JP2006190871A - 金属抵抗体材料、抵抗薄膜、スパッタリングターゲット、薄膜抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

金属抵抗体材料、抵抗薄膜、スパッタリングターゲット、薄膜抵抗器およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のNi−Cr系合金を用いた薄膜抵抗器よりも塩素に対する高い耐食性を有するとともに、従来のNi−Cr系合金を用いた薄膜抵抗器と同等程度の大きさ(絶対値)の抵抗温度係数を有し、さらに従来のNi−Cr系合金を用いた薄膜抵抗器、Ta合金またはTaN化合物を用いた薄膜抵抗器と比べて同等以上の高温安定性を有する薄膜抵抗器およびそれに用いる金属抵抗体材料、スパッタリングターゲット、抵抗薄膜を提供する。
【解決手段】Taを30〜60質量%含み、かつ、残部はCrおよびNiを含み、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1である金属抵抗体材料をスパッタリングターゲットとして用いてスパッタリングを実施し、絶縁材料基板上に抵抗薄膜を形成する。得られた抵抗薄膜に対して、400℃〜650℃で1〜5時間の熱処理を大気中で行なう。
【選択図】 図3

Description

本発明は、金属抵抗体材料およびこれを用いた抵抗薄膜、スパッタリングターゲット、ならびに、該金属抵抗材料を用いた薄膜抵抗器およびその製造方法に関する。
チップ抵抗器、精密抵抗器、ネットワーク抵抗器、高圧抵抗器などの抵抗器、測温抵抗体、感温抵抗器などの温度センサ、ならびに、ハイブリットICとその複合モジュール製品などの電子部品には、抵抗薄膜を使用した薄膜抵抗器が用いられている。
この薄膜抵抗器においては、多くの場合、抵抗薄膜を形成する金属抵抗体材料として、Ta合金、TaN化合物およびNi−Cr系合金が用いられており、その中でもNi−Cr系合金が、最も一般的に用いられている。
Ni-Cr系合金を用いた薄膜抵抗器は、抵抗温度係数の絶対値の大きさが小さく、良好な抵抗温度特性を有する。しかし、人の汗や海水など塩素を含む水溶液が付着していると、その使用中、すなわち電圧が負荷された状態において、腐食が生じる。このため、Ni-Cr系合金を用いた薄膜抵抗器は、塩素に対する耐食性の面で、従来のTa合金またはTaN化合物を用いた薄膜抵抗器に劣り、信頼性に欠けるという問題があった。
一方、従来のTa合金またはTaN化合物を用いた薄膜抵抗器は、塩素に対する耐食性は良好であるものの、ある特定の膜厚以外では抵抗温度係数(TCR)が安定せず、幅広い抵抗値の薄膜抵抗器を製造することが困難であった。
なお、薄膜抵抗器には、高温における抵抗安定性(以下、高温安定性と記す)も要求されている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、従来のNi−Cr系合金を用いた薄膜抵抗器よりも塩素に対する耐食性が高く、Ta合金またはTaN化合物を用いた薄膜抵抗器と同等程度の塩素に対する耐食性を有するとともに、従来のNi−Cr系合金を用いた薄膜抵抗器と同等程度の大きさ(絶対値)の抵抗温度係数を有し、さらに従来のNi−Cr系合金を用いた薄膜抵抗器、Ta合金またはTaN化合物を用いた薄膜抵抗器と比べて同等以上の高温安定性を有する薄膜抵抗器およびその製造方法、ならびに該抵抗薄膜に用いる金属抵抗体材料、スパッタリングターゲット、抵抗薄膜を提供することを目的とする。
本発明の第一態様に係る金属抵抗体材料は、Taを30〜60質量%含み、残部はCrおよびNiからなり、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1である。
本発明の第二態様に係る金属抵抗体材料は、Taを30〜60質量%、Alを0〜8質量%含み、残部はCrおよびNiからなり、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1である。
本発明に係るスパッタリングターゲットは、上記金属抵抗体材料と実質的に同じ組成であり、抵抗薄膜の形成に用いることができる。
本発明の第一態様に係る抵抗薄膜は、Taを30〜60質量%含み、残部はCrおよびNiからなり、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1であって、かつ、表面に酸化膜が形成されている。
本発明の第二態様に係る抵抗薄膜は、Taを30〜60質量%、Alを0〜8質量%含み、残部はCrおよびNiからなり、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1であって、かつ、表面に酸化膜が形成されている。
前記抵抗薄膜は、抵抗温度係数が±25ppm/℃以内であり、155℃の高温に1000時間保持した後の抵抗変化率が0.10%以下であり、酸性人工汗液を用いた電食試験において溶解開始電圧が3.0V以上であることが好ましい。
本発明に係る薄膜抵抗器は、前記抵抗薄膜を備える。
本発明に係る薄膜抵抗器の製造方法は、本発明に係る前記スパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により、絶縁材料基板上に抵抗薄膜を形成し、その後、該抵抗薄膜を大気中または酸素を微量含む不活性ガス中において、300〜650℃で1〜5時間熱処理することを特徴とする。前記絶縁材料基板としては、例えば、アルミナ等を用いることができる。
本発明に係る抵抗薄膜は、適切な熱処理をすることにより、薄膜表面に緻密な酸化膜が形成されているため、塩素に対する耐食性が改善されるとともに、高温安定性に優れている。さらに、抵抗温度係数も安定的に±25ppm/℃以内とすることができる。
このような特性を有する抵抗薄膜を備えた薄膜抵抗器を用いることにより、精密な精度の要求される電子機器においても、腐食環境および高温環境の下における信頼性を確保することができる。
従来から、薄膜抵抗器の抵抗体材料として、Ni−Cr系合金ならびにTa合金およびTaN化合物が用いられているが、前述のように、Ni−Cr系合金は、抵抗温度係数の大きさ(絶対値)は小さいものの、塩素に対する耐食性が劣っていた。一方、Ta合金およびTaN化合物は、塩素に対する耐食性は良好であるものの、ある特定の膜厚以外では抵抗温度係数(TCR)が安定せず、幅広い抵抗値の薄膜抵抗器を製造することが困難であった。
そこで、本発明者は、Ni−Cr系合金と同程度に小さい抵抗温度係数と、Ta合金およびTaN化合物と比べて同等以上の塩素に対する耐食性と、Ni−Cr系合金ならびにTa合金およびTaN化合物と比べて同等以上の高温安定性とを兼ね備えた金属抵抗体材料を得るための研究開発を進めた。
その結果、Ta、Ni、Crを所定の割合で含有させ、かつ、所定の熱処理をすることで前記複数の特性を兼ね備えた金属抵抗体材料が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明の第一態様に係る金属抵抗体材料は、Taを30〜60質量%含み、残部はCrおよびNiからなり、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1である。
Taは主として耐食性に効果があるが、30質量%未満では耐食性への効果が不十分であり、また60質量%を超えると抵抗温度係数が負に大きくなってしまい好ましくない。
CrおよびNiは、主として抵抗温度係数の値を低減する効果がある。ただし、CrのNiに対する質量比が0.5未満であると、抵抗温度係数の値を低減する効果が小さくなり抵抗温度係数が大きくなるとともに、高温安定性が不十分となる。一方、CrのNiに対する質量比が1.1を超えると、抵抗温度係数の値を低減する効果が小さくなり抵抗温度係数が大きくなるとともに、高温安定性が不十分となる。また、製造上の再現性が悪化する。
本発明の第二態様に係る金属抵抗体材料は、前記の第一態様に係る金属抵抗体材料にさらにAlを添加したものである。Alを添加することにより耐食性が向上する。ただし、Alの添加量が8質量%を超えると、抵抗温度係数が負に大きくなってしまうため好ましくない。
次に、本発明の第一または第二態様に係る金属抵抗体材料をスパッタリングターゲットに用いて、抵抗薄膜を作製する場合について説明する。
本発明の第一または第二態様に係る金属抵抗体材料を用いてスパッタリングを行い、絶縁材料基板上に成膜すると、Ta-Ni−Cr合金またはTa-Ni−Cr-Al合金からなる抵抗薄膜が得られる。該抵抗薄膜の組成は、ターゲットに用いた金属抵抗体材料の組成と実質的に同一である。ただし、真空中で成膜したままの抵抗薄膜は、塩素に対する耐食性が十分でなく、また抵抗温度係数が負に大きく、さらに高温における抵抗安定性が不十分である。
そのため、本発明の第一または第二態様に係る金属抵抗体材料を用いて成膜した抵抗薄膜に対して、大気中において所定の熱処理を行うことが必要である。所定の熱処理を行うことにより、塩素に対する耐食性が従来のNi-Cr系合金よりも良好であり、抵抗温度係数の絶対値が25ppm/℃よりも小さく、さらに温度155℃に1000時間保持した場合の抵抗変化率が0.10%以下である抵抗薄膜を得ることが可能となる。
具体的には、組成に応じて、400℃〜650℃で1〜5時間の熱処理を大気中で行なう。これにより、抵抗薄膜の表面に緻密で安定な酸化膜が形成され、塩素に対する高い耐食性を付与することができる。また、同時に抵抗温度係数が調整され、安定的に±25ppm/℃以内とすることが可能となるとともに、良好な高温安定性が得られる。なお、前記酸化膜は、クロム、タンタル及びアルミニウムが主成分である。
熱処理温度が400℃未満では耐食性、耐熱性が十分には発現せず、抵抗温度係数も負に大きいままである。一方、熱処理温度が650℃を越えると、抵抗温度係数が正に大きくなってしまう。熱処理時間が1時間未満では耐食性、耐熱性が十分には発現せず、抵抗温度係数も負に大きいままである。一方、5時間を超えて熱処理をしても各特性に及ぼす効果は小さく、生産性が悪くなる。
なお、熱処理を行う雰囲気は、大気に代えて酸素を微量含んだ不活性ガスにしてもよい。また、この大気中での熱処理の前に、真空中で熱処理をして抵抗温度係数の調整を行ってもよい。
このような特性を有する抵抗薄膜を備えた薄膜抵抗器を用いることにより、精密な精度の要求される電子機器においても、腐食環境および高温環境の下における信頼性を確保することができる。
(実施例1〜7、比較例1〜6、従来例1,2、参考例1)
ニクロムターゲット、アルミニウムターゲット及びタンタルターゲットを用いた3元同時カソードスパッタ法によって、表1に示す参考例1、実施例1〜5、7、比較例1〜5の組成の薄膜抵抗を作製した。
ニクロムターゲットは次のようにして作製した。まず、電気ニッケル(住友金属鉱山株式会社製)、電解クロム(東洋曹達株式会社製)を原料とし、真空溶解炉を用いて、ニッケルのクロムに対する質量比が所定の値となるように変えた各ニッケルクロム合金インゴットを、それぞれ2kgずつ得た。次に、得られた各ニッケルクロム合金インゴットについて、均質化処理をした後、ワイヤカットで厚さ5mm、直径150mmの丸板を切り出した。そして、上下面を研削してニクロムターゲットとした。
アルミニウムターゲット、及びタンタルターゲットは純度99.99%の市販のものを用いた。アルミニウムターゲットは住友金属鉱山株式会社製であり、タンタルターゲットは株式会社豊島製作所製である。
従来例1及び2では、住友金属鉱山株式会社製のニクロムターゲット(商品名Ni-50Cr及びSMS-NC7A)を用いた。
実施例6では、電気ニッケル(住友金属鉱山株式会社製)、電解クロム(東洋曹達株式会社製)、アルミニウム粒(試薬)(株式会社平野清左衛門商店製)、タンタル板(東京電解株式会社製)を原料としてアルゴンプラズマ溶解により直径80mm、厚さ10mmの合金インゴットを得た後、ワイヤカットで厚さ5mm、直径60mmの丸板を切り出し、上下研削してスパッタリングターゲットとしたものを用いて成膜を行っており、1つのスパッタリングターゲットを用いており、3元同時カソードスパッタ法を用いていない。なお、本発明の組成のターゲットは、電子ビーム(EB)溶解などを用いて得ることもできる。
以上説明してきたターゲットを用いて、カソードスパッタ法による成膜を行った。真空室にアルミナ基板を装入し、1×10-4Paに排気した後、純度99.9995%のアルゴンガスを導入して、0.3Paの圧力に保ち、スパッタパワーをそれぞれのカソードで適当に制御することにより、膜厚が500Åとなるように前記アルミナ基板上に成膜を行った。
得られた抵抗薄膜の両側に、厚さ5000ÅのAu電極を、前述と同様に、カソードスパッタ法により成膜して、抵抗薄膜およびAu電極が形成された基板を得た。基板に抵抗薄膜およびAu電極を形成した後、参考例1、比較例1、5、6及び実施例1〜3については、大気中において400℃〜450℃で、3時間熱処理をし、比較例3、4および実施例4〜7については、大気中において450℃〜650℃で、3時間熱処理をし、従来例1及び2については、大気中において300℃で3時間熱処理することにより、それぞれの薄膜抵抗器を得た。得られた薄膜抵抗器の概略図を図1に示す。
なお、成膜法としては、他に、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱式蒸着法などを用いることもできる。
以上のようにして作製した実施例1〜7、比較例1〜6、従来例1、2および参考例1の薄膜抵抗器について、抵抗温度特性を評価するため、恒温槽で昇温しながら、25℃と125℃における抵抗測定を行い、抵抗温度係数を算出した。
また、高温安定性を評価するため、それぞれの薄膜抵抗器を、155℃の恒温槽内に、1000時間保持し、抵抗の変化率を測定した。
さらに、塩素に対する耐食性の評価は酸性人工汗液(JIS L0848)を用いたウォータードロップ試験により行なった。具体的には、まず、抵抗膜の初期抵抗値をデジタルマルチメーターを用いて四端子法により測定し、次に、図2に示すように、抵抗膜の中央に人工汗液を30μLだけマイクロシリンジで滴下し、水滴の両端に負荷される電圧が1.5Vとなるように金電極間に負荷する電圧を調整した。金電極間に負荷する電圧は、1.5×(金電極間距離/水滴の直径)で求められる。電圧を負荷した状態で3分間保持した後、水滴を水で洗い流し、ドライヤーで乾燥させた後、四端子法により抵抗値を測定した。なお、膜に溶解が生じた場合には抵抗値は増加する。
そして、試験後の抵抗値と初期抵抗値との差を初期抵抗値で除して抵抗変化率(%)を求めた。
次に、新しい抵抗膜の試料を用い、水滴の両端に負荷される電圧が1.75Vとなるよう電圧を負荷して、同様の試験を行ない、抵抗変化率を求めた。このように順次、水滴の両端に負荷する電圧を0.25Vずつ上昇させて試験を行なった。そして、抵抗変化率が0.2%を超えたときの水滴両端の電圧を求め、この電圧を溶解開始電圧とした。なお、溶解開始電圧付近では、水滴の両端に負荷する電圧の上昇幅を0.1Vと小さくして精度の向上を図った。図3に実施例6および従来例1の電圧と抵抗変化率との関係を示す。
抵抗温度係数、抵抗変化率、溶解開始電圧の測定結果を下記表1に示す。
Figure 2006190871
実施例1〜7の薄膜抵抗器は、いずれも溶解開始電圧が3.0V以上であり、従来のニッケルクロム系薄膜抵抗器である従来例1の溶解開始電圧1.9Vに比べて格段に改善されている。また、実施例1〜7の薄膜抵抗器は、いずれも抵抗温度係数の絶対値が25ppm/℃以下であり、抵抗温度特性も良好である。さらに、実施例1〜7の薄膜抵抗器は、いずれも、155℃において1000時間保持した後の抵抗変化率が0.10%以下であり、高温安定性も良好である。
なお、アルミニウムが8質量%以下だけ添加されている実施例4〜7は溶解開始電圧が4.2〜4.6Vであり、アルミニウムが添加されていない実施例1〜3の溶解開始電圧(3.6〜4.3V)よりも高く、塩素に対する耐食性がより良好になっている。
参考例1の抵抗薄膜は、タンタルとクロムからなる。溶解開始電圧は3.9Vと大きく、塩素に対する耐食性は良好であるが、抵抗温度係数が398ppm/℃と極めて大きくなっており、薄膜抵抗器に用いることは困難である。また、155℃において1000時間保持した後の抵抗変化率は0.15%であり、0.10%を超えており、高温安定性も十分とはいえない。
従来例1の抵抗薄膜は、ニッケルとクロムからなる。抵抗温度係数は7ppm/℃と小さく良好であるものの、溶解開始電圧は1.9Vと小さく、3.0Vを下回っており、塩素に対する耐食性が劣る。また、155℃において1000時間保持した後の抵抗変化率は0.42%であり、0.10%を大きく超えており、高温安定性も劣る。
従来例2の抵抗薄膜は、ニッケルとクロムとアルミニウムとからなる。抵抗温度係数は15ppm/℃と小さく、絶対値が25ppm/℃以下であり、良好である。また、155℃において1000時間保持した後の抵抗変化率も0.05%と小さく、0.10%以下であり、良好である。しかし、溶解開始電圧は2.1Vと小さく、3.0Vを下回っており、塩素に対する耐食性が劣る。
比較例1は、タンタルの含有量が26.3質量%であり、本発明の範囲の下限値である30質量%を下回っている。このため、溶解開始電圧が2.7Vと小さく、3.0Vを下回っており、塩素に対する耐食性が不十分である。
比較例2は、タンタルの含有量が62.4質量%であり、本発明の範囲の上限値である60質量%を上回っている。このため、抵抗温度係数が−28ppm/℃と負に大きく、絶対値が25ppm/℃を超えている。
比較例3はCr/Ni質量比が0.47であり、本発明の範囲の下限値である0.5を下回っている。このため、抵抗温度係数が55ppm/℃と大きく、絶対値が25ppm/℃を超えている。また、溶解開始電圧が2.8Vと小さく、3.0Vを下回っており、塩素に対する耐食性が不十分である。さらに、155℃において1000時間保持した後の抵抗変化率が0.13%と0.10%を超えており、高温安定性も十分とはいえない。
比較例4はCr/Ni比が1.26であり、本発明の範囲の上限値である1.1を上回っている。このため、抵抗温度係数が−32ppm/℃と負に大きく、絶対値が25ppm/℃を超えている。また、155℃において1000時間保持した後の抵抗変化率が0.11%と0.10%を超えており、高温安定性も十分とはいえない。
比較例5はアルミニウムの含有量が8.5質量%であり、本発明の第二態様の範囲の上限値である8質量%を上回っている。このため、抵抗温度係数が−30ppm/℃と負に大きく、絶対値が25ppm/℃を超えている。
作製した薄膜抵抗器の概略図である。 ウォータードロップ試験の概要を示す図である。 ウォータードロップ試験により測定した、実施例6および従来例1の水滴の両端に負荷する電圧と抵抗変化率との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 アルミナ基板
2 抵抗膜
3 金電極
4 水滴
5 定電圧電源

Claims (8)

  1. Taを30〜60質量%含み、残部はCrおよびNiからなり、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1である金属抵抗体材料。
  2. Taを30〜60質量%、Alを0〜8質量%含み、残部はCrおよびNiからなり、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1である金属抵抗体材料。
  3. 請求項1または2に記載の金属抵抗体材料を用いた抵抗薄膜形成用のスパッタリングターゲット。
  4. Taを30〜60質量%含み、残部はCrおよびNiからなり、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1であって、かつ、表面に酸化膜が形成されている抵抗薄膜。
  5. Taを30〜60質量%、Alを0〜8質量%含み、残部はCrおよびNiからなり、CrのNiに対する質量比が0.5〜1.1であって、かつ、表面に酸化膜が形成されている抵抗薄膜。
  6. 抵抗温度係数が±25ppm/℃以内であり、155℃の高温に1000時間保持した後の抵抗変化率が0.10%以下であり、酸性人工汗液を用いた電食試験において溶解開始電圧が3.0V以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の抵抗薄膜。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の抵抗薄膜を用いた薄膜抵抗器。
  8. 請求項3に記載のスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により、絶縁材料基板上に抵抗薄膜を形成し、その後、該抵抗薄膜を大気中または酸素を微量含む不活性ガス中において、300〜650℃で1〜5時間熱処理することを特徴とする薄膜抵抗器の製造方法。
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