JP2006196702A - 表面実装型電子デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面実装型電子デバイスの底面に設けた実装電極を回路基板上のランドと半田接続した場合に、ヒートサイクル、振動、衝撃等に起因して、電子デバイス底面の中心点から遠方に位置する半田接続部に大きな応力が加わって亀裂が発生し易くなるという不具合を解決する。
【解決手段】 底面形状が矩形である絶縁容器1と、容器底面の周縁部に沿った位置に形成された実装電極5と、実装電極と対応する容器側面に形成したキャスタレーション20と、キャスタレーション内に形成されて実装電極と導通した導体膜20aと、を備えた表面実装型電子デバイスにおいて、キャスタレーション及び導体膜を、一つの実装電極に対して2個以上設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】 底面形状が矩形である絶縁容器1と、容器底面の周縁部に沿った位置に形成された実装電極5と、実装電極と対応する容器側面に形成したキャスタレーション20と、キャスタレーション内に形成されて実装電極と導通した導体膜20aと、を備えた表面実装型電子デバイスにおいて、キャスタレーション及び導体膜を、一つの実装電極に対して2個以上設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、表面実装型電子デバイスの底面に形成する実装電極の改良に関し、特に回路基板上に実装電極を半田接続した場合に半田部に加わる応力によって亀裂が形成される不具合を解決するための技術に関する。
表面実装型電子デバイスとしては、例えば底部に実装電極を備えた絶縁基板(プリント基板)の表面に形成した配線パターン上に各種回路部品等を搭載した構成を備えたものが知られている。このような表面実装型電子デバイスとしては、例えば水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器等の圧電デバイスを例示することができる。表面実装型の水晶振動子、或いは水晶フィルタは、底部に実装電極を備えたセラミック等の絶縁容器の表面凹所内に水晶振動素子(水晶基板上に励振電極を形成した素子)を搭載し、且つ水晶振動素子を含む絶縁基板上の凹所を金属蓋により気密封止した構成を備えている。
図5(a)及び(b)は夫々表面実装型水晶振動子の底面図、(c)はこの水晶振動子を回路基板上に半田接続した状態を示す要部拡大図である。この水晶振動子100は、底部に実装電極102を備えた絶縁容器101の表面凹所内に図示しない水晶振動素子を搭載し、且つ水晶振動素子を含む絶縁容器101上の凹所を金属蓋103により気密封止した構成を備えている。底面形状が矩形の絶縁容器101の各角隅部には凹状の面取り部(キャスタレーション)105が形成されており、面取り部105内に形成された導体膜と各実装電極102とは連続的に導通している。
また、図5(b)は水晶振動子底面の他の例を示しており、この水晶振動子の2つの対向する側面には夫々キャスタレーション105が形成されており、各キャスタレーション105内の導体膜と導通する矩形の実装電極102が底面に形成されている。
図5(c)に示すように回路基板110の上面に形成されたランド111上に実装電極102を半田115を用いて接続した場合、水晶振動子のパッケージ底面の中心点Pから遠方にある半田接続部ほど、大きな機械的応力を受ける。このため、水晶振動子の用途、使用環境、設置場所の条件によっては、中心点Pから遠方にある半田接続部に(c)に示した如き亀裂が形成される虞がある。即ち、例えば水晶振動子を車載用の回路基板上に搭載した場合等のように、過酷な使用環境にて使用した場合には、振動、衝撃に加えて、高温、低温に曝されるため、ヒートサイクルに起因した半田接続部の耐久性が問題となる。特に、回路基板を構成する絶縁材料と、パッケージを構成する絶縁材料の熱膨張係数が異なる場合には、温度変化に起因して半田接続部に亀裂が発生して接続不良に陥ることがある。また、図5(d)(e)に示すように半長円形、或いは半楕円形のキャスタレーション105を絶縁容器底面の角隅部に形成した場合には底面中心点Pから最も遠方にあるキャスタレーションの局所に亀裂が形成され易くなり、当該部分を被覆する半田にも同様の亀裂が発生し易くなる。キャスタレーションに形成する導体膜は、パッケージの内層に実装電極と同電位のパターンを形成するために用いられるが、キャスタレーションの導体膜と回路基板側のランドとの半田接続はフィレット形状の半田接続となるため、実装電極面とランドとの間の面間接合に比して熱膨張差によるストレスが小さく、半田による亀裂が発生しにくい特徴を有するが、底面中心点Pからの距離が遠い部位である程、キャスタレーション、及びキャスタレーション上の半田接合部にもクラックが発生する。
図5(a)及び(b)は夫々表面実装型水晶振動子の底面図、(c)はこの水晶振動子を回路基板上に半田接続した状態を示す要部拡大図である。この水晶振動子100は、底部に実装電極102を備えた絶縁容器101の表面凹所内に図示しない水晶振動素子を搭載し、且つ水晶振動素子を含む絶縁容器101上の凹所を金属蓋103により気密封止した構成を備えている。底面形状が矩形の絶縁容器101の各角隅部には凹状の面取り部(キャスタレーション)105が形成されており、面取り部105内に形成された導体膜と各実装電極102とは連続的に導通している。
また、図5(b)は水晶振動子底面の他の例を示しており、この水晶振動子の2つの対向する側面には夫々キャスタレーション105が形成されており、各キャスタレーション105内の導体膜と導通する矩形の実装電極102が底面に形成されている。
図5(c)に示すように回路基板110の上面に形成されたランド111上に実装電極102を半田115を用いて接続した場合、水晶振動子のパッケージ底面の中心点Pから遠方にある半田接続部ほど、大きな機械的応力を受ける。このため、水晶振動子の用途、使用環境、設置場所の条件によっては、中心点Pから遠方にある半田接続部に(c)に示した如き亀裂が形成される虞がある。即ち、例えば水晶振動子を車載用の回路基板上に搭載した場合等のように、過酷な使用環境にて使用した場合には、振動、衝撃に加えて、高温、低温に曝されるため、ヒートサイクルに起因した半田接続部の耐久性が問題となる。特に、回路基板を構成する絶縁材料と、パッケージを構成する絶縁材料の熱膨張係数が異なる場合には、温度変化に起因して半田接続部に亀裂が発生して接続不良に陥ることがある。また、図5(d)(e)に示すように半長円形、或いは半楕円形のキャスタレーション105を絶縁容器底面の角隅部に形成した場合には底面中心点Pから最も遠方にあるキャスタレーションの局所に亀裂が形成され易くなり、当該部分を被覆する半田にも同様の亀裂が発生し易くなる。キャスタレーションに形成する導体膜は、パッケージの内層に実装電極と同電位のパターンを形成するために用いられるが、キャスタレーションの導体膜と回路基板側のランドとの半田接続はフィレット形状の半田接続となるため、実装電極面とランドとの間の面間接合に比して熱膨張差によるストレスが小さく、半田による亀裂が発生しにくい特徴を有するが、底面中心点Pからの距離が遠い部位である程、キャスタレーション、及びキャスタレーション上の半田接合部にもクラックが発生する。
水晶振動子に求められるスペックの一つとして、ヒートサイクル試験(−40〜+125℃、3000cycle)の要求を満たす必要があるが、このようにパッケージ底面中心点Pから最も遠方にある半田接続部には応力が一カ所に集中し易い状態にあるため、この部分にヒートサイクルによる亀裂が発生し易く、スペックを満たさない不良品が発生することがある。
特開2003−218265公報には、絶縁容器本体のベース部に設けた切欠部を側面に設けた切欠部よりも大きく構成することによって、壁面部の肉厚を薄くした場合であっても、機器側の取り付け基板と接するベース部の切欠部の作用により、底面電極を基板上に半田付けした時の取り付け強度を高めるようにした技術が開示されている。
しかし、この従来例においても、容器本体底面の中心部から遠方に位置する切欠部に亀裂が発生し易くなるという問題は解決されることがない。
上記の如き亀裂発生の問題を解決するためには、電子部品の小型化が有効であることが知られてはいるが、他の諸特性を無視して小型化を優先させると、満足な特性が確保できなくなる、という問題を生じる。
特開2003−218265公報
特開2003−218265公報には、絶縁容器本体のベース部に設けた切欠部を側面に設けた切欠部よりも大きく構成することによって、壁面部の肉厚を薄くした場合であっても、機器側の取り付け基板と接するベース部の切欠部の作用により、底面電極を基板上に半田付けした時の取り付け強度を高めるようにした技術が開示されている。
しかし、この従来例においても、容器本体底面の中心部から遠方に位置する切欠部に亀裂が発生し易くなるという問題は解決されることがない。
上記の如き亀裂発生の問題を解決するためには、電子部品の小型化が有効であることが知られてはいるが、他の諸特性を無視して小型化を優先させると、満足な特性が確保できなくなる、という問題を生じる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、表面実装型電子デバイスの底面に設けた実装電極を回路基板上のランドと半田接続した場合に、ヒートサイクル、振動、衝撃等に起因して、電子デバイス底面の中心点から遠方に位置する半田接続部、キャスタレーション部に大きな応力が加わって亀裂が発生し易くなるという不具合を解決することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明に係る表面実装型電子デバイスは、底面形状が矩形である絶縁容器と、該容器底面の周縁部に沿った位置に形成された実装電極と、該実装電極と対応する容器側面に形成したキャスタレーションと、該キャスタレーション内に形成されて前記実装電極と導通した導体膜と、を備えた表面実装型電子デバイスにおいて、前記キャスタレーション及び導体膜を、一つの実装電極に対して2個以上設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、底面形状が矩形である絶縁容器と、該容器底面の周縁部に沿った位置から容器側面にかけて形成された所定幅のキャスタレーションと、該キャスタレーションの内壁に形成された導体膜と、該導体膜下部と導通して容器底面に展開する実装電極と、を備えた表面実装型電子デバイスにおいて、前記容器底面の角隅部に設けた前記実装電極に対応して該角隅部に形成するキャスタレーションの内壁形状は、該角隅部の頂部を中心とした半径Rの円弧状をなしており、該角隅部の頂点と該容器底面の中心点とを結ぶ直線の長さをC(mm)としたときに、0.06C<0.25mmであるときに前記半径Rは、R=0.25〜0.15C(mm)の範囲に設定されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記容器底面の面積をZとしたときに、前記実装電極の総面積Sが、S=0.4Z〜0.8Zを満たすように設定されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、底面形状が矩形である絶縁容器と、該容器底面の周縁部に沿った位置から容器側面にかけて形成された所定幅のキャスタレーションと、該キャスタレーションの内壁に形成された導体膜と、該導体膜下部と導通して容器底面に展開する実装電極と、を備えた表面実装型電子デバイスにおいて、前記容器底面の角隅部に設けた前記実装電極に対応して該角隅部に形成するキャスタレーションの内壁形状は、該角隅部の頂部を中心とした半径Rの円弧状をなしており、該角隅部の頂点と該容器底面の中心点とを結ぶ直線の長さをC(mm)としたときに、0.06C<0.25mmであるときに前記半径Rは、R=0.25〜0.15C(mm)の範囲に設定されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記容器底面の面積をZとしたときに、前記実装電極の総面積Sが、S=0.4Z〜0.8Zを満たすように設定されていることを特徴とする。
従来の絶縁容器に設けるキャスタレーションが一箇所であったため、当該キャスタレーション及びそれを被覆する半田に亀裂が形成された場合には、実装電極と回路基板側のランドとの導通が遮断される虞があった。請求項1の本発明では、キャスタレーション及び導体膜を、一つの実装電極に対して2個以上設けたので、キャスタレーション、及び半田接続部がヒートサイクルや衝撃に起因した応力の集中によってダメージを受けて亀裂が発生するという不具合をなくすることができる。
請求項2の発明は、容器底面の角隅部に設けた実装電極に対応して該角隅部に形成するキャスタレーションの内壁形状は、該角隅部の頂部を中心とした半径Rの円弧状をなしており、該角隅部の頂点と該容器底面の中心点とを結ぶ直線の長さをC(mm)としたときに、0.06C<0.25mmであるときに前記半径Rを、R=0.25C〜0.15C(mm)の範囲に設定したので、実装電極を回路基板のランドと半田接続した場合に、キャスタレーション、及び半田接続部がヒートサイクルや衝撃に起因した応力の集中によってダメージを受けて亀裂が発生するという不具合をなくすることができる。
請求項3の発明は、容器底面の面積をZとしたときに、実装電極の総面積Sが、S=0.4Z〜0.8Zを満たすように設定したので、実装電極と回路基板側のランドとの接続半田量、半田面積、半田厚を大きくすることができ、半田接続部がヒートサイクルや衝撃に起因した応力の集中によってダメージを受けて亀裂が発生するという不具合をなくすることができる。
請求項2の発明は、容器底面の角隅部に設けた実装電極に対応して該角隅部に形成するキャスタレーションの内壁形状は、該角隅部の頂部を中心とした半径Rの円弧状をなしており、該角隅部の頂点と該容器底面の中心点とを結ぶ直線の長さをC(mm)としたときに、0.06C<0.25mmであるときに前記半径Rを、R=0.25C〜0.15C(mm)の範囲に設定したので、実装電極を回路基板のランドと半田接続した場合に、キャスタレーション、及び半田接続部がヒートサイクルや衝撃に起因した応力の集中によってダメージを受けて亀裂が発生するという不具合をなくすることができる。
請求項3の発明は、容器底面の面積をZとしたときに、実装電極の総面積Sが、S=0.4Z〜0.8Zを満たすように設定したので、実装電極と回路基板側のランドとの接続半田量、半田面積、半田厚を大きくすることができ、半田接続部がヒートサイクルや衝撃に起因した応力の集中によってダメージを受けて亀裂が発生するという不具合をなくすることができる。
以下、本発明を添付図面に示した実施の形態にもとづいて詳細に説明する。
なお、以下の実施形態では表面実装型電子デバイスの一例として表面実装型圧電デバイス、特に水晶発振器(圧電発振器)を用いて説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型水晶発振器の構成を示す正面縦断面図、及び発振器の底面図である。
この水晶発振器1は、セラミックシート等、シート状の絶縁材料を積層することにより形成した絶縁容器2の上面凹所3内に水晶振動素子(水晶基板上に励振電極を形成した素子)10を収容すると共に、絶縁容器2の凹所3を金属蓋4により封止した構成を備えている。
絶縁容器(パッケージ)2は、略矩形の底面の四隅に実装電極5を備えると共に、凹所3内部には水晶振動素子10と電気的に接続される2つの内部パッド6を備え、各内部パッド6は夫々対応する実装電極5と導通している。水晶振動素子上の電極と導通しない他の2つの実装電極は例えばアース電極である。
この水晶振動子1を、回路基板、その他のプリント基板15上に表面実装する際には、プリント基板15のランド16上に実装電極5を一対一の関係で対応させた上で半田17によって接続する。
この際、絶縁容器2の底面の中心点Pから最も離間した位置にある角隅部における半田、及びキャスタレーション部20がヒートサイクル等に起因した応力によって破損したとしても、当該破損した半田やキャスタレーション部に係る実装電極5とランド16との導通を確保し続けるために、本発明では各実装電極5の角隅部以外の箇所、即ち容器底面の端縁(辺)に沿った位置であって中心点Pからの距離がより近い位置に、他のキャスタレーション21を予め設けておく。
即ち、全ての実装電極5について、キャスタレーションを2箇所以上設けることにより、容器底面の中心点から遠方にある一つのキャスタレーション、及び半田に亀裂が入ったとしても、他のキャスタレーション内において導体膜と実装電極との導通が確保されることとなり、発振器としての機能を維持することができる。
キャスタレーションは、容器底面から側面にかけて形成される凹所であり、この凹所内には実装電極と導通する導体膜を形成し、この導体膜を介して容器内配線等との導通を確保しているが、個々の実装電極に対して複数のキャスタレーション及び導体膜を形成する作業、工程は、生産性を低下させることがない。即ち、セラミック製の絶縁容器は、複数枚のセラミックシートを積層して焼き固めることによって形成されるが、個々のセラミックシートの実装電極に対応する部位にキャスタレーションを構成する凹所を複数箇所設けておき、セラミックシートを積層した状態で該複数の凹所内を含む実装電極形成箇所にメタライズを施すことにより容易に製造することができる。
なお、以下の実施形態では表面実装型電子デバイスの一例として表面実装型圧電デバイス、特に水晶発振器(圧電発振器)を用いて説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型水晶発振器の構成を示す正面縦断面図、及び発振器の底面図である。
この水晶発振器1は、セラミックシート等、シート状の絶縁材料を積層することにより形成した絶縁容器2の上面凹所3内に水晶振動素子(水晶基板上に励振電極を形成した素子)10を収容すると共に、絶縁容器2の凹所3を金属蓋4により封止した構成を備えている。
絶縁容器(パッケージ)2は、略矩形の底面の四隅に実装電極5を備えると共に、凹所3内部には水晶振動素子10と電気的に接続される2つの内部パッド6を備え、各内部パッド6は夫々対応する実装電極5と導通している。水晶振動素子上の電極と導通しない他の2つの実装電極は例えばアース電極である。
この水晶振動子1を、回路基板、その他のプリント基板15上に表面実装する際には、プリント基板15のランド16上に実装電極5を一対一の関係で対応させた上で半田17によって接続する。
この際、絶縁容器2の底面の中心点Pから最も離間した位置にある角隅部における半田、及びキャスタレーション部20がヒートサイクル等に起因した応力によって破損したとしても、当該破損した半田やキャスタレーション部に係る実装電極5とランド16との導通を確保し続けるために、本発明では各実装電極5の角隅部以外の箇所、即ち容器底面の端縁(辺)に沿った位置であって中心点Pからの距離がより近い位置に、他のキャスタレーション21を予め設けておく。
即ち、全ての実装電極5について、キャスタレーションを2箇所以上設けることにより、容器底面の中心点から遠方にある一つのキャスタレーション、及び半田に亀裂が入ったとしても、他のキャスタレーション内において導体膜と実装電極との導通が確保されることとなり、発振器としての機能を維持することができる。
キャスタレーションは、容器底面から側面にかけて形成される凹所であり、この凹所内には実装電極と導通する導体膜を形成し、この導体膜を介して容器内配線等との導通を確保しているが、個々の実装電極に対して複数のキャスタレーション及び導体膜を形成する作業、工程は、生産性を低下させることがない。即ち、セラミック製の絶縁容器は、複数枚のセラミックシートを積層して焼き固めることによって形成されるが、個々のセラミックシートの実装電極に対応する部位にキャスタレーションを構成する凹所を複数箇所設けておき、セラミックシートを積層した状態で該複数の凹所内を含む実装電極形成箇所にメタライズを施すことにより容易に製造することができる。
次に、図2(a)(b)及び(c)は、一つの実装電極に対して複数のキャスタレーションを設けた他例を示しており、(a)は容器底面の角隅部と、該角隅部を中心として延びる2つの端縁上に夫々一箇所ずつキャスタレーション21を設けて、各キャスタレーション20、21の内壁に導体膜20a、21aを形成した構成を備えている。次に、(b)は容器底面の角隅部と、該角隅部から延びる一つの端縁上に2箇所キャスタレーション21を設けて、各キャスタレーション20、21の内壁に導体膜20a、21aを形成した構成を備えている。次に、実装電極5を容器底面の角隅部を回避した端縁に設け、該端縁に沿った実装電極の辺に沿って2つのキャスタレーション21と、導体膜21aを設けた例を示す。
これらの実施形態によれば、一つの実装電極5に対して複数のキャスタレーション及び導体膜を設けているので、一方のキャスタレーションに亀裂が形成されることによって当該部分における半田にも亀裂が発生し、半田を介した導通が悪化したとしても、他の正常なキャスタレーション部における半田接続を介して当該実装電極と、ランド16との導通を確保し続けることができる。
次に、図3は本発明の他の実施形態にかかる容器底部、及びキャスタレーションの構成例を示す拡大図である。
この容器底面は長方形状をなし、その四つの角隅部には、各角隅部の頂点を中心とした半径Rの円弧状に切り欠いたキャスタレーション25と、各キャスタレーション内壁に形成された導体膜25aが設けられている。この導体膜25aは各キャスタレーションと対応して容器底面に形成された実装電極5と導通している。
これらの実施形態によれば、一つの実装電極5に対して複数のキャスタレーション及び導体膜を設けているので、一方のキャスタレーションに亀裂が形成されることによって当該部分における半田にも亀裂が発生し、半田を介した導通が悪化したとしても、他の正常なキャスタレーション部における半田接続を介して当該実装電極と、ランド16との導通を確保し続けることができる。
次に、図3は本発明の他の実施形態にかかる容器底部、及びキャスタレーションの構成例を示す拡大図である。
この容器底面は長方形状をなし、その四つの角隅部には、各角隅部の頂点を中心とした半径Rの円弧状に切り欠いたキャスタレーション25と、各キャスタレーション内壁に形成された導体膜25aが設けられている。この導体膜25aは各キャスタレーションと対応して容器底面に形成された実装電極5と導通している。
本実施形態の特徴的な構成は、容器底面の角隅部に設けた実装電極に対応して該角隅部に形成するキャスタレーションの内壁形状を、該角隅部の頂部P1を中心とした半径Rの円弧状とし、該角隅部の頂点と該容器底面の中心点Pとを結ぶ直線の長さをC(mm)としたときに、0.06C<0.25mmであるときに前記半径Rを、R=0.25C〜0.15C(mm)の範囲となるように設定した点にある。
なお、容器底面の縦横各辺の長さを2A、2Bとしたときに、各角隅部の頂点と容器底面の中心点Pとを結ぶ直線Cを一方の対角線とする四角形を想定した場合に、その四角形の隣接する2辺の長さは夫々A、Bであるから、該対角線Cの長さは、C=√(A2+B2)で求められる。
このように角隅部に設けられる円弧状のキャスタレーションの曲率半径Rを、0.06C<0.25mmであるときに、R=0.25C〜0.15C(mm)の範囲となるように設定したことにより、コーナー部に加わる歪み負荷を最小限に抑えることが可能となる。
具体的には、従来例えば、容器底面の縦寸法2A=5mm、横寸法2B=3.2mmの容器において、底面角隅部に形成する円弧状キャスタレーションの曲率半径Rは0.2mm程度であった。しかし、このような小さい半径にて形成された円弧状のキャスタレーションにあっては、容器底面の中心点Pからの距離が遠くなるために歪み負荷に起因して亀裂が発生し易かった。
これに対して、容器底面の縦寸法2A=5mm、横寸法2B=3.2mmの容器底面に、本発明の曲率半径を有した円弧状キャスタレーションを適用するとすれば、中心点Pと角隅部頂点P1とを結ぶ直線Cの長さは、C=√((5/2)2+(3.2/2)2)=2.97mm(0.06×2.97<0.25mm)であり、この数値を前記R=0.25C〜0.15C(mm)に当てはめると、曲率半径Rは、0.18〜0.36mmの範囲となる。この場合、従来より大きな曲率半径を有した円弧状のキャスタレーションとすることができ、中心点Pからの距離を短くすることによって、キャスタレーション部に発生する歪み負荷を小さくすることができる。また、この寸法範囲内で形成されるキャスタレーションは、容器側壁の壁厚(0.45mm)の範囲内とすることができるので、壁厚との関係で問題が生じることもない。
なお、本実施形態による曲率半径Rを有した円弧状のキャスタレーションを適用することができるのは、容器底面の角隅部に限られ、図2に示した容器底面の端縁に沿って配置されるキャスタレーションに対しては適用することができない。端縁に沿って形成するキャスタレーションに本発明の上記曲率半径Rを適用すると、容器の側壁の壁厚(0.45mm)を越えることになるからである。
なお、容器底面の縦横各辺の長さを2A、2Bとしたときに、各角隅部の頂点と容器底面の中心点Pとを結ぶ直線Cを一方の対角線とする四角形を想定した場合に、その四角形の隣接する2辺の長さは夫々A、Bであるから、該対角線Cの長さは、C=√(A2+B2)で求められる。
このように角隅部に設けられる円弧状のキャスタレーションの曲率半径Rを、0.06C<0.25mmであるときに、R=0.25C〜0.15C(mm)の範囲となるように設定したことにより、コーナー部に加わる歪み負荷を最小限に抑えることが可能となる。
具体的には、従来例えば、容器底面の縦寸法2A=5mm、横寸法2B=3.2mmの容器において、底面角隅部に形成する円弧状キャスタレーションの曲率半径Rは0.2mm程度であった。しかし、このような小さい半径にて形成された円弧状のキャスタレーションにあっては、容器底面の中心点Pからの距離が遠くなるために歪み負荷に起因して亀裂が発生し易かった。
これに対して、容器底面の縦寸法2A=5mm、横寸法2B=3.2mmの容器底面に、本発明の曲率半径を有した円弧状キャスタレーションを適用するとすれば、中心点Pと角隅部頂点P1とを結ぶ直線Cの長さは、C=√((5/2)2+(3.2/2)2)=2.97mm(0.06×2.97<0.25mm)であり、この数値を前記R=0.25C〜0.15C(mm)に当てはめると、曲率半径Rは、0.18〜0.36mmの範囲となる。この場合、従来より大きな曲率半径を有した円弧状のキャスタレーションとすることができ、中心点Pからの距離を短くすることによって、キャスタレーション部に発生する歪み負荷を小さくすることができる。また、この寸法範囲内で形成されるキャスタレーションは、容器側壁の壁厚(0.45mm)の範囲内とすることができるので、壁厚との関係で問題が生じることもない。
なお、本実施形態による曲率半径Rを有した円弧状のキャスタレーションを適用することができるのは、容器底面の角隅部に限られ、図2に示した容器底面の端縁に沿って配置されるキャスタレーションに対しては適用することができない。端縁に沿って形成するキャスタレーションに本発明の上記曲率半径Rを適用すると、容器の側壁の壁厚(0.45mm)を越えることになるからである。
上記の如き曲率半径Rを有したキャスタレーションであれば、縦3.2mm×横2.5mmサイズの容器(壁厚0.35mm)に適用することも可能である。即ち、このサイズの容器に適用すべき円弧状キャスタレーションの曲率半径Rは、上記式により、R=0.2mmとなる。上記従来の容器では、容器底面の縦寸法2A=5mm、横寸法2B=3.2mmである場合に、底面角隅部に形成する円弧状キャスタレーションの曲率半径Rが0.2mmであったが、この例では、縦横寸法が更に小さい容器においてR=0.2mmとなるため、キャスタレーション部の強度は更に向上することとなる。
次に、図4は本発明の他の実施形態に係る容器底面に設けた実装電極の構成例であり、この実施形態は、図1、又は図2の実施形態に示した容器の構造において、容器底面の全面積をZ(A’×B’)としたときに、各実装電極5の総面積Sが、S=0.4Z〜0.8Zを満たすように設定している点が特徴的である。
このように図1の実施形態に係る複数のキャスタレーションを備えた実装電極の総面積S、及び図2の実施形態に係る角隅部の円弧状キャスタレーションを備えた実装電極の総面積Sが、夫々S=0.4Z〜0.8Zを満たすように設定することにより、各実装電極5と回路基板側のランド16とを接合する半田量、接合面積を増大することができ、その結果、半田接合部に加わる応力を分散・緩和させてヒートサイクル寿命を延ばすことができ、半田クラックの原因となる熱歪みを最小限に留め得る容器構造を提供することができる。
具体的には例えば容器底面の縦横寸法が縦寸法5mm、横寸法3.2mmの場合、容器底面の総面積Z=16mm2であるから、全ての実装電極の合計面積Sは、S=6.4〜12.8mm2となる。
なお、本発明の実装電極構造は、水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器等の表面実装型圧電デバイスに限らず、あらゆるタイプの表面実装型電子デバイスの実装電極に適用することができる。
次に、図4は本発明の他の実施形態に係る容器底面に設けた実装電極の構成例であり、この実施形態は、図1、又は図2の実施形態に示した容器の構造において、容器底面の全面積をZ(A’×B’)としたときに、各実装電極5の総面積Sが、S=0.4Z〜0.8Zを満たすように設定している点が特徴的である。
このように図1の実施形態に係る複数のキャスタレーションを備えた実装電極の総面積S、及び図2の実施形態に係る角隅部の円弧状キャスタレーションを備えた実装電極の総面積Sが、夫々S=0.4Z〜0.8Zを満たすように設定することにより、各実装電極5と回路基板側のランド16とを接合する半田量、接合面積を増大することができ、その結果、半田接合部に加わる応力を分散・緩和させてヒートサイクル寿命を延ばすことができ、半田クラックの原因となる熱歪みを最小限に留め得る容器構造を提供することができる。
具体的には例えば容器底面の縦横寸法が縦寸法5mm、横寸法3.2mmの場合、容器底面の総面積Z=16mm2であるから、全ての実装電極の合計面積Sは、S=6.4〜12.8mm2となる。
なお、本発明の実装電極構造は、水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器等の表面実装型圧電デバイスに限らず、あらゆるタイプの表面実装型電子デバイスの実装電極に適用することができる。
1 水晶発振器(表面実装型電子デバイス)、2 絶縁容器(パッケージ)、2a 底面の四隅、2b 底辺、3 凹所、4 金属蓋、5 実装電極、5a 角隅部、5b 外側端縁、5c 面取り部、5d 凹所、6 内部パッド、10 水晶振動素子、15 プリント基板、16 ランド、17 半田、20 、21、25 キャスタレーション、20a、21a、25a 導体膜
Claims (3)
- 底面形状が矩形である絶縁容器と、該容器底面の周縁部に沿った位置に形成された実装電極と、該実装電極と対応する容器側面に形成したキャスタレーションと、該キャスタレーション内に形成されて前記実装電極と導通した導体膜と、を備えた表面実装型電子デバイスにおいて、
前記キャスタレーション及び導体膜を、一つの実装電極に対して2個以上設けたことを特徴とする表面実装型電子デバイス。 - 底面形状が矩形である絶縁容器と、該容器底面の周縁部に沿った位置から容器側面にかけて形成された所定幅のキャスタレーションと、該キャスタレーションの内壁に形成された導体膜と、該導体膜下部と導通して容器底面に展開する実装電極と、を備えた表面実装型電子デバイスにおいて、
前記容器底面の角隅部に設けた前記実装電極に対応して該角隅部に形成するキャスタレーションの内壁形状は、該角隅部の頂部を中心とした半径Rの円弧状をなしており、該角隅部の頂点と該容器底面の中心点とを結ぶ直線の長さをC(mm)としたときに、0.06C<0.25mmであるときに前記半径Rは、R=0.25C〜0.15C(mm)の範囲に設定されることを特徴とする表面実装型電子デバイス。 - 前記容器底面の面積をZとしたときに、前記実装電極の総面積Sが、S=0.4Z〜0.8Zを満たすように設定されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の表面実装型電子デバイス。
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- 2005-01-13 JP JP2005006798A patent/JP2006196702A/ja active Pending
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