JP2006184657A - 脱銀不良検知方法及び画像処理方法 - Google Patents

脱銀不良検知方法及び画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルムの脱銀不良状態を検知し、画像処理を行うことによって、フィルムに付いた傷の影響を除去する傷消し処理を適正に行う。
【解決手段】
赤外画像に含まれる濃度成分をX軸、赤外成分をY軸として、全画素に対して単回帰分析を実行することにより、傾きa1及び相関係数rを算出する。そして、傾きa1及び相関係数rの両方を含む関数で表される脱銀不良率rtoを算出する。脱銀不良率rtoの大きさに応じて、フィルムが脱銀不良状態であるか否かを検知し、フィルムが脱銀不良状態である場合には、そのことを示す警告を表示する。
【選択図】図2

Description

本発明は、写真用フィルムの脱銀不良状態を検知する脱銀不良検知方法、及び、フィルムが脱銀不良状態である場合の画像処理方法に関するものである。
近年、いわゆるデジタル露光方式を採用した写真処理装置が広く用いられるようになってきている。かかるデジタル露光方式では、フィルム上の画像を透過した光がCCD素子等で光電変換されることによって、デジタル画像データが作成される。そして、そのデジタル画像データに基づいて変調された光によって印画紙が露光される。デジタル露光方式を採用することにより、色補正や濃度補正、鮮鋭化処理などの各種画像処理を高い自由度で行うことができるようになるとともに迅速な焼き増し処理が可能になり、さらに、色および濃度の再現性や解像度に優れた高画質のプリントを得ることが可能となる。
ここで、フィルムに傷が付いている場合には、フィルム上の画像が適正に読み取ることができなくなり、印画紙上の画像が悪化するという問題が発生する。かかる問題を解消するために、デジタル画像データに対して画像処理を施すことによって、傷の影響を効果的に除去する方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法において、フィルムに赤外光を透過させると、赤外光はフィルムの傷の部分では散乱されるが、その他の部分では散乱することはほとんどない。そのため、フィルムを透過した赤外光から得られる赤外画像には、傷の情報だけが精度良く含まれることになる。
この方法では、赤外画像に基づいて、傷のある画素(劣化画素)と、劣化画素よりも多くの光が透過する傷のない画素(非劣化画素)とを判別する必要がある。従って、赤外画像の画素値に関する閾値を設定しておいて、閾値以上の画素値を有する画素が非劣化画素と判断され、閾値よりも低い画素値を有する画素が劣化画素と判断される。従って、フィルムに傷が付いている場合には、赤外画像に基づいて劣化画素を特定し、その劣化画素に対して所定の画像処理(傷消し処理)を施すことによって、傷の影響を除去することができる。
特開2003−259128号公報
写真処理装置において画像が読み取られるフィルムは、現像処理、漂白処理及び定着処理等の種々の処理が行われたものである。そして、通常は漂白処理及び定着処理が行われたフィルムでは、それに含まれる銀成分が全て取り除かれている。しかしながら、漂白処理及び定着処理を行うための処理液が劣化していたり、処理液の温度管理が適正でない場合には、漂白処理及び定着処理が適正に行われず、フィルムに銀成分が残留する現象(以下、「脱銀不良」と称する)が発生してしまう。
そして、脱銀不良状態のフィルムでは、銀成分が残留している部分において、フィルムを透過する光が妨げられる。そのため、フィルム上の画像の濃度が高くなるにつれてコントラストが強くなったり彩度が低下することによって、印画紙に形成される画像が悪化してしまう。また、フィルムの銀成分が残留している部分では、赤外光の透過も妨げられるので、フィルムに付いた傷の影響を除去する傷消し処理の前に行われる劣化画素の特定が適正に行われなくなって、傷消し処理が正常に動作しなくなってしまう。
そこで、本発明の主な目的は、フィルムの脱銀不良状態を検知する脱銀不良検知方法、及び、フィルムに付いた傷の影響を除去する処理を適正に行うことができる画像処理方法を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明者は、上記目的を達成するための研究を続けた結果、画像領域を有する記録媒体に非可視光を照射することによって得られる各画素の画素値から、記録媒体における脱銀不良状態を検知することができることを見出した。
つまり、本発明の脱銀不良検知方法は、画像領域を有する記録媒体に対して非可視光が照射されることにより得られる非可視光画像に含まれた各画素の画素値に基づいて記録媒体における脱銀不良状態を検知することを特徴としている。
この構成によると、記録媒体における脱銀不良状態を検知することができる。従って、記録媒体が脱銀不良状態である場合には、脱銀不良状態の影響を除去する画像処理を傷消し処理前に行うことによって、傷消し処理が正常に動作しなくなるのを防止することができる。また、記録媒体が脱銀不良状態である場合に、コントラストが強くなったり彩度が低下することによって、印画紙に形成される画像が悪化してしまうのを防止することができる。
また、本発明の脱銀不良検知方法において、記録媒体における脱銀不良状態が検知された場合に、その脱銀不良状態を知らせる警告を表示手段に表示させてもよい。
この構成によると、記録媒体における脱銀不良状態が検知された場合には、そのことを示す警告が表示されることによってオペレータに知らされる。従って、オペレータは、そのまま処理を続行するか、または、処理を中止するか否かを判断することができるようになる。
また、本発明者は、画像領域を有する記録媒体に非可視光を照射することによって得られる可視光成分に対応した可視光画像の各画素値と、非可視光成分に対応した非可視光画像の各画素値とを利用して回帰分析を行うことによって得られる傾きa及び相関係数rから、記録媒体における脱銀不良状態を検知することができることを見出した。
つまり、本発明の脱銀不良検知方法は、画像領域を有する記録媒体に対して非可視光が照射されることにより得られる非可視光画像に含まれた各画素における可視光成分に対応した第1の画素値及び非可視光成分に対応した第2の画素値を利用して回帰分析を行うことによって傾きa及び相関係数rを算出する第1の算出ステップと、前記傾きa及び前記相関係数rの少なくともいずれか一方を含む関数で表され、且つ、記録媒体における脱銀不良状態を検知するために用いられる評価変数を導出する評価変数導出ステップと、前記評価変数導出ステップにより導出された前記評価変数に基づいて、記録媒体における脱銀不良状態を検知する検知ステップとを備えていることを特徴としている。
この構成によると、前記傾きa及び前記相関係数rの少なくともいずれか一方を含む関数で表される評価変数の大きさに基づいて、記録媒体における脱銀不良状態を検知することができる。従って、記録媒体が脱銀不良状態である場合には、脱銀不良状態の影響を除去する画像処理を傷消し処理前に行うことによって、傷消し処理が正常に動作しなくなるのを防止することができる。また、記録媒体が脱銀不良状態である場合に、コントラストが強くなったり彩度が低下することによって、印画紙に形成される画像が悪化してしまうのを防止することができる。
また、本発明の脱銀不良検知方法において、前記評価変数導出ステップでは、前記傾きa及び前記相関係数rの両方を含む関数で表される前記評価変数が導出されてもよい。
この構成によると、記録媒体における脱銀不良状態を精度良く検知することができる。
また、本発明の脱銀不良検知方法において、前記傾きaを含む関数で表される第1変数を導出する第1の導出ステップと、前記相関係数rを含む関数で表される第2変数を導出する第2の導出ステップとをさらに備えており、前記評価変数導出ステップでは、前記第1の導出ステップで導出された前記第1変数と、前記第2の導出ステップで導出された前記第2変数とを乗じることにより前記評価変数が導出されてもよい。
この構成によると、記録媒体における脱銀不良状態を検知するために用いられる評価変数に対する傾きa及び相関係数rのそれぞれの影響度を調整することができる。
また、本発明の脱銀不良検知方法において、前記検知ステップにより記録媒体における脱銀不良状態が検知された場合に、その脱銀不良状態を知らせる警告を表示手段に表示させる警告表示ステップとをさらに備えていてもよい。
この構成によると、記録媒体における脱銀不良状態が検知された場合には、そのことを示す警告が表示されることによってオペレータに知らされる。従って、オペレータは、そのまま処理を続行するか、または、処理を中止するか否かを判断することができるようになる。
また、本発明の脱銀不良検知方法において、前記検知ステップでは、前記評価変数と閾値とを比較し、前記評価変数が閾値以上であるという比較結果が得られた場合に、記録媒体における脱銀不良状態が検知されてもよい。
この構成によると、評価変数に基づいて、記録媒体における脱銀不良状態を容易に検知することができる。
また、本発明の脱銀不良検知方法において、前記警告表示ステップでは、前記評価変数の大きさに応じた複数段階の警告を表示手段に表示させてもよい。
この構成によると、記録媒体における脱銀不良状態の程度に応じて警告の内容を変更することによって、オペレータが処理の続行または中止の判断を行い易くなる。
また、本発明者は、記録媒体が脱銀不良状態である場合に、劣化画素の特定が適正に行われなくなるのを防止するためには、傷消し処理が行われる前に、非可視光成分に対応した第2の画素値に対して脱銀不良状態に対応した画像処理を行うことによって、傷消し処理を適正に行うことができることを見出した。
つまり、本発明の画像処理方法は、画像領域を有する記録媒体に対して非可視光が照射されることにより得られる非可視光画像に含まれた各画素における可視光成分に対応した第1の画素値及び非可視光成分に対応した第2の画素値を利用して回帰分析を行うことによって傾きa及び相関係数rを算出する第1の算出ステップと、前記傾きa及び前記相関係数rの少なくともいずれか一方を含む関数で表され、且つ、記録媒体における脱銀不良状態を検知するために用いられる評価変数を導出する評価変数導出ステップと、記録媒体が脱銀不良状態でない場合に、前記非可視光成分に対応した前記第2の画素値を補正するための第1の補正値を算出する第1の補正値算出ステップと、記録媒体が脱銀不良状態である場合に、前記非可視光成分に対応した前記第2の画素値を補正するための第2の補正値を算出する第2の補正値算出ステップと、前記第1の補正値算出ステップで算出される前記第1の補正値と1から前記評価変数を差し引いた値との積と、前記第2の補正値算出ステップで算出される前記第2の補正値と前記評価変数との積とを加えることにより、前記非可視光成分に対応した前記第2の画素値を補正するための第3の補正値を算出する第3の補正値算出ステップと、前記第3の補正値算出ステップで算出される前記第3の補正値に基づいて、前記非可視光成分に対応した前記第2の画素値を補正する画像処理ステップとを備えていることを特徴としている。
この方法によると、傷消し処理が行われる前に、非可視光成分に対応した第2の画素値が補正されることによって脱銀不良の影響を除去することができる。従って、記録媒体が脱銀不良状態である場合でも、傷消し処理が正常に動作しなくなるのを防止することができる。また、記録媒体が脱銀不良状態である場合に、コントラストが強くなったり彩度が低下することによって、印画紙に形成される画像が悪化してしまうのを防止することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態の脱銀不良検知方法及び画像処理方法が用いられる写真処理装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、図1の写真処理装置における動作手順を示すフローチャートである。
写真処理装置1は、フィルムスキャナ2と、画像処理装置3と、写真焼付装置4とを備えている。フィルムスキャナ2は、光源からネガフィルムに光(可視光)を照射し、その透過光をCCD素子等で受光することによって、ネガフィルムに記録された画像を読み取る。また、フィルムスキャナ2は、読み取った画像データを、赤色成分、緑色成分及び青色成分ごとに、画像処理装置3に出力する。さらに、フィルムスキャナ2は、赤外光(非可視光)をネガフィルムに照射し、その透過光をCCD素子等で受光することによって、ネガフィルムの傷情報等を読み取る。また、フィルムスキャナ2は、読み取った赤外画像データ(傷情報等に関する傷データ)を、画像処理装置3に出力する。なお、以下の説明では、赤色成分、緑色成分及び青色成分の画像データを、「赤画像」、「緑画像」及び「青画像」とそれぞれ称し、赤外画像データを、「赤外画像」と称する。
画像処理装置2は、フィルムスキャナ1から送られた画像データに対して種々の画像処理を行った後で、画像処理後の画像データを写真焼付装置3に供給する。ここで、画像処理装置2では、画像処理の1つとして、傷消し処理が行われる。つまり、画像処理装置2は、フィルムスキャナ1から送られた画像データおよび赤外画像データを用いて、画像データに含まれる各画素が傷のある画素か否かを判別し、傷のある画素に対して、傷による影響を除去する傷消し処理を行った後で、傷消し処理が行われた画像データを写真焼付装置3に供給する。
写真焼付装置3は、画像処理装置2によって画像処理が行われた画像データに基づいて、感光材料である印画紙を露光することにより、印画紙上に画像を焼き付けるものである。デジタル画像データに応じた光を印画紙に照射するヘッドとしては、デジタル画像データに応じて画素ごとに印画紙への照射光を変調できる光変調素子が用いられる。このような光変調素子としては、例えばPLZT露光ヘッド、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)、LCD(液晶表示装置)、LED(Light Emitting Diode)パネル、レーザー、FOCRT(Fiber Optic Cathode Ray Tube)、CRT(Cathode Ray Tube)等がある。
次に、写真処理装置1における動作手順を図2を参照して説明する。フィルムスキャナ2によって、赤画像、緑画像、青画像及び赤外画像のそれぞれに対応した画像データが取得される(ステップS101)。そして、赤画像、緑画像及び青画像に含まれる互いに対応した各画素の画素値の平均値が算出される(ステップS102)。以下の説明では、ステップS102で算出された各画素の画素値の平均値を「濃度成分」と称する。
ここで、赤外画像は、フィルムに対して赤外光が照射されることにより得られる画像データである。しかしながら、赤外画像には可視の赤色成分が混入していることが多い。このように、可視の赤色成分が赤外画像に混入している現象は、「赤色リーケージ」と呼ばれる。つまり、赤色リーケージとは、赤外光の波長領域とフィルムが吸収する赤色成分の波長領域とに重なりが生じ、赤外画像に赤色成分の画像が含まれてしまう現象をいう。従って、赤外画像に含まれる各画素の画素値は、赤色リーケージ分だけ小さくなる。また、フィルムが脱銀不良状態である場合には、フィルムに残った銀の影響が可視画像(赤画像、緑画像及び青画像)及び赤外画像の両方に同程度に現れる。従って、赤外画像に含まれる各画素の画素値は、脱銀不良分だけ小さくなる。
赤外画像に含まれる濃度成分をX軸、赤外成分をY軸として、全画素に対して単回帰分析を実行する(ステップS103)。ここで、単回帰分析としては、最小二乗法を用いて、回帰式Y=aX+bの傾きa、切片b及び相関係数rを求める回帰分析が行われる。これによって、傾きa及び相関係数rが求められる。
次に、フィルムが脱銀不良状態であるか否かを判定するために用いられる脱銀不良率rtoを算出する(ステップS104)。ここで、本発明者は、脱銀不良状態であるフィルムを用いた試験を行った結果、脱銀不良率rtoは、次式に示すように、傾きaを含む関数で求められる値svと、相関係数rを含む関数で求められる値svとの積で表すことができるという知見を得ている。
rto=sv×sv (式1)
また、このとき、sv及びsvは、上記試験の結果、それぞれ次式で表すことができることが分かっている。なお、A、B、Cは、脱銀不良状態であるフィルムを用いた試験を行うことにより得られた係数である。
sv=a×A (但し、sv>1) (式2)
sv=(r−B)×C (但し、sv<0、sv>1)(式3)
次に、上述で求められた脱銀不良率rtoの大きさに基づいて、フィルムが脱銀不良状態であるか否かが判断される(ステップS105)。ここで、脱銀不良率rtoが、小さい場合には脱銀不良状態である可能性は低く、大きくなるにつれて脱銀不良状態である可能性が高くなる。本実施の形態では、脱銀不良率rtoが閾値E1以上である場合に、フィルムの脱銀不良が発生していると判断される。ここで、脱銀不良率rtoが、閾値E1と閾値E2との間にある場合、閾値E2と閾値E3との間にある場合、閾値E3以上である場合の順に、フィルムの脱銀不良が発生している可能性が高くなることが検知される。
ここで、フィルムが脱銀不良状態であると判断された場合(S105:YES)には、その脱銀不良状態を示す警告が表示される(ステップS106)。ここで、フィルムが脱銀不良状態である警告が表示される場合に、ステップS105での判断(脱銀不良率rtoの大小)に応じて、警告表示の頻度が異なる。つまり、脱銀不良率rtoが、閾値E1と閾値E2との間にある場合、閾値E2と閾値E3との間にある場合、閾値E3以上である場合の順に、警告表示の頻度が高くなる。
この警告によって、フィルムが脱銀状態であることを知ったオペレータは、画像データの処理を継続するか中止するかの判断を行う(ステップS107)。ここで、画像データの処理を継続すると判断された場合(S107:NO)には、コントラスト補正量gammaが、次式に示すように、傾きaを含む関数で求められる(ステップS108)。ここで、係数Dは、赤色リーケージ量を示す値であり、一般的には、0.03程度である。
gamma=1−(a1−D)(但し、gamma>1) (式4)
次に、赤外画像の全ての画素のそれぞれの赤色リーケージ量が除去された画素値が算出される(ステップS109)。ここでは、脱銀不良が発生していない場合の赤色リーケージ量が除去された画素値と、脱銀不良が発生している場合の赤色リーケージ量が除去された画素値とに分けて考える。なお、実際には、各画素毎に、脱銀不良が発生していない場合の赤色リーケージ量が除去された画素値と、脱銀不良が発生している場合の赤色リーケージ量が除去された画素値との両方の計算が行われ、脱銀不良率rtoの値によって、それぞれの画素値が変更される。
脱銀不良が発生していない場合には、赤外画像の全ての画素を対象にして、X=(赤画像の画素値)と、Y=(赤外画像の画素値)とを画素ごとに求める。そして、最小二乗法を用いて、回帰式Y=cXの係数cを求める回帰分析を行う。この回帰分析により算出されたc値は、赤画像に含まれる赤色リーケージ分の画素値の割合(以下、「リーケージ割合」と称する)に相当する。従って、赤画像にリーケージ割合をかけた値は、赤画像のうち赤外画像へのリーケージ分に相当すると共に、赤外画像に含まれる赤成分の画素値に相当する。
さらに、リーケージ割合cを用いて、各赤外画素の画素値から赤成分の画素値を除去することにより、各赤外画素の画素値を補正する演算を行う。従って、補正後の各赤外画素の画素値IR’は、次式で表される。
IR’=(IR−c×R)/(1−c) (式5)
なお、IR’は補正後の各赤外画素の画素値、IRは補正前の各赤外画素の画素値、Rは赤外画素に対応する赤画素の画素値を示す。
ここで、(式5)では、(IR−c×R)は、赤外画像の画素値からリーケージ分の画素値(赤成分の画素値)としてのc×Rを引くことにより、各赤外画素の画素値から赤成分の画素値を除去したものである。さらに、(IR−c×R)を(1−c)で割っているのは、リーケージ分を除去した後の赤外画像の画素値について正規化を行うためである。
一方、脱銀不良が発生している場合には、赤外画像の全ての画素を対象にして、濃度成分と赤外成分との関係が求められる。ここで、画像の幅方向にI回の走査が行われると共に、画像の長さ方向にJ回の走査が行われることによって、1つの画像全体が形成される場合に、その幅方向に関するi(但し、1≦i≦I)番目の走査部分とその長さ方向に関するj(但し、1≦j≦J)番目の走査部分との交点に対応した座標(i、j)の画素毎に、濃度成分と赤外成分との関係が求められる。そこで、本実施の形態では、濃度成分の画素値を基にした区間nを設け、濃度画素と同じ座標にある赤外画素値irについて、区間毎に、平均値IRdatが算出される。ここで、区間n及び平均値IRdatは、それぞれ次式で表される。
n=INT(di、j×F+0.5) (式6)

IRdat=Σirp/m(但し、mは区間n内の画素数) (式7)
P=1
次に、赤外画像の赤色リーケージ分が除去される(ステップS110)。脱銀不良状態が発生している場合の赤色リーケージを除去した際の赤外画素値ir’は、区間平均値IRdatから赤外値irを引いた差を区間平均値の最大値IRmaxから減ずることによって、次式で求められる。
iri、j’=IRmax−(IRdat−iri、j) (式8)
従って、最終的な赤色リーケージ除去結果ir’’は、脱銀不良が発生していない場合の赤色リーケージ量が除去された画素値IRi、j’と、脱銀不良が発生している場合の赤色リーケージ量が除去された画素値iri、j’と、脱銀不良率rtoとを利用して、次式で求められる。
iri、j’’=IRi、j’×(1−rto)+iri、j’×rto (式9)
ここで、図3に示すように、テーブルによる補正の場合には、ある決まった区間(間隔)毎に補正量が定まっているので、階段状の補正になってしまう。従って、この場合には、赤色リーケージ除去の過不足が発生すると考えられる。例えば、図3では、隣り合う2つの区間の平均値を直線で結んだライン(図3では破線)が、赤色リーケージの補正ラインとすると、補正ラインより上方の三角領域は不足分となり、補正ラインより下方の三角領域は超過分となる。なお、補正ラインは、全ての区間について生成されるが、両端の区間については生成されない。
このように、赤色リーケージ除去の過不足が発生するのを防止するために、式8及び式9が下記のように修正される。ある座標(i、j)の画素の濃度dから区間nを小数値として求め、小数部rateを取り出す。区間nの小数部rateを切り捨てた整数値INT(n)の区間と、その次の区間INT(n)+1との間で直線を引いた場合、これらの区間平均値と小数部rateによって、直線上の値を求めることができる。
n=di、j×F+0.5 (式10)
rate=n−INT(n) (式11)
IRdat’=IRdatINT(n)×(1.0−rate)
+IRdatINT(n)×rate (式12)
従って、式8及び式9に示す赤色リーケージ除去後の赤外値は、それぞれ次式のように修正される。
iri、j’=IRmax−(IRdat’−iri、j) (式13)
iri、j’’=IRi、j×(1−rto)+iri、j’×rto(式14)
次に、フィルムに付いた傷の影響を除去するための傷消し処理が行われる。まず、傷のない画素(非劣化画素)と傷のある画素(劣化画素)とを判別するために用いられる非劣化画素値(CF値)が算出される(ステップS111)。つまり、CF値は傷のない画素の画素値であるので、このCF値よりも大きい画素値である画素は、傷のない画素と判別される。
上述のようにして補正した赤外画像を用いて、変数X=(赤画像の画素値)−(赤外画像の画素値)+(赤外平均値Ave)と、変数Y=(赤画像の画素値)とを画素ごとに求めた後、最小二乗法を用いて、回帰式Y=aX+bの傾きa及び切片bを求める回帰分析が行われる。ここで、切片bは、赤外平均値AveがCF値から低下した低下分であるので、CF値は、次式により求められる。
CF=Ave+b (式15)
次に、傷による各画素の画素値の損失分が、非劣化画素値CFから赤外画像における各画素の画素値を減算することにより算出される(ステップS112)。そして、赤画像、緑画像及び青画像のそれぞれに対し、上記損失分が画素毎に加算される(ステップS113)。さらに、赤画像、緑画像及び青画像のそれぞれの画素に対し、コントラスト補正量gammaが乗算されることにより、コントラスト補正が行われる(ステップS114)。このようにして、画像データの補正処理が終了すると、補正処理された画像データが写真焼付装置4に供給される(ステップS115)。
以上説明したように、本実施の形態では、傾きa及び相関係数rの両方を含む関数で表される脱銀不良率rtoの大きさに基づいて、フィルムにおける脱銀不良状態を精度良く検知することができる。そして、傷消し処理が行われる前に、非可視光成分に対応した画素値が補正されることによって脱銀不良の影響を除去することができる。従って、フィルムが脱銀不良状態である場合でも、傷消し処理が正常に動作しなくなるのを防止することができる。また、フィルムが脱銀不良状態である場合に、コントラストが強くなったり彩度が低下することによって、印画紙に形成される画像が悪化してしまうのを防止することができる。
また、脱銀不良率rtoは、傾きaを含む関数で求められる値svと、相関係数rを含む関数で求められる値svとの積で表される。そのため、フィルムにおける脱銀不良状態を検知するために用いられる脱銀不良率rtoに対する傾きa及び相関係数rのそれぞれの影響度を調整することができる。
また、フィルムにおける脱銀不良状態が検知された場合には、そのことを示す警告が表示されることによってオペレータに知らされる。従って、オペレータは、そのまま処理を続行するか、または、処理を中止するか否かを判断することができるようになる。
また、脱銀不良率rtoが、閾値E1と閾値E2との間にある場合、閾値E2と閾値E3との間にある場合、閾値E3以上である場合の3段階で、警告が異なる頻度で表示される。従って、フィルムにおける脱銀不良状態の程度に応じて警告の内容を変更することによって、オペレータが処理の続行または中止の判断を行い易くなる。
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、脱銀不良率rtoが、傾きa及び相関係数rの両方を含む関数で表されているが、傾きa及び相関係数rの少なくともいずれか一方を含む関数で表されていてもよい。
また、上述の実施の形態では、フィルムが脱銀不良状態である場合に、そのことを示す警告が表示されるが、警告は表示されなくてもよい。また、警告が表示される場合でも、脱銀不良率rtoの大きさに応じた複数段階で表示されなくてもよい。
また、上述の実施の形態では、赤外画像に含まれる濃度成分をX軸、赤外成分をY軸として、傾きa、切片b及び相関係数rを求める回帰分析が行われ、傾きa及び相関係数rを含む関数で表される脱銀不良率rtoによって、フィルムにおける脱銀不良状態が検知されているが、フィルム(画像領域を有する記録媒体)に対して赤外光(非可視光)が照射されることにより得られる赤外画像(非可視光画像)に含まれた各画素の画素値に基づいてフィルム(記録媒体)における脱銀不良状態が検知されるものであれば、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態の脱銀不良検知方法及び画像処理方法が用いられる写真処理装置の概略構成を示すブロック図である。 図1の写真処理装置における動作手順を示すフローチャートである。 テーブルによる補正を説明するための図である。
符号の説明
1 写真処理装置
2 フィルムスキャナ
3 画像処理装置
4 写真焼付装置

Claims (9)

  1. 画像領域を有する記録媒体に対して非可視光が照射されることにより得られる非可視光画像に含まれた各画素の画素値に基づいて記録媒体における脱銀不良状態を検知することを特徴とする脱銀不良検知方法。
  2. 記録媒体における脱銀不良状態が検知された場合に、その脱銀不良状態を知らせる警告を表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の脱銀不良検知方法。
  3. 画像領域を有する記録媒体に対して非可視光が照射されることにより得られる非可視光画像に含まれた各画素における可視光成分に対応した第1の画素値及び非可視光成分に対応した第2の画素値を利用して回帰分析を行うことによって傾きa及び相関係数rを算出する第1の算出ステップと、
    前記傾きa及び前記相関係数rの少なくともいずれか一方を含む関数で表され、且つ、記録媒体における脱銀不良状態を検知するために用いられる評価変数を導出する評価変数導出ステップと、
    前記評価変数導出ステップにより導出された前記評価変数に基づいて、記録媒体における脱銀不良状態を検知する検知ステップとを備えていることを特徴とする脱銀不良検知方法。
  4. 前記評価変数導出ステップでは、前記傾きa及び前記相関係数rの両方を含む関数で表される前記評価変数が導出されることを特徴とする請求項3に記載の脱銀不良検知方法。
  5. 前記傾きaを含む関数で表される第1変数を導出する第1の導出ステップと、
    前記相関係数rを含む関数で表される第2変数を導出する第2の導出ステップとをさらに備えており、
    前記評価変数導出ステップでは、前記第1の導出ステップで導出された前記第1変数と、前記第2の導出ステップで導出された前記第2変数とを乗じることにより前記評価変数が導出されることを特徴とする請求項4に記載の脱銀不良検知方法。
  6. 前記検知ステップにより記録媒体における脱銀不良状態が検知された場合に、その脱銀不良状態を知らせる警告を表示手段に表示させる警告表示ステップとをさらに備えていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の脱銀不良検知方法。
  7. 前記検知ステップでは、前記評価変数と閾値とを比較し、前記評価変数が閾値以上であるという比較結果が得られた場合に、記録媒体における脱銀不良状態が検知されることを特徴とする請求項3〜6に記載の脱銀不良検知方法。
  8. 前記警告表示ステップでは、前記評価変数の大きさに応じた複数段階の警告を表示手段に表示させることを特徴とする請求項6または7に記載の脱銀不良検知方法。
  9. 画像領域を有する記録媒体に対して非可視光が照射されることにより得られる非可視光画像に含まれた各画素における可視光成分に対応した第1の画素値及び非可視光成分に対応した第2の画素値を利用して回帰分析を行うことによって傾きa及び相関係数rを算出する第1の算出ステップと、
    前記傾きa及び前記相関係数rの少なくともいずれか一方を含む関数で表され、且つ、記録媒体における脱銀不良状態を検知するために用いられる評価変数を導出する評価変数導出ステップと、
    記録媒体が脱銀不良状態でない場合に、前記非可視光成分に対応した前記第2の画素値を補正するための第1の補正値を算出する第1の補正値算出ステップと、
    記録媒体が脱銀不良状態である場合に、前記非可視光成分に対応した前記第2の画素値を補正するための第2の補正値を算出する第2の補正値算出ステップと、
    前記第1の補正値算出ステップで算出される前記第1の補正値と1から前記評価変数を差し引いた値との積と、前記第2の補正値算出ステップで算出される前記第2の補正値と前記評価変数との積とを加えることにより、前記非可視光成分に対応した前記第2の画素値を補正するための第3の補正値を算出する第3の補正値算出ステップと、
    前記第3の補正値算出ステップで算出される前記第3の補正値に基づいて、前記非可視光成分に対応した前記第2の画素値を補正する画像処理ステップとを備えていることを特徴とする画像処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106018479A (zh) * 2016-05-12 2016-10-12 电子科技大学 基于异常区域定位的红外热图像处理方法

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