JP2005078314A - 位置調整方法およびこの方法を用いた傷補正機能付き画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可視光用センサから得た画像情報と赤外光用センサから得た画像情報との間の位置関係を正確に対応付けるための簡単な技術を提供する。
【解決手段】可視光用センサによって取得された写真フィルムからの可視光画像と赤外光用センサによって取得された前記写真フィルムからの赤外光画像との位置調整方法。前記可視光画像と前記赤外光画像を複数の領域に分割し、対応する前記領域単位で位置ずらしを複数回行うとともに各ずらし位置における前記可視光画像と前記赤外光画像との間でパターンマッチング処理を行い、最も一致度が高いずらし位置を前記可視光画像と前記赤外光画像の正しい位置関係とみなす。
【選択図】 図6
【解決手段】可視光用センサによって取得された写真フィルムからの可視光画像と赤外光用センサによって取得された前記写真フィルムからの赤外光画像との位置調整方法。前記可視光画像と前記赤外光画像を複数の領域に分割し、対応する前記領域単位で位置ずらしを複数回行うとともに各ずらし位置における前記可視光画像と前記赤外光画像との間でパターンマッチング処理を行い、最も一致度が高いずらし位置を前記可視光画像と前記赤外光画像の正しい位置関係とみなす。
【選択図】 図6
Description
本発明は、可視光用センサによって取得された写真フィルムからの可視光画像と赤外光用センサによって取得された前記写真フィルムからの赤外光画像との位置調整方法と位置調整プログラム、及び可視光画像と赤外光画像から傷補正された写真フィルム画像を生成する傷補正機能付き画像読取装置に関する。
写真フィルムに形成された撮影画像を写真プリントとして再現する写真プリント装置(一般的にはミニラボと呼ばれている)は、近年デジタル化され、写真フィルムの撮影画像を光電的に読み取り、読み取った画像をデジタル信号に変換した後、種々の画像処理を施してプリントデータとし、このプリントデータに基づいて印画紙を露光して、写真プリントを作製する。このようなデジタル化された写真プリント装置は、それゆえ、フィルムに記録された画像を光電的に読み取る画像読取装置と、読み取った画像を画像処理してプリントデータに変換する画像処理装置と、プリントデータに応じて印画紙を露光・現像するプリント装置とから構成される。
デジタル化された写真プリント装置で用いられている画像読取装置は、光源から出射する光を写真フィルムに照射して、一般にはそれの透過光をCCDセンサ等にて検出して写真フィルムに撮影されている画像を読み取る装置であるが、写真フィルムに付いている傷や埃(以下、傷や埃などの総称として単に傷という語句を用いる)をも画像として検出して、傷が付いている位置を特定することにより、その傷の影響を受けた画像を補正する傷補正機能付き画像読取装置が登場している。これは、概略的には、可視光は写真フィルムに撮影された画像自体と写真フィルムに付いている傷や埃の何れによっても影響を受けるが、赤外光は写真フィルムに付いている傷や埃については散乱による影響を受けるものの写真フィルムに撮影された画像(つまり基本色成分)自体による影響を受けないという現象を利用したものである(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上述したような傷補正において、写真フィルムの可視画像と赤外画像とを対比すると、同一の写真フィルムを同一のレンズで読み取っても、写真フィルムの画像における同一物(同一部分)の位置が可視光用センサから得た画像情報と赤外光用センサから得た画像情報とでわずかにずれが生じているということから、赤外画像によって見つけ出された傷の赤外画像での位置をそのまま可視画像に当てはめると実際に傷が存在している箇所とはわずかに異なる箇所を補正してしまうという不都合が明らかになってきた。可視光用センサから得た画像情報と赤外光用センサから得た画像情報との間に生じるずれの原因は、可視光や赤外光のセンサを含む光学系の組み付け誤差やその経時的変化、さらにはレンズの収差などが考えられる。
可視光用センサから得た画像情報と赤外光用センサから得た画像情報との間の位置関係を正確に対応付けるために、格子状ラインをもつ基準チャートをスキャンして、可視光画像に対する赤外光画像のずれを補正する補正パラメータを求め、この補正パラメータを機差パラメータとして装置内に保存して、傷補正の際に用いる技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
さらには、6個の等ピッチで並設された貫通孔を有する較正用チャートを写真フィルム画像読み取りポイントに挿入し、可視光用センサによって得られた画像から求められた孔ピッチと赤外光用センサによって得られた画像から求められた孔ピッチとから、可視光用センサで写真フィルムの画像を読み取るときの倍率と赤外光用センサで写真フィルムの画像を読み取るときの倍率の比率を求め、その比率から可視光画像と赤外光画像との写真フィルム画像上での位置関係を一致させるための位置補正式を決定し、この位置補正式を傷補正の際に用いる技術もある(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上述した従来技術では、可視光用センサから得た画像情報と赤外光用センサから得た画像情報との間の位置関係を正確に対応付けるために、基準チャートや較正用チャートを写真フィルム画像読取ポイントに挿入して、通常の作業とは完全に別個な較正作業を行わなければならず、写真プリント装置のオペレータに多大な負担を負わせるものであった。上記実状に鑑み、本発明の課題は、可視光用センサから得た画像情報と赤外光用センサから得た画像情報との間の位置関係を正確に対応付けるための簡単な技術を提供するとともにその技術を採用した画像読取装置を提供することである。
上記課題を解決するため、可視光用センサによって取得された写真フィルムからの可視光画像と赤外光用センサによって取得された前記写真フィルムからの赤外光画像との位置調整を行う本発明による方法では、前記可視光画像と前記赤外光画像の相対位置を複数回ずらすとともに各ずらし位置における前記可視光画像と前記赤外光画像との間でパターンマッチング処理を行い、最も一致度が高いずらし位置を前記可視光画像と前記赤外光画像の正しい位置関係とみなす。
本発明では、赤外光用センサによって取得された赤外光画像には、赤色リーケージと呼ばれる赤(R)成分画像が混入する現象があり、このため赤外光画像と可視光画像(特にR画像)との間にはある程度の相関関係があることに注目し、取得された可視光画像(特にR画像)と赤外光画像の相対位置をわずかにずらしながらそれらの間の一致度が最も高い位置が正しい可視光画像と赤外光画像の位置と見なすことができる。2つの画像の一致度を判定するためには、2つの画像を重ね合わせてその違いが最も小さいパターンを探し出すところのそれ自体はよく知られたパターンマッチング処理が用いられる。この方法では、可視光用センサによって取得された写真フィルムからの可視光画像と赤外光用センサによって取得された前記写真フィルムからの赤外光画像とだけを使って、ハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方によって実装されるパターンマッチング処理アルゴリズムにより、画像読取装置のCCDの取り付け誤差やレンズ特性(収差)などに基づく画像間の位置ずれ(ミスレジストレーション)を調整することができる。従来技術のようにミスレジストレーション調整のために基準チャートなどの調整道具を全く使わないため、オペレータに負担をかけることなしに、いつでも簡単に行うことができる。このことは、特に、経時変化に伴う定期的なミスレジストレーション調整に威力を発揮する。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記可視光画像と前記赤外光画像を複数の領域に分割し、対応する前記領域単位で位置ずらし処理とパターンマッチング処理を行い、前記領域単位で前記可視光画像と前記赤外光画像の正しい位置関係を設定する。この方法では、部分的な領域単位で可視光画像と赤外光画像の間のミスレジストレーション調整が可能になるので、レンズ収差などを原因とする画像領域によって異なるミスレジストレーションの調整も可能となる。
パターンマッチング処理の具体的な実施形態の1つとして、本発明では、前記可視光画像と前記赤外光画像の濃度値を用い、複数のずらし位置における一方の画像の濃度値分布と他方の画像の濃度値分布の最大一致度をその相関係数によって決定するテンプレートマッチング(相関マッチングとも呼ばれる)が用いられる。一方の画像にテンプレート領域を設定するとともに他方の画像の同じ画素位置にもテンプレート領域を設定し、この他方の画像のテンプレート領域を移動させながら両画像間の相関係数を算出し、最も高い相関係数を示す位置関係が両画像が正しく重ね合わされる位置と見なされる。両画像間の相関係数は、一般に画像の明度やコントラストが変化しても不変な量であることから、可視光画像と赤外光画像の間のミスレジストレーション調整には特に適している。
前記可視光画像と前記赤外光画像の相対位置のずらし処理、つまりテンプレートマッチングにおけるテンプレート領域の移動は少なくとも上下左右の4方向で行うとよいが、演算速度に問題がない場合、より正確なミスレジストレーション調整を実現するため、好ましくは斜め方向も含めた8方向で行われることが望ましい。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記正しい位置関係は画素単位で位置調整テーブル化され、この位置調整テーブルを通じて前記可視光画像の画素が前記赤外光画像の画素に正しく対応付けられる。赤外光画像で見つけだされた傷情報に基づいて可視光画像を補正する際、この調整テーブルを使って赤外光画像の画素位置を可視光画像の画素位置に変換することでミスレジストレーションを補償することができ、従来のミスレジストレーション調整機能を有しない傷補正アルゴリズムに大きな変更を加えることなしに、本発明によるミスレジストレーション調整機能を付加することができる。
また、本発明は、上述した可視光画像と赤外光画像との位置調整方法をコンピュータに実行させるプログラムやそのプログラムを記録した媒体も権利の対象とするものである。
本発明では、さらに、位置調整方法を採用した傷補正機能付き画像読取装置も権利の対象としており、その傷補正機能付き画像読取装置は、可視光用センサと、赤外光用センサと、前記可視光用センサによって取得された写真フィルムからの可視光画像と赤外光用センサによって取得された前記写真フィルムからの赤外光画像を格納するメモリ部を備え、前記メモリに展開された可視光画像と赤外光画像の相対位置をずらす画像ずらし部と、前記画像ずらし部によってずらされた前記可視光画像と前記赤外光画像との間でパターンマッチング処理を行うパターンマッチング部と、複数のずらし位置でのパターンマッチング処理において最も一致度が高かったずらし位置を前記可視光画像と前記赤外光画像の正しい位置関係と判定する位置決め部と、前記位置決め部によって決定された正しい位置関係の下で前記可視光画像と前記赤外光画像から傷補正された写真フィルム画像を生成する傷補正部が備えられている。当然ながら、この傷補正機能付き画像読取装置も上述した位置調整方法におけるすべての作用効果を得ることができる。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
図1は本発明による傷補正機能付き画像読取装置を搭載した画像プリントシステムを示す外観図であり、この写真プリントシステムは、ここでは図示されていないフィルム現像機によって現像処理された写真フィルム1(以下、単にフィルムと称する)の撮影画像コマをデジタル画像データとして読み取る画像読取装置3や取得された画像データに画像処理を施してプリント情報を作成するコントローラ4などを備えた操作ステーションOSと、操作ステーションOSからのプリント情報に基づいて印画紙2に対して露光処理と現像処理とを行って写真プリント2aを作成するプリントステーションPSとから構成されている。コントローラ4は、基本的には汎用パソコンから構成されており、このパソコンには、この写真プリントシステムの操作画面を表示するモニタ4a、デジタルカメラ等のメモリカード等から画像を読み込むメディアリーダ4b、オペレータによる操作入力に用いられるキーボード4c等が組み込まれている。
プリントステーションPSは、図2に示されているように、2つの印画紙マガジン11に納めたロール状の印画紙2を引き出してシートカッター12でプリントサイズに切断すると共に、このように切断された印画紙2に対し、バックプリント部13で色補正情報やコマ番号などのプリント処理情報を印画紙Pの裏面に印字するとともに、露光プリント部14で印画紙2の表面に撮影画像の露光を行い、この露光後の印画紙2を複数の現像処理槽を有した処理槽ユニット15に送り込んで現像処理する。乾燥の後に装置上部の横送りコンベア16からソータ17に送られた印画紙2、つまり写真プリント2aは、このソータ17の複数のトレイ17aにオーダ単位で仕分けられた状態で集積される(図1参照)。
上述した印画紙2に対する各種処理に合わせた搬送速度で印画紙2を搬送するために印画紙搬送機構18が敷設されている。印画紙搬送機構18は、印画紙搬送方向に関して露光部14の前後に配置されたチャッカー式印画紙搬送ユニット18aを含む複数の挟持搬送ローラ対から構成されている。
露光プリント部14には、副走査方向に搬送される印画紙2に対して、主走査方向に沿って操作ステーションOSからのプリントデータなどのプリント情報に基づいてR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザ光線の照射を行うライン露光ヘッドが設けられている。処理槽ユニット15は、発色現像処理液を貯留する発色現像槽15aと、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽15bと、安定処理液を貯留する安定槽15cを備えている。
画像読取装置3は傷補正機能付きフィルムスキャナであり、主な構成要素として、照明光学系31、撮像光学系としてのズームレンズ32、入射してきた光を可視光と赤外光に分けるダイクロイックミラー33、可視光用センサユニット34、赤外光用センサユニット35を備えている。照明光学系31は、光源としてのハロゲンランプ又は発光ダイオードと、その光源からの光を調光するミラートンネルや拡散板などから構成されている。可視光用センサユニット34は、フィルム1の3つの基本色成分(例えばR、G、B)からなる可視光画像を検出するためにそれぞれ適合するカラーフィルタを装着した3つのCCDアレイ34aと、これらのCCDアレイ34aによって検出された可視光信号を処理して基本色成分で構成されたR・G・B画像データを生成してコントローラ4へ転送する可視光用信号処理回路34bを備えている。これに対して、赤外光用センサユニット35は、フィルム1に付いている傷の状態を赤外光画像として検出するためにダイクロイックミラー33から分岐された赤外光のみを受けるように配置されたCCDアレイ35aと、このCCDアレイ35aによって検出された赤外光信号を処理して赤外光画像データを生成してコントローラ4へ転送する赤外光用信号処理回路35bを備えている。
このように構成された画像読取装置3では、フィルム1の撮影画像コマが所定の読取位置に位置決めされると、撮影画像コマの読取処理が開始されるが、その際撮影画像コマの投影光像は、フィルム搬送機構36によるフィルム1の副走査方向への送り操作により、複数のスリット画像に分割された形で順次可視光用センサユニット34及び赤外光用センサユニット35によって読み取られ、R、G、Bの色成分の画像信号並びに赤外成分の画像信号に光電変換され、生のデジタル画像データとしてコントローラ4に送られる。このような、照明光学系31、撮像光学系32、可視光用センサユニット34及び赤外光用センサユニット35の各制御はコントローラ4によって行われており、この実施の形態では、コントローラ4の一部の機能部分が画像読取装置3の構成要素となっている。
コントローラ4は、CPUを中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウエア又はソフトウエア或いはその両方で実装されているが、本発明に特に関係する機能部として、図3に示されているように、画像(詳しくは画像データ)を各種処理のために一時的に格納するメモリ41、可視光用センサユニット34によって取得されたフィルム1からの可視光画像と赤外光用センサユニット35によって取得されたフィルム1からの赤外光画像を用いて後で詳しく説明するミスレジストレーション調整やフィルムの傷補正などを行う読取画像前処理手段50、この読取画像前処理手段50によって傷補正処理されるとともにメモリ41に展開されている画像データ(可視光画像データ)に対して色調補正やフィルタリング(ぼかしやシャープネスなど)やトリミングなどの各種画像処理を施す画像処理部42、画像データやその他の表示アイテムをビデオメモリに取り込むとともにこのビデオメモリに展開されたイメージをビデオコントローラによってビデオ信号に変換してモニタ4aに送るビデオ制御部43、画像処理部42で処理された最終的な画像データ等をプリントデータに変換してプリントステーションPSの露光プリント部14に転送するプリントデータ生成部44、GUIを用いて作り出された操作画面の下でキーボード4c等を通じて入力された操作指令や予めプログラム化された操作指令に基づいて各機能部を制御するプリント管理部45が挙げられる。
読取画像前処理手段50は、メモリ41に展開された可視光画像と赤外光画像の相対位置をずらす画像ずらし部51と、この画像ずらし部51によってずらされた可視光画像と赤外光画像との間でテンプレートマッチング処理を行うパターンマッチング部52と、複数のずらし位置でのテンプレートマッチング処理において最も一致度が高かったずらし位置を可視光画像と赤外光画像の正しい位置関係と判定する位置決め部53と、この位置決め部53によって決定された正しい位置関係を表す情報を格納している位置調整テーブル54と、この位置調整テーブル54を利用しながら可視光画像と赤外光画像から傷補正された写真フィルム画像(画像データ)を生成する傷補正部55を備えている。
なお、画像ずらし部51は、図4で模式的に示しているように、メモリ41に展開されている可視光画像(ここでは赤色(R)画像)と赤外光(IR)画像の一方(ここではR画像)に注目画素:R(x,y)を定め、この注目画素を中心としてテンプレート領域Tを設定するとともに、他方の画像(ここではIR画像)に対しても対応する位置:IR(x,y)を中心としてテンプレート領域Tを設定し、IR画像のテンプレート領域Tを矢印で示された8つの方向にずらすとともにそれぞれの方向で1画素ずつ5画素分程度ずらす。各ずらし位置において、パターンマッチング部52はそれぞれのテンプレート領域Tに含まれているR画像とIR画像の画素の濃度値を読み出しながら、テンプレートマッチングを行い、各ずらし位置(全くずらさない位置も含め)における相関係数(絶対値)を算出していく。テンプレート領域Tのサイズは処理対象の画像データサイズによっても異なるが、2000×3000程度の画像データサイズの場合100×100程度が好ましい。また、注目画素:R(x,y)の移動ピッチはテンプレート領域Tのサイズによって異なるが、100×100程度のサイズの場合50程度が好ましい(単位は全て画素)。しかしながら、注目画素:R(x,y)の移動ピッチ毎にミスレジストレーション調整量、つまりR画像とIR画像の正しい位置関係が求められることになるので、きめの細かいミスレジストレーション調整が必要な場合、注目画素:R(x,y)の移動ピッチを小さくすればよい。
各ずらし位置での相関係数の算出は、一般的なテンプレートマッチングで知られているが、本発明における相関係数の算出では、赤外光画像の画素値から明らかに傷であると判定される画素は計算から省いておく。具体的には、傷に関係する箇所の透過輝度は減少するので、この判定は前設定されているしきい値によって明らかな透過輝度の低下を示している画素を選択して、この計算から省いておくのである。相関係数数の演算式はそれ自体はよく知られており、図5にも一覧化されているが、この図5の例では、テンプレート領域Tのサイズを(2n+1)×(2n+1)とするとともに、そのテンプレート領域Tに含まれているIR画像の傷画素の数をm個としているので、計算対象となる画素数は(2n+1)×(2n+1)−mとなる(ここではこの明らかに傷と判定される画素を省いた実際の計算対象となる画素数をeとしている)。また図5では、R画像をr画像マトリックス、IR画像をd画像マトリックスで表すことにしているので、そこに含まれている画素(濃度値)はrとdに2つの添え字を与えた二次マトリックスの形で示されている。
次に、本発明による可視光画像(R画像)と赤外画像(IR画像)との位置調整ルーチンを図6のフローチャートを用いて説明する;
注目画素の初期座標(x,y)を設定する(#01)。この注目画素の座標位置(x,y)は、所定の移動ピッチでそこに設定されていくテンプレート領域Tが約1/2程度の重なりをもって全画像領域をカバーするように画像サイズに依存して予め決められている。図4に示すように、メモリ41に展開されているR画像中の注目画素R(x,y)を中心としてテンプレート領域Tを設定する(#02)。
注目画素の初期座標(x,y)を設定する(#01)。この注目画素の座標位置(x,y)は、所定の移動ピッチでそこに設定されていくテンプレート領域Tが約1/2程度の重なりをもって全画像領域をカバーするように画像サイズに依存して予め決められている。図4に示すように、メモリ41に展開されているR画像中の注目画素R(x,y)を中心としてテンプレート領域Tを設定する(#02)。
R画像中の注目画素に対応するIR画像中の画素IR(x+α,y+β)(ここでαとβはX方向とY方向のずれ量であり、最初はα=0,β=0)を中心としてテンプレート領域Tを設定する(#03)。ステップ#02とステップ#03で設定されたテンプレート領域T内に含まれるR画像とIR画像の画素群の間で相関マッチングを行い、図5で説明された演算式に基づいて算出された相関係数の絶対値を記憶する(#04)。IR画像中に設定されたテンプレート領域Tが全方位(8方向)で所定のずらし量を終了したかどうかをチェックする(#05)。テンプレート領域Tは1つの注目画素を原点として全方位で画素単位で5画素分ずらされる。つまりαとβがそれぞれ−5〜+5まで増分する。ステップ#05のチェックで「No」なら、そのテンプレート領域をずらすためにIR画像中の注目画素の位置を変更し(αとβの変更)、ステップ#03にジャンプする(#06)。
ステップ#05のチェックで「Yes」なら、現在の注目画素に関してステップ#03〜#06の繰り返しを通じて得られた全ての相関係数から最大値を選び、その相関係数をもたらした位置ずれ量、つまりαとβの値をそれぞれX方向とY方向の位置ずれ値として記録する(#07)。次に、画像サイズによって決定されている全ての注目画素の位置での位置ずれ値算出が終了しているかどうかをチェックする(#08)。ステップ#08のチェックで「No」なら、R画像に設定する注目画素を次の座標位置に設定し(#09)、ステップ#2にジャンプして、全ての注目画素の移動ピッチが終了するまでステップ#02〜#07の処理を繰り返しながら位置ずれ値を記録していく。この注目画素の移動ピッチは、テンプレート領域Tが100×100程度として50画素に設定するとよい。この場合、位置ずれ値(αとβの値)はテンプレート領域Tの50画素ピッチ単位の移動(X、Y方向)毎に得られる。
ステップ#08のチェックで「Yes」なら、R画像において注目画素を所定ピッチ(50画素)で移動しながら得られた位置ずれ値群を用いて位置調整テーブル54を作成又は調整を行う(#10)。
この位置調整ルーチンでは、位置ずれ値はテンプレート領域Tの50画素ピッチ単位の移動毎に求められていることから、50画素間隔の対応する画素にのみ位置ずれ値が割り当てられていることになるため、この離散的な位置ずれ値をそれ自体はよく知られた平滑化処理を用いて実際の画像サイズの各画素に合わせた位置ずれ値テーブルを作成する。位置ずれ値はX方向(主走査方向)とY方向(副走査方向)で求められているのでX方向とY方向の位置ずれ値テーブルが作成される。この実施の形態では、この位置ずれ値テーブルに基づいて画素単位での可視光画像と赤外光画像の正しい位置関係、つまり一方の画像の画素座標値に対する他方の画素座標値を示す位置調整テーブル54が作成又は修正される。この位置調整テーブル54は、傷補正部55によるIR画像情報を利用したフィルムの傷補正処理、つまり可視光画像の補正処理に用いられる。
上記の実施の形態では、メモリ41に展開されている可視光画像に注目画素を定め、この注目画素を中心としてテンプレート領域Tを設定するとともに、赤外光画像に対しても注目画像に対応する位置を中心としてテンプレート領域Tを設定し、テンプレートマッチング処理を行っていたが、逆に赤外光画像に注目画素を定め、この注目画素を中心としてテンプレート領域Tを設定するとともに、可視光画像に対しても注目画像に対応する位置を中心としてテンプレート領域Tを設定し、テンプレートマッチング処理を行っても良い。
また、パターンマッチングとして、テンプレートマッチング以外のマッチング技法を用いることも可能である。
本発明の位置調整技術は、可視光画像と赤外光画像を用いて画像処理を行う際に、レンズ収差やCCD特性等を原因として、取得されメモリに展開された可視光画像と赤外光画像の間の画素座標値のずれを調整する分野に利用可能である。
3:画像読取装置
34:可視光用センサユニット(可視光用センサ)
35:赤外光用センサユニット(赤外光用センサ)
41:メモリ
50:読取画像前処理手段
51:位置ずらし部
52:パターンマッチング部
53:位置決め部
54:位置調整テーブル
55:傷補正部
34:可視光用センサユニット(可視光用センサ)
35:赤外光用センサユニット(赤外光用センサ)
41:メモリ
50:読取画像前処理手段
51:位置ずらし部
52:パターンマッチング部
53:位置決め部
54:位置調整テーブル
55:傷補正部
Claims (8)
- 可視光用センサによって取得された写真フィルムからの可視光画像と赤外光用センサによって取得された前記写真フィルムからの赤外光画像との位置調整方法において、
前記可視光画像と前記赤外光画像の相対位置を複数回ずらすとともに各ずらし位置における前記可視光画像と前記赤外光画像との間でパターンマッチング処理を行い、最も一致度が高いずらし位置を前記可視光画像と前記赤外光画像の正しい位置関係とみなすことを特徴とする位置調整方法。 - 前記可視光画像と前記赤外光画像を複数の領域に分割し、対応する前記領域単位で位置ずらし処理とパターンマッチング処理を行い、前記領域単位で前記可視光画像と前記赤外光画像の正しい位置関係を設定することを特徴とする請求項1に記載の位置調整方法。
- 前記パターンマッチング処理として、前記可視光画像と前記赤外光画像の濃度値を用い、複数のずらし位置における一方の画像の濃度値分布と他方の画像の濃度値分布の最大一致度をその相関係数によって決定するテンプレートマッチングが用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置調整方法。
- 前記可視光画像と前記赤外光画像の相対位置のずらし処理は少なくとも上下左右の4方向で、好ましくは斜め方向も含めた8方向で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置調整方法。
- 前記正しい位置関係は画素単位で位置調整テーブル化され、この位置調整テーブルを通じて前記可視光画像の画素が前記赤外光画像の画素に正しく対応付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位置調整方法。
- 可視光用センサによって取得された写真フィルムからの可視光画像と赤外光用センサによって取得された前記写真フィルムからの赤外光画像との相対位置を複数回ずらす機能と、各ずらし位置における前記可視光画像と前記赤外光画像との間でパターンマッチング処理を行う機能と、このパターンマッチング処理において最も一致度が高かったずらし位置を前記可視光画像と前記赤外光画像の正しい位置関係と判定する機能とをコンピュータに実行させる位置調整プログラム。
- 可視光用センサと、赤外光用センサと、前記可視光用センサによって取得された写真フィルムからの可視光画像と赤外光用センサによって取得された前記写真フィルムからの赤外光画像を格納するメモリ部を備えた傷補正機能付き画像読取装置において、
前記メモリに展開された可視光画像と赤外光画像の相対位置をずらす画像ずらし部と、前記画像ずらし部によってずらされた前記可視光画像と前記赤外光画像との間でパターンマッチング処理を行うパターンマッチング部と、複数のずらし位置でのパターンマッチング処理において最も一致度が高かったずらし位置を前記可視光画像と前記赤外光画像の正しい位置関係と判定する位置決め部と、前記位置決め部によって決定された正しい位置関係の下で前記可視光画像と前記赤外光画像から傷補正された写真フィルム画像を生成する傷補正部が備えられていることを特徴とする傷補正機能付き画像読取装置。 - 前記画像ずらし部は前記可視光画像と前記赤外光画像を複数の領域に分割して対応する領域単位で位置ずらしを行い、前記処理パターンマッチング部は前記領域単位で前記可視光画像と前記赤外光画像の間のパターンマッチング処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の傷補正機能付き画像読取装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003307208A JP2005078314A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 位置調整方法およびこの方法を用いた傷補正機能付き画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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CN113589117A (zh) * | 2021-08-16 | 2021-11-02 | 国网江苏省电力有限公司泰州供电分公司 | 一种电力设备缺陷检测系统及检测方法 |
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2003
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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