JP2006187936A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の木材による木質感を表現できる照り感のある化粧シートを提供すること。
【解決手段】表面に微細な凹凸面を有する透明または半透明の熱可塑性樹脂層を有する化粧シートであって、前記凹凸面の凹部には着色剤が充填されておらず、前記熱可塑性樹脂層の凹凸面の裏面に絵柄層を有してなること、前記絵柄層の、透明または半透明の熱可塑性樹脂層とは反対側の面に、着色熱可塑性樹脂層を有すること、前記微細な凹凸万線状の凹凸であり、かつその凸部の垂直な断面が半円状、半楕円状、台形状、三角形状であること、前記微細な凹凸の凸部が、半球状、角錐状または円錐台、角錐台の形状の突起であること、を特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木目柄を備え、建築材、家具、調度品、壁材、床材などの表面装飾材などとして使用する照り感のある木目化粧シートに関するものである。
ムク材、突板など本物の木材が持っている木目の深み、表面の照りなどの高級木質感を印刷などによって表現するため、印刷柄の下層に、木目柄に同調するように、微細なエンボス加工を施すことが行われてきた。
例えば、印刷柄の下層に木目柄に適合するような特殊な微細エンボス(以後凹凸ともいう)を施した木目柄の照り感のある化粧シートが知られている(特許文献1)。しかし、特殊な微細エンボスが絵柄層の下側にくるため、折角の照り感の効果が少なくなることがあった。
また、透明熱可塑性樹脂層の表面に、木目の走行方向に走る直線群または曲線群からなる条溝の微細凹凸からなるエンボスを形成した化粧シートが知られている(特許文献2)。しかし、エンボス凹部を着色樹脂や透明熱可塑性樹脂で埋めてしまうために、折角の照り感が少なくなるという問題点があった。
特開平5−200963号公報 特開平7−237287号公報
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、実際の木材による木質感を表現できる照り感のある化粧シートを提供することにある。
本発明はこの課題を解決するためになされ、すなわちその請求項1記載の発明は、表面に微細な凹凸面を有する透明または半透明の熱可塑性樹脂層を有する化粧シートであって、前記凹凸面の凹部には着色剤が充填されておらず、前記熱可塑性樹脂層の凹凸面の裏面に絵柄層を有してなることを特徴とする化粧シートである。
またその請求項2記載の発明は、前記絵柄層の、透明または半透明の熱可塑性樹脂層とは反対側の面に、着色熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1記載の化粧シートである。
またその請求項3記載の発明は、前記微細な凹凸は万線状の凹凸であり、かつその凸部の垂直な断面が半円状、半楕円状、台形状、三角形状であることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の化粧シートである。
またその請求項4記載の発明は、前記微細な凹凸の凸部が、半球状、角錐状または円錐台、角錐台の形状の突起であることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の化粧シートである。
またその請求項5記載の発明は、前記表面に微細な凹凸面を有する透明または半透明の熱可塑性樹脂層の表面に、前記透明または半透明の熱可塑性樹脂層の樹脂と屈折率が0.1以上異なる透明または半透明の樹脂からなる層が積層されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の化粧シートである。
またその請求項6記載の発明は、前記表面に微細な凹凸面を有する透明または半透明の熱可塑性樹脂層の表面に、光輝性顔料を含有してなる透明または半透明の樹脂からなる層が積層されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の化粧シートである。
本発明の請求項1記載の発明により、透明または半透明の熱可塑性樹脂層が、表面に微細な凹凸を有しかつ着色剤等の充填がないので、実際の木材による木質感に近い、非常に照り感のある化粧シートとなる。
また、請求項2に記載の発明により、着色熱可塑性樹脂層の遮蔽効果によって下地の基材の色に影響を得にくくなるので深みのある照り感のある化粧シートとなる。
また、請求項3に記載の発明により、化粧シートの万線状凹凸に対する見る角度をいろいろ変えると、ある一定の方向、角度から見ると照り感のある、味わいのある化粧シートとなる。
また、請求項4に記載の発明により、その凸部の形状により、見る角度をいろいろ変えと、、上下左右の方向、角度から照り感の異なる、味わいのある化粧シートとなる。
また、請求項5に記載の発明により、屈折率が0.1以上異なる透明または半透明樹脂からなる層が積層されれば、表面の凹凸の上に積層され凹部を埋める場合であったとしても、周囲から見た照り感が失われない化粧シートとなる。
また、請求項6に記載の発明により、添加した光輝性顔料により、表面の凹凸の上に積層され凹部を埋める場合であったとしても、周囲から見た照り感が失われない化粧シートになる。
以下に本発明の化粧シートを図面に基づき詳細に説明する。図1、図2に本発明の化粧シートの一実施例の断面の構造を示す。透明または半透明の熱可塑性樹脂層1、凸部2、絵柄層3、着色熱可塑性樹脂層4という構成である。図示してないが絵柄層3と着色熱可塑性樹脂層4の間にドライラミネート用などの接着剤を使っても良い。
また、図3に万線状の凸部の垂直な断面、図4に凸部形状の外観を示す。
本発明における透明または半透明の熱可塑性樹脂1としては、ポリエステル類、エポキシ系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられる。この中では(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂等の透明樹脂シートやフィルムが好ましい。特に、表面の反射率の低いポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレートとポリフッ化ビニリデン系樹脂との混合物、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂からなるものが好ましい。透明または半透明の熱可塑性樹脂層1の厚さは、その用途によっても異なるが、10μm〜3mm程度の範囲のものが使用される。
本発明における凸部2は、透明または半透明の熱可塑性樹脂フィルム1に金属型や、合成樹脂型、電鋳法で作製した電鋳型等で型押しして得られる。また、雄雌反対の型の中で電離放射線型塗料を透明または半透明の熱可塑性樹脂層1上に塗りながら電離放射線を照射して硬化させても良い。電離放射線の照射光源としては低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが使える。
凸部2は、照り感を生じさせるために、微細凸部が、断面が半円状、半楕円状、台形状、三角形状である万線状の形状であるか、独立峰的に、半球状、角錐状または円錐台、角錐台の形状の突起からなるプリズムまたはレンズ状に加工する。断面半円形の万線状のレンズの場合、円の半径は40μmから100μm程度が照り感が現れやすい。凸部の間隔は0〜100μm程度が照り感の状態として望ましい。
絵柄層3のインキバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル樹脂と塩酢ビ樹脂混合系、ポリエステルポリオール系、2液ウレタン樹脂系、ポリビニルブチラール樹脂等耐候性に優れた樹脂であることが望ましいが、層間密着、耐候性、耐熱性があり加熱時に変色しない種類のグラビアインキ物であれば特に規定するものではない。
着色熱可塑性樹脂層4としては、種類は特に限定されず、例えば従来より係る化粧シート用の基材シートの素材として使用されている公知の任意の熱可塑性樹脂を使用することができる。具体的には、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)等のスチレン系樹脂、セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂等、またはこれらから選ばれる2種または3種以上の共重合体や混合物、複合体、積層体等を使用することができる。
熱可塑性樹脂層4の厚みとしては20〜200μm程度、さらに、貼りやすいために、好ましくは50〜150μm程度の範囲内で選ばれると印刷しやすさ、基材に貼るときの点で好適である。着色するときの着色剤としては、高屈折率で耐候性、隠蔽性に優れた無機顔料を使用することが望ましい。具体的には、例えば黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、バリウムイエロー、キナクリドン、オーレオリン、モリブデートオレンジ、カドミウムレッド、弁柄、マルスバイオレット、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、紺青、エメラルドグリーン、クロムバーミリオン、ビリジアン、鉄黒、カーボンブラック等の有色顔料や、例えば酸化チタン(チタン白、チタニウムホワイト)、酸化亜鉛(亜鉛華)、塩基性炭酸鉛(鉛白)、塩基性硫酸鉛、硫化亜鉛、リトポン、チタノックス等の白色顔料等を使用することができる。
中でも、隠蔽性や耐光性に優れ、意匠面でも色調的に化粧シート用に好適な顔料として、有色顔料としては弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒等の酸化鉄系顔料、白色顔料としては酸化チタン系顔料を使用することが最も望ましい。勿論、色調の調整等の目的で他の隠蔽性または非隠蔽性の無機顔料または有機顔料を併用することも可能であり、その場合には無機顔料であれば例えばコバルトブルー、カーボンブラック等、有機顔料であればフタロシアニンブルー等のフタロシアニン系顔料等、耐候性に優れた顔料を使用することが好ましい。その他、必要に応じて例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料を併用することもできる。
また、充填剤、耐候性処方(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤などの各種添加剤を適宜添加することも任意である。以上の樹脂をそれぞれ単独でまたは複数種混合して使用することができる。
絵柄層2はカーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青等の無機顔料や、アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料、魚鱗粉、塩基性炭酸鉛、酸化塩化ビスマス、酸化チタン被覆雲母等の真珠光沢顔料、蛍光顔料、夜光顔料等、またはこれらから選ばれる2種以上の混合物等を使用することができる
さらに本発明においては、表面に、屈折率が0.1以上異なる透明または半透明樹脂からなる表面保護層を設けても良い。屈折利が0.1以上ことなることで、表面凹凸が埋められるようになっても照り感を失うことなく表現できる。用いる樹脂としては、ポリカーボネート骨格を有したウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂などの2液硬化ウレタン樹脂系、公知の紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂が使用できる。表面保護層の乾燥後の塗布量としては、2〜10g/m程度が好適である。またこれに公知の紫外線吸収剤(ベンゾポリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフォノン系など)や光安定剤(ヒンダードアミン系など)を添加しても良い
また、前記透明または半透明樹脂からなる表面保護層に光輝性顔料を含有してもよい。光輝性顔料としては、鱗片状のアルミニウム粉等や、アルミ粉、銀粉、金粉、マイカ等が使用可能である。
着色熱可塑性樹脂層4として厚み0.07mmのポリプロピレン樹脂(RIVEST TPO リケンテクノス(株)製)に絵柄層3として2液ウレタン樹脂系バインダー樹脂製のグラビアインキにて木目柄を印刷し、その上に透明または半透明の熱可塑性樹脂層1として透明ポリプロピレン樹脂を押出しラミネートした。このとき、金属性の冷却ロール表面に、かまぼこ状の凸部2を半径60μm、ピッチ150μmにて作製し、化粧シートを得た。
実施例1の凸部を断面が台形であり、上底30μm、下底60μm、高さ26μm(15×平方根3μm)の突起とした他は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
実施例1の凸部を独立峰的半球状(半径50μm、ピッチ100μm)にした他は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
実施例1の凸部を独立峰的円錐台(半径50μm、高さ30μm、ピッチ100μm)にした他は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
実施例1の凸部を独立峰的角錐台(一辺100μmの正方形を底面とする)にした他は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
得られた化粧シートはいずれも深い照り感のある木目調の化粧シートとなった。
本発明により、木目柄を備え、建築材、家具、調度品、壁材、床材などの表面装飾材などとして使用する照り感のある木目化粧シートが得られた。
本発明の一実施例の断面の構造を示す説明図である。 本発明の一実施例の断面の構造を示す説明図である。 本発明の一実施例の万線状の凸部の垂直な断面を示す説明図である。 本発明の一実施例の凸部形状の外観を示す説明図である。
符号の説明
1…透明または半透明の熱可塑性樹脂層
2…凸部
3…絵柄層
4…着色熱可塑性樹脂層

Claims (6)

  1. 表面に微細な凹凸面を有する透明または半透明の熱可塑性樹脂層を有する化粧シートであって、前記凹凸面の凹部には着色剤が充填されておらず、前記熱可塑性樹脂層の裏面に絵柄層を有してなることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記絵柄層の、透明または半透明の熱可塑性樹脂層とは反対側の面に、着色熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1記載の化粧シート
  3. 前記微細な凹凸は万線状の凹凸であり、かつその凸部の垂直な断面が半円状、半楕円状、台形状、三角形状であることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の化粧シート。
  4. 前記微細な凹凸の凸部が、半球状、角錐状または円錐台、角錐台の形状の突起であることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の化粧シート。
  5. 前記表面に微細な凹凸面を有する透明または半透明の熱可塑性樹脂層の表面に、前記透明または半透明の熱可塑性樹脂層の樹脂と屈折率が0.1以上異なる透明または半透明の樹脂からなる層が積層されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の化粧シート。
  6. 前記表面に微細な凹凸面を有する透明または半透明の熱可塑性樹脂層の表面に、光輝性顔料を含有してなる透明または半透明の樹脂からなる層が積層されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の化粧シート。
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