JP2018157135A - 金属−セラミックス接合基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この種の金属回路板及び放熱用金属板は、一般にプレス加工による打抜き加工により作製される。この場合、金属回路板は、セラミックス基板に接合した後、所望の回路パターンにエッチングされるが、放熱用金属板は、プレス加工のままセラミックス基板に接合される。
特許文献1記載の基板の場合、金属回路板はエッチングされるため、応力集中は緩和されるが、放熱用金属板はプレス加工のまま接合されるため、応力集中によるクラック発生のおそれが生じ、絶縁基板としての信頼性を損なうという問題がある。特に、金属板が銅板やアルミニウム合金である場合、純アルミニウム板よりも剛性が高いので、応力集中が大きくなる。
金属板が平面視矩形状である場合、長辺側を曲げる場合に比べて、短辺側を曲げる場合の方が剛性が高くなる。このため、金属板の長辺側の側縁で剛性の変化が急激になり、応力集中が大きくなる。本発明では、金属板の長辺側の側面に凹部を形成していることにより、長辺側の側縁での剛性の変化を小さくして応力集中を緩和することができる。
この種の金属板には銅またはアルミニウムが用いられるが、純アルミニウム板の場合は比較的変形し易いため、応力集中も小さい。このため、銅又は銅合金、あるいはアルミニウム合金のように比較的剛性の高い材料を用いる場合に本発明の構造が有効である。
<金属−セラミックス接合基板を用いたパワーモジュール用基板の構造>
図1及び図2は、本発明に係る実施形態の金属−セラミックス接合基板を用いたパワーモジュール用基板10を示している。この図1に示すパワーモジュール用基板10は、セラミックス基板11の両面に金属板12a,12bが接合されることにより、セラミックス基板11の一方の面に回路層13が形成され、他方の面に放熱層14が形成されている。
各金属板12a,12b(以下、これら金属板に共通する要素の説明においては金属板12とする)は平面視が矩形状に形成され、金属板12の側面22に、複数の凹部21が長さ方向に適宜の間隔をあけて形成されている。
また、開口端の三角形の底辺24aに連なるテーパ面24の傾斜角度(金属板12の面方向に対する角度)θは、20°以上60°以下に設定される。
このように構成したパワーモジュール用基板10を製造する場合、まず、プレス加工にて金属板12を作製し、その金属板12を別途作製しておいてセラミックス基板11(後述するようにセラミックス平板)に接合することにより、行われる。以下、その順に説明する。
銅又は銅合金、あるいはアルミニウム合金からなる金属平板31を順次搬送しながらプレス加工により打抜いて金属板12を作製する。この場合、図5に示すように、いわゆるプッシュバック法により、金属平板31から半抜き状態で打抜いた金属板12を再度打抜き穴32内に押し戻して、金属板12を打抜き穴31内に保持した状態で搬送する。
この金属平板31から半抜き状態とした金属板12を再度金属平板31に押し戻す前に、図5(a)で示すように金属板12の側面22にくさび状の金型33を食い込ませて凹部21を形成する。そして、図5(b)に示すように、この凹部21を形成した後の金属板12を金属平板31の打抜き穴32内に押し戻す。
このようにして金属平板31を順次搬送しながら金属板12を形成した後、金属平板31から金属板12を抜き出す。
図6に示すように、セラミックス基板11を複数形成可能な大きさの平板35にレーザー加工により各セラミックス基板11を区画するようにブレークライン36を形成しておき、そのセラミックス製平板35のブレークライン36により区画された各領域の上に、ろう材を介して金属板12をそれぞれ積層し、これらを厚さ方向に加圧しながら加熱してろう付けする。セラミックス平板35の両面に金属板12を接合する場合、両金属板12が同種金属である場合は、これらをろう材を介して順次積層し、その積層体を厚さ方向に加圧しながら加熱する。セラミックス平板35の一方の面に銅又は銅合金からなる金属板12、他方の面にアルミニウム合金からなる金属板12を接合する場合は、先に銅又は銅合金からなる金属板12を接合した後に、アルミニウム合金からなる金属板12を接合する。銅又は銅合金からなる金属板12の接合には、加圧力として0.1MPa〜0.5MPa、温度が820℃〜850℃で接合され、アルミニウム合金からなる金属板12の接合の場合は、加圧力として0.3MPa〜1.0MPa、温度が630℃〜655℃で接合される。
接合後に、セラミックス平板35をブレークライン36から分割して個々のセラミックス基板11とすることにより、セラミックス基板11に金属板12が接合されたパワーモジュール用基板10が作製される。
また、パワーモジュール用基板10としては、その後、回路層13に電子部品(図示略)が搭載され、放熱層14にヒートシンク(図示略)が接合された状態で使用に供されるが、その使用環境温度の変化による熱サイクルが作用する。そのときも、熱伸縮差による反りが生じるおそれがあるが、金属板12とセラミックス基板11との接合面23の周縁における応力緩和作用により、セラミックス基板11のクラック等の発生を防止することができる。
したがって、このパワーモジュール用基板10はセラミックス基板11を長期に健全に維持することができ、絶縁基板としての信頼性を向上させることができる。
例えば、上記実施形態では凹部をプレス加工により形成したが、エッチング処理によって形成してもよい。この場合、例えば、金属板の側面に凹部の開口端形状に合わせた孔を有するマスクを形成しておき、そのマスクの孔を介して金属板をエッチング処理する。また、凹部の形状としては、図の角錐状の凹部とすることは難しく、図の半球状の凹部に近い形状となる。
一方、金属板として厚さ3mmで30mm四方の正方形状の銅板を用意し、その側面に、プレス加工により、図に示すような1辺が1mmの正三角形の三角錐状の凹部を形成した。この場合、凹部の開口端の底辺(テーパ面の端縁)とセラミックス基板との接合面との距離Hは100μmとし、テーパ面の傾斜角度θは銅板の表面に対して60°とし、銅板の側面に沿って100μmの間隔をあけて複数形成した。
比較例として、凹部を有しない以外は同じ組成、形状、寸法の金属板とセラミックス基板とにより、同じ条件で接合してなる金属−セラミックス接合基板を作製した。
その結果、比較例については、繰り返し数が6000回で剥離が認められるのに対して、発明品は、8000回でも剥離は認められなかった。
11 セラミックス基板
12,12a,12b 金属板
13 回路層
14 放熱層
21 凹部
22 側面
23 接合面
24 テーパ面
24a 底辺(端縁)
31 金属平板
32 打抜き穴
33 金型
35 セラミックス製平板
36 ブレークライン
41 凹部
42 円弧面(テーパ面)
42a 端縁
Claims (5)
- セラミックス基板に接合された金属板の側面のうちの少なくとも一部に、複数の凹部が前記セラミックス基板と金属板との接合面に沿って間隔をあけて設けられており、前記凹部は、前記金属板の側面における厚さ方向の中央位置よりも前記セラミックス基板と前記金属板との接合面寄りに、前記金属板の側面から内側に向かうにしたがって前記接合面からの距離が漸次大きくなるテーパ面を有していることを特徴とする金属−セラミックス接合基板。
- 前記金属板の側面における前記テーパ面の端縁から前記接合面までの距離は、前記金属板の厚さをTmmとしたときに、(T×1/3)mm以下であることを特徴とする請求項1記載の金属−セラミックス接合基板。
- 前記金属板が平面視で矩形状であり、前記凹部は、前記金属板の長辺側の側面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の金属−セラミックス接合基板。
- 前記金属板は銅又は銅合金、あるいはアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の金属−セラミックス接合基板。
- 請求項1〜4のいずれか一項記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法であって、前記金属板の側面に前記凹部を形成した後、該金属板をセラミックス基板に接合することを特徴とする金属−セラミックス接合基板の製造方法。
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