JP2006281939A - 駆動輪用軸受装置 - Google Patents

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泰久 長山
Aya Suzuki
綾 鈴木
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Abstract

【課題】ハブベアリングに近接する所定部位まで水、泥水等が浸入することをある程度許容すると共に、前記所定部位に浸入した水、泥水等を外部に円滑に排出することにある。
【解決手段】間隙39を介してカップ部28aの一部を囲繞するナックル部材29が設けられ、前記ナックル部材29と外輪部材28との間に、断面コ字状からなる環状の第1シール部材50が配設され、前記ナックル部材29の周縁部29aと継手用ブーツ45の大径端部46との間で開口部33が形成され、前記第1シール部材50に形成された凹部52が前記継手用ブーツ45側に向かって開口するように設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車等の車体に車輪を支持する駆動輪用軸受装置に関し、一層詳細にはハブベアリングの周辺部位への水、泥水、塵埃等の浸入を防止することが可能な駆動輪用軸受装置に関する。
従来から、例えば、自動車の車輪軸受装置には、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントロールシステム(TCS)等の制御用として、車輪の回転速度を検出する回転速度検出機構が取り付けられている。この回転速度検出機構は、車輪と一体的に回転する回転部材側に設けられ円周方向に沿って周期的に磁気特性が変化する磁気リング等と、車体に固定された固定部材側に設けられる回転速度センサとから構成される。この場合、前記磁気リング等は車輪軸受装置の内方部材(内輪)側に取り付けられ、一方、回転速度センサは外方部材(外輪)側に取り付けられている。
そして、特許文献1〜5には、取り付け性(組み付け性)、交換作業性及び設置スペース等の観点から、前記磁気リングをハブベアリングと一体的に組み付けて構成する技術的思想が開示されている。
また、従来から、ハブベアリングへの水等の浸入を防止するためにシール部材が設けられ、前記特許文献1〜5では、磁気リングと回転速度センサとの間の位置関係だけでなく、ハブベアリングのシール性も考慮されている。
さらに、特許文献6〜9には、各種のシール部材を用いてハブベアリングに対するシール性を向上させる技術的思想が開示されている。
特開平3−279061号公報 特開平6−308145号公報 特開2001−83166号公報 特開2000−221203号公報 特開2004−132782号公報 特開2001−294011号公報 特開2002−172912号公報 特開2003−175701号公報 特開昭63−133641号公報
しかしながら、前記の従来技術に開示されたシール構造では、ハブベアリングを構成するボールの近接部位にシール部材が配置されているため、例えば、前記シール部材の周辺部位に浸入した水、泥水等が、前記ハブベアリングの近傍に配設された回転速度センサに対して悪影響を及ぼすという問題がある。
また、前記の従来技術に開示されたシール構造を、例えば、独立四輪駆動用車両に設けられた車輪軸受装置に適用した場合、前輪によって跳ね上げられた大量の泥水等が後輪側のハブベアリングに連通する通路へ浸入することを阻止することが困難であり、前記ハブベアリングに連通する通路中に設けられた回転速度センサを好適に保護することができないという問題がある。
さらに、前記の従来技術に開示されたシール構造では、水、泥水等が内部に浸入することを阻止する点に主眼がおかれており、一旦、内部に浸入した水、泥水等を外部に排出する点については、何ら考慮が払われていない。
本発明は、前記の種々の点に鑑みてなされたものであり、ハブベアリングに近接する所定部位まで水、泥水等が浸入することをある程度許容すると共に、前記所定部位に浸入した水、泥水等を外部に円滑に排出することが可能な駆動輪用軸受装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、車輪が装着されるハブと、
前記ハブの外周に設けられ、前記ハブを車体に対して回転自在に支持するハブベアリングと、
前記ハブの内部に嵌合され、カップ部とシャフト部とを有する等速ジョイントの外輪部材と、
前記外輪部材のカップ部に装着される継手用ブーツと、
を備える駆動輪用軸受装置において、
間隙を介して前記外輪部材のカップ部の一部を囲繞する囲繞部材が設けられ、前記囲繞部材の内径面と前記外輪部材の外径面との間には、断面コ字状からなる環状のシール部材が配設され、
前記外輪部材の外径面と略平行に延在する前記囲繞部材の周縁部と、前記継手用ブーツの大径端部との間で開口部が形成され、
断面コ字状からなる前記シール部材には凹部が形成され、前記凹部は前記継手用ブーツ側に向かって開口していることを特徴とする。
本発明によれば、囲繞部材の内径面と外輪部材の外径面との間に環状のシール部材を配設し、前記シール部材に形成された凹部が継手用ブーツ側に向かって開口するように設けられることにより、囲繞部材の周縁部と継手用ブーツの大径端部との間の開口部から浸入した水や泥水等が前記シール部材の凹部によって拘束される。前記シール部材の凹部によって拘束された水や泥水等は、その重力及び外輪部材の回転による遠心力の作用下に前記シール部材の凹部の下部側に集められて貯留され、この貯留された水や泥水等が前記シール部材の凹部から流出することにより前記囲繞部材の下部側の内径面及び開口部に沿って外部に排出される。
このように本発明によれば、開口部から水等が浸入した場合であってもシール部材の凹部によって拘束されると共に、前記拘束された水等が外部に円滑に排出されるため、内部のハブベアリングに対する水等の浸入が阻止されて、前記ハブベアリングの近傍に配設された回転速度センサに対して悪影響を及ぼすを回避することができる。
この場合、所定間隔離間し相互に略平行に対向する外側の第1環状側部と、外輪部材の外周面に緊締される内側の第2環状側部と、前記第1環状側部及び第2環状側部を連結する第3環状側部とによって前記シール部材を構成するとよい。
さらに、前記シール部材の外径端部と前記囲繞部材の内径面との間の径方向の離間間隔を、前記シール部材が設けられていない間隙の他の部位と比較して小さく設定することにより、シール機能が発揮される。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、囲繞部材の周縁部と継手用ブーツの大径端部との間の開口部からハブベアリングに近接する所定部位に配置されたシール部材まで水、泥水等が浸入することをある程度許容すると共に、前記シール部材に形成された凹部によって前記浸入した水、泥水等を外部に円滑に排出することができる。
この結果、シール部材が配置された所定部位からさらに内部側に向かって水や汚泥等が浸入することを抑制し、ハブベアリングの周辺部位の間隙に臨む回転速度センサを好適に保護することができる。
本発明に係る駆動輪用軸受装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号20は、本発明の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置を示す。
この駆動輪用軸受装置20は、自動車等の車輪が取付けられるハブ22と、前記ハブ22の外周面の一部に嵌合され、図示しない保持器を介して転動自在に保持された複数の鋼球からなる転動体24a、24b(但し、転動体24bは図示を省略している)を有するハブベアリング26と、前記ハブ22の内部に嵌合される外輪部材28と、前記ハブ22及びハブベアリング26の外周側に配設されるナックル部材(囲繞部材)29とから構成される。
前記外輪部材28は、エンジン等からの駆動力が伝達される駆動軸30の一端部に連結されたバーフィールドタイプの第1等速ジョイント32を構成するものであり、前記駆動軸30の他端部には、図示しないデファレンシャル装置に連結されるトリポートタイプの第2等速ジョイント(図示せず)が連結される。
ハブ22の略中央部には、軸線方向に沿って貫通孔34が形成され、前記貫通孔34の内周面には、該貫通孔34の軸線と略平行にセレーション溝38(又はスプライン溝)が刻設されている。
また、ハブ22の外周面には、半径外方向に拡径した図示しない車輪取付フランジが形成され、図示しないハブボルトを介して図示しないブレーキディスク及び自動車等の車輪(図示せず)が車輪取付フランジに装着される。
ナックル部材29は、図3に示されるように、車体懸架装置の支柱35にボルト36を介して固定され、前記ハブベアリング26及びハブ22は前記ナックル部材29の内径に嵌合される。
従って、ハブベアリング26が前記ナックル部材29を介して図示しない車体に固定されているため、前記ハブベアリング26により該ハブベアリング26の内周側に設けられたハブ22及び外輪部材28が回転自在に支持されている。
また、前記ナックル部材29は、図1に示されるように、外輪部材28の外周面の一部と略平行な内壁を有し、前記外輪部材28の外周面の一部と前記ナックル部材29の内壁との間で間隙39が形成される。
ナックル部材29の内壁には、図1に示されるように、外方に向かって突出する周縁部29aから順に、大径なる一定の直径によって形成された第1内径面40aと、前記第1内径面40aに連続し断面が図1中の略鉛直方向に傾斜する環状段部41と、前記環状段部41に連続し小径なる一定の直径によって形成された第2内径面40bと、前記第2内径面40bに連続し半径内方向に向かって所定長だけ突出する突起部42とを有する。
なお、前記環状段部41を形成することなく、第1内径面40aと第2内径面40bとが連続して同一内径からなる内径面によって形成してもよい。
前記ナックル部材29の水平方向に沿った周縁部29aは、後述する継手用ブーツ45を被覆することがなく前記継手用ブーツ45の端面46aから所定距離だけ離間するように延在し、前記継手用ブーツ45の端面46aと前記周縁部29aとの間で開口部33が形成される。この場合、前記開口部33を通じて水や泥水等がある程度浸入し易くなると共に、前記開口部33を介して仮に内部に浸入した水や泥水等を円滑且つ容易に排出することが可能となる。
前記ナックル部材29の突起部42に近接する部位には、半径内方向に向かって突出して間隙39に臨む回転速度センサ43が設けられる。前記回転速度センサ43は、例えば、ホール素子等によって構成され、図示しない磁気リングから発生する磁界を検知することにより検出信号が導出される。
一方、外輪部材28のカップ端面44からシャフト部28b側に向かう外周面には、継手用ブーツ45の大径端部46が金属製バンド47によって緊締され略一定の直径からなる第1外径面48aと、前記第1外径面48aに連続し断面が図1中の左下がりに傾斜する環状段差部49と、前記環状段差部49に連続し前記第1外径面48aよりも縮径した略一定の直径でカップ部28aの底部まで延在する第2外径面48bとが設けられる。
後述する第1シール部材50と対向する前記継手用ブーツ45の大径端部46の端面46aには、前記第1外径面48aに対して所定角度で交差する傾斜面46bが形成される。前記傾斜面46bを形成することにより、間隙39内に浸入した水、泥水等が外部に排出される排出用流路の開口面積を拡大させることができる。なお、図5に示されるように、前記傾斜面46bを設けることがなく、前記継手用ブーツ45の大径端部46を矩形状の角部46cに形成してもよい。
ナックル部材29の第1内径面40aと外輪部材28の第1外径面48aとが対向する部位には、金属製材料からなる環状の第1シール部材(シール部材)50が配設される。
前記第1シール部材50は、図4に示されるように、所定間隔離間し相互に略平行に対向する外側の第1環状側部51a及び内側の第2環状側部51bと、前記第1環状側部51a及び第2環状側部51bとそれぞれ直交し該第1環状側部51a及び第2環状側部51bとを連結する第3環状側部51cとによって断面コ字状に構成される。前記外側の第1環状側部51aは、第1シール部材50の外径端部として機能するものである。
前記第2環状側部51bが外輪部材28の外周面に接触して緊締されることにより、前記第1シール部材50が外輪部材28の外周面に係止される。この場合、第1環状側部51aと第2環状側部51bとによって構成される第1シール部材50の凹部52は、継手用ブーツ45側である外方を向くように設けられる。
換言すると、前記第1シール部材50の凹部52は、ナックル部材29と外輪部材28との間に形成された間隙39に沿って浸入する水、汚泥等の浸入を阻止する方向に向かって開口し、前記浸入した水、汚泥等が凹部52内に貯留される。
この場合、間隙39には、ナックル部材29の第1内径面40aと第1シール部材50の第1環状側部51aとの間で形成され狭小且つ前記第1環状側部51aの長さだけ連続する第1クリアランス56aと、前記ナックル部材29の環状段部41と前記第1シール部材50の第3環状側部51cとの間で形成された狭小な第2クリアランス56bと、前記ナックル部材29の第2内径面40bと前記外輪部材28の環状段差部49との間で形成される離間距離が大なる第3クリアランス56cとが設けられる。
図1に示されるように、ハブベアリング26の軸線方向に沿った両端部であって前記ハブベアリング26を構成する外側の第1円筒体58aと内側の第2円筒体58bとの間には、環状のシール部材60a、60b(但し、シール部材60bは図示を省略している)が装着され、転動体24a、24bが転動するハブベアリング26の内部に水分や塵埃等が浸入することが阻止される。
外輪部材28は、その一端部側にカップ状に形成されるカップ部28aと、他端部側に形成され、ハブ22の貫通孔34に嵌合される円柱状のシャフト部28bとが一体的に形成される。
シャフト部28bの外周面には、セレーション78(又はスプライン)が形成され、前記シャフト部28bがハブ22の貫通孔34に挿入された際、該貫通孔34のセレーション溝38(又はスプライン溝)と嵌合する。
すなわち、シャフト部28bのセレーション78(又はスプライン)と、ハブ22のセレーション溝38(又はスプライン溝)とが噛合して、ハブ22に対して外輪部材28がセレーション嵌合(又はスプライン嵌合)され、前記外輪部材28がハブ22に対して相対的に回転することが規制された状態となる。そのため、第1等速ジョイント32を介して駆動力が伝達された際、外輪部材28とハブ22とが一体的に回転する。
なお、貫通孔34の内周面にセレーション溝38が形成される場合には、シャフト部28bの外周面に対応してセレーション78が形成されると共に、貫通孔34の内周面にスプライン溝が形成される場合には、シャフト部28bの外周面にも同様にスプラインが形成される。
また、外輪部材28においてシャフト部28bを貫通孔34の内部に挿通する際、前記外輪部材28のカップ部28aの底面部が、ハブベアリング26の端面に当接して軸線方向に沿って位置決めされる。そして、前記シャフト部28bの先端部を、例えば、図示しない加締め手段又はボルト等によって固定することにより、外輪部材28に対してハブ22が強固に固定される。この場合、外輪部材28は、ハブ22と一体的に回転変位すると共に、軸線方向に沿って一体的に変位する。
外輪部材28の外周面には、蛇腹状に形成された継手用ブーツ45の大径端部46が金属製の大径なバンド47を介して緊締され、前記継手用ブーツ45の小径端部は、金属製の小径なバンド(図示せず)を介して駆動軸30の外周面に装着される。
外輪部材28の内径部には、外周面が略球面状に形成されたインナリング84が挿入される。インナリング84の略中央部には、その内周面にスプライン溝85が形成された挿通孔86が軸線方向に沿って貫通している。挿通孔86に形成されたスプライン溝85は、インナリング84の軸線と略平行に形成され、前記挿通孔86に挿入される駆動軸30の端部には、その外周面に挿通孔86に対応するようにスプライン87が形成されている。
そして、挿通孔86の内部に駆動軸30の端部を挿入し、前記スプライン87を挿通孔86のスプライン溝85に係合させてスプライン嵌合させることにより、前記インナリング84と駆動軸30との相対的な回転が規制され、前記駆動軸30とインナリング84とが一体的に回転する。すなわち、図示しないエンジン等からの駆動力が駆動軸30を介してインナリング84へと確実に伝達される。
なお、スプライン87が形成される駆動軸30の端部には、環状溝を介して断面略C字状のストッパ部材88が装着され、前記ストッパ部材88は半径外方向に付勢する弾発力を有している。すなわち、前記ストッパ部材88の係合作用下に前記駆動軸30がインナリング84から脱抜することが防止される。
また、インナリング84と外輪部材28との間には、複数のボール90が周方向に沿って等角度離間するように設けられ、前記ボール90は、リテーナ92の保持窓に回転自在に収容されると共に、外輪部材28の内径面に形成されるトラック溝94とそれぞれ係合するように設けられる。このトラック溝94は、ボール90の個数と同数だけ設けられると共に、外輪部材28の軸線方向に沿って延在している。
本発明の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
図示しないエンジン等で発生した駆動力が図示しない第2等速ジョイントから駆動軸30へと伝達され、前記駆動軸30にスプライン嵌合されたインナリング84が一体的に回転する。そして、前記インナリング84の外周に設けられた複数のボール90が係合するトラック溝94を介して、等速ジョイント32の外輪部材28が回転する。
前記外輪部材28は、シャフト部28bに形成されるセレーション78(又はスプライン)を介してハブ22の貫通孔34の内部に噛合されているため、ナックル部材29を介して図示しない車体に固定されたハブベアリング26を介してハブ22が一体的に回転する。
そして、エンジン等から伝達された駆動力が、ハブ22の車輪取付フランジを介して装着された図示しないブレーキディスク及び車輪へと伝達される。
ところで、本実施の形態では、前記ナックル部材29の水平方向に沿った周縁部29aと前記継手用ブーツ45の端面46aとの間で開口部33が形成され、前記開口部33を通じて間隙39内に浸入した水や泥水等が前記ナックル部材29の第1内径面40aと第1シール部材50との間の狭小な第1クリアランス56aによってシール機能が営まれて回転速度センサ43側へのさらなる浸入が阻止されると共に、前記第1シール部材50の凹部52内に貯留された泥水等が前記開口部33を通じて外部に向かって円滑に排出される。
すなわち、本実施の形態では、前記開口部33を通じてある程度導入された水や泥水等が第1シール部材50が配設された所定部位まで浸入することが許容されるが、ナックル部材29との間の狭小な第1クリアランス56aによるシール機能によって内部への更なる浸入が阻止される。
この場合、前記内部への更なる浸入が阻止された水や泥水等は、第1シール部材50のコ字状に形成された凹部52内に拘束され、その重力及び外輪部材28の回転による遠心力の作用下に前記第1シール部材50の凹部52の下部側に集められて貯留され、この貯留された水や泥水等が前記第1シール部材50の凹部52の内壁から流出することによりナックル部材29の下部側の第1内径面40a及び開口部33に沿って容易に外部に排出される(図2参照)。
前記第1シール部材50を構成する外側の第1環状側部51aの幅寸法Aと、内側の第2環状側部51bの幅寸法Bとは、A≧Bの関係を充足するように設定されることが望ましく、好適にはA>Bに設定されるとよい。断面コ字状に形成された凹部52の空間部を増大させる(凹部52によって拘束される容量を増大させる)ことができると共に、水や泥水等を排出する際の水路を延長して周縁部29aに近接させることができるからである。
このように本実施の形態では、開口部33を介して水や泥水等が所定部位まで浸入することが許容されるが、内部へのさらなる浸入を阻止するシール機能と、開口部33を介して前記浸入が阻止された水や泥水等を外部へ円滑に排出する排出機能との共働作用によってハブベアリング26に連通する通路中に設けられた回転速度センサ43を好適に保護することができる。
なお、本実施の形態では、バーフィールドタイプの等速ジョイントに適用された駆動輪用軸受装置20を例示して説明しているが、これに限定されるものではなく、図示しないトリポートタイプの等速ジョイントに適用することも可能である。
次に、本発明の他の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置20aを図6に示す。なお、以下に示す実施の形態において、図1に示される駆動輪用軸受装置20と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この他の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置20aでは、断面コ字状に形成された第1シール部材50に近接する部位に、前記第1シール部材50と形状が異なる断面略L字状の第2シール部材54が設けられている点で相違している。
すなわち、前記第1シール部材50に近接し、ナックル部材29の突起部42と外輪部材28の第2外径面48bとが対向する部位には、金属製材料からなる環状の第2シール部材54が配設される。
前記第2シール部材54は、図7に示されるように、外輪部材28の第2外径面48bに接触して緊締されることにより該第2シール部材54を外輪部材28に対して係止する円筒部55aと、前記円筒部55aと略直交する方向に断面L字状に折曲した折曲部55bと、前記折曲部55bに連続し図6中の断面右上に向かって傾斜する傾斜部55cと、前記傾斜部55cに連続しナックル部材29の突起部42と所定のクリアランスを介して略平行に半径方向に向かって延在する円周部55dとから構成される。前記円周部55dは、第2シール部材54の外径端部として機能するものである。
この場合、間隙39には、前述した第1〜第3クリアランス56a〜56cの他、前記ナックル部材29の第2内径面40bと第2シール部材54の円周部55dとの間で形成される狭小な第4クリアランス56dと、前記ナックル部材29の突起部42の壁面と第2シール部材54の円周部55dとの間で形成される第5クリアランス56eとが設けられる。
従って、前記第4クリアランス56dと第5クリアランス56eとによってハブベアリング26の周辺部位におけるナックル部材29の壁面との間隙がより一層狭小となり、内部のハブベアリング26に対する水等の浸入を阻止してシール機能をより一層増大させることができる。
この結果、他の実施の形態では、間隙39内に設けられた第1シール部材50が配設された所定部位まではある程度の水等の浸入が許容されるが、前記第1シール部材50が配設された所定部位から内部側に向かっての浸入が阻止されるため、ハブベアリング26の近傍に配設された回転速度センサ43に対して悪影響を及ぼすことを阻止することができる。さらに、転動体24a、24bを保護するシール部材60a、60bの他に分離構成された第1シール部材50と第2シール部材54とを併設することにより、例えば、独立四輪駆動車両において前輪によって跳ね上げられた大量の泥水等が後輪側のハブ22に連通する間隙39内に浸入することが確実に阻止される。
さらに、他の実施の形態では、仮に、第1シール部材50による第1クリアランス56a及び第2クリアランス56bを通過して内部側の間隙39内に水等が浸入した場合であっても、前記浸入した水等は、回転駆動される外輪部材28の遠心力の作用によって断面L字状に形成された第2シール部材54によってハブベアリング26側へのさらなる浸入が阻止され、前記阻止された水等は前記外輪部材28の遠心力及び重力の作用下に下部側に流動し、ナックル部材29の内壁に形成された段差部を伝わって外部(大気中)に排出される。
本発明の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置の一部省略縦断面図である。 図1の部分拡大縦断面図である。 車体懸架装置の支柱にナックル部材が連結された状態を示す一部切り欠き斜視図である。 図1に示す駆動輪用軸受装置に設けられた第1シール部材の一部破断斜視図である。 継手用ブーツの大端部の変形例を示す一部省略縦断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る駆動輪用軸受装置の一部省略縦断面図である。 図6に示す駆動輪用軸受装置に設けられた第2シール部材の一部破断斜視図である。
符号の説明
20、20a…駆動輪用軸受装置 22…ハブ
24a、24b…転動体 26…ハブベアリング
28…外輪部材 29…ナックル部材
29a…周縁部 32…等速ジョイント
33…開口部 38…セレーション溝
39…間隙 40a、40b…内径面
42…突起部 43…回転速度センサ
45…継手用ブーツ 48a、48b…外径面
50…第1シール部材 51a〜51c…環状側部
54…第2シール部材 55a…円筒部
55b…折曲部 55c…傾斜部
55d…円周部 56a〜56e…クリアランス

Claims (3)

  1. 車輪が装着されるハブと、
    前記ハブの外周に設けられ、前記ハブを車体に対して回転自在に支持するハブベアリングと、
    前記ハブの内部に嵌合され、カップ部とシャフト部とを有する等速ジョイントの外輪部材と、
    前記外輪部材のカップ部に装着される継手用ブーツと、
    を備える駆動輪用軸受装置において、
    間隙を介して前記外輪部材のカップ部の一部を囲繞する囲繞部材が設けられ、前記囲繞部材の内径面と前記外輪部材の外径面との間には、断面コ字状からなる環状のシール部材が配設され、
    前記外輪部材の外径面と略平行に延在する前記囲繞部材の周縁部と、前記継手用ブーツの大径端部との間で開口部が形成され、
    断面コ字状からなる前記シール部材には凹部が形成され、前記凹部は前記継手用ブーツ側に向かって開口していることを特徴とする駆動輪用軸受装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記シール部材は、所定間隔離間し相互に略平行に対向する外側の第1環状側部と、外輪部材の外径面に緊締される内側の第2環状側部と、前記第1環状側部及び第2環状側部を連結する第3環状側部とを有することを特徴とする駆動輪用軸受装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記シール部材の外径端部と前記囲繞部材の内径面との間の径方向の離間間隔は、前記シール部材が設けられていない間隙の他の部位と比較して小さく設定されることを特徴とする駆動輪用軸受装置。
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