JP2001048594A - ディスプレイ基板用フロートガラス - Google Patents
ディスプレイ基板用フロートガラスInfo
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Abstract
スプレイ基板用フロートガラスを得る。 【解決手段】Na2O、K2OおよびLi2Oからなる群
から選ばれた1種以上を含有し、その含有量の合計R2
Oが1〜20モル%であり、溶融スズと接触していない
側の表面の銀拡散能が15μg/cm2以下であるディ
スプレイ基板用フロートガラス。
Description
レイパネル(PDP)、フィールドエミッションディス
プレイ(FED)、等のフラットパネルディスプレイの
基板に好適なフロートガラスに関する。
に薄型平板型ガス放電表示パネルの1種であるPDPが
注目を集め、精力的に開発されている。PDPは、前面
ガラス基板、背面ガラス基板および隔壁によりセルが区
画形成されており、セル中でプラズマ放電を発生させる
ことによりセル内壁の蛍光体層が発光し画像を形成す
る。
基板には、ガラス基板の大型化が容易であり、かつ平坦
性・均質性に優れるフロートガラス(溶融スズの上で溶
融ガラスを浮上搬送しながら板状に成形した板状ガラ
ス)が使用されている。前面ガラス基板のトップ面(溶
融スズと接触していない側の表面)にはITO(インジ
ウムがドープされたスズ酸化物)からなる透明電極が形
成され、その上にスクリーン印刷法により銀ペーストを
塗布後550〜600℃で焼成して銀電極が形成され
る。
時に前面ガラス基板が黄色に着色し、PDPカラー表示
の品位が低下する問題があった。すなわち、白色を表示
させた画面が全体に黄色味を帯びたり、また青色を表示
させた画面の輝度が低下したりする問題があった。この
黄色着色は、前記銀電極形成時に前面ガラス基板表面か
ら内部(表面層)に拡散したAgイオンが該表面層に存
在するFe2+、Sn2+、等によって還元されてAg0と
なり、これが凝集して生成したコロイドの発色によるも
のと考えられる。なお、ガラス基板のボトム面(溶融ス
ズと接触していた側の表面)はスズ濃度が高く、そのた
めと考えられるが、通常はボトム面に銀電極を形成した
場合の黄色着色はトップ面に銀電極を形成する場合に比
べ顕著である。したがって通常はトップ面に銀電極が形
成される。本発明は、以上の問題を解決するディスプレ
イ基板用フロートガラスの提供を目的とする。
溶融ガラスを浮上搬送しながら板状に成形したフロート
ガラスであって、Na2O、K2OおよびLi2Oからな
る群から選ばれた1種以上を含有し、その含有量の合計
R2Oが1〜20モル%であり、溶融スズと接触してい
ない側の表面の下記銀拡散能が15μg/cm2以下で
あるディスプレイ基板用フロートガラスを提供する。
定される。 (1)溶融スズと接触していない側のフロートガラス表
面に、銀粒子、バインダおよび有機溶剤を含有する銀ペ
ーストを塗布し、大気中において580℃で1時間焼成
して、厚さが10μm以上であり、かつAg含有量が9
5重量%以上である膜を形成する。 (2)硝酸により前記膜をフロートガラス表面から除去
する。
表面をフッ酸と硫酸の混合液により溶解し、前記表面の
ガラスを抽出する。 (4)前記抽出されたガラス中のAg量(単位:μg)
を、誘導結合プラズマ法により測定する。 (5)前記Ag量を、前記表面の面積(単位:cm2)
により除して銀拡散能を算出する。 本発明者は、銀拡散能と前記銀電極形成時の黄色着色と
の間に強い相関があることを見出し、本発明に至った。
スの吸光度Aは、たとえば以下のようにして測定され
る。 (1)フロートガラスの410nmにおける透過率T0
を測定する。 (2)溶融スズと接触していない側のフロートガラス表
面(以下トップ面という。)に、銀粒子、バインダおよ
び有機溶剤を含有する銀ペースト(添川理化学社製、ド
ータイトD−550)を50μmの厚さとなるように塗
布する。ドータイトD−550は、バインダとしてアク
リル樹脂を、有機溶剤としてトルエンをそれぞれ含有し
ている。
し、580℃で1時間焼成した後、60℃/時で冷却
し、Ag含有量が99重量%、厚さが15μmの膜をト
ップ面に形成する。 (4)硝酸(濃度:20重量%)を用いて前記膜をトッ
プ面から除去する。 (5)波長410nmにおける透過率Tを測定する。 (6)A=−log10(T/T0)によりAを算出す
る。
ス(以下単に本発明のフロートガラスという。)の吸光
度Aは0.023以下であることが好ましい。0.02
3超では、銀電極形成にともなう黄色着色が問題になる
おそれがある。より好ましくは0.010以下、特に好
ましくは0.005以下である。
能が大きくなると、銀電極形成にともなう黄色着色が強
くなり吸光度Aが増大する。銀拡散能は、好ましくは1
0μg/cm2以下、より好ましくは8μg/cm2以下
である。
における平均線膨張係数は、PDP、FED等の製造に
使用されるガラスフリットの焼成体の前記平均線膨張係
数と整合させるために、60×10-7〜100×10-7
/℃であることが好ましい。より好ましくは70×10
-7〜90×10-7/℃である。50〜350℃における
平均線膨張係数を、以下単に膨張係数という。
比重は2.7以下であることが好ましい。2.7超では
ディスプレイ基板が重くなりすぎるおそれがある。より
好ましくは2.65以下である。
の溶融ガラスの粘度を低下させるために、Na2O、K2
OおよびLi2Oからなる群から選ばれた1種以上を含
有する。その含有量の合計R2Oが1モル%未満では溶
融ガラスの粘度を低下させる効果が小さい。好ましくは
5モル%以上である。20モル%超では化学的耐久性お
よび/または電気絶縁性が低下する。好ましくは16モ
ル%以下、より好ましくは15モル%以下、特に好まし
くは13モル%以下である。
の溶融ガラスの粘度を低下させるために、MgO、Ca
O、SrOおよびBaOからなる群から選ばれた1種以
上を含有することが好ましい。その含有量の合計MOは
5〜25モル%であることが好ましい。5モル%未満で
は溶融ガラスの粘度を低下させる効果が小さいおそれが
ある。より好ましくは10モル%以上、特に好ましくは
16モル%以上である。25モル%超では銀拡散能が大
きくなりすぎるおそれがある。より好ましくは21モル
%以下、特に好ましくは18モル%以下である。
さくするために、または破壊じん性を大きくするため
に、またはガラス溶解時の溶融ガラスの粘度を低下させ
るために、B2O3を0.1〜30モル%の範囲で含有す
ることが好ましい。0.1モル%未満では銀拡散能低
下、破壊じん性増大または溶融ガラス粘度低下の効果が
小さいおそれがある。より好ましくは1モル%以上、特
に好ましくは2モル%以上である。30モル%超では膨
張係数が小さくなりすぎるおそれがある。より好ましく
は20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下であ
る。
散能を小さくするために、MO+R 2O−(B2O3含有
量)が26モル%以下であることが好ましい。より好ま
しくは25モル%以下、特に好ましくは24モル%以下
である。
%表示で、 SiO2 45〜75、 Al2O3 0〜20、 B2O3 0〜20、 ZrO2 0〜10、 MgO 0〜15、 CaO 0〜15、 SrO 0〜15、 BaO 0〜15、 Na2O 0〜15、 K2O 0〜15、 Li2O 0〜15、 からなり、MOが5〜21、かつR2Oが5〜16であ
ることが好ましい。
単に%と表記して以下に述べる。SiO2はネットワー
クフォーマーであり必須である。45%未満では耐熱性
または化学的耐久性が低下する。好ましくは50%以上
である。75%超では膨張係数が小さくなりすぎる。好
ましくは70%以下である。
を高くし耐熱性を高くするために20%まで含有しても
よい。20%超では、膨張係数が小さくなりすぎるおそ
れがある。好ましくは15%以下である。
くするために、または破壊じん性を大きくするために、
またはガラス溶解時の溶融ガラスの粘度を低下させるた
めに、20%まで含有してもよい。20%超では膨張係
数が小さくなりすぎるおそれがある。より好ましくは1
5%以下である。B2O3を含有する場合は0.1%以上
含有することが好ましい。より好ましくは1%以上、特
に好ましくは2%以上である。
を高くするために10%まで含有してもよい。10%超
ではガラスが不安定になり、またガラスが傷つきやすく
なるおそれがある。より好ましくは6%以下である。
ラス溶解時の溶融ガラスの粘度を低下させる成分であ
り、少なくともこのうちの1種を含有しなければならな
い。MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合
計MOが5%未満では上記効果が小さい。好ましくは1
0モル%以上、より好ましくは16モル%以上である。
21モル%超では銀拡散能が大きくなりすぎる。より好
ましくは18モル%以下である。MgO、CaO、Sr
O、BaOのそれぞれの含有量は15%以下である。1
5%超では、失透温度が高くなりすぎる。
解時の溶融ガラスの粘度を低下させる成分であり、少な
くともこのうちの1種を含有しなければならない。Na
2O、K2OおよびLi2Oの含有量の合計R2Oが5モル
%未満では上記効果が小さい。好ましくは5モル%以上
である。16モル%超では化学的耐久性および/または
電気絶縁性が低下する。好ましくは13モル%以下であ
る。Na2O、K2O、Li2Oのそれぞれの含有量は1
5%以下である。15%超では電気絶縁性が低下する。
実質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわな
い範囲で他の成分を10%まで含有してもよい。たとえ
ば、ガラスの溶解、清澄、成形性の改善のためにS
O3、F、As2O3、Sb2O3、等を合量で1%まで含
有してもよい。また、化学的耐久性を向上させるために
TiO2、SnO2、ZnO、等を合量で9%まで含有し
てもよい。また、ガラスを着色するためにFe2O3、N
iO、CoO、等を合量で1%まで含有してもよい。
ようにして製造される。目標組成となるように通常使用
される原料を調合し、これを溶解炉中で加熱溶融する。
バブリングや清澄剤の添加や撹拌などによってガラスの
均質化を行い、周知のフロート法により所定の板厚に成
形する。本発明のフロートガラスは、PDP、FED、
等のフラットパネルディスプレイの基板に好適である。
で示した組成のガラスを溶解炉で溶融し、フロート法に
より板状に成形して厚さ2.8mmのフロートガラスを
得た。
大きさのガラス板を切り出し、そのトップ面に添川理化
学社製の銀ペースト(商品名:ドータイトD−550)
を50μmの厚さに塗布した。大気中において200℃
/時で昇温し、580℃で1時間焼成後、60℃/時で
冷却し、厚さが15μm、Ag含有量が99重量%の膜
を形成した。
記膜を除去した。膜除去後のガラス板を、3規定の硫酸
と48%フッ酸とを20:1の割合で混合したフツ硫酸
に20分浸漬し、ガラス板の表面を約100μmエッチ
ングした。このフツ硫酸溶液をサンドバス上で水分が蒸
発するまで加熱乾固した。
l)中で超音波洗浄を行い、次に、沈殿物と上澄み液に
遠心分離して該上澄み液を採取した。この上澄み液につ
いて誘導結合プラズマ法により338.28nmにおけ
る発光強度を求め、これから検量線を用いてAg濃度を
得た。このAg濃度と上澄み液の体積からガラス板表面
に存在していたAg量(単位:μg)を算出した。この
Ag量をガラス板の面積(6cm2)により除して銀拡
散能(単位:μg/cm2)を算出した。表に結果を示
す。
/℃)、比重、ガラス転移点(単位:℃)についても測
定した。 吸光度A:前述の方法により測定した。透過率は日立製
作所製自記分光光度計U−3500により測定した。 膨張係数:示差熱膨張計を用いて測定した。 比重:約30gのガラスについて、アルキメデス法によ
り測定した。 ガラス転移点:示差熱膨張計により得られた膨張曲線の
屈曲点に相当する温度を読み取った。
なお、例4は周知のソーダライムガラスのフロートガラ
スである。
ータを累乗式でフィティングした結果、次式で良くフィ
ティングできることを見出した。 吸光度A=9×10-6×D2.9 この式を用いてDが15μg/cm2のときの吸光度A
を求めると0.023であり、銀電極形成時の黄色着色
が問題にならないレベルであると考えられる。
散能が15μg/cm2以下となっているので、トップ
面に銀電極を形成した時の黄色着色がない、または少な
いフラットパネルディスプレイの基板が得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】溶融スズ上で溶融ガラスを浮上搬送しなが
ら板状に成形したフロートガラスであって、Na2O、
K2OおよびLi2Oからなる群から選ばれた1種以上を
含有し、その含有量の合計R2Oが1〜20モル%であ
り、溶融スズと接触していない側の表面の下記銀拡散能
が15μg/cm2以下であるディスプレイ基板用フロ
ートガラス。銀拡散能は以下のようにして測定される。 (1)溶融スズと接触していない側のフロートガラス表
面に、銀粒子、バインダおよび有機溶剤を含有する銀ペ
ーストを塗布し、大気中において580℃で1時間焼成
して、厚さが10μm以上であり、かつAg含有量が9
5重量%以上である膜を形成する。 (2)硝酸により前記膜をフロートガラス表面から除去
する。 (3)前記膜が除去されたフロートガラス表面をフッ酸
と硫酸の混合液により溶解し、前記表面のガラスを抽出
する。 (4)前記抽出されたガラス中のAg量(単位:μg)
を、誘導結合プラズマ法により測定する。 (5)前記Ag量を、前記表面の面積(単位:cm2)
により除して銀拡散能を算出する。 - 【請求項2】MgO、CaO、SrOおよびBaOから
なる群から選ばれた1種以上を含有し、その含有量の合
計MOが5〜25モル%である請求項1に記載のディス
プレイ基板用フロートガラス。 - 【請求項3】B2O3を含有し、その含有量が0.1〜2
0モル%である請求項1または2に記載のディスプレイ
基板用フロートガラス。 - 【請求項4】MgO、CaO、SrOおよびBaOから
なる群から選ばれた1種以上を含有し、その含有量の合
計MO(モル%)と前記R2O(モル%)との和からB2
O3の含有量を減じた値が26モル%以下である請求項
1、2または3に記載のディスプレイ基板用フロートガ
ラス。 - 【請求項5】実質的にモル%表示で、 SiO2 45〜75、 Al2O3 0〜20、 B2O3 0〜20、 ZrO2 0〜10、 MgO 0〜15、 CaO 0〜15、 SrO 0〜15、 BaO 0〜15、 Na2O 0〜15、 K2O 0〜15、 Li2O 0〜15、 からなり、前記MOが5〜21、かつ前記R2Oが5〜
16である請求項1、2、3または4に記載のディスプ
レイ基板用フロートガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22424999A JP4470240B2 (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | ディスプレイ基板用フロートガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22424999A JP4470240B2 (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | ディスプレイ基板用フロートガラス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001048594A true JP2001048594A (ja) | 2001-02-20 |
JP4470240B2 JP4470240B2 (ja) | 2010-06-02 |
Family
ID=16810830
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP22424999A Expired - Fee Related JP4470240B2 (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | ディスプレイ基板用フロートガラス |
Country Status (1)
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JP (1) | JP4470240B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006080292A1 (ja) * | 2005-01-25 | 2006-08-03 | Central Glass Company, Limited | ディスプレイ装置用基板ガラス |
CN100449583C (zh) * | 2002-11-29 | 2009-01-07 | 松下电器产业株式会社 | 图像显示装置及其使用的玻璃基板的评价方法 |
CN114195404A (zh) * | 2021-11-08 | 2022-03-18 | 醴陵旗滨电子玻璃有限公司 | 一种抗菌玻璃的制备方法 |
-
1999
- 1999-08-06 JP JP22424999A patent/JP4470240B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2006080292A1 (ja) * | 2005-01-25 | 2006-08-03 | Central Glass Company, Limited | ディスプレイ装置用基板ガラス |
JP2006206336A (ja) * | 2005-01-25 | 2006-08-10 | Central Glass Co Ltd | ディスプレイ装置用基板ガラス |
CN114195404A (zh) * | 2021-11-08 | 2022-03-18 | 醴陵旗滨电子玻璃有限公司 | 一种抗菌玻璃的制备方法 |
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