JP2006205780A - 車両用フロアリフト装置 - Google Patents

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圭吾 疋田
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Abstract

【課題】 展開格納作動時に曲面状の軌跡を描く端部を有する可動フロアを備え、この可動フロアとステップを囲む側面との隙間を一定に保つ又は塞ぐことが可能な車両用フロアリフト装置を提供する。
【解決手段】 車両乗降口の乗降用固定ステップ63上の凹部空間を覆うようにステップカバー12を設け、ステップカバー12の上端に可動フロア1のヒンジ部11gが回動可能に支持される。可動フロア1は、ヒンジ部11gの回動軸まわりに回動されることにより展開格納され、この回動軸に対して斜めに形成された斜線部としての端部1c、1d、曲線部2、回動軸と略平行な平行部としての端部1f、の少なくともいずれかを有する。ステップカバー12は、乗降用固定ステップ63を囲む側面部12cが、展開格納作動時に端部1c、1d、1f、曲線部2の軌跡がなす曲面から一定距離をなすような曲面状とされている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、車両用フロアリフト装置に係り、特に、車両フロアより低い乗降用固定ステップが設けられた車両に適用され、乗降時以外はステップ上の空間を塞いで車両フロアの有効面積を拡大させる可動フロアを備えた車両用フロアリフト装置に関する。
一般に、ワンボックスカー等の車両においては、車室のフロアが比較的高く設定されているため、車両フロアの乗降口側には、一段低くなるようにステップが設けられている。しかし、単に、車両フロアの乗降口にステップを設けた従来の乗降ステップ構造では、ステップを設けた分だけ車両フロアの有効面積が小さくなるため、実用上において以下のような問題点があった。すなわち、ステップの側部や後部の車両フロア上には座席が設置されているが、これら座席に着座した乗員の足元にステップを設けたことによって凹部空間が形成されるために、乗員が不自然な着座姿勢を強いられたり、或いは車室内に積み込んだ荷物が前記凹部空間へ落下してしまったりするという問題があった。そこで、これらの事情に鑑み、種々の車両用フロアリフト装置等が提案されている。
例えば、特許文献1に記載のフロア装置では、ステップの上部を覆う略直方体状の本体筐体部を設けており、この本体筐体部によって形成される凹部空間上において、可動フロアが車両フロアに対して回動される。この構成により、可動フロアがステップの上部を塞ぐ展開状態と、ステップを囲む側面に格納される格納状態との間で変位される。これにより、展開状態において車両フロア面積を十分に確保することができるものとされていた。
特開2004−352146号公報(第11頁、図13、図14)
しかしながら、特許文献1の構成では、本体筐体部が略直方体状とされている。従って、矩形状の可動フロアを用いれば、その側端部の軌跡が平面上を移動するのでステップを囲む側面との隙間を一定に保つことができる。一方、可動フロアは、乗降時の利便性やデザイン性を考慮してアール形状を有する台形状に設定されることが多いが、このような形状に設定すると、可動フロアの端部のうち、ステップを囲む側面に対向する部位の軌跡は曲面状となる。従って、このような場合には、ステップを囲む側面と可動フロアの端部との隙間の広さが可動フロアの回動に応じて拡大または縮小され、隙間を常に一定に保つことができないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、可動フロアの展開格納作動時に、可動フロアの端部とステップを囲む側面との隙間を一定の小さな隙間に保つことができ、可動フロアの端部とステップを囲む側面との間の挟み込みを防止することが可能な車両用フロアリフト装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、可動フロアの端部とステップを囲む側面との隙間を一定の小さな隙間に保つことにより、外観性が向上されると共に物が隙間に落ち込むことがない車両用フロアリフト装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、装置の全体構成を簡素化することができ、低コストで製造可能とすると共に、車載性を向上させることが可能な車両用フロアリフト装置を提供することにある。
前記課題は、請求項1に記載の車両用フロアリフト装置によれば、車両フロアより低い乗降用固定ステップの上方に形成された前記車両フロアの開口を塞ぐように展開された展開状態と前記乗降用固定ステップを車室に出現させるように格納された格納状態とに変位可能な可動フロアと、前記開口を囲む開口縁部および前記乗降用固定ステップを囲む側面のそれぞれ少なくとも一部を覆うように設けられるステップカバーと、を備えた車両用フロアリフト装置において、前記可動フロアは、一端側に設けられたヒンジ部の回動軸を回動中心として前記車両フロアに対して回動可能に設けられると共に、前記展開状態にあるときに前記開口縁部に対向する端部が、展開状態または格納状態へ移行される作動状態において曲面状の軌跡を描く部位を有する形状とされ、前記ステップカバーは、前記乗降用固定ステップを囲む側面を覆う部位が、前記作動状態において前記曲面状の軌跡を描く部位との隙間が略一定に保たれるように曲面状に形成されてなることにより解決される。
このように、請求項1に記載のフロアリフト装置では、可動フロアを、一端側に設けられたヒンジ部を軸として車両フロアに対して回動させ、乗降用固定ステップの上方を覆って車両フロアの開口を塞ぐ展開状態から格納状態へ変位させることができる。これにより、展開状態では、乗降時に乗降用固定ステップとして使用される部位を車両フロアとして使用することができ、車両フロアの有効面積を十分に確保することができる。
そして、この車両用フロアリフト装置では、可動フロアの端部が、曲面状の軌跡を描く部位を有している。言い換えれば、可動フロアの端部が、ヒンジ部の回動軸に対して垂直でない部位を有している。また、この曲面状の軌跡を描く部位は、開口縁部に対向する側すなわちステップ側面に対向する側に設けられている。そして、本発明では、ステップカバーのステップ側面を覆う部位が、可動フロアの作動状態、すなわち展開格納時における全作動範囲における可動フロアとの隙間を略一定に保つような形状、すなわち、ステップ側面に対向する側の端部が描く曲面状の軌跡に沿った形状となるように形成されている。
つまり、本発明は、このような構成により、矩形以外の任意の形状の可動フロアの全作動範囲において、可動フロアとステップ側面との間の隙間を常に一定に保つことができる。そして、この隙間を物が落ち込むことがない程度に小さく寸法設定することにより、乗車時の利便性を向上させることができる。また、隙間を小さく保つことにより外観性が向上される。また、可動フロアの端部とステップを囲む側面との間に物が挟み込まれることがない。
また、前記課題は、請求項2に記載の車両用フロアリフト装置によれば、車両フロアより低い乗降用固定ステップの上方に形成された前記車両フロアの開口を塞ぐように展開された展開状態と前記乗降用固定ステップを車室に出現させるように格納された格納状態とに変位可能な可動フロアと、前記開口を囲む開口縁部および前記乗降用固定ステップを囲む側面のそれぞれ少なくとも一部を覆うように設けられるステップカバーと、を備えた車両用フロアリフト装置において、前記可動フロアは、一端側に設けられたヒンジ部の回動軸を回動中心として前記車両フロアに対して回動可能に設けられると共に、前記展開状態にあるときに前記開口縁部に対向する端部が、展開状態または格納状態へ移行される作動状態において曲面状の軌跡を描く部位を有する形状とされ、前記作動状態において前記曲面状の軌跡を描く部位と前記ステップカバーとの隙間を塞ぐように前記隙間に出現される隙間遮蔽部材を備えたことにより解決される。
このように、請求項2に記載のフロアリフト装置では、請求項1と同様に、可動フロアを展開格納させることにより、乗車時の車両フロアの有効面積を十分に確保することができる。
また、この車両用フロアリフト装置では、曲面状の軌跡を描く可動フロア端部とステップカバーとの隙間を塞ぐ隙間遮蔽部材を備えている。従って、隙間遮蔽部材が隙間に出現されることにより、曲面状の軌跡を描く端部を有する形状、言い換えれば、ヒンジ部の回動軸に対して垂直でない端部を有する形状の可動フロアの全作動範囲において、可動フロアとステップ側面との間の隙間を常に塞ぐことができるので、物が隙間に落ち込むことがなく、乗車時の利便性が向上される。また、隙間を小さく保つことにより外観性が向上される。また、可動フロアの端部とステップを囲む側面との間に物が挟み込まれることがない。
また、請求項3に記載のように、前記可動フロアは前記回動軸と略平行な端部のうち前記作動状態において前記開口縁部に対向する部位の表面が、前記回動軸を中心とする略円弧状の断面を有する凸面または凹面をなすように形成され、前記ステップカバーは、前記作動状態において前記凸面または凹面に対向する面が、前記回動軸を中心とする略円弧状の断面を有する曲面であって、前記凸面の外周側に位置される面または前記凹面の内周側に位置される面からなるように構成することができる。
本発明において、可動フロアの一端側、すなわち開口縁部側の端部にはヒンジ部が形成されている。そして、請求項3に記載のように、このヒンジ部の回動軸と略平行であって開口縁部に対向する部位、すなわちヒンジ部が設けられた端部表面の各部位は、それぞれ、可動フロアの回動に伴ってこの回動軸を中心とする円弧状の軌跡、すなわち、ヒンジ部の回動軸を中心とする円筒面上を移動する軌跡を描く。従って、ヒンジ部が設けられた端部が、回動軸を中心とする略円弧状の断面を有する凸面または凹面、すなわち回動軸を中心とする円筒面の外側面または内側面をなすように形成すれば、この端部上の各部位の全作動範囲における軌跡は、常にこの表面上を移動される。
そこで、この端部とステップカバーとの隙間を略一定に保つためには、この端部の表面に対向するステップカバーの表面を、上記凸面または凹面と同一中心の円筒面状、すなわちヒンジ部の回動軸を中心とする略円弧状の断面を有する曲面にとなるように形成すればよい。このとき、上記端部表面が凸面の場合には、該凸面の外周側に位置される円筒面とし、上記端部表面が凹面の場合には、該凹面の内周側に位置される円筒面とする。これにより、対向する面がそれぞれ半径の異なる円筒面状を移動する軌跡を描くので、その隙間が略一定に保たれる。このように構成すると、ヒンジ部が形成された端部とステップカバーとの隙間を略一定に保つことができ、乗車時の利便性が向上される。また、外観性が向上される。また、可動フロアの端部とステップを囲む側面との間に物が挟み込まれることがない。
また、請求項4に記載のように、前記可動フロアを前記展開状態と前記格納状態とに変位させる展開格納手段を備え、該展開格納手段は、一端側が前記可動フロアに接続されたリンク機構と、該リンク機構の他端側に接続された駆動部と、を有して構成され、前記可動フロアは、前記リンク機構の作動に応じて前記車両フロアに対して回動されるように構成することができる。
このように、リンク機構を用いた簡易な構成により、可動フロアを回動させて乗降用固定ステップの上を覆う展開状態から格納状態へ変位させることができる。そして、格納状態にあるときには、可動フロアは、乗員の乗降の邪魔にならないようにステップ側面に沿って格納することができる。これにより、乗降時の利便性が向上される。
また、請求項5に記載のように、前記曲面状の軌跡を描く部位は、より具体的には、前記回動軸に対して斜めに形成された斜線部,曲線状に形成された曲線部,前記回動軸から離間され、かつ、前記回動軸と略平行な平行部,の少なくともいずれかを含むように形成されている。このような斜線部、曲線部、平行部はいずれも可動フロアの回動に伴って曲面状の軌跡を描くので、例えばアール形状を有する台形状に可動フロアを設定した場合にも、可動フロアとステップカバーとの隙間を略一定に保つことができる。
また、請求項6に記載のように、前記隙間遮蔽部材は、より具体的には、一端が前記斜線部,前記曲線部,前記平行部のいずれかの部位に接続され、他端が前記ステップカバー側に突出される方向に付勢されて前記ステップカバーに当接されてなり、前記隙間の拡大に応じて前記ステップカバー側に突出され、前記隙間の縮小に応じて前記可動フロア側に後退されるように形成することができる。このように、可動フロアの展開格納作動に応じて3次元形状の軌跡を描く端部に、ステップカバー側に突出される方向に付勢された隙間遮蔽部材を設けることにより、隙間の拡大または縮小に応じて、この隙間遮蔽部材が可動フロア側からステップカバー側へ突出されてその先端がステップカバーに当接された状態で止まるので、丁度隙間を塞ぐように隙間遮蔽部材の突出寸法が調整される。
また、請求項7に記載のように、前記隙間遮蔽部材は、より具体的には、一端が前記斜線部,前記曲線部,前記平行部のいずれかの部位に接続され、他端が前記ステップカバーの開口縁部のうち前記展開状態において前記曲線部または前記斜線部に対向する部位に接続されてなり、前記隙間の拡大または縮小に応じて伸縮されるように構成することができる。このように、隙間遮蔽部材が伸縮可能とされ、その両端がそれぞれ可動フロア端部とステップカバーの開口縁部とに接続されていれば、隙間が拡大または縮小しても、それに追従して隙間遮蔽部材が伸縮され、常に隙間を塞ぐことができる。
また、請求項8に記載のように、前記可動フロアは、展開状態にあるときに前記車両フロアと面一な状態となるように構成することができる。このように構成すると、可動フロアが展開した状態にあるときに、車両フロア全体が平板状になるので、車両フロアの有効面積をより拡大することが可能となり、車両フロア面積を十分に確保することが可能となる。
また、請求項9に記載のように、前記可動フロア、前記ステップカバー、および前記展開格納手段が、単一のユニットに構成されていると、装置の全体構成を簡素化でき、これにより、車載性を向上させることが可能となる。
本発明によれば、以下のような効果を奏する。
(イ)展開格納時に曲面状の軌跡を描く部位を有する可動フロアの全作動範囲において、可動フロアとステップ側面との間の隙間を常に一定に保つことができる。そして、この隙間を指等が挟み込まれない程度に小さく寸法設定することにより、可動フロアとステップ側面との挟み込みを防止することができる。また、これにより、可動フロアの作動時における挟み込み発生位置を可動フロアの乗降口側の先端に限定することができる。
(ロ)可動フロアとステップ側面との隙間、あるいは可動フロアのヒンジ部が設けられた側の端部とステップカバーとの隙間を略一定に保つことができるので、乗車時の利便性が向上されると共に、外観性が向上される。
(ハ)可動フロアとステップ側面との間の隙間を塞ぐ隙間遮蔽部材を設けることにより、物が隙間に落ち込むことがないように構成することができる。
(ニ)リンク機構を用いた簡易な構成により、可動フロアを、乗降用固定ステップの上を覆う展開状態から格納状態へ変位させることができる。これにより、展開状態では、乗降時に乗降用固定ステップとして使用される部位を車両フロアとして使用することができ、車両フロアの有効面積を十分に確保することができる。
(ホ)可動フロアおよび展開格納手段が、単一のユニットに構成されているので、装置の全体構成を簡素化でき、車載性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図10は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両用フロアリフト装置Sの電気的な接続構成を示すブロック図、図2は車両用フロアリフト装置を車両に搭載した状態を示す説明図、図3は車両用フロアリフト装置の斜視図、図4はステップカバー及び可動フロアの斜視図、図5は図3におけるX−X断面図である。また、図6は可動フロアの展開格納動作を示す説明図、図7、図8は可動フロアが展開位置にある状態を示す説明図、図9は可動フロアが作動中の位置にある状態を示す説明図、図10は可動フロアが格納位置にある状態を示す動作説明図である。また、図11は可動フロアのヒンジ部を示す説明図である。
また、図12、図13は、改変例の車両用フロアリフト装置に係る構成を示す図である。
(車両用フロアリフト装置の構成)
はじめに、図1〜図11を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用フロアリフト装置の構成について説明する。
本実施形態に係る車両用フロアリフト装置Sは、例えば、ワンボックスカーや、いわゆるミニバンなど、車室のフロア61が比較的高く設定されているために、乗降口62に車両フロア61よりも一段低く乗降用固定ステップ63が設けられた車両60に適用されるものである。
車両60には、図2に示すように、車両フロア61の乗降口側に乗降用固定ステップ63が設けられている。この乗降用固定ステップ63上には凹部空間が形成されており、車両フロア61には、この凹部空間の上面に相当する部位に、開口が形成されている。本実施形態の車両用フロアリフト装置Sは、この凹部空間の上部開口を可動フロア1を展開して塞ぐものである。これにより、乗降時以外には乗降用固定ステップ63上の開口を塞いで車両フロア61の有効面積を拡大させることができる。
なお、本実施形態では、車両60の乗降口62には、ドア64(本実施形態では、車両前後方向に開閉するスライド式ドアで構成されている)が設けられている。
本実施形態に係る車両用フロアリフト装置Sの電気的構成は、図1に示すように、可動フロアユニット10と、制御部40と、電源供給部50と、を主要構成要素としている。
可動フロアユニット10は、可動フロア1と、リンク機構20と、駆動部30と、を主要構成要素とするものである。これらの構成部品は、図3等に示すように、ステップカバー12に連結されて一体化されている。これにより、可動フロアユニット10は、車両60に対して着脱自在なワンユニット化された装置とされている。このような可動フロアユニット10は、乗降口ステップ部に組み込むことにより、車両に容易に搭載することが可能である。また、車両から容易に取り外すことも可能である。従って、本実施形態における車両用フロアリフト装置Sは、多種多様な車種についてオプションとして後付けすることが容易とされている。
本実施形態のステップカバー12は、車両60に搭載されたときに車両フロア61の乗降口62側に形成された乗降用固定ステップ63上の凹部空間を覆うことができるように樹脂材料で所定形状に形成されたものである。また、本実施形態のステップカバー12は、後述する可動フロア1及び駆動部30を支持するように構成されており、車両60の車体所定箇所に固定されている。
ステップカバー12は、図3、図4等に示すように、凹部空間を囲む側面を覆う側面部12cと、側面部12cの上端から車両フロア61側に延出される開口縁部12aと、側面部12cの下端から延出され、乗降用固定ステップ63上を覆う下端部12bとを備えている。開口縁部12aは、凹部空間の上面に位置する車両フロア61の開口を囲むように形成されている。
側面部12cは、凹部空間の車体中央側の側面を覆う背面部12caと、背面部から乗降口側に延出される側端部12cb、12ccとを備えている。そして、背面部12caには、リンク機構20が作動したときに、クランク24や連結棒25が貫通するための2箇所の背面切欠き部12dが形成されている。なお、ステップカバー12の下端部12bと乗降用固定ステップ63は、一体に構成されていてもよい。
リンク機構20は、ステップカバー12の背面切欠き部12dを貫通するように設けられている。リンク機構20の一端(後述する連結棒21,22)は、乗降用固定ステップ63上の凹部空間に設けられた可動フロア1に連結されている。また、リンク機構20の他端(後述するクランク軸27)は、車両フロア61の下側の空間において、ステップカバー12の背面部12caから車体中央側へ向けて突出するように設けられた2ヶ所の支持部14に支持されるように構成されている。
可動フロア1は平板状のものであって、図4等に示すように、ステップカバー12に囲まれる凹部空間の上部開口、すなわち、ステップカバー12の開口縁部12a及び側面部12cによって囲まれる空間の上部を塞ぐようにステップカバー12に組み付けられている。
本実施形態では、可動フロア1の平面形状は、乗降口62側へ向かってフロア面が拡開されるような略台形状とされている。この可動フロア1の車体中央側(図4における矢印T)の端部1aには、ステップカバー12の開口縁部12aの縁に設けられた支持部13に支持ピン11cにより回動可能に支持されるヒンジ部11gが、直線状に並ぶように形成されている。また、可動フロア1の乗降口62側の端部1bには、乗降口62に設けられた車両ドア64の車室側の面の形状に沿った凸凹形状が形成されている。そして、乗降口側の端部1bと車体中央側の端部1aとを接続する辺は、ヒンジ部11gの回動軸に対して斜めに形成された端部1c、1dと、端部1c、1dと端部1aとをそれぞれ接続するアール形状の曲線部2とから形成されている。
このように、本実施形態の可動フロア1は、ヒンジ部11gの回動軸に対して斜めに形成された斜線部(端部1c、1d)と、アール形状の曲線部2が、凹部空間の上部開口の縁部、すなわち、ステップカバー12の開口縁部12aと側面部12cとの接続部に対向するように組み付けられている。
また、図3、図5(図3におけるX−X断面図)等に示すように、可動フロア1の裏面には、ヒンジ11a,11bが形成されており、このヒンジ11a,11bには、リンク機構20の構成要素である連結棒21,22の一端21a,22aがそれぞれ回動自在に連結されている。
このような構成により、可動フロア1は、ステップカバー12に対して回動可能とされ、可動フロアユニット10が車両60に搭載された状態において、リンク機構20の作動に応じてヒンジ部11gの回動軸である支持ピン11cを回動中心として回動される。これにより、展開状態にあるときには可動フロア1が車両フロア61に連続する平面となり、車両フロア面積を十分に確保することができる。一方、格納状態にあるときには、可動フロア1はステップカバー12の背面部12caに沿って端部1bを下端側にして縦向きに格納されるので、乗降用固定ステップ63上を覆う下端部12bを車室に出現させることができる。
ここで、図6〜図11を参照しながら、可動フロア1とステップカバー12の構成および動作をさらに詳述する。本実施形態の可動フロア1は、上記のように、その特徴的な構成として、ステップカバー12の側面に対向する端部が、ヒンジ部11gの回動軸に対して斜めに形成された斜線部(端部1c、1d)と、アール形状の曲線部2を備えている。すなわち、曲面状の軌跡を描く部位、言い換えれば、ヒンジ部の回動軸に対して垂直でない部位を備えている。そして、本実施形態のステップカバー12は、その特徴的な構成として、展開格納作動時に上記可動フロア1との隙間が略一定に保たれるように、上記曲面状の軌跡を描く部位の軌跡に沿った形状の曲面部12eが設けられている。
図6(a)〜(c)は、それぞれ可動フロア1の展開状態、展開状態または格納状態へ変位される途中の作動状態、格納状態を示しているが、この図に示すように、端部1d及び曲線部2は、曲面部12eに沿って移動されている。なお、この図では表現されていないが、この図において手前側の端部1c側にも同様の曲面部12eが形成されている。そして、このとき、端部1c、1d及び曲線部2は、以下説明する図7〜図10に示されるように、曲面部12eとの隙間が常に略同一とされている。
図7(a)は展開状態にあるときの可動フロアユニット10を乗降口62側から見た図であり、図7(b)は図7(a)のA−A断面図である。また、図8は展開状態にあるときの可動フロア1を上方から見た図である。この図に示すように、展開状態において、端部1c、1d及び曲線部2とステップカバー12との隙間は、いずれも略同一間隔(図7、図8における寸法x)とされている。
図9(a)は作動状態にあるときの可動フロアユニット10を乗降口62側から見た図であり、図9(b)は図7(a)のB−B断面図である。図9(b)に示すように、曲面部12eは、可動フロア1の回動軸に垂直な断面における断面形状が、この回動軸(支持ピン11c)を中心とする円弧状に形成されている。そして、端部1cの各部位は、可動フロア1の回動に伴って、それぞれ回動軸(支持ピン11c)の周りを円弧状の軌跡を描いて移動される。つまり、端部1cの軌跡がなす曲面と、曲面部12eとは、いずれも支持ピン11cを中心とした円弧状の断面を有する形状に形成されているので、端部1cと曲面部12eとの隙間は、常に一定(図9における寸法x)とされている。
図10は格納状態にあるときの可動フロアユニット10を乗降口62側から見た図であり、図10(b)は図10(a)のC−C断面図である。この図に示すように、格納状態において、端部1c、1d及び曲線部2とステップカバー12との隙間は、いずれも略同一間隔(図10における寸法x)とされている。
以上のように、本発明では、ステップカバー12は、可動フロア1の端部のうち曲面状の軌跡を描く部位と対向する部位に曲面部12eを備えているので、可動フロア1の各部位は、図9(b)に示すように、可動フロア1との隙間を常に一定に保つことができる。そして、この隙間を、物が落ち込むことがない程度に小さく寸法設定することにより、可動フロア1の展開時、格納時、作動時のいずれの状態においても可動フロア1とステップカバー12との隙間に物が落ち込むことがないように構成することができる。
なお、図11に示すように、可動フロア1のヒンジ部側の端部に、回動軸と垂直な端部1eと、回動軸から離間され、かつ、回動軸と略平行な端部1fとからなる切り欠き形状を形成した場合には、可動フロア1とステップカバー12との隙間を一定に保つために、ステップを囲む側面のうち、端部1fに対向する面を曲面状に形成する。すなわち、端部1fの各部位はヒンジ部11gの回動軸を中心とした円弧状の軌跡を描き、端部1f全体の軌跡は円筒面状の曲面となるので、ステップカバー12の側面のうち、端部1fに対向する面を、回動軸を中心とした円筒面状に形成するとよい。
このように、作動状態において曲面状の軌跡を描く部位には、可動フロアの回動軸から離間され、かつ、回動軸と略平行な端部が含まれる。つまり、ヒンジ部の回動軸に対して垂直でない部位は全て曲面状の軌跡を描く部位に該当する。そして、本発明では、このような場合においても、ステップカバー12を曲面状に形成することにより、可動フロア1とステップカバー12との隙間を一定に保つことができる。
また、本実施形態では、ヒンジ部11gが設けられた直線状の端部1aが、ステップカバー12との間に常に略一定の隙間をなすように構成されている。
図11は本実施形態におけるヒンジ部11gの構成を示す図であり、図12(a)は図5のヒンジ部11gまわりの領域Zを拡大して示したものである。この図において、ヒンジ部11gは、その表面のうち、ステップカバーと対向する側の面が、ヒンジ部11gの回動軸と略平行とされ、かつ、この回動軸を中心とする円弧状の断面を有する凸面3とされている。言い換えれば、端部1aの表面は、この回動軸を中心とする円筒面の外側面の一部をなすように形成されている。また、ステップカバー12の開口縁部12aと背面部12caとの接続部のうち、端部1aの表面と対向する部位は、ヒンジ部11gの回動軸を中心とする円弧状の断面を有する凹面4、言い換えれば、凸面3の外周側に位置される円筒の内側面の一部をなすように形成されている。
このように、凸面3と凹面4が同一中心を有する円筒面の一部をなすように形成されているので、両面の隙間は常に一定(図12における寸法y)とされている。すなわち、可動フロア1がヒンジ部の回動軸まわりに回動されると、ヒンジ部11gの表面の各部位の軌跡は、凸面3を含む円筒面から外れることがない。従って、この凸面3から距離一定である凹面4との隙間が常に一定に保たれている。
なお、図12(a)では可動フロア1の端部1aを凸面3とし、ステップカバー12の表面を凹面4としたが、凸凹を逆に形成し、可動フロア1の端部1bを凹面とし、ステップカバー12の表面を凸面とすることもできる。また、図12(b)に示すように、ヒンジ部11gを支持する支持部13を凸面とし、支持部13の表面に対向する部位を凹面とすることにより、支持部13と可動フロア1との隙間を常に一定に保つことができる。
これに対し、直線状の端部1aに設けられるヒンジ部を蝶番のような構成とすると、可動フロアがステップ側に回動されるのに伴って蝶番を構成する蝶着されたプレートの開き角度が増大され、これに伴って開いたプレート間に隙間が生じる可能性があった。すなわち、可動フロア1の回動に伴って可動フロア1とステップカバー12との隙間が増大される可能性があり、その隙間に物が落ち込む可能性があった。本実施形態は、このような問題点を解決するものである。
リンク機構20は、駆動部30の出力軸である駆動軸33の回動に応じて伸長または屈曲されることにより可動フロア1を展開格納させるものであり、図3、図5等に示すように、連結棒21,22と、クランク23,24と、クランク軸27と、を有して構成されている。
連結棒21,22の一端側に設けられた連結部21a,22aは、可動フロア1の裏面側に回動自在に連結されている。そして、連結棒21,22の他端に形成された連結部21b,22bは、クランク23,24の一端に形成された連結部23a,24aに、連結ピン25,26によって各々回動自在に連結されている。また、クランク23,24は、クランク軸27を介して互いに連結されている。
クランク軸27は、一端が駆動軸33に連結されており、駆動軸33と同一の回動軸まわりに回動される。また、クランク軸27は、ステップカバー12から車両中心側に突出された支持部14を介して、ステップカバー12に支持されている。このような構成により、クランク23,24は、後述する駆動モータ31によって回動される駆動軸33の回動に基づき、駆動軸33と同一の回動軸まわりに連動して回動される。
駆動部30は、駆動モータ31と、減速機構32とを備えており、上述したように、ステップカバー12を介して車両60の車体所定箇所に支持されるものである。ステップカバー12には、支持板15を介して減速機構32が取り付けられている。
駆動モータ31は、電源供給部50から電源供給を受けることにより正逆方向に回転を切り替えて駆動するものであり、例えば、ブラシ付き直流モータ等で構成されている。駆動モータ31の回転軸31aには、減速機構32のウォーム32aが形成されている。本実施形態の減速機構32は、ウォーム32aと、ギア32bとを備えている。このギア32bには駆動軸が形成され、クランク軸27を介してクランク23に接続されている。そして、上記構成により、駆動モータ31の駆動に伴って減速機構32が作動し、クランク23が回動するようになっている。なお、減速機構32は、ギアを複数備える構成であってもよいのは勿論である。
また、支持板15には、展開状態検出スイッチ17と、格納状態検出スイッチ18とが設けられており、可動フロア1の展開格納状態を検出することができるようになっている。本実施形態では、図5に示すように、クランク軸27の支持板15側の端部にフロア位置検出片19が設けられている。このフロア位置検出片19は、クランク軸27の回動に伴って回動され、可動フロア1が展開された状態にあるときには展開状態検出スイッチ17に当接されて展開状態検出スイッチ17がスイッチオンとされ、制御部40に展開検出信号が出力される。同様に、可動フロア1が格納された状態にあるときには、フロア位置検出片19が格納状態検出スイッチ18に当接するようになっており、これにより、格納状態検出スイッチ18がスイッチオンとなって、制御部40に格納検出信号が出力される。
制御部40(図1参照)は、例えば、各種演算を行うためのCPUと、このCPUを動作させるためのプログラムが格納されたROMと、CPUによって処理された情報を一時的に保存するRAM等を備えた電気回路で構成されている。この制御部40は、上述の展開状態検出スイッチ17、格納状態検出スイッチ18からの検出信号を検出することにより、電源供給部50に電源供給指令信号を出力したり、後述する逆転回路51に配線逆転指令信号を出力したりすることができるように構成されている。これにより、制御部40は、展開状態または格納状態を検出したことにより、可動フロア1の作動を停止させるように制御することができる。従って、展開位置又は格納位置で可動フロア1を正確に停止させることができる。また、例えば、車両ドア64の開閉状態を検出しドア開閉検出信号を出力する検出部を設けた場合には、このドア開閉検出信号に基づき可動フロア1の展開格納作動を制御することができる。更にまた、可動フロア1に加えられた荷重を検出して荷重検出信号や挟み込み検出信号を出力する検出部を設け、この荷重検出信号や挟み込み検出信号に基づき可動フロア1の展開格納作動を制御するように構成することもできる。なお、制御部40は、車両60に備えられた不図示の中央制御装置に一体に組み込まれていても良い。
電源供給部50(図1参照)は、車両60に備えられたバッテリを含む電源装置によって構成されており、上記制御部40からの電源供給指令信号に応じて、駆動モータ31に所定の電圧を印加することができるように構成されている。
逆転回路51は、電源供給部50と駆動モータ31との間に配設されており、制御部40からの配線逆転指令信号に応じて、電源供給部50から駆動モータ31への配線を正回転方向から逆回転方向へスイッチングして、駆動モータ31の回転方向を反転させるように構成されている。
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。以下、上記実施例と同一の構成は同一の符号により示し、上記実施例と異なる箇所のみ説明する。
(改変例1)
上記実施例では、可動フロア1とステップカバー12との隙間が常に一定に保たれるようにするために、ステップカバー12に可動フロア1の移動軌跡に沿った曲面を有する部位を設けていたが、本例は、可動フロアとステップカバーとの隙間を常に塞ぐために、可動フロアの端部のうち、展開格納作動時に曲面状の軌跡を描く部位に、ステップカバー側に向かって突出される隙間遮蔽部材を設け、この隙間遮蔽部材の突出寸法が、可動フロアの端部とステップカバーとの隙間の拡大または縮小に応じて調整されるように構成したものである。
本例の可動フロア101は、略台形状に形成され、上記可動フロア1と同様に、ステップカバー12の開口縁部に対向する斜線部としての端部101c、101dを備えている。また、可動フロア101の車体中央側の端部101aには、ステップカバー112の開口縁部と背面部との接続部に設けられた支持部13に回動可能に支持されるヒンジ部11gが設けられている。
そして、本例の可動フロア101には、図13(a)に示すように、平板状の隙間遮蔽部材105が、可動フロア101に対して可動可能に取り付けられている。この隙間遮蔽部材105は、ステップカバー112側に向けて突出される方向に常時付勢されており、先端部105aがステップカバー112に当接されることによりそれ以上の突出が制限されている。これにより、可動フロア101とステップカバー112との隙間を丁度塞ぐ寸法分だけステップカバー112側に突出されるように構成されている。
隙間遮蔽部材105は、例えば、可動フロア101の裏面側に収納枠106を設け、この収納枠106をステップカバー112側に開口させ、この内部に移動可能に取り付けるように構成することができる。これにより、隙間遮蔽部材105をステップカバー112に向かって進退可能に取り付けることができる。また、隙間遮蔽部材105をステップカバー112側へ向けて付勢するためには、例えば、ばね等の弾性部材の一端側を収納枠106に固定し、他端側を隙間遮蔽部材105に固定するように構成することができる。
また、本例のステップカバー112は、上記実施例のステップカバーと同様の略台形状の開口を形成する開口縁部12aを備えている。一方、側面部112cは、上記曲面部12eに該当する部位が、可動フロア101の端部101c、101dの軌跡と交差しないような斜面部112eをなすように形成されている。
このような構成により、可動フロア101がヒンジ部11gの回動軸まわりに回動されると、可動フロア101の端部101c、101dが曲面状の軌跡上(図13(b)に示す破線R上)を移動される。ところが、ステップカバー112の側面部112cは斜面部112eとされているため、可動フロア101の回動に伴って、端部101c、101dとステップカバー112との間の隙間が拡大される。
ここで、本例では、端部101c、101dに上述の隙間遮蔽部材105が取り付けられているので、隙間の拡大に伴い、この隙間遮蔽部材105が弾性部材等の付勢力によって隙間寸法の増大分だけさらにステップカバー112側に突出される。そして、先端部105aが斜面部112eに当接されて位置規制されることにより、拡大された隙間を丁度塞ぐことができる。このように、本例では、隙間寸法の変動に伴って、端部101c、101dにそれぞれ取り付けられた隙間遮蔽部材105が進退動する。そして、隙間が拡大された後、可動フロア101のさらなる回動に伴って拡大された隙間が縮小されると、隙間遮蔽部材105は先端部105aが側面部112cによって可動フロア101側に押圧され、これにより、可動フロア101側に後退される。これにより、隙間が縮小されても、丁度隙間を塞ぐ寸法分だけ突出されるように位置調整される。
なお、本例では、ステップカバー側に突出される隙間遮蔽部材105は単一の平板状の部材としたが、このような形状に限定されず、複数の部材に分割されていてもよい。単一の隙間遮蔽部材で隙間を塞ぐ場合には、ステップカバーの側面部の形状を考慮して、隙間遮蔽部材の先端を、あらかじめステップカバーの側面部に丁度当接されるように形成しておく必要があった。しかし、隙間遮蔽部材を複数の部材に分割すれば、それぞれ独立にステップカバー側に向かって進退動されるように構成することができる。これにより、各部位における隙間寸法に応じて各々の隙間遮蔽部材の進退量が調整され、より隙間に密着した態様で隙間を塞ぐことができる。
また、大型の隙間遮蔽部材の先端に、この大型隙間遮蔽部材に対して可動可能な小型の隙間遮蔽部材をさらに取り付け、小型の隙間遮蔽部材が設けられた部位における隙間だけが拡大されたような場合には小型の隙間遮蔽部材が進退動し、これにより、大型の隙間遮蔽部材の先端の形状を隙間の形状に合わせて変化させるように構成することもできる。
また、本例では、隙間遮蔽部材は、収納枠の内部を摺動されることにより、ステップカバーに向かって直線的に進退動されるように構成したが、このような構成に限定されない。例えば、扇型の隙間遮蔽部材を設け、扇形の要の部分を軸として可動フロアに対して揺動可能に取り付ける構成とすることもできる。このような構成により、可動フロアの端部から扇形状に突出される隙間遮蔽部材を設けることができる。また、揺動と進退動とを組み合わせた動きで作動するように隙間遮蔽部材を取り付けることもできる。
(改変例2)
上記改変例では、可動フロア側からステップカバー側面に向かって隙間遮蔽部材を進退動させるように構成していたが、本例は、伸縮可能な隙間遮蔽部材を設け、これにより、拡大または縮小する隙間を常に塞ぐように構成するものである。
本例の可動フロア201は最初の実施例と同様に構成されたものであり、ステップカバー12の開口縁部に対向する斜線部としての端部201c、201dを備えている。また、本例のステップカバー212は、側面部212cには、上記改変例1のステップカバー112と同様に形成されており、可動フロア201の斜線部(端部201c、201d)の回動軌跡と交差しない位置まで後退された斜面部212eが設けられている。
本例では、伸縮可能な部材から形成された隙間遮蔽部材205が設けられている。この隙間遮蔽部材205は、図14に示すように、一端が可動フロア201の端部201cに接続されると共に、開口縁部12aの乗降口側の端部のうち、展開状態においてこの端部201cに対向する部位に、他端が接続されている。また、端部201dにおいても同様に、一端側を端部201dに、他端側を開口縁部12aに接続した隙間遮蔽部材205が設けられている。
本例の伸縮可能な隙間遮蔽部材205は、例えば、伸縮可能な糸によって織られたシート素材またはネット状の素材を用いることができる。また、伸縮可能な蛇腹部を備えた部材とすることができる。そして、このような隙間遮蔽部材205を、可動フロア201からステップカバー212へ向かう方向が伸縮可能方向となるように上記各位置に取り付ける。
このような構成により、斜線部(端部201c、201d)とステップカバー212の斜面部212eとの隙間が可動フロア201の展開格納作動によって拡大されても、この隙間には上記隙間遮蔽部材205が張設されており、隙間の拡大または縮小に伴って伸縮されて常に隙間が塞がれる構成となっている。
(改変例3)
上記実施例及び各改変例において、ステップ部における乗員等の障害物の挟み込み検出を行うことができる。図15は、本例の車両用フロアリフト装置S1の電気的構成を示すブロック図である。
改変例3に係る車両用フロアリフト装置S1において、可動フロアユニット310には、駆動モータ31の回転軸31aにエンコーダ35が設けられている。エンコーダ35は、駆動モータ31の回動角に応じた数のパルス信号を制御部40に出力することができるように構成されている。このエンコーダ35は、例えば、複数のスリットが環状に設けられた円板と、光学素子とを備えてなる光学式ロータリーエンコーダ等が用いられる。制御部40は、エンコーダ35からのパルス信号に基づき、駆動モータ31が一定時間内に回動された回動角を検出することができる。また、駆動モータ31には、通電される電流に応じた信号を制御部40へ出力可能な電流検出器36が設けられている。そして、本例では、この電流検出器36の検出値に基づき駆動モータ31に加えられた負荷トルクを検出可能に構成されている。
このような構成において、可動フロア1の端部が乗員の指や足などの物体に接触すると、可動フロア1の展開格納動作が妨げられる。制御部40は、エンコーダ35からのパルス信号及び電流検出器36からの電流信号を検出し、これに基づき、駆動モータ31に一定以上の負荷トルクが加えられているか否かを判断する処理を行う。この処理では、制御部40は、パルス信号が一定時間内に所定数以上検出されない場合、または、一定時間内に所定数以上のパルス信号が検出されていても、電流が一定以上の値に上昇されている場合に、駆動モータ31に一定以上の負荷トルクが加えられていると判断する。そして、駆動モータ31に一定以上の負荷トルクが加わっているとの判断がなされた場合には、制御部40は、可動フロア1の駆動を停止させる処理、または、可動フロア1の駆動を反転させて展開位置または格納位置で停止させる処理を行う。
このように、本例では、可動フロア1の端部が乗員の指や足などの物体に接触して挟み込みが発生しそうになった場合には、エンコーダ35からのパルス信号及び電流検出器36からの電流信号に基づき挟み込み検出を行い、挟み込みを防止することができるように構成されている。
このようにして挟み込み検出を行う場合に、上記実施例または上記各改変例における可動フロア1及びステップカバー12の構成では、ステップ側面と可動フロア1との隙間が、一定の小さい隙間に保たれる。従って、ステップ側面と可動フロア1の端部(上記端部1a、1c、1d、1e、1f)とによって乗員の指や足などの物体が挟み込まれることはない。つまり、挟み込みが発生するのは、可動フロアの車両ドア側の端部1bに限定されている。
従来のように、可動フロアとステップ側面との隙間の広さが一定とされていないために、ステップ側面と可動フロアとの間の各位置でも挟み込み発生の可能性がある場合には、挟み込み発生位置に応じて電流変化が異なる。従って、複数の位置における挟み込みの発生に全て対応しようとすると、複数の検出閾値を設定しておかなければならないが、このような設定に基づく制御は困難であった。
これに対して、本発明の可動フロア1及びステップカバー12では、ステップ側面と可動フロアとの間の隙間が一定の小さな隙間に保たれているので、挟み込み発生位置としては車両ドア64と可動フロア1の先端1bに限定されている。従って、挟み込み検出の検出閾値として1つの閾値を設定すればよく、挟み込み検出に基づき挟み込みを防止することが可能とされている。
本実施形態に係る車両用フロアリフト装置は、上述のように、ワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどのように、車両フロアから乗降口へかけて一段低くなるように乗降用固定ステップが設けられた車両以外にも、バスや福祉車両、航空機、鉄道車両等に適用することが可能である。
本実施形態に係る車両用フロアリフト装置の電気的な接続構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る車両用フロアリフト装置を車両に搭載した状態を示す説明図である。 本実施形態に係る車両用フロアリフト装置を示す斜視図である。 本実施形態に係るステップカバー及び可動フロアを示す斜視図である。 図3におけるX−X断面図である。 本実施形態に係る可動フロアの展開格納動作を示す説明図である。 本実施形態に係る可動フロアが展開位置にある状態を示す説明図である。 本実施形態に係る可動フロアが展開位置にある状態を示す説明図である。 本実施形態に係る可動フロアが作動中の位置にある状態を示す説明図である。 本実施形態に係る可動フロアが格納位置にある状態を示す説明図である。 本発明の可動フロアを示す説明図である。 本実施形態に係る可動フロアのヒンジ部を示す説明図である。 改変例の車両用フロアリフト装置に係る構成を示す説明図である。 改変例の車両用フロアリフト装置に係る構成を示す説明図である。 改変例の車両用フロアリフト装置に係る構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,101,201‥可動フロア、1a,1b,1c,1d,1e,1f,101c,101d,201c,201d‥端部、2‥曲線部、3‥凸面、4‥凹面、
10,310‥可動フロアユニット、11a,11b‥ヒンジ部、11c‥支持ピン、
11g‥ヒンジ部、12,112,212‥ステップカバー、12a‥開口縁部、12b‥下端部、12c,112c,212c‥側面部、12ca‥背面部、
12cb,12cc‥側端部、12d‥背面切欠き部、12e‥曲面部、
112e,212e‥斜面部、13‥支持部、14‥支持部、15‥支持板、
17‥展開状態検出スイッチ、18‥格納状態検出スイッチ、19‥フロア位置検出片、
20‥リンク機構、21,22‥連結棒、21a,22a‥連結部、
23,24‥クランク、25,26‥連結ピン、27‥クランク軸、
30‥駆動部、31‥駆動モータ、31a‥回転軸、32‥減速機構、32a‥ウォーム、
32b‥ギア、33‥駆動軸、35‥エンコーダ、36‥電流検出器、
40‥制御部、50‥電源供給部、51‥逆転回路、
60‥車両、61‥車両フロア、62‥乗降口、63‥乗降用固定ステップ、64‥ドア、
105,205‥隙間遮蔽部材、105a‥先端部、106‥収納枠、
R‥軌跡、S‥車両用フロアリフト装置、T‥矢印、x,y‥寸法、Z‥領域

Claims (9)

  1. 車両フロアより低い乗降用固定ステップの上方に形成された前記車両フロアの開口を塞ぐように展開された展開状態と前記乗降用固定ステップを車室に出現させるように格納された格納状態とに変位可能な可動フロアと、前記開口を囲む開口縁部および前記乗降用固定ステップを囲む側面のそれぞれ少なくとも一部を覆うように設けられるステップカバーと、を備えた車両用フロアリフト装置において、
    前記可動フロアは、一端側に設けられたヒンジ部の回動軸を回動中心として前記車両フロアに対して回動可能に設けられると共に、前記展開状態にあるときに前記開口縁部に対向する端部が、展開状態または格納状態へ移行される作動状態において曲面状の軌跡を描く部位を有する形状とされ、
    前記ステップカバーは、前記乗降用固定ステップを囲む側面を覆う部位が、前記作動状態において前記曲面状の軌跡を描く部位との隙間が略一定に保たれるように曲面状に形成されてなることを特徴とする車両用フロアリフト装置。
  2. 車両フロアより低い乗降用固定ステップの上方に形成された前記車両フロアの開口を塞ぐように展開された展開状態と前記乗降用固定ステップを車室に出現させるように格納された格納状態とに変位可能な可動フロアと、前記開口を囲む開口縁部および前記乗降用固定ステップを囲む側面のそれぞれ少なくとも一部を覆うように設けられるステップカバーと、を備えた車両用フロアリフト装置において、
    前記可動フロアは、一端側に設けられたヒンジ部の回動軸を回動中心として前記車両フロアに対して回動可能に設けられると共に、前記展開状態にあるときに前記開口縁部に対向する端部が、展開状態または格納状態へ移行される作動状態において曲面状の軌跡を描く部位を有する形状とされ、前記作動状態において前記曲面状の軌跡を描く部位と前記ステップカバーとの隙間を塞ぐように前記隙間に出現される隙間遮蔽部材を備えたことを特徴とする車両用フロアリフト装置。
  3. 前記可動フロアは、前記回動軸と略平行な端部のうち前記作動状態において前記開口縁部に対向する部位の表面が、前記回動軸を中心とする略円弧状の断面を有する凸面または凹面をなすように形成され、
    前記ステップカバーは、前記作動状態において前記凸面または凹面に対向する面が、前記回動軸を中心とする略円弧状の断面を有する曲面であって、前記凸面の外周側に位置される面または前記凹面の内周側に位置される面からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用フロアリフト装置。
  4. 前記可動フロアを前記展開状態と前記格納状態とに変位させる展開格納手段を備え、
    該展開格納手段は、一端側が前記可動フロアに接続されたリンク機構と、該リンク機構の他端側に接続された駆動部と、を有して構成され、
    前記可動フロアは、前記リンク機構の作動に応じて前記車両フロアに対して回動されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用フロアリフト装置。
  5. 前記曲面状の軌跡を描く部位は、前記回動軸に対して斜めに形成された斜線部,曲線状に形成された曲線部,前記回動軸から離間され、かつ、前記回動軸と略平行な平行部,の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用フロアリフト装置。
  6. 前記隙間遮蔽部材は、一端が前記斜線部,前記曲線部,前記平行部のいずれかの部位に接続され、他端が前記ステップカバー側に突出される方向に付勢されて前記ステップカバーに当接されてなり、前記隙間の拡大に応じて前記ステップカバー側に突出され、前記隙間の縮小に応じて前記可動フロア側に後退されることを特徴とする請求項2に記載の車両用フロアリフト装置。
  7. 前記隙間遮蔽部材は、一端が前記斜線部,前記曲線部,前記平行部のいずれかの部位に接続され、他端が前記ステップカバーの開口縁部のうち前記展開状態において前記曲線部または前記斜線部に対向する部位に接続されてなり、前記隙間の拡大または縮小に応じて伸縮されることを特徴とする請求項2に記載の車両用フロアリフト装置。
  8. 前記可動フロアは、展開状態にあるときに前記車両フロアと面一な状態となることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用フロアリフト装置。
  9. 前記可動フロア、前記ステップカバー、および前記展開格納手段が、単一のユニットに構成されたことを特徴とする請求項4に記載の車両用フロアリフト装置。
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