JP2006188171A - 駆動輪用軸受装置 - Google Patents

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泰律 吉村
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Abstract

【課題】ハブベアリングの周辺部位に形成された間隙内に水、泥水等が進入することを阻止することにある。
【解決手段】ナックル部材29と外輪部材28の外周面との間隙39に分離構成された環状の第1シール部材50と第2シール部材54とを配設し、ナックル部材29の第2内径面40bと第1環状側部51aとの間で径方向の離間間隔が狭小で且つ前記第1環状側部51aの長さだけ連続する第3クリアランス56cを形成し、第3内径面40cと円周部55dとの間で、径方向の離間間隔が狭小な第5クリアランス56eを形成して径方向の離間間隔が大小異なる迷路状のシール構造とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、自動車等の車体に車輪を支持する駆動輪用軸受装置に関し、一層詳細にはハブベアリングの周辺部位への水、泥水、塵埃等の浸入を防止することが可能な駆動輪用軸受装置に関する。
従来から、例えば、自動車の車輪軸受装置には、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントロールシステム(TCS)等の制御用として、車輪の回転速度を検出する回転速度検出機構が取り付けられている。この回転速度検出機構は、車輪と一体的に回転する回転部材側に設けられ円周方向に沿って周期的に磁気特性が変化する磁気リング等と、車体に固定された固定部材側に設けられる回転速度センサとから構成される。この場合、前記磁気リング等は車輪軸受装置の内方部材(内輪)側に取り付けられ、一方、回転速度センサは外方部材(外輪)側に取り付けられている。
そして、特許文献1〜5には、取り付け性(組み付け性)、交換作業性及び設置スペース等の観点から、前記磁気リングをハブベアリングと一体的に組み付けて構成する技術的思想が開示されている。
また、従来から、ハブベアリングへの水等の浸入を防止するためにシール部材が設けられ、前記特許文献1〜5では、磁気リングと回転速度センサとの間の位置関係だけでなく、ハブベアリングのシール性も考慮されている。
さらに、特許文献6〜9には、各種のシール部材を用いてハブベアリングに対するシール性を向上させる技術的思想が開示されている。
特開平3−279061号公報 特開平6−308145号公報 特開2001−83166号公報 特開2000−221203号公報 特開2004−132782号公報 特開2001−294011号公報 特開2002−172912号公報 特開2003−175701号公報 特開昭63−133641号公報
しかしながら、前記の従来技術に開示されたシール部材では、ハブベアリングを構成するボールの近接部位にシール部材が配置されているため、例えば、前記シール部材の周辺部位に浸入した水、泥水等が、前記ハブベアリングの近傍に配設された回転速度センサに対して悪影響を及ぼすという問題がある。
また、前記の従来技術に開示されたシール構造を、例えば、独立四輪駆動用車両に設けられた車輪軸受装置に適用した場合、前輪によって跳ね上げられた大量の泥水等が後輪側のハブベアリングに連通する通路へ浸入することを阻止することが困難であり、前記ハブベアリングに連通する通路中に設けられた回転速度センサを好適に保護することができないという問題がある。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、ハブベアリングの周辺部位に形成された間隙内に水、泥水等が進入することを阻止することが可能な駆動輪用軸受装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、車輪が装着されるハブと、
前記ハブの外周に設けられ、前記ハブを車体に対して回転自在に支持するハブベアリングと、
前記ハブの内部に嵌合され、カップ部とシャフト部とを有する等速ジョイントの外輪部材と、
を備える駆動輪用軸受装置において、
間隙を介して前記外輪部材のカップ部を囲繞する囲繞部材が設けられ、前記囲繞部材の内径面と外輪部材の外径面との間には、分離構成された環状の第1シール部材と第2シール部材とが配設され、
前記第1シール部材の外径端部と前記囲繞部材の内径面との間の径方向の離間間隔及び前記第2シール部材の外径端部と前記囲繞部材の内径面との間の径方向の離間間隔は、それぞれ、前記第1シール部材及び第2シール部材が設けられていない間隙の他の部位と比較して小さく設定され、
前記第1シール部材は、断面コ字状からなり、所定間隔離間し相互に略平行に対向する外側の第1環状側部と、前記外輪部材の外周面に緊締される内側の第2環状側部と、前記第1環状側部及び第2環状側部とそれぞれ直交し該第1環状側部及び第2環状側部とを連結する第3環状側部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、囲繞部材の内径面と外輪部材の外径面との間に分離構成された環状の第1シール部材と第2シール部材とを配設し、前記囲繞部材の内径面と第1シール部材及び第2シール部材の外径端部との間の径方向に沿った離間間隔が他の部位と比較して狭小となるように設けることにより、間隙における径方向の離間間隔が大小異なる迷路状のシール構造とすることができる。この結果、ハブベアリングの周辺部位における前記囲繞部材の内径面と前記第1シール部材の外径端部との間隙が狭小となり、内部のハブベアリングに対する水等の浸入を阻止して好適なシール機能を発揮させることができる。
この場合、前記第1シール部材を、所定間隔離間し相互に略平行に対向する外側の第1環状側部と、外輪部材の外周面に緊締される内側の第2環状側部と、前記第1環状側部及び第2環状側部とそれぞれ直交し該第1環状側部及び第2環状側部とを連結する第3環状側部とによって断面コ字状に形成するとよい。
前記第1環状側部と前記第2環状側部とによって形成される第1シール部材の開口部を、前記囲繞部材の内径面と外輪部材の外径面との間に形成された間隙に沿って浸入する水等の浸入方向に向かって開口させることにより、前記間隙に沿って浸入する水、汚泥等を前記開口部内に貯留して、さらに間隙に沿って浸入することを阻止することができる。
また前記第2シール部材を、外輪部材の外径面に緊締される内側の円筒部と、前記円筒部と略直交する方向に断面L字状に折曲した折曲部と、前記折曲部に連続する傾斜部と、前記傾斜部に連続し半径方向に向かって延在する外側の円周部とによって構成するとよい。なお、前記囲繞部材として、ハブ及びハブベアリングを支持するナックル部材によって構成するとよい。
前記囲繞部材の内径面と外輪部材の外径面との間に形成された間隙に沿って浸入する水等の浸入方向の前方に前記第1シール部材を配置し、前記浸入方向に沿った前記第1シール部材の後方に前記第2シール部材を配置するとよい。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、第1シール部材と第2シール部材との共働作用によって間隙における径方向の離間間隔が大小異なる迷路状のシール構造とすることにより、囲繞部材と外輪部材との間隙内に水や汚泥等が浸入することを抑制し、ハブベアリングの周辺部位の間隙に臨む回転速度センサを好適に保護することができる。
本発明に係る駆動輪用軸受装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号20は、本発明の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置を示す。
この駆動輪用軸受装置20は、自動車等の車輪が取付けられるハブ22と、前記ハブ22の外周面の一部に嵌合され、図示しない保持器を介して転動自在に保持された複数の鋼球からなる転動体24a、24b(但し、転動体24bは図示を省略している)を有するハブベアリング26と、前記ハブ22の内部に嵌合される外輪部材28と、前記ハブ22及びハブベアリング26の外周側に配設されるナックル部材(囲繞部材)29とから構成される。
前記外輪部材28は、エンジン等からの駆動力が伝達される駆動軸30の一端部に連結されたバーフィールドタイプの第1等速ジョイント32を構成するものであり、前記駆動軸30の他端部には、図示しないデファレンシャル装置に連結されるトリポートタイプの第2等速ジョイント33が連結される(図5参照)。
ハブ22の略中央部には、軸線方向に沿って貫通孔34が形成され、前記貫通孔34の内周面には、該貫通孔34の軸線と略平行にセレーション溝38(又はスプライン溝)が刻設されている。
また、ハブ22の外周面には、半径外方向に拡径した図示しない車輪取付フランジが形成され、図示しないハブボルトを介して図示しないブレーキディスク及び自動車等の車輪(図示せず)が車輪取付フランジに装着される。
ナックル部材29は、図3に示されるように、車体懸架装置の支柱35にボルト36を介して固定され、前記ハブベアリング26及びハブ22は前記ナックル部材29の内径に嵌合される。
従って、ハブベアリング26が前記ナックル部材29を介して図示しない車体に固定されているため、前記ハブベアリング26を介して該ハブベアリング26の内周側に設けられたハブ22及び外輪部材28が回転自在に支持されている。
また、前記ナックル部材29には、図1及び図2に示されるように、外輪部材28の外周面と略平行に突出する環状鍔部37が形成される。前記環状鍔部37は、前記ナックル部材29の環状鍔部37と外輪部材28の外周面との間で形成される間隙39を該外輪部材28の軸線方向に沿って延長させる機能を有する。
前記環状鍔部37と一体的に形成されたナックル部材29の内壁には、図2に示されるように、外方に向かって突出する周縁部から順に、大径なる一定の直径によって形成された第1内径面40aと、前記第1内径面40aに連続し断面が左下がりに傾斜する第1環状段部41aと、前記第1環状段部41aに連続し中径なる一定の直径によって形成された第2内径面40bと、前記第2内径面40bに連続し断面が図2中の鉛直下方向に傾斜する第2環状段部41bと、前記第2環状段部41bに連続し小径なる一定の直径によって形成された第3内径面40cと、前記第3内径面40cに連続し半径内方向に向かって所定長だけ突出する突起部42とを有する。
なお、前記ナックル部材29の内壁面に対し、他の壁面と比較して半径外方向に切り欠かれて形成された第1環状段部41a及び第1内径面40aを形成することにより、継手用ブーツ45が装着された外輪部材28をナックル部材29の開口部内に容易に組み付けることができる。
前記ナックル部材29の突起部42に近接する部位には、半径内方向に向かって突出して間隙39に臨む回転速度センサ43が設けられる。前記回転速度センサ43は、例えば、ホール素子等によって構成され、図示しない磁気リングから発生する磁界を検知することにより検出信号が導出される。
一方、外輪部材28の開口部44からシャフト部28b側に向かう外周面には、継手用ブーツ45の大径端部46が金属製バンド47によって緊締され略一定の直径からなる第1外径面48aと、前記第1外径面48aに連続し断面が図2中の左下がりに傾斜する環状段差部49と、前記環状段差部49に連続し前記第1外径面48aよりも縮径した略一定の直径でカップ部28aの底部まで延在する第2外径面48bとが設けられる。
ナックル部材29の第2内径面40bと外輪部材28の第1外径面48aとが対向する部位には、金属製材料からなる環状の第1シール部材50が配設される。
前記第1シール部材50は、図2及び図4に示されるように、所定間隔離間し相互に略平行に対向する外側の第1環状側部51a及び内側の第2環状側部51bと、前記第1環状側部51a及び第2環状側部51bとそれぞれ直交し該第1環状側部51a及び第2環状側部51bとを連結する第3環状側部51cとによって断面コ字状に構成される。前記外側の第1環状側部51aは、第1シール部材50の外径端部として機能するものである。
前記第2環状側部51bが外輪部材28の外周面に接触して緊締されることにより、前記第1シール部材50が外輪部材28の外周面に係止される。この場合、第1環状側部51aと第2環状側部51bとによって構成される第1シール部材50の開口部52は、継手用ブーツ45側である外方を向くように設けられる。
換言すると、前記第1シール部材50の開口部52は、ナックル部材29と外輪部材28との間に形成された間隙39に沿って浸入する水、汚泥等の浸入方向に向かって開口するように設けられる。なお、前記第1シール部材50を断面コ字状に形成することにより、外輪部材28の外周面に対して容易に圧入することができ、組付性の簡便化を図ることができる。
また、前記第1シール部材50に近接し、ナックル部材29の第3内径面40cと外輪部材28の第2外径面48bとが対向する部位には、金属製材料からなる環状の第2シール部材54が配設される。
前記第2シール部材54は、図2及び図4に示されるように、外輪部材28の第2外径面48bに接触して緊締されることにより該第2シール部材54を外輪部材28に対して係止する円筒部55aと、前記円筒部55aと略直交する方向に断面L字状に折曲した折曲部55bと、前記折曲部55bに連続し図2中の断面右上に向かって傾斜する傾斜部55cと、前記傾斜部55cに連続しナックル部材29の突起部42と所定のクリアランスを介して略平行に半径方向に向かって延在する円周部55dとから構成される。前記円周部55dは、第2シール部材54の外径端部として機能するものである。
この場合、間隙39には、ナックル部材29の第1内径面40aと継手用ブーツ45の大径端部46との間で形成される第1クリアランス56aと、ナックル部材29の第2内径面40bと外輪部材28の第1外径面48aとの間で形成され前記第1クリアランス56aよりも離間距離が大きく且つ外輪部材28の軸線方向に沿って延在する第2クリアランス56bと、前記ナックル部材29の第2内径面40bと第1シール部材50の第1環状側部51aとの間で形成され狭小且つ前記第1環状側部51aの長さだけ連続する第3クリアランス56cと、前記ナックル部材29の第3内径面40cと外輪部材28の環状段差部49との間で形成される離間距離が大なる第4クリアランス56dと、前記ナックル部材29の第3内径面40cと第2シール部材54の円周部55dとの間で形成される狭小な第5クリアランス56eと、前記ナックル部材29の突起部42の壁面と第2シール部材54の円周部55dとの間で形成される第6クリアランス56fとが設けられる。
図1に示されるように、ハブベアリング26の軸線方向に沿った両端部であって前記ハブベアリング26を構成する外側の第1円筒体58aと内側の第2円筒体58bとの間には、環状のシール部材60a、60b(但し、シール部材60bは図示を省略している)が装着され、転動体24a、24bが転動するハブベアリング26の内部に水分や塵埃等が進入することが阻止される。
外輪部材28は、その一端部側にカップ状に形成されるカップ部28aと、他端部側に形成され、ハブ22の貫通孔34に嵌合される円柱状のシャフト部28bとが一体的に形成される。
シャフト部28bの外周面には、セレーション78(又はスプライン)が形成され、前記シャフト部28bがハブ22の貫通孔34に挿入された際、該貫通孔34のセレーション溝38(又はスプライン溝)と嵌合する。
すなわち、シャフト部28bのセレーション78(又はスプライン)と、ハブ22のセレーション溝38(又はスプライン溝)とが噛合して、ハブ22に対して外輪部材28がセレーション嵌合(又はスプライン嵌合)され、前記外輪部材28がハブ22に対して相対的に回転することが規制された状態となる。そのため、第1等速ジョイント32を介して駆動力が伝達された際、外輪部材28とハブ22とが一体的に回転する。
なお、貫通孔34の内周面にセレーション溝38が形成される場合には、シャフト部28bの外周面に対応してセレーション78が形成されると共に、貫通孔34の内周面にスプライン溝が形成される場合には、シャフト部28bの外周面にも同様にスプラインが形成される。
また、外輪部材28においてシャフト部28bを貫通孔34の内部に挿通する際、前記外輪部材28のカップ部28aの底面部が、ハブベアリング26の端面に当接して軸線方向に沿って位置決めされる。そして、前記シャフト部28bの先端部を、例えば、図示しない加締め手段又はボルト等によって固定することにより、外輪部材28に対してハブ22が強固に固定される。この場合、外輪部材28は、ハブ22と一体的に回転変位すると共に、軸線方向に沿って一体的に変位する。
外輪部材28の外周面には、蛇腹状に形成された継手用ブーツ45の大径端部46が金属製の大径なバンド47aを介して緊締され、前記継手用ブーツ45の小径端部は、金属製の小径なバンド47b(図5参照)を介して駆動軸30の外周面に装着される。
外輪部材28の内径部には、外周面が略球面状に形成されたインナリング84が挿入される。インナリング84の略中央部には、その内周面にスプライン溝85が形成された挿通孔86が軸線方向に沿って貫通している。挿通孔86に形成されたスプライン溝85は、インナリング84の軸線と略平行に形成され、前記挿通孔86に挿入される駆動軸30の端部には、その外周面に挿通孔86に対応するようにスプライン87が形成されている。
そして、挿通孔86の内部に駆動軸30の端部を挿入し、前記スプライン87を挿通孔86のスプライン溝85に係合させてスプライン嵌合させることにより、前記インナリング84と駆動軸30との相対的な回転が規制され、前記駆動軸30とインナリング84とが一体的に回転する。すなわち、図示しないエンジン等からの駆動力が駆動軸30を介してインナリング84へと確実に伝達される。
なお、スプライン87が形成される駆動軸30の端部には、環状溝を介して断面略C字状のストッパ部材88が装着され、前記ストッパ部材88は半径外方向に付勢する弾発力を有している。すなわち、前記ストッパ部材88の係合作用下に前記駆動軸30がインナリング84から脱抜することが防止される。
また、インナリング84と外輪部材28との間には、複数のボール90が周方向に沿って等角度離間するように設けられ、前記ボール90は、リテーナ92の保持窓に回転自在に収容されると共に、外輪部材28の内径面に形成されるトラック溝94とそれぞれ係合するように設けられる。このトラック溝94は、ボール90の個数と同数だけ設けられると共に、外輪部材28の軸線方向に沿って延在している。
本発明の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
図示しないエンジン等で発生した駆動力が第2等速ジョイント33から駆動軸30へと伝達され、前記駆動軸30にスプライン嵌合されたインナリング84が一体的に回転する。そして、前記インナリング84の外周に設けられた複数のボール90が係合するトラック溝94を介して、等速ジョイント32の外輪部材28が回転する。
前記外輪部材28は、シャフト部28bに形成されるセレーション78(又はスプライン)を介してハブ22の貫通孔34の内部に噛合されているため、ナックル部材29を介して図示しない車体に固定されたハブベアリング26を介してハブ22が一体的に回転する。
そして、エンジン等から伝達された駆動力が、ハブ22の車輪取付フランジを介して装着されたブレーキディスク及び車輪へと伝達される。
ところで、本実施の形態では、転動体24a、24bを有するハブベアリング26の内部に水、汚泥、塵埃等が浸入することを阻止するシール部材60a、60bの他に、ナックル部材29と外輪部材28の外周面との間隙39に分離構成された環状の第1シール部材50と第2シール部材54を配設している。
この場合、本実施の形態では、ナックル部材29の第1内径面40aと継手用ブーツ45の大径端部46との間で径方向に沿った第1クリアランス56aが形成されている。
また、ナックル部材29の第2内径面40bと外輪部材28の第1外径面48aとの間で前記第1クリアランス56aよりも径方向の離間間隔が大きく且つ外輪部材28の軸線方向に沿って所定長だけ延在する第2クリアランス56bが形成されている。
さらに、前記ナックル部材29の第2内径面40bと第1シール部材50の第1環状側部51aとの間で径方向の離間間隔が狭小で且つ前記第1環状側部51aの長さだけ連続する第3クリアランス56cが形成されている。
さらにまた、前記ナックル部材29の第3内径面40cと外輪部材28の環状段差部49との間で前記第3クリアランス56cよりも離間間隔が大なる第4クリアランス56dが形成されている。またさらに、前記ナックル部材29の第3内径面40cと第2シール部材54の円周部55dとの間で、前記第3クリアランス56cと同様に径方向の離間間隔が狭小な第5クリアランス56eが形成されている。またさらに、前記ナックル部材29の突起部42の壁面と第2シール部材54の円周部55dとの間で狭小な第6クリアランス56fが形成されている。
このように、本実施の形態では、前記第1〜第6クリアランス56a〜56fによって径方向の離間間隔が大小異なる迷路状のシール構造とすることにより、ナックル部材29と外輪部材28との間隙39内に水や汚泥等が浸入することを抑制することができる。
また、本実施の形態では、第1シール部材50とナックル部材29の第2内径面40bとの間で形成される第3クリアランス56cが狭小で且つ軸線方向に沿って所定長だけ延在するように設けられると共に、第2シール部材54とナックル部材29の第3内径面40cとの間で形成される第5クリアランス56eが狭小に設けられるため、仮に、間隙39内に水等が浸入した場合であっても、さらに回転速度センサ43側に向かって浸入することが好適に阻止される。
さらに、本実施の形態では、第1クリアランス56a及び第2クリアランス56bを通過して間隙39内に水等が浸入した場合であっても、断面コ字状に形成された第1シール部材50の開口部52が水等の浸入方向である外方側に向かって開口しているため、前記浸入した水等が第1シール部材50の開口部52内に貯留されて回転速度センサ43側に向かってさらに浸入することが阻止されると共に、前記第1シール部材50の開口部52に近接する第2クリアランス56bの容積(空間)が大きく設定されているため、前記第1シール部材50によって浸入が阻止された水等を好適に貯留することができる。
換言すると、第1クリアランス56a及び第2クリアランス56bを通過して間隙39内に水等が浸入した場合であっても、前記浸入した水等は、回転駆動される外輪部材28の遠心力の作用によって断面コ字状に形成された第1シール部材50の開口部52内に留まってハブベアリング26側への浸入が阻止され、さらに、前記外輪部材28の遠心力の作用下に半径外方向に流動しナックル部材29の内壁に沿って外部(大気中)に排出される。
従って、本実施の形態では、間隙39内に水等が浸入した場合であっても、ハブベアリング26の近傍に配設された回転速度センサ43に対して悪影響を及ぼすことを阻止することができる。さらに、転動体24a、24bを保護するシール部材60a、60bの他に分離構成された第1シール部材50と第2シール部材54とを配設することにより、例えば、独立四輪駆動車両において前輪によって跳ね上げられた大量の泥水等が後輪側のハブ22に連通する間隙39内に浸入することが好適に阻止される。
加えて、図6に示されるように、第1シール部材50の開口部52が向く方向を、外方側ではなく内方の第2シール部材54側に向かうように配置してもよい。
なお、図7に示されるように、回転速度センサ43が設けられていない構造の駆動輪用軸受装置20aとしてもよい。また、図8に示されるように、第1環状段部41aが形成されておらず断面直線状の内壁面を含むナックル部材29aを備える駆動輪用軸受装置20bとしてもよい。さらに、図9に示されるように、第1シール部材50を設けることがなく、第2シール部材54のみを配置した駆動輪用軸受装置20cとしてもよい。
さらに、本実施の形態では、バーフィールドタイプの等速ジョイントに適用された駆動輪用軸受装置20、20a〜20cを例示して説明しているが、これに限定されるものではなく、図10〜図13に示されるように、トリポートタイプの等速ジョイントを含む他の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置100、100a〜100cに適用してもよい。なお、図1に示す前記実施の形態に係る駆動輪用軸受装置20と同一の構成要素には、同一の参照符号を付しその詳細な説明を省略する。
前記他の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置100は、筒状のカップ部112aとハブ22の内部に嵌合される軸部112bとが一体的に形成された外輪部材112を有する。
前記外輪部材112の内壁面には、図1に示されるように、軸線方向に沿って延在し、軸心の回りにそれぞれ120度の間隔をおいて3本の案内溝118a〜118cが形成される(但し、案内溝118b、118cは図示するのを省略している)。駆動軸30の端部にはリング状のスパイダ124が外嵌され、前記スパイダ124の外周面には、それぞれ案内溝18a〜18cに向かって膨出し軸心の回りに120度の間隔をおいて3本のトラニオン126a〜126cが一体的に形成される(但し、トラニオン126b、126cは、図示するのを省略している)。
周方向に沿って球面状に形成されたトラニオン126a(126b、126c)の外周部には、リング状の内側ローラ127が外嵌される。さらに、前記内側ローラ127の外周部には、複数本のニードルベアリング128を介してリング状の外側ローラ部材130が外嵌される。前記ニードルベアリング128は、内側ローラ127に環状溝を介して装着された一組のワッシャ132a及びサークリップ132bによって保持される。
次に、他の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置100に組み付けられた変形例に係る第2シール部材140について説明する。
この変形例に係る第2シール部材140は、図14に示されるように、外輪部材112の外径面に接触して緊締され断面L字状に折曲したL字状折曲部140aと、前記L字状折曲部140aに連続しナックル部材29の壁面と所定のクリアランスを介して略平行に所定長だけ延在する屈曲部140bとから構成される。この場合、前記屈曲部140bは、第2シール部材140の外径端部として機能するものである。
なお、図11は、回転速度センサ43が設けられていない構造の第1変形例に係る駆動輪用軸受装置100aを示し、また、図12及び図13は、第1環状段部41aが形成されておらず断面直線状の内壁面を含むナックル部材29aを備える第2及び第3変形例に係る駆動輪用軸受装置100b、100cをそれぞれ示す。その他の作用効果は、図1に示す前記実施の形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
本発明の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置の部分縦断面図である。 図1の部分拡大縦断面図である。 車体懸架装置の支柱にナックル部材が連結された状態を示す一部切り欠き斜視図である。 図1に示す駆動輪用軸受装置に設けられた第1シール部材及び第2シール部材の一部破断斜視図である。 駆動軸の両端部に第1等速ジョイント及び第2等速ジョイントがそれぞれ連結された状態を示す縦断面図である。 図2の状態と比較して、第1シール部材の開口部が向く方向を逆にした状態を示す部分拡大縦断面図である。 図1の第1変形例に係る駆動輪用軸受装置の部分縦断面図である。 図1の第2変形例に係る駆動輪用軸受装置の部分縦断面図である。 図1の第3変形例に係る駆動輪用軸受装置の部分縦断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置の部分縦断面図である。 図10の第1変形例に係る駆動輪用軸受装置の部分縦断面図である。 図10の第2変形例に係る駆動輪用軸受装置の部分縦断面図である。 図10の第3変形例に係る駆動輪用軸受装置の部分縦断面図である。 図10に示す駆動輪用軸受装置に組み込まれた第1シール部材及び変形例に係る第2シール部材の一部破断斜視図である。
符号の説明
20、20a〜20c、100、100a〜100c…駆動輪用軸受装置
22…ハブ 24a、24b…転動体
26…ハブベアリング 28、112…外輪部材
29、29a…ナックル部材 30…駆動軸
32、33…等速ジョイント 34…貫通孔
37…環状鍔部 38…セレーション溝
39…間隙 40a〜40c…内径面
41a、41b…環状段部 42…突起部
43…回転速度センサ 44、52…開口部
48a、48b…外径面 49…環状段差部
50…第1シール部材 51a〜51c…環状側部
54、140…第2シール部材 55a…円筒部
55b…折曲部 55c…傾斜部
55d…円周部 56a〜56f…クリアランス
60a、60b…シール部材 140a…L字状折曲部
140b…屈曲部

Claims (5)

  1. 車輪が装着されるハブと、
    前記ハブの外周に設けられ、前記ハブを車体に対して回転自在に支持するハブベアリングと、
    前記ハブの内部に嵌合され、カップ部とシャフト部とを有する等速ジョイントの外輪部材と、
    を備える駆動輪用軸受装置において、
    間隙を介して前記外輪部材のカップ部を囲繞する囲繞部材が設けられ、前記囲繞部材の内径面と外輪部材の外径面との間には、分離構成された環状の第1シール部材と第2シール部材とが配設され、
    前記第1シール部材の外径端部と前記囲繞部材の内径面との間の径方向の離間間隔及び前記第2シール部材の外径端部と前記囲繞部材の内径面との間の径方向の離間間隔は、それぞれ、前記第1シール部材及び第2シール部材が設けられていない間隙の他の部位と比較して小さく設定され、
    前記第1シール部材は、断面コ字状からなり、所定間隔離間し相互に略平行に対向する外側の第1環状側部と、前記外輪部材の外周面に緊締される内側の第2環状側部と、前記第1環状側部及び第2環状側部とそれぞれ直交し該第1環状側部及び第2環状側部とを連結する第3環状側部とを有することを特徴とする駆動輪用軸受装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記第1環状側部と前記第2環状側部とによって形成される第1シール部材の開口部は、前記囲繞部材の内径面と前記外輪部材の外径面との間に形成された間隙に沿って浸入する水等の浸入方向に向かって開口していることを特徴とする駆動輪用軸受装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記第2シール部材は、外輪部材の外径面に緊締される内側の円筒部と、前記円筒部と略直交する方向に断面L字状に折曲した折曲部と、前記折曲部に連続する傾斜部と、前記傾斜部に連続し半径方向に向かって延在する外側の円周部とを有することを特徴とする駆動輪用軸受装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記囲繞部材は、ハブ及びハブベアリングを支持するナックル部材からなることを特徴とする駆動輪用軸受装置。
  5. 請求項1記載の装置において、
    前記囲繞部材の内径面と外輪部材の外径面との間に形成された間隙に沿って浸入する水等の浸入方向の前方に前記第1シール部材が配置され、前記浸入方向に沿った前記第1シール部材の後方に前記第2シール部材が配置されることを特徴とする駆動輪用軸受装置。
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JP2013092213A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Nsk Ltd 車輪用回転支持装置

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