JP4560720B2 - 乳剤傷判定方法及び乳剤傷判定システム - Google Patents

乳剤傷判定方法及び乳剤傷判定システム Download PDF

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Description

本発明は、写真フィルムに記録されている画像から取得された多数の画素から構成される画像データに基づいて、前記写真フィルムの乳剤傷(写真フィルムの乳剤面に付された傷)による影響を受けている乳剤傷画素を規定する乳剤傷マップを作成する乳剤傷判定技術に関するものである。
ネガフィルム、ポジフィルム等の写真フィルムに記録された画像を印画紙へ出力する写真プリント装置として、最近では、写真フィルムの画像を透過した光をCCDなどで光電変換するフィルムスキャナを用いて得られるデジタル画像データに適正な画像処理を施し、この処理済みの画像データに基づいて変調した光を用いて印画紙を露光するデジタル方式の写真プリント装置が主流となってきている。
フィルムスキャナによるフィルム画像の画像データ化の際、写真フィルムに傷やほこりが付いていると、得られる画像データの画素値が不正確なものとなり、忠実なフィルム画像を印画紙に再現することが困難となる。このような問題を解決するために、傷消しと呼ばれる特殊な画像処理を施すことにより、傷の影響を効果的に除去する技術が提案されている。(例えば特許文献1参照。)。このような傷消し画像処理技術は、写真フィルムに赤外光を透過させた際、写真フィルムを透過する赤外光は、写真フィルムに付いた傷により散乱されるが、写真フィルムの画像を形成する色素によって基本的に影響を受けないという原理に基づいている。つまり、写真フィルムを透過した赤外光により形成される赤外画像データにおいては、傷の情報のみが含まれることになり、傷の影響を受けている画素のみ、その画素値が低下する傾向にある。また、同一の写真フィルムに可視光線を透過させて形成される可視光画像データ(赤色成分、緑色成分、青色成分のデジタル画像データ)においても、基本的には赤外画像データと同程度に傷の影響を受けている画素の画素値の低下が生じると考えられる。よって、赤外画像データにおいて、画素値が低下している画素を傷による影響を受けている画素(以下、「傷画素」とする)と判断することができ、可視光画像データにおいて対応する画素の色成分ごとの画素値に、赤外画像データの画素値低下量を加算することにより、傷による影響を除去することができるのである。しかしながら、上記傷除去処理によれば、写真フィルムのベース面に付されている傷(以下、「ベース傷」とする)の影響を受けている画素に対しては有効であるが、乳剤傷の影響を受けている画素に対してはその影響を除去することができない。その理由を以下説明する。
写真フィルムの乳剤面に傷が付されている状態とは、写真フィルムの画像を形成する色素が削られている状態である。さらに、フィルムの乳剤面には、青感光層(イエロー色素),緑感光層(マゼンタ色素),赤感光層(シアン色素)が順に積層している。したがって、上記乳剤面に傷が付されると、青感光層から順に各層が削られると共に、各層の欠落量は異なるものとなる。これにより、乳剤傷により影響を受けた画素の画素値は、傷がない状態に比べて、色成分ごとに異なる量で増加する。したがって、乳剤傷により影響を受けている画素(以下、「乳剤傷画素」とする)に関して、可視光画像データの色成分ごとの画素値に赤外画像データの画素値低下量をそれぞれ加算する上記傷除去処理を行っても、その影響を除去することができないのである。
このため、乳剤傷により影響を受けている画素のみを精度よく検出できる乳剤傷判定技術が、本出願人によって提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この乳剤傷判定技術では、写真フィルムに記録されている画像から取得された多数の画素から構成される画像データの各画素を注目画素として順次指定し、この注目画素の周辺の所定範囲に位置する正常画素を探索し、いずれか1つの色成分で、上記注目画素に対応する正常画素の各画素値の平均値を求め、前記いずれか1つの色成分における注目画素の画素値が、前記平均値より所定量高い場合、この注目画素を乳剤傷画素と判定していく乳剤傷判定ルーチンを画像データの全画素にわたって実行する。この乳剤傷判定技術によれば、高い信頼度でもって乳剤傷を判定することが可能となるが、判定すべき画像データのデータサイズ(画素数)が大きい場合、処理時間をかなり必要とするという問題がある。
特開2000−341473号公報
特開2004−132743号公報(段落番号0086〜0127、図1)
上記実状に鑑み、本発明の課題は、乳剤傷により影響を受けている画素のみを速い処理速度で判定できる乳剤傷判定技術を提供することである。
上記課題を解決するための本発明による乳剤傷判定方法では、写真フィルムに記録されている画像から取得された多数の画素から構成される画像データに基づいて、前記写真フィルムの乳剤傷による影響を受けている乳剤傷画素を規定する乳剤傷マップを作成するために、前記画像データから順次所定画素間隔で注目画素を飛ばし指定する注目画素指定ステップと、前記注目画素が乳剤傷候補画素であるかどうかを判定する乳剤傷候補画素判定ステップと、前記乳剤傷候補画素判定ステップで判定された乳剤傷候補画素の周辺領域に位置する正常画素を探索する正常画素探索ステップと、前記正常画素探索ステップで検出された前記正常画素の画素値に基づいて乳剤傷判定条件を作成する乳剤傷判定条件作成ステップと、前記乳剤傷判定条件に基づいて前記乳剤傷候補画素が乳剤傷画素かどうかを判定する乳剤傷画素判定ステップと、前記乳剤傷画素判定ステップで判定された乳剤傷画素の画素位置を乳剤傷マップに書き込むマップ記録ステップと、前記飛ばし指定する際の前記所定画素間隔に対応して、前記乳剤傷マップにおける乳剤傷領域を前記注目画素として指定されなかった画素方向に拡張する傷領域拡張ステップと、から構成されている。
この乳剤傷判定方法では、乳剤傷判定処理対象となっている画像データを構成する全画素が注目画素として指定されるのではなく、予め設定された所定画素間隔をあけながら注目画素を指定するので、つまり注目画素として指定しない画素(乳剤傷判定処理を受けない画素)を設定するので、乳剤傷判定に要求される処理時間は飛び越された画素(乳剤傷判定処理を受けない画素)数だけ短縮される。これは、一般的な解像度で入力された画像データにおいて乳剤傷が単一の画素だけに留まっている可能性が極めて低く、飛び越し指定された注目画素だけでも乳剤傷の存在を検知することが可能であるという出願人の実験的な認識に基づいている。
言い換えると、写真フィルムに生じている乳剤傷が複数の画素にまたがっていることになるため、上記の方法で得られた乳剤傷マップにおける乳剤傷領域を画素飛ばし間隔に対応させて、つまり乳剤傷判定処理を受けない画素の方向に拡張することにより、全画素を処理対象とした乳剤傷判定処理に近似する結果を得ることが可能となる。
乳剤傷判定処理を受けない画素を飛ばして注目画素を指定する注目画素飛ばし指定による乳剤傷判定処理の具体例の1つとして、本発明の好適な実施形態では、注目画素として指定される画素と指定されない画素がマトリックス展開された前記画像データに関して市松模様を形成するように前記注目画素が飛び越し指定され、前記傷領域拡張ステップにおいて前記乳剤傷領域が飛び越された画素の方向に拡張されることが提案される。ここで言う市松模様とは厳密な意味での市松模様パターンではなく、乳剤傷判定処理対象として指定される注目画素同士の間隔が1画素でもよいし、複数画素分であってもよい。つまり、飛び越し指定された注目画素が、二次元マトリックス面において所定間隔をあけて均一に分布していることが重要である。
乳剤傷判定処理を受けない画素を飛ばして注目画素を指定する注目画素飛ばし指定による乳剤傷判定処理の具体例の他の1つとして、マトリックス展開された前記画像データに関して行単位又は列単位の画素飛ばしで前記注目画素が指定され、前記傷領域拡張ステップにおいて前記乳剤傷領域が画素飛ばしされた行又は列の方向に拡張されることも提案される。ここでは、乳剤傷判定処理対象として指定される注目画素が均一に分布するのではなく、行単位又は列単位で指定される。ここでも、飛ばし指定の間隔幅は、1行又は1列であってもよいし、複数行又は複数列であってもよい。
乳剤傷がどの程度の画素分にわたって延びているかどうかを推定する場合写真フィルムの画像をフィルムスキャナで画像データ化する際の解像度が重要となるので、本発明による好適な実施形態の1つでは、前記注目画素指定ステップにおける画素飛ばしの所定画素間隔は、取得された画像データの解像度に対応して決定される。
また、本発明は、上述した乳剤傷判定方法をコンピュータに実行させるプログラムやそのプログラムを記録した媒体も権利の対象とするものである。
本発明では、さらに、上述した乳剤傷判定方法を実施する乳剤傷判定システムも権利の対象としており、そのような乳剤傷判定システムは、写真フィルムに記録されている画像から取得された多数の画素から構成される画像データから順次所定画素間隔で注目画素を飛ばし指定する注目画素指定部と、前記注目画素が乳剤傷候補画素であるかどうかを判定する乳剤傷候補画素判定部と、前記乳剤傷候補画素判定部で判定された乳剤傷候補画素の周辺領域に位置する正常画素を探索する正常画素探索部と、前記正常画素探索部で検出された前記正常画素の画素値に基づいて乳剤傷判定条件を作成する乳剤傷判定条件作成部と、前記乳剤傷判定条件に基づいて前記乳剤傷候補画素が乳剤傷画素かどうかを判定する乳剤傷画素判定部と、前記乳剤傷画素判定部で判定された乳剤傷画素の画素位置を前記写真フィルムの乳剤傷による影響を受けている乳剤傷画素を規定する乳剤傷マップに書き込むマップ記録部と、前記飛ばし指定する際の前記所定画素間隔に対応して、前記乳剤傷マップにおける乳剤傷領域を前記注目画素として指定されなかった画素方向に拡張する傷領域拡張部と、から構成されている。当然ながら、このような乳剤傷判定システムも上述した乳剤傷判定方法で述べたすべての実施態様を備えるとともに、上述した全ての作用効果を得ることができる。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明による乳剤傷判定技術を採用したフィルム傷修正処理ユニットを搭載した写真プリント装置を示す外観図であり、この写真プリント装置は、ここでは図示されていないフィルム現像機によって現像処理された写真フィルム1(以下、単にフィルムと略称する)の撮影画像コマを多数の画素からなるデジタル画像データ(以下、単に画像データと略称する)として読み取るフィルムスキャナ3や取得された画像データに画像処理を施してプリント情報を作成するコントローラ5などを備えた操作ステーションOSと、操作ステーションOSからのプリント情報に基づいて印画紙2に対して露光処理と現像処理とを行って写真プリント2aを作成するプリントステーションPSとから構成されている。コントローラ5は、基本的には汎用パソコンから構成されており、本発明による乳剤傷判定技術を組み込んだフィルム傷修正処理ユニットを実装している。このパソコンには、この写真プリント装置の操作画面を表示するモニタ4a、デジタルカメラ等で利用されているメモリカード等から画像データを読み込むメディアリーダ4b、オペレータによる操作入力に用いられるキーボード4c等が組み込まれている。
プリントステーションPSは、図2に示されているように、2つの印画紙マガジン11に納めたロール状の印画紙2を引き出してシートカッター12でプリントサイズに切断すると共に、このように切断された印画紙2に対し、バックプリント部13で色補正情報やコマ番号などのプリント処理情報を印画紙2の裏面に印字するとともに、露光プリント部14で印画紙2の表面に撮影画像の露光を行い、この露光後の印画紙2を複数の現像処理槽を有した処理槽ユニット15に送り込んで現像処理する。乾燥の後に装置上部の横送りコンベア16からソータ17に送られた印画紙2、つまり写真プリント2aは、このソータ17の複数のトレイ17aにオーダ単位で仕分けられた状態で集積される(図1参照)。
上述した印画紙2に対する各種処理に合わせた搬送速度で印画紙2を搬送するために印画紙搬送機構18が敷設されている。印画紙搬送機構18は、印画紙搬送方向に関して露光部14の前後に配置されたチャッカー式印画紙搬送ユニット18aを含む複数の挟持搬送ローラ対から構成されている。
露光プリント部14には、副走査方向に搬送される印画紙2に対して、主走査方向に沿って操作ステーションOSからのプリントデータなどのプリント情報に基づいてR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザ光線の照射を行うライン露光ヘッドが設けられている。処理槽ユニット15は、発色現像処理液を貯留する発色現像槽15aと、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽15bと、安定処理液を貯留する安定槽15cを備えている。
フィルムスキャナ3はフィルム傷修正のための構成部材を備えたフィルムスキャナであり、主な構成要素として、照明光学系31、撮像光学系としてのズームレンズ32、入射してきた光を可視光と赤外光に分けるダイクロイックミラー33、可視光用センサユニット34、赤外光用センサユニット35を備えている。照明光学系31は、光源としてのハロゲンランプ又は発光ダイオードと、その光源からの光を調光するミラートンネルや拡散板などから構成されている。可視光用センサユニット34は、フィルム1の3つの基本色成分(例えばR:赤色成分、G:緑色成分、B:青色成分)からなる可視光画像を検出するためにそれぞれ適合するカラーフィルタを装着した3つのCCDアレイ34aと、これらのCCDアレイ34aによって検出された可視光信号を処理して基本色成分で構成されたR・G・B画像データを生成してコントローラ5へ転送する可視光用信号処理回路34bを備えている。これに対して、赤外光用センサユニット35は、フィルム1に付いている傷の状態を赤外光画像として検出するためにダイクロイックミラー33から分岐された赤外光のみを受けるように配置されたCCDアレイ35aと、このCCDアレイ35aによって検出された赤外光信号を処理して赤外光画像データを生成してコントローラ5へ転送する赤外光用信号処理回路35bを備えている。
このように構成されたフィルムスキャナ3では、フィルム1の撮影画像コマが所定の読取位置に位置決めされると、撮影画像コマの読取処理が開始されるが、その際撮影画像コマの投影光像は、フィルム搬送機構36によるフィルム1の副走査方向への送り操作により、複数のスリット画像に分割された形で順次可視光用センサユニット34及び赤外光用センサユニット35によって読み取られ、R、G、Bの色成分の画像信号並びに赤外成分の画像信号に光電変換され、生の画像データとしてコントローラ5に送られる。このような、照明光学系31、撮像光学系32、可視光用センサユニット34及び赤外光用センサユニット35の各制御はコントローラ5からの動作指令によって行われている。
コントローラ5は、CPUを中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウエア又はソフトウエア或いはその両方で構築されているが、本発明に特に関係する機能部として、図3に示されているように、可視光用センサユニット34によって取得された可視光画像データ及び赤外光用センサユニット35によって取得された赤外光画像データを用いて後で詳しく説明するフィルム1の傷に起因する欠陥画素(傷画素)の修正を行うフィルム傷修正処理ユニット6、フィルム傷修正されメモリ51に展開されている画像データに対して色調補正やフィルタリング(ぼかしやシャープネスなど)やトリミングなどの各種画像処理を施す画像処理部52、画像データやその他の表示アイテムをビデオメモリに取り込むとともにこのビデオメモリに展開されたイメージをビデオコントローラによってビデオ信号に変換してモニタ4aに送るビデオ制御部53、画像処理部52で処理された最終的な画像データ等をプリントデータに変換してプリントステーションPSの露光プリント部14に転送するプリントデータ生成部54、GUIを用いて作り出された操作画面の下でキーボード4c等を通じて入力された操作指令や予めプログラム化された操作指令に基づいて各機能部を制御するプリント管理部55が挙げられる。
フィルム傷修正処理ユニット6は、フィルムスキャナ3から送られてきた可視光画像データおよび赤外光画像データを用いて、ベース傷除去処理、乳剤傷検出処理、乳剤傷除去処理を実行するものであり、前処理モジュール61と、ベース傷除去モジュール62と、乳剤傷判定モジュール63と、乳剤傷除去モジュール64、内部メモリ65を備えている。
前処理モジュール61は、ベース傷除去処理、および乳剤傷検出処理の前段階となる処理を実行するモジュールである。具体的には、前処理モジュール61は、傷による影響を受けていない画素(以下、「正常画素」とする)の赤外光画像データの画素値であるクリアフィルム値(以下CF値と略称する)を算出する。なお、「傷」とは上記ベース傷と乳剤傷との両方を意味することとする。
同一フィルム1から得られた赤外光画像データと可視光画像データとでは互いに画素が対応関係にある。一方、フィルム1を透過する赤外光は、フィルム1のベース傷により影響を受けるものの、フィルム1の色素により影響を受けることがない。すなわち、赤外光画像データにはベース傷の情報が含まれるものの、フィルム1に形成されている画像情報が含まれることはなく、ベース傷の影響を受けている画素(以下、「ベース傷画素」とする)は、傷のない状態から画素値が低下する傾向にある。よって、CF値は、正常画素とベース傷画素とを区別するための閾値として用いることができ、赤外光画像データの画素値がCF値以下の画素をベース傷画素と判断することができる。
ベース傷除去モジュール62は、上述したベース傷除去処理を実行するモジュールであり、具体的には、ベース傷画素に関して、CF値から赤外光画像データの画素値を引くことにより、該当ベース傷画素における傷のない状態からの画素値低下量を算出すると共に、可視光画像データにおける赤色成分,緑色成分,青色成分の各画素値に、上記画素値低下量を加算する処理を実行する。
ベース傷は、フィルム1上のベース面に傷が付されているものの、基本的に色素が欠落しているものではないので、ベース傷画素における傷のない状態からの画素値低下量は、赤色成分,緑色成分,青色成分でほぼ等しいと考えられる。したがって、各ベース傷画素に関して、CF値と赤外光画像データの画素値との差である画素値低下量を、赤色成分,緑色成分,青色成分の各画素値に加算すれば、ベース傷による影響をベース傷画素から除去することができる。
ところが、乳剤傷は、フィルム1の各色成分の色素が欠落しているものであるから、乳剤傷画素における可視光画像データの画素値は、乳剤傷がない状態から上昇する。さらに、色素の欠落量は、色成分ごとに異なるものとなる。このため、乳剤傷画素における可視光画像データの傷がない状態からの画素値上昇量は、赤色成分,緑色成分,青色成分のそれぞれで異なるものとなる。したがって、乳剤傷による影響を乳剤傷画素から除去するためには、上記ベース傷除去処理とは異なる処理が必要になる。
乳剤傷判定モジュール63は、前処理モジュール61により決定されたCF値を赤外光画像データに適用しながら可視光画像データを処理して、乳剤傷画素を検出し、検出された乳剤傷画素の画素位置を示した乳剤傷マップを作成するモジュールである。なお、乳剤傷判定モジュール63は、図4に示すように、画像データから順次所定画素間隔で注目画素を飛ばし指定する注目画素指定部63aと、指定された注目画素が乳剤傷候補画素であるかどうかを判定する乳剤傷候補画素判定部63bと、乳剤傷候補画素判定部63bで判定された乳剤傷候補画素の周辺領域に位置する正常画素を探索する正常画素探索部63cと、正常画素探索部63cで検出された正常画素の画素値に基づいて乳剤傷判定条件を作成する乳剤傷判定条件作成部63dと、作成された乳剤傷判定条件に基づいて乳剤傷候補画素が乳剤傷画素かどうかを判定する乳剤傷画素判定部63eと、乳剤傷画素判定部63eで判定された乳剤傷画素の画素位置を乳剤傷マップに書き込むマップ記録部63fとから構成されているが、これら各機能要素の処理手順については、後に詳述する。ここで特筆すべきことは、注目画素指定部63aが、乳剤傷判定処理時間の短縮化のために、取得された画像データを構成する全画素が注目画素として指定されるのではなく、予め設定された所定画素間隔をあけながら注目画素を指定することである。注目画素の飛び越し間隔は、取得された画像データの解像度等から推定される、乳剤傷がまたがっている画素数に基づいて設定される。
乳剤傷除去モジュール64は、注目画素指定部63aが設定した画素飛ばし間隔に対応して乳剤傷マップで示されている乳剤傷領域を拡張した後、その乳剤傷マップで規定される乳剤傷画素位置に対応する可視光画像データの色成分ごとの画素値を補間法を用いて修正することで乳剤傷除去処理を実行するモジュールである。
つぎに、フィルム傷修正処理ユニット6における処理の流れについて、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、フィルムスキャナ3によって取得されたフィルム1からの画像データ、ここでは可視光画像データ及び赤外光画像データが、フィルム傷修正処理ユニット6に送り込まれる(#01)。フィルム傷修正処理ユニット6に送り込まれた画像データは、前処理モジュール61におけるCF値の決定のために利用される(#02)。
CF値とは、基本的には正常画素の赤外光画像データの画素値であるが、代表的なCF値算定方法の1つが、前述した特許文献2である特開2004−132743号公報の段落番号0068〜0080に詳しく説明されている。つまり、CF値を求めるに先立って、まず、仮のCF値を算出して、この仮のCF値を閾値として、正常画素と考えうる画素のみを検出し、検出された正常画素と考えうる画素のみを用いて赤色リーケージ算出を行うことで、赤外光画像データから赤色リーケージを除去した補正赤外光画像データを作り出し、そこから真のCF値を求めている。その結果、このCF値は、仮のCF値よりも、正常画素の赤外光画像データの画素値に近い値となる。
次いで、ベース傷除去モジュール62は、前処理モジュール61から受け取った赤外光画像データ(赤色リーケージが除かれた赤外光画像データ)及び可視光画像データと前処理モジュール61で決定されたCF値を用いてベース傷除去処理を行う(#03)。このベース傷除去処理では、赤外光画像データの画素値がCF値より低い画素がベース傷画素と判断されるとともに、各ベース傷画素に関し、
(補正量)=(本CF値)−(赤外光画像データの画素値)
が算出され、各ベース傷画素に関して、可視光画像データにおける各色成分の画素値に上記補正量が加算されることで、ベース傷除去後の可視光画像データが出力されることになる。
次に、乳剤傷判定モジュール63が、ベース傷除去後の可視光画像データと赤外光画像データ及び前処理モジュール61で決定されたCF値を用いて乳剤傷画素を検出し、乳剤傷マップを作成する処理を行う(#04)。この乳剤傷マップ作成処理はすぐ後で詳しく説明される。乳剤傷マップが作成されると、前述したように、この乳剤傷マップ上の乳剤傷領域を拡張する処理が施され(#05)、乳剤傷領域が拡張された乳剤傷マップを用いて、可視光画像データに含まれている乳剤傷画素を修正する乳剤傷除去処理が実行される(#06)。乳剤傷除去処理は、いわゆる周辺の正常画素の画素値を用いた補間法によって行われ、種々の乳剤傷除去アルゴリズムが知られているが、例えば、特開2001−78038号公報や特開2004−266481号公報が参照される。乳剤傷除去処理を受けた可視光画像データは画像処理部52に適当な画像処理を施された後、写真プリント作製のためのプリントデータに変換される。
前述した乳剤傷マップ作成処理を図6と図7に示されたフローチャートを用いて詳しく説明する。なお、この乳剤傷マップ作成処理においてもCF値が用いられるが、ここで用いられるCF値はベース傷除去処理で用いられたCF値よりわずかに高くしておくことが好ましい。これは、乳剤傷画素における赤外光画像データの画素値が、ベース傷画素における赤外光画像データの画素値よりも若干高い傾向にあることが経験的に認められているからである。
まず、注目画素指定部63aによる注目画素の指定である(#40)。本発明による乳剤傷判定モジュール63では、送り込まれてきた画像データを構成する全画素を順次注目画素として指定されるのではなく、予め設定された所定画素間隔分だけ飛び越しながら注目画素を指定する。図8にこの注目画素の飛び越し指定の1つのパターンが模式的に示されている。図8において、白地のマス目が乳剤傷判定処理対象として注目画素に指定される画素であり、黒地のマス目が乳剤傷判定処理非対象として注目画素に指定されない画素である。図8(a)のパターンは1画素飛ばしの市松模様となっているが、図8(b)のパターンは2画素飛ばしの市松模様となっている。このような異なる画素飛ばしパターンからの選択は、取得した画像データの解像度や推定される乳剤傷の大きさ等から決定され、一般的な解像度の場合図8(a)のパターンが選択され、極めて高い解像度の場合図8(b)のパターンないしはさらに3以上の画素を飛ばすパターンが採用される。
もちろん、注目画素の飛び越し指定の1つのパターンは図8に示されたような市松模様だけに限定されるわけではなく、例えば図9に示すようなパターン、つまりマトリックス展開された画像データに関して行単位又は列単位の画素飛ばしで注目画素が指定されるパターンなども適用できる。さらには、図8や図9に示されたパターン、あるいは必要に応じてさらに別なパターンも用意しておき、これらの異なる複数のパターンから選択されたパターンを用いて画素飛ばしを行うような構成を採用してもよい。
なお、注目画素指定部63aにおいて、例えば、図8(a)のパターンに基づく注目画素指定が採用された場合、乳剤傷マップ上の乳剤傷領域を拡張する処理(ステップ#5)においては、乳剤傷領域が上下左右の4方向に1画素分拡張され、また、注目画素指定部63aにおいて、例えば、図9(a)のパターンに基づく注目画素指定が採用された場合、乳剤傷マップ上の乳剤傷領域を拡張する処理(ステップ#5)においては、乳剤傷領域が左右の2方向に1画素分拡張されるとよい。
注目画素が指定されると、その赤外光画素値:WdとCF値が比較され(#41)、赤外光画素値:WdがCF値より低い場合その注目画素は乳剤傷候補とみなされ次のステップに移行する。赤外光画素値:WdがCF値以上の場合その注目画素は乳剤傷候補とみなされず、次の注目画素が存在する場合ステップ#40に戻って次の注目画素の指定が行われる。乳剤傷候補とみなされた画素に対しては、可視光画像データの対応する画素から、
各色の平均値:Wave=(Wr+Wg+Wb)/3
を求めておく(#42)。なお、Wrは注目画素の赤色成分画素値、Wgは注目画素の緑色成分画素値、Wbは注目画素の青色成分画素値である。
乳剤傷候補とみなされた注目画素に関しては、この乳剤傷候補が実際に乳剤傷と判定されるかどうかの判定条件を設定するために必要となる注目画素周辺領域での正常画素の探索が行われる(#43)。この周辺領域での正常画素探索処理を図7のフローチャートと図10の探索順序模式図を用いて説明する。正常画素の探索は探索領域として注目画素(図10で黒く塗りつぶされた画素)を中心画素としてその第1外周画素群(3×3マトリックスの外周画素)から順次外周画素群を拡張していきながら行うものであり、ここでは最終外周画素群を第3外周画素群(7×7マトリックスの外周画素としているがこれは任意に設定可能である。なお、指定された外周画素が正常画素であると判定される条件は、指定外周画素の赤外光画素値がCF値より大きいことである。
まず、探索領域として第1外周画素群が設定されるが、これは注目画素を中心とする3×3マトリックスの8つの外周画素である。実際のプログラムでは、直接二次元マトリックスの要素位置を指定するといった方式が用いられるが、ここでは処理の説明を簡単にするため、図10に示すように、第1外周画素群に属する各画素に1〜8の指標:mを付与しておくことにする。従って、例えばm=1は左上端の画素を特定することになる。初期設定としてm=0、Max=8(特定外周画素群の画素に割り当てられたmの最大値)が設定される(#430)。続いて、外周画素群に対する探索ルーチンをはじめるためmの値をインクリメントし(#431)、mによって特定される外周画素の赤外光画素値:Wd(m)がCF値と比較される(#432)。外周画素の赤外光画素値がCF値以下の場合(#432No分岐)この外周画素は正常画素とは判定されず、次の外周画素の判定を行う。外周画素の赤外光画素値がCF値より大きい場合(#432Yes分岐)この外周画素は正常画素と判定され、後のステップで行われる各正常画素の平均値算出のために以下の各画素値累計処理が行われる、
赤色成分累計:Sr=Sr+Wr(m)
緑色成分累計:Sg=Sg+Wg(m)
青色成分累計:Sb=Sb+Wb(m)
赤外成分累計:Sd=Sd+Wd(m)
、ここでWr(m)はmによって特定された外周画素の赤色成分画素値、Wg(m)はmによって特定された外周画素の緑色成分画素値、Wb(m)はmによって特定された外周画素の青色成分画素値である(#433)。
さらに、正常画素が正常画素累計:CNTに計数される(#434)。次いで、mの値が最大値:Maxに達しているかどうか、つまり第1外周画素群に含まれる全ての画素が判定されたかどうかチェックされ(#435)、未判定の画素が残っていると(#435No分岐)ステップ#431にジャンプして次の画素の判定を行う。第1外周画素群に含まれる全ての画素の判定が終了している場合(#435Yes分岐)、正常画素累計:CNTが前もって設定されている判定値(例えば10)以上であるかどうかチェックされ(#436)、判定値以上の場合(#436Yes分岐)この正常画素探索ルーチンを終了して、先のルーチンに戻る。正常画素累計:CNTが判定値に達していない場合(#436No分岐)、探索領域として最終外周画素群(ここでは第3外周画素群)までカバーされたがどうかチェックされ(#437)、最終外周画素群が探索されている場合は(#437Yes分岐)この正常画素探索ルーチンを終了して、先のルーチンに戻る。さらに探索すべき外周画素群が残っている場合(#437No分岐)、次の外周画素群のための設定を行って(#438)、ステップ#431にジャンプして次の外周画素群を探索領域とする正常画素探索をスタートする。
図7で示した正常画素探索ルーチンから戻ると、乳剤傷マップ作成処理では、正常画素累計:CNTが1以上であるかどうかチェックされる(#44)。正常画素累計:CNTが1以上であれば乳剤傷判定条件作成処理に入る(#48)。正常画素累計:CNTが0であれば、正常画素判定の条件つまりCF値を緩めて再度正常画素探索を行うため、これまでに乳剤傷候補画素から本当の乳剤傷画素と判定された最新の画素(前回の乳剤傷画素)の各色平均値に微少値を加えた値を新らたなCF値とし(#45)、図7で示された正常画素探索ルーチンを呼び出して、再度正常画素探索を行う(#46)。この正常画素判定の条件を緩めておこなった正常画素探索においても正常画素が見つからなかった場合(#47No分岐)この乳剤傷候補画素は正常画素と判断し、次の注目画素に移行する。正常画素判定の条件を緩めておこなった正常画素探索において正常画素が見つかった場合(#47Yes分岐又は#436Yes分岐)、乳剤傷判定条件作成処理に入る(#48)。
この乳剤傷判定条件作成処理では、まず、各色成分累計Sr、Sg、Sbと赤外成分累計Sdと正常画素累計:CNTから以下の演算値を求める、
赤平均:ave_r=Sr/CNT、
緑平均:ave_g=Sr/CNT、
青平均:ave_b=Sr/CNT、
赤外平均:ave_d=Sr/CNT、
画素平均:LA=(ave_r+ave_g+ave_b)/3。
乳剤傷判定条件は3つ用意され、
(1)判定条件1は、「Wave>LA+upper」又は「Wave<LA+lower」であり、upperとlowerは定数である。
(2)判定条件2は、「Wb−ave_b>Wg−ave_g」かつ「Wb−ave_b>Wr−ave_r+rto」であり、rtoは定数である。Wr、Wg、Wbは注目画素の各色画素値。
(3)判定条件3は、「Wd<ave_d+depth」であり、depthは定数である。
乳剤傷判定条件作成が作成されると、乳剤傷候補とみなされた注目画素が本当の乳剤傷であるかどうか判定される(#49)。この判定処理では、まず判定条件1を満たさない注目画素は正常画素と断定される。判定条件1を満たす場合、さらに処理対象フィルムがネガであるかポジであるかに区分けされる。ネガフィルムの場合では、〔判定条件1かつ(判定条件2又は判定条件3)〕という組み合わせ判定条件を満たしているならば、その注目画素は乳剤傷画素とみなされ。ポジフィルムの場合では、〔判定条件1かつ(判定条件2かつ判定条件3)〕という組み合わせ判定条件を満たしているならば、その注目画素は乳剤傷画素とみなされる。いずれにせよ、注目画素が乳剤傷画素とみなされた場合のみ(#49Yes分岐)、この注目画素の位置が乳剤傷マップに記録される(#49)。上述したステップ#40〜#50までの乳剤傷マップ作成処理が指定すべき注目画素がなくなるまで繰り返し実行される(#51)。
なお、上述した乳剤傷判定条件作成及びその乳剤傷判定条件を用いた乳剤傷判定処理に関しては、前述した特許文献2である特開2004−132743号公報の段落番号0085〜0135に詳しく説明されているので、参照することができる。
以上述べたように、本発明では、フィルム傷修正処理ユニット6において実行されるフィルム傷修正の処理速度を高めるために、特に処理負担の大きな乳剤傷マップ作成時に注目画素の飛び越し指定を行うとともに作成された乳剤傷マップ上の乳剤傷領域を拡張することが提案されているが、さらに処理負担を減少させるために、以下のような方策も提案される。上述したフィルム傷修正処理ユニット6は、DSPボードによって実現されるが、さらなる改善を施したフィルム傷修正処理ユニット6をハードウエアの観点から模式的に示した説明図が図11に示されている。ここでは、前述した前処理モジュール61とベース傷除去モジュール62の機能を有するベース傷処理演算チップ60aとして示されており、さらに平均化処理を行うフィルタ処理演算チップ60b、乳剤傷判定演算チップ60c、乳剤傷補正演算チップ60dが示されている。各演算チップは画像データが転送されるデータラインによって接続されているとともに、フィルタ処理演算チップ60bと乳剤傷判定演算チップ60cとの間には画像データ縮小部60xを介装したサブデータラインが備えられており、乳剤傷判定演算チップ60cと乳剤傷補正演算チップ60dとの間には乳剤傷マップ60yを介装したサブデータラインが備えられている。スキャナ3によって取得された画像データは、ベース傷処理演算チップ60a、フィルタ処理演算チップ60b、乳剤傷判定演算チップ60c、乳剤傷補正演算チップ60dの順に伝送され、最終的にメモリ51に格納される。
画像データ縮小部60xは、フィルタ処理演算チップ60bから出力される画像データを加算平均することにより、例えば5430×26ピクセルのデータを2670×13ピクセルに縮小する機能を有し、この縮小された画像データを乳剤傷判定演算チップ60cに転送する。乳剤傷判定演算チップ60cは実際の画像データに較べ1/4に縮小された画像データを処理することになるので、その処理が内部メモリ上で可能となり、乳剤傷判定処理の高速化が果たされる。
また、乳剤傷判定演算チップ60cにおける乳剤傷判定処理は、(1)注目画素が閾値(CF値)より下であるかどうかの前判定処理、(2)注目画素が閾値(CF値)より下であればその外周領域を探索して閾値を超える正常画素を見つけ出す探索処理、(3)検出された正常画素の画素値から注目画素が乳剤傷であるかどうかを判定する本判定処理に分けることができるが、前判定処理と探索処理を同時的に実行せずに別々に、つまり乳剤傷判定演算チップ60cへの画像データの入力時に前判定処理だけを行い、その都度の前判定結果は1ビットデータとして内部メモリに保存しておくことができ、さらにこの前判定結果に基づいて探索処理を行うようにすると、前判定処理と探索処理は内部メモリ上で可能となり、前判定結果を外部メモリにはき出して処理することに較べ、その処理速度は高速となる。
上記実施形態の説明ではカラータイプのフィルムスキャナを例示したが、モノクロタイプのフィルムスキャナにも本発明は適用可能であり、さらにフィルム傷検出のために赤外光以外の非可視光を用いることも可能である。
本発明は、フィルムスキャナによって取得された画像データからフィルム傷の影響を除去する傷消し技術に適用することができる。
本発明による乳剤傷判定方法を採用したフィルム傷修正処理ユニットを組み込んだ写真プリント装置の外観図 写真プリント装置の模式構成図 コントローラの機能ブロック図 乳剤傷判定モジュールの機能ブロック図 傷消し処理のフローチャート 乳剤傷マップ作成処理のサブルーチンを示すフローチャート 注目画素周辺領域での正常画素探索サブルーチンを示すフローチャート 注目画素の飛び越し指定パターンを示す説明図 注目画素の飛び越し指定パターンを示す説明図 注目画素を中心とする複数の外周画素群を説明する説明図 改善されたフィルム傷修正処理ユニットの構成を示す模式図
符号の説明
3:フィルムスキャナ
6:フィルム傷修正処理ユニット
34:可視光用センサユニット
35:赤外光用センサユニット
61:前処理モジュール
62:ベース傷除去モジュール
63:乳剤傷判定モジュール
63a:注目画素指定部
63b:乳剤傷候補画素判定部
63c:正常画素探索部
63d:乳剤傷判定条件作成部
63e:乳剤傷画素判定部
63f:マップ記録部
64:乳剤傷除去モジュール

Claims (6)

  1. 写真フィルムに記録されている画像から取得された多数の画素から構成される画像データに基づいて、前記写真フィルムの乳剤傷による影響を受けている乳剤傷画素を規定する乳剤傷マップを作成する乳剤傷判定方法において、
    前記画像データから順次所定画素間隔で注目画素を飛ばし指定する注目画素指定ステップと、
    前記注目画素が乳剤傷候補画素であるかどうかを判定する乳剤傷候補画素判定ステップと、
    前記乳剤傷候補画素判定ステップで判定された乳剤傷候補画素の周辺領域に位置する正常画素を探索する正常画素探索ステップと、
    前記正常画素探索ステップで検出された前記正常画素の画素値に基づいて乳剤傷判定条件を作成する乳剤傷判定条件作成ステップと、
    前記乳剤傷判定条件に基づいて前記乳剤傷候補画素が乳剤傷画素かどうかを判定する乳剤傷画素判定ステップと、
    前記乳剤傷画素判定ステップで判定された乳剤傷画素の画素位置を乳剤傷マップに書き込むマップ記録ステップと、
    前記飛ばし指定する際の前記所定画素間隔に対応して、前記乳剤傷マップにおける乳剤傷領域を前記注目画素として指定されなかった画素方向に拡張する傷領域拡張ステップと、からなる乳剤傷判定方法。
  2. 前記注目画素指定ステップにおいて、注目画素として指定される画素と指定されない画素がマトリックス展開された前記画像データに関して市松模様を形成するように前記注目画素が飛び越し指定され、前記傷領域拡張ステップにおいて前記乳剤傷領域が飛び越された画素の方向に拡張されることを特徴とする請求項に記載の乳剤傷判定方法。
  3. 前記注目画素指定ステップにおいて、マトリックス展開された前記画像データに関して行単位又は列単位の画素飛ばしで前記注目画素が指定され、前記傷領域拡張ステップにおいて前記乳剤傷領域が画素飛ばしされた行又は列の方向に拡張されることを特徴とする請求項に記載の乳剤傷判定方法。
  4. 前記注目画素指定ステップにおける画素飛ばしの所定画素間隔は、取得された画像データの解像度に対応して決定されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の乳剤傷判定方法。
  5. 写真フィルムに記録されている画像から取得された多数の画素から構成される画像データに基づいて、前記写真フィルムの乳剤傷による影響を受けている乳剤傷画素を規定する乳剤傷マップを作成するために、
    前記画像データから順次所定画素間隔で注目画素を飛ばし指定する機能と、
    前記注目画素が乳剤傷候補画素であるかどうかを判定する機能と、
    判定された乳剤傷候補画素の周辺領域に位置する正常画素を探索する機能と、
    検出された正常画素の画素値に基づいて乳剤傷判定条件を作成する機能と、
    前記乳剤傷判定条件に基づいて前記乳剤傷候補画素が乳剤傷画素かどうかを判定する機能と、
    判定された乳剤傷画素の画素位置を乳剤傷マップに書き込む機能と、
    前記飛ばし指定する際の前記所定画素間隔に対応して、前記乳剤傷マップにおける乳剤傷領域を前記注目画素として指定されなかった画素方向に拡張する傷領域拡張する機能と、をコンピュータに実行させる乳剤傷判定プログラム。
  6. 写真フィルムに記録されている画像から取得された多数の画素から構成される画像データに基づいて、前記写真フィルムの乳剤傷による影響を受けている乳剤傷画素を規定する乳剤傷マップを作成する乳剤傷判定システムにおいて、
    前記画像データから順次所定画素間隔で注目画素を飛ばし指定する注目画素指定部と、
    前記注目画素が乳剤傷候補画素であるかどうかを判定する乳剤傷候補画素判定部と、
    前記乳剤傷候補画素判定部で判定された乳剤傷候補画素の周辺領域に位置する正常画素を探索する正常画素探索部と、
    前記正常画素探索部で検出された前記正常画素の画素値に基づいて乳剤傷判定条件を作成する乳剤傷判定条件作成部と、
    前記乳剤傷判定条件に基づいて前記乳剤傷候補画素が乳剤傷画素かどうかを判定する乳剤傷画素判定部と、
    前記乳剤傷画素判定部で判定された乳剤傷画素の画素位置を乳剤傷マップに書き込むマップ記録部と、
    前記飛ばし指定する際の前記所定画素間隔に対応して、前記乳剤傷マップにおける乳剤傷領域を前記注目画素として指定されなかった画素方向に拡張する傷領域拡張部と、からなる乳剤傷判定システム。
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