以下、本発明に係る遊技機について、スラント型のスロットマシン1に具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1は、液晶ディスプレイ上で図柄を変動及び停止表示させることにより遊技が行われる所謂ビデオリールを用いたスロットマシンの一種であり、後述のように遊技者に応じて液晶ディスプレイの高さを変更することが可能となるように構成されている。
先ず、本実施形態に係るスロットマシン1の概略構成について図1乃至図3に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るスロットマシンの斜視図、図2及び図3は本実施形態に係るスロットマシン1の側面図である。
本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように遊技者が着座して遊技可能に構成された所謂スラント型のゲーム筐体である。そして、スロットマシン1は、その全体を形成するキャビネット2を有しており、キャビネット2の上部には、当選図柄の組合せ及びその配当や宣伝広告等が記載された正面パネル部3が形成されている。また、正面パネル部3の左右両側には、スロットマシン1のゲームに係る音楽等を出力するスピーカ4L、4Rが配設されている。
キャビネット2の正面の略中央部には、液晶ディスプレイ5を有するディスプレイユニット6が配設されている。ここで、ディスプレイユニット6は、液晶ディスプレイ5と、液晶ディスプレイ5が略中央に取り付けられた正面パネル7と、キャビネット2の内部に配置され正面パネル7を所定角度に傾斜された上面で支持する台座部8と、台座部8の下端に設けられディスプレイユニット6を昇降させる駆動源たる駆動機構部9と、液晶ディスプレイ5の上部に設けられスロットマシン1で遊技する遊技者の位置を検出する為の赤外線センサ10と、から基本的に構成されている。
液晶ディスプレイ5には、遊技者が現在所有するクレジット数や各種演出画像が表示されるとともに、その中央付近には3つの可変表示部21、22、23が表示される。そして、各可変表示部21乃至23には、後述する図柄列60〜62(図6参照)が上方向から下方向に向かってスクロールしながら変動表示されるとともに、所定時間経過後に所定の図柄の組合せにより停止表示される。そして、遊技者は表示された図柄列と各種操作ボタンとを用いて遊技を進行する。
また、ディスプレイユニット6は、台座部8を介してキャビネット2に対して昇降可能に支持されており、後述するように駆動機構部9とキャビネット2の内部に設けられたラック40とによって構成された昇降ユニット15(図4、図5参照)によりステッピングモータ41の回転駆動を上下方向の平行運動に変換し、電気的に昇降可能に構成されている。ここで、図2は昇降ユニット15によってディスプレイユニット6がキャビネット2に対して最も下降した状態(本実施形態ではこの状態におけるディスプレイユニット6の位置をデフォルトの位置とする)のスロットマシン1を示し、図3は昇降ユニット15によってディスプレイユニット6がキャビネット2に対して最も上昇した状態のスロットマシン1を示す。
図2に示すように、ディスプレイユニット6がキャビネット2に対して最も下降した状態では、ディスプレイユニット6の正面パネル7がキャビネット2に対して当接された状態となる。尚、この最も下降した状態におけるディスプレイユニット6の位置はデフォルト位置でもあり、遊技終了後にはこのデフォルト位置にディスプレイユニット6が位置するように制御される(図11参照)。
一方、図3に示すように、ディスプレイユニット6がキャビネット2に対して最も上昇した状態では、ディスプレイユニット6の正面パネル7がキャビネット2に対して所定距離(本実施形態では30cm)だけ離間した状態となる。そして、本実施形態に係るスロットマシン1では、遊技者がコイン投入口27にコインを投入した際に、ディスプレイユニット6を図2及び図3で示す位置の間で昇降させ、遊技者の頭部の位置に併せて液晶ディスプレイ5の高さを自動的に調整するように制御される(図10参照)。更に、後述のUPボタン32及びDOWNボタン33の押下に基づいてステッピングモータ41をスイッチング操作し、ディスプレイユニット6を昇降させて液晶ディスプレイ5の高さを手動で調整可能となっている(図12参照)。
また、赤外線センサ10は、所謂熱型赤外線センサであり、人体等から発せられる赤外線を受けることによって生じるセンサ素子の温度変化を、抵抗の変化或いは熱起電力や焦電効果などの物理的現象の変化としてとらえ、電気信号として出力するものである。本実施形態に係るスロットマシン1では、赤外線センサ10により遊技者の頭部の位置を検出し、その頭部の位置に併せてディスプレイユニット6を昇降させ、液晶ディスプレイ5の高さを自動的に設定する(図13、図14参照)。尚、赤外線センサ10による液晶ディスプレイ5の位置調整については後に詳細に説明する。
液晶ディスプレイ5の下側には、手前側に緩やかに傾斜したコントロールパネル11が設けられている。コントロールパネル11の上段には、C/P(クレジット/ペイアウト)ボタン25、ヘルプ(HELP)ボタン26が配置されており、ヘルプボタン26の右側には、コイン投入口27が設けられている。また、コントロールパネル11の下段には、左側から順に、BET(ベット)ボタン28、MAXBET(マックスベット)ボタン29、リピートベット(REPEAT BET)ボタン30、スタートボタン31、UPボタン32、DOWNボタン33が配設されている。
また、C/Pボタン25は、通常、遊技を終了する場合に押下されるボタンであり、現在遊技者が所有するクレジットを、そのクレジット価値に相当するコインとして払い出す。従って、C/Pボタン25を押下すると、コインがホッパー84(図7参照)からコイン払出口17を介して遊技者に払い出される。尚、C/Pボタン25を押下しない場合には、遊技の結果、特典として付与されるコインはクレジットとして自動的に繰り越され、コイン貯留部87(図7参照)に貯留される。
また、C/Pボタン25には、C/Pスイッチ75(図7参照)が内蔵されており、C/Pボタン25が押下されると、C/Pスイッチ75からのスイッチ信号がCPU71(図7参照)に出力される。
また、ヘルプボタン26は、スロットマシン1の操作方法等が不明な際に押下されるボタンである。従って、ヘルプボタン26が押下されると、液晶ディスプレイ5に各種ヘルプ情報が表示される。
尚、ヘルプボタン26には、ヘルプスイッチ76(図7参照)が内蔵されており、ヘルプボタン26が押下されると、ヘルプスイッチ76からのスイッチ信号がCPU71(図7参照)に出力される。
また、BETボタン28は、クレジットされたコインをベットさせる際に操作されるボタンである。ここでは、BETボタン28が1回押下される毎に、入賞ラインLに対してベット数が1ずつ加算される。本実施形態に係るスロットマシン1では入賞ラインLに対して「1」〜「10」のベット数を設定してゲームを行うことが可能となっている。
尚、BETボタン28には、BETスイッチ77(図7参照)が内蔵されており、BETボタン28が押下されると、BETスイッチ77からのスイッチ信号がCPU71(図7参照)に出力される。
また、MAXBETボタン29は、クレジットされたコインを入賞ラインLに対して最大のベット数(本実施形態では10ベット)によりベットさせる際に操作されるボタンである。ここでは、MAXBETボタン29が押下されると、入賞ラインLに対するベット数が「10」に設定される。
尚、MAXBETボタン29には、MAXBETスイッチ78(図7参照)が内蔵されており、MAXBETボタン29が押下されると、MAXBETスイッチ78からのスイッチ信号がCPU71(図7参照)に出力される。
また、リピートベットボタン30は、現在のベット数又は前回のベット数に基づいて、スロットマシン1でゲームを開始させる際に操作されるボタンである。従って、リピートベットボタン30が押下されると、液晶ディスプレイ5の各可変表示部21〜23にて各図柄の変動表示が開始される。
尚、リピートベットボタン30には、リピートベットスイッチ79(図7参照)が内蔵されており、リピートベットボタン30が押下されると、リピートベットスイッチ79からスイッチ信号がCPU71(図7参照)に出力される。
また、スタートボタン31は、BETボタン28及びMAXBETボタン29でベットしたベット数に基づいて、スロットマシン1でゲームを開始させる際に操作されるボタンである。従って、スタートボタン31が押下されると、液晶ディスプレイ5の各可変表示部21〜23にて各図柄の変動表示が開始される。
尚、スタートボタン31には、スタートスイッチ80(図7参照)が内蔵されており、スタートボタン31が押下されると、スタートスイッチ80からのスイッチ信号がCPU71(図7参照)に出力される。
また、UPボタン32及びDOWNボタン33は、ディスプレイユニット6をキャビネット2に対して昇降させる際に操作されるボタンである。UPボタン32が押下されると昇降ユニット15のステッピングモータ41が正転し、押下されている間、ディスプレイユニット6をキャビネット2に対して所定速度(例えば、1cm/sec)で上昇させる。一方、DOWNボタン33が押下されると昇降ユニット15のステッピングモータ41が逆転し、押下されている間、ディスプレイユニット6をキャビネット2に対して所定速度(例えば、1cm/sec)で下降させる。そして、本実施形態に係るスロットマシン1では、遊技を行わない第三者による操作を防止するために、UPボタン32及びDOWNボタン33による昇降は、後述のように硬貨等のコインがコイン投入口27に投入されてから貯留されたコイン(クレジット)が無くなった状態で所定時間(本実施形態では30秒)経過するまでの間(即ち、遊技者により遊技が行われている間)のみ可能となっている。
尚、UPボタン32及びDOWNボタン33には、UPスイッチ81及びDOWNスイッチ82(図7参照)が内蔵されており、UPボタン32及びDOWNボタン33が押下されると、UPスイッチ81及びDOWNスイッチ82からのスイッチ信号がCPU71(図7参照)に出力される。
コイン投入口27にはコインセンサ83が配置されており、コイン投入口27に硬貨等のコインが投入されると、コインセンサ83を介してコイン検出信号がCPU71に出力され(図7参照)、投入されたコイン相当分のクレジット(本実施形態では10セント当たり1クレジット)が加算される。
また、コントロールパネル11の手前側には、略水平面を有するアームレスト16が形成されている。このアームレスト16は、遊技者が不図示の椅子に着座した状態で遊技する際に、腕をアームレスト16上に載せて、コントロールパネル11を操作しやすいように構成されている。
更に、キャビネット2の下部には、コイン払出口17が形成されるとともに、コイン払出口17から払い出されたコインを受けるコイン受け部18が設けられている。コイン払出口17の内部には、コインを1枚毎に排出可能なホッパー84とセンサ等より構成される後述のコイン検出部86が配置されており(図7参照)、コイン検出部86はコイン払出口17から払い出されるコインの枚数を検出する。また、コインを直接払い出す代わりに、コインの枚数(価値)を記載したレシート状のものを排出するように構成しても良い。その際には、遊技者は排出されたレシートを遊技店のカウンター等に持参することにより景品等との交換が可能となる。
次に、本実施形態に係るスロットマシン1において、ディスプレイユニット6を昇降させる昇降ユニット15について図4及び図5に基づいて説明する。図4は本実施形態に係る昇降ユニットを示す模式図、図5は本実施形態に係る昇降ユニットの内部構造とその駆動機構を示す模式図である。
昇降ユニット15は、前記したようにキャビネットに対して液晶ディスプレイ5を有するディスプレイユニット6を昇降させるための装置である。昇降ユニット15は、図4に示すように、ディスプレイユニット6の台座部8の下端に設けられた駆動機構部9と、キャビネット2に固定されたラック40とから構成されている。
また、駆動機構部9は、ステッピングモータ41とギヤケース42とから構成され、更に図5に示すようにギヤケース42の内部には、減速ギヤ部43と、ピニオン44と、軸受部45とが設けられている。
ステッピングモータ41は、パルス信号を与えることでフィードバック無しに決められたステップ単位で回転可能なモータである。また、与えるパルス信号の回数と周期によってその回転角度と回転速度が決定され、更に、パルス信号の停止によりその時点での回転角を保持して停止する。従って、パルス信号により駆動されたステッピングモータ41の回転方向(正転と逆転の2方向がある)と回転角度とに基づいて、駆動機構部9をラック40に対して上下方向に所定距離を移動させることが可能となり、それに伴ってディスプレイユニット6をキャビネット2に対して昇降させる。また、ステッピングモータ41は、モータ駆動回路112を介してCPU71に接続されており(図7参照)、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて後述のようにその駆動が制御される。
また、減速ギヤ部43は複数のギヤを組合せることにより構成され、ギヤ比を所定の比率に設定することにより、ステッピングモータ41から伝達される回転速度を減速させ、且つトルクを増大させる。
また、ピニオン44は円筒形状を有する丸型ギヤ部材であり、その外周面上には歯面46が形成されている。また、その一端が減速ギヤ部43に連結されており、ステッピングモータ41の回転駆動に伴って所定方向に回転される。そして、キャビネット2に設けられた後述のラック40と組合せることにより、ステッピングモータ41による回転運動をディスプレイユニット6を昇降させる平行運動に変換する。
また、軸受部45はギヤケース42内を通過するラック40に当接する箇所に設けられており、ラック40に対してギヤケース42が円滑に移動可能となるように支持するものである。
また、ラック40は棒状に形成された平面型ギヤ部材であり、一方の平面部には長さ方向に沿って歯面47が形成されている。そして、上端及び下端がそれぞれラック固定部49、50によりキャビネット2の内部側面に固定されている。更に、ギヤケース42内において、前記ピニオン44と組合せることにより、ステッピングモータ41による回転運動をディスプレイユニット6を昇降させる平行運動に変換する。
続いて、液晶ディスプレイ5の可変表示部21〜23において変動表示及び停止表示される各図柄列60〜62について説明する。図6は本実施形態に係る可変表示部21〜23において表示される各図柄列を示した模式図である。
液晶ディスプレイ5に映し出され、変動表示及び停止表示される図柄列は合計3列あり、図柄列60は可変表示部21にて可変表示される図柄列、図柄列61は可変表示部22にて可変表示される図柄列、図柄列62は可変表示部23にて可変表示される図柄列である。そして、各図柄列60〜62を用いることにより後述の通常ゲーム及びボーナスゲームが行われる。
ここに、図柄列60、62は、共に同一図柄配列を有しており、これらの各図柄列は、トリプルBAR63、チェリー64、ダブルBAR65、セブン66、シングルBAR67及びブランク(図柄が存在していない領域)68が適宜組み合わされて11個の図柄から構成されている。
また、図柄列61は、トリプルBAR63、チェリー64、ダブルBAR65、セブン66、シングルBAR67及びブランク68が組み合わされている点で前記各図柄列60及び62と同様であるが、更に、トリガーシンボル69が1個配列されている。かかるトリガーシンボル69は、ボーナスゲームに移行するための図柄であり、可変表示部22における有効入賞ラインL上で停止表示された場合に後述のボーナスゲームに移行することができる。
ここに、ボーナスゲームとは、通常のゲームが行われた後に行われるゲームであり、一般にプレイヤに有利なゲームとなっている場合が多い。ここでは、ボーナスゲームに移行すると、クレジット等をベットすることなく、ボーナスゲーム移行時の抽選結果に応じて15〜25ゲーム連続してゲームが自動的に行われる(所謂フリーゲーム)。
そして、各可変表示部21〜23においてスクロールされている各図柄列60乃至62が停止表示される場合、3つの図柄がそれぞれの可変表示部21〜23で停止表示される。その際に停止表示される図柄は後述の内部抽選の結果に基づいて予め決定されており、その結果に基づいて液晶ディスプレイ5の表示が制御される。
また、各図柄の複数種類の組合せに基づき各種の当選役が予め設定されており、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ラインL(図1参照)上で停止した際に、当選役に応じてクレジットが加算される。
次に、スロットマシン1の制御系に係る構成について図7に基づき説明する。図7は本実施形態に係るスロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
図7において、スロットマシン1の制御系は、基本的に、CPU71を核として構成されており、CPU71にはROM72及びRAM73が接続されている。ROM72は、後述するメイン処理プログラム、通常ゲーム処理プログラム、ボーナスゲーム処理プログラム、ディスプレイユニット6を昇降させる処理プログラム、通常ゲーム及びボーナスゲームの停止表示図柄を抽選するための抽選テーブル、ディスプレイユニット6のデフォルト位置、その他スロットマシン1の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM73は、CPU71で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
また、CPU71には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路116及び分周器117が接続されており、また、乱数を発生する乱数発生器118及び乱数サンプリング回路119が接続されている。乱数サンプリング回路119を介してサンプリングされた乱数は、当選役等の各種の抽選に使用される。更に、CPU71には、C/Pボタン25に付設されるC/Pスイッチ75、ヘルプボタン26に付設されるヘルプスイッチ76、BETボタン28に付設されるBETスイッチ77、MAXBETボタン29に付設されるMAXBETスイッチ78、リピートベットボタン30に付設されるリピートベットスイッチ79、UPボタン32に付設されるUPスイッチ81、DOWNボタン33に付設されるDOWNスイッチ82がそれぞれ接続されている。CPU71は、各ボタンの押下等により各スイッチから出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
また、CPU71には、コイン投入口27に配置されるコインセンサ83が接続されている。コインセンサ83はコイン投入口27から投入されたコインを検出し、CPU71はコインセンサ83から出力されるコイン検出信号に基づき投入されたコイン枚数を演算する。
また、CPU71には、液晶ディスプレイ5の上部に配置される赤外線センサ10が接続されている。赤外線センサ10はスロットマシン1の正面に着席した遊技者を検出し(図13、図14参照)、CPU71は赤外線センサ10から出力される遊技者検出信号に基づき後述のようにステッピングモータ41を制御して、液晶ディスプレイ5の高さを調整する(図10参照)。
また、CPU71には、ディスプレイユニット6の現在の位置を検出する位置検出センサ35が接続されている。CPU71は位置検出センサ35から出力される検出信号に基づき、後述のようにステッピングモータ41を制御する。
更に、CPU71には、時間計測を行うタイマー36が接続されている。タイマー36は、後述のようにコイン貯留部85に貯留されたコインが「0クレジット」となった時点からの時間を計測する時間計測手段であり、タイマー36の時間情報はCPU71に送信される。そして、CPU71はタイマー36の時間情報に基づいて後述のようにディスプレイユニット6の昇降を制御する。
また、CPU71には、ホッパー駆動回路100を介してホッパー84が接続されている。CPU71から駆動信号がホッパー駆動回路100に出力されると、ホッパー84は、所定枚数のコインをコイン払出口17から払い出す。
また、CPU71には、払出完了信号回路101を介してコイン貯留部85とコイン検出部86が接続されている。ここで、コイン貯留部85とは、コイン投入口27から投入された硬貨等のコインや特典として付与されたコインをクレジットとして記憶するための回路をいい、所定の最大許容数に達するまでコインをクレジットとして記憶することができる。一方、コイン検出部86とは、ホッパー84から払い出されるコインを計数するための回路をいう。
そして、払出完了信号回路101は、特典としてコインが付与される際には、コイン貯留部85又はコイン検出部86を介して、当該コインがクレジットとして記憶したこと又はホッパー84から払い出されたことを完了したことを感知すると、その旨の払出完了信号をCPU71に出力する。さらに、払出完了信号回路101は、クレジットとして記憶されたコインの払い出しを行う際には、コイン貯留部85又はコイン検出部86を介して、クレジットとして記憶されたコインがホッパー84から払い出されたことを完了したことを感知すると、その旨の払出完了信号をCPU71に出力する。
更に、CPU71には、液晶駆動回路103を介して液晶ディスプレイ5が接続されており、CPU71により、液晶ディスプレイ5を制御している。
この点、液晶駆動回路103は、図8に示すように、プログラムROM105、画像ROM106、画像制御CPU107、ワークRAM108、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)109及びビデオRAM110などで構成されている。そして、プログラムROM105には、液晶ディスプレイ5での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROM106には、例えば、液晶ディスプレイ5で表示される図柄列60〜62(図6参照)など、画像を形成するためのドットデータが格納されている。
画像制御CPU107は、CPU71で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM105内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM106内に予め記憶されたドットデータの中から液晶ディスプレイ5に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAM108は、前記画像制御プログラムを画像制御CPU107で実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDP109は、画像制御CPU107で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶ディスプレイ5に出力するものである。これにより、例えば、液晶ディスプレイ5で示された図柄列60〜62がスクロール表示される。尚、ビデオRAM110は、VDP109で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
また、CPU71には、スピーカ駆動回路111を介してスピーカ4L、4Rが接続されており、スピーカ4L、4Rは、スピーカ駆動回路111からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
更に、CPU71には、モータ駆動回路112を介してディスプレイユニット6の昇降を行うステッピングモータ41が接続されている。CPU71からモータ駆動信号がモータ駆動回路112に出力されると、ステッピングモータ41はモータ駆動回路112からのパルス信号が与えられ、そのパルス信号に基づいて所定の回転方向(正転と逆転の2方向がある)に回転駆動される。これによりピニオン44がラック40の歯面47上を回転し(図5参照)、ディスプレイユニット6の昇降が行われる。
続いて、前記構成を有するスロットマシン1で行われるメイン処理プログラムについて図9に基づき説明する。図9は本実施形態に係るスロットマシン1のメイン処理プログラムのフローチャートである。尚、以下に図9乃至図12にフローチャートで示される各プログラムはスロットマシン1が備えているROM72やRAM73に記憶されており、CPU71により実行される。
先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、コイン投入口27にコイン(10セント硬貨等)が投入されたか否かを判定する。本実施形態に係るスロットマシン1では、コイン投入口27にコインが投入されると、コインセンサ83によって検出され、コイン検出信号がCPU71に出力される。これにより、CPU71は遊技者によるコインの投入を判断する。
そして、コインの投入がない場合(S1:NO)には、投入されるまで待機される一方、コインの投入があった場合(S1:YES)には、S2へ移行する。尚、コイン投入口27から投入されたコインは、コイン貯留部85で相当のクレジット(例えば、10セント当たり1クレジット)として記憶される。
S2では、後述の割込処理(図12参照)を許可する割込み許可フラグがセットされる。ここでは、割込許可フラグがセットされていることを条件として、定期的(例えば4ms毎)に、図12に示す割込処理を行う。割込処理は、後述のようにUPボタン32及びDOWNボタン33のスイッチング操作に基づいてディスプレイユニット6の昇降を行う処理である。
次に、S3においては図10の液晶ディスプレイ高さ調整処理が行われる。液晶ディスプレイ高さ調整処理では、赤外線センサ10の検出結果に基づいて遊技者の頭部の高さに合わせた位置に液晶ディスプレイ4を配置するようにディスプレイユニット6の昇降を行う。
続いて、S4ではスタート受付処理が行われる。この処理は、BETボタン28の操作、MAXBETボタン29の操作、リピートベットボタン30の操作、スタートボタン31の操作の操作に基づいて、BETスイッチ77、MAXBETスイッチ78、リピートベットスイッチ79、及びスタートスイッチ80から出力されたスイッチ信号を受け付ける処理である。そして、リピートベットスイッチ79又はスタートスイッチ80から出力されたスイッチ信号を受け付けた時点で、設定されたベット数又は前回と同じベット数によりゲームが開始される。
S5では、前記したBETスイッチ77、MAXBETスイッチ78、リピートベットスイッチ79、及びスタートスイッチ80から出力されたスイッチ信号に基づいて、各種の抽選処理が行われる。具体的には、可変表示部21〜23を使用して行われる通常ゲームにおける当選役の抽選が乱数サンプリング回路119でサンプリングされた乱数値と所定の抽選テーブルとを用いて行われ、停止表示される図柄が決定される。また、有効入賞ラインL上に停止表示される図柄の組合せに基づいて当選役及びその配当が判定される。
次に、S6においては通常ゲーム処理が行われる。通常ゲーム処理では、可変表示部21〜23において図柄列60〜62の変動表示が開始され、所定時間経過後に前記S5の抽選処理の抽選結果に基づいて図柄が停止表示される。更に、有効入賞ラインL上に停止表示される図柄の組合せに基づいて、予め設定されている配当に相当するクレジットが払い出される。
また、S7においては、前記S5における抽選の結果、ボーナスゲームのトリガーに当選したかどうか判定される。具体的に言えば、S2の抽選処理において、トリガーシンボル69が有効入賞ラインL上に停止表示されると判定された、ボーナスゲームの役に当選するので(S7:YES)、S8に進んで、RAM73に確保されたボーナスゲーム成立フラグをセットするとともに、例えば、「START BONUS GAME!」という文言を液晶ディスプレイ5に表示させる。それにより、ボーナスゲームが成立した旨の報知を行い、その後に、ボーナスゲーム処理が行われる(S8)。ボーナスゲーム処理では、抽選により設定されたゲーム回数分、クレジットを消費することなく連続して図柄列60〜62を変動及び停止表示させ、配当に相当するクレジットを払い出す所謂フリーゲームが行われる。
一方、ボーナスゲームのトリガーに当選しなかった場合(S7:NO)には、S9へと移行する。
S9では、現在スロットマシン1に貯留されているコインのクレジット数が0クレジットであるか否かが判定される。ここで、遊技者は遊技を終了する際には通常、貯留されているコインのクレジット数が「0」である場合を除き、C/Pボタン25を押下して貯留されたコインの払い出しを行う。従って、S9の判定処理では、コイン貯留部85に貯留されているクレジット数が遊技終了時点において「0クレジット」であるか否かを判定することによって、遊技が終了したか否かを判定することとなる。
コインが貯留されている場合(S9:NO)には、S4へと戻り再度スタート受付処理が行われ、次回のゲームへと移行する。
一方、コインが貯留されていない場合(S9:YES)には、続けてコイン投入口27にコイン(例えば、10セント硬貨)が投入されたか否かを判定する(S10)。即ち、コインの貯留が一時的に0クレジットとなったとしても、その直後にコインを新たに投入した遊技者は、継続して遊技を行うことを希望する者であって、遊技者が遊技を終了したとは判定しない。
従って、コインの投入があった場合(S10:YES)には、S4へと戻り再度スタート受付処理が行われ、次回のゲームへと移行する。それに対し、コインの投入がない場合(S10:NO)には、タイマー36の情報に基づいて前記S9でコインが貯留されていないと判定されてから所定時間(本実施形態では30秒)が経過したか否かが判定される(S11)。そして、所定時間経過していないと判定された場合(S11:NO)には、S10へと戻りコイン投入の検出を行う。従って、一旦貯留されたコインのクレジット数が「0クレジット」となった場合でも、所定時間の間にコインを新たに投入すれば画像表示装置の調整を続けて行うことが可能となるので、遊技者の利便性が向上する。
一方、コインが投入されないまま所定時間が経過したと判定された場合(S11:YES)には、前記S2でセットした後述の割込処理(図12参照)を許可する割込み許可フラグをリセットする(S12)。割込み許可フラグをリセットすることによって、遊技終了後にはUPボタン32及びDOWNボタン33の操作に基づいてディスプレイユニット6の昇降が行われないように制御する。従って次回の遊技者が遊技を開始するまでの間において、遊技する意思のない第三者によってスロットマシン1のディスプレイユニット6が必要なく昇降されてしまう虞が無くなる。
更に、S13においては図11の液晶ディスプレイ高さデフォルト処理を行う。液晶ディスプレイ高さデフォルト処理では、後述のように遊技者によって昇降されたディスプレイユニット6をデフォルトの位置(本実施形態では、最もキャビネット2に対して下降された位置(図2参照))へと戻す。その後、当該処理を終了する。
続いて、スロットマシン1で行われる前記S3の液晶ディスプレイ高さ調整処理プログラムについて図10に基づいて説明する。図10は本実施形態に係る液晶ディスプレイ高さ調整処理プログラムのフローチャートである。
液晶ディスプレイ高さ調整処理では、先ずS21において赤外線センサ10の検出信号に基づいて、遊技中の遊技者を検出したか否かが判定される。そして、遊技中の遊技者を検出した場合(S21:YES)には、正転の周期を形成するパルス信号をステッピングモータ41に入力し、ステッピングモータ41の正転を開始する(S22)。ここで、正転とはディスプレイユニット6をキャビネット2に対して上昇させる(ピニオン44がラック40に対して上方向に転動する(図5参照))回転方向へのステッピングモータ41の回転をいう。
図13は、遊技開始時において赤外線センサ10が遊技中の遊技者を検出した際のスロットマシン1の動作を示した模式図である。図13に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1は、赤外線センサ10がディスプレイユニット6の正面パネル7の上端部に所定角度上方に傾斜して取り付けられている。また、コインを投入した遊技開始時においては、以前の遊技者の遊技終了時に行われるS13の液晶ディスプレイ高さデフォルト処理(図9、図11参照)によって、ディスプレイユニット6はキャビネット2に対して最も下降した位置(正面パネルと7とキャビネット2が当接した状態)となっている。尚、本実施形態では、ディスプレイユニット6は最も下降した位置をデフォルトの位置としている。
そして、赤外線センサ10が図13に示すように遊技中の遊技者120を検出すると、液晶ディスプレイ5を遊技者の目線に対して適切な見やすい位置に調整する為に、ディスプレイユニット6をキャビネット2に対して上昇させる。
一方、遊技中の遊技者を検出しなかった場合(S21:NO)には、遊技者120の頭部の位置が赤外線センサ10により検出可能な位置より低い位置にあることとなるので、ディスプレイユニット6はデフォルト位置である最も下降した状態のまま遊技を開始し、S4のスタート受付処理へと移行する。
また、S23では赤外線センサ10の検出信号に基づいて、遊技中の遊技者を検出したか否かが判定される。そして、遊技中の遊技者を検出した場合(S23:YES)には、更に位置検出センサ35の検出結果に基づいてディスプレイユニット6がキャビネット2に対して最も上昇された位置(図3参照)にあるか否かが判定される(S24)。
そして、最も上昇した位置にある場合(S24:YES)には、それ以上ディスプレイユニット6を上昇させることができないので、S25ヘ移行し、パルス信号の入力を停止しステッピングモータ41の正転を停止させる。それに対し、最も上昇した位置にない場合(S24:NO)には、S23へと戻り、継続して正転の周期を形成するパルス信号をステッピングモータ41に入力し、ステッピングモータ41を正転させる。
一方、遊技中の遊技者を検出しなかった場合(S23:NO)には、遊技者120の頭部の位置が赤外線センサ10により検出可能な位置より低い位置に到達したこととなるので、パルス信号の入力を停止しステッピングモータ41の正転を停止させる(S25)。
図14は、ディスプレイユニット6をデフォルト位置より上昇させた結果、液晶ディスプレイ5が遊技者120に対して適正高さとなった際のスロットマシン1を示した模式図である。ディスプレイユニット6を図13のデフォルト位置より上昇させると、所定時間経過後に図14に示すように遊技者120の頭部の位置が赤外線センサ10により検出可能な位置より低い位置に到達することとなる。その際に、ディスプレイユニット6の上昇を停止させることにより、液晶ディスプレイ5を遊技者の目線に対して適切な見やすい位置に配置することが可能となる。
尚、遊技者はディスプレイユニット6が停止された後、遊技を終了するまでの間、更にUPボタン32及びDOWNボタン33を押下することによって、ディスプレイユニット6を手動で昇降させることが可能である(図12参照)。従って、遊技者の頭部の位置に合わせた自動調整の後に、遊技者の意思によって更に微妙な高さの調整が可能となる。
次に、スロットマシン1で行われる前記S13の液晶ディスプレイ高さデフォルト処理プログラムについて図11に基づいて説明する。図11は本実施形態に係る液晶ディスプレイ高さデフォルト処理プログラムのフローチャートである。
液晶ディスプレイ高さデフォルト処理では、先ずS31において位置検出センサ35の検出結果に基づいて、現在のスロットマシン1のディスプレイユニット6がデフォルトの位置(キャビネット2に対して最も下降した位置)にあるか否かが判定される。前記判定には、ROM72に記憶されたデフォルト位置に対して、位置検出センサ35により検出した現在のディスプレイユニット6の位置が一致するか否かによって行われる。そして、ディスプレイユニット6がデフォルトの位置にあると判定された場合(S31:YES)には、その状態で当該液晶ディスプレイ高さデフォルト処理を終了する。
一方、ディスプレイユニット6がデフォルトの位置にないと判定された場合(S31:NO)には、逆転の周期を形成するパルス信号をステッピングモータ41に入力し、ステッピングモータ41の逆転を開始する(S32)。ここで、逆転とは正転と逆方向の回転をいい、ディスプレイユニット6をキャビネット2に対して下降させる(ピニオン44がラック40に対して下方向に転動する(図5参照))回転方向へのステッピングモータ41の回転をいう。
図15は、遊技者120が遊技を終了した際におけるスロットマシン1の動作を示した模式図である。図15に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1は、遊技者による遊技が終了したと判定された場合(S11:YES)に、液晶ディスプレイ5を次の遊技者が使用する際の為にデフォルトの位置へと下降させる。尚、スロットマシン1では遊技者が遊技していない間に所定のデモンストレーション画面を表示するが、ディスプレイユニット6を一律にデフォルトの位置に調整することによって、遊技店内で複数台が並んで設置された状態においても、視野角の問題で画面の見え方に差が出ることも無く、画面の高さも揃うので、美観を損なうことがない。
また、S33では位置検出センサ35の検出結果に基づいて、現在のスロットマシン1のディスプレイユニット6がデフォルトの位置にあるか否かが判定される。そして、ディスプレイユニット6がデフォルトの位置にないと判定された場合(S33:NO)には、継続して逆転の周期を形成するパルス信号をステッピングモータ41に入力し、ステッピングモータ41を逆転させる。
一方、デフォルトの位置にあると判定された場合(S33:YES)には、パルス信号の入力を停止しステッピングモータ41の逆転を停止させる(S34)。それにより、遊技中に昇降させたディスプレイユニット6は、遊技者が遊技を終了した際にデフォルトの位置へと戻ることとなる。
次に、本実施形態に係るスロットマシン1において行われる割込処理プログラムについて図12に基づき説明する。図12は本実施形態に係るスロットマシンにおける割込処理プログラムのフローチャートである。
この割込処理プログラムは、割込み許可フラグがセット(S2)されてからリセット(S12)されるまでの期間において、前記メイン処理プログラムの処理が行われている最中に一定時間間隔毎、例えば4ms毎に行われる。そして、UPボタン32及びDOWNボタン33の押下を監視するとともに、UPボタン32又はDOWNボタン33が押下された際には、それに基づいてディスプレイユニット6を昇降させるスイッチング操作を行うものである。
この割込処理プログラムでは、先ず、S41において、CPU71はUPスイッチ81からのスイッチ信号に基づいて、UPボタン32が押下されたか否か判定する。そして、UPボタン32が押下されたと判定された場合(S41:YES)には、S42へと移行する。
S42では、位置検出センサ35の検出結果に基づいてディスプレイユニット6がキャビネット2に対して最も上昇された位置(図3参照)にあるか否かが判定される。そして、最も上昇した位置にある場合(S42:YES)には、それ以上ディスプレイユニット6を上昇させることができないので、その状態で当該割込み処理を終了する。それに対し、最も上昇した位置にない場合(S42:NO)には、正転の周期を形成するパルス信号をステッピングモータ41に入力し、ステッピングモータ41の正転を開始する(S43)。それにより、ディスプレイユニット6をキャビネット2に対して所定速度(例えば、1cm/sec)で上昇させる。
続いて、S44において、CPU71はUPスイッチ81からのスイッチ信号に基づいて、UPボタン32の押下が解除されたか否か判定する。そして、UPボタン32が押下され続けていると判定された場合(S44:NO)には、継続して正転の周期を形成するパルス信号をステッピングモータ41に入力し、ステッピングモータ41を正転させる。それに対し、UPボタン32の押下が解除されたと判定された場合(S44:YES)には、パルス信号の入力を停止しステッピングモータ41の正転を停止させる(S45)。それにより遊技者は自分の意思で希望する高さに液晶ディスプレイ5を位置させることが可能となる。
一方、UPボタン32が押下されていないと判定された場合(S41:NO)には、続けてDOWNスイッチ82からのスイッチ信号に基づいて、DOWNボタン33が押下されているか否かが判定される(S46)。そして、DOWNボタン33が押下されたと判定された場合(S46:YES)には、S47へと移行する。また、DOWNボタン33についても押下されていないと判定された場合(S46:NO)には、当該割込処理を終了する。
S47では、位置検出センサ35の検出結果に基づいてディスプレイユニット6がキャビネット2に対して最も下降された位置(デフォルト位置、図2参照)にあるか否かが判定される。そして、最も下降した位置にある場合(S47:YES)には、それ以上ディスプレイユニット6を下降させることができないので、その状態で当該割込み処理を終了する。それに対し、最も下降した位置にない場合(S47:NO)には、逆転の周期を形成するパルス信号をステッピングモータ41に入力し、ステッピングモータ41の逆転を開始する(S48)。それにより、ディスプレイユニット6をキャビネット2に対して所定速度(例えば、1cm/sec)で下降させる。
続いて、S49において、CPU71はDOWNスイッチ82からのスイッチ信号に基づいて、DOWNボタン33の押下が解除されたか否か判定する。そして、DOWNボタン33が押下され続けていると判定された場合(S49:NO)には、継続して逆転の周期を形成するパルス信号をステッピングモータ41に入力し、ステッピングモータ41を逆転させる。それに対し、DOWNボタン33の押下が解除されたと判定された場合(S49:YES)には、パルス信号の入力を停止しステッピングモータ41の正転を停止させる(S50)。それにより遊技者は自分の意思で希望する高さに液晶ディスプレイ5を位置させることが可能となる
以上説明した通り、本実施形態に係るスロットマシン1は、コイン投入口27に硬貨等のコインが投入され、遊技が開始される際に、正面パネル7に設けられた赤外線センサ10により遊技中の遊技者120の頭部の位置を検出し、その位置に併せて液晶ディスプレイ5が配置されるようにステッピングモータ41の回転を制御してディスプレイユニット6を昇降させる(S21〜S25)ので、遊技者が遊技を開始する際に当該遊技者に対して最も見やすいと思われる位置に液晶ディスプレイ5の高さを自動的に調整することが可能となる。従って、遊技者は自らの身長や座高の高さに合わせた適切な遊技環境により遊技を行うことが可能であり、利便性が向上するとともにその遊技意欲は増加する。特に、本実施形態のように視野角の問題を有する液晶ディスプレイにより表示を行う場合においては、表示画面が見やすくなり、その効果は大きい。
また、遊技が終了する際には、液晶ディスプレイ5を有するディスプレイユニット6を予め設定されたデフォルトの位置(本実施形態ではキャビネット2に対して最も下降された位置)へと戻す(S31〜S34)ので、次の遊技者が遊技を開始する際にその高さ調整を行いやすいように液晶ディスプレイ5の高さを自動的に調整前の元の位置に戻すことが可能となる。また、遊技者が遊技していない間において所定のデモンストレーション画面を表示する際に、ディスプレイユニット6を一律にデフォルトの位置に調整することによって、遊技店内で複数台が並んで設置された状態においても、視野角の問題で画面の見え方に差が出ることも無く、画面の高さも揃うので、美観を損なうことがない。
また、コインが投入されてから貯留されたコインが無くなって所定時間経過するまで(遊技を終了するまで)の間に、UPボタン32及びDOWNボタン33を用いることによって、ディスプレイユニット6を昇降させ(S43、S48)、液晶ディスプレイ5の高さを調整することができるので、前記自動の高さ調整に加え、遊技者自らの手で希望する位置への調整を行うことが可能となる。従って、遊技中の遊技者は自分の意思でその変更が自由に可能となるとともに、遊技を行う意図の無い第三者はディスプレイユニット6を昇降させることができず、第三者による迷惑行為を防止することが可能となる。
更に、貯留されたコインが一旦無くなった場合であっても、所定時間(本実施形態では30秒)以内に新たにコインを投入すれば(S10:YES)、遊技を終了したものと判定されること無く、その後継続して液晶ディスプレイ5の高さ調整を行うことが可能となるので、遊技者の利便性が向上する。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態に係るスロットマシンでは、UPボタン32及びDOWNボタン33を押下している間、ディスプレイユニット6を上昇又は下降させることとしているが、押下する毎に所定距離分上昇又は下降させるようにしても良い。
また、本実施形態に係るスロットマシンでは、本発明に係る遊技機として液晶ディスプレイ5に図柄列の画像を表示することにより遊技を行うビデオリール式のスロットマシンを例にして説明したが、メカ式リールを用いたスロットマシンに適用することも可能であり、更に、スロットマシン以外にもポーカーゲーム機、競馬ゲーム機等の様々な遊技機にも当然に適用することが可能である。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、ディスプレイユニット6がキャビネット2に対して最も下降した状態をデフォルト位置としているが、デフォルトの位置はその位置に限られること無く、例えばディスプレイユニット6がキャビネット2に対して最も上昇した状態をデフォルト位置としても良い。
また、本実施形態に係るスロットマシンでは、貯留されたコインのクレジット数が「0クレジット」であることを検知してから(S9:YES)、所定時間が経過した後に割込み許可フラグをリセットする(S12)こととしているが、貯留されたコインのクレジット数が「0クレジット」であることを検知した直後にリセットするようにしても良い。
更に、本実施形態に係るスロットマシン1では、液晶ディスプレイ5を備えたディスプレイユニット6を昇降させることとしているが、ディスプレイユニット6とともにコントロールパネル11を一体に動かすように構成しても良い。