JP2006196608A - 回路配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小形化および高周波帯域動作に適した受動素子内蔵形の回路配線基板及びその製造方法を提供するものである。
【解決手段】回路配線基板1において、互いに誘電率が異なり板面に沿う方向に相互に隣接された第1基板部分21及び第2基板部分22によって構成された平板状の絶縁基板2と、少なくとも前記第2基板部分22に設けられた受動素子と、前記受動素子の電極部分を構成する素子用導電層C1a乃至C5a、L1、L2等と、前記導電層に電気的に接続され前記第1基板部分に設けられた回路配線層31a乃至34a等とを備え、前記第1及び第2基板部分はそれぞれの板面が前記絶縁基板の平板状板面にほぼ面一に揃うように配置され、前記素子用導電層及び回路配線層は前記絶縁基板の板面上に並置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器用の受動素子内蔵形の回路配線基板及びその製造方法に関する。
電子機器に組み込まれる回路配線基板には、トランジスタや集積回路素子などの能動素子及びキャパシタ、インダクタ及び抵抗などのような受動素子が実装されるが、近時、電子機器の高性能化や高周波化に伴い、特に、受動素子の実装部品点数が増加する傾向にある。また、例えば携帯電話機やデジタルカメラなどのような小型機器にあっても更に薄小化が進み、このような機器に組み込まれる回路配線基板にも小面積化及び薄形化の要求が高まってきている。
その小面積化及び薄形化の一方法として部品内蔵技術がある。その内蔵技術としては大別すると次の2つの方法が採られているが、いずれも問題点を抱えている。即ち、
第1内蔵方法:予め製造された個別の受動素子チップ部品を回路配線基板に内蔵する方法である(一例として松下電器産業社のSIMPACTやDTサーキットテクノロジー社のB2itプリント配線板などの技術がある)。この場合、実装部品点数の増加に従い実装工程が益々煩雑となりチップ部品の現行以上の薄形化及びチップ部品を含む配線基板全体の薄形化が困難な傾向にある。
第2内蔵方法:スクリーン印刷、スパッタ或いは電解酸化などの薄膜技術によって受動素子用の部品材料薄膜層を回路配線基板上に直接被着して素子形成する方法である。この薄膜技術の採用は、薄形化には適するものの、プリント基板製造設備の他に新規設備の追加を招き、プリント基板製造ラインでの工程の複雑化及び高コスト化を生じ易い。
前記各内蔵方法の問題点を改善できる従来技術の一例としては、一般に広く利用されている回路配線基板技術及び積層技術のもとに、回路配線層及びキャパシタ(受動素子)を共に一回路配線基板に造り込むキャパシタ内蔵形の回路配線基板を開示したものがある(例えば特許文献1参照)。
前記従来例では、前記キャパシタ素材には、キャパシタ誘電体シートとしての絶縁板材の両面に銅箔からなる導電シートを積層したCCL(カッパークラッドラミネート)が使用される。そして前記キャパシタ用の電極は通常のプリント配線層パターンニング工程中の一工程である選択エッチングで前記両面銅箔導電シートを所望の面積(形状)にパターニングすることによって形成され、このようにして前記誘電体シート及び前記電極からなるシート状の前記キャパシタが前記第1及び第2内蔵方法に比して簡単に組み込まれる。
前記従来例の回路配線基板は、前記シート状キャパシタを、そのシートに重ね合わせた回路配線基板用の絶縁基板によってサンドイッチ状に挟んだ積層構造に形成され、容量の大きいキャパシタを内蔵するためには、基板面に直交する方向(基板の厚さ方向)に、複数の前記シート状キャパシタ及び絶縁基板が多層状態に積層される。
米国特許第5079069号特許公報
ところで、高周波動作が望まれる例えば携帯電話やBluetooth(短距離無線システムに関する通信規格)などに使用されるRFモジュールでは、寄生成分に由来するインピーダンス増加を極力抑えることが必要であるが、前記キャパシタ誘電体シートを内蔵した前記従来例の技術を前記RFモジュールに適用する場合、次のような問題がある。
前記キャパシタ誘電体を構成する絶縁基板上に回路層やインダクタパターンを形成すると、その絶縁基板は一般に誘電率が大きく、前記寄生成分に由来するインピーダンスを低く抑え難い。
また、キャパシタ誘電体シートは回路配線基板の広い範囲に亘って存在し、部品点数の増加に伴って前記電極や導電シート及び回路配線基板上の配線層などの多くの回路導体層が広い範囲に亘って前記キャパシタ誘電体シートに重なるため、この点でも寄生容量が無視できないほどに大きくなって、高周波動作の安定化や高速化が妨げられ易くなる。
一方、前記キャパシタ誘電体シートに、回路配線基板の絶縁基板として広く用いられるエポキシ樹脂のように誘電率が4.4程度の絶縁板材を用いると、そのシート厚さを例えば5μmとしても単位面積(1平方mm)当たり6pF程度しか得られない。そこで、例えば2.45GHz帯のローパスフィルタを作製する場合、容量約100pF乃至約10nFのキャパシタを数個用いる必要があり、各キャパシタ用の各誘電体シートは一辺が4乃至40mm程度の矩形サイズとなって、その小形(小面積)化が困難である。
即ち、前記従来例の配線基板構造では、特に高周波帯域動作用として適用する場合に、前述のような大きな寄生成分の影響を受けて高周波動作の安定化や高速化などが妨げられる問題及びキャパシタの小形(小面積)化が困難となる問題を共に解決することが困難な状況にある。
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、特に高周波帯域動作に適した受動素子内蔵形の回路配線基板及びその製造方法を提供するものである。」
請求項1に記載の発明の回路配線基板は、互いに誘電率が異なり板面に沿う方向に相互に隣接された第1基板部分及び第2基板部分によって構成された平板状の絶縁基板と、少なくとも前記第2基板部分に設けられた受動素子と、前記受動素子の電極部分を構成する素子用導電層と、前記導電層に電気的に接続され前記第1基板部分に設けられた回路配線層とを備え、前記第1及び第2基板部分はそれぞれの板面が前記絶縁基板の平板状板面にほぼ面一に揃うように配置され、前記素子用導電層及び回路配線層は前記絶縁基板の板面上に並置されていることを特徴とするのである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回路配線基板において、前記板状第2基板部分は第1基板部分よりも大きな誘電率の高誘電体によって構成され、前記第2基板部分の受動素子は、前記高誘電体の第2基板部分からなるキャパシタ誘電体層及びその誘電体層両面にそれぞれ形成された前記素子用導電層からなるキャパシタ電極を有するキャパシタであることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の回路配線基板において、前記第1基板部分の一部表面に、インダクタパターン化された素子用導電層からなるインダクタが設けられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の回路配線基板において、前記第2基板部分は第1基板部分よりも小さな誘電率の低誘電体によって構成され、前記第2基板部分上にインダクタパターン化された素子用導電層からなるインダクタが設けられていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、互いに誘電率が異なり板面に沿う方向に相互隣接する第1及び第2基板部分によって構成された絶縁基板、少なくとも前記第2基板部分に設けられた受動素子、前記受動素子の電極部分を構成する素子用導電層及び前記第1基板部分に設けられた回路配線層を有する受動素子内蔵形の回路配線基板の製造方法であって、少なくとも片側板面に金属箔がそれぞれ積層され誘電率が互に異なる平板状の第1及び第2絶縁基板材料を用意する工程と、前記第1絶縁基板材料及びその積層金属箔の前記第2基板部分に対応する部分に開口部を設けることによって前記第1基板部分を形成する工程と、前記第2絶縁基板材料及びその積層金属箔を前記開口部とほぼ同一形状及び寸法に加工することによって前記第2基板部分を形成する工程と、前記各基板部分の各積層金属箔が同一板面に沿って並置されるように前記第2基板部分を前記開口部に組み込むことによって前記絶縁基板を形成する工程と、前記第1及び第2基板部分の各金属箔相互の隣接部分を連結して同一層化処理を施す工程と、前記同一層化された金属箔に回路パターニングを施すことによって回路配線層及び素子用導電層を形成する工程とを備えたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、互いに誘電率が異なり板面に沿う方向に相互隣接する第1及び第2基板部分によって構成された絶縁基板、少なくとも前記第2基板部分に設けられた受動素子、前記受動素子の電極部分を構成する素子用導電層及び前記第1基板部分に設けられた回路配線層を有する受動素子内蔵形の回路配線基板の製造方法であって、平板状の第1絶縁基板材料の前記第2基板部分に対応する部分に開口部を設けることによって第1基板部分を形成する工程と、前記第1絶縁基板材料と誘電率が異なる平板状の第2絶縁基板材料を前記開口部とほぼ同一形状及び寸法の外形を有するように加工して前記第2基板部分を形成する工程と、前記各基板部分の板面が面一に揃うように前記第2基板部分を前記開口部に組み込むことによって前記絶縁基板を形成する工程と、前記第1及び第2基板部分を含む前記絶縁基板の板面上に導電材料層を形成する工程と、前記導電材料層に回路パターンニングを施すことによって回路配線層及び素子用導電層を形成する工程とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の回路配線基板によれば、回路配線層及び素子用導電層は、相互に隣接する第1基板部分及び第2基板部分にそれぞれ対応して並置され、素子用導電層以外の回路導体層が前記第2基板部分板面に殆ど重なり合わないように構成されている。
従って、前記第2基板部分を例えばキャパシタ誘電体層として用いる場合、高周波帯域動作に適するほどに大きな誘電率としても前記回路導体層及び前記第2基板部分に係わる寄生成分を無視できるほどに小さくでき、また、そのために、前記誘電体層の誘電率を自由に大きくできるので、キャパシタ形状寸法の小面積(小形)化が図れる。
そして、第1基板部分をできるだけ小さい誘電率とすることによって、この基板部分に配置された多くの回路導体層に係わる寄生容量を小さくでき、高周波帯域動作の回路に適用してもその安定化及び高速化が得られ、回路配線基板の小面積化も可能である。
本発明の製造方法によれば、前記第1及び第2基板部分に設けられる回路配線層及び素子用導電層を一般的な配線基板技術による金属箔のパターニングによって形成でき、回路配線層長の短いコンパクト化された回路配線基板が簡単かつ容易に製作できるという効果を奏する。
以下に、本発明の実施形態に係る回路配線基板の構造及びその製造方法について図1乃至図5を参照して説明する。
図1は本発明をキャパシタ及びインダクタを有するローパスフィルタ回路に適用した受動素子内蔵形の回路配線基板の構造に関する一実施形態を示している。そして、図1(a)は前記ローパスフィルタ回路図、図1(b)は前記回路を組み込んだ回路配線基板の一方の面(上面)を示す斜視図、図1(c)は前記回路配線基板の他方の面(下面又は裏面)に配置されるキャパシタ電極を示す平面図、図1(d)は図1(b)のA−A線に沿う断面図である。
図1(a)に示されたローパスフィルタ回路は、その受動素子として第1乃至第5キャパシタC1乃至C5、第1及び第2インダクタL1、L2を備えて構成されていて、前記各キャパシタはいずれも1対のキャパシタ電極a及びbを有し、各キャパシタ電極aは回路配線基板1の一方の面(上面)に、各キャパシタ電極bは他方の面(下面)にそれぞれ配置される。
前記第1インダクタL1及び第4キャパシタC4からなる並列回路と第2インダクタL2及び第5キャパシタC5からなる他の並列回路とは、第1入力端子Iaと第1出力端子Oaとの間に接続されている。前記第1キャパシタC1は第1及び第2入力端子Ia及びIb間に接続され、前記第3キャパシタC3は第1及び第2出力端子Oa及びOb間に接続されている。
そして第2キャパシタC2の電極aは層間導電路Tzを通じて、第2入力端子Ib及び第2出力端子Obに接続され、第2キャパシタC2の電極bは第4及び第5キャパシタC4及びC5の各電極bに接続されると共に、前記各インダクタL1、L2にそれぞれ接続された各層間導電路Tx、Tyに接続されている。
次に図1(b)に示された矩形平板状の回路配線基板1に形成された受動素子の配置パターンについて説明する。キャパシタ電極の参照符号については、以後、キャパシタの参照符号とその電極の参照符号とを結びつけ、前記キャパシタC1乃至C5の各電極a及びbはそれぞれC1a乃至C5a、C1b乃至C5bと表す(図1(c)及び(d)においても同様)。
前記回路配線基板1の一方の面(上面)には、前記第1乃至第5キャパシタC1乃至C5の各一方の電極aを構成する矩形平板状の第1乃至第5キャパシタ電極C1a乃至C5aが配置され、また、いずれも直線成分を有する螺旋板状の電極により構成された第1及び第2インダクタL1、L2図が配置されている。なお、このインダクタは、製品毎の回路設計に応じて螺旋曲線状やクランク蛇行線状などの形状に適宜パターン化される。
そして前記回路配線基板1の図中右下のコーナーに設けられた第1入力端子Iaと前記第1インダクタL1との間には、第1キャパシタ電極C1a、回路配線層31a、第4キャパシタ電極C4a及び回路配線層32aがこの順序で電気的に直列に接続して配置されている。
前記回路配線基板1の図中右上のコーナーに設けられた第1出力端子Oaと前記第2インダクタL2との間には、第3キャパシタ電極C3a、回路配線層33a、第5キャパシタ電極C5a及び回路配線層34aがこの順序で電気的に接続して配置されている。前記第1キャパシタ電極C1aと第3キャパシタ電極C3aとの間に配置された前記第2キャパシタ電極C2aは他のいずれのキャパシタ電極C1a、C3a乃至C5aとは離間しているが、層間導電路Tzによって前記回路配線基板1の他方の面(下面)へ電気的に導かれる。
図1(c)示された前記各キャパシタの各他方の電極bを構成する矩形平板状の第1乃至第5キャパシタ電極C1b乃至C5bは、前記第1乃至第5キャパシタ電極C1a乃至C5aとほぼ同一な形状、寸法及び配置パターンを有し、これらキャパシタ電極C1a乃至C5aに対向するように前記回路配線基板1の他方の面(下面)に配置される(図1(b)及び(c)の前記各配置パターンは紙面に平行移動するとほぼ重なり合う)。
そして、前記第1入力端子Iaに対向配置された第2入力端子Ibと前記第1インダクタ層間導電路Txとの間には、第1キャパシタ電極C1b、回路配線層31b、第4キャパシタ電極C4b及び回路配線層32bがこの順序で配置されている。前記第1出力端子Oaと対向配置された第2出力端子Obと前記第2インダクタL2側の層間導電路Tyとの間には、第3キャパシタ電極C3b、回路配線層33b、第5キャパシタ電極C5b及び回路配線層34bがこの順序で配置されている。また、第2キャパシタ電極C2bは、第4及び第5キャパシタ電極C4b、C5bに回路配線層35b、36bによって電気的に接続されている。
前記第1及び第3キャパシタ電極C1b、C3bを相互接続する回路配線層37bは、前記層間導電路Tzを通じて、前記回路配線基板1の上面の第2キャパシタ電極C2aに接続されている。前記第1インダクタL1は前記層間導電路Tx及び基板裏面の配線層32bを通じて、第4キャパシタ電極C4bに、前記第2インダクタL2は前記層間導電路Ty及び基板裏面の配線層34bを通じて第5キャパシタ電極C5bに接続されている。
ここで前記回路配線層のパターン形状及び配置について補足説明すると、回路配線層31aと31b、32aと32b、33aと33b、34aと34bのそれぞれの配置関係は図1(b)(c)では、回路配線基板1を挟んでほぼ重なる状態にあるが、寄生成分をできるだけ抑制するためには、板面沿う方向に互いにできるだけ離間させた方がよい。また、インダクタL1、L2に接続された回路配線層32a、32b、34a及び34bは寄生成分抑制のためできるだけ短い層長とする方がよい。
次に、図1(b)及び(d)に示すように回路配線基板1は、その基板基礎材としての平板状の絶縁基板2を有する。この絶縁基板2は、その基板の外形を形作る基礎材としての平板状の第1基板部分21及び前記複数のキャパシタC1乃至C5の各電極の配置パターンに対向配置され前記第1基板部分21とほぼ同一板厚を有する矩形平板状の複数の第2基板部分22によって構成されている。
前記第1基板部分21には、回路配線基板分野で一般的な例えば比誘電率4.4程度のガラスエポキシ樹脂系の絶縁基板材料が用いられ、前記各キャパシタ電極の配置パターンに対応する各位置に、前記各キャパシタ電極の形状及び寸法にそれぞれ見合った形状の複数の開口部23が例えば切抜き或いは打抜き加工によって形成されている。前記第1基板部分21の材料としては、アラミド樹脂、ポリプロピレンエチルフタレート(PPE)樹脂及びフッ素樹脂のいずれかを使用してもよい。
前記複数の第2基板部分22は、ここでは、前記各キャパシタの誘電体層として用いられるもので、前記第1及び第2基板部分21、22の各板両面がそれぞれほぼ面一に揃うように配置されて前記各開口部内に挿入固定されていて、前記第1基板部分21の板面に沿う横方向に隣接する構成となっている。
キャパシタ誘電体層としての前記各第2基板部分22は、その平面形状及び寸法が各両板面に対設された各1対のキャパシタ電極のそれとほぼ同一とされ、各キャパシタ電極及び誘電体層は各キャパシタに要求される静電容量値に応じた面積とされている。
前記第2基板部分22の材料としては、前記第1基板部分の材料に比して遥かに大きい比誘電率例えば約30にも及ぶ高誘電体材料、例えばチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコニウム鉛及び高分子材料の混合物からなる絶縁物(誘電体)樹脂材料が用いられている。ところで、前記第1及び第2基板部分21、22の相互固定は、これらを板両面から加熱加圧し、各基板部分の隣接し合う部分を押圧接触させ各基板樹脂成分を相互溶着及び硬化させることによって得られる。
キャパシタ誘電体としてこのように大きな比誘電率の材料が用いられることにより、特に高周波帯域動作用のキャパシタに要求されるような大きな静電容量値であっても、その誘電体の面積を小さく設計することができ、キャパシタ内蔵回路配線基板の小面積化が図れる。このことを数値比較で示すと、前記のようにキャパシタ誘電体の比誘電率を30程度とした場合は、比誘電率が4.4程度のキャパシタ誘電体の場合に比して、同じ静電容量値を得るためにキャパシタ面積が約1/7に小面積化される。
また、前記複数の第2基板部分22は、前記第1基板部分21の板面に沿う横方向に隣接する構成となっているので、所望の比誘電率を有する誘電体材料を予め用意しておき、前記各開口部23に対して、それぞれ簡単に挿入固定することによって、各キャパシタを容易に組み込むことができる。更に、前記複数の第2基板部分22は、複数のキャパシタの各静電容量値に応じてそれぞれ異なる比誘電率の材料或いは異なる板厚の材料をそれぞれ使用してもよい。
前記キャパシタ電極C1a乃至C5a、C1b乃至C5b、インダクタL1及びL2(これらキャパシタ電極及びインダクタ電極を総称する場合は素子用導電層と表現する)、回路配線層31a乃至34a、31b乃至37b、入出力端子Ia、Ib、Oa、Ob(これら回路配線層及び入出力端子を総称する場合は回路導体層と表現する)は、いずれも例えば銅箔からなる金属箔で構成されている。
前記各回路配線層、各入出力端子及び各インダクタは、いずれも例えば化学的選択エッチング技術によって前記金属箔をパターニングすることによって形成されていて、比誘電率の小さい第1基板部分の板面上に配置され、この部分での寄生容量等の寄生成分が小さく抑えられている。
しかも、前記各回路配線層、各入出力端子及び各インダクタは、各キャパシタ電極とは絶縁基板2の板面に沿って並置された関係にあり、比誘電率の大きい前記複数の第2基板部分22(高誘電体層)と殆ど重なり合わないので、この部分での寄生成分もまた無視できるほどの小さい値に抑制される。
また、相互並置された前記インダクタL1、L2及びキャパシタ電極C1a乃至C5aは絶縁基板2の表面に位置し回路配線基板の最外層にあるので、これらを構成する金属箔からなる素子用導電層をトリミングによってインダクタンスや静電容量値を容易に調整することができる。
前記第1基板部分の絶縁(誘電体)素材として、例えば日立化成工業社製の商品名であるMCL−LX−67Y(誘電体基板の比誘電率3.5乃至3.7 @1MHz)のような低誘電率(多層)材料基板を用いると、前記寄生成分がなお一層小さくなり、より高い高周波帯域動作用の回路基板を提供することができる。
前記第2基板部分22のキャパシタ高誘電体素材としては、例えばオーク三井テクノロジー社製の商品名であるFaradFlex BC16T(Cステージ 両面銅箔張り、誘電体基板の比誘電率30 @1MHz)のような高誘電体基板材料を用いることにより、前記のような高周波帯域動作に適した小面積化されたキャパシタ及び回路基板を提供することができる。
ところで、絶縁基板2に設けられた層間導電路Txは図1(d)に示されているように、第1基板部分21の一方の面(上面)上のインダクタL1の螺旋中央部(コンタクト部)の位置にビアホール24を設け、そのコンタクト部と前記第4キャパシタの電極C4bに係わる配線層32bとに連なる銅メッキを施すことによって形成されている。また、層間導電路Txは前記ビアホール技術に限らず、一般的なスルーホール技術を用いて形成してもよく、層間導電路Ty及びTzも前記層間導電路Txと同様にビアホール又はスルーホール技術のいずれを利用して形成してもよい。
図2はインダクタL1、L2に関連する部分の変形例を示すものであり、できるだけ小さい誘電率の低誘電体材料で構成された第2基板部分22Lが、前記インダクタL1(L2)に対向する位置に設けられ、インダクタに係わる寄生成分をできるだけ小さく抑えるような工夫がなされている。この工夫は、前記インダクタ電極を構成する素子用導電層がパターン設計上、所望のインダクタンス値を確保するだけのかなり長い層長になるだけに、特に効果的である。
このように、前記第1基板部分21は、機能要求度及び材料コスト要求度に応じてできるだけ小さな誘電率の材料で構成しておいてよいが、前記第2基板部分22、22Lは、この部分に関連する受動素子の種類に応じて高誘電体材料及び低誘電体材料を選択使用することができる。そのために、種々の回路特性に応じた回路設計並びに種々の受動素子内蔵形回路配線基板の品揃えが容易である。
また、前記インダクタ電極やキャパシタ電極などの素子用導電層及び回路配線層は、絶縁基板2表面に一面に形成された銅箔に対して一つのマスクを用いて回路パターンニングすることによって形成できるために、これら相互の接続部分に半田を使用する必要がなく、その接続部の機械的及び電気的な信頼性が高く、基板の軽量化が得られる。
次に、前記実施形態に係る回路配線基板1の製造方法の一実施形態(第1製法例)について図3を参照して説明する。この図3の工程断面図は、図1(d)のキャパシタC1及びC4、インダクタL1に係わる部分の断面図にほぼ対応したものとして示されている。
まず、図3(a)に示す工程では、平板状の絶縁基台40の片面に金属箔例えば銅箔が積層或いは張合わされた回路配線基板材料として、例えば日立化成工業社製の商品名であるMCL−HD−67(絶縁基台材料の比誘電率は10.2乃至10.6 @1MHz)を用い、前記銅箔に化学的選択エッチングによる回路パターニングを行う。このパターンニングにより図1(c)に示されたパターン形状のキャパシタ電極C1b乃至C5b及び回路配線層31b乃至37b等が形成され、そのうち前記キャパシタ電極C1b、C4b及び回路配線層32bが図3に示されている。
図3(b)に示す工程では、前記各電極及び各回路配線層の相互間の隙間を埋めるように、平坦化絶縁樹脂層(41)によって前記絶縁基台40の表面を被覆することによって、その表面の平面(平坦)化処理を行う。
図3(c)に示す工程は、前記第1及び第2基板部分21、22を有する前記絶縁基板2にキャパシタ電極C1a乃至C5a、インダクタL1、L2、回路配線層31a乃至37aなどを形成するための部品素材を用意する工程である。主として回路配線層やインダクタを形成するための片面銅箔30を有する回路配線基板材料としては、例えば日立化成工業社製の商品名であるMCF−6000E(その絶縁基板材料の比誘電率は4.2乃至4.4 @1MHz)を用いる。
そして、例えばNCルータ機を使用して、前記回路配線基板材料に、前記各キャパシタC1乃至C5の各キャパシタ電極の平面形状及び寸法に見合った矩形状の切り抜き加工を施すことによって形成された複数個の開口部23を有する片面銅箔積層状態の第1の絶縁基板材料からなる前記第1基板部分21を形成する。
また、前記各キャパシタ形成のために、片面に銅箔が積層された高誘電体板材を有する他の回路配線基板材料としては、例えばオーク三井テクノロジー社製の商品名であるFaradFlex BC16T(Bステージ 片面銅箔、第2の絶縁(誘電体)基板材料の比誘電率30 @1MHz)を用いる。
そして、前記各キャパシタC1乃至C5の静電容量値に応じた面積を有する各キャパシタ電極C1a乃至C5a(図1(b)のキャパシタ電極パターン参照)の矩形形状及び寸法に合わせて、前記第2絶縁(誘電体)基板材料を含む他の回路配線基板材料を裁断することにより、前記各キャパシタ電極が積層された高誘電体層からなる複数の第2基板部分22を個々に切り出す。
図3(c)には前記銅箔製のキャパシタ電極C1a、C4a及びこれらがそれぞれ積層された第2基板部分22が示されている。そして、矩形状の第2基板部分22の外形寸法はその一辺の長さが、前記第1基板部分21の矩形状開口部23の内壁面の一辺の長さより例えば0.3mm程度小さくなるように、これら相互間のマージンがとられている。
図3(d)に示す工程は、前記工程において用意された部材を一体化組立てする工程であり、前記各基板部分上にそれぞれ積層された各銅箔が同一板面に沿って並置されるように、前記各第2基板部分22を第1基板部分21の各開口部23にそれぞれ挿入或いは嵌め合わせて組み込み、前記第1及び第2基板部分21、22を前記絶縁基台40上方に重ね合わせて積層する。そこで、前記第1及び第2基板部分21、22の各上表面側から前記絶縁基台40に向けてホットプレスをかける。
このプレスは、例えば約4.0Mpa(メガパスカル)の荷重をかけた状態において、約3.5℃/minの昇温速度で室温から約190℃まで上昇させ、約190℃の温度を約1時間保持した後、−5℃/minの降温速度で放冷することによって行われる。このホットプレスの結果、前記第1及び第2基板部分の隣接し合う各側壁は各基板部分に含まれる各樹脂成分の側方押出しが生じ相互溶着されて絶縁基板2が構成される。
次に、前記各層間導電路Tx、Ty、Tz(図3ではTxのみ図示)を例えばスルーホール方式により形成するためにそれぞれに対応する基板部分に、NCドリルによりスルーホールTHを形成する。なお、前記開口部23に係るマージンのために前記銅箔30とC1aやC4aなどの銅箔製の各キャパシタ電極との間には複数の隙間Gが残っている。
図3(e)に示す工程では、まず、これまでの加工工程において生じた残滓を除去するためにデスミア処理を行った後、前記銅箔30と各キャパシタ電極との間の前記複数の隙間Gやスルーホール内に露出する絶縁材料表面を例えばパラジウム触媒によって導通化処理を施す。その後、この導通化処理された部分や前記銅箔の表面全体にパネルメッキ法により金属メッキ例えば銅メッキすることによって、前記各隙間Gをその金属メッキにより補填すると共に、前記スルーホールTH内面に金属メッキ層による各層間導電路Tx、Ty、Tzを形成する。
前記隙間G補填に係わる導通化処理及び金属メッキ工程は、前記第1基板部分21上の銅箔30と前期第2基板部分22上のキャパシタ電極用(素子用導体層)の銅箔との相互隣接部分を連結して、各銅箔相互を前記絶縁基板2表面全体に亘って横並びに連続した実質的に同一層或いは同一銅箔構造とするための同一層化処理工程である。この同一層化処理工程により、前記同一層化された銅箔は、前記第1及び第2基板部分21、22を含む絶縁基板2表面全体に亘って連続して広がる平坦表面を有する。
図3(f)に示す工程では、前記同一層化処理によって形成された平坦表面を有する同一層化構造の銅箔に対して化学的選択エッチングによるパターニングを施すことによって、図1(b)に示されたパターン形状のキャパシタ電極C1a乃至C5a、インダクタL1、L2及び回路配線層31a乃至34aを形成する。その後、これらの回路導体層表面を化学的処理により整面し、その表面上にソルダーレジスト及びカバーフィルムとして例えば感光性のアクリルフィルムをラミネートする。
なお、前記キャパシタ電極C1a乃至C5aは、図3(b)に示す工程で、当初のパターン形状及び寸法を有するものの、図3(e)に示す前記同一層化処理によりその輪郭が一旦前記メッキによって覆われるが、前記パターンニング工程によって当初のパターン形状及び寸法とほぼ同一の形状に再現される。
この第1製法例によれば、図3(e)及び(f)に示す工程から分かるように、前記絶縁基板2表面上の同一層化されたの銅箔が全体的に平坦表面を有するために、一つのパターンマスクを用いて、1回の回路パターンニング工程によって、微細なマスクパターン精度のもとに、相互に並置関係にあるインダクタ電極やキャパシタ電極などの素子用導電層及び回路配線層などを含む回路導体層のパターンを一挙に形成することができる。
従って、受動素子間を結ぶ回路配線長は、個々に形成された受動素子チップを回路配線基板に実装する従来の前記第1内蔵方法に比して著しく短縮され、寄生容量及び寄生インダクタンスなどの寄生成分が小さく抑えられる。また、従来の前記第2内蔵方法のようなスクリーン印刷、スパッタ或いは電解酸化などの薄膜技術及びそのための格別な新規設備の投入をする必要がなく、一般的な回路配線基板技術及び通常の設備のもとで、受動素子内蔵形の回路配線基板が簡単に低コストで製作できる。
また、大容量のキャパシタを内蔵させるに当たって、前記特許文献1に示された従来例のものでは、複数のシート状キャパシタを多層化積層するために、その工程数が多く、回路基板厚が厚くなり、多層間の層間導通路の形成が複雑となり易いが、この第1製法例では、複数のキャパシタ及び複数の層間導通路はいずれも、比較的薄肉の回路配線基板の板面に沿った横並び位置に簡単に組込まれ、各層間導通路はその長さを短くでき電気的接続の信頼性の高いものにすることができる。
次に回路配線基板の製造方法の他の実施形態(第2製法例)について図4を参照して説明する。この製法ではキャパシタ用の素材に両面銅箔積層タイプの回路配線基板材料(素材)を用い、1対のキャパシタ電極のうち基板裏面側に位置する電極に対する電極引出構造(層間導電路)の形成のために例えばビアホール技術を採用している。
図4(a)に示す工程では、主として回路配線層やインダクタを形成するための片面銅箔30を有する回路配線基板材料として、例えば日立化成工業社製の商品名MCL−LX−67Y(比誘電率3.5乃至3.7@1MHz)を用い、前記基板材料のキャパシタ設置部分に例えばNCルータ機による切り抜き加工を施して形成された開口部23を有する第1基板部分21を形成する。この基板材料は比誘電率が前記実施形態におけるガラスエポキシ樹脂製絶縁基板よりも小さいので、回路配線層に係わる寄生成分をより一層小さくできる。
一方キャパシタ形成のための両面銅箔積層タイプの他の回路配線基板材料として、例えばオーク三井テクノロジー社製の商品名であるFaradFlex BC16T(Cステージ両面銅箔 比誘電率30@1MHz)を用いる。そして、前記他の回路配線基板材料の裁断加工により、キャパシタの静電容量値に応じた面積を有する矩形状の1対のキャパシタ電極CXa及びCXbが積層された高誘電体層からなる複数の第2基板部分22を個々に切り出す。
ところで、前記第1基板部分21の板厚は前記第2基板部分22よりも銅箔一枚分の厚さだけ厚くされ、矩形状の第2基板部分22の外形は前記第1基板部分21の矩形状開口部23内壁面の一辺の長さに対し0.5mm程度のマージンがとられている。
図4(b)に示す工程では、前記各第2基板部分22を第1基板部分21の各開口部23にそれぞれ挿入或いは嵌め合わせ、前記第1及び第2基板部分21、22を絶縁樹脂プリプレグ42(例えば新神戸電機社製の商品名EA−541)に重ね合わせて積層させる。そこで、前記第1及び第2基板部分21、22及び前記プリプレグ42を挟むようにホットプレスをかける。このプレスは例えば約3.5Mpa(メガパスカル)の荷重をかけた状態において約3.5℃/minの昇温速度で室温から約180℃まで上昇させ、その温度に約1時間保持した後、−5℃/minの降温速度で放冷することによって行われる。
このホットプレスの結果、前記第1及び第2基板部分21、22の隣接し合う各側壁は各基板部分に含まれる各樹脂成分の側方押出しが生じ相互溶着されて絶縁基板2が構成され、前記第1基板部分21及び前記プリプレグ42は相互に熱圧着されが、この圧着面に予め接着剤を塗布しておいてもよい。
次に、絶縁基板2の裏面側のキャパシタ電極CXbの一部に設けられる電極引出用のコンタクト部を露出させるために、前記キャパシタ電極CXaの前記コンタクト部に対向する部分に化学的エッチングにより開口し、更に、第2基板部分22の前記開口に対向する部分に例えば炭酸ガスレーザーによりビアホールVHを形成し、前記コンタクト部に対するコンタクト孔を設ける。なお、この工程では前記第1製法例と同様に前記銅箔30とキャパシタ電極CXaとの間には隙間Gが残っている。
図4(c)に示す工程では、まず、前工程に生じた残滓を除去するためにデスミア処理を行った後、前記隙間GやビアホールVH内に露出する絶縁材料表面を例えばパラジウム触媒によって導通化処理する。その後、この導電化処理された部分及び前記銅箔の表面全体にパネルメッキにより例えば銅の金属メッキを施し、その金属メッキで前記各隙間Gを補填すると共に、裏面キャパシタ電極CXbのコンタクト部から電極引出しするための層間導電路Tcを形成する
前記隙間G補填に係わる導通化処理及び金属メッキ工程において、前記第1製法例の図3(e)の工程と同様に、前記第1基板部分21上の銅箔30と前期第2基板部分22上のキャパシタ電極用CXa(素子用導体層)の銅箔とが相互に連続するよう同一層化処理され、前記同一層化された銅箔表面は絶縁基板2表面全体に亘って連続して広がる平坦表面に形成される。
図4(d)に示す工程では、前記第1製法例の図3(f)の工程と同様に、前記同一化処理により絶縁基板2表面全体に亘って連続して広がる同一層化銅箔に対して化学的選択エッチングによるパターニングを施すことによって、キャパシタ電極CXa、インダクタL及び回路配線層(図示せず)を形成し、その後、回路導体層表面の化学的処理による整面、その表面上へのソルダーレジスト及びカバーフィルムのラミネートを行う。
このような第2製法例は前記第1製法例とほぼ同様な効果を奏することができる。また、回路配線基板材料(素材)には市販されているものとして、絶縁基板材料の比誘電率などの電気的特性に関しても金属箔の積層に関しても片面、両面或いは多層など様々な種類のものがあり、受動素子内蔵形の回路配線基板作製に当たって、回路特性上最適な市販の基板材料の選択のもとに、前記第1製法例、第2製法例或いはこれらの組合せを適用することによって、最適な回路特性の回路配線基板を容易に製作することができる。
また、前記第1及び第2基板部分21、22からなる前記絶縁基板2を形成する際、前記第1及び第2基板部分21、22は、互いに誘電率が異なり前記銅箔のような導電材料層が積層されてない状態の平板状の第1及び第2絶縁基板材料をそれぞれ用いて形成してもよい。この場合には、前記第1及び第2基板部分21、22は、前記第1及び第2製法例において説明した加工方法、加工形状及び寸法とほぼ同様に前記第1及び第2絶縁基板材料をそれぞれ加工して形成され、前記絶縁基板2は、前記各基板部分の板面が面一に揃うように前記第2基板部分22を前記開口部23に挿入固定して組立てられる。
そして、前記第1及び第2基板部分21、22を含む前記絶縁基板2の板面上に金属箔或いは導電金属被着層などの導電材料層が形成され、回路配線層及び素子用導電層は、前記導電材料層に回路パターンニングを施すことによって前記前記第1及び第2基板部分21、22を含む前記絶縁基板2上に形成される。
このような方法によれば、最終的にパターンニングされる前記導電材料層が、前記第1及び第2基板部分21、22の板面全体にに亘って連続した一層構造で形成されるので、前記第1及び第2製法例におけるような導通化処理や同一層化処理の工程を省略することができる。
次に、前記受動素子として抵抗素子を組込んだ例について図5を参照して説明する。図5(a)の例では、その抵抗素子が、第2基板部分22Rの一方の面に設けられた1対の抵抗端電極Raの間に例えばカーボンからなる抵抗層R1を被着し、前記1対の抵抗端電極Raを第1基板部分21上の回路配線層38a及び39aに接続して構成されている。
また図5(b)はより高い抵抗値の抵抗素子例を示し、その素子は第2基板部分22Rの両面の各一片隅に設けられた1対の抵抗端電極RaとRbとの間にカーボン抵抗層R2を第2基板部分22R上面からその一側面を通じて裏面へと延在するように被着し、前記1対の抵抗端電極Ra及びRbを回路配線層38a及び38bに接続して構成されている。
前記各抵抗素子は第2基板部分22Rを基台とする個別チップとして予め形成しておき、前記第1基板部分21に設けられた開口部(前記個別チップとほぼ同一形状及び寸法を有する)に、嵌め込むことによって簡単に組み込むことができる。
本発明の実施形態に係る回路配線基板を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る回路配線基板のインダクタ部分構造の他の例を説明するための部分縦断面図である。 本発明の実施形態に係る回路配線基板の製造方法(第1製法例)を説明するための工程別縦断面である。 本発明の実施形態に係る回路配線基板の製造方法(第2製法例)を説明するための工程別縦断面である。 本発明の実施形態に係る回路配線基板の受動素子として抵抗を組み込んだ例を説明するための一部縦断斜視図である。
符号の説明
1 回路配線基板
2 絶縁基板
21 第1基板部分
22、22L、22R 第2基板部分
23 開口部
24、VH ビアホール
30 銅箔
31a乃至34a、31b乃至38b、38a、39a 回路配線層
40 絶縁基台
41 平坦化絶縁樹脂層
42 プリプレグ
C1乃至C5、CXa、CXb キャパシタ
C1a乃至C5a、C1b乃至C5b キャパシタ電極
G 隙間
L、L1、L2 インダクタ(電極)
R1、R2 抵抗層
Ra、Rb 抵抗端電極
Tc、Tx、Ty、Tz 層間導電路

Claims (6)

  1. 互いに誘電率が異なり板面に沿う方向に相互に隣接された第1基板部分及び第2基板部分によって構成された平板状の絶縁基板と、少なくとも前記第2基板部分に設けられた受動素子と、前記受動素子の電極部分を構成する素子用導電層と、前記導電層に電気的に接続され前記第1基板部分に設けられた回路配線層とを備え、前記第1及び第2基板部分はそれぞれの板面が前記絶縁基板の平板状板面にほぼ面一に揃うように配置され、前記素子用導電層及び回路配線層は前記絶縁基板の板面上に並置されていることを特徴とする回路配線基板。
  2. 請求項1に記載の回路配線基板において、前記板状第2基板部分は第1基板部分よりも大きな誘電率の高誘電体によって構成され、前記第2基板部分の受動素子は、前記高誘電体の第2基板部分からなるキャパシタ誘電体層及びその誘電体層両面にそれぞれ形成された前記素子用導電層からなるキャパシタ電極を有するキャパシタであることを特徴とする回路配線基板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の回路配線基板において、前記第1基板部分の一部表面に、インダクタパターン化された素子用導電層からなるインダクタが設けられていることを特徴とする回路配線基板。
  4. 請求項1に記載の回路配線基板において、前記第2基板部分は第1基板部分よりも小さい誘電率の低誘電体によって構成され、前記第2基板部分上にインダクタパターン化された素子用導電層からなるインダクタが設けられていることを特徴とする回路配線基板。
  5. 互いに誘電率が異なり板面に沿う方向に相互隣接する第1及び第2基板部分によって構成された絶縁基板、少なくとも前記第2基板部分に設けられた受動素子、前記受動素子の電極部分を構成する素子用導電層及び前記第1基板部分に設けられた回路配線層を有する受動素子内蔵形の回路配線基板の製造方法であって、少なくとも片側板面に金属箔がそれぞれ積層され誘電率が互に異なる平板状の第1及び第2絶縁基板材料を用意する工程と、前記第1絶縁基板材料及びその積層金属箔の前記第2基板部分に対応する部分に開口部を設けることによって前記第1基板部分を形成する工程と、前記第2絶縁基板材料及びその積層金属箔を前記開口部とほぼ同一形状及び寸法に加工することによって前記第2基板部分を形成する工程と、前記各基板部分の各積層金属箔が同一板面に沿って並置されるように前記第2基板部分を前記開口部に組み込むことによって前記絶縁基板を形成する工程と、前記第1及び第2基板部分の各金属箔相互の隣接部分を連結して同一層化処理を施す工程と、前記同一層化された金属箔に回路パターンニングを施すことによって回路配線層及び素子用導電層を形成する工程とを備えたことを特徴とする回路配線基板の製造方法。
  6. 互いに誘電率が異なり板面に沿う方向に相互隣接する第1及び第2基板部分によって構成された絶縁基板、少なくとも前記第2基板部分に設けられた受動素子、前記受動素子の電極部分を構成する素子用導電層及び前記第1基板部分に設けられた回路配線層を有する受動素子内蔵形の回路配線基板の製造方法であって、平板状の第1絶縁基板材料の前記第2基板部分に対応する部分に開口部を設けることによって第1基板部分を形成する工程と、前記第1絶縁基板材料と誘電率が異なる平板状の第2絶縁基板材料を前記開口部とほぼ同一形状及び寸法の外形を有するように加工して前記第2基板部分を形成する工程と、前記各基板部分の板面が面一に揃うように前記第2基板部分を前記開口部に組み込むことによって前記絶縁基板を形成する工程と、前記第1及び第2基板部分を含む前記絶縁基板の板面上に導電材料層を形成する工程と、前記導電材料層に回路パターンニングを施すことによって前記回路配線層及び素子用導電層を形成する工程とを備えたことを特徴とする回路配線基板の製造方法。





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