JP2006186219A - フルオロカーボン膜用洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水分含有量が150重量ppm以下であることを特徴とする基板上に成膜されたフルオロカーボン膜用洗浄剤を提供する。
また、上記洗浄剤は、窒素原子を有する有機溶剤を含有しないことが好ましい。
さらに、上記洗浄剤は含弗素有機化合物からなることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、基板上に成膜されたフルオロカーボン膜の物性を変化させたり、劣化させない洗浄剤、および、該洗浄剤を用いた半導体装置の製造方法を提供することにある。
(1)水分含有量が150重量ppm以下であることを特徴とする、基板上に成膜されたフルオロカーボン膜用洗浄剤、
(2)窒素原子を有する有機溶剤を含有しないことを特徴とする上記に記載の洗浄剤、
(3)含弗素有機化合物からなる上記に記載の洗浄剤、
(4)基板上に成膜されたフルオロカーボン膜に、ドライエッチング又は化学的機械研磨処理を施した後に、上記に記載の洗浄剤で洗浄する工程を有する半導体装置の製造方法、
を提供するものである。
本発明の基板上に成膜されたフルオロカーボン膜用洗浄剤(以下、「基板上FC膜洗浄剤」と略す。)は、水分含有量が150重量ppm以下であることを特徴とする。
基板上FC膜洗浄剤中の水分含有量を150重量ppm以下にすることで、フルオロカーボン膜の物性変化や、該フルオロカーボン膜の劣化を防止出来る。
なお、「フルオロカーボン膜の劣化」とは、(a)加熱した際に、フルオロカーボン膜の一部が分解し腐食性ガスが発生し易くなること、(b)フルオロカーボン膜と基板との密着性が悪くなり、膜が基板から剥がれ易くなること等を言い、いずれもフルオロカーボン膜が脆弱になることにより、引き起こされると考えられる。
基板上FC膜洗浄剤中の水分含有量は、100重量ppm以下であることが好ましく、50重量ppm以下であることがより好ましく、20重量ppm以下であることがさらに好ましく、10重量ppm以下であることがなおさら好ましく、5重量ppm以下であることが特に好ましい。
基板上FC膜洗浄剤中の水分含有量を上記範囲にすることで、本発明の効果がより一層顕著になる。
なお、上記水分含有量は、カールフィッシャー水分分析により求めた値をいう。
CVDによるフルオロカーボン膜の基板上への成膜は、オクタフルオロシクロペンテン、オクタフルオロ-2-ペンチン及びヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンなどの不飽和フッ素化炭素化合物を原料ガスとして用い、プラズマ放電により不飽和フッ素化炭素化合物を活性化させて、イオン、ラジカルなどの活性種を発生させ、チャンバー内に設置した基板上にフルオロカーボン膜を形成せしめる方法が好適に用いられる。
フルオロカーボン膜が形成される工程は必ずしも明確ではないが、電離解離条件下において、重合、開環反応等さまざまな反応が複雑に関与しているものと考えられる。
なお、CVDの原料ガスとしては、生成する膜の絶縁性能の観点から、オクタフルオロシクロペンテンおよびオクタフルオロ-2-ペンチンが好ましく、オクタフルオロシクロペンテンが特に好ましい。また、CVD原料ガス中の水分含有量は、生成する膜の絶縁性能の観点から、90重量ppm以下が好ましく、50重量ppm以下がより好ましく、20重量ppm以下がさらに好ましく、10重量ppm以下が特に好ましい。
プラズマ発生条件は、例えば平行平板型CVD装置を用いた場合、上部電極(シャワーヘッド)に印加する高周波電力10W〜10kW、基板温度0〜500℃、反応室圧力0.0133Pa〜13.3kPaの条件が採用される。プラズマCVDに用いる装置としては、平行平板型CVD装置が一般的であるが、マイクロ波CVD装置、ECR-CVD装置、誘導結合プラズマ(ICP)CVD装置、および高密度プラズマCVD(ヘリコン波式、高周波誘導式)を用いることもできる。
有機溶剤としては、微小汚染物粒子除去性能向上、剥離性能向上、基板上FC膜の物性変化及び劣化防止の観点から、含弗素有機化合物、アルコール、エステル、ケトン、アルデヒドおよび炭化水素が好ましく、含弗素有機化合物、アルコールおよびエステルがより好ましく、含弗素有機化合物およびアルコールがさらに好ましく、含弗素有機化合物が特に好ましい。
なお、本発明の基板上FC膜洗浄剤は、窒素原子を有する有機溶剤を含有しないことが好ましい。ここで、「含有しない」とは、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、特に好ましくは全く含有しないことを意味する。本発明の基板上FC膜洗浄剤が、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等の窒素原子を有する有機溶剤を含有していると、基板上FC膜の洗浄条件によっては、該基板上FC膜が劣化する恐れがある。
部分弗素化炭化水素は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。また、部分弗素化炭化水素は、飽和、不飽和のいずれであっても良いが、環境安全性およびFC膜洗浄剤の引火防止の観点から飽和のものが好ましく、後述する添加剤の溶解性の観点から環状の飽和弗素化炭化水素が特に好ましい。
含弗素有機化合物の中でも、回収・再使用が容易で、操作性に優れることから、常圧での沸点が40〜100℃のものが好ましく、60〜90℃のものが特に好ましい。
また、HFCとしては、式(1−a)や式(1−b)で表されるHFCが好ましく、式(1−b)で表される環状HFCが特に好ましい。
HFEとしては、式(2)で表されるがHFEが好ましい。
有機酸化合物とは、酸性を示す有機化合物をいう。有機酸化合物としては、カルボキシル基を有する有機酸化合物が好ましい。
有機酸化合物の好適な具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、2-メチル酪酸、2,2-ジメチル酪酸、2-エチル酪酸、tert-ブチル酪酸、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、3-メチルアジピン酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、乳酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸およびクエン酸等が挙げられるが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸およびクエン酸がより好ましく、酢酸が特に好ましい。なお、有機酸化合物は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機酸化合物の使用量は、FC膜洗浄剤全量に対して、好ましくは10重量%以下、より好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。有機酸化合物の使用量が多過ぎると金属が過剰に溶解となり、少な過ぎると洗浄性能が不十分となる場合がある。
陰イオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩およびリン酸エステル塩などが挙げられる。陽イオン界面活性剤としては、アミン塩、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。上記弗素系非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤としては、日本乳化剤(株)製の界面活性剤ニューコールシリーズ(2308、2302、3−85および723SF等)、竹本油脂(株)製の界面活性剤パイオニンシリーズ(D-206、D-208-KおよびD-6112等)、高級アルコールのエチレンオキシド・プロピレンオキシド付加物、多価アルコールの脂肪酸エステル、エステル・エーテル型および脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、ベタイン類、アミノ酸類、脂肪酸のアミン塩などが挙げられる。これら界面活性剤の使用量は、FC膜洗浄剤全量に対して、好ましくは10重量%以下、より好ましくは0.00001〜5重量%、特に好ましくは0.0001〜1重量%である。界面活性剤の量が少な過ぎると洗浄性能が不十分となり場合があり、界面活性剤の量が多過ぎると析出、泡立ちの原因となる。
キレート化剤は、金属キレート形成能を有するものであれば特に限定されないが、キレート化剤の分子量が1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、350以下であることが特に好ましい。キレート化剤の具体例としては、ジチゾン及びN-フェニルチオベンズアミド等の下記式(3)で表される部分構造を有するチオアミド系キレート化剤;1,5-ジフェニルカルバゾン等の下記式(4)で表される部分構造を有するアミド系キレート化剤;1,5-ジフェニルカルボノヒドラジド等の下記式(5)で表される部分構造を有するカルボノヒドラジド系キレート化剤;2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン(ネオクプロイン)などのフェナントロリン系キレート化剤;EDTA(エチレンジアミンテトラアセティックアッシド)などのポリアミノカルボン酸系キレート化剤;マレイン酸、こはく酸及びテトラフルオロこはく酸等の多カルボン酸系キレート化剤;クエン酸等のオキシカルボン酸系キレート化剤;アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジエチル、テノイルトリフルオロアセトン(TTA)及びキノン類等のジケトン系キレート化剤;リン酸トリキシレニル(TXP)、リン酸トリブチル(TBP)及びトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)等の縮合リン酸系キレート化剤;D-グルコン酸塩等のグルコン酸系キレート化剤;ジメチルグリオキシム、α-ベンジルジオキシム及びα-ベンゾインオキシム等のオキシム系キレート化剤;2-ブチン-1,4-ジオール、1,1,2-トリフェニル-1,2-エタンジオール及び1,1-ジフェニル-1,2-プロパンジオール等のジオール系キレート化剤;12-クラウン-4(12C4)等のクラウンエーテル系キレート化剤;ピロガロール及びカテコール等のタンニン酸系キレート化剤;2,2’-ジピリジル、フェナジン及びフェノチアジン等の含窒素ヘテロ環構造をもつキレート化剤;8-キノリールおよびその置換体のキレート化剤;などが挙げられ、これらの中でも微小汚染物粒子除去性能、剥離性能および金属不純物の汚れ除去洗浄性能向上の観点からチオアミド系キレート化剤、アミド系キレート化剤、含窒素ヘテロ環構造をもつキレート化剤及びオキシム系キレート化剤が好ましく、チオアミド系キレート化剤、アミド系キレート化剤及び含窒素ヘテロ環構造をもつキレート化剤がより好ましく、ジチゾン及びN-フェニルチオベンズアミドがさらに好ましく、少量でも効果を発揮することから、ジチゾンが特に好ましい。
キレート化剤含有量が上記範囲にあることで、剥離性能および金属不純物の汚れ除去性能が一層向上する。
FC膜洗浄剤中の酸化防止剤含有量は、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
FC膜洗浄剤中の紫外線吸収剤は、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
FC膜洗浄剤が、複数の構成成分から成る場合には、各成分を混合して溶解させてから脱水処理を行なっても良く、各成分を脱水又は乾燥した後に混合しても良い。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上FC膜に、ドライエッチング又はCMPを施した後に、FC膜洗浄剤で洗浄する工程を有する。
また、ドライエッチングは、得られた基板上FC膜をドライエッチング装置のチャンバー内にセットした後に脱気し、チャンバー内を1.333×103〜1.333×10-3Pa、好ましくは1.333〜1.333×10-1Paの真空に近い状態にする。
次いで、CF4、C2F6、オクタフルオロシクロペンテン、オクタフルオロ-2-ペンチンなどのドライエッチングガスを導入し、上記圧力を保った状態でプラズマを発生させることにより行なう。チャンバー内の被エッチング基体(基板上FC膜)の温度は、0〜300℃、好ましくは80〜200℃の範囲である。
また、ドライエッチングガスに、酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等を併用することもできる。
ドライエッチング装置としては、平行平板タイプ、マグネトロンタイプ、ヘリコン波や高周波誘導方式のものを用いれば良いが、発生するプラズマの密度は、1010cm-3以上が好ましく、1012cm-3以上が特に好ましい。
なお、通常、ドライエッチングに先立ち、基板上FC膜にレジストを塗布し、露光・現像を行なうことにより、レジストパターンを形成しておくことが行なわれる。
研磨スラリーは、例えば、研磨粒子と、被研磨面を化学エッチングする性質がある酸性水溶液で構成すれば良い。
研磨粒子は、アルミナ、シリカ、二酸化マンガン、酸化セリウム、酸化ジルコニウムなどが用いられ、粒子径が0.05〜0.4μmのものが好ましい。
酸性水溶液としては、例えば、硝酸第二鉄を用いることができる。
なお、CMPは上記ドライエッチング後に行なうことが好ましい。
接触時の温度としては、通常は20℃以上、好ましくは23〜70℃、より好ましくは23〜60℃である。接触させる温度が高過ぎると、FC膜洗浄剤の蒸発によるロスが増大する。接触させる温度が低過ぎると洗浄性能が低下する。
また、好適なハイドロフルオロカーボン及びハイドロフルオロエーテルとしては、上記洗浄剤の場合と同様である。
リンス溶剤として、上記のものを用いることにより、リンス性能が向上し、後工程の乾燥が容易になり、ウォーターマーク等の水を用いることに由来する不具合もより一層改善される。
また、乾燥処理の方法としては、高速スピン乾燥、蒸気乾燥、減圧乾燥及び真空加熱乾燥などが挙げられる。
また、
直径4インチの一部に銅を蒸着したシリコン酸化膜ウエハを基板とし、プラズマCVD装置を用い、オクタフルオロシクロペンテン(日本ゼオン(株)製、純度99.9%以上、水分10ppm以下)を原料ガスとして、次の条件によりプラズマCVDを行い、基板上に0.5μmの厚さで成膜されたフルオロカーボン膜(以下「基板上FC膜A」とする。)を得た。
・オクタフルオロシクロペンテンの流量:40sccm
・アルゴンの流量:400sccm
・圧力:250mTorr
・RF出力(周波数13.56MHz):400W
・基板温度260℃
水銀プローブ法(Four Dimensions社製、CVmap92)により誘電率を測定すると、基板上FC膜Aの誘電率は2.2であった。
表1の実施例1の溶剤は、該溶剤に対して、10%相当のモレキュラーシーブ5A(350℃、窒素気流下で8時間焼成したもの)を室温で10時間以上浸漬し、水分含有量を低減して調整した。
比較例1〜3の溶剤は、上記同様にして水分含有量を低減した後、微量の水分を後から添加し、所定の水分量に調整した。
なお、溶剤中の含有水分量はカールフィッシャー水分分析装置(平沼産業株式会社製:装置名 AQ−7)により、求めた。
製造例1で製造した基板上FC膜Aに、室温(25℃)に保持した表1記載のFC膜洗浄剤に5分間浸漬させて洗浄し、次いで高速スピン乾燥した。乾燥後のウェハを昇温脱離ガス測定装置(電子科学(株)製 WA1000S)により50℃から450℃まで60℃/分で昇温し、脱離してくるガスを測定した。基板上FC膜由来の脱ガス量をウェハ100mgあたりの検出量に換算して比較を行った。結果を表1に記載する。
なお、表1中の「脱ガス量」は、50℃から450℃に昇温させた際に、各温度での脱離ガス量に起因する検出器のピーク強度(イオン強度)の積算値である。
なお、脱ガス量が多いということは、基板上FC膜が劣化していることを意味する。
Claims (4)
- 水分含有量が150重量ppm以下であることを特徴とする、基板上に成膜されたフルオロカーボン膜用洗浄剤。
- 窒素原子を有する有機溶剤を含有しないことを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤。
- 含弗素有機化合物からなる請求項1に記載の洗浄剤。
- 基板上に成膜されたフルオロカーボン膜に、ドライエッチング又は化学的機械研磨処理を施した後に、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤で洗浄する工程を有する半導体装置の製造方法。
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