JP2006131482A - ディスプレイ装置用基板ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】フラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスで、歪点が高く、かつ高耐熱性、高靭性、低密度のものが望まれている。
【解決手段】実質的に重量%表示で、SiO2が64〜70、Al2O3が0.5〜5、Na2Oが1〜7、K2Oが5〜20、Na2O+K2Oが10〜20、MgOが3〜17、CaOが0〜10、SrOが0〜5、BaOが0〜5、RO(ただし、RはMg、Ca、Sr、Ba)が10〜20、ZrO2が0〜5からなり、かつ密度が2.6g・cm−3未満、30℃〜300℃における平均線熱膨張係数が70〜90×10―7/℃、ヤング率Eが70〜80GPaで、かつ密度/ヤング率が0.0355g・cm−3/GPa以下、ヤング率×熱膨張係数が6500GPa×10−7/℃以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
【選択図】 なし
【解決手段】実質的に重量%表示で、SiO2が64〜70、Al2O3が0.5〜5、Na2Oが1〜7、K2Oが5〜20、Na2O+K2Oが10〜20、MgOが3〜17、CaOが0〜10、SrOが0〜5、BaOが0〜5、RO(ただし、RはMg、Ca、Sr、Ba)が10〜20、ZrO2が0〜5からなり、かつ密度が2.6g・cm−3未満、30℃〜300℃における平均線熱膨張係数が70〜90×10―7/℃、ヤング率Eが70〜80GPaで、かつ密度/ヤング率が0.0355g・cm−3/GPa以下、ヤング率×熱膨張係数が6500GPa×10−7/℃以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐熱性に優れ、軽量でかつ高強度のガラス組成物に関する。特に通常のソーダライムシリカガラスと同程度の熱膨張係数と高い耐熱性が要求されるガラス基板、例えばPDP(プラズマディスプレイパネル)やEL(エレクトロルミネセンス)、FED(フィールドエミッションディスプレイ)等の電子ディスプレイ用基板に好適なガラス組成物に関する。
従来、PDP製造分野においては、基板ガラスとして常温〜300℃の熱膨張係数が80〜90×10ー7/℃程度、歪点が 510〜 520℃程度のソーダライムシリカガラスを使用してきた。ソーダライムシリカガラスは多方面に利用され、低価格で容易に調達できる点で有利とされている。しかし歪点が低いため、ガラス基板上に電極線パターンを配し、更に低融点ガラスによる絶縁被覆を形成する等、パネル製作上各種熱処理を施す際に、基板ガラスの反りや収縮などの変形を生じ易いという不具合が生じる。
上記不具合を解消するために、近年においてはソーダライムシリカガラスと同様なアルカリ・アルカリ土類・シリカ系ガラスで、熱膨張係数がソーダライムシリカガラスと近似し、歪点が550℃を越え、あるいは600℃を超えるような高歪点ガラスが提案されている(例えば特許文献1〜3)。これらのガラスは、ディスプレイパネルの製造工程において、熱変形が少なく、また他の部材との膨張の整合性も良い。
特許第2738036号公報
特開平8−290939号公報
特開平10−152339号公報
しかし、従来の高歪点ガラスは、成分組成自体ソーダライムシリカガラスに対しやや特異な組成であって、従来の高歪点ガラスの密度はソーダライムシリカガラスに比べて大きく、2.6を越えるものが多い。これは、ディスプレイ装置の軽量化が困難になるという問題がある上に、ガラス基板の自重によるたわみの問題も発生する。即ち、ガラス基板の自重によるたわみ量(W)は、式(1)で表されるように、ガラスの密度(ρ)に比例して増大する。そのためガラス基板が大型化するとたわみ量がより大きくなって、基板の搬送や移動の工程で破損などの不具合が起こる問題がある。
W=c(ρ/E)(L4/t2) (1)
W:最大たわみ量、L:2辺支持間の距離、t:板厚、ρ:ガラスの密度、E:ガラスのヤング率、c:定数
また式(1)において、ヤング率もガラスの自重によるたわみ量にも関係することが分かる。即ち、同じ密度でもヤング率が小さくなると増大する。
さらに、ディスプレイ装置の製造工程中では、前述のように各種熱処理を施すため、加熱や冷却の工程でガラス基板に熱衝撃が加わり、温度勾配が生じてガラス基板に熱応力が発生する。この熱応力σは一般的に式(2)のような式で表される。
W:最大たわみ量、L:2辺支持間の距離、t:板厚、ρ:ガラスの密度、E:ガラスのヤング率、c:定数
また式(1)において、ヤング率もガラスの自重によるたわみ量にも関係することが分かる。即ち、同じ密度でもヤング率が小さくなると増大する。
さらに、ディスプレイ装置の製造工程中では、前述のように各種熱処理を施すため、加熱や冷却の工程でガラス基板に熱衝撃が加わり、温度勾配が生じてガラス基板に熱応力が発生する。この熱応力σは一般的に式(2)のような式で表される。
熱応力σ=0.31{Eα/(1−ν)}・ΔT(γm・h/k) (2)
ここで、Eはヤング率、αは膨張係数、νはポアソン比、ΔTは温度変化、γmは材料形状による因子、hは表面の熱伝達係数、kは材料の熱伝導率である。脆性破壊を示すガラスはこのような熱応力で比較的容易に破壊するため、熱応力の発生を極力小さくする必要がある。そのためには、上述の式(2)において、E、α、ΔT、γm、hおよびνを小さくし、kを大きくしなければならないが、この系のガラスにおいてはh、kおよびνはほぼ一定である。その上、ΔTやγmはディスプレイパネルの熱処理工程の条件やガラス基板の形状で決まる因子であるためそれを限定することは困難である。従って、ガラス基板に発生する熱応力の大きさは、ガラスの熱膨張係数αとヤング率Eに依存するところが大きく、熱膨張係数が大きく、またヤング率が大きいガラスでは熱処理工程で発生する熱応力が大きくなって、ガラス基板が破壊する確立が高くなるという問題がある。
ここで、Eはヤング率、αは膨張係数、νはポアソン比、ΔTは温度変化、γmは材料形状による因子、hは表面の熱伝達係数、kは材料の熱伝導率である。脆性破壊を示すガラスはこのような熱応力で比較的容易に破壊するため、熱応力の発生を極力小さくする必要がある。そのためには、上述の式(2)において、E、α、ΔT、γm、hおよびνを小さくし、kを大きくしなければならないが、この系のガラスにおいてはh、kおよびνはほぼ一定である。その上、ΔTやγmはディスプレイパネルの熱処理工程の条件やガラス基板の形状で決まる因子であるためそれを限定することは困難である。従って、ガラス基板に発生する熱応力の大きさは、ガラスの熱膨張係数αとヤング率Eに依存するところが大きく、熱膨張係数が大きく、またヤング率が大きいガラスでは熱処理工程で発生する熱応力が大きくなって、ガラス基板が破壊する確立が高くなるという問題がある。
従って、密度が大きく、ヤング率が小さいとガラス基板のたわみによる破損などの問題があり、また熱膨張係数とヤング率が大きいと前述の通り熱応力によるガラス基板の破壊の問題があるため、ガラスの密度、熱膨張係数とヤング率は適切な範囲にしなければならない。
さらに、従来の高歪点ガラスはソーダライムシリカガラスに比べて脆いために、様々な処理を施す際に割れやすい問題がある。一般的にガラスの割れは傷(クラック)を起点として起こる脆性破壊と考えられており、この破壊に対する抵抗性は破壊靭性(KIC)と呼ばれる。従って、前記割れの問題を改善するためにはKICが高いガラスが必要である。
本発明の目的は、これらの問題を解決するために、ソーダライムシリカガラスと同程度の線膨張係数を有すると共に、歪点とKICが高く、密度が低いことを特徴とするガラス基板の組成を提供することにある。
実質的に重量%表示で、SiO2が64〜70、Al2O3が0.5〜5、Na2Oが1〜7、K2Oが5〜20、Na2O+K2Oが10〜20、MgOが3〜17、CaOが0〜10、SrOが0〜5、BaOが0〜5、RO(ただし、RはMg、Ca、Sr、Ba)が10〜20、ZrO2が0〜5からなり、かつ密度が2.6g・cm−3未満、30℃〜300℃における平均線熱膨張係数が70〜90×10―7/℃、ヤング率Eが70〜80GPaで、かつ密度/ヤング率が0.0355g・cm−3/GPa以下、ヤング率×熱膨張係数が6500GPa×10−7/℃以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
さらに、破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2以上であることを特徴とする上記のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
さらにまた、歪点が570℃以上であることを特徴とする上記のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
本発明によれば、上記の問題を解決するため、フラットパネルディスプレイ装置の基板ガラスに適する高歪点を有し、また適切な密度、熱膨張係数とヤング率であり、かつ破壊靭性が高いため熱応力やたわみによるガラスの破損が少ないガラスの組成を提供することにある、これはPDP、ELおよびFEDなどの電子ディスプレイ用ガラス基板として極めて好適である。
実質的に重量%表示で、SiO2が64〜70、Al2O3が0.5〜5、Na2Oが1〜7、K2Oが5〜20、Na2O+K2Oが10〜20、MgOが3〜17、CaOが0〜10、SrOが0〜5、BaOが0〜5、RO(ただし、RはMg、Ca、Sr、Ba)が10〜20、ZrO2が0〜5からなり、かつ密度が2.6g・cm−3未満、30℃〜300℃における平均線熱膨張係数が70〜90×10―7/℃、ヤング率Eが70〜80GPaで、かつ密度/ヤング率が0.0355g・cm−3/GPa以下、ヤング率×熱膨張係数が6500GPa×10−7/℃以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。
SiO2はガラスの主成分であり、重量%において64%未満ではガラスの耐熱性または化学耐久性を悪化させる。他方、70%を超えるとガラス融液の高温粘度が高くなり、ガラス成形が困難となる。また、ガラスの線膨張係数が小さくなり過ぎて、ディスプレイパネルを構成する他の部材との整合性が悪くなる。従って64〜70%、好ましくは65〜69%の範囲とする。
Al2O3は、歪点を高くし、密度を低くする成分である。重量%において5%を超えるとガラス融液の高温粘度が高くなる上に、ヤング率が上昇し所望のヤング率が得られなくなる。従って0.5〜5%、好適には1〜4%の範囲がよい。
Na2Oは、K2Oとともにガラス溶解時の融剤として作用する。1%未満ではその効果が得られず、7%を超えると歪点が低下し過ぎる。従って1〜7%の範囲とする。
K2Oは、Na2Oと同様の作用効果を示すと共に、Na2Oとの混合アルカリ効果によりアルカリイオンの移動を抑制し、ガラスの体積抵抗率を高める必須成分である。5%未満であるとそれらの作用が不十分であり、20%を超えると線膨張係数が過大となり、また歪点も低下し過ぎるため、5〜20%、好適には8〜15%の範囲とする。
前記アルカリ成分(Na2O、K2O)の量に関して、その合量を10〜20%にすることにより、歪点、線熱膨張係数、高温粘度および失透温度を適切な範囲に維持することができる。アルカリ成分の合量が10%未満では線熱膨張係数が低下し過ぎる上に、ヤング率が上昇し所望のヤング率が維持できなくなる。またガラスの失透傾向が増大する。20%を超えると歪点が低下し過ぎるうえに、ヤング率および体積抵抗率が低下する。従って、10〜20%の範囲とするものである。
MgOは、ガラス溶解時の溶融ガラスの粘度を下げる作用を有すると共に、歪点も上昇させる作用を有する。15%を超えるとヤング率が上昇し所望のヤング率が得られなくなる。またガラスの失透傾向が増大し溶融ガラスの成形が困難になる。従って0〜15%、好ましくは1〜14%の範囲とする。
CaOは、ガラス溶解時の溶融ガラスの粘度を下げる作用を有すると共に、ガラスの歪点を上昇させる作用を有するが、10%を超えると失透傾向が大きくなり、また密度が上昇し所望の密度が得られなくなる。従って0〜10%、好ましくは1〜8%の範囲とする。
SrOは、必須成分ではないが、CaOとの共存下でガラス融液の高温粘度を下げて失透の発生を抑制する作用を有する。5%を超えると密度が高くなり過ぎるので、5%以下の範囲が望ましい。
BaOは、必須成分ではないが、ガラス融液の失透傾向を抑制する作用を有すると共にヤング率を下げる効果があるが、5%を超えると密度が上昇するので、5%以下の範囲が望ましい。
さらに、上記組成範囲内において、二価の金属酸化物RO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba)の合計量を10〜20%の範囲とすることによって、ガラスの溶融性を良好な範囲に維持しつつ、粘度―温度勾配を適度としてガラスの成形性を良好とし、耐熱性、化学的耐久性等に優れ、適切な範囲の熱膨張係数を有するガラスを得ることができる。ROの合計が10%未満では、高温粘度が上昇してガラスの溶融と成形が困難となる。また、歪点が下がり過ぎる上に、熱膨張係数が低下する。一方、20%を超えると、特に密度が上昇するとともに失透傾向が増大し、化学的耐久性が低下する。より好ましい範囲は、11〜19%である。
ZrO2は、ガラスの歪点を上昇させ、またガラスの化学的耐久性を向上させる効果を有する。5%を超えると密度が上昇し、いずれも所望の値が維持できなくなる。従って0〜5%、好ましくは1〜3%の範囲とする。
本発明の好ましい態様のガラスは実質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を合量で3%まで含有してもよい。たとえば、ガラスの溶解、清澄、成形性の改善のためにSO3、Cl、F、As2O3等を合量で1%まで含有してもよい。また、ガラスを着色するためにFe2O3、CoO、NiO等を合量で1%まで含有してもよい。さらに、PDPにおける電子線ブラウニング防止等のためにTiO2およびCeO2をそれぞれ1%まで、合量で1%まで含有してもよい。
密度、線熱膨張係数とヤング率は重要な特性であり、密度が2.6g・cm−3以上ではディスプレイ装置の軽量化ができなくなり、線熱膨張係数が70未満あるいは90×10―7/℃を超えるとパネルを構成する他の部材との熱膨張の整合性が悪くなる。また、密度/ヤング率はガラス基板の自重によるたわみ量に関係し、0.0355g・cm−3/GPaを超えるとたわみ量が大きくなり過ぎて、たわみによる破損が起こりやすくなる。さらに、ヤング率×熱膨張係数は熱処理時のガラス基板に発生する熱応力に関係し、6500GPa×10−7/℃を超えると熱応力が大きくなり過ぎて、熱衝撃による破壊が起こりやすくなる。
また、破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2以上であることを特徴とする上記のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2未満では、ディスプレイ装置の製造工程中で割れやすい問題が出てくる。
さらに、歪点が570℃以上であることを特徴とする上記のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラスである。歪点はガラスの耐熱性を示す特性であり、570℃未満ではディスプレイパネルの製造工程において熱変形が多くなるため不適である。
以下、実施例に基づき、説明する。
(ガラスの作成)
珪砂、酸化アルミニウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムおよび珪酸ジルコニウムよりなる調合原料を白金ルツボに充填し、電気炉内で1500〜1600℃、約6時間加熱溶融した。加熱溶融の途中で白金棒によりガラス融液を攪拌してガラスを均質化させた。次に、溶融ガラスを鋳型に流し込み、ガラスブロックとし、550〜650℃に保持した電気炉に移入して該炉内で徐冷した。得られたガラス試料は泡や脈理の無い均質なものであった。
珪砂、酸化アルミニウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムおよび珪酸ジルコニウムよりなる調合原料を白金ルツボに充填し、電気炉内で1500〜1600℃、約6時間加熱溶融した。加熱溶融の途中で白金棒によりガラス融液を攪拌してガラスを均質化させた。次に、溶融ガラスを鋳型に流し込み、ガラスブロックとし、550〜650℃に保持した電気炉に移入して該炉内で徐冷した。得られたガラス試料は泡や脈理の無い均質なものであった。
原料調合に基づくガラスの組成(酸化物換算)を表1に示す。これらのガラスについて、歪点(℃)、密度(g/cm3)、30〜300℃の平均線膨張係数(10−7/℃)、ヤング率(GPa)および破壊靱性KIC(MPa・m1/2)を以下の方法により測定した。
歪点は、JIS R3103−2の規定に基づくビーム曲げ法により測定した。密度は、泡の無いガラス(約50g)を用いてアルキメデス法により測定した。膨張係数は、熱機械分析装置TMA8310(理学電機(株)製)を用いて30〜300℃における平均線膨張係数を測定した。ヤング率は、シングアラウンド式音波測定装置UVM―2(超音波工業(株)製)を用いて測定した。破壊靱性は、微小硬度計DMH−2(松沢精機(株)製)を用いて、JIS R 1607に記載のファインセラミックスの破壊靱性試験方法(圧子圧入法)により算出した。
(結果)
表1中の実施例1〜8は本発明におけるガラスであり、比較例1はソーダライムシリカガラスである。比較例2〜4は従来の高歪点ガラスである。比較例1のソーダライムシリカガラスにおいては、密度、熱膨張係数とヤング率および破壊靭性が適切の値であるものの、歪点が比較例2〜4の高歪点ガラスに較べて著しく低いことを現している。一方、比較例2〜4の高歪点ガラスは、歪点は580℃以上と高いものの、密度、密度/ヤング率あるいは熱膨張係数×ヤング率が所望の値を外れており、かつ破壊靭性が0.7MPa・m1/2未満と低いことを現している。
表1中の実施例1〜8は本発明におけるガラスであり、比較例1はソーダライムシリカガラスである。比較例2〜4は従来の高歪点ガラスである。比較例1のソーダライムシリカガラスにおいては、密度、熱膨張係数とヤング率および破壊靭性が適切の値であるものの、歪点が比較例2〜4の高歪点ガラスに較べて著しく低いことを現している。一方、比較例2〜4の高歪点ガラスは、歪点は580℃以上と高いものの、密度、密度/ヤング率あるいは熱膨張係数×ヤング率が所望の値を外れており、かつ破壊靭性が0.7MPa・m1/2未満と低いことを現している。
これらに対して実施例1〜8のガラスは、歪点が570℃以上と十分高い上に、密度、熱膨張係数とヤング率が所望の値であり、また密度/ヤング率あるいは熱膨張係数×ヤング率が適切な範囲にあり、さらに、破壊靭性は0.7MPa・m1/2以上と高い。従って、本願発明のガラスは、従来の高歪点ガラスと同等の耐熱性を有する上に、適正な密度、熱膨張係数とヤング率を有し、密度/ヤング率あるいは熱膨張係数×ヤング率が適切な範囲にあり、さらに破壊靭性が高いことから、従来の高歪点ガラスに較べて、ディスプレイパネル製造工程における熱処理工程でのガラス基板の自重によるたわみ量も少なく、また熱応力の発生が小さいことは明白であり、それによるガラスの破損が少なくなる。
Claims (3)
- 実質的に重量%表示で、SiO2が64〜70、Al2O3が0.5〜5、Na2Oが1〜7、K2Oが5〜20、Na2O+K2Oが10〜20、MgOが3〜17、CaOが0〜10、SrOが0〜5、BaOが0〜5、RO(ただし、RはMg、Ca、Sr、Ba)が10〜20、ZrO2が0〜5からなり、かつ密度が2.6g・cm−3未満、30℃〜300℃における平均線熱膨張係数が70〜90×10―7/℃、ヤング率Eが70〜80GPaで、かつ密度/ヤング率が0.0355g・cm−3/GPa以下、ヤング率×熱膨張係数が6500GPa×10−7/℃以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
- 破壊靭性KICが0.7MPa・m1/2以上であることを特徴とする請求項1に記載のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
- 歪点が570℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のフラットパネルディスプレイ装置用基板ガラス。
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