報及び特開2002−193635号公報のものは、熱膨張係数が75×10-7/℃よりも低く、パネルを構成する他の部材との熱膨張の整合性が悪いという問題がある。また、上記の特許はこのようなことからガラスの高温粘度が高くなるため、ガラスの溶融温度や成形温度を高くしなければならず、溶融や成形が困難となる。特に、フロート法による成形ではガラスの高温粘度が高いと、窯やフロートバスの錫等に悪影響を及ぼし、生産性が低下することになる。また、例えば上記特開2001−226138号公報のものは、Pを必要とするため溶融・成形条件の微妙な変動によってガラスが着色するという致命的な問題が発生する可能性がある。
本発明は、上述の問題を解決するために、通常のソーダライムシリカガラスと同程度の熱膨張係数を有し、かつ耐熱性に優れ、非常に軽量で高強度のガラスであるにもかかわらず、直接通電溶融を含めた溶融、フロート法による生産に適したフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスを提供するものである。
重量%表示で、SiOが64%以上69%以下、Alが0.5%以上5%以下、NaOが2%以上6%以下、KOが6%以上14%以下、MgOが6%以上12%以下、CaOが0.5%以上8%以下、SrOが2%未満、ZrOが0.5%以上5%以下で、(SiO+Al+ZrO)が68%以上75%以下、(CaO+MgO+BaO+SrO)が10%以上16%未満からなり、30℃から300℃までの平均線膨張係数が76×10-7/℃以上88×10-7/℃以下かつ10dPa温度が1580℃以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
また、MgO/(MgO+CaO)が0.45以上0.95以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
また、KO/(NaO+KO)が0.5以上0.9以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
また、Al/ZrOが0.1以上2.5以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
また、密度が2.6g/cm未満であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
また、破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2以上であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
また、歪点が570℃以上、10dPa温度が1200℃以下、かつ10dPa温度と失透温度の温度差が0℃以上であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
本発明によれば、フラットパネルディスプレイ装置の基板ガラスに適する高歪点を有し、また適切な密度、熱膨張係数であり、かつ破壊靭性が高いため熱応力やたわみによるガラスの破損が少なく、大量生産に向くようなフロート法で溶融可能なガラス組成が提供される。これはPDP、ELおよびFEDなどの電子ディスプレイ用ガラス基板として極めて好適である。
重量%表示で、SiOが64%以上69%以下、Alが0.5%以上5%以下、NaOが2%以上6%以下、KOが6%以上14%以下、MgOが6%以上12%以下、CaOが0.5%以上8%以下、SrOが2%未満、ZrOが0.5%以上5%以下で、(SiO+Al+ZrO)が68%以上75%以下、(CaO+MgO+BaO+SrO)が10%以上16%未満からなり、30℃から300℃までの平均線膨張係数が76×10-7/℃以上88×10-7/℃以下かつ10dPa温度が1580℃以下のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
SiOはガラスの主成分であり、重量%において64%未満ではガラスの耐熱性または化学耐久性を悪化させる。他方、69%を超えるとガラス融液の高温粘度が高くなり、ガラス成形が困難となる。また、ガラスの線膨張係数が小さくなり過ぎて、ディスプレイパネルを構成する他の部材との整合性が悪くなる。従って64%以上69%以下が好ましい。より好ましくは65〜69%の範囲であり、さらに好ましくは66〜68%の範囲である。
Alは、密度を低くし、破壊靭性を高くする一方、高温粘度を上昇させる成分である。重量%において0.5%未満であると、密度は高くなり、破壊靭性も低下する。一方、5%を超えるとガラス融液の高温粘度が高くなる上に、失透傾向が増大する。従って、0.5以上5%以下が好ましい。より好ましくは0.5〜3%の範囲であり、さらに好ましくは0.7〜2%の範囲である。
NaOは、KOとともにガラス溶解時の融剤として作用し、またガラスの線膨張係数を適度な大きさに維持するうえで不可欠である。重量%において、2%未満であると融剤としての効果が不十分であり、また線膨張係数が低くなり過ぎる。一方、6%を超えると歪点が低下し過ぎる。従って2〜6%、好ましくは3〜5%の範囲である。
Oは、NaOと同様の作用効果を示すと共に、NaOとの混合アルカリ効果によりアルカリイオンの移動を抑制し、ガラスの体積抵抗率を高める必須成分である。重量%において、6%未満であるとそれらの作用が不十分である一方、14%を超えると線膨張係数が過大となり、また歪点も低下し過ぎるため、6%以上14%以下が好ましい。より好ましくは7〜13%の範囲、さらに好ましくは8〜12%の範囲である。
MgOは、ガラスの破壊靭性KICを増大させると共に、歪点も上昇させることができる。重量%において、6%未満ではそれらの作用が不十分である。一方、12%を超えると失透傾向が大きくなると共に溶融しにくくなり、ガラスの製造が困難になる。従って、6%以上12%以下が好ましい。より好ましくは6〜10%の範囲、さらに好ましくは8〜10%の範囲である。
CaOは、ガラス溶解時の溶融ガラスの粘度を下げる作用を有すると共に、ガラスの歪点を上昇させる作用を有する。重量%において、0.5%未満ではその効果が得られない。一方、8%を超えると破壊靭性KICを低下させ、また失透傾向も増大するので、0.5%以上8%以下が好ましい。より好ましくは1〜7%の範囲、さらに好ましくは2〜6%の範囲である。
SrOは、必須成分ではないが、MgOあるいはCaOとの共存下でガラス融液の高温粘度を下げて失透の発生を抑制する作用を有する。重量%において、2%を超えると密度が上昇し、所望の値を維持できなくなるので、2%以下の範囲が望ましい。
ZrOは、ガラスの歪点を上昇させ、またガラスの化学的耐久性を向上させるとともに失透を抑える効果を有する必須成分で、0.5%以上含有させることが好ましい。しかし、5%を超えると密度が上昇し、所望の値が維持できなくなる。従って、0.5%以上5%以下が好ましい。より好ましくは1〜4%の範囲であり、さらに好ましくは1〜3%の範囲である。
(SiO+Al+ZrO)は68%以上75%以下が好ましい。SiO+Al+ZrOが68%未満の場合に破壊靭性は低くなる。一方、SiO+Al+ZrOが75%を越えると、ガラス融液の高温粘度が高くなり、ガラス成形が困難となる。
(CaO+MgO+BaO+SrO)は10%以上16%未満が好ましい。(CaO+MgO+BaO+SrO)が10%未満であると、ガラスの歪点は低くなり、16%以上では溶融性に問題がでてくる場合が多くなる。より好ましくは10%以上14%以下、さらに好ましくは10.5%以上14%未満である。
BaOは、必須成分ではないが、SrOと同様にMgOあるいはCaOとの共存下でガラス融液の高温粘度を下げて失透の発生を抑制する作用を有する。本組成の範囲内において、BaOの含有は重量%において、5%以下の使用が好ましい。さらに好ましくは0.5〜3.5%、さらに好ましくは0.5〜2%の範囲である。
本発明の好ましい態様のガラスは実質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を合量で3%まで含有してもよい。例えば、ガラスの溶解、清澄、成形性の改善のためにSO、Cl、F、As等を合量で1%まで含有してもよい。また、ガラスを着色するためにFe、CoO、NiO等を合量で1%まで含有してもよい。さらに、PDPにおける電子線ブラウニング防止等のためにTiOおよびCeOをそれぞれ1%まで、合量で1%まで含有してもよい。なお、Bの使用も可能ではあるが、必須ではない。
30℃から300℃までの平均線膨張係数が76×10-7/℃以上88×10-7/℃以下であることが好ましい。この範囲外では、PDPで使われる他の材料との相性が悪くなり、製造中の破損やキズの発生等、問題が多発する傾向にある。
一般的にガラス原料を溶融させて均一に混合するためには、融液粘度が10dPa以下になる必要があり、このときの10dPa温度は溶融温度ともいわれている。この温度が高いと、原料の溶融や融液の清澄が困難となり、炉材を傷めるなどコストも高くなる。通常のフロート窯などで均一に溶融するためには、この10dPa温度が1580℃以下であることが望ましい。
MgO/(MgO+CaO)が0.45以上0.95以下であることが好ましい。MgOと(MgO+CaO)との比は、高歪点ガラスを製造するとき、重要である。MgO/(MgO+CaO)が0.45未満であると、破壊靭性が低下すると共に歪点の変化が大きくなる。一方、MgO/(MgO+CaO)が0.95を越えると、ガラスの溶融性が下がり、製造上の問題がでてくる。
O/(NaO+KO)が0.5以上0.9以下であることが好ましい。KOと(NaO+KO)との比は、高歪点ガラスを製造するときの歪点あるいは溶融温度の調整剤として特に重要である。KO/(NaO+KO)が上記以外であると、所望の平均線膨張係数を維持しつつ、歪点あるいは溶融温度の調整をすることが難しくなる。すなわち、KO/(NaO+KO)0.5未満であると歪点が低すぎる傾向にある一方、KO/(NaO+KO)が0.9を越えると溶融温度が高くなりすぎる傾向にある。
Al/ZrOが0.1以上2.5以下であることが好ましい。Al/ZrOは主に溶融温度と破壊靭性に影響するので、上記の範囲を外れると、溶融温度と破壊靭性値のバランスが悪くなり、所望の物性が得られない。
密度が2.6g/cm未満であることが好ましい。密度が2.6g・cm−3以上ではディスプレイ装置の軽量化ができなくなるからである。
破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2以上であることが好ましい。破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2未満では、ディスプレイ装置の製造工程中で割れやすい問題が出てくるからである。
また、本発明は、ガラスの10dPa温度が1200℃以下、さらに10dPa温度と失透温度の温度差が0℃以上であることが好ましい。
ここで、10dPa温度とは、ガラスの粘性が10dPaとなる温度を意味する。フロート法で板ガラスを製造するためには、成形時の融液粘度が10dPa程度であることが好まれ、10dPaとなるガラス温度は一般的に成形温度と呼ばれることが多い。がラスの溶融後、そのガラス融液はフロートバスと呼ばれるスズに代表される溶融金属上において成形される。従って、成形温度が高くなるとバスの温度も高くする必要があり、欠陥の増加や歩留の低下を引き起こすため、10dPa温度が1200℃以下であることが望ましい。
ここで、失透温度とはガラスを一定温度に2時間維持した場合に失透と呼ばれる結晶生成が生ずる上限温度を意味する。一般的に10dPa温度から失透温度までの温度範囲は作業温度範囲といわれ、成形作業の容易性の目安となる。この温度範囲が狭いと、成形作業中にガラスが失透しやすくなり、ガラスの成形が困難となる。このためこの温度範囲は広い方が望ましく、すなわち10dPa温度と失透温度との温度差が0℃以上であることが望ましい。
以下、実施例に基づき、説明する。
(ガラスの作成)
珪砂、酸化アルミニウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムおよび珪酸ジルコニウムよりなる調合原料を白金ルツボに充填し、電気炉内で1450〜1600℃、約6時間加熱溶融した。加熱溶融の途中で白金棒によりガラス融液を攪拌してガラスを均質化させた。次に、溶融ガラスを鋳型に流し込み、ガラスブロックとし、600〜700℃に保持した電気炉に移入して該炉内で徐冷した。得られたガラス試料は泡や脈理の無い均質なものであった。
原料調合に基づくガラスの組成(酸化物換算)を表1に示す。これらのガラスについて、高温粘度(ガラスの粘度が10dPaおよび10dPaに相当する温度)、失透温度(℃)、歪点(℃)、密度(g/cm)、30〜300℃の平均線膨張係数(10−7/℃)および破壊靱性KIC(MPa・m1/2)を以下の方法により測定した。
高温粘度は、白金球引き上げ法により、測定した。なお、先に述べたように、10dPaの温度はガラスを溶融する際に、また10dPaの温度はガラスを板状に成形する際に目安となる温度で、これらの温度が低いほど成形性が良いことになる。失透温度は、白金ホルダーと温度傾斜炉を用いた急冷法により測定した。歪点は、JIS R3103−2の規定に基づくビーム曲げ法により測定した。密度は、泡の無いガラス(約50g)を用いてアルキメデス法により測定した。膨張係数は、熱機械分析装置TMA8310(理学電機(株)製)を用いて30〜300℃における平均線膨張係数を測定した。破壊靱性は、微小硬度計DMH−2(松沢精機(株)製)を用いて、JIS R 1607に記載のファインセラミックスの破壊靱性試験方法(圧子圧入法)により算出した。
Figure 2006206336
Figure 2006206336
(結果)
表1中の実施例1〜8は本発明におけるガラスであり、比較例1〜5はソーダライムシリカガラスを始めとする従来のガラスである。実施例1〜8のガラスは、市場が希望している線膨張係数を有し、また歪点が570℃以上と十分高い上に、密度は2.60未満で、破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2以上を超えており、さらに10dPaあるいは10dPa温度と10dPa温度−失透温度の温度差が適切であるため、フロート法による溶融・成形が容易である。従って、本願発明は、市場が希望している例えばソーダライムシリカガラスとほぼ同等の線膨張係数を有し、従来の高歪点ガラスと同等の耐熱性を有する上に、低密度で、破壊靭性の高いガラスを生産性の高いガラスをフロート法により容易に製造できる。
これに対し、比較例1のガラスにおいては、成形性が良く、密度が2.60未満、破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2以上であるものの、歪点が低いという問題がある。比較例2のガラスは、歪点は570℃以上と高いものの、密度が2.6を越えており、破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2未満である。また、比較例3〜5は、歪点は580℃以上と高く、密度が2.60未満で、破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2以上であるが、10dPaあるいは10dPa温度が高く、また10dPa温度―失透温度の差も非常に小さいため、ガラスの溶融・成形が容易ではないという問題がある。

Claims (7)

  1. 重量%表示で、SiOが64%以上69%以下、Alが0.5%以上5%以下、NaOが2%以上6%以下、KOが6%以上14%以下、MgOが6%以上12%以下、CaOが0.5%以上8%以下、SrOが2%未満、ZrOが0.5%以上5%以下で、(SiO+Al+ZrO)が68%以上75%以下、(CaO+MgO+BaO+SrO)が10%以上16%未満からなり、30℃から300℃までの平均線膨張係数が76×10-7/℃以上88×10-7/℃以下かつ10dPa温度が1580℃以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
  2. MgO/(MgO+CaO)が0.45以上0.95以下であることを特徴とする請求項1に記載のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
  3. O/(NaO+KO)が0.5以上0.9以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
  4. Al/ZrOが0.1以上2.5以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス
  5. 密度が2.6g/cm未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
  6. 破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
  7. 歪点が570℃以上、10dPa温度が1200℃以下、かつ10dPa温度と失透温度の温度差が0℃以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
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