JP2006200610A - 樹脂部材の締結構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 二つの樹脂部材を迅速且つ確実に締結することが可能な樹脂部材の締結構造を提供する。
【解決手段】 第一の樹脂部材40に突設された嵌合爪12と、第二の樹脂部材50に設けられた嵌合部14とを備えた樹脂部材の締結構造において、嵌合爪12は、薄肉ヒンジ30によって回動自在な一対の可動脚20と、嵌合部14の縁部と係止する係止段部22と、可動脚20の先端側に形成された傾斜部24と、傾斜部24のそれぞれの先端側を薄肉ヒンジ32を介して山形に接続すると共に山形の先端頂上部に薄肉ヒンジ34を有して構成された連結支持部26とを有している。嵌合爪12と嵌合部14との嵌合力を高めるためには、係止段部22と嵌合部14の縁部とを係止した状態で、連結支持部26を挿入方向奥側(Y1側)へ向けて先尖り状に突出した第一の状態から傾斜部24に囲まれた内側へ収容された第二の状態に反転させる。
【選択図】 図5
【解決手段】 第一の樹脂部材40に突設された嵌合爪12と、第二の樹脂部材50に設けられた嵌合部14とを備えた樹脂部材の締結構造において、嵌合爪12は、薄肉ヒンジ30によって回動自在な一対の可動脚20と、嵌合部14の縁部と係止する係止段部22と、可動脚20の先端側に形成された傾斜部24と、傾斜部24のそれぞれの先端側を薄肉ヒンジ32を介して山形に接続すると共に山形の先端頂上部に薄肉ヒンジ34を有して構成された連結支持部26とを有している。嵌合爪12と嵌合部14との嵌合力を高めるためには、係止段部22と嵌合部14の縁部とを係止した状態で、連結支持部26を挿入方向奥側(Y1側)へ向けて先尖り状に突出した第一の状態から傾斜部24に囲まれた内側へ収容された第二の状態に反転させる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、樹脂部材の締結構造に係り、特に、第一の樹脂部材に嵌合爪を突設すると共に第二の樹脂部材にはこの嵌合爪が嵌合する嵌合孔等の嵌合部を貫設した樹脂部材の締結構造に関する。
従来から、二つの樹脂部材を互いに締結する構造として、第一の樹脂部材に嵌合爪を突設すると共に、第二の樹脂部材に嵌合爪が嵌合可能な嵌合孔を貫設した樹脂部材の締結構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1には、第一の樹脂部材としてのスプラッシュガードと第二の樹脂部材としての自動車バンパーとを、別部材からなるクリップを用いて締結する樹脂部材の締結構造が開示されている。
この特許文献1に記載の例について説明すると、スプラッシュガードには、第1貫通孔が穿設されており、自動車バンパーには、上記第1貫通孔と対応する位置に取付孔が穿設されている。
クリップには、基板が設けられており、この基板の中央には、スプラッシュガードの第1貫通孔内を通過して自動車バンパーの取付孔に係止する拡径可能な係止脚が設けられている。
また、基板の縁側には、薄肉ヒンジを介して折り返し可能であると共に係止脚の内側に挿入されて係止脚を拡径する固定ピンが設けられている。
そして、上記構成からなる樹脂部材の締結構造を用いてスプラッシュガードと自動車バンパーとを締結する場合には、スプラッシュガード及び自動車バンパーを重ね合わせた状態でクリップの係止脚を第1貫通孔及び取付孔に順に挿入して係止脚を取付孔に仮止めする。
続いて、この状態から固定ピンを折り返して係止脚の内側に挿入する。このようにすると、係止脚が拡径して係止脚と取付孔とが嵌合される。これにより、スプラッシュガードと自動車バンパーとが締結される。
特開2002−276625公報
しかしながら、特許文献1に記載の例では、固定ピンを薄肉ヒンジで折り返して(回動させて)係止脚の内側に挿入する構成であるので、固定ピンを折り返して係止脚の内側に挿入する際に固定ピンが係止脚の内側に斜め方向から進入する。
このため、係止脚の内側に固定ピンの先端部が引っ掛かるなどして係止脚の内側に固定ピンを円滑に挿入できず、スプラッシュガードと自動車バンパーとを迅速に締結することができないことがあった。
また、固定ピンを折り返し可能とする薄肉ヒンジの折り返し屈曲部が所望の位置からずれた場合には、係止脚の内側へ向けて折り返した固定ピンの位置と係止脚の内側の孔位置とが不一致となる。このため、係止脚の内側に固定ピンを挿入することが困難となり、スプラッシュガードと自動車バンパーとを確実に締結することができないことがあった。
このため、樹脂部材の締結工程では、二つの樹脂部材を迅速且つ確実に締結することができ、作業効率を向上させることが可能な樹脂部材の締結構造が望まれていた。
さらに、特許文献1に記載の例では、第一の樹脂部材と第二の樹脂部材を締結するのに別部材からなるクリップを用いていたため、部品点数の増加に伴い、コストアップになるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来の構成に比して、部品点数削減によりコストダウンが可能であり、二つの樹脂部材を迅速且つ確実に締結することにより作業効率を向上させることが可能な樹脂部材の締結構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の樹脂部材の締結構造は、第一の樹脂部材に突設された嵌合爪と、前記第一の樹脂部材と対向して配置される第二の樹脂部材に設けられ前記嵌合爪が嵌合する嵌合部と、を備え、前記嵌合爪は、一端が前記第一の樹脂部材に第一のヒンジを介して一体に連結され互いに対向する一対の可動脚と、前記可動脚のそれぞれの長手方向中間部に形成され前記嵌合部への挿入後に前記嵌合部の縁部と係止して前記可動脚の抜け方向移動を阻止する係止段部と、前記可動脚のそれぞれの先端側に形成され先端側から後端側に向かうに従って前記嵌合部の径方向外側へ向かう傾斜部と、前記傾斜部のそれぞれの先端側を第二のヒンジを介して山形に接続すると共に山形の先端頂上部に第三のヒンジを有して構成され、挿入方向奥側へ向けて先尖り状に突出した第一の状態から前記可動脚に囲まれた内側へ収容され前記可動脚を前記嵌合部の径方向外側へ押圧する第二の状態に反転可能な連結支持部と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載の樹脂部材の締結構造では、第一の樹脂部材と第二の樹脂部材を重ね合わせるようにして嵌合爪を嵌合部に挿入していくと、先ず、挿入方向奥側に向けて先尖り状に突出した連結支持部が嵌合部の内側を通過する。その後に、傾斜部が嵌合部の縁部と摺接することによって一対の可動脚が互いにその先端部が近づくように回動する。
この状態から、嵌合爪を嵌合部の奥側にさらに挿入し、嵌合爪の傾斜部が嵌合部の縁部を乗り越えると、連結支持部が元の形状に復元しようとする復元力が可動脚の先端側に作用する。また、これと同時に、第一のヒンジが発揮する弾性力が可動脚の根元側に作用する。
これにより、一対の可動脚が互いに平行となる元の位置に戻って係止段部が嵌合部の縁部に係止されて嵌合爪と嵌合部とが嵌合される。
この状態から、挿入方向奥側へ向けて先尖り状に突出した第一の状態にある連結支持部を可動脚に囲まれた内側へ収容するように反転させて第二の状態とする。
連結支持部が可動脚に囲まれた内側へ収容された第二の状態となると、連結支持部が第二の状態から第一の状態側に復元しようとする。従って、この連結支持部が発揮する復元力により可動脚が嵌合部の径方向外側へ押圧される。
これにより、係止段部が嵌合部の縁部に強固に係止されるので、嵌合爪と嵌合部との嵌合力が高められ、嵌合爪と嵌合部の抜けが防止される。
このとき、第一の状態にある連結支持部は、可動脚の挿入方向奥側(上側)へ向けて先尖り状に突出した状態から、第二の状態への反転を伴って、可動脚に囲まれた内側へ真っ直ぐに挿入される。
従って、連結支持部を第一の状態から第二の状態に反転させるときに連結支持部が可動脚と干渉することを防止できる。これにより、連結支持部を第一の状態から第二の状態に円滑に反転させることができるので、第一の樹脂部材と第二の樹脂部材とを迅速に締結することができる。
また、連結支持部を第一の状態から第二の状態に反転させるときに、連結支持部を可動脚に囲まれた内側へ真っ直ぐに挿入することにより、従来の固定ピンを折り返して係止脚の内側に挿入する構成に比して、連結支持部の反転位置と可動脚に囲まれた内側の収容位置を確実に一致させることができる。
従って、連結支持部が第一の状態から第二の状態に反転するときに、連結支持部を可動脚に囲まれた内側へ収容できないといった不具合が生じることを防止できる。これにより、連結支持部を第一の状態から第二の状態に確実に反転させることができるので、第一の樹脂部材と第二の樹脂部材とを確実に締結することができる。
このように、本発明の樹脂部材の締結構造によれば、従来の構成に比して、二つの樹脂部材を迅速且つ確実に締結することができるので、締結作業を中断することなく、締結作業時における作業効率を向上させることができる。
また、本発明の樹脂部材の締結構造において、嵌合爪と嵌合部との嵌合力を高めるための連結支持部は、嵌合爪と一体に形成されたものである。
従って、本発明の樹脂部材の締結構造によれば、別樹脂部材を用いる従来の構成に比して、樹脂部材削減によるコストダウンが可能である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂部材の締結構造において、前記一対の可動脚の少なくとも一方には、一方から他方へ向けて突出部が設けられ、前記一対の可動脚の接近方向への移動量が制限されることを特徴とする。
請求項2に記載のように、一対の可動脚の少なくとも一方に、一方から他方へ向けて突出部が設けられ、一対の可動脚の接近方向への移動量が制限されるように構成されていると、第一の樹脂部材と第二の樹脂部材を重ね合わせるようにして嵌合爪を嵌合部に挿入するときに、一対の可動脚がその先端部が近づくように回動しても、各可動脚の内側に突出部の先端がそれぞれ当接して、一対の可動脚の接近方向への移動量が制限される。
従って、可動脚の長手方向中間部が湾曲するなどの変形が生じることを防止できるので、嵌合爪と嵌合部を確実に嵌合することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の樹脂部材の締結構造において、前記第一の樹脂部材及び前記第二の樹脂部材の少なくとも一方には、一方の樹脂部材に対して他方の樹脂部材を支持する支持部が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明のように、第一の樹脂部材及び第二の樹脂部材の少なくとも一方に、一方の樹脂部材に対して他方の樹脂部材を支持する支持部が設けられていると、第一の樹脂部材と第二の樹脂部材を締結したときに第一の樹脂部材と第二の樹脂部材との間に隙間が生じる場合でも、支持部によって第一の樹脂部材に対して第二の樹脂部材をガタつくことなく支持することができる。
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、従来の構成に比して、二つの樹脂部材を迅速且つ確実に締結することができるので、締結作業を中断することなく、締結作業時における作業効率を向上させることができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、嵌合爪と嵌合部との嵌合力を高めるための連結支持部は、嵌合爪と一体に形成されたものであるので、別樹脂部材を用いる従来の構成に比して、樹脂部材削減によるコストダウンが可能である。
さらに、請求項2に記載の発明によれば、可動脚の長手方向中間部が湾曲するなどの変形が生じることを防止できるので、嵌合爪と嵌合部を確実に嵌合することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、第一の樹脂部材と第二の樹脂部材を締結したときに第一の樹脂部材と第二の樹脂部材との間に隙間が生じる場合でも、支持部によって第一の樹脂部材に対して第二の樹脂部材をガタつくことなく支持することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
はじめに、図1,図2を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る樹脂部材の締結構造の構成について説明する。
図1,図2は本発明の第1実施形態に係る樹脂部材の締結構造の構成を示す図であり、より詳細には、図1は締結構造によって樹脂部材を締結する前の状態を示す断面図、図2は同状態を示す斜視図である。なお、図1は図2のA−A線断面を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る樹脂部材の締結構造10は、例えば、自動車に備えられた樹脂製のインストルメントパネルに樹脂製の車両艤装樹脂部材を装着するのに好適に用いられるものであり、第一の樹脂部材40に突設された嵌合爪12と、第一の樹脂部材40と対向して配置される第二の樹脂部材50に設けられた嵌合部14と、第一の樹脂部材40の嵌合爪12を挟んだ両側位置に形成された支持部16と、を有して構成されている。
嵌合爪12は、嵌合部14と嵌合して第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50とを締結するものであり、一対の可動脚20と、係止段部22と、傾斜部24と、連結支持部26と、突出部としてのリブ28と、薄肉ヒンジ30,32,34を有して構成されている。
一対の可動脚20は、第一の樹脂部材40の平面部42と垂直な方向に沿って互いに平行に延出しており、各可動脚20の下端部分は、第一の樹脂部材40に薄肉ヒンジ30を介して一体に連結されている。
なお、本例では、各可動脚20の下端部分が第一の樹脂部材40に薄肉ヒンジ30を介して連結されるように説明したが、可動脚20が第一の樹脂部材40に対して回動できる構成であれば、ヒンジは薄肉である必要は無い。
係止段部22は、後に詳述するように、嵌合爪12を嵌合部14に挿入したときに嵌合部14の縁部と係止するものであり、可動脚20の長手方向中間部で傾斜部24の後端側(Y2側)の位置に形成されている。
傾斜部24は、各可動脚20の先端側(Y1側)に形成されており、可動脚20の先端側(Y1側)から後端側(Y2側)に向かうに従って肉厚となるように構成されている。
連結支持部26は、傾斜部24のそれぞれの先端側(Y1側)を薄肉ヒンジ32を介して山形に接続すると共に、この山形の先端頂上部に薄肉ヒンジ34を有して構成されている。そして、本例の連結支持部26は、上記構成により、挿入方向奥側(Y1側)へ向けて先尖り状に突出した第一の状態(図1参照)から傾斜部24に囲まれた内側へ収容された第二の状態(図5参照)に反転可能となっている。
リブ28は、嵌合爪12を嵌合部14に挿入するときに可動脚20の長手方向中間部が湾曲するなどの変形が生じることを防止するためのものである。本例のリブ28は、各可動脚20の長手方向に沿う異なる位置に設けられており、一方の可動脚20から他方の可動脚20へ向けて突出するように構成されている。
嵌合部14は、嵌合爪12が嵌合することができるように構成された角孔であり、この角孔の径は、嵌合爪12が挿入可能であると共に係止段部22と嵌合部14の縁部とが係止可能な寸法に形成されている。
支持部16は、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50を締結したときに第一の樹脂部材40側から第二の樹脂部材50を支持するものである。つまり、本例の支持部16は、嵌合爪12と同一方向に延出して、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50を締結したときに第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50との間に高さH1の隙間60を設ける(図4,図5参照)。
次に、上記構成からなる樹脂部材の締結構造の作用について説明する。
図1,図2に示すように、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50を重ね合わせるようにして嵌合爪12を嵌合部14に挿入していくと、先ず、挿入方向奥側(Y1側)に向けて先尖り状に突出した連結支持部26が嵌合部14の内側を通過する。
その後に、図3に示すように、傾斜部24が嵌合部14の縁部と摺接することによって一対の可動脚20が薄肉ヒンジ30を回動軸として互いにその先端部が近づくように回動する。
このとき、上述のように、一対の可動脚20が薄肉ヒンジ30を回動軸として互いにその先端部が近づくように回動しても、本例では、各可動脚20の長手方向に沿う異なる位置に互いに対向して突出するようにリブ28が設けられている。
従って、一対の可動脚20がその先端部が近づくように回動しても、各可動脚20の内側にリブ28の先端がそれぞれ当接して、一対の可動脚20の接近方向への移動量が制限される。これにより、可動脚20の長手方向中間部が湾曲するなどの変形が防止される。
なお、一対の可動脚20が薄肉ヒンジ30を回動軸として互いにその先端部が近づくように回動した状態では、図3に示すように、連結支持部26は薄肉ヒンジ32および薄肉ヒンジ34が発揮するヒンジ作用によりさらに鋭角の先尖り状となる。これによって嵌合爪12の嵌合部14への挿入がより容易となる。
そして、この状態から嵌合爪12を嵌合部14の奥側にさらに挿入すると、図4に示すように、第二の樹脂部材50の平面部52が支持部16の先端に当接する。これにより、第二の樹脂部材50が第一の樹脂部材40側から支持部16によって支持される。
また、これと同時に嵌合爪12の傾斜部24が嵌合部14の縁部を乗り越える。これに応じて、薄肉ヒンジ32および薄肉ヒンジ34が発揮する弾性力によって連結支持部26が元の形状に復元しようとする復元力が可動脚20の先端側(Y1側)に作用する。また、これと同時に薄肉ヒンジ30が発揮する弾性力が可動脚20の後端側(Y2側)に作用する。
これにより、一対の可動脚20が互いに平行となる元の位置に戻って係止段部22が嵌合部14の縁部に係止されて嵌合爪12と嵌合部14とが嵌合される。
この状態から、図5に示すように、挿入方向奥側(Y1側)へ向けて先尖り状に突出した第一の状態にある連結支持部26を傾斜部24に囲まれた内側へ収容するように反転させて第二の状態とする。
連結支持部26が可動脚20に囲まれた内側へ収容された第二の状態となると、薄肉ヒンジ32および薄肉ヒンジ34が発揮する弾性力により連結支持部26が第二の状態から第一の状態側に復元しようとする。従って、この連結支持部26が発揮する復元力により可動脚20が嵌合部14の径方向外側(X1側及びX2側)へ押圧される。
これにより、係止段部22が嵌合部14の縁部により強固に係止されるので、嵌合爪12と嵌合部14との嵌合力が高められ、嵌合爪12と嵌合部14の抜けが防止される。
このとき、図5に示すように、第一の状態にある連結支持部26は、可動脚20の挿入方向奥側(Y1側)へ向けて先尖り状に突出した状態から、第二の状態への反転を伴って、可動脚20に囲まれた内側へ真っ直ぐに挿入される。
従って、連結支持部26を第一の状態から第二の状態に反転させるときに連結支持部26が可動脚20と干渉することを防止できる。これにより、連結支持部26を第一の状態から第二の状態に円滑に反転させることができるので、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50とを迅速に締結することができる。
また、連結支持部26を第一の状態から第二の状態に反転させるときに、連結支持部26を可動脚20に囲まれた内側へ真っ直ぐに挿入することにより、従来の固定ピンを折り返して係止脚の内側に挿入する構成に比して、連結支持部26の反転位置と可動脚20に囲まれた内側の収容位置を確実に一致させることができる。
従って、連結支持部26が第一の状態から第二の状態に反転するときに、連結支持部26を可動脚20に囲まれた内側へ収容できないといった不具合が生じることを防止できる。これにより、連結支持部26を第一の状態から第二の状態に確実に反転させることができるので、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50とを確実に締結することができる。
このように、本実施形態に係る樹脂部材の締結構造10によれば、従来の構成に比して、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50とを迅速且つ確実に締結することができるので、締結作業を中断することなく、締結作業時における作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る樹脂部材の締結構造10において、嵌合爪12と嵌合部14との嵌合力を高めるための連結支持部26は、嵌合爪12と一体に形成されたものである。
従って、本実施形態に係る樹脂部材の締結構造10によれば、別樹脂部材を用いる従来の構成に比して、樹脂部材削減によるコストダウンが可能である。
また、本例の樹脂部材の締結構造10には、嵌合爪12と同一方向に延出し第二の樹脂部材50を支持する支持部16が設けられているので、本例のように、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50を締結したときに第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材50との間に隙間60が生じる場合でも、支持部16によって第一の樹脂部材40に対して第二の樹脂部材50をガタつくことなく支持することができる。
一方、上記説明では、樹脂部材の締結構造10の締結方法について述べたが、本例の締結構造10による締結状態を解除するためには、次のようにすれば良い。
つまり、図5に示すように、傾斜部24に囲まれた内側へ収容された第二の状態にある連結支持部26の中央部分(薄肉ヒンジ34が形成された部分)をマイナスドライバなどの所定の工具によって持ち上げて、図4に示すように、連結支持部26を挿入方向奥側(Y1側)へ突出した第一の状態とする。
このようにすれば、薄肉ヒンジ30を回動軸として一対の可動脚20を回動自在とすることができる。従って、図3に示すように、傾斜部24付近を指で摘むなどして一対の可動脚20をその先端部が近づくように回動させれば、係止段部22から嵌合部14を引き抜くことができる。このようにすることにより、第一の樹脂部材40から第二の樹脂部材50を分離することができる。
このように、本発明の樹脂部材の締結構造10によれば、連結支持部26を挿入方向奥側(Y1側)へ突出した第一の状態としてから傾斜部24付近を指で摘むなどして一対の可動脚20をその先端部が近づくように回動させるだけで、第一の樹脂部材40から第二の樹脂部材50を分離することができるので、メンテナンス等も容易に行うことができる。
なお、以下に他の実施形態を示す。図6乃至図8は本発明の他の実施形態を示す図であり、図6は第2実施形態に係る第二の樹脂部材の構成を示す斜視図、図7は第2実施形態に係る樹脂部材の締結構造を示す断面図、図8は第3実施形態に係る樹脂部材の締結構造を示す断面図である。なお、以下に示す実施形態において上記実施形態に係る樹脂部材と同一樹脂部材については同一符号を用いその説明は省略する。
以下、第2実施形態について説明すると、上記実施形態では、嵌合部14が設けられた第二の樹脂部材50が中実の板状樹脂部材で構成されるように説明したが、図6,図7に示す第2実施形態に係る樹脂部材の締結構造110では、第二の樹脂部材150が中空の樹脂部材とされている。
図7に示されるように、第一の樹脂部材40に設けられる支持突起116は、上記実施形態と同様に、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材150を締結したときに第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材150との間に形成された隙間160の高さH2と略同一寸法の高さで構成されている。なお、第二の樹脂部材150には、嵌合爪12が嵌合される嵌合部114が形成されている。
また、上記実施形態では、樹脂部材の締結構造10に支持部16が備えられるように説明したが、図8に示す第3実施形態に係る樹脂部材の締結構造210では、上記実施形態の支持部16が省かれた構成となっている。
つまり、嵌合爪12を嵌合部214に嵌合させて第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材250とを締結したときに、第一の樹脂部材40の平面部42と第二の樹脂部材250の平面部252とが当接する構成となっており、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材250との間に隙間が生じない構成となっている。
このように、嵌合爪12を嵌合部214に嵌合させて第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材250とを締結したときに、第一の樹脂部材40の平面部42と第二の樹脂部材250の平面部252とが当接し、第一の樹脂部材40と第二の樹脂部材250との間に隙間が生じない構成である場合には、上記実施形態の支持部16は不要である。
また、上記実施形態では、嵌合爪12にリブ28が備えられるように説明したが、例えば、可動脚20を肉厚にしたり曲げ剛性の高い樹脂部材を用いるなどにより、嵌合爪12を嵌合部14に嵌合する際に可動脚20の変形が防止される場合には、リブ28は不要である。
また、上記実施形態では、可動脚20の両方にリブ28を設けるように説明したが、可動脚20のいずれか一方にリブ28を設けても良い。
10 樹脂部材の締結構造
12 嵌合爪
14 嵌合部
16 支持部
20 可動脚
22 係止段部
24 傾斜部
26 連結支持部
28 リブ(突出部)
30 薄肉ヒンジ(第一の薄肉ヒンジ)
32 薄肉ヒンジ(第二の薄肉ヒンジ)
34 薄肉ヒンジ(第三の薄肉ヒンジ)
40 樹脂部材(第一の樹脂部材)
50 樹脂部材(第二の樹脂部材)
12 嵌合爪
14 嵌合部
16 支持部
20 可動脚
22 係止段部
24 傾斜部
26 連結支持部
28 リブ(突出部)
30 薄肉ヒンジ(第一の薄肉ヒンジ)
32 薄肉ヒンジ(第二の薄肉ヒンジ)
34 薄肉ヒンジ(第三の薄肉ヒンジ)
40 樹脂部材(第一の樹脂部材)
50 樹脂部材(第二の樹脂部材)
Claims (3)
- 第一の樹脂部材に突設された嵌合爪と、
前記第一の樹脂部材と対向して配置される第二の樹脂部材に設けられ前記嵌合爪が嵌合する嵌合部と、を備え、
前記嵌合爪は、
一端が前記第一の樹脂部材に第一のヒンジを介して一体に連結され互いに対向する一対の可動脚と、
前記可動脚のそれぞれの長手方向中間部に形成され前記嵌合部への挿入後に前記嵌合部の縁部と係止して前記可動脚の抜け方向移動を阻止する係止段部と、
前記可動脚のそれぞれの先端側に形成され先端側から後端側に向かうに従って前記嵌合部の径方向外側へ向かう傾斜部と、
前記傾斜部のそれぞれの先端側を第二のヒンジを介して山形に接続すると共に山形の先端頂上部に第三のヒンジを有して構成され、挿入方向奥側へ向けて先尖り状に突出した第一の状態から前記可動脚に囲まれた内側へ収容され前記可動脚を前記嵌合部の径方向外側へ押圧する第二の状態に反転可能な連結支持部と、を有することを特徴とする樹脂部材の締結構造。 - 前記一対の可動脚の少なくとも一方には、一方から他方へ向けて突出部が設けられ、前記一対の可動脚の接近方向への移動量が制限されることを特徴とする請求項1に記載の樹脂部材の締結構造。
- 前記第一の樹脂部材及び前記第二の樹脂部材の少なくとも一方には、一方の樹脂部材に対して他方の樹脂部材を支持する支持部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂部材の締結構造。
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2005
- 2005-01-19 JP JP2005012062A patent/JP2006200610A/ja active Pending
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