図1は、本発明の第1実施形態であるディスク駆動装置20の一部を示す断面図である。図2は、図1のII−II切断面線から見たディスク駆動装置20を示す断面図である。ディスク駆動装置20は、ディスク22を内部空間24に収容した状態で、ディスク22を駆動し、ディスク22に記憶される情報を読み出す。本実施の形態では、ディスク22は、円盤状のディスクであって、たとえばCD(Compact Disk)またはDVD(
Digital Versatile Disk)である。また本実施の形態では、ディスク駆動装置20は、カーステレオ、カーナビゲーション装置、オーデオコンポーネンツおよびコンピュータ周辺機器などに搭載される。
ディスク駆動装置20は、ディスク22が挿入される挿入口23が形成される。挿入口23は、略四角形に形成される。挿入口23の幅方向Y寸法は、ディスク22の直径よりも大きく形成され、挿入口23の高さ方向X寸法は、ディスク22の厚み方向寸法よりも大きく形成される。すなわち挿入口23は、ディスク22の軸線に沿う平面で切断した場合の断面形状よりも大きく形成される。また幅方向Yおよび高さ方向Xは、互いに垂直に延び、それぞれディスクの挿入方向に垂直に延びる。以後、挿入口23の幅方向Yを単に挿入口幅方向Yと称し、挿入口23の高さ方向Xを単に挿入口高さ方向Xと称する。
ディスク22の挿入口23は、ディスク駆動装置20の内部空間24に連なる。ディスク駆動装置20は、一対の搬送ローラ25と、搬送ローラ25を回転駆動するローラ駆動手段とを有する。一対の搬送ローラ25は、挿入口幅方向Yに延び、挿入口高さ方向Xに並んで互いに対向して配置され、ディスク駆動装置20の内部空間24に内蔵される。一対の搬送ローラ25は、挿入口23に挿入されたディスク22を挟持する。この状態で、ローラ駆動手段によって、一対の搬送ローラ25が回転駆動されることによって、ディスク22を内部空間24に搬送して、ディスク22を予め定める装填位置に配置する。これによって、ディスク22が内部空間24に装填される。ディスク駆動装置20は、内部空間24の装填位置に配置したディスク22を軸線まわりに回転させて、ピックアップによってディスク22に記憶される情報を読取る。
ディスク駆動装置20は、ディスク22の挿入の有無を検知するディスク挿入検知装置21を備える。ディスク挿入検知装置21は、シャッタ部材30と、光学センサ31と、挿入検知手段32とを含んで構成される。シャッタ部材30は、挿入口23が形成される挿入口形成部26に設けられ、挿入口23から挿入されるディスク22が当接することで変位する変位部材である。
本実施の形態では、シャッタ部材30は、板状に形成され、その長手方向が挿入口幅方向Yに延びる。シャッタ部材30の幅方向一方側縁辺部33は、挿入口形成部26に連結される。シャッタ部材30は、幅方向一方側縁辺部33に沿って、挿入口幅方向Yに延びる角変位軸線L1を有し、その角変位軸線L1まわりに角変位可能に形成される。たとえばシャッタ部材20と挿入口形成部26との連結部をヒンジ構造とすることによって、シャッタ部材30が角変位可能となる。また可撓性を有する部材によって連結し、その弾性力によって角変位するようにしてもよい。可撓性を有する部材として、ゴム板、布およびプラスチック板などを用いることができる。また可撓性を有する部材でシャッタ部材30を実現してもよい。またばねを設けずにシャッタ部材30の自重によって、標準位置に復帰するようにしてもよい。
シャッタ部材30は、挿入口23を開閉可能な開閉扉の機能を有する。シャッタ部材30が、挿入口23を塞いだ標準位置から、角変位軸線L1まわりに角変位すると、挿入口形成部26とシャッタ部材30との間に隙間が形成され、ディスク22をさらに進行させることで、ディスク22をディスク駆動装置20の内部空間24に挿入可能となる。
ディスク22を挿入口23に挿入する場合、シャッタ部材30は、その幅方向他方側縁辺35にディスク22の周縁部40が当接して、ディスク22に押圧されて角変位軸線L1まわりに角変位する。さらにディスク22が挿入方向に進行すると、シャッタ部材30は、その幅方向他方側縁辺35にディスク22の厚み方向一方側表面41が当接する。そしてディスク22は、シャッタ部材30に摺動しながら挿入方向に移動する。以下、ディスクが当接してシャッタ部材30が変位した、シャッタ部材30の変位位置を挿入位置と称する。本実施の形態では、挿入位置は、挿入されるディスク22に対して約8度傾斜した状態に設定され、図1に示すように、ディスク22の厚み方向一方側表面41にシャッタ部材30が当接するときの変位位置に設定される。
ディスク挿入検知装置21は、シャッタ部材30が標準位置に復帰するような復元力を与える復元力発生手段、本実施例ではシャッタ部材30にばね力を与えるばね力発生手段を有する。たとえばばね力発生手段は、線材ばね、薄板ばね、ゴムばねおよびねじりコイルばね39のいずれかによって実現され、本実施の形態では、ねじりコイルばね39によって実現される。シャッタ部材30は、挿入口23から挿入されるディスク22が当接することで、ねじりコイルばね39のばね力に抗して、標準状態から挿入位置に変位する。
シャッタ部材30は、ディスク22と当接する部分がゴムまたは不織布などの柔らかく可撓性を有する材料によって実現される。これによってシャッタ部材30に当接するディスク22を保護することができる。またシャッタ部材30のうち、ディスク挿入方向下流側となる厚み方向一方側の表面部には、予め定める光反射率を有する反射面34が形成される。本実施の形態では、反射面34は、シャッタ部材30をメッキ処理または塗装することによって形成される。またシール等を貼付してもよい。また特に処理を施さず、素材の表面そのものが反射面となるような材料、たとえばシボ加工等が施された材料を用いてもよい。この場合、反射面を形成するための部材を別途設ける必要がなく、部材を節約することができるとともに環境負荷を低減することができる。
光学センサ31は、シャッタ部材30の角変位を検出する変位検出手段となる。光学センサ31は、ディスク駆動装置20の内部空間24に配置される。光学センサ31は、反射型光学センサによって実現され、投光部36と受光部37とが一体に形成される。本実施の形態では、投光部36の投光面と受光部37の受光面とは、隣接して配置される。また投光面および受光面は、ディスク駆動装置がディスク駆動位置に配置された状態で、ともに下方に向くように配置される。
光学センサ31の投光部36は、投光面から予め定める方向に向けて光を投光し、たとえば発光ダイオードによって実現される。また光学センサ31の受光部37は、受光面に入射した光の受光量に応じた電流を出力し、たとえばフォトトランジスタによって実現される。本実施の形態では、光学センサ31は、可視光とは異なる波長の光を投受光するように構成される。具体的には700nm〜900nmの波長の光を、投光部36から投光し、受光部37で受光する。これは、挿入口23から装置内部に進入する外光による光学センサ31の誤検出を防ぐためである。なお、特にこの波長域でなくても自然界にあまり存在しない波長であればよい。
投光部36が投光する光の進む方向と、受光部37が受光する光の進む方向とが、向きが逆で予め定める光軸38に沿って進むように設定される。また挿入位置に配置されるシャッタ部材30の反射面34と、前記光軸38とが略垂直となるように、光学センサ31が配置される。
図1に示すように、ディスク22が挿入されると、シャッタ部材30が挿入位置に変位する。この状態では、投光部36から投光された光は、シャッタ部材30の反射面34で反射し、反射した光が受光部37に入射する。また、光学センサ31は、図2に示すように、シャッタ部材31の長手方向中央部に配置される。前述したように、ローラの幅方向中央部が幅方向両端部に比べて外径が細くなっているために、ローラの幅方向中央部の周囲には、光学センサ31が収容可能な隙間が形成される。この隙間に光学センサ31が配置される。またシャッタ部材30を可撓性材料によって実現した場合、一般的に幅方向中央部が最初に変位するため、幅方向中央部に光学センサ31を配置すれば、ディスク22の挿入を素早く検知することができる。
挿入検知手段32は、光学センサ31の検出結果に基づいて、ディスク22の挿入の有無を検知する。具体的には、挿入検知手段32は、受光部31が受光した光の光量に応じて出力される電流値を取得し、その電流値の大小に基づいて、ディスク22の挿入の有無を検知する。挿入検知手段32は、たとえばディスク駆動装置20に設けられるCPU(中央演算装置)が予め定めるプログラムを実行することによって実現される。この場合、光学センサ31は、検出結果をCPUに与える。
図3は、ディスク挿入検知装置21の動作を説明するための断面図である。図3(1)は、ディスク22が挿入されていないディスク非挿入状態を示す。図3(2)は、ディスク22が挿入されたディスク挿入状態を示す。
図3(1)に示すように、ディスク非挿入状態では、シャッタ部材30は、ねじりコイルばね39によって標準位置に配置され、挿入口23を塞ぐ。このとき、光学センサ31に設定される光軸38と、シャッタ部材30の反射面34とが成す角度θ3が90°とは異なる角度となる。またはシャッタ部材30の反射面34は、光学センサ31の光軸38からはずれた位置に位置してもよい。
これによって投光部36から投光されて光軸38に沿って進む光は、シャッタ部材30の反射面34によって反射されず、受光部37とは異なる方向に進む。仮に反射面34によって反射されたとしても、反射された光は、受光部37とは異なる方向に進む。これによってディスク非挿入状態では、受光部37は、投光部36から投光された光を受光することがなく、受光部37が受光する光の光量は、ゼロまたは僅かな値となる。
図3(2)に示すように、ディスク挿入状態では、ディスク22がシャッタ部材30に当接して、シャッタ部材30に力を与えることで、シャッタ部材30は、ねじりコイルばね39のばね力に抗して、角変位軸線L1まわりに角変位する。そしてシャッタ部材30は、ディスク22の厚み方向一方側表面41に接する挿入位置に変位し、ディスク22がディスク駆動装置20の内部空間24へ移動することを許容する。
シャッタ部材30が挿入位置に角変位した状態では、光学センサ31に設定される光軸38と、シャッタ部材30の反射面34とが成す角度θ3がほぼ90°となり、光軸38は、挿入位置に配置されるシャッタ部材30に交わる。これによって投光部36から投光されて光軸38に沿って進む光は、シャッタ部材30の反射面34によって反射され、受光部37に向かって進む。受光部37は、反射面34で反射した光を受光し、受光部37が受光する光の光量は、ディスク非挿入状態に比べて大きくなる。
図4は、ディスク非挿入状態とディスク挿入状態とにおける、シャッタ部材30の位置変化と、受光部37の出力電流の変化を示すグラフである。上述したように、ディスク非挿入状態では、シャッタ部材30が標準状態に位置するので、受光部37の受光量が小さく、受光部37から出力される出力電流が小さい。
これに対してディスク挿入状態となって、シャッタ部材30が挿入位置に位置すると、受光部37の受光量が大きく、受光部37から出力される出力電流が、シャッタ非挿入状態に比べて大きい。
挿入検知手段32は、チャタリングを防ぐために、第1設定出力値である第1しきい値C1と、第2設定出力値である第2しきい値C2とが予め設定される。挿入検知手段32は、受光部37から与えられる出力電流が第2しきい値C2以上となると、ディスク挿入状態として検知する。また挿入検知手段32は、受光部37から与えられる出力電流が第1しきい値C1以下となると、ディスク非挿入状態として判定する。なお、第1しきい値C1は、シャッタ部材30が標準位置にあるときの受光部37の出力電流Bよりも大きく、第2しきい値C2よりも小さく設定される電流値である。また第2しきい値C2は、第1しきい値C1よりも大きく、シャッタ部材30が挿入位置にあるときの受光部37の出力電流Aよりも小さい電流値である。挿入検知手段32は、受光部37から、第1しきい値C1と第2しきい値C2との間の出力電流が与えられると、ディスク非挿入状態ともディスク挿入状態とも検知しない、不感状態となる。すなわち、第1しきい値C1から第2しきい値C2の間には、不感帯が設定される。
図5は、反射面34と受光部37との距離dと、受光部の出力電流Icとの関係を示す図である。受光部37は、反射面34との距離dが予め定める値d1よりも近すぎても遠すぎても、その出力電流Icが小さくなる。言い換えると受光部37は、反射面34との距離dが予め定める設定距離d1となる場合に、最大出力電流Imaxとなる。したがってシャッタ部材30が挿入位置に変位した状態で、反射面34と受光部37の受光面との距離が、前記設定距離d1となるように、光学センサ31が配置される。
これによってシャッタ部材30が挿入位置に変位したときに、受光部37から出力される出力電流を大きくすることができ、かつ、最大出力電流Imax付近では、反射面34との距離dの変化による出力値の変化が小さいため、ディスク22を多少傾けて挿入しても、すなわち、反射面34と光学センサ31との距離dが多少ばらついても、安定した受光量が得られ、ディスク挿入検知に必要な出力電流を得ることができる。また、ディスク挿入状態とディスク非挿入状態とで、受光部37の出力電流差を大きくすることができ、ディスク挿入状態とディスク非挿入状態とのいずれであるかをより確実に判断することができる。
以上のように、本発明の第1実施形態では、挿入口23からディスク22が挿入されるにあたって、ディスク22がシャッタ部材30に当接し、シャッタ部材30を変位させる。また、光学センサ31が、シャッタ部材30の変位を示す検出結果を挿入検知手段32に与える。挿入検知手段32は、光学センサ31の受光部37が受光した光量に基づいて、ディスク非挿入状態およびディスク挿入状態のいずれかを判断する。
このようにシャッタ部材30の変位に基づいて、ディスク22の挿入状態を判定することで、ディスク22の反射率および透過率がばらついても、シャッタ部材30の変位状態は一定であるので、従来技術のようにディスク自体に光を照射する場合に比べて、ディスク22の挿入の有無を精度よく検知することができる。たとえばシースルーディスクのように透過率が極めて高いディスクであっても、通常のディスクと同様に、ディスク22の挿入の有無を検知することができる。
またディスク非挿入状態とディスク挿入状態とで、受光部37の受光量の変化を大きくすることができるので、光学センサ31の取付けのクリアランスを厳しくする必要がない。したがって、ディスク挿入検知装置21およびディスク挿入検知装置21を備えるディスク駆動装置20の製造コストを安価にすることができる。
挿入検知手段32によってディスク22の挿入が検知されると、ディスク駆動装置20は、ディスク22の駆動動作を開始する。本実施の形態では、ディスク駆動装置20は、ディスク挿入検知装置21からディスク22が挿入されたことを示す信号を受取ることで、正確にディスク駆動動作を行うことができる。たとえばディスク22が挿入されていないにもかかわらず、ディスク22の駆動動作を行うことを防ぐことができる。
また本実施の形態では、シャッタ部材30の変位に基づいて、ディスク22の挿入状態の判定を行う。シャッタ部材30は、ディスク駆動装置20に予め設けられる場合が多い。シャッタ部材30が予めディスク駆動装置20に設けられる場合には、ディスク22の挿入を検知するための変位部材を新たに設ける必要がなく、製造コストを低減することができる。またシャッタ部材30を設けることによって、埃やごみなどの異物がディスク駆動装置20の内部空間24に浸入することを防ぐことができる。
また光学センサ31を用いて、シャッタ部材30の変位状態を検出することで、シャッタ部材30に直接接触する接触センサなどを用いる場合に比べて、接触不良、接触部の磨耗などを防ぎ、シャッタ部材30の変位を安定して検出することができる。また接触センサではディスク挿入時に、ディスク22または指によって接触センサを押圧する必要があるが、本実施の形態ではこのような押圧作業を必要とせず、シャッタ部材30を復元力に抗して変位させる最小限の力だけで、ディスク22をディスク駆動装置20の装填位置に容易に搬送させることができる。
また光学センサ31は、ディスク駆動装置20の内部空間24に配置されるので、日光などの不所望な外部光の影響を抑えることができ、精度よくシャッタ部材30の変位を検出することができる。また本実施の形態では、日光とは異なる波長の光を投受光することで、日光などの影響をさらに確実に抑えることができる。
また投光部36の投光面と受光部37の受光面とが下方に向くように配置されるので、上方に向くように配置される場合に比べて、投光面および受光面に埃やごみが付着することが防がれる。これによって埃やごみの付着に起因する投光部36および受光部37の能力低下を抑えることができる。また光学センサ31が、投光部36と受光部37とが一体に形成される反射型光学センサ31によって実現されることによって、投光部36と受光部37とが分割された光学センサに比べて、ディスク駆動装置20への取付けが簡単となり、ディスク挿入検知装置21を容易に製造することができ製造コストを低減させることができる。
また本実施の形態では、ねじりコイルばね39によってシャッタ部材30の不所望な変位を抑えることができ、ディスク挿入時以外にシャッタ部材30が変位することを防ぐことができ、ディスク22の挿入の有無を精度よく検知することができる。これによってディスク挿入検知装置が、カーナビゲーション装置またはカーステレオ装置など、車などの移動体に搭載されるディスク駆動装置20に設けられる場合であっても、振動によってディスク22の挿入の有無を誤検知することを防ぐことができる。なお、ねじりコイルばね39を用いて、標準位置に復帰するような復元力をシャッタ部材30に与えたが、重力などの他の手段によって復元力をシャッタ部材30に与えてもよい。またシャッタ部材自身が可撓性を有する材料で構成されていてもよく、シャッタ部材30がディスク挿入時に変形したことを光学センサ31が検出してもよい。また本実施の形態では、第1しきい値C1および第2しきい値C2など、受光部37の出力電流に基づいてディスク22の挿入の有無を判断したが、受光部37の出力電圧に基づいてディスク22の挿入の有無を判断してもよい。この場合、出力電圧に応じた第1しきい値C1および第2しきい値C2が設定される。
また光学センサ31の取付け位置が少々ずれていても、シャッタ部材30が角変位することで、シャッタ部材30が挿入位置に変位するまでに、シャッタ部材30の反射面34と、光軸38との角度が90°となる可能性が高い。したがって光学センサ31の取付け位置を厳密にする必要がなく、光学センサ31の取付け作業を容易に行うことができる。また本実施の形態では、シャッタ部材30の反射面34は、塗装、メッキまたはシールによって形成してもよい。塗装またはメッキによって形成した場合、光反射率を安定させることができる。したがってディスク駆動装置20が移動体に登載されて、振動する場合であっても、誤検知を防ぐことができる。もちろんシャッタ部材30そのものの表面を反射面34としてもよく、その場合、新たな部材を別途設ける必要がなく、部材を節約することができるとともに環境負荷を軽減することができる。
また本実施の形態のディスク駆動装置20は、周知の技術を用いて実現することができる。たとえばディスク駆動装置20は、ディスクを回転させるディスク回転手段と、ディスクに記憶される情報を読み出しまたは書き込みするピックアップと、ピックアップを変位駆動するピックアップ駆動手段と、挿入口23から挿入されるディスク22を予め定める装填位置に搬送する搬送手段と、ピックアップによって検出されるフォーカス情報に基づいて、ピックアップ駆動手段とディスク回転手段とを制御する制御手段と、ピックアップによって検出される記憶情報を受け取り、その記憶情報に基づいて各出力手段へ出力信号を与える演算手段とを含む。またディスク駆動装置20は、ディスク取出し時にシャッタ部材30を角変位駆動するシャッタ部材駆動手段が設けられる。
図6は、ディスク駆動装置20のディスク挿入搬送動作を示すフローチャートである。ディスク駆動装置20は、ディスク挿入検知装置21による検知結果に基づいて、ローラ駆動手段を制御する制御装置を有する。制御装置は、たとえばCPU(中央演算装置)によって実現される。制御装置によるディスク挿入搬送動作は、以下の手順によって行われる。
制御装置は、電源が投入されるなどしてディスク搬送動作の準備が完了すると、ステップa1に進む。ステップa1では、制御装置は、ディスク駆動装置20の内部空間24に設定される収容位置にディスク22が配置可能な状態であるかどうかを判断し、たとえばディスク22がディスク駆動可能に内部空間24に収容されている装填状態であるか否かを判断する。この場合、制御装置は、ピックアップから出力信号が与えられ、この出力信号の状態に基づいてディスク22が装填状態にあるか否かの有無を判断する。
制御装置は、ディスク22が装填されていないと判断すると、ステップa2に進む。また、ディスク22が装填状態であると判断すると、ディスク22が装填状態でなくなるまで待機し、装填状態でなくなるとステップa2に進む。なお、ステップa1における待機状態では、仮にディスク22を挿入しても、ローラは駆動せずディスク22は引込まれない。
ステップa2では、制御装置は、挿入検知手段32から与えられる信号に基づいて、ディスク挿入状態となったこと、言い換えるとシャッタ部材30が開いたことを判断し、ステップa3に進む。ステップa3では、制御装置は、ローラ駆動手段に回転指令を与え、一対のローラ25を回転させる。これによって挿入口23に挿入されたディスク22は、利用者の助けを借りることなく、内部空間24の装填位置に向けて搬送される。そしてステップa4に進む。またCDチェンジャなどの、複数のディスクを格納できるチェンジャタイプのディスク駆動装置の場合には、複数のディスク22を格納するストッカのそれぞれにディスクの有無を検出するセンサを備えており、このセンサを用いてディスク22が装填されているか否かを判断してもよい。
ステップa4では、制御装置は、挿入検知手段32から与えられる信号に基づいて、ディスク非挿入状態となったこと、言い換えるとシャッタ部材30が閉じたことを判断し、ステップa5に進む。なお、シャッタ部材30が複数の場合には、全てのシャッタ部材30が閉じたことを判断し、ステップa5に進む。ステップa5では、制御装置は、ディスク22が装填されたか否かを判断する。たとえば制御装置は、ピックアップから出力信号が与えられる。ピックアップは、ディスク22が装填された状態にある場合とそうでない場合とで、出力信号が異なる。したがって制御装置は、ピックアップの出力信号に基づいてディスク22が装填状態であるか否かを判断することができる。制御装置は、ディスク22が装填状態となったことを判断すると、ステップa6に進む。ステップa6では、制御装置は、ローラ駆動手段に回転停止指令を与え、一対のローラ25の回転を停止させ、ディスク挿入搬送動作を終了する。
またステップa5において、ディスク22が装填状態に達していないと判断すると、ステップa7に進む。ステップa7では、ステップa4でシャッタ部材30が閉じたと判断してから、予め定める第1所定時間T1が経過したか否かを判断し、経過していないとステップa5に戻る。また第1所定時間T1が経過したと判断すると、ステップa8に進む。ステップa8では、制御装置は、ローラ駆動手段に回転停止指令を与え、一対のローラ25を停止させ、ステップa9に進む。ステップa9では、制御装置は、予め定めるエラー処理を行い、ディスク挿入搬送動作を終了する。これによってディスク22が挿入口23を完全に通過した後で、内部空間24内の構成部品などに引っ掛かって停止してしまった場合に、一対のローラ25が回転しつづけることを防ぐことができる。
またステップa4において、制御装置は、挿入検知手段32から、ディスク非挿入状態を継続していること、言い換えるとシャッタ部材30が開いたままの状態であると判断すると、ステップa10に進む。ステップa10では、ステップa2でシャッタ部材30が開いたと判断してから、予め定める第2所定時間T2が経過したか否かを判断し、経過していないとステップa4に戻る。また第2所定時間T2が経過したと判断すると、ステップa11に進む。
ステップa11では、制御装置は、ローラ駆動手段に回転停止指令を与え、一対のローラ25を停止させ、ステップa9に進む。ステップa9では、制御装置は、予め定めるエラー処理を行い、ディスク挿入搬送動作を終了する。これによってディスク22が挿入口23を跨いだ状態で、内部空間24内の構成部品などに引っ掛かって停止してしまった場合に、一対のローラ25が回転しつづけることを防ぐことができる。
たとえばステップa9およびステップa10におけるエラー処理として、ローラ駆動手段に逆回転指令を与えて、ディスク22を内部空間24から排出する方向に、一対のローラ25を回転させる。次に、ローラ駆動手段に回転指令を与えて、ディスク22を内部空間24に挿入する方向に回転させて、ディスク22の再装填を試みる。それでもエラーが解消されない場合には、作業者にディスク挿入異常であることを通知して、挿入搬送動作動作を終了する。
なお、上述する手順では、ディスク22の装填状態を判断するためにピックアップの出力を用いたが、ディスク22の装填状態を検知するための装填状態検出センサが別途設けられてもよい。この場合、制御装置は、ステップa1およびステップa5において、装填状態検出センサから与えられる出力信号に基づいて、ディスク22の装填状態を判断する。センサとしては、反射型および透過型光センサのいずれも用いることができる。また複数のディスクを格納できるチェンジャタイプのディスク駆動装置の場合には、ストッカ位置に設けられるメカニカルスイッチを用いることもできる。
以上のようにして、挿入口23に挿入されたディスク22を装填位置に搬送する。このように、ディスク挿入検知後に、一対の搬送ローラ25を回転させることによって、利用者の助けを借りずにディスク22を挿入位置に搬送することができ、利用者にスムーズなフィーリング感を与えることができる。なお、このような制御装置の動作は、一例示であって、ディスク挿入検知装置21によってディスク22の挿入の有無を示す信号に基づいて、搬送動作が行われていれば、他の制御フローに従ってディスク22を収容位置に搬送するようにしてもよい。
図7は、本発明の第2実施形態であるディスク駆動装置120の一部を示す断面図である。第2実施形態のディスク駆動装置120は、第1実施形態のディスク駆動装置20と類似の構成を示し、類似の構成については、説明を省略し同様の参照符号を付する。
ディスク駆動装置120に設けられるディスク挿入検知装置121は、第1実施形態のディスク挿入検知装置121に比べて補正部材100と補正手段101とをさらに有する。補正部材100は、光学センサ31を調整するために設けられ、本実施の形態では、光学センサ31の投光部36の光量または受光部37の感度などを補正するために設けられる。たとえば光学センサ31に与える駆動電流を変化させることによって、光学センサ31の感度、すなわち受光量に対する出力電流(電圧)を変化させることができる。
補正部材100は、光学センサ31の投受光面と正対する位置に配置される。具体的には、補正部材100は、光学センサ31に対してシャッタ部材30よりも離れた位置に配置される。光学センサ31の光軸38は、補正部材100に対して、90度の角度を成して交差する。補正部材100は、予め定められる光反射率を有する反射面102が形成され、シャッタ部材30が挿入口23を塞ぎ、ディスク22が非挿入状態であるときに、投光部36から投光された光を前記反射面102で反射して、受光部37に入射させる。シャッタ部材30が挿入口23を塞ぎ、ディスク非挿入状態において、投光部36から投光された光は、補正部材100によって反射されて、反射された光が受光部37に入射する。補正部材100の反射面102の光反射率は、シャッタ部材30の反射面34の光反射率とは異なる反射率に設定されていてもよい。本実施の形態では、シャッタ部材30の反射面34の光反射率が、補正部材100の反射面102の光反射率よりも高く設定される。これによって、補正部材100の距離がシャッタ部材30よりも離れていても、シャッタ部材30での反射と同程度の出力を得ることができる。
本実施の形態の光学センサ31は、投光部36の発光強度、投光部36の発光時間、受光部37の感度および受光量に対する出力電流比の少なくともいずれか1つが調整値として調整可能なものが用いられる。すなわち光学センサ31は、シャッタ部材30の変位状態に応じた出力電流値を出力し、シャッタ部材30の変位状態に対する出力電流値の変化量を調整可能に構成される。ディスク挿入検知動作が行われる前に、補正手段101は、補正動作を行って光学センサ31の発光量、発光時間および受光感度のいずれかとなる調整量を決定する。
図8は、任意の受光量に対して出力される受光部出力電流を示すグラフである。図8には、出力の異なる2つの光学センサの特性を示す。図8には、高出力光学センサセンサの出力電流を実線で示し、低出力光学センサの出力電流を破線で示す。光学センサ31は、受光部37が受光した光の受光量に比例する出力電流を出力する。すなわち受光量が大きくなると、出力電流も大きくなる。
挿入検知手段32は、光学センサの出力電流が、第2しきい値C2以上となるとシャッタ部材30が開いたディスク挿入状態であると判断する。また出力電流が、第1しきい値C1以下となるとシャッタ部材30が閉じてディスク非挿入状態であると判断する。また出力電流が、第1しきい値C1を超えて、かつ第2しきい値C2未満であるときには、ディスク状態を判断しない。したがってシャッタ部材30の開状態から閉状態への変化および閉状態から開状態への変化を検出するためには、出力電流が、第1しきい値C1から第2しきい値C2の間の不感帯を通過して第1しきい値C1以下の挿入未検出領域と第2しきい値C2以上の挿入検出領域とを行き来する必要がある。
光学センサ31は能力にバラツキがあり、同じ受光量であっても、出力される出力電流が異なる場合がある。たとえば予め定められる光量を受光した場合に、低出力光学センサは、高出力光学センサに比べて、出力される出力電流が小さくなる。このように光学センサは、任意の受光量に対する出力電流の出力比にばらつきがある。
ディスク挿入検知装置21に低出力光学センサが用いられた場合、第1受光量E1で第1しきい値C1に達し、第1受光量よりも大きい第2受光量E2で第2しきい値C2に達する。またディスク挿入検知装置21に高出力光学センサが用いられた場合、第1受光量E1よりも小さい第3受光量E3で第1しきい値C1に達し、第3受光量E3よりも大きくかつ第2受光量E2よりも小さい第4受光量E4で第2しきい値C2に達する。このように高出力光学センサと低出力光学センサとでは、各しきい値C1,C2となる出力電流を出力するときの受光量がそれぞれ異なる。
低出力光学センサに合わせて、各しきい値C1,C2に達するときの受光量E1,E2を設定した場合、第3受光量E3と第1受光量E1との間の受光量Gを光学センサが受光すると、低出力光学センサを用いた場合には、図8の白四角のプロット点で示すように、ディスク挿入未検出状態を判断することができる。しかしながら高出力光学センサを用いた場合には、図8の黒四角のプロット点で示すように、シャッタ部材30が閉じているにもかかわらず、ディスク挿入未検出状態を判断することができない。
また高出力光学センサに合わせて、各しきい値C1,C2に達するときの受光量E3,E4を設定した場合、第4受光量E4と第2受光量E2との間の受光量Hを光学センサが受光すると、高出力光学センサを用いた場合には、図8の白丸のプロット点で示すように、ディスク挿入検出状態を判断することができる。しかしながら低出力光学センサを用いた場合には、図8の黒丸のプロット点で示すように、シャッタ部材30が開いているにもかかわらず、ディスク挿入検出状態を判断することができない。
このように光学センサの能力がばらつくことによって、ディスク挿入検出を正確に行うことができない場合があるが、上述する補正手段101が補正動作を行うことによって、光学センサの能力のばらつきを補正して、ディスク22の挿入状態を精度よく検知することができる。たとえば補正手段101によって、受光感度を変更して、受光量に対する低出力光学センサの出力電流または電圧を、高出力光学センサとほぼ同様の出力応答となるように変更する。
図9は、補正手段101の補正動作を示すフローチャートである。図10は、補正手段101の補正動作を説明するための図であり、低出力光学センサの出力特性を、高出力光学センサの出力特性となるように補正する状態を説明するために用いる。
本実施の形態では、補正手段101は、光学センサ31の感度を調整することで、光学センサ31の能力のばらつきを補正する。まず、予め定める補正動作開始条件が満たされると、補正手段101はステップs1に進み、補正動作を開始する。たとえば補正動作開始条件として、予め定める期間、たとえば2年が経過する度に補正動作を開始する。またたとえば補正指令が作業者から与えられることによって補正動作を開始する。また初期動作時に補正動作を開始してもよい。
ステップs1では、シャッタ部材30が閉じていることを判断すると、ステップs2に進む。もしシャッタ部材30が閉じていないと、シャッタ部材30が閉じた状態になるまで待機し、シャッタ部材30が閉じた状態となると、ステップs2に進む。
ステップs2では、投光部36から光を投光した場合における受光部37の出力電流を検出する。その出力電流が、第1しきい値C1であると、ステップs4に進み、そうでないとステップs3に進む。
ステップs3では、受光部37の感度を変更し、ステップs2に戻る。これによって受光量に対する出力電流の出力比が変化する。ステップs2とステップs3とを繰返すことによって、シャッタ部材30が閉じられた状態における受光量Iで、受光部37の出力電流が第1しきい値C1となるように、光学センサ31の感度Sが調整される。
ステップs4では、補正手段101は、図10の一点鎖線で示すように、シャッタ部材30が閉じられた状態における受光量Iで、受光部37の出力電流が第1しきい値C1に達したときの、光学センサ31の感度を第1調整値S1として記憶し、ステップs5に進む。
ステップs5では、投光部36から光を投光した場合における受光部37の出力電流を検出する。その出力電流が、第2しきい値C2であると、ステップs7に進み、そうでないとステップs6に進む。
ステップs6では、受光部37の感度を変更し、ステップs5に戻る。ステップs5とステップs6とを繰返すことによって、シャッタ部材30が閉じられた状態における受光量Iで、受光部37の出力電流が第2しきい値C2となるように、光学センサ31の感度Sが調整される。
ステップs7では、補正手段101は、図10の二点鎖線で示すように、シャッタ部材30が閉じられた状態における受光量Iで、受光部37の出力電流が第2しきい値C2に達したときの、光学センサ31の感度を第2調整値S2として記憶し、ステップs8に進む。
ステップs8では、前記第1調整値S1と前記第2調整値S2とに基づいて、ディスク挿入検知動作における光学センサ31の感度となるセンサ補正値Yを決定する。本実施の形態では、シャッタ部材30が閉じた場合よりもシャッタ部材30が開いた状態のほうが受光部37が受光する受光量が高く設定されるので、センサ補正値をYとし、第1調整値をS1とし、第2調整値をS2とすると、センサ補正値Yは、(1)式によって表わされる。
Y=S1−α・(S2−S1) …(1)
ここで、αは予め定める定数を意味する。
このようにして、ステップs8でセンサ補正値Yを決定すると、ステップs9に進む。ステップs9では、補正手段101は、ステップs7で求めたセンサ補正値Yを記憶し、補正動作を終了する。このようなセンサ補正値Yに基づいて、光学センサ31の出力特性を変更することで、光学センサ31の能力のばらつきに拘わらずにほぼ同じ出力特性を得ることができる。図10に示すように低出力光学センサを補正することによって、補正後の低出力光学センサは、図8に示すように高出力光学センサとほぼ同様の出力特性を得ることができる。また本実施の形態の変形例として、低出力光学センサを高出力光学センサに合わせるように補正する場合も同様の手順によって実現可能である。
また図9に示す補正動作を行うには、補正手段101は、ステップs1でシャッタ部材30が閉状態であることを判断する必要があるが、これを検出するための方法として、ディスク22を駆動した状態、ディスク22が装填位置に配置された状態、光学センサ31の出力が一定時間変化していない状態またはディスク22の挿入搬送動作動作が終わった直後の状態を、シャッタ部材30の閉状態として判断してもよい。
また上述した例では、シャッタ部材30が閉じた場合よりもシャッタ部材30が開いた状態のほうが、受光部37が受光する受光量が高く設定される場合(S1<S2)について説明したが、本発明の他の形態として、シャッタ部材30が閉じた場合よりもシャッタ部材30が開いた状態のほうが、受光部37が受光する受光量が低く設定される場合(S1>S2)には、センサ補正値Yは、(2)式によって表わされる。
Y=S1+β・(S1−S2) …(2)
ここで、βは予め定める定数を意味する。また第1調整値S1と第2調整値S2とに基づいて、センサ補正値Yが決定されればよく、演算式は、上述した(1)式または(2)式以外の演算式を用いてもよい。
また補正動作を行うにあたって、光学センサ31の調整量として感度を用いたが、感度以外を調整して出力特性を調整してもよい。たとえば投光部36の発光強度および発光部36の発光時間などを変更してもよい。また出力電流が示す数値に予め定めるゲインを乗算した値に基づいて、ディスク22の挿入状態を検知する場合、調整量としてゲインを変更してもよい。これらの場合、ステップs3およびステップs6で、それらの調整量が変更されることになる。また出力値は、受光部37の出力電流以外に、受光部37の出力電圧であってもよい。
図11は、補正動作の他の例を説明するための図である。光学センサ31は、投光部36に与える入力電流が大きくなるほど、投光部36から投光される光の発光強度が大きくなる。したがって調整値として投光部36に与える入力電流を調整することによっても、光学センサの能力のばらつきを抑えることができる。この場合、補正手段は、図9における動作のうち、ステップs3およびステップs6のセンサ感度に換えて、投光部入力電流が変更される。
投光部36の入力電流が調整値として設定される場合、補正手段は、補正動作として、シャッタ部材30によって挿入口23がふさがれた状態で、投光部36に与える入力電流を変化させる。補正手段は、受光部出力電流が第1しきい値C1に達するときに、投光部36に与えた入力電流値F1を第1調整値S1として記憶する。また補正手段は、受光部出力電流が第2しきい値C2に達するときに、投光部36に与えた入力電流値F2を第2調整値S2として記憶する。
また補正手段101は、ディスク非挿入状態からディスク挿入状態に達した場合における受光部出力電流差ΔCを予め記憶している。この出力電流差ΔCは、光学センサ31の出力能力のばらつきに応じて変化する。
そして、ステップs8のセンサ補正値計算工程で、補正手段は、各調整値F1,F2および受光部出力電流差ΔCに基づいて、ディスク挿入検知動作における光学センサ21の投光部36に与える入力電流となるセンサ補正値F3を決定する。
本実施の形態では、センサ補正値をF3とし、第1調整値をF1とし、第2調整値をF2とし、受光部出力電流差をΔCとする。そしてディスク非挿入時電流Aと第1しきい値C1との差ΔLと、ディスク挿入時出力電流Bと第2しきい値C2との差ΔHとが等しくなるようにセンサ補正値F3を決定すると、センサ補正値F3は、(3)式によって表わされる。
F3=F1−0.5{ΔC/(C2−C1)−1}(F2−F1)
=F1−γ(F2−F1) …(3)
ただし、γ=0.5{ΔC/(C2−C1)−1}
したがって補正係数γが既知であれば、前述する(1)式によって表わされる。なお、上述した受光部出力電流の変化量ΔCは、補正手段が、補正動作に先駆けて出力電流の変化量ΔCの取得動作を行うことによって得ることができる。この取得動作は、任意の投光部入力電流において、図4(2)に示す、ディスク非挿入時電流Bと、ディスク挿入時電流Aとを前もって測定し、それらの電流値の差(A−B)を計算することによって求められる。たとえば、ディスク駆動中などのシャッタ部材30が標準位置にあると予想される状態において、ディスク非挿入時電流Bを求めることができる。またディスク排出動作においてディスク排出のためのシャッタ部材30を開く機構を動作させている状態において、ディスク挿入時電流Aを求めることができる。このようにして補正手段が求めた受光部出力電流の変化量ΔCを記憶しておき、上述する補正動作を行うことによって、光学センサの出力能力のばらつきに起因する、ディスクの挿入検知の誤検知を防ぐことができる。
また光学センサ31の感度の他に、投光部入力電流を調整値としても、上述した場合と同様の効果を得ることができる。またこの他に、調整値として投光部36の発光時間を用いた場合であっても同様の手順を用いることができる。
図12は、第2実施形態における挿入検知手段32のディスク挿入検知動作を示すフローチャートである。挿入検知手段32は、ディスク挿入検知状態に切り替わると、ステップs11に進む。ステップs11では、補正手段101の補正動作によって演算されたセンサ補正値Yに、光学センサ31を調整する。そして投光部36によって光を投光させ、ディスク22の挿入を待機した状態とする。受光部37によって出力される電流値が増加すると、ステップs12に進む。
ステップs12では、受光部37によって出力される電流値が第1しきい値C1から第2しきい値C2に変化すると、ディスク22が挿入口23に挿入されたことを判断し、ディスク22の挿入検知動作を終了する。なお、補正動作に従ってセンサ補正値Yが複数回変更される場合、ディスク挿入検知動作は、最も新しいセンサ補正値Yが用いられる。
以上のように第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また図9に示すように、補正手段101の補正動作を行い、補正手段101によって求められるセンサ補正値Yに光学センサ31を調整して、ディスクの挿入検知動作を行う。これによって、光学センサ31にバラツキがある場合、たとえばフォトダイオードの単位受光量あたりの出力電流がばらつく場合であっても、補正手段101による補正によって、精度良くディスク22の挿入状態を検知することができる。
また使用開始から時間が経過して、埃やごみが投光部および受光部に付着して、光センサ31の能力が低下する場合であっても、補正手段101による補正によって、精度よくディスク22の挿入状態を検知することができる。
また第2の実施形態では、第1調整値S1と第2調整値S2とを用いてセンサ補正値Yを求めることによって、より精度の良い調整を行うことができる。具体的には、それぞれ異なる第1圧および第2圧を得られるような、第1調整値および第2調整値を求め、2つの調整値を用いることによって、出力値の変化に対応する調整値の変化の傾向を知ることができ、光学センサ31の出力変化に応じた調整値を精度よく求めることができる。本実施の形態では、第1設定出力値として第1しきい値C1を用い、第2設定出力値として第2しきい値C2を用いたが、異なる2つの予め定められる出力値であれば多の出力値であってもよい。
また第1調整値と第2調整値とは同じ環境で測定されることが好ましい、本実施の形態ではともに、シャッタ部材30によって挿入口23がふさがれた状態でそれらの各調整値を決定することによって、誤差を少なくして各調整値を求めることができる。なお、第1調整値S1または第2調整値S2のいずれか一方を、予め定める演算式に代入してセンサ補正値Yを求めてもよい。この場合、簡便にセンサ補正値Yを求めることができる。
また、補正手段101は、光学センサ31自体を調整しなくとも、受光部31から出力される電流値を演算処理による補正を行って、補正した電流値を挿入検知手段32に与えてもよい。この場合、補正手段101は、CPU(中央演算装置)が予め定めるプログラムを実行することによって、ソフトウエア的に補正処理を行うことができる。これによって、電気的または機械的に補正する場合に比べて、補正動作を容易に行うことができる。
図13は、本発明の第3実施形態であるディスク駆動装置220の一部を示す断面図である。第3実施形態のディスク駆動装置220は、第1実施形態のディスク駆動装置20と類似の構成を示し、類似の構成については、説明を省略し同様の参照符号を付する。
ディスク駆動装置220に設けられるディスク挿入検知装置221は、第1実施形態のディスク挿入検知装置21に比べて、反射部材200をさらに有する。反射部材200は、光反射性を有する反射面201が形成され、ディスク22が非挿入状態であるときに、投光部36から投光された光を前記反射面201によって、受光部37とは異なる方向に反射する。
具体的には、反射部材200は、光学センサ31に対してシャッタ部材30よりも離れた位置に配置される。光学センサ81の光軸38は、反射部材200に対して、90°とは異なる角度を成して交差する。好ましくは、反射部材200の反射面201によって反射された投光部36からの光は、受光部37から遠ざかる方向に進むことが好ましい。本実施の形態では、反射部材200の反射面201は、光軸38との成す角度θ4が、約30度であって、挿入されるディスク22の厚み方向に延びる。
これによってディスク22が非挿入状態であるとき、投光部36によって投光された光は、反射部材200の反射面201によって反射されて、受光部37に入射することが阻止される。したがってディスク挿入状態とディスク非挿入状態とにおける受光部37の光量差を大きくすることができ、精度よくディスク22の挿入の有無を検知することができる。また上述の光量差を大きくすることで、使用開始から時間が経過して、埃やごみが投光部36および受光部37に付着する場合であっても、ディスク22の挿入状態の誤検知を防ぐことができ、利便性を向上することができる。
以上のように第3実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得られるとともに、ディスク挿入状態とディスク非挿入状態とにおける受光部37の光量差を大きくすることで、さらに精度よくディスク22の挿入の有無を検知することができる。なお、反射部材200は、ディスク駆動装置220の内部空間24を形成する周壁によって実現してもよい。この場合、周壁には、メッキや塗装によって反射率を向上するように形成されてもよい。
図14は、本発明の第4実施形態であるディスク駆動装置320の一部を示す断面図である。第4実施形態のディスク駆動装置320は、第1実施形態のディスク駆動装置20と類似の構成を示し、類似の構成については、説明を省略し同様の参照符号を付する。
ディスク駆動装置320に設けられるディスク挿入検知装置321は、第1実施形態のディスク挿入検知装置21に比べて、吸収部材300をさらに有する。吸収部材300は、光吸収性を有する吸収部301が形成され、ディスク22が非挿入状態であるときに、投光部36から投光された光を前記吸収部301で吸収して、受光部37に投光部36から投光された光が入射することを阻止する。
具体的には、吸収部材300は、光学センサ31に対してシャッタ部材30よりも離れた位置に配置される。光線81の光軸38は、吸収部材300に対して交差する。たとえば吸収部301は、暗色に着色したフェルト紙または不織布によって実現される。
これによってディスク22が非挿入状態であるとき、投光部36によって投光された光は、吸収部材300の吸収部301によって吸収されて、受光部37に入射することが阻止される。したがってディスク挿入状態とディスク非挿入状態とにおける受光部37の光量差を大きくすることができ、精度よくディスク22の挿入状態を判定することができる。また上述の光量差を大きくすることで、使用開始から時間が経過して、埃やごみが投光部36および受光部37に付着する場合であっても、ディスク22の挿入状態の誤検知を防ぐことができ、利便性を向上することができる。さらに吸収部材300の吸収部301が光を吸収することによって、迷光を少なくすることができ、ディスク非挿入状態で受光部37に入射する光の光量をより確実に少なくすることができる。
以上のように、第4実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得られるとともに、ディスク挿入状態とディスク非挿入状態における受光部37の光量差を大きくすることで、さらに精度よくディスク22の挿入の有無を検知することができる。なお、反射部材200は、ディスク駆動装置320の内部空間24を形成する周壁によって実現してもよい。この場合、周壁には、メッキ、暗色塗装または植毛塗装によって予め定める吸収率を有するように形成されてもよい。
図15は、本発明の第5実施形態であるディスク駆動装置420の一部を示す断面図である。第5実施形態のディスク駆動装置420は、第1実施形態のディスク駆動装置20と類似の構成を示し、類似の構成については、説明を省略し同様の参照符号を付する。
ディスク駆動装置420に設けられるディスク挿入検知装置421は、第1実施形態のディスク挿入検知装置21に比べて、変位検出手段である光学センサ31が異なり、投光部36と受光部37とが別体に設けられる。またシャッタ部材30は、遮光性を有する材料によって形成される。投光部36と受光部37とは、対向する位置に配置される。
シャッタ部材30が標準位置に位置する場合には、投光部36によって投光された光は、光軸38に沿って進み、受光部37によって受光される。シャッタ部材30が挿入位置に変位する場合には、投光部36によって投光された光は、シャッタ部材30によって遮光されて受光部37まで達しない。この場合、挿入検知手段32は、受光部37によって出力される電流値が大きい場合にはディスク非挿入状態として検知し、受光部37によって出力される電流値が小さいまたはゼロの場合にはディスク挿入状態として検知する。
このように投光部36および受光部37を配置した場合であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわちディスク22の反射率および透過率のばらつきにかかわらずに、ディスク22の挿入の有無を精度よく検知することができる。たとえばシースルーディスクのように透過率が極めて高いディスクであっても、通常のディスクと同様に、ディスク22の挿入状態を判定することができる。
図16は、本発明の第6実施形態であるディスク駆動装置520の一部を示す断面図である。第6実施形態のディスク駆動装置520は、第1実施形態のディスク駆動装置20と類似の構成を示し、類似の構成については、説明を省略し同様の参照符号を付する。
ディスク駆動装置520に設けられるディスク挿入検知装置521は、第1実施形態のディスク挿入検知装置21に比べて、変位検出手段が異なる。変位検出手段として、接触式センサ531が用いられる。シャッタ部材30が挿入位置に変位する場合には、接触式センサ531にシャッタ部材30が当接する。この場合、挿入検知手段32は、接触し機先531によってシャッタ部材30が当接したことを示す信号が与えられるとディスク挿入状態として検知し、当接したことを示す信号が与えられないとディスク非挿入状態として検知する。また、変位検出手段として用いた接触式センサ531に代えて、光センサ以外の非接触センサを用いてもよい。
たとえば磁気センサを用いてもよい。この場合、シャッタ部材30全体、もしくは一部に磁性材料から成る磁性部分が設けられる。磁気センサとしては、たとえばピックアップコイルまたはホール素子が用いられる。そして、磁気センサに対してシャッタ部材が近接したときと、離反したときとの磁力線の変化を磁気センサによって検出することで、シャッタ部材の変位状態を判断することができる。このように変位検出手段が、光学センサ以外であっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
図17は、本発明の第7実施形態であるディスク駆動装置620の一部を示す図である。図17(1)は、大きいサイズのディスク22Aが挿入される状態を示し、図17(2)は、小さいサイズのディスク22Bが挿入される状態を示す。第7実施形態のディスク駆動装置620は、第1実施形態のディスク駆動装置20と類似の構成を示し、類似の構成については、説明を省略し同様の参照符号を付する。
ディスク駆動装置620に設けられるディスク挿入検知装置621は、第1実施形態のディスク挿入検知装置21に比べて、複数のシャッタ部材30A〜30Cが設けられる。また複数のシャッタ部材30A〜30Cごとに、それぞれ変位検出手段、たとえば光学センサ31A〜31Cがそれぞれ設けられる。各光学センサ31A〜31Cは、各シャッタ部材30A〜30Cの変位をそれぞれ個別に検出する。
シャッタ部材30A〜30Cは、挿入口幅方向Yに並び、それぞれ個別に角変位可能に設けられる。シャッタ部材30A〜30Cは、挿入口幅方向寸法Yよりも小さく、各シャッタ部材30A〜30Cにおける、それぞれの挿入口幅方向寸法Yを加算した寸法が、挿入口幅方向寸法Yとほぼ等しくなる。
なお、本実施の形態では、ディスクの挿入状態を検出するための変位部材として、挿入口23を塞ぐためのシャッタ部材30を用いたが、他の実施形態として変位部材は、シャッタ部材30とは独立して実現されてもよい。この場合、変位部材が挿入口23の幅方向Yにわたって延びて形成される必要はなく、挿入口の一部に形成されていてもよい、言い換えると挿入口と変位部材との間に隙間が形成されていてもよい。たとえば変位部材は、必ずしも板状でなくてもよく、棒状でも櫛状でもよい。また変位部材が可撓性材料によって実現される場合には、複数の変位部材は必ずしも構造的に完全に分離している必要はなく、全体を一枚の板状にしておき、幅方向の各部分毎の変位をそれぞれ個別に検出できるような構成であってもよい。
図17に示すように、大きいサイズのディスク22Aが挿入される場合と、小さいサイズのディスク22Bが挿入される場合とでは、複数のシャッタ部材30A〜30Cのうち変位するシャッタ部材が異なる。たとえば図17に示す場合には、3つのシャッタ部材30A〜30Cが設けられており、大きいサイズのディスク22Aが挿入される場合には、全てのシャッタ部材30A〜30Cが角変位する。これに対して小さいサイズのディスク22Bが挿入される場合には、3つのうち2つのシャッタ部材30A,30Bが角変位する。このようにディスク22の大きさに応じて角変位するシャッタ部材30A〜30Cが異なることによって、シャッタ部材30A〜30Cが変位した数に基づいて、挿入検知手段32は、ディスクの大きさを判断することができる。すなわち挿入検知手段32は、挿入口23から挿入されるディスク33の形状を判断するディスク形状判断手段を兼ねる。
図18は、本発明の第7実施形態の変形例であるディスク駆動装置720に挿入される大形ディスク22Aを示す図であり、図18(1)〜18(8)の順にディスク22Aが挿入搬送される。また図19は、大形ディスク22Aが挿入される場合における各シャッタ部材30A〜30Eの変位状態を示すタイミングチャートである。
ディスク駆動装置720に設けられるディスク挿入検知装置721は、5つのシャッタ部材30A〜30Eが設けられる。またシャッタ部材30A〜30Eごとに、変位検出手段である光学センサ31がそれぞれ設けられる。
各シャッタ部材30A〜30Eは、挿入口幅方向Yに並び、それぞれ個別に角変位可能に設けられる。第1シャッタ部材30Aは、挿入口幅方向Y一方側端部に配置される。第2シャッタ部材30Bは、第1シャッタ部材30Aに隣接し、第1シャッタ部材30Aよりも挿入口幅方向Y他方側Yに配置される。第3シャッタ部材30Cは、第2シャッタ部材30Bに隣接し、第2シャッタ部材30Bよりも挿入口幅方向Y他方側Yに配置される。第4シャッタ部材30Dは、第3シャッタ部材30Cに隣接し、第3シャッタ部材30Cよりも挿入口幅方向Y他方側Yに配置される。第5シャッタ部材30Eは、第4シャッタ部材30Dに隣接し、第4シャッタ部材30Dよりも挿入口幅方向Y他方側Yに配置される。各シャッタ部材30A〜30Eは、挿入口幅方向に関して対称にそれぞれ配置される。
また各シャッタ部材30A〜30Dは、ディスク非挿入時に位置する標準位置に復帰するような復元力、たとえばばね力がそれぞれ個別に与えられる。各シャッタ部材30A〜30Dは、挿入されるディスク22の幅方向Y位置に応じて、ディスク22によって与える力を異ならせる。これによって、ディスク22が同じ力で挿入されたときに、挿入されるディスク22の幅方向Y位置に応じて、変位する変位量が各シャッタ部材30A〜30Dによって異なる。本実施の形態では、幅方向中央の第3シャッタ部材30Cに与えられるばね力が、残余のシャッタ部材30A,30B,30D,30Eに与えられるばね力よりも相対的に小さく設定される。また、複数のシャッタ部材30A〜30Dのうち、挿入口23の幅方向端部寄りのシャッタ部材30は、幅方向中央部寄りのシャッタ部材に比べて段階的に大きいばね力が与えられる。
具体的には、第3シャッタ部材30Cに与えられる第1ばね力F1が最も小さい。また第1および第5シャッタ部材30A,30Eに与えられる第3ばね力F3が小さい。また第2および第4シャッタ部材30B,30Dに与えられる第2ばね力F2は、第1ばね力F1よりも大きく、第3ばね力F3よりも小さい(F1<F2<F3)。このように各シャッタ部材30A〜30Eに与えられるばね力は、幅方向中央部に向かうにつれて小さくなるように設定される。
なお、シャッタ部材30にばねを固定せずに、シャッタ自身の重量によって、標準位置に復帰するようにしてもよい。この場合、幅方向中央部寄りのシャッタ部材30の重量を幅方向端部寄りのシャッタ部材30に対して、軽くすることで中央部の復元力を小さくすることができる。またシャッタ部材30に可撓性材料を用いる場合には、材料自体の弾性復元力を利用して復元力を異ならせてもよい。たとえば、材料の厚さを中央部と両端部とで変化させることによって、復元力を調整することができる。もちろん、可撓性材料の場合、複数の変位部材は、構造的に分断されている必要はない。
したがって挿入されるディスク22は、自然にばね力の小さい部分から挿入口23に引き込まれる力を受ける。そして意図しない方向から無理にディスク22が挿入されることを防ぐことができ、ディスク22が挿入途中でディスク駆動装置内の構成部品に引っ掛かることを未然に防止することができる。
本実施の形態では、ディスク22は自然に幅方向中央部から挿入口23に引き込まれていく。これによってディスク22が幅方向中央部からずれて挿入されることを防ぎ、ディスク22の引込みを円滑に行うことができる。またディスク22を搬送するために、挿入口形成部26に臨んで、幅方向に延びる搬送ローラ25が設けられる場合、搬送ローラ25の幅方向中央部がディスク22に最初に接触するので、以降の搬送ローラによるディスク22の引込みを円滑に行うことができる。
大形ディスク22Aが挿入口23から内部空間24に挿入される場合、図18(2)に示すように、ディスク22Aは、第3シャッタ部材30Cに最初に当接して、第3シャッタ部材30Cが開く。次に、ディスク22Aは、作業者によってさらに挿入されて、図18(3)に示すように、第2および第4シャッタ部材30B,30Dに当接して、第2および第4シャッタ部材30B,30Dが開く。制御装置は、第2および第4シャッタ部材30B,30Dが開くと、搬送ローラ25が回転を開始させる。そしてディスク22Aは、搬送ローラ25によって挟持搬送され、作業者の力を借りることなく以後の搬送が行われる。次に、図18(4)に示すように、第1および第5シャッタ部材30A,30Eに当接して、第1および第5シャッタ部材30A,30Eが開く。
そしてディスク22Aが、半分以上内部空間24に挿入されると、ディスク22Aのうち挿入口23を通過する部分の幅方向寸法がディスク22Aの直径よりも小さくなる。そして、図18(5)〜図18(7)に示すように、第1および第5シャッタ部材30A,30E、第2および第4シャッタ部材30B,30D、第3シャッタ部材30Cの順で、ディスク22Aとの当接が解除されて、順番に閉じていく。そして搬送ローラ25は、最後のシャッタ部材30が閉じることによって、全てのシャッタ部材30が閉じてから予め定める時間が経過すると、回転を停止する。
図20は、ディスク駆動装置720に挿入される小形ディスク22Bを示す図であり、図20(1)〜図20(8)の順にディスク22Bが挿入搬送される。また図21は、小形ディスク22Bが挿入される場合における各シャッタ部材30A〜30Eの変位状態を示すタイミングチャートである。
各シャッタ部材30A〜30Eは、隣接する3つのシャッタ部材30A〜30Eを足し合わせた挿入口幅方向長さが、小形ディスク22Bの直径よりも大きく形成される。これによって小形ディスク22Bが挿入口23を完全に通過したとしても、小形ディスク22Bに当接しないシャッタ部材が存在する。
小形ディスク22Bが挿入口から内部空間24に挿入される場合、図20(2)に示すように、ディスク22Bは、第3シャッタ部材30Cに最初に当接して、第3シャッタ部材30Cが開く。次に、ディスク22Aは、作業者によってさらに挿入されて、図20(3)に示すように、第2および第4シャッタ部材30B,30Dに当接して、第2および第4シャッタ部材30B,30Dが開く。制御装置は、第2および第4シャッタ部材30B,30Dが開くと、搬送ローラ25が回転を開始させる。そしてディスク22Aは、搬送ローラ25によって挟持搬送され、作業者の力を借りることなく以後の搬送が行われる。次に、図20(4)に示すように、第1および第5シャッタ部材30A,30Eに当接することなく、搬送される。
そしてディスク22Bが、半分以上内部空間24に挿入されると、ディスク22Bのうち挿入口23を通過する部分の幅方向寸法がディスク22Bの直径よりも小さくなる。そして、図20(5)〜図20(7)に示すように、第2および第4シャッタ部材30B,30D、第3シャッタ部材30Cの順で、ディスク22Aとの当接が解除されて、順番に閉じていく。また搬送ローラ25は、最後のシャッタ部材30が閉じることによって、全てのシャッタ部材30が閉じてから予め定める時間が経過すると、回転を停止する。
図18〜図21に示すように、ディスク22の直径に応じて、第1および第5シャッタ部材30A,30Eの開閉状態が異なる。したがって各シャッタ部材30A〜30Eの開閉状態を判断することによって、ディスク22の直径を判断することができる。本実施の形態の挿入検知手段32は、光学センサ31が検出した各シャッタ部材30A〜30Eのそれぞれの変位状態に基づいて、挿入口23から挿入されるディスク22の形状を判断するディスク形状判断手段となる。また挿入検知手段32は、各シャッタ部材30A〜30Eが開いてから閉じるまでの時間間隔を判断することによっても、ディスク22の直径を判断することができる。また注目するシャッタ部材が開閉してから、注目するシャッタ部材または注目するシャッタ部材と異なるシャッタ部材が開閉するまでの時間間隔を判断することによっても、ディスク22の直径を判断することができる。
また挿入検知手段32は、各シャッタ部材30A〜30Eのうち開いているシャッタ部材と閉じているシャッタ部材とを判断することによって、挿入口23を通過する部分のディスク22の幅を求めることができ、ディスク22のうち、挿入口23から内部空間24に進入している部分のおおよその長さ、いわゆるおおよその挿入深さを求めることができる。このように挿入検知手段32が、ディスク22の形状を判断することによって、ディスク駆動装置は、ディスク形状に応じた適切な処理を行うことができる。
図22は、挿入口23に異物800が挿入された場合を示す図である。本実施の形態では、第2〜第4シャッタ部材30B,30C,30Dのすべてが開くことによって、搬送ローラ25の回転が開始される。したがって細長い棒状体が挿入口23に挿入されたとしても、1つのシャッタ部材30Dしか開かず、搬送ローラ25が回転することがない。
このようにディスク22とは形状の異なる異物が挿入口23に挿入された場合には、ディスク22に応じて開くべきシャッタ部材が開かないので、制御装置は、搬送ローラ25による回転を開始することがない。これによって異物が内部空間24に搬送されることを防ぐことができる。
図23は、大形ディスク22Aと小形ディスク22Bとが挿入口23を通過して第1所定時間T1経過した状態を示す図である。上述したディスク挿入搬送動作のステップa8に示すように、ディスク駆動装置20は、シャッタ部材30が閉じてから、第1所定時間T1が経過したときにディスク22がディスク装填状態でないと、エラー処理を行う。
ただし、第1所定時間T1が経過した場合であっても、大形ディスク22Aと小形ディスク22Bとでは、ディスク挿入方向先端部701A,701Bの挿入方向位置705A,705Bが異なる。
たとえば本実施の形態では、図23に示すように、装填状態検出センサ700が、大形ディスク挿入方向先端部701Aの挿入方向位置705Aと、小形ディスク挿入方向先端部701Bの挿入方向位置705Bとの間に配置される。この場合、第1所定時間T1を大形ディスク22Aに合わせて設定すると、第1所定時間T1が経過したとき、図23に示すように、大形ディスク22Aは装填状態検出センサ700を通過し、小形ディスク22Bは装填状態検出センサ700を通過していない。これによって第1所定時間T1が経過したときに、装填状態検出センサ700は、大形ディスク22Aが装填されたことを判断することができるが、小形ディスク22Aが装填されたことを判断することができず、エラー処理が行われてしまう可能性がある。また第1所定時間T1を小形ディスク22Bに合わせて設定すると、大形ディスク22Aが途中で引っ掛かった場合でも、少なくとも、小形ディスク22Bの先端部が、装填状態検出センサ700の配置位置に移動するであろう時間に達するまで、エラー処理を待機する必要があり、異常を検出するのに時間が掛かり、ダメージが大きくなる可能性がある。
そこで挿入検知手段32が、ディスク形状判断手段を兼ねる場合、大形ディスク22Aと小形ディスク22Bとのいずれかを判断する。そして、大形ディスク22Aが挿入されたと判断した場合には、大形ディスク22Aに合わせた大形ディスク用第1所定時間T1Aを用い、小形ディスク22Aが挿入されたと判断した場合には、小形ディスク22Bに合わせた小形ディスク用第1所定時間T1Bを用いるようにする。これによって大形ディスク22Aと小形ディスク22Bとで、適切な判定時間を設定することができ、引っ掛かりなどの挿入異常が生じたときに、最短の時間でエラー判定を行うことができ、ディスク22および搬送機構に与えるダメージを最小限にすることができる。また、ディスク形状に応じた適切な処理として、所定第1時間T1を変化させることについて説明したが、他の動作を変更してもよい。またたとえば小形ディスク非対応のディスク駆動装置では、挿入口23に挿入されるディスクが、小形ディスク22Bであった場合には、挿入途中で、小形ディスクであることを判断することで、挿入動作を中止し、小形ディスク22Bの排出動作を行うようにしてもよい。
図24は、装填状態検出センサ700の変形例を示す図である。装填状態検出センサ700は、大形ディスク22Aの装填状態を検出する大形ディスク用装填状態検出センサ700Aと、小形ディスク22Bの装填状態を検出する小形ディスク用装填状態検出センサ700Bとを含んで形成される。各装填状態検出センサ700A,700Bは、互いに配置位置が異なり、第1所定時間T1が経過したときに各ディスク22A,22Bの装填状態を検出できるような位置にそれぞれ配置される。
この場合、第1所定時間T1が経過したときに、大形ディスク22Aが挿入されたと判断した場合には、大形用装填状態検出センサ700Aを用い、小形ディスク22Aが挿入されたと判断した場合には、小形用装填状態検出センサ700Bを用いるようにする。これによってもディスク22A,22Bの形状にかかわらずに、最短の時間でエラー判定を行うことができ、ディスク22および搬送ローラ25などの搬送機構に与えるダメージを抑えることができる。
またピックアップ704を用いて、装填状態検出センサ700を達成してもよい。この場合、図23に示すように、挿入検知手段32によって判定されたディスク径に基づいて、装填完了を検出するためのピックアップ704の待機位置を調整する。この場合も、2つの装填状態検出センサ700A,700Bを用いる場合と同様の効果を得ることができる。またピックアップ704は、精度よくディスク半径方向に移動させることができるので、ディスク22の装填完了の有無を精度よく検出することができ、ディスク22が僅かにずれて装填された異常状態についても検出することが可能となる。さらに、2つの装填状態検出センサ700A,700Bを用いる必要がないので、エラー時の被害を抑えることができるとともに、ディスク駆動装置の構成を簡単化することができる。
図25は、本発明の第8実施形態であるディスク駆動装置820の一部を示す図である。第8実施形態のディスク駆動装置820は、第1実施形態のディスク駆動装置20と類似の構成を示し、類似の構成については、説明を省略し同様の参照符号を付する。
ディスク駆動装置820は、挿入口23を開閉可能に塞ぐシャッタ部材830が設けられる。シャッタ部材830は、シャッタ部材830を駆動する駆動手段から動力が与えられることによって挿入口23を開閉する。駆動手段は、ディスク駆動装置820の制御手段によって制御される。制御手段は操作パネルなどの操作手段からディスクのインサートおよびイジェクト要求が与えられると、その要求に応じて駆動手段を制御する。
またディスク駆動装置820は、第1実施形態と同様の光学センサ31を有する。光学センサ31は、予め定める光軸38が、ディスク22の挿入方向に対して垂直となるように、収容空間24内に配置される。言い換えると、ディスク22のデータ記録面と反対側のレーベル面に対して、垂直となるように光軸38が配置される。本実施の形態では、挿入されるディスク22よりも上方に配置される。また光学センサ31の投光部36は、ビーム光に比べて散乱する散乱光を発する。またディスク駆動装置820は、第3実施形態と同様の反射部材200を有する。
これによって図25(1)に示すように、ディスク22が挿入されていない状態では、投光部36から投光された光は、ディスク22が通過するであろうディスク挿通領域を挿通し、反射部材200に達する。反射部材200は、受光部37とは異なる方向に投光部36からの光を乱反射する。これによって受光部37は受光量が小さくなる。
また図25(2)に示すように、ディスク22が挿入された状態では、投光部36から投光された光は、ディスク挿通領域を移動するディスク22に入射し、ディスク22から反射して、受光部37に受光される。これによって受光部37は受光量が大きくなる。
受光部37は、受光量に応じた出力値、本実施の形態では出力電圧を出力し、挿入検知手段32に与える。したがって挿入検知手段32は、受光部37から与えられる出力電圧が大きいと受光部37が受光した受光量が大きく、受光部37から与えられる出力電圧が小さいと受光部37が受光した受光量が小さいと判断する。
挿入検知手段32は、受光部37から与えられる出力電圧が、図8に示す、ディスク22が挿入されるであろう挿入検出領域と、ディスク22が挿入されないであろう非挿入検出領域と、前記挿入検出領域および前記非挿入検出領域の間となる不感帯とのいずれに属するかを判断する。
そして出力電圧が非挿入検出領域に属していると、ディスク非挿入状態であると検知する。また出力電圧が挿入検出領域に属していると、ディスク挿入状態であると検知する。また出力電圧が不感帯に属していると、ディスク挿入状態の変更はないと判断して、以前の挿入状態であると検知する。
このように不感帯が設定されることによって、光学センサ31の出力電圧が微量変動した場合に、検知状態が頻繁に切換る状態を防ぐことができ、ひいてはチャタリングを防ぐことができる。また不感帯が設定されることによって、ディスク22の透過率および反射率が異なる場合であっても、ディスク22の挿入有無の誤検知を防ぐことができる。また本実施の形態では、ディスク駆動装置は、挿入検出領域、前記非挿入検出領域および前記不感帯を設定する設定手段を含む。
図26は、本実施の形態における挿入検出領域、非挿入検出領域および不感帯の設定を説明するための図である。光学センサ31の出力能力のばらつきに応じて、第2実施形態では光学センサ31の調整値を変更したが、第8実施形態では各しきい値C1,C2を変更する。本実施の形態では、設定手段は、ディスク22が挿入口23に挿入されていない状態における光学センサ31の初期出力値C0を取得し、その初期出力値C0に基づいて予め定められる設定規則に従って、前記挿入検出領域、前記非挿入検出領域および前記不感帯を設定する。たとえば光学センサ31の出力能力A〜Dがそれぞれ異なる場合、出力能力が低い光学センサAから高い光学センサDになるにつれて、第1しきい値C1および第2しきい値C2が高くなるように設定する。言い換えると、設定手段は、シャッタ部材830によって挿入口23を塞いだ状態でディスク22が挿入されていない状態における受光部37の初期出力値C0を取得して、設定出力値となる第1しきい値C1および第2しきい値C2を設定する。
本実施の形態では、設定手段は、初期出力値C0を予め定められる演算式に代入することによって、上述する第1しきい値C1および第2しきい値C2を演算する。第1しきい値C1および第2しきい値C2を決定することで、挿入検出領域、非挿入検出領域および不感帯の各範囲を決定することができる。ここで、第1しきい値C1以下の領域が非挿入検出領域となり、第2しきい値C2以上の領域が挿入検出領域となり、第1しきい値C1を超えて、第2しきい値未満の領域が不感帯となる。
具体的には、設定手段は、初期出力値C0に予め定める第1係数αを加算した値(α・C0)を第1しきい値C1とし、初期出力値C0に予め定める第2係数βを加算した値(β・C0)を第2しきい値C2とする。なお、このような演算式は、一例であって他の演算式に初期出力値C0を代入することによって、各しきい値C1,C2を求めてもよい。また予め実験などによって初期出力値C0に対して最適な各しきい値C1,C2を求めておき、関係が示されるデータベースを用いて、初期出力値C0から各しきい値C1,C2を決定してもよい。このようにして求めることによって、光学センサ31の能力に応じた挿入検出領域、非挿入検出領域および不感帯を決定することができ、光学センサ31の能力のバラツキなどにかかわらずに、ディスク22の挿入有無の誤検知を防ぐことができる。
図27は、設定手段における設定動作を示すフローチャートである。設定手段は、ディスク駆動装置に電源が投入されるなどして、ディスク駆動装置の始動を判断すると、設定動作を開始し、ステップb1に進む。ステップb1では、設定手段は、ディスク22が挿入口23に挿入された状態か否かを判断する。たとえばピックアップ出力、操作パネルにおけるボタン操作などによって、設定手段は、ディスク22が挿入口23に挿入された状態か否かを判断することができる。設定手段が、光センサ31以外の手段によって、ディスクの非挿入状態を判断すると、ステップb2に進む。
ステップb2では、設定手段は、光学センサ31から初期出力値C0を取得し、初期出力値C0を取得すると、ステップb3に進む。ステップb3では、上述したように予め定められる設定規則に従って、初期出力値C0から各しきい値C1,C2を計算し、計算すると、ステップb4に進む。ステップb4では計算した各しきい値C1,C2を記憶し、設定動作を終了する。このような設定動作は、ディスク駆動装置の始動のたびに行われることによって、ディスク挿入検知の誤検出をより確実に防ぐことができる。
図28は、図25のS27−S27切断面線から見たディスク駆動装置820を示す断面図である。図29(1)は、大形ディスク22Aが挿入された状態を示し、図29(2)は、小形ディスク22Bが挿入された状態を示す図である。
光学センサ31は、ディスク22が挿入される場合に、ディスク22の幅方向Y中央位置に配置される。またディスク駆動装置820は、ディスクの幅方向寸法を検出するための形状検出手段805が設けられる。形状検出手段805は、ディスクの幅方向寸法を判断するための検出手段となる。なお、ディスクの形状を検出するために、図17などに記載した複数のシャッタ部材30A〜30Dの変位状態から判断することも可能である。
本実施の形態では、形状検出手段805は、挿入口の幅方向Y両側にそれぞれ配置され、挿入されるディスク22の周縁部に当接する当接部803と、当接部803を挿入方向に変位可能に弾発的に支持するばね力発生手段と、当接部803の幅方向Yの変位を検出する位置検出手段とを含む。
図29(1)に示すように、大形ディスク22Aが挿入された場合、当接部803は、大形ディスク22Aの周縁部に当接しながら幅方向外側に移動する。そして当接部803が、ディスク22が挿入されていない自然状態から幅方向Y外側に予め定める移動量dぶん移動すると、位置検出手段は、大形ディスク22Aが挿入されたことを示す情報を挿入検知手段32に与える。
図29(2)に示すように、小形ディスク22Bが挿入される場合、当接部803と小形ディスク22Bの周縁部とは、当接しないか、当接したとしても予め定める移動量dぶん移動しないので、位置検出手段は、大形ディスク22Aが挿入されたことを示す情報を挿入検知手段32に与えることはない。
図30(1)は、ディスクアダプタ22Cを示す正面図であり、図30(2)は、ディスクアダプタ22Cに小形ディスク22Bが装着された状態を示す。ディスクアダプタ22Cは、リング状に形成され、8cmコンパクトディスクである小形ディスク22Bを、12cmコンパクトである大形でディスク22Aの外径にそろえるためのものである。ディスクアダプタ22Cに小形ディスク22Bが装着されることによって、大形ディスク専用のディスク駆動装置であっても、小形ディスク22Bを駆動することができる。
ディスクアダプタ22Cは、小形ディスク22Bが挿入されるディスク挿入空間が形成される。またアダプタ22Cの内周部には、小形ディスク22Bを装着するための装着部902が形成される。さらにディスクアダプタ22cには、装着を容易にするための可撓化、軽量化またはデザイン性などのために、挿通孔900が形成される。本実施の形態では、ディスクアダプタ22Cは、表面が黒色に色付けられる。
図31は、大形ディスク22Aが挿入口23を通過する場合における光学センサ31の出力電圧の時間変化を示す図である。ディスク22が移動することによって、光学センサ31の投光部36から投光された光がディスク22に入射する入射位置は、ディスク22のレーベル面に対して半径方向に移動する。そしてディスクに形成されるセンタ穴910上を移動し、再びディスク22のレーベル面に対して半径方向に移動する。光の入射位置がディスク22のレーベル面上にあるときには、出力電圧は、第2しきい値C2以上となる。また入射位置がセンタ穴910上にあるときには、ディスク非挿入状態と同様に光が反射部材200に達するので、出力電圧は、第1しきい値C1以下となる。これによって出力電圧の時間変化は、図31に示すように、第2しきい値C2以上を継続した状態から、第1しきい値C1以下となり、再び第2しきい値C2以上を継続した後、第1しきい値C1以下となる。
図32は、小形ディスク22Bが装着されたディスクアダプタ22Cが挿入口23通過する場合における光学センサ31の出力電圧の時間変化を示す図である。この場合、光の入射位置がディスクアダプタ22Cの表面上にあるときには、出力電圧は、第2しきい値C2以上となる。また入射位置が挿通孔900上を移動するときには、第1しきい値C1以下となる。これによって出力電圧の時間変化は、入射位置が挿通孔900上を通過する場合、図32に示すように、第2しきい値C2以上を継続した状態から、挿通孔900によって第1しきい値C1以下となり、再び第2しきい値C2以上を継続した後、センタ穴910によって第1しきい値C1以下となる。次に、再び第2しきい値C2以上を継続した後、挿通孔900によって第1しきい値C1以下となり、再び第2しきい値C2以上を継続した後、第1しきい値C1以下となる。
図33は、入射位置が挿通孔900を挿通する場合の電圧の時間変化を拡大して示す図である。挿通孔900は、ディスク22の中心に形成されるセンタ穴910に比べて小さく形成される。したがって入射位置が挿通孔900上を移動する場合には、入射位置がセンタ穴910上を移動する場合に比べて、出力電圧がなだらかに変化する。言い換えると、時間経過にともなう出力電圧の変化が大きい。したがってサンプリング時間間隔t1〜t6ごとの出力電圧X1〜X3を調べると、任意の時刻tiにおける出力電圧Xiと、その1つサンプリング時間間隔以前の時刻ti-1における出力電圧Xi−1との電圧差(|Xi−Xi-1|)が予め定める穴検出しきい値Yよりも大きければ、入射位置が挿通孔900を通過していることが判断できる。また前記電圧差(|Xi−Xi-1|)が予め定める穴検出しきい値Yよりも小さければ、入射位置がセンタ穴910を通過していると判断することができる。
別の方法として、出力電圧が第1しきい値C1を下回っている時間が、予め定める所定値より短い場合に、入射位置がセンタ穴910以外を通過していると判断してもよい。また出力電圧が第1しきい値C1以下であるが、第3しきい値C3以上の状態が、予め定める所定時間以上続いた場合に、入射位置がセンタ穴910以外を通過していると判断してもよい。なお第3しきい値C3は、第1しきい値C1よりも小さく設定され、かつディスク挿入時電流Aよりも大きく設定される。
また8cmディスクと12cmディスクとを判別する場合、挿入状態になってから8cmディスクのセンタ穴910に達するであろう所定時間に達するまでに、ディスク非挿入状態が検出された場合には、挿通孔900として判断してもよい。また出力電圧が変化する立ち上り時および立ち下がり時において、場合の時間あたりの電圧変化量である傾きが、所定値以上の場合にはセンタ穴910と判断し、所定値未満の場合には挿通孔900と判断してもよい。また上述した方法を2つ以上併せて、センタ穴910と挿通孔900とのいずれかを判断してもよい。
図34は、ディスク駆動装置820に設けられる制御装置のディスク挿入搬送動作を示すフローチャートである。制御装置は、電源が投入されるなどしてディスク搬送動作の準備が完了すると、ステップc1に進む。ステップc1では、制御装置は、イジェクトボタンなどが操作されるなどして、ディスクの挿入要求があることを判断すると、シャッタ部材830を動作させて、挿入口23を開き、ステップc2に進む。
そのほかに、シャッタ部材開閉スイッチが設けられる場合、ユーザがディスクを挿入するために、シャッタ部材30を開く操作を、シャッタ部材開閉スイッチに対して行った場合に、挿入要求を判断してもよい。なお、この実施形態において、シャッタ部材開閉スイッチは、必須な構成ではなくディスクの挿入の要求を検知できるものであれば他の手段であってもよい。
ステップc1においては、挿入要求がない状態では、挿入要求があるまで待機する。
ステップc2では、制御装置は、挿入検知手段32から与えられる信号に基づいて、具体的には、出力電圧が第2しきい値C2以上となったことを示す信号に基づいて、ディスク挿入状態になったことを判断し、ステップc3に進む。ローラ駆動手段に回転指令を与え、一対のローラ25を回転させる。これによって挿入口23に挿入されたディスク22は、利用者の助けを借りることなく、内部空間24の装填位置に向けて搬送される。そしてステップc4に進む。ステップc4では、制御装置は、挿入検知手段32から与えられる信号に基づいて、具体的には、出力電圧が第1しきい値C1以下となったことを示す信号に基づいて、投光部36から投光された光がディスクに形成される穴を通過したことを判断し、ステップc5に進む。
ステップc5では、制御装置は、出力電圧変化が予め定められる穴検出しきい値Y以下であるかどうかを調べ、出力電圧変化が予め定められる穴検出しきい値Y以下であると、投光部36から投光された光がセンタ穴910を通過していることを判断し、ステップc6に進む。ステップc6では、入射位置がセンタ穴910上を通過しているときにおけるディスクの幅方向寸法、すなわち最も幅方向寸法が大きくなる場合の幅方向寸法を形状検出手段805の信号に基づいて求める。形状検出手段805から与えられる信号に基づいて、大形ディスク22Aかどうかを判断し、ステップc5において、形状検出手段805から与えられる信号から、大形ディスク22Aであることを判断すると、ディスク22の挿入動作を継続し、ディスクが装填位置に装填されると動作を終了する。
またステップc6において、形状検出手段805から与えられる信号から、大形ディスク22Aでないことを判断すると、ステップc7に進み、小形ディスクであることを判断して、ローラ25による排出動作を行って、小形ディスクを排出し、動作を終了する。
またステップc5において、出力電圧変化が穴検出しきい値Y値以上であると、センタ穴910ではなくて挿通孔900による出力電圧変化であることを判断し、形状検出手段805による形状判定を行わなず、ステップc4に戻る。これによって小形ディスク22Bにディスクアダプタが装着された場合であっても精度よく検出することができる。またステップc2において出力電圧が第2しきい値C2以上でない場合には、ステップc8に進む。ステップc8では、挿入要求があってから所定時間経過しても出力電圧が第2しきい値C2以上とならないと、ステップc1に戻る。
このように本実施の形態によると、光学センサ31の能力のばらつきや、ディスク表面の反射率および透過率に拘わらずに、正確にディスクの有無を検出することができる。これによってディスクの挿入動作をスムーズに行うことができる。またディスク駆動装置が小形のディスク22Bに対応していない場合、小形ディスク22Bを排出することができるとともに、小形ディスク22Bがディスクアダプタに装着されたディスクについては、挿通孔900とセンタ穴910との誤検出をなくし、通常の大形ディスク22Aと同様にディスク駆動が可能とすることができる。また本実施の形態では、制御装置が挿入検知手段と形状検出手段とに基づいて、ディスク形状を判断した。これに対して挿入検知手段が、形状検出手段の検出結果に基づいて、ディスク形状を判断してもよい。
以上のような本発明の実施の形態は、発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえばディスク駆動装置は、ディスク22に記憶される情報を読み出すとしたが、ディスク22を予め定める装填位置に収容して処理する装置であればよく、ディスク22に情報を書き込む装置であってもよい。またディスク22の例示としてCDまたはDVDを示したが、それら以外のディスクであってもよい。たとえばカセットテープ、ミニディスク、フレキシブルディスクなどの、持ち運び可能な記憶媒体であってもよい。また本実施の形態では、変位部材として挿入口23を塞ぐシャッタ部材を用いたが、シャッタ部材とは別の変位部材を用いてもよい。また制御装置、挿入検知手段、補正手段および設定手段などの各手段は、予め定められるプログラムを中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)が実行することによって実現してもよい。