JP2006185986A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子を実装するキャビティの側面が均一に傾斜し且つ平滑な表面となる配線基板を確実に得るための製造方法を提供する。
【解決手段】グリーンシートs1に対し、打ち抜き加工により、貫通孔4を形成する工程と、平坦面12およびかかる平坦面12に対して傾斜した面を有する凸部14を有する金型10と、かかる金型10の平坦面12に対向する平坦な表面9を有する押さえ材8とを用い、上記金型10の凸部が上記グリーンシートs1の貫通孔4内に進入するように、かかるグリーンシートs1を上記平坦面12の上に配置した後、上記押さえ材8を上記グリーンシートs1と共に上記金型10寄りに加圧する工程と、を含む、配線基板の製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば発光ダイオードなどの発光素子を実装するためのキャビティを有する配線基板の製造方法に関する。
発光素子から発光される光を効率良く反射して外部に放射するため、かかる発光素子が収容(実装)されるキャビティの側面を外側に広がるように傾斜させた発光素子収容用パッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記パッケージは、セラミックグリーンシートを所定のクリアランスを介したパンチとダイスとで打ち抜き加工することで、側面が傾斜した貫通穴を有するセラミック窓枠を得ると共に、かかるセラミック窓枠を平板状のセラミック基体の上面に積層した後、貫通穴の側面に所要の光反射用金属層を形成したものである。
特開2002−232017号公報(第1〜7頁、図1〜3)
しかしながら、前記発光素子収容用パッケージでは、キャビティを形成する前記貫通穴の傾斜した側面が、所定のクリアランスを介したパンチとダイスとによる打ち抜き加工で形成されるため、かかる側面の傾斜角度が不均一になり易いと共に、当該側面の表面粗さも粗くなりがちである。このため、上記貫通穴の底面に実装した発光素子から発光される光が乱反射し易くなるので、かかる光を外部へ効率良く反射できない、という問題点があった。
本発明は、前述した背景技術における問題点を解決し、発光素子を実装するキャビティの側面が均一に傾斜し且つ平滑な表面となる配線基板を確実に得るための製造方法を提供する、ことを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するため、発光素子を実装するキャビティの側面となるグリーンシートの貫通孔を、傾斜した面を有する凸部を突設した金型を用いて成形する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板の製造方法は、単数または複数のグリーンシートに対し、打ち抜き加工により、貫通孔を形成する工程と、平坦面およびかかる平坦面に対して傾斜した面を有する凸部を有する金型と、かかる金型の平坦面に対向する平坦な表面を有する押さえ材とを用い、上記金型の凸部が上記グリーンシートの貫通孔内に進入するように、かかるグリーンシートを上記平坦面の上に配置した後、上記押さえ材を上記グリーンシートと共に上記金型寄りに加圧する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、前記打ち抜き加工で貫通孔を形成されたグリーンシートは、前記金型の平坦面から突設され且つ傾斜した面を有する凸部が上記貫通孔に進入するようにして、金型の平坦面と前記押さえ材とによる加圧を受ける。このため、かかる金型と押さえ材とに挟まれた上記貫通孔の側面(内周面)は、凸部の傾斜面に倣った傾斜角度で且つ滑らかな表面となる。従って、上記貫通孔の側面を発光素子が実装されるキャビティの側面とし、且つ光反射用の金属層を形成することで、発光素子から発光された光を広角で効率良く反射することが可能となる。
尚、前記グリーンシートには、セラミックを主成分とするもの、あるいはガラス−セラミックを主成分とするものが含まれる。また、前記金型における凸部の平坦面に傾斜した面には、後述するように、円錐形、長円錐形、楕円錐形などのアール面の形態のほか、四角錐形状などの複数組の平面からなる形態も含まれる。
付言すれば、本発明は、前記打ち抜き加工は、ポンチと当該ポンチを受け入れる受入孔を有するダイとが用いられ、かかるポンチと受入孔との間には、最小限または所要のクリアランスが介在している、配線基板の製造方法とすることも可能である。このうち、最小限のクリアランスが介在する場合は、前記グリーンシートに形成される貫通孔の側面を滑らかにできるので、次の加圧工程における金型との位置合わせが容易となる。一方、所要のクリアランスが介在する場合は、次述するように、側面(内周面)が傾斜したテーパ状の貫通孔を前記グリーンシートに形成できるので、次の加圧工程を容易に行うことが可能となる。
また、本発明は、上記ポンチおよびダイを用いて打ち抜かれた前記グリーンシートの貫通孔は、テーパ状(例えば、ほぼ円錐形状、ほぼ長円錐形状、ほぼ楕円錐形状など)になっている、配線基板の製造方法とすることも可能である。これによる場合、次に行う加圧工程を一層容易にすることが可能となる。
更に、本発明は、前記貫通孔の前記グリーンシートにおける厚み方向の断面形状が、円形、長円形、または楕円形である、配線基板の製造方法とすることも可能である。これによる場合、平面視が上記各形状のキャビティを形成した配線基板を容易に得ることが可能となる。
また、本発明は、前記金型の凸部は、頂点を有する円錐形、円形の頂面を有するほぼ円錐形状、線状の頂辺を有する長円錐形、長円形の頂面を有するほぼ長円錐形状、頂辺を有する楕円錐形、または楕円形の頂面を有するほぼ楕円錐形状である、配線基板の製造方法とすることも可能である。これによる場合、平面視が上記各形状であるキャビティを精度良く形成した配線基板を容易に得ることが可能となる。
更に、本発明は、前記グリーンシートを前記金型の平坦面の上に配置し、前記押さえ材を上記グリーンシートと共に上記金型寄りに加圧する工程は、かかる加圧と同時に少なくとも上記グリーンシートを加熱する、配線基板の製造方法とすることも可能である。
これによる場合、上記金型と押さえ材とに挟まれた前記貫通孔の側面付近では、グリーンシートの素材が塑性流動し易くなるため、かかる側面を一層確実に凸部の傾斜した面に倣った傾斜角度で且つ滑らかな表面とすることが可能となる。
また、本発明は、前記金型の平坦面および凸部の表面には、シリコン系樹脂の皮膜が被覆されている、配線基板の製造方法とすることも可能である。これによる場合、前記加圧工程の後において、前記グリーンシートを金型から容易に離型させることが可能となる。
更に、本発明は、前記押さえ材は、弾性材からなる、配線基板の製造方法とすることも可能である。これによる場合、前記加圧工程において、前記グリーンシートの貫通孔を、所定角度の側面(内周面)を有する貫通孔に成形できると共に、当該グリーンシートの厚みや形状の変化を最小限に抑制することが可能となる。
加えて、本発明は、前記打ち抜き加工による貫通孔を形成する工程と、前記金型および押さえ材による加圧する工程とを、大版のグリーンシートに対しそれぞれ同時に複数の箇所で行う、配線基板の製造方法とすることも可能である。
これによる場合、所定角度の側面を有する貫通孔を形成した製品単位のグリーンシートを、多数個取りにより効率良く得ることが可能となる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1および図2は、本発明において、追って配線基板におけるキャビティの一部となる貫通孔をグリーンシートs1に形成する工程を示す。
上記グリーンシートs1は、例えばアルミナ(セラミック)を主成分とし、且つ所要量の有機バインダや可塑剤を含み、その厚みは約25〜数100μmである。図1に示すように、かかるグリーンシートs1を断面円形の受入孔3が貫通するダイ2の上に載置して拘束する。次に、図1中の矢印で示すように、上記受入孔3とのクリアランスを最小限とした円柱形のポンチ2を、グリーンシートs1に向けて降下させる。
その結果、図2に示すように、ポンチ2とダイ2の受入孔3の周縁との剪断作用により、グリーンシートs1の所定の位置には、ポンチ2の外径とほぼ同じ内径である円柱形の貫通孔4が形成される(貫通孔を形成する工程)。
次いで、図3に示すように、貫通孔4が形成されたグリーンシートs1を金型10の平坦面12の上方に配置し、かかる平坦面12に対して傾斜した円錐面(面)を有する円錐形の凸部14を、その頂点13寄りの部分が上記貫通孔4内に進入するようにする。かかる金型10は、図4に示すように、板状のベース11の表面である平坦面12と、かかる平坦面12から円錐形に突出する凸部14とを一体に有する。
尚、凸部14の円錐形に傾斜した面は、平坦面12に対して約40〜85度の仰角(傾斜角)θが付されている。また、平坦面12および凸部14の表面には、予め図示しないシリコン系樹脂の被膜が約1〜100μmmの厚みで被覆されている。
図3に示すように、金型10の上方に、平坦面12に対向する表面9を有する押さえ材8を配置する。かかる押さえ材8は、例えば合成ゴムなどの耐熱性を有する弾性材からなると共に、少なくとも上記凸部14の頂点13を含む高さよりも大きな厚みを有している。尚、押さえ材8の表面9側には、予め凸部14の頂点13付近を受け入れるほぼ相似形の凹部を形成しても良い。また、押さえ材8における表面9と反対側には、図示しない金属製の押さえ板を配置しても良い。
かかる状態で、押さえ材8、貫通孔4が形成されたグリーンシートs1、および金型10を約40〜60℃に加熱した後、図3中の矢印で示すように、上記押さえ材8をグリーンシートs1と共に、金型10の平坦面12寄りに接近させるように加圧する(金型寄りに加圧する工程)。
すると、図5に示すように、金型10の凸部14は、その頂点13付近がグリーンシートs1の前記貫通孔4を貫通して押さえ材8の内部に進入すると共に、上記貫通孔4付近に位置するアルミナなどの素材は、当該凸部14の平坦面12寄りにおける円錐形部分(傾斜した面)に押圧される。
その結果、図6の断面で示すように、グリーンシートs1では、前記円柱形の貫通孔4が、上記加圧および加熱に伴う塑性変形によって、金型10の凸部14の円錐形状と相似形であるほぼ円錐形の貫通孔6に成形される。尚、押さえ材8と共にグリーンシートs1を金型10から離型する際、平坦面12と凸部14の表面に前記シリコン系樹脂の被膜が被覆されているため、スムースに離型できる。
また、別のグリーンシートs2を用意し、前記同様の打ち抜き加工により、図7の中程に示すように、前記貫通孔4よりも大きな内径の貫通孔5を形成する(貫通孔を形成する工程)。
図7に示すように、貫通孔5が形成されたグリーンシートs2を金型15の平坦面17の上方に配置し、かかる平坦面17に対して傾斜した円錐面(面)を有するほぼ円錐形の凸部18のうち、その頂面19寄りの部分が上記貫通孔5内に進入するようにする。かかる金型15は、図8に示すように、板状のベース16の表面である平坦面17と、かかる平坦面17からほぼ円錐形に突出する凸部18と、円形の頂面19とを一体に有する。尚、凸部18の円錐面の平坦面17に対する仰角は、前記凸部14と同じである。また、平坦面17、凸部18、および頂面19の表面には、前記同様のシリコン系樹脂の被膜が被覆されている。
図7に示すように、金型15の上方に、前記同様の押さえ材8を配置する。尚、押さえ材8の表面9側には、予め凸部18の頂面19付近を受け入れるほぼ相似形の凹部を形成しても良い。
かかる状態で、押さえ材8、貫通孔5が形成されたグリーンシートs2、および金型15を前記同様に加熱した後、図7中の矢印で示すように、上記押さえ材8をグリーンシートs2と共に、金型15の平坦面17寄りに接近させるように加圧する(金型寄りに加圧する工程)。
すると、図9に示すように、金型15の凸部18は、その頂面19付近がグリーンシートs2の前記貫通孔5を貫通して押さえ材8の内部に進入すると共に、上記貫通孔5付近に位置するアルミナなどの素材は、当該凸部18の平坦面17寄りにおける円錐形部分(傾斜した面)に押圧される。
その結果、図10の断面で示すように、グリーンシートs2では、前記円柱形の貫通孔5が、加圧および加熱に伴う塑性変形により、金型15の凸部18の円錐形状と相似形であるほぼ円錐形の貫通孔7に成形される。尚、押さえ材8と共にグリーンシートs2を金型15から離型する際、平坦面17と凸部18の表面にも前記シリコン系樹脂の被膜が被覆されているため、スムースに離型できる。
次に、図11の上方に示すように、グリーンシートs1,s2を、貫通孔6,7を同軸心で且つその円錐形の傾斜面が連続するように積層して積層体S1を形成する。かかる積層体S1の貫通孔6,7の傾斜した側面(内周面)に、WまたはMoなどを主成分とする導電性ペースト(図示せず)を均一の厚みで塗布する。
一方、図11の下方に示すように、平板状のグリーンシートs3〜s5を積層して積層体S2を形成する。かかるグリーンシートs3〜s5には、WまたはMoなどを主成分とするビア導体(図示せず)が厚み方向に沿って貫通すると共に、これらの表面および裏面の少なくとも一方には、上記同様の主成分を有する配線層や電極(図示せず)が予め形成されている。
次いで、図11中の白抜きの矢印で示すように、積層体S2の上に積層体S1を積層すると共に、これらを所定の温度域に加熱・保持する焼成工程を施す。
その結果、図12に示すように、前記グリーンシートs1〜s5が一体に焼成されたセラミック層s1〜s5からなり、表面22および裏面24を有すると共に、表面22に開口するほぼ逆円錐形状のキャビティ24を有する基板本体21が得られる。上記キャビティ24の側面25は、前記貫通孔6,7と同様に所定の角度で傾斜していると共に、前記金型10,15による加圧により滑らかな表面となっている。また、この側面25に予め形成された前記導電性ペーストは、焼成されてメタライズ層となっている。かかるメタライズ層の上に無電解または電解メッキを施して、下地のNiメッキ層と表層のAgメッキ層とを形成することにより、図12中の左側で例示するように、キャビティ24の側面25に沿った金属層28が形成される。この結果、図12に示す配線基板20が得られる。尚、光反射面となる上記Agメッキ層に替えて、Pt、Pd、またはRhのメッキ層を形成しても良い。
以上のような各工程が、本発明による配線基板20の製造方法である。
図12に示すように、キャビティ24の底面26に、図示しない発光素子(光通信用素子)を実装すると、かかる発光素子から発光された光は、金属層28の表面に反射して外部に放射される。かかる金属層28は、前記メタライズ層と、Niメッキ層と、表層のAgメッキ層などとからなるが、これらが形成されているキャビティ24の側面25は、前記グリーンシートs1,s2の貫通孔6,7と同様に所定の角度で傾斜し、且つ前記金型10,15による加圧により滑らかな表面となっている。このため、上記発光素子から発光された光は、所定の傾斜角度で且つ滑らかな表面の金属層28に反射するため、広角度で且つ効率良く反射した後、外部に放射される。従って、本発明によって得られる配線基板20によれば、光通信を正確且つ確実に行うことが可能となる。
図13〜図16は、前述した形態に対する応用形態の製造方法に関する。
図13に示すように、グリーンシートs1を断面円形の受入孔3aが貫通するダイ2の上に載置して拘束する。かかる受入孔3aは、前記受入孔3よりも若干大きな内径であり、ポンチ1との間に所定のクリアランスcを有する。かかるクリアランスcは、例えばグリーンシートs1の厚みが100〜800μmの場合、約10〜800μm程度に設定される。
次に、図13中の矢印で示すように、円柱形のポンチ2を、グリーンシートs1およびダイ2の受入孔3aに向けて降下させる。
その結果、図14に示すように、ポンチ1とダイ2の受入孔3aの周縁との剪断作用により、グリーンシートs1の所定の位置には、ポンチ2の外径から受入孔3aの内径に倣って拡径するテーパ状の貫通孔4aが形成される(貫通孔を形成する工程)。かかる貫通孔4aの側面(円錐状の周面)は、剪断されたアルミナなどの素材の粗い破断面である。
次いで、図15に示すように、貫通孔4aが形成されたグリーンシートs1を前記金型10の平坦面12の上方に配置し、かかる平坦面12に対して傾斜した円錐面(面)を有する円錐形の凸部14を、その頂面13寄りの部分が上記貫通孔4a内の広い開口部側から進入するようにする。尚、平坦面12および凸部14の表面には、前記同様のシリコン系樹脂の被膜が被覆されている。
図15に示すように、金型10の上方に、前記同様の押さえ材8を配置する。
かかる状態で、押さえ材8、貫通孔4aが形成されたグリーンシートs1、および金型10を前記同様に加熱した後、図15中の矢印で示すように、上記押さえ材8をグリーンシートs1と共に、金型10の平坦面12寄りに接近させるように加圧する(金型寄りに加圧する工程)。
すると、図16に示すように、金型10の凸部14は、その頂点13付近がグリーンシートs1の前記貫通孔4aを貫通して押さえ材8の内部に進入すると共に、予めテーパ状の上記貫通孔4a付近に位置するアルミナなどの素材は、当該凸部14の平坦面12寄りに位置する円錐形の部分に押圧されて塑性流動する。
その結果、図16に示すように、グリーンシートs1では、前記テーパ状の貫通孔4aが、上記加圧および加熱に伴う塑性変形により、金型10の凸部14の円錐形状(傾斜した面)と相似形であるほぼ円錐形の貫通孔6にスムースに変形される。
尚、前記グリーンシートs2に対しても、ポンチとダイの受入孔との間に前記同様のクリアランスcを介在せることで、前記同様のテーパ状の貫通孔を形成することができる。そして、かかるテーパ状の貫通孔を有するグリーンシートs2に対し、前記金型15と押さえ材8とを用いる加圧・加熱工程を行うことで、所定の傾斜角度の側面を有する貫通孔をスムースに形成することが可能となる。
また、前記貫通孔を形成する工程は、1枚すつのグリーンシートs1,s2に対し、それぞれ個別に打ち抜き加工を行ったが、一組のポンチとダイの受入孔とにより、例えば、予め積層した2枚のグリーンシートs1,s2に対し、1回の打ち抜き加工を行うことにより、共通の貫通孔を形成しても良い。この場合、ポンチとダイの受入孔との間のクリアランスは、最小限として円柱形の貫通孔を形成しても良いが、所定のクリアランスを介在させて、テーパ状の貫通孔を形成することで、次に行う金型と押さえ材とによる加圧・加熱工程をスムースを行うことが可能となる。
更に、前記配線基板20のキャビティ24を形成するためのグリーンシートは、1枚のみの厚物とし、前記貫通孔を形成する工程および前記金型および押さえ材を用いる加圧・加熱工程を1枚の上記グリーンシートのみに対し行っても良い。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記ポンチ1とダイ2となどにより貫通孔4,5を形成したグリーンシートs1,s2を、貫通孔4,5が同軸心になるように予め積層し、これらに対し金型15と押さえ材8とを用いる加圧・加熱工程を行うこともできる。即ち、図17に示すように、グリーンシートs1,s2の階段形の断面を呈する貫通孔4,5内に金型15の凸部18を進入させた後、図17中の矢印で示すように、押さえ材8を金型15の平坦面17寄りに接近させるように加圧する(金型寄りに加圧する工程)。尚、グリーンシートs1,s2、押さえ材8、および金型15は、予め前記同様に加熱されている。
その結果、図18に示すように、グリーンシートs1,s2における前記階段形状の貫通孔4,5は、加圧および加熱に伴う塑性変形により、金型15の凸部18の円錐形状(傾斜した面)と相似形で且つ連続するほぼ円錐形の貫通孔6,7に変形される。同時に、グリーンシートs1,s2は、一体に積層されて前記と同じ積層体S1が形成される。
また、前記ポンチ1とダイ2となどによりテーパ状の貫通孔4a,5aを形成したグリーンシートs1,s2を、貫通孔4a,5aが同軸心になるように予め積層し、これらに対し金型15と押さえ材8とを用いる加圧・加熱工程を行うこともできる。即ち、図19に示すように、グリーンシートs1,s2の断面がややズレた貫通孔4a,5a内に金型15の凸部18を進入させた後、図19中の矢印で示すように、押さえ材8を金型15の平坦面17寄りに接近させるように加圧する(金型寄りに加圧する工程)。
その結果、図20に示すように、グリーンシートs1,s2における前記テーパ状の貫通孔4a,5aは、加圧および加熱に伴う塑性変形により、金型15の凸部18の円錐形状(傾斜した面)と相似形で且つ連続するほぼ円錐形の貫通孔6,7にスムースに変形される。同時に、グリーンシートs1,s2は、一体に積層されて前記と同じ積層体S1が形成される。
尚、互いに異なる内径の貫通孔を個別に形成した3枚以上のグリーンシートを積層し、これらを前記金型15と押さえ材8とにより加圧することで、傾斜面が連続する円錐形の貫通孔を有する積層体を形成することも可能である。
更に、グリーンシートに断面長円形の貫通孔を形成する工程の後に、図21に示すような金型30と前記押さえ材8とを用いて、前記加圧工程を行っても良い。かかる金型30は、図21に示すように、板状のベース31の表面である平坦面32と、かかる平坦面32からほぼ長円錐形状に突出する凸部34と、線状の頂辺33とを一体に有する。かかる金型30と前記押さえ材8とを用いることで、前記グリーンシートs1,s2の貫通孔4,4a,5,5aを、ほぼ長円錐形状に成形できると共に、前記配線基板20のキャビティ24もほぼ長円錐形状とすることができる。尚、凸部34の長円錐形面の平坦面32に対する仰角は、前記凸部14と同様である。また、平坦面32および凸部34の表面にも、前記同様のシリコン系樹脂の被膜が被覆される。
また、グリーンシートに若干大きな断面長円形の貫通孔を形成する工程の後に、図22に示すような金型35と前記押さえ材8とを用いて、前記加圧工程を行っても良い。かかる金型35は、図22に示すように、板状のベース36の表面である平坦面37と、かかる平坦面37からほぼ長円錐形状に突出する凸部38と、その長円形の頂面39とを一体に有する。かかる金型35と前記押さえ材8とを用いることで、前記グリーンシートs1,s2の貫通孔4,4a,5,5aや前記配線基板20のキャビティ24をほぼ長円錐形状とすることができる。
尚、凸部38の長円錐形面の平坦面37に対する仰角も、前記凸部14と同様である。また、平坦面37、凸部38、頂面39およびの表面にも、前記同様のシリコン系樹脂の被膜が被覆される。
更に、グリーンシートに断面楕円形の貫通孔を形成する工程の後に、図23に示すような金型40と前記押さえ材8とを用いて、前記加圧工程を行っても良い。かかる金型40は、図23に示すように、板状のベース41の表面である平坦面42と、かかる平坦面42からほぼ楕円錐形状に突出する凸部43と、その楕円形の頂面44とを一体に有する。かかる金型40と前記押さえ材8とを用いることで、前記グリーンシートs1,s2の貫通孔4,4a,5,5aを、ほぼ楕円錐形状に成形できると共に、前記配線基板20のキャビティ24もほぼ楕円錐形状とすることができる。尚、凸部43の楕円錐形面の平坦面42に対する仰角は、前記凸部14と同様である。また、平坦面42、凸部43、および頂面44の表面にも、前記同様のシリコン系樹脂の被膜が被覆される。
また、前記グリーンシートの主成分であるセラミックは、前記アルミナのほか、例えばムライト、窒化アルミニウムなどとしても良い。
更に、金型の凸部は、平坦面から突出する四角錐、六角錐、または八角錐などの正多角錐形、あるいはこれらの変形多角錐形を呈するものとしても良い。この場合、上記各形状に倣って形成される配線基板のキャビティには、これらの内隅部に導電性ペーストを円弧形に充填して、ほぼ円錐形、ほぼ長円錐形、またはほぼ楕円錐形などとし、これらの側面に前記金属層を形成するようにしても良い。
加えて、本発明は、前記打ち抜き加工による貫通孔を形成する工程と、前記金型および押さえ材による加圧する工程とを、複数の製品単位のグリーンシートを併有する大版のグリーンシートに対し、同時に複数の箇所で実施する形態として行うことも可能である。
本発明の製造方法における1工程を示す概略図。 図1に続く製造工程を示す概略図。 図2に続く製造工程を示す概略図。 図3の工程に用いる金型を示す斜視図。 図3に続く製造工程を示す概略図。 図1〜図5の工程により得られたグリーンシートの断面を示す概略図。 異なる形態の金型を用いる製造工程を示す概略図。 図7の工程に用いる金型を示す斜視図。 図7に続く製造工程を示す概略図。 図7,図9の各工程により得られたグリーンシートの断面を示す概略図。 上記各グリーンシートなどを積層する工程を示す概略図。 本発明により得られる配線基板の断面を示す概略図。 上記製造方法の応用形態である製造工程を示す概略図。 図13に続く製造工程を示す概略図。 図14に続く製造工程を示す概略図。 図15に続く製造工程を示す概略図。 異なる形態の製造工程を示す概略図。 図17に続く製造工程を示す概略図。 更に異なる形態の製造工程を示す概略図。 図19に続く製造工程を示す概略図。 異なる形態の金型を示す斜視図。 更に異なる形態の金型を示す斜視図。 別異なる形態の金型を示す斜視図。
符号の説明
4,4a,5,5a………………貫通孔
8……………………………………押さえ材
9……………………………………表面
10,15,30,35,40…金型
12,17,32,37,42…平坦面
14,18,34,38,43…凸部
20…………………………………配線基板
s1,s2…………………………グリーンシート

Claims (1)

  1. 単数または複数のグリーンシートに対し、打ち抜き加工により、貫通孔を形成する工程と、
    平坦面およびかかる平坦面に対して傾斜した面を有する凸部を有する金型と、かかる金型の平坦面に対向する平坦な表面を有する押さえ材とを用い、上記金型の凸部が上記グリーンシートの貫通孔内に進入するように、かかるグリーンシートを上記平坦面の上に配置した後、上記押さえ材を上記グリーンシートと共に上記金型寄りに加圧する工程と、
    を含む、ことを特徴とする配線基板の製造方法。
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